JP6654056B2 - コンプレッサー用斜板および斜板式コンプレッサー - Google Patents

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本発明は、コンプレッサーにおいて用いられる斜板に関する。
いわゆる斜板式のコンプレッサー(圧縮機)が知られている。この種のコンプレッサーにおいては、斜板の摺動特性を改善するため、摺動面に樹脂コーティング層が形成されたものがある。ところが、耐摩耗性の高い材料を樹脂コーティング層に用いると、初期なじみ性が悪くなるという問題があった。これに対し、例えば特許文献1には、初期なじみ性と耐摩耗性とを両立するため、樹脂コーティング層に同心円状または渦巻き状の溝を形成する技術が記載されている(特に図1)。
特許第4376519号公報
特許文献1の技術においても、起動時および停止時には油膜形成に時間がかかり、無潤滑または境界潤滑領域の状態で摺動する時間が長くなるという問題があった。
これに対し本発明は、より油膜形成を促す技術を提供する。
本発明は、円弧状に回転移動するシューと摺動する摺動面を有する基材と、前記摺動面上に形成された樹脂コーティング層と、前記樹脂コーティング層に形成され、前記シューの回転方向と非平行な溝とを有するコンプレッサー用斜板を提供する。
前記溝は同心円状に形成され、前記同心円の中心が前記円弧の中心からずれていてもよい。
前記溝は渦巻き状に形成され、前記渦巻きの中心が前記円弧の中心からずれていてもよい。
前記溝の深さが、1μm以上、20μm以下であってもよい。
前記溝のピッチが、50μm以上、1mm以下であってもよい。
また、本発明は、上記いずれかの斜板を有する斜板式コンプレッサーを提供する。
本発明によれば、油膜形成を促すことができる。
一実施形態に係るコンプレッサー1の構造を示す断面模式図。 斜板3とシュー5との位置関係を例示する図。 斜板3の構造を例示する図。 コーティング層32の表面構造を示す模式図。 溝Gの構造を例示する図。 斜板3における油膜形成を示す模式図。 比較例に係る斜板9における油膜形成を示す模式図。 変形例に係るコーティング層32の表面構造を例示する模式図。 溝Gの断面形状の別の例を示す図。
図1は、一実施形態に係るコンプレッサー1の構造を示す断面模式図である。コンプレッサー1は、いわゆる斜板式コンプレッサーである。コンプレッサー1は、シャフト2、斜板3、ピストン4、およびシュー5を有する。シャフト2は、ハウジング(図示略)に対して回転可能に支持されている。斜板3は、シャフト2の回転軸に対して斜めに固定されている。斜板3は、本発明に係る摺動部材の一例である。ピストン4は、ハウジングに設けられたシリンダボア(図示略)内を往復運動する。シュー5は、斜板3とピストン4との間に設けられており、斜板3およびピストン4とそれぞれ摺動する。シュー5において、斜板3と摺動する面はほぼ平坦であり、ピストン4と摺動する面はドーム状(半球状)の形状を有している。シュー5は、本発明に係る摺動部材と摺動する相手材の一例である。シャフト2の回転は、斜板3によりピストン4の往復運動に変換される。
図2は、斜板3とシュー5との位置関係を例示する図である。図2は、摺動面に垂直な方向から見た図である。斜板3は、全体として中央部に孔を有する円板形状を有する。斜板3から見ると、シュー5は、摺動面上を回転運動している。ここで回転運動とは、斜板3に対してシュー5が点Cs(円板の中心とほぼ等しい)を中心とする円弧状または円状の軌跡tを描く運動をいう。例えば圧縮室側の摺動面を考えたとき、ピストン4が最も引き出された位置(圧縮率最低)から最も押し込まれた位置(圧縮率最高)までは圧縮室に向かって力がかかるので、シュー5は斜板3と摺動している。しかし、ピストン4が最も押し込まれた位置から最も引き出された位置に向かうときには圧縮室と反対側に力がかかるので、シュー5が斜板3の摺動面から浮き上がる場合がある。軌跡を円弧状というのはこのためである。
図3は、斜板3の断面構造を例示する図である。図3は、シュー5との摺動面に垂直な断面における構造を示す模式図である。斜板3は、基材31、コーティング層32、およびコーティング層33を有する。コーティング層32およびコーティング層33はいずれもシュー5と摺動する。コーティング層32およびコーティング層33は、いずれも、本発明に係る樹脂コーティング層の一例である。基材31は、中央部に孔を有する円板形状を有しており、要求される特性を満たす金属、例えば、鉄系、銅系、またはアルミニウム系の合金により形成される。シュー5との凝着を防ぐ観点から、斜板3はシュー5とは異なる材料で形成されることが好ましい。
コーティング層32は、斜板3の摺動面の特性を改善するために設けられている。コーティング層32は、少なくともバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂は、例えば熱硬化性樹脂により形成される。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、およびポリイミド(PI)、エポキシ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびフェノールの少なくとも1種が用いられる。コーティング層32は、添加剤として個体潤滑剤を含んでもよい。個体潤滑剤は、潤滑特性を改善するため、すなわち摩擦係数を低減するために添加される。コーティング層32は、例えば、20〜70vol%の固体潤滑材を含む。固体潤滑剤としては、例えば、MoS2、グラファイト(Gr)、カーボン、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)、軟質金属(Sn,Bi等)、WS2、およびh−BNの少なくとも1種が用いられる。コーティング層32は、添加剤として硬質粒子を含んでもよい。硬質粒子としては、例えば、酸化物、窒化物、炭化物、および硫化物の少なくとも1種が用いられる。
