「第1実施形態」
本発明の第1実施形態に係る紙幣処理装置を図1〜図12を参照して以下に説明する。この紙幣処理装置11は、外部から投入された紙幣を内部に収納する入金処理と、内部に収納されている紙幣を外部に取り出し可能に出金する出金処理とが可能であって入金処理で取り込んだ紙幣を出金用として使用する還流式の紙幣入出金装置である。なお、以下の説明における「前」は操作者側を、「後」は操作者とは反対側を示し、「左右」は操作者から見た左右を示している。
図1に示すように、紙幣処理装置11の前面側には、入金用のバラ紙幣が外部から投入され、投入された紙幣を内部に繰り出し可能であるとともに、出金用のバラ紙幣が内部から繰り出されこれを外部に取り出し可能とする入出金口(払出口)12が設けられている。紙幣処理装置11の前面側には、この入出金口12の下方に、入金用の紙幣のうち受け入れ不可なリジェクト紙幣を外部に取り出し可能に払い出す入金リジェクト口13が設けられている。
入出金口12は、紙幣の入出を行う内口部12aを一カ所のみ後端部に有しており、この内口部12aには、内口部12aから後方に延出した後、紙幣処理装置11の後部で下側に折り返して前方に延出する搬送路15Aが接続されている。搬送路15Aには、後部の折返部分よりも入出金口12側に、紙幣の真偽、正損、金種、表裏、天地、重送、斜行等を識別する識別部16が設けられている。また、搬送路15Aの折返部分に対し入出金口12とは反対側には、複数具体的には4カ所の搬送路15B,15C,15D,15Eが下方に分岐するように接続されている。これら搬送路15B〜15Eは、紙幣処理装置11内の下部に前後に並んで設けられた複数具体的には4つの一時貯留収納部(収納部)18B,18C,18D,18Eに一対一で紙幣を入出可能に接続されている。つまり、搬送路15Bに一時貯留収納部18Bが、搬送路15Cに一時貯留収納部18Cが、搬送路15Dに一時貯留収納部18Dが、搬送路15Eに一時貯留収納部18Eが、それぞれ紙幣を入出可能に接続されている。
搬送路15Bの分岐位置には、搬送路15Aで識別部16から搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Bに振り分ける振分部20Bが、搬送路15Cの分岐位置には、搬送路15Aで識別部16から搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Cに振り分ける振分部20Cが、搬送路15Dの分岐位置には、搬送路15Aで識別部16から搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Dに振り分ける振分部20Dが、搬送路15Eの分岐位置には、搬送路15Aで識別部16から搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Eに振り分ける振分部20Eが、それぞれ設けられている。
搬送路15Aには、搬送路15Eに対し識別部16とは反対側に、下方に分岐するように搬送路15Fが接続されており、この搬送路15Fの末端にはリジェクトカセット22が接続されている。搬送路15Fの分岐位置には、搬送路15Aで搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Fに振り分ける振分部20Fが設けられている。
搬送路15Aの最も入出金口12とは反対側には、繰出カセット(集積部)24が接続されており、この繰出カセット24の下側には繰出カセット24の紙幣を収納する収納カセット25が設けられている。
搬送路15Aは、入出金口12と識別部16との間位置と、搬送路15Eと搬送路15Fとの間位置とが搬送路15Gで接続されている。搬送路15Gの入出金口12および識別部16側の分岐位置には、搬送路15Aで識別部16側から入出金口12側に搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Gに振り分ける振分部20Gaが設けられている。
搬送路15Aには、入出金口12と搬送路15Gと間から分岐して入金リジェクト口13に繋がる搬送路15Hが接続されている。搬送路15Hの分岐位置には、搬送路15Aで識別部16側から入出金口12側に搬送中の紙幣を選択的に搬送路15Hに振り分ける振分部20Hが設けられている。
そして、本実施形態において、搬送路15Aには、搬送路15Gの入出金口12および識別部16側の接続位置と搬送路15Hの接続位置との間から分岐して入出金口12への接続位置近傍に合流する表裏反転搬送路15Jが接続されている。表裏反転搬送路15Jの入出金口12とは反対側の分岐位置には、搬送路15Aで識別部16側から入出金口12側に搬送中の紙幣を選択的に表裏反転搬送路15Jに振り分ける振分部20Jが設けられている。
搬送路15Aは、より詳しくは、入出金口12の内口部12aから後下がりに延出して表裏反転搬送路15Jの入出金口12側の端部に繋がる搬送部Aaと、搬送部Aaからさらに後下がりに延出し、鉛直下方に延出した後、湾曲して後側に向いて搬送路15Hの分岐位置に繋がる搬送部Abと、この搬送部Abの下端から水平後方に延びて表裏反転搬送路15Jの入出金口12とは反対側の端部に繋がる搬送部Acと、この搬送部Acからさらに水平後方に延びて搬送路15Gの一端の接続位置に繋がる搬送部Adと、この搬送部Adから紙幣処理装置11の後部位置まで延出し下側に折り返して搬送路15Bの分岐位置に繋がる搬送部Aeと、この搬送部Aeから水平前方に延出して搬送路15Cの分岐位置に繋がる搬送部Afと、この搬送部Afから水平前方に延出して搬送路15Dの分岐位置に繋がる搬送部Agと、この搬送部Agから水平前方に延出して搬送路15Eの分岐位置に繋がる搬送部Ahと、この搬送部Ahから前上がりに傾斜して搬送路15Gの他端の分岐位置に繋がる搬送部Aiと、この搬送部Aiから水平前方に延出して搬送路15Fの分岐位置に繋がる搬送部Ajと、この搬送部Ajから水平前方に延出した後、湾曲して下方に向いて繰出カセット24に繋がる搬送部Akとを有している。
搬送路15Hは、搬送部Acから水平前方に延出して入金リジェクト口13に繋がる。搬送路15Gは、搬送部Ai,Ajの間位置から後上がりに傾斜して搬送部Ad,Aeの間位置に繋がる。
入出金口12は、その外側開口部を開閉するシャッタ30と、互いに上下および前後に離れて後下がりに傾斜する底面31および天井面32と、これら底面31および天井面32の後部を繋ぐように後上がりに傾斜する奥面33と、底面31および天井面32に沿う姿勢で奥面33に沿って昇降するビルプレス34とを有しており、奥面33と天井面32との間に上記した内口部12aが設けられて搬送路15Aが接続されている。入出金口12には、その内部の紙幣の有無を検出する紙幣検知センサ(紙幣検知手段)35が設けられている。
入出金口12は、ビルプレス34が底面31側の所定の投入位置した状態で、シャッタ30が開かれると、ビルプレス34と天井面32との間に外部から紙幣が投入されることになる。その際に紙幣は、長さ方向を左右方向に沿わせビルプレス34と平行をなした姿勢でビルプレス34と天井面32とを結ぶ方向に集積された状態で投入される。そして、ビルプレス34を天井面32側に移動させた状態で搬送路15Aの入出金口12側に設けられた図示略の分離繰出機構が紙幣を一枚ずつに分離して内口部12aから内部に繰り出す。
また、入出金口12には、搬送路15Aで搬送されてきた紙幣が内口部12aから一枚ずつビルプレス34上に繰り出されることになり、その際に紙幣は、長さ方向を左右方向に沿わせビルプレス34と平行をなした姿勢でビルプレス34と天井面32とを結ぶ方向に集積される。ビルプレス34は、天井面32側の所定の受入位置に位置した状態で、搬送路15Aで搬送されてきた紙幣の受け入れを開始することになり、紙幣の集積量に応じて天井面32からの距離を拡大するようになっている。
一時貯留収納部18Bには上部に一時貯留部40Bが下部に出金収納部41Bが、一時貯留収納部18Cには上部に一時貯留部40Cが下部に出金収納部41Cが、一時貯留収納部18Dには上部に一時貯留部40Dが下部に出金収納部41Dが、一時貯留収納部18Eには上部に一時貯留部40Eが下部に出金収納部41Eが、それぞれ設けられている。
一時貯留部40Bは、搬送路15Bから導入された紙幣を出金収納部41Bとは分離した状態で下から上へと順に集積させて一時貯留するとともに、一時貯留している紙幣を図示略の分離繰出機構により上側のものから順に一枚ずつ搬送路15Bに繰り出し可能となっている。また、一時貯留部40Bは、一時貯留している紙幣を上下方向に集積させた状態のまま出金収納部41Bに収納可能となっている。出金収納部41Bは、収納している紙幣を一時貯留部40Bに紙幣がない状態で上昇させ、図示略の分離繰出機構により上側のものから順に一枚ずつ搬送路15Bに繰り出し可能となっている。
同様に、一時貯留部40C〜40Eは、それぞれ、搬送路15C〜15Eの対応するものから導入された紙幣を下から上へと順に集積させて一時貯留するとともに、一時貯留している紙幣を図示略の分離繰出機構により上側のものから順に一枚ずつ搬送路15C〜15Eの対応するものに繰り出し可能となっている。また、一時貯留部40C〜40Eは、一時貯留している紙幣を上下方向に集積させた状態のまま出金収納部41C〜40Eの対応するものに収納可能となっている。出金収納部41C〜41Eは、収納している紙幣を一時貯留部40C〜40Eに紙幣がない状態で上昇させ、図示略の分離繰出機構により上側のものから順に一枚ずつ搬送路15C〜15Eの対応するものに繰り出し可能となっている。つまり、一時貯留収納部18B〜18Eは、紙幣を繰り出し可能に収納する。
