JP2018091142A - コンプレッサ用斜板 - Google Patents

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直樹 堀部
Naoki Horibe
直樹 堀部
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Abstract

【課題】摩擦を低減することが可能なコンプレッサ用斜板を提供する。
【解決手段】平板状の基材31と、前記基材31の表面を被覆するコーティング層と、を具備する斜板3であって、前記コーティング層は、シュー5との摺動範囲Sのうち、前記基材31の径方向における外側に設定された第一の範囲T1に形成された第一コーティング層32aと、前記摺動範囲Sのうち、前記径方向における前記第一の範囲T1の内側に設定された第二の範囲T2に形成された第二コーティング層32bと、を含み、前記第二コーティング層32bは、固体潤滑剤として有機高分子化合物を含有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、平板状の基材の表面にコーティング層が形成されたコンプレッサ用斜板の技術に関する。
従来、平板状の基材の表面にコーティング層が形成されたコンプレッサ用斜板の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、平板状基材上に固体潤滑樹脂コーティング膜を有するコンプレッサ用斜板が記載されている。当該固体潤滑樹脂コーティング膜には、複数の同心円状の溝が形成されている。このような溝を形成することで、当該溝に潤滑油を確保することができる。これによって、コンプレッサ用斜板がシューと摺動する際の油膜の形成を促すことができ、ひいては耐焼付性を向上させることができる。
しかしながら、コンプレッサ用斜板が比較的低速で回転する場合には、固体潤滑樹脂コーティング膜に溝が形成されていると、かえって油膜圧力の発生を阻害する場合がある。この場合、コンプレッサ用斜板とシューとが直接接触し易くなり、摩擦が高くなるおそれがある。
特許第4376519号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、摩擦を低減することが可能なコンプレッサ用斜板を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、平板状の基材と、前記基材の表面を被覆するコーティング層と、を具備するコンプレッサ用斜板であって、前記コーティング層は、シューとの摺動範囲のうち、前記基材の径方向における外側に設定された第一の範囲に形成された第一コーティング層と、前記摺動範囲のうち、前記径方向における前記第一の範囲の内側に設定された第二の範囲に形成された第二コーティング層と、を含み、前記第二コーティング層は、固体潤滑剤として有機高分子化合物を含有しているものである。
請求項2においては、前記第二コーティング層は、前記有機高分子化合物として、少なくともポリテトラフルオロエチレンを含んでいるものである。
請求項3においては、前記第一コーティング層は、固体潤滑剤として、少なくとも二硫化モリブデン又はグラファイトを含んでいるものである。
請求項4においては、前記コーティング層は、前記摺動範囲のうち、少なくとも前記第一の範囲の一部に形成された複数の溝部を具備するものである。
本発明、摩擦を低減することができる、という効果を奏する。
第一実施形態に係るコンプレッサの概略構成を示す側面一部断面図。 (a)シューの側面図。(b)シューの底面図。 (a)低速時における斜板の傾斜角度を示した側面図。(b)高速時における斜板の傾斜角度を示した側面図。 斜板とシューとの接触部分を示す側面一部断面図。 (a)斜板の正面図。(b)斜板の側面断面図。 第二実施形態に係る斜板を示す側面一部断面図。 第三実施形態に係る斜板を示す側面一部断面図。
以下の説明で用いる図は模式図であり、説明の便宜上、各部の寸法等を適宜誇張して示している。
以下では、図1及び図2を用いて、本発明の第一実施形態に係るコンプレッサ1の構成の概略について説明する。コンプレッサ1は、主として回転軸2、斜板3、ピストン4及びシュー5を具備する。
図1に示す回転軸2は、図示せぬハウジングに回転可能に支持される。回転軸2は、図示せぬ駆動源からの動力によって回転することができる。
