JP2018060749A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量維持率が高いリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】正極活物質及び表面の少なくとも一部をAl2O3で被覆したLi3PO4を含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、当該正極及び当該負極の間に配置され、且つ、非水電解液を含む電解質層と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。【選択図】図1

Description

本願は、リチウムイオン二次電池を開示するものである。
電解質としてリチウム塩を溶媒に溶解させた電解液を用い、炭素材料等のリチウムを吸蔵、放出可能な材料を負極に用いた、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池の性能向上のために、正極に着目した研究が試みられている。
例えば、特許文献1には、有機電解液二次電池において、リン酸リチウム等のリン酸塩化合物を正極に含ませることにより、電池の過充電時における有機電解液の電気化学的な分解を抑制することができ、電池内圧が急激に上昇すること、及び/又は、電池温度が異常上昇することを抑制することができる旨が開示されている。
また、特許文献2には、正極活物質として用いられるリチウムニッケル酸化物の表面にリチウム化合物としてリン酸リチウムを添着することにより、電解液の分解を抑制することができる旨が開示されている。
特開1998−154532号公報 特開2005−190996号公報
特許文献1〜2に記載のリン酸化合物を含む正極を用いたリチウムイオン二次電池は、容量維持率が低いという問題がある。
上記実情を鑑み、本願では、容量維持率が高いリチウムイオン二次電池を開示する。
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、
正極活物質及び表面の少なくとも一部をAlで被覆したLiPOを含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、当該正極及び当該負極の間に配置され、且つ、非水電解液を含む電解質層と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池
を開示する。
本開示によれば、容量維持率が高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本開示のリチウムイオン二次電池の概略的な構成を示す断面図である。
「非水電解液二次電池」としては、具体的には、LiPFをカーボネート系溶媒に溶解させた非水系電解液等を用いたリチウムイオン二次電池が挙げられる。
また、本開示において「リチウムイオン二次電池」とは、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
また、本開示において「活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン等)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な物質をいう。
また、本開示において「SOC」とは、特記しない場合、二次電池が通常使用される電圧範囲を基準とする、当該電池の充電状態をいうものとする。
また、本開示において、「被覆」とは、LiPOの表面の40%以上を覆うことをいう。
また、本開示において「粒子」は、一次粒子であっても、二次粒子であってもよい。
本開示のリチウムイオン二次電池は、正極活物質及び表面の少なくとも一部をAlで被覆したLiPOを含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、当該正極及び当該負極の間に配置され、且つ、非水電解液を含む電解質層と、を備えることを特徴とする。
正極活物質として、LiNi0.5Mn1.5等のスピネル構造を有する化合物等を用いたリチウムイオン二次電池においては、電解液の酸化分解に伴う耐久劣化が問題となっている。
正極にリン酸リチウム(LiPO)を少量添加することにより、電解液の分解を抑制することができるため、電池内での化学反応を抑制する、あるいは、化学反応によって生じる電池温度の上昇を緩やかにすることができる。結果として、電池内圧が急激に上昇すること、及び/又は、電池温度が異常上昇することを抑制することができる。しかし、リン酸リチウムを少量添加した正極を用いたリチウムイオン二次電池は、容量維持率が低いという問題がある。
LiPOは、充放電サイクルに伴って少しずつ分解、溶解し、LiPOからLi、LiPOに変化すると推定される。Li、及び、LiPOは、LiPOよりも分解性、溶解性が低いと推定される。そのため、LiPOは、充放電サイクルに伴って、初期充放電時に有していた電解液分解抑制能を示さなくなり、電池の容量維持率が低下するという問題がある。
本発明者らは、LiPOの表面の少なくとも一部にAlを被覆することによって、充放電サイクルに伴って起こるLiPOの分解速度低下、及び、溶解速度低下を抑制することができ、電解液分解抑制効果を長時間維持できるようになり、電池の容量維持率が向上することを見出した。
図1は、本開示のリチウムイオン二次電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面の模式図である。なお、本開示のリチウムイオン二次電池は、必ずしもこの例のみに限定されない。
リチウムイオン二次電池100は、正極活物質層2及び正極集電体4を含む正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を含む負極7と、当該正極6及び当該負極7の間に配置される電解質層1を備える。