ここで、具体的に、一時貯留収納部18Bは万円券のみを繰り出し可能に収納することになり、一時貯留収納部18Cは五千円券のみを繰り出し可能に収納することになり、一時貯留収納部18Dは千円券のみを繰り出し可能に収納することになり、一時貯留収納部18Eは二千円券および一時貯留収納部18B〜18Dで収納しきれないオーバーフロー紙幣を繰り出し可能に収納することになる。つまり、紙幣処理装置11には、金種別の複数の一時貯留収納部18B〜18Dが設けられている。勿論、一時貯留収納部18B〜18Eの収納対象金種は、上記以外の設定も可能である。
リジェクトカセット22は、紙幣の収納のみを行うもので、収納している紙幣の取り出しのために紙幣処理装置11から取り外し可能となっている。
繰出カセット24は、搬送路15Aから導入された紙幣を収納カセット25とは分離した状態で下から上へと順に集積させて収納するとともに、収納している紙幣を図示略の分離繰出機構により上側のものから順に一枚ずつ搬送路15Aに繰り出し可能となっている。また、繰出カセット24は、収納している紙幣を上下方向に集積させた状態のまま収納カセット25に収納可能となっている。繰出カセット24は、紙幣の補充のために紙幣処理装置11から取り外し可能となっている。
収納カセット25は、収納している紙幣を繰出カセット24に紙幣がない状態で上昇させ、図示略の分離繰出機構により上側のものから順に一枚ずつ搬送路15Aに繰り出し可能となっている。
識別部16は、入出金口12等から繰り出されて搬送路15Aの搬送部Aeを前から後に移動する紙幣の真偽、正損、金種、表裏、天地、重送、斜行等を識別することになり、また、一時貯留収納部18A〜18E等から繰り出されて搬送路15Aの搬送部Aeを逆方向に移動する紙幣の真偽、正損、金種、表裏、天地、重送、斜行等を識別することになる。
表裏反転搬送路15Jは、搬送路15Aの搬送部Ad,Acの間位置から上側に分岐し湾曲して後方に後上がりに延びる入口側搬送部Jaと、この入口側搬送部Jaの末端位置から上側にて前方に前上がりに延出して搬送部Aa,Abの間位置に繋がる出口側搬送部Jbと、入口側搬送部Jaの末端位置に位置する紙幣を上方に押圧して出口側搬送部Jbに移載する図示略の羽根車等の移載機構とを有している。
識別部16の識別結果に基づいて、表裏反転が必要な紙幣は、搬送部Adから振分部20Jで表裏反転搬送路15Jの入口側搬送部Jaに振り分けられる。すると、この紙幣は、入口側搬送部Jaの末端位置で、図示略の移載機構により出口側搬送部Jbに移載されて出口側搬送部Jbで搬送されることになり、表裏が反転された状態で搬送部Aaを通って入出金口12に繰り出されることになる。このとき、表裏反転搬送路15Jは、構造上、紙幣を表裏に加えて天地方向も反転させることになる(図2(b),(d)参照)。なお、出口側搬送部Jbから繰り出される紙幣は、図示略の案内機構によって常に搬送部Aa側に搬送されるようになっており、言い換えれば搬送部Abへの進入が規制されるようになっている。
他方、識別部16の識別結果から表裏反転が不要な紙幣は、搬送部Adから振分部20Jで搬送部Acに振り分けられ、搬送部Acから振分部20Hで搬送部Abに振り分けられる。すると、この紙幣は、搬送部Adと同じ姿勢のまま搬送部Aaを通って入出金口12に繰り出されることになる。
なお、入出金口12から搬送部Aaに搬送される紙幣は、図示略の案内機構によって常に搬送部Ab側に搬送されるようになっており、言い換えれば、出口側搬送部Jbへの進入が規制されるようになっている。
以上により、表裏反転搬送路15J、振分部20H,20Jおよび搬送部Ab,Acが、識別部16の識別結果に基づいて紙幣の表裏の向きが一定となるように取り揃える表裏取揃部50を構成している。よって、入出金口12は、入金時に外部から投入された紙幣を繰り出すと共に、出金時にこの表裏取揃部50で表裏が取り揃えられた紙幣を受け入れて外部に取り出し可能に払い出す。表裏取揃部50は、識別部16から表裏取揃部50を通って入出金口12に払い出される紙幣が、入出金口12において上側が表面、下側が裏面となるように表裏を取り揃える。
表裏取揃部50において、搬送部Ab,Acが、表裏取揃部50で表裏反転させることなくても入出金口12において上側が表面となる表券紙幣を搬送する表券ルートを構成し、表裏反転搬送路15Jが、表裏取揃部50で表裏反転させなければ入出金口12において上側が表面とならない裏券紙幣を表裏反転させる裏券ルートを構成している。表裏反転搬送路15Jつまり裏券ルートは、搬送部Ab,Acつまり表券ルートの鉛直方向の上側に配置されている。
振分部20Jは、識別部16から搬送されてきた紙幣を表券ルートと裏券ルートとに振り分けることになり、表裏反転搬送路15Jと搬送部Abとの合流部51が表券ルートおよび裏券ルートを振分部20Jとは反対側で合流させている。表裏反転搬送路15Jの搬送長さ、つまり裏券ルートの搬送長さよりも、搬送部Ab,Acの搬送長さ、つまり表券ルートの搬送長さは短くなっており、裏券ルートおよび表券ルートは互いの紙幣搬送長さが非等長となっている。合流部51と入出金口12との間には搬送部Aaが設けられており、よって、合流部51と入出金口12とは紙幣の搬送経路上、離れている。
表裏取揃部50は、一端の振分部20J側が一本の搬送部Adに接続されており、他端の合流部51側が一本の搬送部Aaに接続されている。そして、この表裏取揃部50の合流部51と入出金口12とは一本の搬送部Aaで接続されており、この搬送部Aaは他の搬送路に分岐したり、他の搬送路が合流したりしない。つまり、表裏取揃部50の合流部51と入出金口12とは他の搬送路への分岐なく且つ他の搬送路の合流なく繋がっている。言い換えれば、表裏取揃部50から入出金口12への紙幣の流れにおいて表裏取揃部50の直後に入出金口12が配置されている。これにより、搬送部Aaを短くし表裏取揃部50を入出金口12の近傍に配置している。
ここでは、紙幣の主模様(肖像や建物像)が描かれている面を表面とし、主模様が描かれていない面を裏面とする。また、主模様を適正に見たときの上側を天側とし、主模様を適正に見たときの下側を地側とする。裏面が上向き且つ天地逆向き(天側が下流側となる向き)の状態(図2(b)の上流側の状態参照)で搬送部Ad上を移動している紙幣が、振分部20Jで表裏反転搬送路15Jの入口側搬送部Jaに振り分けられると、この紙幣は、入口側搬送部Jaの末端位置では裏面が下向き(つまり表面が上向き)の状態となり、このまま図示略の移載機構で出口側搬送部Jbに移載されて出口側搬送部Jbで搬送されると表面が上向きの状態且つ天地正向き(天側が上流側となる向き)の状態(図2(b)の下流側の状態参照)で搬送部Aaを通って入出金口12に繰り出されることになる。
また、識別部16の識別結果から、裏面が上向き且つ天地正向きの状態(図2(d)の上流側の状態参照)で搬送部Ad上を移動している紙幣が、振分部20Jで表裏反転搬送路15Jの入口側搬送部Jaに振り分けられると、この紙幣は、入口側搬送部Jaの末端位置では裏面が下向き(つまり表面が上向き)の状態となり、このまま図示略の移載機構で出口側搬送部Jbに移載されて出口側搬送部Jbで搬送されると表面が上向きの状態且つ天地逆向きの状態(図2(d)の下流側の状態参照)で搬送部Aaを通って入出金口12に繰り出されることになる。搬送部Aaには紙幣の通過および紙幣の重送を検知する紙幣検知センサ55が設けられている。
紙幣処理装置11はその作動を制御する制御部60を有しており、制御部60には、操作者により操作入力がなされる操作部(操作手段)61と、操作者に向けた報知等を表示する表示部(報知手段)62と、識別部16による紙幣の識別結果に基づく各紙幣の情報等を記憶する記憶部63とが接続されている。記憶部63には、各紙幣の金種情報、表裏方向情報、天地方向情報、収納先情報および収納順番情報と、紙幣の金種別の入金情報、出金情報等が記憶される。
次に、本実施形態に係る紙幣処理装置11の作動について各処理別に説明する。
「入金処理」
図3の太線は、機外から入出金口12に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数し分類して一時貯留収納部18B〜18Eの一時貯留部40B〜40Eに一時貯留する入金処理のルートを示している。
入出金口12は、シャッタ30を閉じ、ビルプレス34を最も底面31側の投入位置に位置させた状態が待機状態となっている。この待機状態で、操作部61に入金処理の選択操作が入力されると、制御部60はシャッタ30を開く。すると、入出金口12のビルプレス34上にバラ紙幣が集積状態で載置されることになる。制御部60は、紙幣検知センサ35で紙幣を検知していることを条件に、操作部61に入金処理を行う旨の入力操作がなされると、入出金口12の紙幣を識別部16で識別した後に、識別結果に基づいて分類して一時貯留収納部18B〜18Eに一時貯留する入金処理を行う。
すなわち、制御部60は、シャッタ30を閉じ、ビルプレス34を天井面32側に移動させる。そして、入出金口12の紙幣を、天井面32側のものから一枚ずつ分離して内口部12aから取り入れ搬送路15Aの搬送部Aa〜Aeで所定の間隔をあけて搬送する。この搬送中に、紙幣は、まず、紙幣検知センサ55で重送が検知され、重送でない一枚送りの紙幣は、次に識別部16で識別される。そして、制御部60は、識別部16で受け入れ可能と識別された紙幣を、搬送部Aeから必要により搬送部Af〜Ahの適宜のもので搬送し、振分部20B〜20Eの適宜のもので振り分け、搬送路15B〜15Eの適宜のもので搬送して、一時貯留部40B〜40Eの対応するものに一時貯留させる(図3の太実線参照)。ここで、上記の入金処理ルートのうち搬送部Ab,Acは表裏取揃部50の表券ルートを構成するものであるため、入出金口12から繰り出された紙幣は、表券ルートを介して識別部16に向けて搬送されることになり、紙幣検知センサ55は、入出金口12から表券ルートへの紙幣の重送を検知することになる。
