JP6011177B2 - 非水リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水リチウム二次電池用電解液、及び、当該電解液を用いた非水リチウム二次電池に関する。
二次電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換し放電を行うことができる他に、放電時と逆方向に電流を流すことにより、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積(充電)することが可能な電池である。二次電池の中でも非水系の電解液を備える非水リチウム二次電池はエネルギー密度が高いため、車両搭載用電源、或いは、ノート型のパーソナルコンピューターや、携帯電話機等の携帯機器の電源として幅広く応用されている。
非水リチウム二次電池は、非水溶媒とそれに溶解された支持電解質塩とを含む電解液を備えている。非水溶媒としては、支持電解質塩と溶媒和しやすいエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの高誘電率溶媒と、イオン伝導性に優れたジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートあるいはエチルメチルカーボネートなどの低粘度溶媒とを混合した混合溶媒が広く用いられている。電解液の組成については、導電率を高めるために、溶媒の種類および混合比や支持電解質塩の種類および濃度などが調整されている。
例えば、特許文献1では、非水溶媒としてエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比率3:3:4で混合したものに、支持電解質塩としてLiPFを濃度1Mとなるように溶解した電解液が用いられている。
特開2012−114027号公報
しかし、特許文献1で用いられているような、高誘電率溶媒と低粘度溶媒とを混合した混合溶媒を含む電解液は、導電率が向上するという利点を有するが、高電位を発現する正極活物質を用いて充電した場合や過充電の際に、正極の電位が電解液の分解電位より高くなると電解液の酸化反応が起こるため、電解液が酸化分解するという問題がある。電解液が酸化分解すると、電池の初期放電容量が低くなるという問題がある。
本発明は、上記実情を鑑み成し遂げられたものであり、非水リチウム二次電池の初期放電容量を向上させることができる非水リチウム二次電池用電解液、及び、当該電解液を用いた非水リチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明においては、正極活物質を含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、電解質層と、を備える電池であって、
前記正極活物質が、LiCoPO であり、
前記電解質層中に、支持電解質塩、非水溶媒、及び、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含む電解液を含み、
前記リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)の含有量は、前記電解液の総質量に対して3質量%以上、3.5質量%以下であることを特徴とする、非水リチウム二次電池を提供する。
本発明においては、前記支持電解質塩が、LiPFであることが好ましい。
本発明においては、前記非水溶媒が、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及び、ジメチルカーボネートから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明によれば、電解液の酸化分解を抑制できる。そのため、非水リチウム二次電池の初期放電容量を向上させることができる。
本発明の非水リチウム二次電池の一例を示す図である。 LiCoPOのX線回折パターンを示す図である。 リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)の含有量に対する初期放電容量を示す図である。
1.非水リチウム二次電池用電解液
本発明においては、非水リチウム二次電池用電解液であって、
支持電解質塩、非水溶媒、及び、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含み、
前記リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)の含有量は、前記電解液の総質量に対して1質量%を超え5質量%以下であることを特徴とする、非水リチウム二次電池用電解液を提供する。
本発明者は、鋭意検討した結果、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含む電解液を非水リチウム二次電池に用いることによって、電池の初期放電容量を向上することができることを見出した。
これは、初期充電の際に、正極の電位が上昇し、正極活物質表面で電解液の一部が反応して酸化分解することによって、正極活物質表面にリン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含むSEI(Solid Electrolyte Interphase)皮膜が形成され、電解液のさらなる酸化分解を抑制するため、初期放電容量が向上すると考えられる。
また、SEI皮膜の形成により、初期放電の際に、正極活物質表面での、SEI皮膜に含まれるリン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)と電解液に含まれる非水溶媒との分子間相互作用により、リチウムイオンと非水溶媒との間の脱溶媒和が促進され、リチウムイオンの正極活物質への吸蔵が円滑に行われるようになるため、初期放電容量が向上すると考えられる。
以下、本発明の構成及び実施態様について詳しく説明する。なお本発明は、図面及び実施例などにより詳しく説明されるが、本発明はこれら図面及び実施例に限定されない。
本発明の非水リチウム二次電池用電解液は、少なくとも、支持電解質塩、非水溶媒、及び、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含み、前記リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)の含有量が、電解液の総質量に対して1質量%を超え5質量%以下であるものであれば、特に限定されないが、初期放電容量向上の観点から、1質量%を超え4質量%以下であることがより好ましく、1.5〜3.5質量%であることが特に好ましい。
なお、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)とは下記化学式(1)で示される化合物のことである。
Figure 0006011177
支持電解質塩としては、リチウム塩等を用いることができ、リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO及びLiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができ、LiPFが好ましい。電解液における支持電解質塩の濃度は、例えば0.5〜3mol/Lの範囲内である。