斜板3は、円形平板状に形成される。斜板3の中央部分には、回転軸2が挿通される。斜板3は、回転軸2の軸線方向に対して傾斜した状態で、当該回転軸2の中途部に設けられる。
なお、斜板3の詳細な構成については後述する。
ピストン4は、前記ハウジングに形成された図示せぬ複数のシリンダボア内にそれぞれ配置される。ピストン4は、回転軸2の軸線方向に沿って摺動(往復動)可能に設けられる。ピストン4には凹部41が形成される。
凹部41は、ピストン4の内部に形成される。凹部41は略半球状に形成される。凹部41は、回転軸2の軸線方向に沿って対向するように、各ピストン4に一対ずつ形成される。
図1及び図2に示すシュー5は、略半球状に形成される。具体的には、シュー5は、主として第一摺動面51及び第二摺動面52を具備する。
第一摺動面51は、シュー5の一側の面であって、ピストン4の凹部41と摺動する面(図1参照)である。第一摺動面51は、一側へ膨出するように形成される。第一摺動面51は、ピストン4の凹部41に沿う半球面状に形成される。
第二摺動面52は、シュー5の他側の面であって、斜板3(より詳細には、後述するコーティング層32)と摺動する面(図1参照)である。第二摺動面52は他側へ、つまり第一摺動面51と反対側へ若干膨出するように形成される。第二摺動面52は、第一摺動面51と比べて膨出幅が小さい形状(平坦に近い形状)に形成される。第二摺動面52は、外周部52a及び中央部52bを具備する。
外周部52aは、第二摺動面52の外側部分を構成するものである。外周部52aは、第二摺動面52の外周に沿って設けられる。外周部52aは、第一摺動面51と比べて極めて大きな曲率半径を有する曲面状に形成される。
中央部52bは、第二摺動面52の内側部分を構成するものである。中央部52bは、円状に形成される。中央部52bは、外周部52aの内側に(第二摺動面52の中央に)当該外周部52aと連続して設けられる。中央部52bは、略平坦状に形成される。より詳細には、中央部52bは、平坦状、或いは外周部52aよりもさらに大きな曲率半径を有する曲面状に形成される。
シュー5は、鉄系、銅系、アルミニウム系材料のほか、焼結材料や樹脂材料等によって製造される。特に、シュー5はSUJ2に鍛造や転造を施して製造することが好ましい。
このように形成されたシュー5は、ピストン4の凹部41内にそれぞれ配置される。この際、シュー5の第一摺動面51と凹部41とが摺動(揺動)可能に接するように配置される。これによって、1つのピストン4に配置された2つのシュー5は、互いに第二摺動面52を対向させた状態で配置される。当該2つのシュー5の第二摺動面52の間に斜板3の外周部近傍が挟持される。
このように構成されたコンプレッサ1において回転軸2が回転すると、当該回転軸2と共に斜板3も回転する。斜板3は回転軸2の軸線方向に対して傾いているため、当該斜板3はシュー5を介してピストン4を軸線方向に往復移動(摺動)させることになる。この際、シュー5の第二摺動面52は斜板3の表面を摺動する。
本実施形態に係るコンプレッサ1は、回転軸2(斜板3)の回転数に応じて斜板3の傾斜角度が変化するように構成されている。なお、本実施形態において斜板3の傾斜角度とは、回転軸2の軸線Xに垂直な面に対する傾斜角度を意味している。
具体的には、斜板3の回転数が低い(低速で回転している)場合、図3(a)に示すように、当該斜板3の傾斜角度は小さくなる。また、斜板3の回転数が高い(高速で回転している)場合、図3(b)に示すように、当該斜板3の傾斜角度は大きくなる。
ここで、図3に示すように、斜板3上におけるシュー5の位置は、斜板3の傾斜角度に応じて変化する。具体的には、斜板3の傾斜角度が小さい場合に比べて、斜板3の傾斜角度が大きい場合のほうが、シュー5は相対的に斜板3の外周側へと移動することになる。
このように、斜板3の傾斜角度に応じて、当該斜板3とシュー5との摺動位置は変化する。このため、本実施形態においては、シュー5の斜板3に対する相対的な位置の変化に応じて適切な摺動特性が得られるように、当該斜板3を形成している。
以下では、図4及び図5を用いて、斜板3の詳細な構成について説明する。
斜板3は、主として基材31及びコーティング層32を具備する。
基材31は、円形平板状に形成される部材である。基材31は、公知の種々の材料を用いて製造することができる。具体的には、鉄系やアルミニウム系材料、アルミニウムを固着・接合した複合材料、鋼、ステンレス等の鉄系、銅合金等の銅系、アルミニウム合金等のアルミニウム系などの金属、あるいは樹脂等を挙げることができる。
