JP2019116951A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2019116951A
JP2019116951A JP2017252220A JP2017252220A JP2019116951A JP 2019116951 A JP2019116951 A JP 2019116951A JP 2017252220 A JP2017252220 A JP 2017252220A JP 2017252220 A JP2017252220 A JP 2017252220A JP 2019116951 A JP2019116951 A JP 2019116951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recess
coating layer
swash plate
sliding
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017252220A
Other languages
English (en)
Inventor
翔悟 ▲高▼木
翔悟 ▲高▼木
Shogo Takagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
Priority to JP2017252220A priority Critical patent/JP2019116951A/ja
Publication of JP2019116951A publication Critical patent/JP2019116951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】貧潤滑状態において耐焼付性を向上させることができる。【解決手段】基材31と、前記基材31の表面を被覆し、摺動面を構成するコーティング層32と、を具備する斜板3であって、前記コーティング層32は、前記摺動面に、所定方向に並ぶ複数の山部33及び谷部34を有し、前記山部に凹部33bが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、基材の表面にコーティング層が形成された摺動部材の技術に関する。
従来、基材の表面にコーティング層が形成された摺動部材の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、平板状基材上に固体潤滑コーティング膜を有する摺動部材が記載されている。上記摺動部材は、摺動表面に複数の同心状の溝を有している。このような溝を形成することで、上記摺動部材が、当該摺動部材に対向する被摺動部材と摺動する際の油膜の形成を促すことができる。
ここで、摺動部材に供給される潤滑油の供給量が少ない貧潤滑状態においては、上述したような溝を形成したとしても油膜を保持し難くなり、焼付が発生し易くなるようなことが考えられる。
国際公開2002/075172号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、貧潤滑状態において耐焼付性を向上させ得る摺動部材を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、基材と、前記基材の表面を被覆し、摺動面を構成するコーティング層と、を具備する摺動部材であって、前記コーティング層は、前記摺動面に、所定方向に並ぶ複数の山部及び谷部を有し、前記山部に凹部が形成されているものである。
請求項2においては、前記山部は、摺動方向に沿って長尺な形状とされており、前記凹部は、前記山部の長手方向に沿って複数形成されているものである。
請求項3においては、前記凹部には、長穴状に形成されたものが含まれるものである。
請求項4においては、前記凹部には、前記山部において、前記所定方向の略中央に形成されたものが含まれるものである。
請求項5においては、前記凹部には、前記谷部に連通するように形成されたものが含まれるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、貧潤滑状態において耐焼付性を向上させることができる。
請求項2においては、複数の凹部によって潤滑油の保持及び潤滑油中の異物の捕捉を行なうことができる。
請求項3においては、例えば、凹部の短手寸法の内径と同程度の内径の丸穴を形成したものと比べて、摺動面積を確保しつつ、より大きな異物を捕捉することができる。
請求項4においては、凹部を形成しながらも、山部の強度を確保することができる。
請求項5においては、凹部を介して、谷部に溜められた潤滑油を摺動面に引き込むことができる。
