JP2018059095A - フェノール樹脂組成物、硬化剤、エポキシ樹脂組成物、硬化物、及び半導体装置 - Google Patents

フェノール樹脂組成物、硬化剤、エポキシ樹脂組成物、硬化物、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高熱収縮性を有し薄型片面封止パッケージの反りを低減可能であって且つ熱時の弾性率が高いエポキシ樹脂組成物を与え得る、フェノール樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明のフェノール樹脂組成物は、下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂とを前者:後者の質量比が50:50〜98:2となる量で含む。(式中、Rは、水素、炭素数1以上15以下の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。qは、1以上3以下の整数を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。pは1又は2を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。ただし、p+q≦4である。nは0以上の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明はフェノール樹脂組成物及びそれを含む硬化剤に関する。また本発明は、該フェノール樹脂組成物を含むエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物の硬化物に関する。更に本発明は、該硬化物を有する半導体装置に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
近年、スマートフォンやタブレット端末などに代表される電子機器の高性能化、小型化、薄型化に伴い、半導体装置の多ピン化、高集積化、小型化、薄型化が加速している。このため、従来のBGA(Ball Grid Array)パッケージ等の片面封止パッケージにおいては薄型化に伴う反り低減による信頼性の向上が求められている。
片面封止パッケージでは、基板材料と封止樹脂をはじめとする半導体装置に使用される部材との熱膨張率差により内部応力が残存し、そのことに起因して反りが発生し実装信頼性が低下するという問題点がある。従来の片面封止パッケージにおいては、ガラスクロス等の基材を含む基板材料よりも封止樹脂の熱膨張率が大きく、封止樹脂側に反りを発生することから封止樹脂の低熱膨張率化の検討が進められてきた。
しかし、近年の片面封止パッケージにおいては薄型化が進行し、封止樹脂層の厚みが薄いパッケージが増えている。そのことに起因して、従来の片面封止パッケージと異なり、基板材料の収縮の影響を受け、基板材料側に反りを発生するという問題がある。そのため、成形後の封止樹脂の熱収縮を大きくすることで常温での基板材料側への反りを低減させる要望がある。
このような封止樹脂の熱収縮を大きくすることによる反り低減の手法として、封止樹脂における無機充填材量の低減による熱収縮率の向上(特許文献1)や、シリコーン化合物のケイ素に直接結合するアルコキシ基を含有せず、シラノール基を含有するシリコーン化合物を用いることによる封止樹脂の熱収縮率の向上(特許文献2)を図る方法が提案されている。
また、封止樹脂の厚みが薄くなるに従い、封止樹脂に対する熱時の剛性付与による信頼性向上の要望もある。そのため、熱時剛性の高い、すなわち熱時弾性率の高い材料の要望もある。
特開平8−153831号公報 特開2013−224400号公報
しかしながら特許文献1に記載の技術のように、無機充填材の量を低減したのでは、硬化物の吸水率悪化に起因する耐湿信頼性の悪化が懸念される。また、特許文献2に記載のシラノール基を含有するシリコーン化合物を用いても、硬化物の弾性率の改良にはつながらない。このように、これまで提案されてきた技術はエポキシ樹脂組成物における添加剤に着目したものであり、樹脂そのものの改良についての提案は未だされていない。したがって、エポキシ樹脂組成物の硬化物の冷却時の熱収縮が大きく、また熱時の弾性率が高いフェノール樹脂の開発が望まれている。
したがって本発明の課題は、高熱収縮性を有し薄型片面封止パッケージの反りを低減可能であって且つ熱時の弾性率が高いエポキシ樹脂組成物を与え得る、フェノール樹脂組成物を提供することにある。
前記の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した結果、高い架橋密度を与える高分子量フェノール樹脂又はレゾルシンノボラック等の多価フェノールノボラック樹脂と、フェノール変性キシレン樹脂とよりなるフェノール樹脂組成物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いることにより、高い熱時弾性率と175℃における高成型収縮率を与えるエポキシ樹脂組成物及び硬化物が得られることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂とを前者:後者の質量比が50:50〜98:2となる量で含むフェノール樹脂組成物を提供することにより、前記の課題を解決するものである。
(式中、Rは、水素、炭素数1以上15以下の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。qは、1以上3以下の整数を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。pは1又は2を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。ただし、p+q≦4である。nは0以上の整数を表す。)