コーティング層32は、基材31の表面(シュー5と対向する面)を被覆するように形成される。コーティング層32は、基材31の両側面に形成される。コーティング層32は、第一コーティング層32a及び第二コーティング層32bを有する。
第一コーティング層32aは、コーティング層32のうち、径方向(なお、本実施形態において径方向とは、斜板3の径方向(図4における紙面左右方向)を意味する)外側の所定の範囲に形成される。第一コーティング層32aは、固体潤滑剤を含有する皮膜であり、通常バインダーとして熱硬化性樹脂を含有する。第一コーティング層32aに用いることのできる固体潤滑剤としては、特に限定されないが、二硫化モリブデン(MoS)、グラファイト(Gr)、h−BN、二硫化タングステン(WS)等を挙げることができる。このような固体潤滑剤は、第一コーティング層32a上において潤滑油を保持し易くする作用を有する。これらの作用を十分に発揮させるために、固体潤滑剤の平均粒径は15μm以下であることが好ましく、特に0.2〜10μmであることが好ましい。
第一コーティング層32aに用いることのできる樹脂バインダーとしては、例えば、ポリイミド系樹脂(PI)、ポリアミドイミド系樹脂(PAI)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等、ポリアミド(ナイロン)、フッ素樹脂(PTFE,FEP等)、エラストマー等が挙げられる。具体的には、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド又は芳香族ポリアミドイミド、あるいはこれらのジイソシアネート変性、BPDA変性、スルホン変性樹脂のワニスなどの熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
さらに具体的には、上記樹脂バインダーは、使用条件により適宜使い分けることができ、例えば耐熱性が要求される場合にはPAIやPIが好ましく、低温焼成や低コストが要求される場合にはエポキシ樹脂やフェノール樹脂が好ましく、微小な動きが要求される場合にはエラストマーが好ましく、低摩擦が要求される場合にはフッ素樹脂が好ましく用いられる。
上記皮膜は、樹脂バインダーを30〜80質量%含有することが好ましい。この配合量において、熱硬化性樹脂を含むコーティング皮膜中における固体潤滑剤や研磨剤の保持性が維持され、充分な耐焼付性となじみ性が得られるとともに、鋭角形状硬質粉末の研磨作用が有効に発揮される。
第一コーティング層32aの皮膜材料は、上記に加えて更に極圧添加剤を含有することができる。本発明に用いることのできる極圧添加剤としては、ZnS、AgS、CuS、FeS、FeS、Sb、PbS、Bi、CdS等の如き硫黄含有金属化合物、チラウム類、モルフォリン・ジサルファイド、ジチオ酸塩、スルフィド類、スルフォキサイド類、スルフォン酸類、チオホスフィネート類、チオカーボネート類、ジチオカーボメート類、アルキルチオカルバモイル類、硫化オレフィン等の硫黄含有化合物、塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物、ジチオリン酸亜鉛などのチオリン酸塩やチオカルバミン酸塩等の有機金属系化合物、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルビミン酸モリブデン等の有機モリブデン化合物などを挙げることができる。これらの極圧添加剤を加えることにより、油中又は混合潤滑、境界潤滑条件においても、優れた摺動性能が得られる。
第二コーティング層32bは、コーティング層32のうち、径方向内側の所定の範囲に形成される。第二コーティング層32bは、固体潤滑剤を含有する皮膜であり、通常バインダーとして熱硬化性樹脂を含有する。第二コーティング層32bに用いることのできる固体潤滑剤としては、特に限定されないが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の、有機高分子化合物を挙げることができる。このような固体潤滑剤は、第二コーティング層32bの摩擦係数を低減することができ、高いドライ潤滑性能(ドライ潤滑条件における低せん断抵抗等)を有する。これらの作用を十分に発揮させるために、固体潤滑剤の平均粒径は10μm未満であることが好ましい。