非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル(AcN)、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びこれらの混合物等を挙げることができ、高誘電率、低粘度を確保する観点から、高誘電率、高粘度を有するEC、PC、BC等の環状カーボネート化合物と、低誘電率、低粘度を有するDMC、DEC、EMC等の鎖状カーボネート化合物の混合溶媒がより好ましく、少なくともEC、EMC及びDMCを含む混合溶媒が特に好ましい。
2.非水リチウム二次電池
本発明においては、正極活物質を含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、電解質層と、を備える電池であって、
前記正極活物質が、リチウム含有化合物であり、
前記電解質層中に、前記電解液を含むことを特徴とする、非水リチウム二次電池を提供する。
図1は、本発明の非水リチウム二次電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面の模式図である。なお、本発明の非水リチウム二次電池は、必ずしもこの例のみに限定されない。
非水リチウム二次電池100は、正極活物質層2及び正極集電体4を含む正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を含む負極7と、当該正極6及び当該負極7に挟持される電解質層1を備える。以下、本発明の非水リチウム二次電池に用いられる正極、負極、及び電解質層、並びに本発明の非水リチウム二次電池に好適に用いられるセパレータ及び電池ケースについて、詳細に説明する。
正極は、正極活物質を含有する正極活物質層を備える。本発明に用いられる正極は、通常、正極活物質層に加えて、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備える。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出することができるものであれば特に限定されないが、放電特性向上の観点から、リチウム含有化合物であることが好ましい。
リチウム含有化合物の具体例としては、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPO、LiFe(PO、LiFe(PO)、LiCoO、LiNiO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiMn、LiCoMnO、及びLiNiMn等を挙げることができ、LiCoPOが特に好ましい。
正極活物質を製造する方法は、特に限定されず、例えば、水熱合成法等によって得られる。水熱合成法によってLiCoPOを製造する場合の原料としては、リン酸、酢酸コバルト四水和物、水酸化リチウム一水和物、硝酸リチウム、グリシン、ポリエーテルリン酸エステル類、ヒドラジン一水和物等を用いることができる。
焼成温度は、400℃から900℃の範囲であれば良く、450℃から700℃の範囲であることが好ましい。400℃未満ではLiCoPOが合成できず、900℃を超えると、LiCoPOが分解しやすいからである。
正極活物質の平均粒径としては、例えば1〜50μm、特に1〜20μm、さらに3〜5μmであることが好ましい。正極活物質の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合があるからである。なお、正極活物質の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
正極活物質層は、必要に応じて導電材及び結着剤等を含有していても良い。
導電材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電材の含有割合は、導電材の種類によって異なるものであるが、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜30質量%である。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着剤の含有割合は、正極活物質等を固定化できる程度であれば良く、より少ないことが好ましい。結着剤の含有割合は、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜10質量%である。
正極活物質層の厚さは、目的とする電池の用途等により異なるものであるが、10〜250μmであるのが好ましく、20〜200μmであるのがより好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。
正極集電体は、上記正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。正極集電体の材料としては、例えば銅、アルミニウム、SUS、ニッケル、鉄及びチタン等を挙げることができる。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
正極を製造する方法は、特に限定されるものではない。例えば、正極活物質を分散媒に分散させてスラリーを調製し、該スラリーを正極集電体上に塗布、乾燥、圧延する方法等が挙げられる。
分散媒は、特に限定されず、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
塗布方法としては、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
なお、正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をプレスしても良い。
負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を備える。本発明に用いられる負極は、通常、負極活物質層に加えて、負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを備える。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属硫化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、及びグラファイト等の炭素材料等を挙げることができ、金属リチウムが好ましい。
リチウム合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。
また、リチウム元素を含有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。また、固体電解質をコートした金属リチウムも使用できる。
負極活物質層は、必要に応じて導電材及び結着剤等を含有していても良い。
導電材及び結着剤の詳細は、上述した正極活物質層における導電材及び結着剤等と同様である。
負極活物質層の層厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10〜100μm、中でも10〜50μmであることが好ましい。
負極集電体は、上記負極活物質層の集電を行う機能を有するものである。負極集電体の材料としては、上述した正極集電体の材料と同様のものを用いることができる。また、負極集電体の形状としては、上述した正極集電体の形状と同様のものを採用することができる。
負極を製造する方法は、上記負極が得られる方法であれば特に限定されない。なお、負極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、負極活物質層をプレスしてもよい。
電解質層は、本発明の電解液を含むものであり、正極及び負極の間に保持され、正極及び負極の間でリチウムイオンを交換する働きを有する。