具体的に、入金処理では、識別部16で、一時貯留収納部18Bに収納されるべき単一金種である万円券と識別された紙幣は、一時貯留部40Bおよび出金収納部41Bが共に満杯状態になければ、搬送路15Aの搬送部Aeから振分部20Bで搬送路15Bに振り分けられて一時貯留部40Bに搬送されて一時貯留される。また、識別部16で、一時貯留収納部18Cに収納されるべき単一金種である五千円券と識別された紙幣は、一時貯留部40Cおよび出金収納部41Cが共に満杯状態になければ、搬送路15Aの搬送部Afから振分部20Cで搬送路15Cに振り分けられて一時貯留部40Cに搬送されて一時貯留される。また、識別部16で、一時貯留収納部18Dに収納されるべき単一金種である千円券と識別された紙幣は、一時貯留部40Dおよび出金収納部41Dが共に満杯状態になければ、搬送部Aの搬送部Agから振分部20Dで搬送路15Dに振り分けられて一時貯留部40Dに搬送されて一時貯留される。なお、万円券、五千円券および千円券のうち、搬送先の一時貯留部40B〜40Dまたは出金収納部41B〜41Dが満杯状態にあるオーバーフロー紙幣と、二千円券とについては、搬送路15Aの搬送部Ahから振分部20Eで搬送路15Eに振り分けられて一時貯留部40Eに搬送されて一時貯留される。
制御部60は、識別部16の識別結果に基づいて、一時貯留部40Eに一時貯留するすべての紙幣について、それぞれの金種を収納の順番と関連付けて記憶部63に記憶する一方、一時貯留部40B〜40Dに一時貯留する紙幣については、それぞれの金種とともに表裏方向および天地方向を収納の順番と関連付けて記憶部63に記憶する。言い換えれば、記憶部63は、一時貯留部40B〜40Dに一時貯留されている紙幣についての表裏方向および天地方向を記憶する。
なお、入出金口12から表裏取揃部50の搬送部Ab,Ac(つまり表券ルート)への紙幣の重送が搬送部Aaに設けられた紙幣検知センサ55で検知されると、制御部60は、入出金口12からの紙幣の取り込みを一旦停止させるとともに、重送の紙幣を搬送路15Aの搬送部Acに完全に移動させてから、搬送路15Aを逆転させて、重送の紙幣を含む搬送路15Aにあるすべての紙幣を、振分部20Hおよび搬送路15Hによって、入金リジェクト口13に排出する(図3の太破線参照)。そして、搬送路15Aにある紙幣をすべて入金リジェクト口13に排出すると、制御部60は、再び、入出金口12にある紙幣を、上記と同様にして搬送路15Aに取り込んで一時貯留部40B〜40Eに向け搬送する。
また、識別部16で受け入れ不可と紙幣が識別された場合も、制御部60は、入出金口12からの紙幣の取り込みを一旦停止させるとともに、搬送部Aa,Abにあった紙幣を完全に搬送部Acまで移動させてから、搬送路15Aを逆転させて、識別部16で受け入れ不可と識別された紙幣を含む搬送路15Aにある紙幣をすべて、振分部20Hおよび搬送路15Hにより入金リジェクト口13に排出する(図3の太破線参照)。そして、搬送路15Aにある紙幣をすべて入金リジェクト口13に排出すると、制御部60は、再び、入出金口12にある紙幣を、上記と同様にして搬送路15Aに取り込んで一時貯留部40B〜40Eに向け搬送する。
以上により、入出金口12に投入された紙幣のうち、紙幣検知センサ55で重送が検知された紙幣と識別部16で受け入れ不可と識別された紙幣とそれぞれの前あるいは後の一枚あるいは数枚の紙幣が、入金リジェクト口13に搬送されることになり、紙幣検知センサ55で一枚送りが検知され、識別部16で受け入れ可能と識別された紙幣が一時貯留部40B〜40Eの対応するものに一時貯留される。紙幣検知センサ35の検知結果等に基づいて、入出金口12に投入された紙幣がすべて入金リジェクト口13および一時貯留部40B〜40Eのいずれかに搬送された状態になったと判断すると、制御部60は、入金処理を終了する。
「収納処理」
図4の太線は、上記した入金処理にて一時貯留部40B〜40Eに一時貯留した紙幣を、操作部61への承認操作が入力されたことを条件に、確定して、出金収納部41B〜41Eの対応するものに収納する収納処理のルートを示している。
すなわち、入金処理の終了後、制御部60は、識別部16の識別結果から一時貯留部40B〜40Eに一時貯留されている紙幣の金種別の枚数および総額等の金額情報を表示部62に表示させる。これを見て、操作者が操作部61に承認操作を入力すると、制御部60は、上記金額情報を記憶するとともに、一時貯留部40Bに一時貯留させていた紙幣を出金収納部41Bに収納し、一時貯留部40Cに一時貯留させていた紙幣を出金収納部41Cに収納し、一時貯留部40Dに一時貯留させていた紙幣を出金収納部41Dに収納し、一時貯留部40Eに一時貯留させていた紙幣を出金収納部41Eに収納する(図4の太実線参照)。
制御部60は、識別部16の識別結果に基づいて、出金収納部41Eに収納するすべての紙幣について、それぞれの金種を収納の順番と関連付けて記憶部63に記憶する一方、出金収納部41B〜41Dに収納する紙幣については、それぞれの金種、表裏方向および天地方向を収納の順番と関連付けて記憶部63に記憶する。言い換えれば、記憶部63は、出金収納部41B〜41Dに収納しているすべての紙幣についての金種、表裏方向および天地方向を記憶している。
具体的に、制御部60は、この収納処理を含むすべての処理において、万円券の紙幣を出金収納部41Bに収納する際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Bに関する収納紙幣の金種を含む情報に対して、取り込んだ紙幣の分を収納枚数に加算するとともに、取り込んだ紙幣に関する表裏方向および天地方向の情報を順に追加記憶する。また、出金収納部41Bから紙幣を繰り出す際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Bに関する収納紙幣の情報に対して、繰り出した紙幣の分を収納枚数から減算するとともに、繰り出した紙幣に関する表裏方向および天地方向の情報を順に削除する。これにより、記憶部63は、出金収納部41Bに順に収納されているすべての万円券の紙幣についての個別の表裏方向および天地方向の情報を記憶している。
同様に、五千円券の紙幣を出金収納部41Cに収納する際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Cに関する収納紙幣の金種を含む情報に対して、取り込んだ紙幣の分を収納枚数に加算するとともに、取り込んだ紙幣に関する表裏方向および天地方向の情報を順に追加記憶する。また、出金収納部41Cから紙幣を繰り出す際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Cに関する収納紙幣の情報に対して、繰り出した紙幣の分を収納枚数から減算するとともに、繰り出した紙幣に関する表裏方向および天地方向の情報を順に削除する。これにより、記憶部63は、出金収納部41Cに順に収納されているすべての五千円券の紙幣についての個別の表裏方向および天地方向の情報を記憶している。
同様に、千円券の紙幣を出金収納部41Dに収納する際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Dに関する収納紙幣の金種を含む情報に対して、取り込んだ紙幣の分を収納枚数に加算するとともに、取り込んだ紙幣に関する表裏方向および天地方向の情報を順に追加記憶する。また、出金収納部41Dから紙幣を繰り出す際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Dに関する収納紙幣の情報に対して、繰り出した紙幣の分を収納枚数から減算するとともに、繰り出した紙幣に関する表裏方向および天地方向の情報を順に削除する。これにより、記憶部63は、出金収納部41Dに順に収納されているすべての千円券の紙幣についての個別の表裏方向および天地方向の情報を記憶している。
紙幣を出金収納部41Eに収納する際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Eに関する収納紙幣の情報に対して、取り込んだ紙幣の分をそれぞれの金種の収納枚数に加算するとともに、取り込んだ紙幣に関する金種情報を順に追加記憶する。また、出金収納部41Eから紙幣を繰り出す際には常に、記憶部63に記憶されている出金収納部41Eに関する収納紙幣の情報に対して、繰り出した紙幣の分をそれぞれの金種の収納枚数から減算するとともに、繰り出した紙幣に関する金種情報を順に削除する。これにより、記憶部63は、出金収納部41Eに順に収納されているすべての紙幣についての個別の金種情報を記憶している。
「返却処理」
図5の太線は、入金処理にて一時貯留部40B〜40Eに一時貯留した紙幣を、操作部61へのキャンセル操作が入力されたことを条件に、入出金口12に繰り出す返却処理のルートを示している。