さらに、第二コーティング層32bの固体潤滑剤として、PTFEに加え、グラファイト(Gr)又は二硫化モリブデン(MoS)の少なくとも一方を含むことも可能である。グラファイト又は二硫化モリブデンの含有量は、PTFEの含有量よりも少ないことが好ましい。またこの場合、PTFEの平均粒径は、グラファイトの平均粒径および二硫化モリブデンの平均粒径のいずれよりも大きいことが好ましい。平均粒径がグラファイトおよび二硫化モリブデンよりも大きいPTFEを用いることで、摺動面においてPTFEが引き延ばされてグラファイトまたは二硫化モリブデンを覆い、摺動面の平滑性が保たれやすくなると考えられる。
第二コーティング層32bに用いることのできる樹脂バインダーとしては、例えば、第一コーティング層32aの樹脂バインダーと同様に、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
ここで、前述の如く、第一コーティング層32a及び第二コーティング層32bは、それぞれコーティング層32の所定の範囲に形成される。以下、当該第一コーティング層32a及び第二コーティング層32bが形成される範囲について説明する。なお、第一コーティング層32a及び第二コーティング層32bが形成される範囲を説明するために、まず斜板3とシュー5とが摺動する範囲(摺動範囲S)について説明し、その後、第一コーティング層32a及び第二コーティング層32bが形成される範囲について説明する。
前述の如く、シュー5が斜板3に対して摺動する位置は、当該斜板3の傾斜角度に応じて変化する。図4には、斜板3が最も高速で回転した場合、すなわち、斜板3の傾斜角度が最も大きい場合におけるシュー5の位置(斜板3に対する相対的な位置)P1、及び、斜板3が最も低速で回転した場合、すなわち、斜板3の傾斜角度が最も小さい場合におけるシュー5の位置P2を、それぞれ示している。
シュー5が位置P1にある場合、斜板3は、径方向における範囲S1(第二摺動面52が占める範囲)で当該シュー5と摺動する。また、シュー5が位置P2にある場合、斜板3は、径方向における範囲S2で当該シュー5と摺動する。斜板3は、傾斜角度に応じて、範囲S1の径方向外側から範囲S2の径方向内側までの範囲(摺動範囲S)において、シュー5と摺動することになる。
本実施形態における第一コーティング層32aは、第一の範囲T1に亘って形成されている。第一の範囲T1は、斜板3の外周端部から、径方向内側に向かって所定の幅となるように設定される。より具体的には、第一の範囲T1は、斜板3(コーティング層32)上において、範囲S1を全て含むように設定される。このような第一の範囲T1に第一コーティング層32aが形成されることで、斜板3が最も高速で回転した場合には、シュー5の第二摺動面52は、第一コーティング層32aのみと対向するようになる。
このように形成された第一コーティング層32aにおいては、潤滑油が保持され易いため、斜板3が高速で回転した場合であっても、潤滑油が遠心力によって飛散し難くなる。また斜板3が高速で回転した場合には、斜板3の第一コーティング層32aに保持された潤滑油によって、シュー5と斜板3との間における油膜の形成が促される。これによって耐焼付性を向上させることができる。
また、本実施形態における第二コーティング層32bは、第二の範囲T2に亘って形成されている。第二の範囲T2は、第一の範囲T1の径方向内側に設定される。第二の範囲T2は、範囲S2と少なくとも一部が重複するように設定される。このような第二の範囲T2に第二コーティング層32bが形成されることで、斜板3が最も低速で回転した場合には、シュー5の第二摺動面52は、斜板3の第二コーティング層32bと少なくとも一部が対向するようになる。
斜板3が低速で回転した場合には、油膜圧力が発生し難い。このため、シュー5と斜板3とが油膜を介することなく直接接触(固体接触)し易くなり、摩擦が高くなるおそれがある。しかしながら、本実施形態においては、斜板3が低速で回転した場合には、シュー5の第二摺動面52の少なくとも一部が斜板3の第二コーティング層32bと対向する。当該第二コーティング層32bは高いドライ潤滑性能を有するため、耐焼付性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、斜板3が高速で回転した場合に、シュー5の第二摺動面52全体が斜板3の第二コーティング層32bと対向することがないように構成した。しかし、シュー5の第二摺動面52のうち、少なくとも中央部52bが第二コーティング層32bと対向することがないように構成しても、耐焼付性の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、斜板3が低速で回転した場合に、シュー5の第二摺動面52の少なくとも一部が斜板3の第二コーティング層32bと対向するように構成したが、特に第二摺動面52の中央部52bの少なくとも一部が第二コーティング層32bと対向するように構成することが望ましい。