第一実施形態に係る斜板を有するコンプレッサの概略構成を示す側面一部断面図。 斜板を示す正面図。 図2における領域Aを示す正面拡大図。 図3におけるB−B断面図。 第二実施形態に係る斜板を示す図4に対応する断面図。 第三実施形態に係る斜板を示す図3に対応する正面拡大図。 第四実施形態に係る斜板を示す図3に対応する正面拡大図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、図1及び図2を用いて、本発明の第一実施形態に係るコンプレッサ1の構成の概略について説明する。コンプレッサ1は、主として回転軸2、斜板3、ピストン4及びシュー5を具備する。
図1に示す回転軸2は、図示せぬハウジングに回転可能に支持される。回転軸2は、図示せぬ駆動源からの動力によって回転することができる。
斜板3は、円形平板状に形成される。斜板3の中央部分には、回転軸2が挿通される。斜板3は、回転軸2の軸線方向に対して傾斜した状態で、当該回転軸2の中途部に設けられる。
なお、斜板3の詳細な構成については後述する。
ピストン4は、前記ハウジングに形成された図示せぬ複数のシリンダボア内にそれぞれ配置される。ピストン4は、回転軸2の軸線方向に沿って摺動(往復動)可能に設けられる。ピストン4には凹所41が形成される。
凹所41は、ピストン4の内部に形成される。凹所41は略半球状に形成される。凹所41は、回転軸2の軸線方向に沿って対向するように、各ピストン4に一対ずつ形成される。
図1に示すシュー5は、略半球状に形成される。具体的には、シュー5は、主として第一摺動面51及び第二摺動面52を具備する。
第一摺動面51は、シュー5の一側の面であって、ピストン4の凹所41と摺動する面(図1参照)である。第一摺動面51は、一側へ膨出するように形成される。第一摺動面51は、ピストン4の凹所41に沿う半球面状に形成される。
第二摺動面52は、シュー5の他側の面であって、斜板3(より詳細には、後述するコーティング層32)と摺動する面(図1参照)である。第二摺動面52は他側へ、つまり第一摺動面51と反対側へ若干膨出するように形成される。第二摺動面52は、第一摺動面51と比べて膨出幅が小さい形状(平坦に近い形状)に形成される。
シュー5は、鉄系、銅系、アルミニウム系材料のほか、焼結材料や樹脂材料等によって製造される。特に、シュー5はSUJ2に鍛造や転造を施して製造することが好ましい。
このように形成されたシュー5は、ピストン4の凹所41内にそれぞれ配置される。この際、シュー5の第一摺動面51と凹所41とが摺動(揺動)可能に接するように配置される。これによって、1つのピストン4に配置された2つのシュー5は、互いに第二摺動面52を対向させた状態で配置される。当該2つのシュー5の第二摺動面52の間に斜板3の外周部近傍が挟持される。
以下では、図2から図4までを用いて、斜板3の詳細な構成について説明する。
斜板3は、主として基材31及びコーティング層32を具備する。
基材31は、円形平板状に形成される部材である。基材31は、公知の種々の材料を用いて製造することができる。具体的には、鉄系やアルミニウム系材料、アルミニウムを固着・接合した複合材料、鋼、ステンレス等の鉄系、銅合金等の銅系、アルミニウム合金等のアルミニウム系などの金属、あるいは樹脂等を挙げることができる。
コーティング層32は、基材31の表面(シュー5と対向する面)を被覆するように形成される。コーティング層32は、基材31の両側面に形成される。コーティング層32は、シュー5の第二摺動面52に対する摺動面を構成する。
コーティング層32は、基材31の表面の全域でなく、所定の範囲に形成される。コーティング層32は、斜板3の外周端部から、径方向内側に向かって所定の幅となるように形成されている。また、コーティング層32は、少なくとも、斜板3とシュー5とが摺動する範囲に形成される。
コーティング層32は、固体潤滑剤を含有する皮膜であり、通常バインダーとして熱硬化性樹脂を含有する。コーティング層32に用いることのできる固体潤滑剤としては、特に限定されないが、二硫化モリブデン(MoS)、グラファイト、h−BN、二硫化タングステン(WS)、ポリ四フッ化エチレン(以下、PTFEと称する)、フッ素系樹脂、Pb、CF等を挙げることができる。
コーティング層32に用いることのできる樹脂バインダーとしては、例えば、ポリイミド系樹脂(PI)、ポリアミドイミド系樹脂(PAI)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等、ポリアミド(ナイロン)、フッ素樹脂(PTFE、FEP等)、エラストマー等が挙げられる。具体的には、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド又は芳香族ポリアミドイミド、あるいはこれらのジイソシアネート変性、BPDA変性、スルホン変性樹脂のワニスなどの熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
コーティング層32は、パッド印刷により、上述した固体潤滑剤及び樹脂バインダーを含有するコーティング材を、基材31の表面に塗布することで形成される。コーティング層32は、図4に示すように、複数の層が積層されて形成されている。なお、パッド印刷の詳細な説明については後述する。