すなわち、入金処理終了後の金額情報の表示部62への表示後、操作者が操作部61に返却操作を入力すると、制御部60は、ビルプレス34を受入位置に位置させて、搬送路15B〜15E、搬送路15Aの搬送部Aa〜Ahにより、一時貯留部40B〜40Eに一時貯留されていた紙幣を入出金口12に放出させる。すると、放出された紙幣は、シャッタ30に当接し下方に落下することによりビルプレス34上に集積される(図5の太実線参照)。その際に、制御部60は、紙幣検知センサ55により検知された紙幣の枚数に応じてビルプレス34を底面31側に移動させる。そして、一時貯留部40B〜40Eに一時貯留されていた紙幣がすべて入出金口12に放出されると、制御部60は、シャッタ30を開いて、紙幣を外部に取り出し可能とする。なお、この返却処理においても、後述する出金処理と同様に、表裏取揃部50で入出金口12へ繰り出す紙幣の表裏および天地を取り揃えるようにしたり、表裏のみを取り揃えるようにしたりすることが可能である。
「出金処理」
この出金処理は、金種別の一時貯留収納部18B〜18Dの出金収納部41B〜41Eから紙幣を繰り出し識別部16で識別しつつ入出金口12に払い出す処理である。この出金処理の際に、制御部60は、識別部16の識別結果に基づいて、一時貯留収納部18B〜18Dから繰り出された紙幣のうち表裏取揃部50で表裏が取り揃えられると天地方向が第1方向に向く天地第1方向紙幣を表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出す一方、表裏取揃部50で表裏が取り揃えられると天地方向が第1方向とは逆の第2方向に向く天地第2方向紙幣を一旦繰出カセット24に集積させる第1の払出処理を行い、この第1の払出処理の後、繰出カセット24から天地第2方向紙幣を繰り出し、識別部16による識別結果に基づき表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出す第2の払出処理を行うようになっている。しかも、制御部60は、第2の払出処理において、天地第2方向紙幣を繰出カセット24から繰り出し、一旦一時貯留収納部18B〜18Dの繰り出し元の一時貯留部40B〜40Eに戻した後、一時貯留部40B〜40Eの紙幣の戻されたものから紙幣を繰り出し、識別部16による識別結果に基づき表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出すようになっている。
図6の太線は、操作部61へ入力された出金操作に基づいて、一時貯留収納部18B〜18Dの指定された金種のものから、指定された所定の金種および枚数の出金紙幣を出金する出金処理の第1の払出処理のルートを示している。図7の太線は、第1の払出処理の後の第2の払出処理の先ルートを示しており、図8の太線は、第2の払出処理の先ルートの後の後ルートを示している。
操作部61へ入力された出金操作に基づいて紙幣を入出金口12に払い出す一の出金処理において、金種毎に第1の払出処理および第2の払出処理を行うとともに複数金種の紙幣を途中での取り出しを確認することなく連続的に入出金口12に払い出す一括出金モードと、金種毎に第1の払出処理および第2の払出処理を行うとともに金種毎に紙幣の入出金口12からの取り出しを確認しつつ紙幣を入出金口12に払い出す金種別分割出金モードと、金種毎に第1の払出処理および第2の払出処理を行うとともに各金種の天地方向毎に紙幣の入出金口12からの取り出しを確認しつつ紙幣を入出金口12に払い出す天地別分割出金モードと、の三つのモードから択一的にモードが選択できるようになっている。このモード選択は、操作部61への選択操作によって行われる。
一括出金モードでは、シャッタ30を閉じた状態で、金種別の一時貯留収納部18B〜18Dのうちの一の金種の一時貯留収納部から当該一の金種の払い出し枚数の紙幣を、いずれも空の状態にある入出金口12および繰出カセット24に天地方向に応じて振り分けて搬送する第1の払出処理を行った後、繰出カセット24から入出金口12に紙幣を払い出す第2の払出処理を行う。一の出金処理で払い出される紙幣が複数金種ある場合には、すべての金種について、以上の第1の払出処理および第2の払出処理を行う。そして、すべての金種について、以上の第1の払出処理および第2の払出処理を行うと、シャッタ30を開く。つまり、一の出金処理で払い出されるべき紙幣がすべて入出金口12に払い出されるとシャッタ30を開く。
金種分割出金モードでは、シャッタ30を閉じた状態で、金種別の一時貯留収納部18B〜18Dのうちの一の金種の一時貯留収納部から当該一の金種の払い出し枚数の紙幣を、いずれも空の状態にある入出金口12および繰出カセット24に天地方向に応じて振り分けて搬送する第1の払出処理を行った後、繰出カセット24から入出金口12に紙幣を払い出す第2の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。一の出金処理で払い出される紙幣が複数金種ある場合には、すべての金種について、第1の払出処理および第2の払出処理を行う。つまり、一の出金処理で払い出されるべき紙幣を金種別に入出金口12に払い出す度にシャッタを開いて紙幣の入出金口12からの取り出しを確認する。
天地分割出金モードでは、シャッタ30を閉じた状態で、金種別の一時貯留収納部18B〜18Dのうちの一の金種の一時貯留収納部から当該一の金種の払い出し枚数の紙幣を、いずれも空の状態にある入出金口12および繰出カセット24に天地方向に応じて振り分けて搬送する第1の払出処理を行った後、シャッタ30を開き、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣なしを検知すると、シャッタ30を閉じて、繰出カセット24から入出金口12に紙幣を払い出す第2の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。一の出金処理で払い出される紙幣が複数金種ある場合には、すべての金種について、以上の第1の払出処理および第2払出処理を行う。つまり、一の出金処理で払い出されるべき紙幣を金種別および天地別に入出金口12に払い出す度にシャッタを開いて紙幣の入出金口12からの取り出しを確認する。
一の出金処理では、まず、操作部61への操作入力で、出金処理の選択操作と、出金すべき紙幣の金種別の枚数あるいは出金金額が指定入力され、出金処理を実行する旨の操作入力がなされる。制御部60は、出金金額が指定入力された場合には、出金枚数が最小となる組み合わせで出金すべき紙幣の金種別の枚数を算出して指定する。
(一括出金モード)
まず、一括出金モードが選択設定されている場合について説明する。制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bに収納されている金種の紙幣(万円券)がある場合に、この金種の払出枚数と、記憶部63に記憶されている記憶内容である、出金収納部41Bに収納されている紙幣についての、収納の順の表裏方向および天地方向から、払い出すべき指定の枚数の紙幣を一時貯留収納部18Bから繰り出した場合に、第1の払出処理で入出金口12に払い出される枚数が、第2の払出処理で入出金口12に払い出される枚数以上となるように、第1の払出処理で入出金口12に払い出す紙幣の天地方向を設定する。
例えば、表裏取揃部50を通過後に天地正向きとなる紙幣の枚数が天地逆向きとなる紙幣の枚数以上である場合は、表裏取揃部50を通過後に天地正向きとなる紙幣を、第1の払出処理で入出金口12に払い出す天地第1方向紙幣とし、表裏取揃部50を通過後に天地逆向きとなる紙幣を、第2の払出処理で入出金口12に払い出す天地第2方向紙幣とする。逆に、表裏取揃部50を通過後に天地逆向きとなる紙幣の枚数が天地正向きとなる紙幣の枚数より多い場合は、表裏取揃部50を通過後に天地逆向きとなる紙幣を、第1の払出処理で入出金口12に払い出す天地第1方向紙幣とし、表裏取揃部50を通過後に天地正向きとなる紙幣を、第2の払出処理で入出金口12に払い出す天地第2方向紙幣とする。つまり、制御部60は、一時貯留収納部18Bから設定枚数の紙幣を入出金口12に払い出す一の出金処理時に、予め記憶している一時貯留収納部18Bの収納紙幣の表裏および天地の情報に基づいて、天地第1方向紙幣の枚数が天地第2方向紙幣の枚数以上となるように天地方向の第1方向および第2方向を設定する。
ここでは、具体的に、表裏取揃部50を通過後に天地正向きとなる紙幣の枚数が天地逆向きとなる紙幣の枚数以上であると判定した場合を例にとり説明する。
制御部60は、待機状態にある入出金口12のビルプレス34を天井面32側の所定の受入位置に移動させるとともに、第1の払出処理として、一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bに収納されていた紙幣を上昇させて、出金収納部41Bに収納されていた紙幣の中から金額情報に応じた枚数(後述するように、金額情報に含まれる入出金口12に払い出すべき枚数よりも多い枚数)の紙幣を搬送路15Bおよび搬送部Aeで識別部16に向けて搬送する。
そして、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち、図2(a)に示すように表面を上側としている天地正向きの紙幣(天地第1方向紙幣)は、搬送部Ad,Ac,Ab,Aaで搬送して内口部12aから入出金口12に放出させる(図6の太実線参照)。また、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち、図2(b)に示すように裏面を上側としている天地逆向きの紙幣(天地第1方向紙幣)は、振分部20Jにより表裏反転搬送路15Jに搬送し、表裏を反転させて、搬送部Aaを介して内口部12aから入出金口12に放出させる(図6の太実線参照)。これにより、入出金口12には、ビルプレス34上に一時貯留収納部18Bの金種(万円券)の天地正向きの紙幣が表面を上側にして集積される。