以上の如く、本実施形態に係る斜板3(コンプレッサ用斜板)は、
平板状の基材31と、
前記基材31の表面を被覆するコーティング層と、
を具備する斜板3であって、
前記コーティング層は、
シュー5との摺動範囲Sのうち、前記基材31の径方向における外側に設定された第一の範囲T1に形成された第一コーティング層32aと、
前記摺動範囲Sのうち、前記径方向における前記第一の範囲T1の内側に設定された第二の範囲T2に形成された第二コーティング層32bと、
を含み、
前記第二コーティング層32bは、
固体潤滑剤として有機高分子化合物を含有しているものである。
また、前記第二コーティング層32bは、
前記有機高分子化合物として、少なくともPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含んでいるものである。
このように構成することにより、摩擦を低減することができる。すなわち、斜板3が低速で回転している場合には、高いドライ潤滑性能を有する第二コーティング層32bにおいて当該斜板3をシュー5と摺動させ易くなるため、摩擦を低減することができる。
また、前記第一コーティング層32aは、
固体潤滑剤として、少なくとも二硫化モリブデン又はグラファイトを含んでいるものである。
このように構成することにより、摩擦を低減することができる。すなわち、斜板3が高速で回転している場合には、潤滑油の保持力が高い第一コーティング層32aにおいて当該斜板3をシュー5と摺動させ易くなるため、摩擦を低減することができる。
なお、本実施形態に係る斜板3は、本発明に係るコンプレッサ用斜板の実施の一形態である。
以下では、斜板3の他の実施形態(第二実施形態及び第三実施形態)について説明する。まず、第二実施形態に係る斜板3について説明する。
図6には、第二実施形態に係る斜板3を示している。第二実施形態に係る斜板3は、第一実施形態に係る斜板3とは、第一の範囲T1及び第二の範囲T2の設定(すなわち、第一コーティング層32a及び第二コーティング層32bが形成される範囲)が異なっている。以下、具体的に説明する。
第二実施形態において、第二の範囲T2は、斜板3(コーティング層32)上において、範囲S2を全て含むように設定される。このような第二の範囲T2に第二コーティング層32bが形成されることで、斜板3が最も低速で回転した場合には、シュー5の第二摺動面52は、斜板3の第一コーティング層32aと対向することがないように(第二コーティング層32bのみと対向するように)なる。
本実施形態においては、斜板3が低速で回転した場合には、シュー5の第二摺動面52全体が斜板3の第二コーティング層32bと対向するため、耐焼付性を向上させることができる。
また、本実施形態において、第一の範囲T1は、第二の範囲T2の径方向外側に設定される。このような第一の範囲T1に第一コーティング層32aが形成されることで、斜板3が最も高速で回転した場合には、シュー5の第二摺動面52は、斜板3の第一コーティング層32aと少なくとも一部が対向するようになる。
斜板3が高速で回転した場合には、斜板3の第一コーティング層32aに保持された潤滑油によって、シュー5と斜板3との間における油膜の形成が促される。これによって耐焼付性を向上させることができる。
次に、第三実施形態に係る斜板3について説明する。
図7には、第三実施形態に係る斜板3を示している。第三実施形態に係る斜板3が第一実施形態に係る斜板3と異なる点は、第一コーティング層32aに溝部32c及び凸部32dを形成している点である。
溝部32cは、第一コーティング層32aの表面に形成される。溝部32cは、斜板3と同心円状に複数形成される。溝部32cは、基材31の表面に第一コーティング層32aを形成した後で、当該第一コーティング層32aに機械加工(切削加工等)を施すことで形成される。切削加工によって溝部32cを形成する場合、切削工具を用いて第一コーティング層32aの表面が円環状に切削される。この際、隣接する溝部32c間の距離(ピッチ)は適宜設定することができる。また溝部32cの断面形状(図4参照)は、切削工具の刃先の形状と略同一となる。溝部32cは、実際には非常に微小に形成されるものであるが、説明の便宜上、図面には実際よりも大きく示している。
