JP2018059412A - コンプレッサ用斜板 - Google Patents

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【課題】油膜を確保し易いコンプレッサ用斜板を提供する。【解決手段】平板状の基材31と、前記基材31の表面を被覆するコーティング層32と、を具備する斜板3であって、前記コーティング層32は、前記基材31の径方向における外周部に設定された第一の範囲T1に形成された平坦部32cと、前記径方向における前記第一の範囲T1の内側に設定された第二の範囲T2に形成された複数の溝部32aと、を具備した。【選択図】図4

Description

本発明は、平板状の基材の表面にコーティング層が形成されたコンプレッサ用斜板の技術に関する。
従来、平板状の基材の表面にコーティング層が形成されたコンプレッサ用斜板の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、平板状基材上に固体潤滑樹脂コーティング膜を有するコンプレッサ用斜板が記載されている。当該固体潤滑樹脂コーティング膜には、複数の同心円状の溝が形成されている。このような溝を形成することで、当該溝に潤滑油を確保することができる。これによって、コンプレッサ用斜板がシューと摺動する際の油膜の形成を促すことができ、ひいては耐焼付性を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、コンプレッサ用斜板が高速で回転した場合には、遠心力によって潤滑油が外周側へと飛散してしまい、当該コンプレッサ用斜板上に潤滑油を十分に確保できないおそれがある。コンプレッサ用斜板上に十分な潤滑油が確保できない場合、油膜切れが生じるおそれがある。
特許第4376519号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、油膜を確保し易いコンプレッサ用斜板を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、平板状の基材と、前記基材の表面を被覆するコーティング層と、を具備するコンプレッサ用斜板であって、前記コーティング層は、前記基材の径方向における外周部に設定された第一の範囲に形成された平坦部と、前記径方向における前記第一の範囲の内側に設定された第二の範囲に形成された複数の内側溝部と、を具備するものである。
請求項2においては、平板状の基材と、前記基材の表面を被覆するコーティング層と、を具備するコンプレッサ用斜板であって、前記コーティング層は、前記基材の径方向における外周部に設定された第一の範囲に形成された複数の外側溝部と、前記径方向における前記第一の範囲の内側に設定された第二の範囲に形成され、前記外側溝部よりも深さが深くなるように形成された複数の内側溝部と、を具備するものである。
請求項3においては、前記コーティング層は、前記径方向における前記第一の範囲と前記第二の範囲との間に設定された第三の範囲に形成され、前記第二の範囲側から前記第一の範囲側に向かって徐々に深さが浅くなるように形成された複数の中間溝部をさらに具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、油膜を確保し易くすることができる。
請求項2においては、油膜を確保し易くすることができる。
請求項3においては、コーティング層の表面形状を滑らかに変化させることができるので、斜板の表面形状が急激に変化し、摩擦特性に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
第一実施形態に係るコンプレッサの概略構成を示す側面一部断面図。 (a)シューの側面図。(b)シューの底面図。 (a)低速時における斜板の傾斜角度を示した側面図。(b)高速時における斜板の傾斜角度を示した側面図。 斜板とシューとの接触部分を示す側面一部断面図。 (a)斜板の正面図。(b)斜板の側面断面図。 第二実施形態に係る斜板を示す側面一部断面図。 第三実施形態に係る斜板を示す側面一部断面図。 第四実施形態に係る斜板を示す側面一部断面図。
以下の説明で用いる図は模式図であり、説明の便宜上、各部の寸法等を適宜誇張して示している。
以下では、図1及び図2を用いて、本発明の第一実施形態に係るコンプレッサ1の構成の概略について説明する。コンプレッサ1は、主として回転軸2、斜板3、ピストン4及びシュー5を具備する。
図1に示す回転軸2は、図示せぬハウジングに回転可能に支持される。回転軸2は、図示せぬ駆動源からの動力によって回転することができる。