また、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち、表面を上側としている天地逆向きの紙幣(天地第2方向紙幣)は、振分部20Gaにより搬送路15Gに搬送し、搬送部Aj,Akを介して繰出カセット24に集積させる(図6の太鎖線参照)。また、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち、裏面を上側としている天地正向きの紙幣(天地第2方向紙幣)も、振分部20Gaにより搬送路15Gに搬送し、搬送部Aj,Akを介して繰出カセット24に集積させる(図6の太鎖線参照)。
金額情報に応じた枚数の紙幣を入出金口12および繰出カセット24に分けて集積させると、その後、制御部60は、一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bに収納されていた紙幣を下降させて、一時貯留収納部18Bからの第1の払出処理を終了する。
上記の第1の払出処理中に、識別部16で重送や斜行が検出された出金不可紙幣は、振分部20Ga,20Fで搬送路15G、搬送部Ajおよび搬送路15Fに搬送し、リジェクトカセット22に収納することになり(図6の太破線参照)、制御部60は、その分の紙幣を追加で一時貯留収納部18Bから繰り出させる。
ここで、第1の払出処理において、一時貯留収納部18Bから繰り出させる紙幣の枚数は、入出金口12に後述する第2の払出処理を加えて最終的に払い出すべき全枚数(金額情報と一致する枚数)に対して、後述する第2の払出処理で重送等の出金不可紙幣が生じた場合でも入出金口12に払い出すべき枚数を確保可能な枚数とする。例えば、第1の払出処理において、入出金口12に払い出した紙幣の枚数と繰出カセット24に搬送した紙幣の枚数との合計が、後述する第2の払出処理を加えて最終的に入出金口12に払い出すべき全枚数となってから、繰出カセット24に所定枚数(例えば5枚)の紙幣が追加で搬送されるように一時貯留収納部18Bから繰り出させる。つまり、制御部60は、第1の払出処理において、入出金口12に払い出す天地第1方向紙幣の枚数と、繰出カセット24に集積させる天地第2方向紙幣の枚数とを加算した枚数が、第2の払出処理を加えて最終的に入出金口12に払い出すべき紙幣の枚数よりも多くなるように、一時貯留収納部18Bからの繰り出し枚数を設定する。
一時貯留収納部18Bからの第1の払出処理が終了すると、制御部60は、一時貯留収納部18Bからの出金に関する第2の払出処理として、繰出カセット24の紙幣を一枚ずつ分離しつつすべて搬送部Ak,Ajに繰り出して、搬送路15G、搬送部Aeで搬送し、識別部16の識別結果から、一時貯留収納部18Bの一時貯留部40Bへの一時貯留が適正であると識別された紙幣を振分部20Bで搬送路15Bに振り分け、一時貯留部40Bに一時貯留させる(図7の太実線参照)。一方、識別部16の識別結果から一時貯留収納部18Bへの収納が適正であると識別されなかった重送等の紙幣を、繰出カセット24の繰り出しを一旦停止させた状態で、搬送部Af,Ag,Ah,Ai,Ajに搬送し振分部20Fにより搬送路15Fに振り分けてリジェクトカセット22に収納する(図7の太破線参照)。
繰出カセット24のすべての紙幣を一時貯留部40Bおよびリジェクトカセット22に搬送すると、制御部60は、一時貯留部40Bに一時貯留されていた紙幣の中から金額情報に応じた枚数の紙幣を搬送路15Bおよび搬送部Ag,Af,Aeで識別部16に向けて搬送する。そして、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち表面を上側としている天地逆向きの紙幣(天地第2方向紙幣:図2(c)参照)は、搬送部Ad,Ac,Ab,Aaで搬送して内口部12aから入出金口12に放出させる(図8の太実線参照)。また、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち裏面を上側としている天地正向きの紙幣(天地第2方向紙幣:図2(d)参照)は、振分部20Jにより表裏反転搬送路15Jに搬送し、表裏を反転させて、搬送部Aaを介して内口部12aから入出金口12に放出させる(図8の太実線参照)。一方、識別部16で重送や斜行が検出された出金不可紙幣は、振分部20Ga,20Fで搬送路15G、搬送部Ajおよび搬送路15Fに搬送し、リジェクトカセット22に収納することになり(図8の太破線参照)、制御部60は、その分の紙幣を追加で一時貯留部40Bから繰り出させる。
このようにして、一時貯留収納部18Bから金額情報に応じた枚数の紙幣を入出金口12に払い出すと、制御部60は、一時貯留部40Bに残っている紙幣を出金収納部41Bに収納して、一時貯留収納部18Bに関する第2の払出処理を終了する。これにより、入出金口12には、上記した一時貯留収納部18Bの金種(万円券)の天地正向きの紙幣の上に、一時貯留収納部18Bの金種(万円券)の天地逆向きの紙幣が表面を上側にして集積される。
一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Cの出金収納部41Cに収納されている金種の紙幣(五千円券)がある場合には、一時貯留収納部18Cの紙幣について、上記と同様の第1の払出処理と第2の払出処理とを行う。
一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Dの出金収納部41Dに収納されている金種の紙幣(千円券)がある場合には、一時貯留収納部18Dの紙幣について、上記と同様の第1の払出処理と第2の払出処理とを行う。
制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣をすべて入出金口12に出金させてシャッタ30を開き、入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が紙幣を検知しなくなると、シャッタ30を閉じて、一の出金処理を終了する。操作者は、入出金口12から取り出した紙幣を金種別および天地別に分け、金種が同じ紙幣同士を天地を揃えて重ねる。
ここで、以上の一括出金モードが選択されている場合に、制御部60は、入出金口12からの紙幣の取り出しが一回になる旨を、一の出金処理中に表示部62へ表示させて報知する。
(金種別分割出金モード)
一の出金処理で、金種分割出金モードが選択設定されている場合について説明する。この場合、制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bに収納されている金種の紙幣(万円券)がある場合には、一時貯留収納部18Bの紙幣について、上記した第1の払出処理と第2の払出処理とを続けて行った後に、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、シャッタ30を閉じる。操作者は、取り出した紙幣(万円券)を天地別に分け、天地を揃えて重ねる。
シャッタ30を閉じると、制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Cの出金収納部41Cに収納されている金種の紙幣(五千円券)がある場合には、一時貯留収納部18Cの紙幣について、上記した第1の払出処理と第2の払出処理とを続けて行った後、シャッタ30を開く。つまり、制御部60は、一時貯留収納部18Bの紙幣について、上記した第1の払出処理と第2の払出処理とを続けて行った後、シャッタ30を開き、その後、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣無しを検知すると、次の金種について第1の払出処理と第2の払出処理とを行う。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。操作者は、取り出した紙幣(五千円券)を天地別に分け、天地を揃えて重ねる。
シャッタ30を閉じると、制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Dの出金収納部41Dに収納されている金種の紙幣(千円券)がある場合には、一時貯留収納部18Dの紙幣について、上記した第1の払出処理と第2の払出処理とを続けて行った後、シャッタ30を開く。つまり、制御部60は、一時貯留収納部18Cの紙幣について、上記した第1の払出処理と第2の払出処理とを続けて行った後、シャッタ30を開き、その後、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣無しを検知すると、次の金種について第1の払出処理と第2の払出処理とを行う。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が紙幣を検知しなくなると、制御部60は、シャッタ30を閉じる。操作者は、取り出した紙幣(千円券)を天地別に分け、天地を揃えて重ねる。
制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣をすべて入出金口12に出金させると一の出金処理を終了する。ここで、以上の金種別分割出金モードが選択されている場合に、制御部60は、入出金口12からの紙幣の取り出しが複数回になる旨を、一の出金処理時に表示部62へ表示させて報知する。具体的に、一の出金処理で出金する金種数を取り出し回数として表示部62へ表示させる。例えば、出金する金種数が3金種の場合は、取り出し回数が3回になる旨を表示部62へ表示させる。
(天地別分割出金モード)