コーティング層32の摩滅を防止する観点から、コーティング層32の厚さは10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。例えば、コーティング層32の厚さが5μm未満であると、コーティング層32が摩耗して基材31が露出してしまう場合がある。基材31が露出すると、摩擦係数が増大したり、シュー5と凝着したりする問題が発生する。また、コーティング層32の膜厚が厚すぎるとかえって耐焼付き性が低下する場合があることから、50μm以下であることが好ましい。コーティング層33についても同様である。
図4は、コーティング層32の表面構造を例示する模式図である。この図も、図2と同様、摺動面に垂直な方向から見た図である。この例で、コーティング層32の表面には複数の溝Gが形成されている。摺動面に垂直な方向から見て、複数の溝Gは、それぞれ円または円弧の形状を有している。これらの円および円弧は、同心円である。この同心円の中心Ccは、シュー5が描く軌跡の円弧の中心Cs(基材31の外周円の中心)からずれている。中心Ccと中心Csとのずれは、例えば、シュー5の摺動面の直径よりも大きい。中心Ccと中心Csとがずれていることにより、複数の溝Gはシュー5の移動方向(回転方向)に対して非平行になっている。ここで、溝Gがシュー5の移動方向に対して非平行であるとは、シュー5の軌跡の大部分(例えば90%以上または99%以上)において溝Gがシュー5の移動方向と非平行であることをいい、例えばシュー5の軌跡の一部においてシュー5の移動方向と溝Gとが平行である部分が含まれていてもよい。なおコーティング層33にも同様の溝が形成されている。
図5は、溝Gの構造を例示する図である。この図は、溝Gが延びている方向と垂直な断面における溝Gの形状を示している。溝Gは、断面において壁面が描く曲線が円弧または楕円弧となる形状を有している。溝Gの深さd(頂部から底部までの長さ)は、例えば、1μm以上、20μm以下である。効果的な油膜形成の観点からは、深さdは5μm以上であることがより好ましく、10μm以下であることがより好ましい。また、溝Gのピッチp(隣り合う2つの溝Gの底部の中心間の間隔)は、例えば、50μm以上、1mm以下である。効果的な油膜形成の観点からは、ピッチpは、100μm以上であることがより好ましく、500μm以下であることがより好ましい。なお図5では深さ方向のスケールを強調して図示している。
なお、基材31において、摺動面となる面、すなわちコーティング層32が形成される面およびコーティング層33が形成される面はいずれもほぼ平坦である。コーティング層32との接着力を強化するため、基材31の表面は粗面化されていてもよい。また、基材31とコーティング層32との間に中間層が形成されてもよい。溝Gは、例えば、基材31の表面上に均一な厚さのコーティング層を形成した後、コーティング層の表面を円形の刃で切削することにより形成される。
図6は、斜板3における油膜形成を示す模式図である。図6(A)は摺動面に垂直な方向から見た図を、図6(B)は摺動方向に平行な断面を見た図を、それぞれ示している。シュー5の移動に伴う潤滑油の流れは、溝Gと非平行である。したがって、溝Gの頂部に向かう潤滑油の流れによりくさび効果が生じ、効果的に油膜圧力が発生する。特に停止状態からの起動時など、油膜が形成されにくい状況でも、斜板3によれば迅速に油膜が形成される。
図7は、比較例に係る斜板9における油膜形成を示す模式図である。斜板9においても、コーティング層92の表面には同心円となる複数の溝が形成されている。しかし、斜板9においては、同心円の中心とシュー5が描く軌跡の円弧の中心とは同じ位置にある。すなわち、コーティング層92の表面に形成された複数の溝は、シュー5の移動方向と平行である。シュー5の移動に伴う潤滑油の流れは、溝と平行である。したがってくさび効果は生じず、斜板3と比較すると油膜圧力は低い。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
図8は、変形例に係るコーティング層32の表面構造を例示する模式図である。複数の溝Gは、同心円状に形成されたものに限定されない。この例で、複数の溝Gは、渦巻き形状(螺旋を平面に投影した形状)の一部を構成している。図4のような同心円状の溝Gを形成する場合、円形の刃を、描く円の径を変えてコーティング層の表面を切削し、また径を変えてはコーティング層の表面を切削するということが繰り返し行われる。しかし、この例のような渦巻き形状の溝であれば、刃の位置を徐々に変えながら一筆書きのように溝を形成することができる。
図9は、溝Gの断面形状の別の例を示す図である。溝Gの断面形状は、図5で例示した壁面が描く曲線が円弧形状のものに限定されない。溝Gの断面形状は、矩形(図9(A))またはV字型(図9(B))などどのようなものであってもよい。また、溝Gの頂部は、平面となっていてもよい(図9(C))。
コンプレッサー1の具体的構成は図1で例示したものに限定されない。例えば、ピストン4は斜板3の片側(圧縮室側)のみに設けられていてもよい。この場合、シュー5は斜板3の片面のみと摺動するので、基材31の片面のみにコーティング層が形成されていればよい。
斜板3を構成する材料および各構成要素のサイズはあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
1…コンプレッサー
2…シャフト
3…斜板
31…基材
32…コーティング層
33…コーティング層
4…ピストン
5…シュー

Claims (4)

  1. 円状または円弧状に回転移動するシューと摺動する摺動面を有する基材と、
    前記摺動面上に形成された樹脂コーティング層と、
    前記樹脂コーティング層の表面において同心円状または渦巻き状に形成され、当該同心円または渦巻きの中心が前記円または円弧の中心からずれた溝と
    を有するコンプレッサー用斜板。
  2. 前記溝の深さが、1μm以上、20μm以下である
    ことを特徴とする請求項に記載のコンプレッサー用斜板。
  3. 前記溝のピッチが、50μm以上、1mm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のコンプレッサー用斜板。
  4. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の斜板を有する斜板式コンプレッサー。
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