凸部32dは、第一コーティング層32aの表面に形成される。凸部32dは、第一コーティング層32aに同心円状の溝部32cを複数形成することで、隣接する溝部32cの間に形成される。これによって凸部32dは、第一コーティング層32aの表面に、同心円状に複数形成されることになる。
このように、第一コーティング層32aに形成された溝部32c内に潤滑油が保持されるため、斜板3が高速で回転した場合であっても、潤滑油が遠心力によって飛散し難くなる。また斜板3が高速で回転した場合には、溝部32cに保持された潤滑油によって、シュー5と斜板3との間における油膜の形成がより一層促される。これによって耐焼付性を効果的に向上させることができる。
以上の如く、本実施形態に係る前記コーティング層は、
前記摺動範囲Sのうち、少なくとも前記第一の範囲T1の一部に形成された複数の溝部32cを具備するものである。
このように構成することにより、より効果的に摩擦を低減することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第三実施形態においては、第一の範囲T1(すなわち、第一コーティング層32a)に溝部32c及び凸部32dを形成するものとしたが、当該溝部32cは少なくとも第一の範囲T1に形成されていればよく、例えば第二の範囲T2の一部(外周部)にも形成されていてもよい。また、第一の範囲T1のうち、一部にのみ形成することも可能である。
また、第三実施形態においては、一定の深さに形成された溝部32c(図7参照)を例示したが、例えば斜板3の外側から内側に向かって徐々に深さが浅くなるように形成してもよい。このように構成することで、シュー5が斜板3に対して径方向に移動する際に、当該斜板3(コーティング層32)の表面形状が急激に変化し、摩擦特性に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
また、上記実施形態においては、コンプレッサ1は、回転軸2の回転数に応じて斜板3の傾斜角度が変化するものとしたが、当該斜板3の傾斜角度は、その他任意の方法で変化させるように構成することも可能である。
また、上記実施形態においては、コンプレッサ1は斜板3の傾斜角度を変更可能なもの(いわゆる、可変容量型)として説明したが、斜板3の傾斜角度を変更不能なもの(いわゆる、固定容量型)であってもよい。
1 コンプレッサ
2 回転軸
3 斜板
4 ピストン
5 シュー
31 基材
32 コーティング層
32a 第一コーティング層
32b 第二コーティング層

Claims (4)

  1. 平板状の基材と、
    前記基材の表面を被覆するコーティング層と、
    を具備するコンプレッサ用斜板であって、
    前記コーティング層は、
    シューとの摺動範囲のうち、前記基材の径方向における外側に設定された第一の範囲に形成された第一コーティング層と、
    前記摺動範囲のうち、前記径方向における前記第一の範囲の内側に設定された第二の範囲に形成された第二コーティング層と、
    を含み、
    前記第二コーティング層は、
    固体潤滑剤として有機高分子化合物を含有している、
    コンプレッサ用斜板。
  2. 前記第二コーティング層は、
    前記有機高分子化合物として、少なくともポリテトラフルオロエチレンを含んでいる、
    請求項1に記載のコンプレッサ用斜板。
  3. 前記第一コーティング層は、
    固体潤滑剤として、少なくとも二硫化モリブデン又はグラファイトを含んでいる、
    請求項1又は請求項2に記載のコンプレッサ用斜板。
  4. 前記コーティング層は、
    前記摺動範囲のうち、少なくとも前記第一の範囲の一部に形成された複数の溝部を具備する、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のコンプレッサ用斜板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020202687A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 大豊工業株式会社 コンプレッサ用斜板

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