一の出金処理で、天地分割出金モード選択設定されている場合について説明する。この場合、制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bに収納されている金種の紙幣(万円券)がある場合には、一時貯留収納部18Bの紙幣について、上記した第1の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。
次に、制御部60は、この第1の払出処理によって一時貯留収納部18Bから繰り出され繰出カセット24に一時貯留された紙幣について、上記した第2の払出処理を行う。つまり、制御部60は、一時貯留収納部18Bの紙幣について、第1の払出処理後、シャッタ30を開き、その後、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣無しを検知すると、一時貯留収納部18Bから繰り出され繰出カセット24に一時貯留された紙幣について、第2の払出処理を行う。制御部60は、この第2の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。操作者は、第1の払出処理で取り出した紙幣(万円券)と、その後の第2の払出処理で取り出した紙幣(万円券)とを天地を揃えて重ねる。
次に、制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Cの出金収納部41Cに収納されている金種の紙幣(五千円券)がある場合には、一時貯留収納部18Cの紙幣について、上記した第1の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。
次に、制御部60は、この第1の払出処理によって一時貯留収納部18Cから繰り出され繰出カセット24に一時貯留された紙幣について、上記した第2の払出処理を行う。つまり、制御部60は、一時貯留収納部18Cの紙幣について、第1の払出処理後、シャッタ30を開き、その後、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣無しを検知すると、一時貯留収納部18Cから繰り出され繰出カセット24に一時貯留された紙幣について、第2の払出処理を行う。制御部60は、この第2の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。操作者は、第1の払出処理で取り出した紙幣(五千円券)と、その後の第2の払出処理で取り出した紙幣(五千円券)とを天地を揃えて重ねる。
次に、制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Dの出金収納部41Dに収納されている金種の紙幣(千円券)がある場合には、一時貯留収納部18Dの紙幣について、上記した第1の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。
次に、制御部60は、この第1の払出処理によって一時貯留収納部18Dから繰り出され繰出カセット24に一時貯留された紙幣について、上記した第2の払出処理を行う。つまり、制御部60は、一時貯留収納部18Dの紙幣について、第1の払出処理後、シャッタ30を開き、その後、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣無しを検知すると、一時貯留収納部18Dから繰り出され繰出カセット24に一時貯留された紙幣について、第2の払出処理を行う。制御部60は、この第2の払出処理を行った後、シャッタ30を開く。入出金口12から紙幣が取り出されることで、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣を検知しなくなると、制御部60はシャッタ30を閉じる。操作者は、第1の払出処理で取り出した紙幣(千円券)と、その後の第2の払出処理で取り出した紙幣(千円券)とを天地を揃えて重ねる。
制御部60は、一の出金処理において出金すべき紙幣をすべて入出金口12に出金させると一の出金処理を終了する。ここで、以上の天地別分割出金モードが選択されている場合に、制御部60は、入出金口12からの紙幣の取り出しが複数回になる旨を、一の出金処理時に表示部62へ表示させて報知する。具体的に、一の出金処理で出金する金種数の2倍の数を取り出し回数として表示部62へ表示させる。例えば、出金する金種数が3金種の場合は、取り出し回数が6回になる旨を表示部62へ表示させる。
なお、出金処理において、天地方向の第1方向および第2方向を、操作部61が受け付ける選択設定操作で設定するようにしても良い。例えば、すべての金種について、第1の払出処理で入出金口12に払い出される紙幣が天地正向きとなるように天地方向の第1方向を天地正向きに設定し、第2の払出処理で入出金口12に払い出される紙幣が天地逆向きとなるように、天地方向の第2方向を天地逆向きに設定する。
「精査処理」
操作部61に精査処理の選択操作が入力されると、制御部60は、例えば、一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bの紙幣を、搬送路15Bから搬送部Aeに繰り出し、識別部16の識別結果から一時貯留収納部18Bへの収納が適正であると識別された紙幣を振分部20Ga,20Fにより、搬送路15Gおよび搬送部Aj,Akを介して繰出カセット24から収納カセット25に収納する(図9の太実線参照)。一方、識別部16の識別結果から一時貯留収納部18Bへの収納が適正であると識別されなかった重送等の紙幣を振分部20Ga,20Fにより、搬送路15G、搬送部Ajおよび搬送路15Fを介してリジェクトカセット22に収納する(図9の太破線参照)。このようにして、一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bのすべての紙幣を、収納カセット25あるいはリジェクトカセット22に搬送する。
次に、制御部60は、収納カセット25の紙幣を搬送部Ak,Ajに繰り出して、搬送路15G、搬送部Aeで搬送し、識別部16の識別結果から、一時貯留収納部18Bへの収納が適正であると識別された紙幣を振分部20Bで搬送路15Bに振り分け、一時貯留収納部18Bの一時貯留部40Bから出金収納部41Bに収納する(図10の太実線参照)。一方、識別部16の識別結果から一時貯留収納部18Bへの収納が適正であると識別されなかった重送等の紙幣を、搬送部Af,Ag,Ah,Ai,Ajに搬送し振分部20Fにより搬送路15Fに振り分けてリジェクトカセット22に収納する(図10の太破線参照)。そして、このときの識別部16の識別結果から、一時貯留収納部18Bへ収納した紙幣の枚数情報つまり金額情報を確定する。なお、識別部16で、一時貯留収納部18Bへの収納が適正であると識別されなかった紙幣を検出すると、制御部60は、一旦収納カセット25からの紙幣の繰り出しを停止して搬送部Ajをリジェクトカセット22へ向けた紙幣の搬送に切り替えることになる。
上記と同様にして、一時貯留収納部18Cの紙幣をすべて収納カセット25あるいはリジェクトカセット22に搬送した後、収納カセット25から一時貯留収納部18Cあるいはリジェクトカセット22に搬送して一時貯留収納部18Cの金額情報を確定する。また、一時貯留収納部18Dの紙幣をすべて収納カセット25あるいはリジェクトカセット22に搬送した後、収納カセット25から一時貯留収納部18Dあるいはリジェクトカセット22に搬送して一時貯留収納部18Dの金額情報を確定する。さらに、一時貯留収納部18Eの紙幣をすべて収納カセット25あるいはリジェクトカセット22に搬送した後、収納カセット25から一時貯留収納部18Eあるいはリジェクトカセット22に搬送して一時貯留収納部18Eの金額情報を確定する。
「回収処理」
操作部61に回収処理の選択操作が入力されると、制御部60は、例えば、一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bの紙幣を、搬送路15B、搬送部Aeに繰り出し、振分部20Ga,20Fにより、搬送路15Gおよび搬送部Aj,Akを介して繰出カセット24に一時貯留させる。そして、この紙幣を収納カセット25に収納する(図11の太実線参照)。これにより、収納カセット25を取り出して紙幣を回収することで、一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bの紙幣を回収することができる。一時貯留収納部18C〜18Eの紙幣についても、同様にして回収することができる。
「補充処理」
操作部61に補充処理の選択操作が入力されると、制御部60は、収納カセット25に補充紙幣が補充されていることを確認し、収納カセット25の紙幣を搬送部Ak,Ajに繰り出し、搬送路15G、搬送部Aeで搬送し、識別部16の識別結果から、一時貯留収納部18B〜18Dへの収納が適正であると識別された紙幣を振分部20B〜20Dの適宜のもので搬送路15B〜15Dの適宜のものに振り分け、一時貯留収納部18B〜18Dの出金収納部41B〜41Bの適宜のものに収納する(図12の太実線参照)。一方、識別部16の識別結果から一時貯留収納部18B〜18Dへの収納が適正であると識別されなかった紙幣を、搬送部Ah,Ai,Ajに搬送し振分部20Fにより搬送路15Fに振り分けてリジェクトカセット22に収納する(図12の太破線参照)。なお、識別部16で、一時貯留収納部18B〜18Dへの収納が適正であると識別されなかった紙幣を検出すると、制御部60は、一旦繰出カセット24からの紙幣の繰り出しを停止して搬送部Ajをリジェクトカセット22へ向けた紙幣の搬送状態に切り替えることになる。