本発明の非水リチウム二次電池には、セパレータを用いることができる。セパレータは、正極及び負極の間に配置されるものであり、正極活物質層と負極活物質層との接触を防止し、電解液を保持する機能を有する。上記セパレータの材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース及びポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、又は、PP/PE/PP若しくはPE/PP/PEの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。
本発明においては、上記セパレータが、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。また、上記セパレータの膜厚は、特に限定されるものではなく、一般的な電池に用いられるセパレータの膜厚と同様である。
セパレータには、上述した電解液を含浸させて用いてもよい。
本発明の非水リチウム二次電池は、正極、電解質層及び負極等を収納する電池ケースを備えていてもよい。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(LiCoPOの合成)
正極活物質として用いるLiCoPOの合成には水熱合成法を用いた。原料としてリン酸、酢酸コバルト四水和物、水酸化リチウム一水和物、硝酸リチウム、グリシン(何れもナカライテスク社製)、ヒドラジン一水和物(アルドリッチ社製)を用いた。各構成元素がLi:Co:P=25:5:1のモル比になるように秤量し、80mlの純水に溶解させた。そこへ、グリシン、ポリエーテルリン酸エステル類としてTRITON(商品名)H−55(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製)をPに対して5倍のモル量溶解し、最後にヒドラジン一水和物を数滴入れ、溶液を調製した。調製した溶液を耐圧容器に入れ、攪拌させながら、160℃まで温度を上げて水熱反応をさせた。得られた粉体を純水とエタノールで洗浄後、500℃で焼成し、正極活物質の粉末を得た。
(結晶構造解析)
得られた粉末の結晶構造は、X線回折法(XRD法)により、測定した。測定装置は、株式会社リガク製のUltima4を用い、一次元検出器を用いて測定を行った。測定角度は、10°から80°で、測定速度は10°/min、3回積算にて測定した。結果を図2に示す。
図2に示すように、LiCoPOが生成していることがわかる。
(非水リチウム二次電池の作製)
正極活物質として得られたLiCoPO粉末を用い、このLiCoPO粉末と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製 HS−100)を75:25:10の質量比で混合し、溶媒N−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業株式会社製)に分散させてスラリーを調製した。該スラリーを厚み15μmのアルミニウム箔(集電体)上に目付量が3mg/cmとなるようにドクターブレード法で塗布して、80℃にて乾燥後、プレス機で圧延し、正極を得た。
負極には、Li金属箔を用いた。
非水リチウム二次電池用電解液は、ECとDMCとEMCを体積比3:3:4で混合した溶媒に、支持電解質塩であるLiPFを1Mの濃度になるように溶解し、電解液の総質量に対して3質量%となるようにリン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含有したものを用いた。
セパレータは、PP−PEの積層型多孔膜フィルム(宇部興産株式会社製)を用いた。
上記正極、負極、電解液、セパレータ、及び、SUS製2032型コインセルを用いて非水リチウム二次電池(コイン型)を作製した。
参考例2、比較例1〜4)
非水リチウム二次電池用電解液におけるリン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)の含有量を電解液の総質量に対して、参考例2では5質量%に、比較例1では0質量%に、比較例2では0.5質量%に、比較例3では1質量%に、比較例4では10質量%にし、それ以外は、上記実施例1の場合と同様にして、非水リチウム二次電池を作製した。
[充放電試験]
実施例1、参考例2、及び比較例1〜4で作製した非水リチウム二次電池の充放電試験を行った。
温度25℃にて、実容量150mAh/g(理論容量170mAh/g)に対して電流レート0.1Cにて上限電圧5V(正極電位5V(vs.Li/Li))まで定電流充電を行った。その後、電流レート0.1Cにて下限電圧2.5V(正極電位2.5V(vs.Li/Li))に達するまで放電を行い、初期放電容量とした。結果を図3に示す。
[結果]
図3に示すように、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含まない電解液を用いた比較例1の初期放電容量が109mAh/gであるのに対し、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を0.5質量%含む電解液を用いた比較例2の初期放電容量が113mAh/gであり、1質量%含む電解液を用いた比較例3の初期放電容量が115mAh/gであり、3質量%含む電解液を用いた実施例1の初期放電容量が122mAh/gであり、5質量%含む電解液を用いた参考例2の初期放電容量が111mAh/gであった。
一方、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を10質量%含む電解液を用いた比較例4は、電解液中の溶媒が分離してしまい、電池として機能せず、初期放電容量を測定することはできなかった。
以上の結果から、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を電解液の総質量に対して0.5〜5質量%含む電解液を非水リチウム二次電池に用いることにより、電池の初期放電容量が向上することがわかる。
1 電解質層
2 正極活物質層
3 負極活物質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極
7 負極
100 非水リチウム二次電池

Claims (3)

  1. 正極活物質を含む正極活物質層を有する正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、電解質層と、を備える電池であって、
    前記正極活物質が、LiCoPO であり、
    前記電解質層中に、支持電解質塩、非水溶媒、及び、リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)を含む電解液を含み、
    前記リン酸トリス(ヘキサフルオロイソプロピル)の含有量は、前記電解液の総質量に対して3質量%以上、3.5質量%以下であることを特徴とする、非水リチウム二次電池
  2. 前記支持電解質塩が、LiPFである、請求項1に記載の電池
  3. 前記非水溶媒が、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及び、ジメチルカーボネートから選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の電池
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