コーティング層32は、厚さ寸法が18μm〜30μmとされている。本実施形態では、厚さ寸法が3μm〜5μmとされた複数の層(図例では6層)を積層して上述した厚さ寸法のコーティング層32を形成している。
また、コーティング層32は、山部33及び谷部34を有している。
図2から図4までに示す山部33は、コーティング層32の表面に形成される。図2に示すように、山部33は、斜板3の摺動方向に沿って長尺な環状とされている。ここで、摺動方向とは、斜板3がシュー5に対して摺動する方向(本実施形態では周方向)である。山部33は、斜板3と同心円状に複数形成される。なお、山部33は、実際には非常に微小に形成されるものであるが、説明の便宜上、図面には実際よりも大きく示している。また、山部33は、上述したコーティング層32を構成する複数の層のうちの最表層によって形成されている。
山部33は、所定のピッチで径方向に並ぶように配置されている。本実施形態では、径方向に隣り合う山部33間のピッチを、150μm〜400μm程度としている。また、本実施形態では、山部33の幅寸法(径方向に沿う寸法)を、上記山部33間のピッチの半分程度の寸法としている。上記山部33のピッチや幅寸法は、十分な摺動面積を確保する観点等から適宜設定してもよい。
山部33は、頂部33a(山部33の厚さ方向先端面)を有する。頂部33aは、コーティング層32における摺動面を構成する。頂部33aは、ほとんど凹凸のない(後述する凹部33bと比較して非常に凹凸の小さい)平坦面状とされている。また、山部33は、頂部33aに凹部33bが形成されている。なお、図4では、斜板3の厚さ方向に切った断面図(図3におけるB−B断面図)において、模式的に山部33を矩形状とした例を示している。
凹部33bは、前記頂部33aに点在するように複数形成される微細な穴(ディンプル)である。凹部33bは、山部33の長手方向に沿って複数形成されている。本実施形態では、凹部33bを、厚さ方向に見て略円形(真円)状としている。また、凹部33bは、頂部33aにおいて、径方向の略中央に形成されている。本実施形態では、凹部33bの全てを、頂部33aにおいて径方向の略中央に形成している。なお、このような態様に限られず、複数の凹部33bの一部が、頂部33aにおいて径方向の略中央に形成された構成としてもよい。また、頂部33aにおいて径方向の略中央に形成された凹部33bを有しなくてもよい。また、図3に示した例では、複数の凹部33bは、周方向に沿って整列したように配置されているが、図例のように整列していなくてもよい。
本実施形態では、上記略円形状とされた凹部33bの内径を、50μm〜150μm程度としている。また、凹部33bの深さ寸法を、3μm〜5μm程度としている。なお、凹部33bの内径及び深さ寸法は、上述した例に限られない。
なお、図3に示した例では、複数の凹部33bの内径をそれぞれ同寸法としているが、このような態様に限られず、それぞれ内径が異なる寸法であってもよい。また、図3に示した例では、複数の凹部33b間のピッチを、それぞれ等ピッチとしているが、このような態様に限られず、それぞれ異なるピッチとしてもよい。また、凹部33bの形状は、略円形(真円)状に限られず、例えば、多角形状や、その他いびつな形状であってもよい。
谷部34は、コーティング層32の表面に形成される。谷部34は、コーティング層32に同心円状の山部33を複数形成したことで、隣り合う山部33の間に形成される。これによって、谷部34は、コーティング層32の表面に同心円状に複数形成されることになる。また、本実施形態では、谷部34の深さ寸法を、3μm〜5μm程度としている。また、谷部34の幅寸法を、上記山部33の幅寸法と同程度の寸法としている。
以下では、パッド印刷によって山部33及び谷部34を形成する工程について説明する。ここで、パッド印刷とは、印刷される図柄(パターン)に対応した凹所を有する凹版に塗料(コーティング材)を供給し、当該塗料を、柔軟性を有するパッドを介して、印刷対象(基材31)に転写させる印刷方法である。
まず、上述した複数の山部33に対応する凹所を有する凹版に、コーティング層32を構成する塗料であるコーティング材を供給した後、パッドを上記凹版に押し付け、コーティング材を付着させる。次いで、上記コーティング材を付着させたパッドを基材31の表面に押し付け、基材31にコーティング材を転写させる。当該コーティング材が硬化することで、基材31に複数の山部33が形成される。また、これにより、隣接する山部33の間に谷部34が形成される。
本実施形態では、複数のコーティング材を積層して、コーティング層32を形成している。また、本実施形態では、すでに複数のコーティング材が設けられた基材31に、上述した山部33を構成するコーティング材を転写してコーティング層32を形成している。
上述したような工程によってコーティング層32が形成されることで、複数の山部33及び谷部34を容易に形成することができる。すなわち、例えば、基材31にコーティング材を積層し、硬化させた後、切削加工等によって摺動面を加工することで山部33及び谷部34を形成するものと比べて、複数の山部33及び谷部34を有するコーティング層32を容易に形成することができる。