斜板3は、円形平板状に形成される。斜板3の中央部分には、回転軸2が挿通される。斜板3は、回転軸2の軸線方向に対して傾斜した状態で、当該回転軸2の中途部に設けられる。
なお、斜板3の詳細な構成については後述する。
ピストン4は、前記ハウジングに形成された図示せぬ複数のシリンダボア内にそれぞれ配置される。ピストン4は、回転軸2の軸線方向に沿って摺動(往復動)可能に設けられる。ピストン4には凹部41が形成される。
凹部41は、ピストン4の内部に形成される。凹部41は略半球状に形成される。凹部41は、回転軸2の軸線方向に沿って対向するように、各ピストン4に一対ずつ形成される。
図1及び図2に示すシュー5は、略半球状に形成される。具体的には、シュー5は、主として第一摺動面51及び第二摺動面52を具備する。
第一摺動面51は、シュー5の一側の面であって、ピストン4の凹部41と摺動する面(図1参照)である。第一摺動面51は、一側へ膨出するように形成される。第一摺動面51は、ピストン4の凹部41に沿う半球面状に形成される。
第二摺動面52は、シュー5の他側の面であって、斜板3(より詳細には、後述するコーティング層32)と摺動する面(図1参照)である。第二摺動面52は他側へ、つまり第一摺動面51と反対側へ若干膨出するように形成される。第二摺動面52は、第一摺動面51と比べて膨出幅が小さい形状(平坦に近い形状)に形成される。第二摺動面52は、外周部52a及び中央部52bを具備する。
外周部52aは、第二摺動面52の外側部分を構成するものである。外周部52aは、第二摺動面52の外周に沿って設けられる。外周部52aは、第一摺動面51と比べて極めて大きな曲率半径を有する曲面状に形成される。
中央部52bは、第二摺動面52の内側部分を構成するものである。中央部52bは、円状に形成される。中央部52bは、外周部52aの内側に(第二摺動面52の中央に)当該外周部52aと連続して設けられる。中央部52bは、略平坦状に形成される。より詳細には、中央部52bは、平坦状、或いは外周部52aよりもさらに大きな曲率半径を有する曲面状に形成される。
シュー5は、鉄系、銅系、アルミニウム系材料のほか、焼結材料や樹脂材料等によって製造される。特に、シュー5はSUJ2に鍛造や転造を施して製造することが好ましい。
このように形成されたシュー5は、ピストン4の凹部41内にそれぞれ配置される。この際、シュー5の第一摺動面51と凹部41とが摺動(揺動)可能に接するように配置される。これによって、1つのピストン4に配置された2つのシュー5は、互いに第二摺動面52を対向させた状態で配置される。当該2つのシュー5の第二摺動面52の間に斜板3の外周部近傍が挟持される。
このように構成されたコンプレッサ1において回転軸2が回転すると、当該回転軸2と共に斜板3も回転する。斜板3は回転軸2の軸線方向に対して傾いているため、当該斜板3はシュー5を介してピストン4を軸線方向に往復移動(摺動)させることになる。この際、シュー5の第二摺動面52は斜板3の表面を摺動する。
本実施形態に係るコンプレッサ1は、回転軸2(斜板3)の回転数に応じて斜板3の傾斜角度が変化するように構成されている。なお、本実施形態において斜板3の傾斜角度とは、回転軸2の軸線Xに垂直な面に対する傾斜角度を意味している。
具体的には、斜板3の回転数が低い(低速で回転している)場合、図3(a)に示すように、当該斜板3の傾斜角度は小さくなる。また、斜板3の回転数が高い(高速で回転している)場合、図3(b)に示すように、当該斜板3の傾斜角度は大きくなる。
ここで、図3に示すように、斜板3上におけるシュー5の位置は、斜板3の傾斜角度に応じて変化する。具体的には、斜板3の傾斜角度が小さい場合に比べて、斜板3の傾斜角度が大きい場合のほうが、シュー5は相対的に斜板3の外周側へと移動することになる。
以下では、図4及び図5を用いて、斜板3の詳細な構成について説明する。
斜板3は、主として基材31及びコーティング層32を具備する。なお、図5(b)で斜板3の断面を示す際には、説明の便宜上、基材31とコーティング層32を区別していない。
基材31は、円形平板状に形成される部材である。基材31は、公知の種々の材料を用いて製造することができる。具体的には、鉄系やアルミニウム系材料、アルミニウムを固着・接合した複合材料、鋼、ステンレス等の鉄系、銅合金等の銅系、アルミニウム合金等のアルミニウム系などの金属、あるいは樹脂等を挙げることができる。
コーティング層32は、基材31の表面(シュー5と対向する面)を被覆するように形成される。コーティング層32は、基材31の両側面に形成される。