以下、本開示のリチウムイオン二次電池に用いられる正極、負極、及び電解質層、並びに本開示のリチウムイオン二次電池に好適に用いられるセパレータ及び電池ケースについて、詳細に説明する。
正極は、正極活物質及び表面の少なくとも一部をAlで被覆したLiPOを含む正極活物質層を有する。正極は、通常、正極活物質層に加えて、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備える。
Alは、LiPOの表面の少なくとも一部を被覆していればよく、表面全体を被覆していてもよい。
LiPOの表面の少なくとも一部を被覆するAlの膜厚は、下限値は、0.3nm以上であってもよく、0.5nm以上であってもよく、また、上限値は、20nm未満であってもよく、2nm以下であってもよい。0.3nm以上であれば、安定なAl層を形成できると推定される。また、Alが20nm以上であると、LiPOがほとんど分解、溶解しないため、電池の容量維持率向上効果が得られにくくなると推定される。
Alを、LiPOの表面に被覆する方法は、特に限定されないが、例えば、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)装置を用いた方法等が挙げられる。
正極における正極活物質層に含まれるリン酸リチウムの含有量は、特に限定されないが、正極活物質100質量部に対して0.1質量部以上、5質量部以下であってもよい。0.1質量部以上であることにより、所望の電解液分解抑制能が得られやすくなり、5質量部以下であることにより、所望の電池性能を維持することが容易になる。
また、リン酸リチウムの形状は特に限定されないが、表面積を大きくして電解液分解抑制能を向上させる観点から、粒子形状であることが好ましい。リン酸リチウムの形状が粒子形状である場合の、リン酸リチウム粒子の平均粒径は、特に限定されないが、100nm以上であってもよく、20μm以下であってもよい。平均粒径が100nm以上であるとにより、所望の電解液分解抑制能が得られやすくなり、20μm以下であることにより、電極間のイオン伝導経路を確保しやすくなり、所望の電池性能の維持が容易になる。
なお、本開示において「平均粒径」とは、特記しない場合、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布から導き出せるメジアン径(50%体積平均粒径;以下「D50」と表記することもある。)をいう。
正極活物質としては、例えば、LiNi0.5Mn1.5、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiCoPO、LiFe(PO及びLi(PO等を挙げることができる。
正極活物質の形状は特に限定されないが、粒子形状であってもよい。正極活物質が粒子形状である場合の、正極活物質粒子の平均粒径は、0.1〜20μmであってもよい。正極活物質粒子の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質粒子の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合がある。
正極活物質層における正極活物質の含有割合は、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、50〜90質量%である。
正極活物質層は、必要に応じて導電材及び結着剤等を含有していても良い。
導電材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電材の含有割合は、導電材の種類によって異なるものであるが、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜30質量%である。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着剤の含有割合は、正極活物質等を固定化できる程度であれば良い。結着剤の含有割合は、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、0.5〜10質量%である。
正極活物質層の厚さは、目的とする電池の用途等により異なるものであるが、10〜250μmであってもよく、20〜200μmであってもよく、30〜150μmであってもよい。
正極集電体は、上記正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、SUS、ニッケル、クロム、金、亜鉛、鉄及びチタン等を挙げることができる。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
正極を製造する方法は、特に限定されるものではない。例えば、正極活物質及びリン酸リチウムを分散媒に入れて、分散させてスラリーを調製し、該スラリーを正極集電体上に塗布、乾燥、圧延する方法等が挙げられる。なお、正極活物質とリン酸リチウムは、分散媒に入れる前に、正極活物質とリン酸リチウムを予め混合してもよい。混合方法は特に限定されず、乳鉢を用いた混合などが挙げられる。
分散媒は、特に限定されず、例えば、酢酸ブチル、ヘプタン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
塗布方法としては、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
なお、正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をプレスしても良い。