また、上記山部33に凹部33bを形成する方法としては、以下の方法が考えられる。例えば、パッド印刷において、凹部33bに対応するパターンが形成された凹版を用いて、当該凹版に供給されたコーティング材を基材31の表面に転写させることで、凹部33bを有するコーティング層32を形成することが考えられる。
また、例えば、上述したパッド印刷において、パッドに対してコーティング材を一部付着させないことで、凹部33bを形成することが考えられる。具体的には、パッドを凹版に押し付ける際に、パッドとコーティング材との間に空気を混入させ、当該空気によって形成された隙間によって凹部33bが形成されるものとしてもよい。また、パッドを凹版から離す際に、コーティング材と凹版との間に形成された真空によりコーティング材の一部が流動することで、上記コーティング材に孔が形成され、上記孔によって凹部33bが形成されるものとしてもよい。また、上記パッドの一部をコーティング材が付着し難い構成とすることで、上記コーティング材が付着していない部分によってパッドとコーティング材との間に隙間を形成し、上記隙間によって凹部33bが形成されるものとしてもよい。
また、例えば、上述した山部33に、切削加工やプレス加工を施して、凹部33bを形成してもよい。なお、本実施形態においては、パッド印刷によって山部33及び谷部34を有するコーティング層32を形成した例を示しているが、このような態様に限られず、種々の方法によってコーティング層32を形成してもよい。
以下では、上述の如く構成されたコンプレッサ1の動作の概略について説明する。
図1に示すように、コンプレッサ1において回転軸2が回転すると、当該回転軸2と共に斜板3も回転する。斜板3は回転軸2の軸線方向に対して傾いているため、当該斜板3はシュー5を介してピストン4を軸線方向に往復移動(摺動)させることになる。この際、シュー5の第二摺動面52は斜板3の摺動面(頂部33a)を摺動する。
この際に、斜板3のコーティング層32に形成された谷部34内に潤滑油が保持されるため、谷部34内に保持された潤滑油によって、シュー5と斜板3との間における油膜の形成が促される。これにより、斜板3に供給される潤滑油の供給量が少ない貧潤滑状態であっても耐焼付性を向上させることができる。
また、上述した谷部34に加えて、斜板3の摺動面を構成する山部33の頂部33aに凹部33bを形成しているので、当該凹部33bによって、山部33の頂部33a内でも潤滑油を保持することができる。これにより、摺動面(頂部33a)にくまなく潤滑油を供給し易い構成とすることができ、貧潤滑状態において、より耐焼付性を向上させることができる。また、凹部33bによって、摺動面における潤滑油中の異物を捕捉することができる。
以上の如く、本実施形態に係る斜板3(摺動部材)は、
基材31と、
前記基材31の表面を被覆し、摺動面を構成するコーティング層32と、
を具備する斜板3であって、
前記コーティング層32は、
前記摺動面に、所定方向(径方向)に並ぶ複数の山部33及び谷部34を有し、
前記山部33に凹部33bが形成されているものである。
このように構成することにより、貧潤滑状態において耐焼付性を向上させることができる。すなわち、摺動面に形成された谷部34に加えて、更に、山部33に形成された凹部33bによって、山部33内でも潤滑油を保持することができる。これにより、摺動面(頂部33a)にくまなく潤滑油を供給し易い構成とすることができ、貧潤滑状態において油膜の保持性を向上させることができ、ひいては耐焼付性を向上させることができる。また、凹部33bによって、摺動面における潤滑油中の異物を捕捉することができる。
また、前記山部33は、
摺動方向(周方向)に沿って長尺な形状とされており、
前記凹部33bは、
前記山部33の長手方向に沿って複数形成されているものである。
このように構成することにより、複数の凹部33bによって潤滑油の保持及び潤滑油中の異物の捕捉を行なうことができる。
また、前記凹部33bには、前記山部33において、前記径方向の略中央に形成されたものが含まれるものである。
このように構成することにより、凹部33bを形成しながらも、山部33の強度を確保することができる。
なお、本実施形態に係る斜板3は、本発明に係る摺動部材の一形態である。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、山部33を断面視矩形状とした例を示し、平坦面状とされた頂部33aを有するものとしたが、このようなものに限られない。
例えば、図5に示す第二実施形態のように、山部33の表面を、斜板3の厚さ方向に突出する突曲面状に形成されたものとしてもよい。図例では、斜板3の厚さ方向に切った断面図(図4に対応する断面図)において、山部33の厚さ方向先端を構成する面及び径方向に向く面を、それぞれ曲面状としている。本実施形態において、山部33は、山部33の厚さ方向先端を構成する面に、凹部33bが形成されている。なお、山部33の形状は、上述した形状に限られず、種々の形状を採用可能である。