コーティング層32は、固体潤滑剤を含有する皮膜であり、通常バインダーとして熱硬化性樹脂を含有する。コーティング層32に用いることのできる固体潤滑剤としては、特に限定されないが、二硫化モリブデン(MoS)、グラファイト、h−BN、二硫化タングステン(WS)、ポリ四フッ化エチレン(以下、PTFEと称する)、フッ素系樹脂、Pb、CF等を挙げることができる。
コーティング層32に用いることのできる樹脂バインダーとしては、例えば、ポリイミド系樹脂(PI)、ポリアミドイミド系樹脂(PAI)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等、ポリアミド(ナイロン)、フッ素樹脂(PTFE、FEP等)、エラストマー等が挙げられる。具体的には、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド又は芳香族ポリアミドイミド、あるいはこれらのジイソシアネート変性、BPDA変性、スルホン変性樹脂のワニスなどの熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
コーティング層32は、主として溝部32a、凸部32b及び平坦部32cを具備する。
溝部32aは、コーティング層32の表面に形成される。溝部32aは、斜板3と同心円状に複数形成される。溝部32aは、基材31の表面にコーティング層32を形成した後で、当該コーティング層32に機械加工(切削加工等)を施すことで形成される。切削加工によって溝部32aを形成する場合、切削工具を用いてコーティング層32の表面が円環状に切削される。この際、隣接する溝部32a間の距離(ピッチ)は適宜設定することができる。また溝部32aの断面形状(図4参照)は、切削工具の刃先の形状と略同一となる。溝部32aは、コーティング層32の所定の範囲に形成される。溝部32aは、実際には非常に微小に形成されるものであるが、説明の便宜上、図面には実際よりも大きく示している。
凸部32bは、コーティング層32の表面に形成される。凸部32bは、コーティング層32に同心円状の溝部32aを複数形成することで、隣接する溝部32aの間に形成される。これによって凸部32bは、コーティング層32の表面に、同心円状に複数形成されることになる。
平坦部32cは、コーティング層32の表面に形成される。平坦部32cは、コーティング層32のうち、溝部32a(凸部32b)が形成されない部分である。平坦部32cは、ほとんど凹凸のない(溝部32aと比較して非常に凹凸の小さい)略平坦状に形成される。平坦部32cは、コーティング層32の所定の範囲に形成される。
ここで平坦部32cは、前述の如く、コーティング層32の全域ではなく、所定の範囲にのみ形成される。以下、当該平坦部32cが形成される範囲について説明する。
本実施形態における平坦部32cは、第一の範囲T1に亘って形成されている。第一の範囲T1は、斜板3の外周部に設定される。より具体的には、第一の範囲T1は、斜板3の外周端部から、径方向内側に向かって所定の幅(例えば、1〜2mm程度)となるように設定される。
このような第一の範囲T1に平坦部32cが形成されることで、斜板3が回転した際に潤滑油が径方向外側へと飛散するのを抑制することができる。すなわち、潤滑油は、遠心力によって飛散しないように溝部32a内に保持されているが、それでも潤滑油の一部は凸部32bを乗り越えるようにして外側へと移動してしまう。しかし、斜板3の外周部に形成された平坦部32cによって当該移動がせき止められる。これによって、潤滑油が径方向外側へと飛散するのを抑制し、斜板3(コーティング層32)上に保持し易くなる。このため、斜板3とシュー5との間の耐摩耗性や耐焼付性を向上させることができる。特に、本実施形態の如く構成することで、斜板3上の潤滑油量が少ない場合(貧潤滑環境下)においても耐摩耗性や耐焼付性を低下し難くすることができ、有用である。
特に、シュー5が斜板3に対して径方向外側へと移動し、当該シュー5の第二摺動面52と斜板3の平坦部32cとが対向した際には、潤滑油は、当該第二摺動面52と平坦部32cと間を移動し難い。このため、より効果的に潤滑油の飛散を抑制することができる。
また、本実施形態における溝部32aは、第二の範囲T2に亘って形成されている。第二の範囲T2は、第一の範囲T1の径方向内側に設定される。このように、平坦部32c(第一の範囲T1)以外の部分には溝部32aを形成することで、当該溝部32a内に保持された潤滑油によって、シュー5と斜板3との間における油膜の形成が促される。これによって耐焼付性を向上させることができる。