負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を有する。負極は、通常、負極活物質層に加えて、負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを有する。
負極活物質としては、リチウムイオン等のイオンを吸蔵、放出可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属硫化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、及びグラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、Si等を挙げることができ、グラファイトが好ましい。
リチウム合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。
また、リチウム元素を含有する金属酸化物としては、例えばLiTi12等のリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。また、固体電解質をコートした金属リチウムも使用できる。
負極活物質層は、必要に応じて導電材及び結着剤等を含有していても良い。
導電材及び結着剤の詳細は、上述した正極活物質層における導電材及び結着剤等と同様である。
負極活物質層の層厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10〜100μmであってもよく、10〜50μmであってもよい。
負極集電体は、上記負極活物質層の集電を行う機能を有するものである。負極集電体の材料としては、SUS、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Zn等を用いることができる。
また、負極集電体の形状としては、上述した正極集電体の形状と同様のものを採用することができる。
負極を製造する方法は、上記負極が得られる方法であれば特に限定されない。なお、負極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、負極活物質層をプレスしてもよい。
電解質層は、正極及び負極の間に配置され、当該正極及び当該負極の間でリチウムイオン等のイオンを交換する働きを有する。
電解質層は、少なくとも非水電解液を有する。
非水電解液としては、通常、リチウム塩及び非水溶媒を含有したものを用いる。
リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO及びLiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができる。
非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル(AcN)、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びこれらの混合物等を挙げることができる。
非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5〜3mol/Lの範囲内である。
非水溶媒として、例えば、イオン性液体を用いてもよい。イオン性液体としては、例えば、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(PP13TFSA)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(P13TFSA)、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(P14TFSA)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(DEMETFSA)、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TMPATFSA)等が挙げられる。
本開示のリチウムイオン二次電池には、セパレータを用いることができる。セパレータは、正極及び負極の間に配置されるものであり、通常、正極活物質層と負極活物質層との接触を防止し、電解質を保持する機能を有する。上記セパレータの材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース及びポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリエチレン、及び/又は、ポリプロピレンが好ましい。
また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、又は、PP/PE/PP若しくはPE/PP/PEの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。
本開示においては、上記セパレータが、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。
また、上記セパレータの膜厚は、特に限定されるものではなく、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるセパレータの膜厚と同様である。
セパレータには、上述した電解液を含浸させて用いてもよい。
本開示のリチウムイオン二次電池は、正極、電解質層及び負極等を収納する電池ケースを備えていてもよい。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
(実施例1)
[ALD処理]
LiPOは平均粒径1μmの粒子を用いた。LiPO粒子1gに対して、ALD装置を用いて、成膜レート1Å/サイクルで、5サイクル処理し、LiPO粒子表面にAlを被覆した。すなわち、Alの膜厚が0.5nmとなるように、ALD処理を行った。なお、ALD処理におけるAl原料としては、トリメチルアルミニウムを用い、酸素原料としては、水を用いた。トリメチルアルミニウムの温度は20℃、水は20℃、反応槽の温度は200℃とした。