以上に述べた本実施形態に係る紙幣処理装置11によれば、一時貯留収納部18B〜18Cから繰り出された紙幣に対し、識別部16で識別を行い、制御部60は、この識別結果に基づいて、表裏取揃部50で表裏が取り揃えられると天地方向が第1方向に向く天地第1方向紙幣を表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出す一方、表裏取揃部50で表裏が取り揃えられると天地方向が第2方向に向く天地第2方向紙幣を繰出カセット24に集積させる第1の払出処理を行う。この第1の払出処理の後、制御部60は、繰出カセット24から天地第2方向紙幣を繰り出し、識別部16による識別結果に基づき表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出す第2の払出処理を行う。よって、表裏が取り揃えられた天地第1方向紙幣と、表裏が取り揃えられた天地第2方向紙幣とを分けて払い出すことができる。
これにより、操作者は、纏まった状態の天地第1方向紙幣と、纏まった状態の天地第2方向紙幣とを取り出して、これらの天地を揃えるという容易な作業で、払い出された全ての紙幣の表裏および天地を取り揃えることができる。よって、紙幣の天地はそのままで表裏のみを反転させる機構を設けずに済むため、コストの増大を抑制することが可能となる。また、繰出カセット24は、出金時の紙幣であって天地第2方向紙幣のみを一時的に集積させることができれば良いため、大型化を抑制可能であり、ひいては紙幣処理装置11の機体の大型化を抑制することが可能となる。
また、制御部60が、第2の払出処理において、天地第2方向紙幣を繰出カセット24から繰り出した後、一旦本来の収納位置である一時貯留収納部18B〜18Cの対応するものに戻すことになる。そして、この一時貯留収納部18B〜18Cの対応するものから天地第2方向紙幣を繰り出し、識別部16による識別結果に基づき表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出すことになる。よって、異常発生時における復旧作業のミス等を減らすことができる。
また、制御部60は、天地別分割出金モードにおいては、第1の払出処理後、紙幣検知センサ35が入出金口12の紙幣無しを検知すると、第2の払出処理を行うため、入出金口12に払い出した天地第1方向紙幣が取り出されると、自動的に天地第2方向紙幣を入出金口12に払い出すことができる。
また、制御部60が、予め記憶している一時貯留収納部18B〜18Cの収納紙幣の表裏および天地の情報に基づいて、天地第1方向紙幣の枚数が天地第2方向紙幣の枚数以上となるように天地方向の第1方向および第2方向を設定することになるため、第1の払出処理で先に払い出す天地第1方向紙幣の枚数を、第2の払出処理で後に払い出す天地第2方向紙幣の枚数以上にすることができる。よって、第1の払出処理で繰出カセット24に集積する天地第2方向紙幣の紙幣の枚数を減らすことが可能になるため、繰出カセット24の容量を減らすことが可能になる。また、紙幣一枚当たりの払出時間が第1の払出処理よりも第2の払出処理の方が長くなる場合に、第1の払出処理と第2の払出処理とを合わせた全体の払出処理の時間を短縮することができる。
また、金種別に複数の一時貯留収納部18B〜18Cが設けられているため、複数金種を払い出すことができる。金種毎に第1の払出処理および第2の払出処理を行うことにより、複数金種を払い出す場合にも、すべての金種について紙幣の表裏および天地の取り揃えが容易に可能となる。
また、複数金種の紙幣を入出金口12に払い出す一の出金処理時に、複数金種の紙幣を連続的に入出金口12に払い出す一括出金モードと、金種毎に紙幣の入出金口12からの取り出しを確認しつつ紙幣を入出金口12に払い出す金種別分割出金モードと、各金種の天地方向毎に紙幣の入出金口12からの取り出しを確認しつつ紙幣を入出金口12に払い出す天地別分割出金モードと、の三つのモードから選択設定可能であるため、操作者の要望に合わせたモードで紙幣を入出金口12に払い出すことができる。
また、表示部62が、一括出金モードが選択設定されている場合には一の出金処理時に入出金口12からの紙幣の取り出しが一回になる旨を報知し、金種別分割出金モードおよび天地別分割出金モードのいずれか一方が選択設定されている場合には、一の出金処理時に入出金口12からの紙幣の取り出しが複数回になる旨を報知するため、操作者による不要な待機並びに紙幣の取り忘れを抑制することができる。
また、第1の払出処理において、入出金口12に払い出す天地第1方向紙幣の枚数と、繰出カセット24に集積させる天地第2方向紙幣の枚数とを加算した枚数が、第2の払出処理を加えて最終的に入出金口12に払い出すべき紙幣の枚数よりも多くなるため、第2の払出処理で払い出し不可な紙幣があっても、払い出すべき枚数の紙幣を入出金口12に払い出すことができる。
なお、上述したように、操作部61の選択設定操作で、第1の払出処理で先に払い出す紙幣の天地方向と、第2の払出処理で後に払い出す紙幣の天地方向の設定が可能になるようにしても良い。この場合、操作者の要望に合わせた形態で紙幣を払い出すことができる。
「第2実施形態」
本発明の第2実施形態に係る紙幣処理装置を主に図13を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第2実施形態においては、搬送路15Gの搬送路15Eおよび搬送路15Fの間の接続位置には、搬送路15Aの搬送部Ajで繰出カセット24側から搬送中の紙幣を搬送路15Gおよび搬送部Aiのいずれか一方に選択的に振り分ける振分部20Gbが設けられている。
そして、第2実施形態においては、出金処理時に、制御部60が、第1実施形態と同様の第1の払出処理を行った後、第2の払出処理において、天地第2方向紙幣を繰出カセット24から繰り出した後、一時貯留収納部18B〜18Dの対応するものに戻すことなく、識別部16による識別結果に基づき表裏取揃部50で表裏を取り揃えて入出金口12に払い出す。
つまり、一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Bの出金収納部41Bに収納されている金種の紙幣(万円券)がある場合には、一時貯留収納部18Bからの第1実施形態と同様の第1の払出処理を終了すると、制御部60は、一時貯留収納部18Bに関する第2の払出処理として、この第1の払出処理によって繰出カセット24に一時貯留された紙幣(万円券)を搬送部Ak,Ajに繰り出して、振分部20Gbにより搬送部Aiに振り分けて、搬送部Ah,Ag,Af,Aeで識別部16に向けて搬送する。
そして、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち表面を上側としている天地逆向きの紙幣(天地第2方向紙幣)は、搬送部Ad,Ac,Ab,Aaで搬送して内口部12aから入出金口12に放出させる(図13の太実線参照)。また、識別部16で出金可能と識別された紙幣のうち裏面を上側としている天地正向きの紙幣(天地第2方向紙幣)は、振分部20Jにより表裏反転搬送路15Jに搬送し、表裏を反転させて、搬送部Aaを介して内口部12aから入出金口12に放出させる(図13の太実線参照)。
一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Cの出金収納部41Cに収納されている金種の紙幣(五千円券)がある場合に、制御部60は、一時貯留収納部18Cからの第1実施形態と同様の第1の払出処理が終了すると、この第1の払出処理によって繰出カセット24に一時貯留された紙幣(五千円券)について、第2実施形態の第2の払出処理を行う。
一の出金処理において出金すべき紙幣に一時貯留収納部18Dの出金収納部41Dに収納されている金種の紙幣(千円券)がある場合は、制御部60は、一時貯留収納部18Dからの第1実施形態と同様の第1の払出処理が終了すると、この第1の払出処理によって繰出カセット24に一時貯留された紙幣(千円券)について、第2実施形態の第2の払出処理を行う。
以上の第2実施形態の第2の払出処理において、識別部16で重送や斜行が検出された出金不可紙幣は、繰出カセット24からの紙幣の繰り出しを一旦停止させた状態で、搬送部Aeから振分部20Gaで搬送路15G、搬送部Ajおよび搬送路15Fに搬送し、リジェクトカセット22に収納することになり(図13の太破線参照)、制御部60は、その分の紙幣を追加で繰出カセット24から繰り出させる。
また、第2実施形態の第2の払出処理において、金額情報に応じた枚数の紙幣を入出金口12に払い出した後、繰出カセット24に残っている紙幣については、搬送部Ak,Ajから振分部20Gbで搬送路15Gに振り分け、搬送部Ae等を介して、識別部16に搬送し、その識別結果に基づいて、必要により搬送部Af,Agで搬送しつつ、搬送路15B〜15Dのうちの対応するものを介して、一時貯留収納部18B〜18Dの対応する金種のものに戻す。
以上に述べた第2実施形態によれば、第2の払出処理に要する時間、ひいては出金処理に要する時間を短縮することができる。
なお、第1,第2実施形態においては、入出金口12にシャッタ30を設ける場合を例にとり説明したが、シャッタ30を設けなくても良い。この場合、例えば、金種別分割出金モードにおいて、一の金種の紙幣を入出金口12に払い出して待機し、紙幣検知センサ35が紙幣を検知しなくなると、制御部60が次の金種の紙幣を入出金口12に払い出すことになる。また、天地別分割出金モードにおいて、一の金種の天地第1方向紙幣を入出金口12に払い出して待機し、紙幣検知センサ35が紙幣を検知しなくなると、制御部60が、この一の金種の天地第2方向紙幣を入出金口12に払い出して待機することになる。