また、第二の範囲T2においては、凸部32bがシュー5と摺動することで適宜摩耗し易いため、斜板3とシュー5との初期なじみ性を向上させることができる。また、凸部32bがなじむことで、当該凸部32bの高さ(図4における紙面上下方向幅)が平坦部32cの高さよりも低くなる。すなわち、相対的に平坦部32cが凸部32bよりも高くなるため、潤滑油の飛散をより効果的に抑制することができるようになる。
また、前述の如く、シュー5が斜板3に対して摺動する位置は、当該斜板3の傾斜角度に応じて変化する。図4には、斜板3が最も高速で回転した場合、すなわち、斜板3の傾斜角度が最も大きい場合におけるシュー5の位置(斜板3に対する相対的な位置)P1、及び、斜板3が最も低速で回転した場合、すなわち、斜板3の傾斜角度が最も小さい場合におけるシュー5の位置P2を、それぞれ示している。
本実施形態においては、シュー5が位置P1にある場合において、当該シュー5の中央部52b全体が第二の範囲T2に位置するように、すなわち中央部52b全体が溝部32aと対向するように、第一の範囲T1及び第二の範囲T2が設定されている。このように構成することで、斜板3が高速で回転した際に、シュー5の中央部52bにおける油膜の形成を促すことができ、高速回転時における耐焼付性を向上させることができる。
以上の如く、本実施形態に係る斜板3(コンプレッサ用斜板)は、
平板状の基材31と、
前記基材31の表面を被覆するコーティング層32と、
を具備する斜板3であって、
前記コーティング層32は、
前記基材31の径方向における外周部に設定された第一の範囲T1に形成された平坦部32cと、
前記径方向における前記第一の範囲T1の内側に設定された第二の範囲T2に形成された複数の溝部32a(内側溝部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、油膜を確保し易くすることができる。すなわち、平坦部32cによって、遠心力による潤滑油の飛散を抑制することができる。このため、斜板3上に潤滑油を保持し易くなり、ひいては油膜が確保し易くなる。
なお、本実施形態に係る斜板3は、本発明に係るコンプレッサ用斜板の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る溝部32aは、本発明に係る内側溝部の実施の一形態である。
以下では、斜板3の他の実施形態(第二実施形態ないし第四実施形態)について説明する。
図6には、第二実施形態に係る斜板3を示している。第二実施形態に係る斜板3が第一実施形態に係る斜板3と異なる点は、コーティング層32の平坦部32cに替えて溝部32dを具備している点である。以下、具体的に説明する。
溝部32dは、コーティング層32の表面に形成される。溝部32dは、溝部32aと同様に、斜板3と同心円状に複数形成される。溝部32dは、第一の範囲T1に亘って形成される。溝部32dの深さは、第二の範囲T2に形成された溝部32aよりも浅くなるように形成される。また、溝部32dのピッチ(隣り合う溝部32d同士の間隔)は、第二の範囲T2に形成された溝部32aよりも小さくなるように形成される。
このように、第一の範囲T1の溝部32dを、第二の範囲T2の溝部32aよりも浅く(断面形状が小さくなるように)形成することで、第一実施形態と同様に、潤滑油の飛散を抑制することができる。
以上の如く、本実施形態(第二実施形態)に係る斜板3は、
平板状の基材31と、
前記基材31の表面を被覆するコーティング層32と、
を具備する斜板3であって、
前記コーティング層32は、
前記基材31の径方向における外周部に設定された第一の範囲T1に形成された複数の溝部32d(外側溝部)と、
前記径方向における前記第一の範囲T1の内側に設定された第二の範囲T2に形成され、前記溝部32dよりも深さが深くなるように形成された複数の溝部32a(内側溝部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、油膜を確保し易くすることができる。
なお、本実施形態に係る溝部32dは、本発明に係る外側溝部の実施の一形態である。
図7には、第三実施形態に係る斜板3を示している。第三実施形態に係る斜板3が第一実施形態に係る斜板3と異なる点は、第一の範囲T1とシュー5との位置関係である。以下、具体的に説明する。