このように構成される斜板3においても、貧潤滑状態において油膜の保持性を向上させることができ、ひいては耐焼付性を向上させることができる。
また、例えば、図6に示す第三実施形態のように、山部33に、長穴状に形成された凹部(長穴凹部33c)を形成してもよい。ここで、長穴状とは、斜板3の厚さ方向に見て一方向に長尺な穴形状を指す。本実施形態では、長穴凹部33cは、斜板3の厚さ方向に見て一方向に長尺な略楕円状とされている。
長穴凹部33cは、長手方向を山部33の長手方向(周方向)に沿わせるように複数形成されている。また、本実施形態では、山部33に形成される凹部33bの全てを長穴凹部33cとしている。なお、凹部33bの全てを長穴凹部33cとした態様に限られず、上述したような長穴凹部33cが含まれるものであればよい。
なお、図6に示した例では、複数の長穴凹部33cは、周方向に沿って整列したように配置されているが、図例のように整列していなくてもよい。また、図6に示した例では、複数の長穴凹部33cのそれぞれの内径寸法(長手寸法及び短手寸法)を同寸法としているが、このような態様に限られず、複数の長穴凹部33cのそれぞれの内径寸法(長手寸法及び短手寸法)を異なるものとしてもよい。また、図6に示した例では、複数の長穴凹部33c間のピッチを、それぞれ等ピッチとしているが、このような態様に限られず、それぞれ異なるピッチとしてもよい。また、長穴凹部33cの形状は、略楕円状に限られず、一方向に長尺な多角形状や、その他いびつな形状であってもよい。
このように構成される斜板3においても、貧潤滑状態において油膜の保持性を向上させることができ、ひいては耐焼付性を向上させることができる。また、長穴凹部33cを形成したことにより、例えば、長穴凹部33cの短手寸法の内径と同程度の内径の丸穴を形成したものと比べて、摺動面積を確保しつつ、より大きな異物を捕捉することができる。
また、例えば、図7に示す第四実施形態のように、山部33に、谷部34に連通するように形成された凹部(連通凹部33d)を形成してもよい。連通凹部33dは、当該連通凹部33dの一部が谷部34に連通するように、山部33において径方向外側または内側に偏るように複数配置されている。図例では、連通凹部33dを、厚さ方向に見て一部が欠けた略円形(真円)状とした例を示している。
連通凹部33dは、山部33の長手方向(周方向)に沿って複数形成されている。また、本実施形態では、山部33に形成される凹部33bの全てを連通凹部33dとしている。なお、凹部33bの全てを連通凹部33dとした態様に限られず、上述したような連通凹部33dが含まれるものであればよい。
なお、図7に示した例では、複数の連通凹部33dは、径方向外側に偏るものと径方向内側に偏るものとを交互に配置しているが、図例のような配置に限られず、複数の連通凹部33dをランダムに配置してもよい。また、図7に示した例では、複数の連通凹部33dの内径をそれぞれ同寸法としているが、このような態様に限られず、それぞれ内径が異なる寸法であってもよい。また、図7に示した例では、連通凹部33dは、径方向に隣り合う谷部34のうち、一方の谷部34のみに連通しているが、このような態様に限られず、径方向に隣り合う両方の谷部34にそれぞれ連通したものでもよい。また、連通凹部33dの形状は、略円形(真円)に限られず、多角形状や、その他いびつな形状であってもよい。
このように構成される斜板3においても、貧潤滑状態において油膜の保持性を向上させることができ、ひいては耐焼付性を向上させることができる。また、連通凹部33dを介して、谷部34に溜められた潤滑油を摺動面に引き込むことができる。また、潤滑油中の異物を連通凹部33dによって捕捉し、当該異物を谷部34に排出することができる。
なお、上記実施形態では、摺動部材をコンプレッサ1に用いられる斜板3としているが、このような態様に限られない。例えば、摺動部材を、内燃機関等に用いられ、軸部材が挿通される円筒状のすべり軸受としてもよい。この場合には、前記軸部材と摺動するすべり軸受の内周面(摺動面)において、周方向(摺動方向)に沿って形成された山部に凹部が形成される。また、上述した例に限られず、摺動部材は、被摺動部材に対して摺動する種々のものとすることができる。
また、上記実施形態では、凹部を、それぞれ凹部33b、長穴凹部33c及び連通凹部33dとした例を示したが、凹部は上記実施形態の形状に限られず、その他種々の形状としてもよい。また、凹部は、上述した凹部33b、長穴凹部33c、連通凹部33d及びその他の形状の凹部の全部が組み合わさったものでもよく、また、一部が組み合わさったものでもよい。
3 斜板(コンプレッサ用斜板)
31 基材
32 コーティング層
33 山部
33a 頂部
33b 凹部
33c 長穴凹部(凹部)
33d 連通凹部(凹部)
34 谷部