[正極の作製]
正極活物質としてLiNi0.5Mn1.5と、上記ALD処理したLiPOと、ALD未処理のLiPOと、導電材としてアセチレンブラック(AB)を混合した。さらに、結着剤としてn−メチルピロリドン(NMP)に溶解させたポリフッ化ビニリデン(PVdF)を添加し、スラリーを作製した。ALD処理したLiPOは、正極活物質100質量部に対して1質量部添加した。また、ALD未処理のLiPOも、正極活物質100質量部に対して1質量部添加した。LiPO及び正極活物質の混合物(正極材料)とABとPVdFとの混合割合は、85:10:5(質量比)とした。得られたスラリーをドクターブレード法により、集電体としてAl箔(15μm)に塗布し、空気中において約80℃で乾燥し、NMPを除去した。その後、120℃で10時間真空乾燥した。その後、得られた正極合材を1ton/cm(≒98MPa)でプレスすることで正極集電体に圧着し、塗布型試験電極(正極)を作製した。電極面積は1.77cm(直径1.5cmの円形)とした。
[電池の作製]
上記の正極を用い、負極活物質としてグラファイトを用いたグラファイト負極、電解液として、ECおよびEMCを体積比率3:7で混合した混合溶媒に支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/Lとなるように溶解したものを用いて、CR2032型の2極式コインセル(リチウムイオン二次電池)を作製した。
(実施例2)
上記[ALD処理]において、ALD処理を、成膜レート1Å/サイクルで、20サイクル行い、Alの膜厚が2.0nmとなるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例1)
上記[ALD処理]を行わなかったこと、及び、[正極の作製]において、ALD未処理のLiPOを、正極活物質100質量部に対して2質量部添加し、ALD処理したLiPOを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
〔評価〕
以下のように各電池を評価した。以下の説明において電流値の単位「C」は電池の定格容量を1時間で放電しきる電流値を示すものとする。また「CC」は定電流を示すものとする。
[初期放電容量測定]
上記実施例1〜2及び比較例1の電池を用いて、初期充放電試験を行った。試験電極を正極、金属Liを負極としたとき、試験電極からLiを脱雛させる過程を「充電」、試験電極にLiを挿入させる過程を「放電」とし、測定を行った。測定装置は充放電試験装置(北斗電工製、HJ−1001 SM8A)を使用した。
電圧範囲3.5V〜4.9Vの範囲で、1Cレートで3回充放電を行った。
そして、3サイクル後の放電容量を初期放電容量とした。
その後、初期抵抗測定を行った。
なお、1Cレートは、電流値0.2mA/cm、電圧範囲3.5V〜5V、温度25℃で1サイクル充放電を行い、測定したセルの容量からを算出した。
[初期抵抗測定]
25℃において電池のSOC(State Of Charge:充電状態)を60%に調整した。その後、30分静置し、25℃にて、1Cレート(ΔI)で10秒間の定電流(CC)放電を行い、電圧降下量(ΔV)を測定した。電流値と電圧降下量とから、抵抗を算出した。その後、3Cレート、5Cレートでも10秒間の定電流(CC)放電を行い、同様に抵抗を算出し、得られた抵抗値の平均値を初期抵抗とした。結果を表1に示す。
[電池耐久試験]
その後、2Cレート、60℃環境下で、電圧範囲3.5V〜5Vで、200サイクルの充放電を行った。
その後、25℃に戻し、上記[初期放電容量測定]と同様の充放電条件(3.5V〜4.9Vの範囲で、1Cレート)で1サイクル充放電し、耐久試験後放電容量を測定した。
そして、耐久試験後放電容量/初期放電容量×100を容量維持率(%)とした。結果を表1に示す。
[結果]
表1はAlの膜厚が0.5nmとなるようにALD処理したLiPO(実施例1)、Alの膜厚が2.0nmとなるようにALD処理したLiPO(実施例2)、ALD処理しなかったLiPO(比較例1)をそれぞれ用いた電池の初期抵抗、及び、容量維持率を示したものである。
表1に示すように、初期抵抗は、実施例1が、17.2Ω、実施例2が、18.4Ω、比較例1が、18.3Ωであった。
したがって、ALD処理を行った場合であっても、ALD処理を行わなかった場合と比較して、初期抵抗はほとんど変化しないことが確認された。そのため、ALD処理を行うことによる初期抵抗の増加はほとんどないことが確認された。
また、表1に示すように、容量維持率は、実施例1が、46.9%、実施例2が、47.4%、比較例1が、43.8%であった。
したがって、ALD処理を行うことで、ALD処理を行わなかった場合と比較して、容量維持率が3.1〜3.6%向上することが確認された。
1 電解質層
2 正極活物質層
3 負極活物質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極
7 負極
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極活物質及び表面の少なくとも一部をAlで被覆したLiPOを含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、当該正極及び当該負極の間に配置され、且つ、非水電解液を含む電解質層と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
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