また、第1,第2実施形態においては、入出金口12を有する紙幣処理装置11に本発明を適用する場合を例にとり説明したが、外部から投入された紙幣を内部に繰り出す入金口と表裏取揃部50で表裏が取り揃えられた紙幣を受け入れて外部に取り出し可能とする出金口とを別々に有する紙幣処理装置の出金口への出金ルートや、出金口があり入金口がない出金専用の紙幣処理装置の出金口への出金ルートに本発明を適用することも可能である。
以上の実施形態の第1の態様は、紙幣を繰り出し可能に収納する収納部と、紙幣の表裏および天地を識別する識別部と、前記識別部の識別結果に基づいて紙幣の表裏を取り揃える表裏取揃部と、紙幣を払い出す払出口と、紙幣を繰り出し可能に集積する集積部と、前記識別部による識別結果に基づき、前記収納部から繰り出された紙幣のうち前記表裏取揃部で表裏が取り揃えられると天地方向が第1方向に向く天地第1方向紙幣を前記表裏取揃部で表裏を取り揃えて前記払出口に払い出す一方、前記表裏取揃部で表裏が取り揃えられると天地方向が前記第1方向とは逆の第2方向に向く天地第2方向紙幣を前記集積部に集積させる第1の払出処理を行い、該第1の払出処理の後、前記集積部から前記天地第2方向紙幣を繰り出し、前記識別部による識別結果に基づき前記表裏取揃部で表裏を取り揃えて前記払出口に払い出す第2の払出処理を行う制御部と、を有することを特徴とする。
第1の態様は、前記制御部が、設定枚数の紙幣を前記払出口に払い出す一の出金処理時に、予め記憶している前記収納部の収納紙幣の表裏および天地の情報に基づいて、前記天地第1方向紙幣の枚数が前記天地第2方向紙幣の枚数以上となるように前記天地方向の前記第1方向および前記第2方向を設定することを特徴とする。
第2の態様は、前記収納部が金種別に複数設けられており、複数金種の紙幣を前記払出口に払い出す一の出金処理時に、前記第1の払出処理および前記第2の払出処理を金種毎に行うとともに複数金種の紙幣を連続的に前記払出口に払い出す一括出金モードと、前記第1の払出処理および前記第2の払出処理を金種毎に行うとともに金種毎に紙幣の前記払出口からの取り出しを確認しつつ紙幣を前記払出口に払い出す金種別分割出金モードと、前記第1の払出処理および前記第2の払出処理を金種毎に行うとともに各金種の天地方向毎に紙幣の前記払出口からの取り出しを確認しつつ紙幣を前記払出口に払い出す天地別分割出金モードと、の三つのモードから選択設定可能であることを特徴とする。
第3の態様は、前記制御部が、前記第1の払出処理において、前記払出口に払い出す前記天地第1方向紙幣の枚数と、前記集積部に集積させる前記天地第2方向紙幣の枚数とを加算した枚数が、前記第2の払出処理を加えて最終的に前記払出口に払い出すべき紙幣の枚数よりも多くなるように前記収納部からの繰り出し枚数を設定することを特徴とする。
第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、前記制御部は、前記第2の払出処理において、前記天地第2方向紙幣を前記集積部から繰り出し、一旦前記収納部に戻した後、当該収納部から繰り出し、前記識別部による識別結果に基づき前記表裏取揃部で表裏を取り揃えて前記払出口に払い出すことを特徴とする。
第5の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、前記制御部は、前記第2の払出処理において、前記天地第2方向紙幣を前記集積部から繰り出し、前記収納部に戻すことなく、前記識別部による識別結果に基づき前記表裏取揃部で表裏を取り揃えて前記払出口に払い出すことを特徴とする。
第6の態様は、第1乃至第5のいずれか一態様において、前記払出口の紙幣の有無を検知する紙幣検知手段を有し、前記制御部は、前記第1の払出処理後、前記紙幣検知手段が前記払出口の紙幣無しを検知すると、前記第2の払出処理を行うことを特徴とする。
第7の態様は、第1乃至第6のいずれか一態様において、前記天地方向の前記第1方向および前記第2方向の選択設定操作を受け付ける操作手段を有することを特徴とする。
第8の態様は、第1乃至第7のいずれか一態様において、前記収納部が金種別に複数設けられていることを特徴とする。
第9の態様は、第2の態様において、前記一括出金モードが選択設定されている場合には、一の出金処理時に前記払出口からの紙幣の取り出しが一回になる旨を報知し、前記金種別分割出金モードおよび前記天地別分割出金モードのいずれか一方が選択設定されている場合には、一の出金処理時に前記払出口からの紙幣の取り出しが複数回になる旨を報知する報知手段が設けられていることを特徴とする。
第1の態様によれば、収納部から繰り出された紙幣に対し、識別部で識別を行い、制御部は、この識別結果に基づいて、表裏取揃部で表裏が取り揃えられると天地方向が第1方向に向く天地第1方向紙幣を表裏取揃部で表裏を取り揃えて払出口に払い出す一方、表裏取揃部で表裏が取り揃えられると天地方向が第2方向に向く天地第2方向紙幣を集積部に集積させる第1の払出処理を行う。この第1の払出処理の後、制御部は、集積部から天地第2方向紙幣を繰り出し、識別部による識別結果に基づき表裏取揃部で表裏を取り揃えて払出口に払い出す第2の払出処理を行う。よって、表裏が取り揃えられた天地第1方向紙幣と、表裏が取り揃えられた天地第2方向紙幣とを分けて払い出すことができる。これにより、操作者は、纏まった状態の天地第1方向紙幣と、纏まった状態の天地第2方向紙幣とを取り出して、これらの天地を揃えるという容易な作業で、払い出された全ての紙幣の表裏および天地を取り揃えることができる。よって、紙幣の天地はそのままで表裏のみを反転させる機構を設けずに済むため、コストの増大を抑制することが可能となる。また、集積部は、出金時の紙幣であって天地第2方向紙幣のみを一時的に集積させることができれば良いため、大型化を抑制可能であり、ひいては機体の大型化を抑制することが可能となる。
第1の態様によれば、制御部が、予め記憶している収納部の収納紙幣の表裏および天地の情報に基づいて、天地第1方向紙幣の枚数が天地第2方向紙幣の枚数以上となるように天地方向の第1方向および第2方向を設定することになるため、第1の払出処理で先に払い出す天地第1方向紙幣の枚数を、第2の払出処理で後に払い出す天地第2方向紙幣の枚数以上にすることができる。よって、第1の払出処理で集積部に集積する天地第2方向紙幣の紙幣の枚数を減らすことが可能になるため、集積部の容量を減らすことが可能になる。また、紙幣一枚当たりの払出時間が第1の払出処理よりも第2の払出処理の方が長くなる場合に、第1の払出処理と第2の払出処理とを合わせた全体の払出処理の時間を短縮することができる。
第2の態様によれば、複数金種の紙幣を払出口に払い出す一の出金処理時に、複数金種の紙幣を連続的に払出口に払い出す一括出金モードと、金種毎に紙幣の払出口からの取り出しを確認しつつ紙幣を払出口に払い出す金種別分割出金モードと、各金種の天地方向毎に紙幣の払出口からの取り出しを確認しつつ紙幣を払出口に払い出す天地別分割出金モードと、の三つのモードから選択設定可能であるため、操作者の要望に合わせたモードで紙幣を払出口に払い出すことができる。
第3の態様によれば、第1の払出処理において、払出口に払い出す天地第1方向紙幣の枚数と、集積部に集積させる天地第2方向紙幣の枚数とを加算した枚数が、第2の払出処理を加えて最終的に払出口に払い出すべき紙幣の枚数よりも多くなるため、第2の払出処理で払い出し不可な紙幣があっても、払い出すべき枚数の紙幣を払出口に払い出すことができる。
第4の態様によれば、制御部が、第2の払出処理において、天地第2方向紙幣を集積部から繰り出した後、一旦本来の収納位置である収納部に戻すことになる。そして、この収納部から天地第2方向紙幣を繰り出し、識別部による識別結果に基づき表裏取揃部で表裏を取り揃えて払出口に払い出すことになる。よって、異常発生時における復旧作業のミス等を減らすことができる。
第5の態様によれば、制御部が、第2の払出処理において、天地第2方向紙幣を集積部から繰り出した後、収納部に戻すことなく、識別部による識別結果に基づき表裏取揃部で表裏を取り揃えて払出口に払い出す。よって、第2の払出処理に要する時間を短縮することができる。
第6の態様によれば、制御部は、第1の払出処理後、紙幣検知手段が払出口の紙幣無しを検知すると、第2の払出処理を行うため、払出口に払い出した天地第1方向紙幣が取り出されると、自動的に天地第2方向紙幣を払出口に払い出すことができる。
第7の態様によれば、操作手段の選択設定操作で、第1の払出処理で先に払い出す紙幣の天地方向と、第2の払出処理で後に払い出す紙幣の天地方向の設定が可能になる。よって、操作者の要望に合わせた形態で紙幣を払い出すことができる。
第8の態様によれば、収納部が金種別に複数設けられているため、複数金種を払い出すことができる。金種毎に第1の払出処理および第2の払出処理を行うことにより、複数金種を払い出す場合にも、すべての金種について紙幣の表裏および天地の取り揃えが容易に可能となる。
第9の態様によれば、報知手段が、一括出金モードが選択設定されている場合には一の出金処理時に払出口からの紙幣の取り出しが一回になる旨を報知し、金種別分割出金モードおよび天地別分割出金モードのいずれか一方が選択設定されている場合には、一の出金処理時に払出口からの紙幣の取り出しが複数回になる旨を報知するため、操作者による不要な待機並びに紙幣の取り忘れを抑制することができる。