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材の表面を被覆し、摺動面を構成するコーティング層と、
    を具備する摺動部材であって、
    前記コーティング層は、
    前記摺動面に、所定方向に並ぶ複数の山部及び谷部を有し、
    前記山部に凹部が形成されている、
    摺動部材。
  2. 前記山部は、
    摺動方向に沿って長尺な形状とされており、
    前記凹部は、
    前記山部の長手方向に沿って複数形成されている、
    請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記凹部には、
    長穴状に形成されたものが含まれる、
    請求項1又は請求項2に記載の摺動部材。
  4. 前記凹部には、
    前記山部において、前記所定方向の略中央に形成されたものが含まれる、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の摺動部材。
  5. 前記凹部には、
    前記谷部に連通するように形成されたものが含まれる、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の摺動部材。
JP2017252220A 2017-12-27 2017-12-27 摺動部材 Pending JP2019116951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252220A JP2019116951A (ja) 2017-12-27 2017-12-27 摺動部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252220A JP2019116951A (ja) 2017-12-27 2017-12-27 摺動部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019116951A true JP2019116951A (ja) 2019-07-18

Family

ID=67305231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017252220A Pending JP2019116951A (ja) 2017-12-27 2017-12-27 摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019116951A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9618034B2 (en) Thrust washer
KR101172784B1 (ko) 사판과 그 제조방법
CN104011409B (zh) 滑动构件及其制造方法
US9746023B2 (en) Thrust washer
JP2019116951A (ja) 摺動部材
US10184463B2 (en) Compressor swash plate and compressor equipped with same
CN111316009B (zh) 半分割推力轴承、推力轴承、轴承装置以及内燃机
JP2019116851A (ja) コンプレッサ用斜板
JP6706184B2 (ja) コンプレッサ用斜板
US9435327B2 (en) Shoe
JP6706185B2 (ja) コンプレッサ用斜板
WO2017094810A1 (ja) 摺動部材および斜板式コンプレッサ
JP2017096398A (ja) 摺動部材
JP6313683B2 (ja) 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ
WO2020202687A1 (ja) コンプレッサ用斜板
JP6466754B2 (ja) 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ
JP6571960B2 (ja) 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ
JP6654056B2 (ja) コンプレッサー用斜板および斜板式コンプレッサー
JP2004300926A (ja) 斜板式圧縮機
JP6313681B2 (ja) 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ
JP6379381B2 (ja) 斜板式コンプレッサ
JP2007205315A (ja) 斜板式コンプレッサの斜板および斜板式コンプレッサ
JP2016121533A (ja) 摺動部材およびコンプレッサ
JP2019082147A (ja) 斜板
JP2016180381A (ja) 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