第三実施形態においては、シュー5が位置P1にある場合において、当該シュー5の中央部52b全体が第一の範囲T1に位置するように、すなわち、中央部52b全体が平坦部32cと対向するように、第一の範囲T1及び第二の範囲T2が設定されている。このように構成することで、潤滑油は、シュー5と斜板3との間を流通し難くなるため、当該潤滑油の飛散をより効果的に抑制することができる。
図8には、第四実施形態に係る斜板3を示している。第四実施形態に係る斜板3が第一実施形態に係る斜板3と異なる点は、コーティング層32が溝部32eをさらに具備している点である。以下、具体的に説明する。
溝部32eは、コーティング層32の表面に形成される。溝部32eは、溝部32aと同様に、斜板3と同心円状に複数形成される。溝部32eは、第三の範囲T3に亘って形成される。第三の範囲T3は、径方向において第一の範囲T1と第二の範囲T2との間に設定される。
第三の範囲T3に形成された溝部32eの深さは、第二の範囲T2に形成された溝部32aよりも浅くなるように、かつ径方向内側から外側に向かって徐々に浅くなるように形成される。
このように溝部32eを形成することで、コーティング層32の凹凸(すなわち、溝部32a及び溝部32e)を、径方向内側から外側に向かって滑らかに平坦(平坦部32c)に変化させることができる。このように構成することで、シュー5が斜板3に対して径方向に移動する際に、当該斜板3(コーティング層32)の表面形状が急激に変化し、摩擦特性に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
以上の如く、本実施形態(第四実施形態)に係るコーティング層32は、
前記径方向における前記第一の範囲T1と前記第二の範囲T2との間に設定された第三の範囲T3に形成され、前記第二の範囲T2側から前記第一の範囲T1側に向かって徐々に深さが浅くなるように形成された複数の溝部32e(中間溝部)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、コーティング層32の表面形状を滑らかに変化させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、溝部32a、溝部32d及び溝部32eは、同心円状に形成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、コーティング層32の表面に潤滑油を保持できる凹部を形成することができれば、その形状は問わない。例えば、らせん状や、弧状(円が周方向の一部で途切れた形状)に形成することも可能である。
また、上記実施形態においては、コンプレッサ1は、回転軸2の回転数に応じて斜板3の傾斜角度が変化するものとしたが、当該斜板3の傾斜角度は、その他任意の方法で変化させるように構成することも可能である。
また、上記実施形態においては、コンプレッサ1は斜板3の傾斜角度を変更可能なもの(いわゆる、可変容量型)として説明したが、斜板3の傾斜角度を変更不能なもの(いわゆる、固定容量型)であってもよい。
1 コンプレッサ
2 回転軸
3 斜板
4 ピストン
5 シュー
31 基材
32 コーティング層
32a 溝部
32b 凸部
32c 平坦部

Claims (3)

  1. 平板状の基材と、
    前記基材の表面を被覆するコーティング層と、
    を具備するコンプレッサ用斜板であって、
    前記コーティング層は、
    前記基材の径方向における外周部に設定された第一の範囲に形成された平坦部と、
    前記径方向における前記第一の範囲の内側に設定された第二の範囲に形成された複数の内側溝部と、
    を具備するコンプレッサ用斜板。
  2. 平板状の基材と、
    前記基材の表面を被覆するコーティング層と、
    を具備するコンプレッサ用斜板であって、
    前記コーティング層は、
    前記基材の径方向における外周部に設定された第一の範囲に形成された複数の外側溝部と、
    前記径方向における前記第一の範囲の内側に設定された第二の範囲に形成され、前記外側溝部よりも深さが深くなるように形成された複数の内側溝部と、
    を具備するコンプレッサ用斜板。
  3. 前記コーティング層は、
    前記径方向における前記第一の範囲と前記第二の範囲との間に設定された第三の範囲に形成され、前記第二の範囲側から前記第一の範囲側に向かって徐々に深さが浅くなるように形成された複数の中間溝部をさらに具備する、
    請求項1又は請求項2に記載のコンプレッサ用斜板。
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