また本発明は、前記のフェノール樹脂組成物を含む片面封止パッケージ用エポキシ樹脂用硬化剤、前記のフェノール樹脂組成物とエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物並びに該硬化物を有する半導体装置を提供するものである。
本発明のフェノール樹脂組成物は、これを含むエポキシ樹脂組成物から高成型収縮性及び高熱時弾性率を有する硬化物を得ることができる。したがってこのエポキシ樹脂組成物から形成された封止材料を有する薄型片面封止パッケージの半導体材料は、半導体装置が実装された基板材料に発生した反りを低減させることができ、また熱時剛性に優れている。
本発明のフェノール樹脂組成物は前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂との混合により得られるものである。
本発明のフェノール樹脂組成物は、一般式(1)で表されるフェノール樹脂により、エポキシ樹脂組成物の硬化物としたときに高い架橋密度を与えることができ、熱時弾性率の高い硬化物を得ることができる。また、柔軟なキシレンユニットを有するフェノール変性キシレン樹脂を混合することでエポキシ樹脂組成物としたときに高い成型収縮率を得ることができるので、高熱収縮性エポキシ樹脂組成物の硬化剤として、薄型片面封止パッケージにおいて好適に使用できる。
〔フェノール樹脂〕
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂において、Rは、フェノール性水酸基を有するベンゼン環に結合する置換基を表す。Rは、水素、炭素数1以上15以下の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表し、それぞれ同一でもよく又は異なっていてもよい。Rは、好ましくは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、プロピル基、ビニル基、又はアリル基である。エポキシ樹脂との反応性の観点からは、Rは水素又はメチル基であることがより好ましく、水素であることが更に好ましい。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂において、qは、前記置換基Rの数を表す。qは、それぞれ同一でもよく又は異なっていてもよく、1以上3以下の整数を表す。エポキシ樹脂との反応性の観点からは、qは1であることが好ましい。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂において、pは、フェノール性水酸基の数を示す。pは、それぞれ同一でもよく又は異なっていてもよく、1又は2を表す。
ただし各ベンゼン環において、前述の置換基Rの数qとの和p+qが4以下である。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂において、nは、繰り返し数を表し、0以上の整数である。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、様々な分子量を有する高分子の集合体なので、nの値は、該集合体における平均値n’として表すことができる。
前記平均値n’は、フェノール樹脂の150℃における溶融粘度が10.0Pa・s以下となるような値であることが好ましく、より好ましくは0.1Pa・s以上6.0Pa・s以下、より好ましくは0.15Pa・s以上5.5Pa・s以下となるような値であることが好ましい。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、その150℃における溶融粘度が上述の範囲であることが、フェノール変性キシレン樹脂との混合によって得られる本発明のフェノール樹脂組成物を首尾よく製造し得る点から好ましい。また、その軟化点が、25℃を下回る温度(すなわち25℃で液体状態)から150℃以下、特に80℃以上130℃以下、とりわけ85℃以上120℃以下であることが、フェノール樹脂組成物やエポキシ樹脂組成物としたときのブロッキング等による取扱い上のハンドリング性や、エポキシ樹脂組成物としたときの無機充填材等との混練作業のハンドリング性の点から好ましい。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂において、好ましい態様の一つは、一般式(1)の全てのpが1(p=1)であるフェノール樹脂を用いる場合である。
式(1)中、p=1で表されるフェノール樹脂を用いる場合、繰り返し数nを大きくし、分子量を大きくすることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物としたときに高い架橋密度を与えることができ、熱時弾性率の高い硬化物を得ることができる。この場合、nの平均値n’は好ましくは3.0以上10.0以下であり、更に好ましくは3.5以上8.0以下である。n’の値が上記範囲を下回る場合、エポキシ樹脂との硬化物作成において架橋密度が低くなるため本発明の目的である熱時弾性率が十分得られない。また、n’の値が上記範囲を上回る場合、樹脂の溶融粘度が高くなりエポキシ硬化物作成において不利である。n’は下記の実施例に記載の方法で求めることができる。
また、前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂において、より好ましい態様の一つは、一般式(1)の全てのpが2(p=2)である多価フェノール樹脂を用いる場合である。式(1)中、p=2で表される多価フェノール樹脂を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物としたときに更に高い架橋密度を与えることができ、より熱時弾性率の高い硬化物を得ることができる。pが2であるとき、(1)の各フェノールモノマー部(原料フェノール類に由来する部分)において、2つのフェノール性水酸基はオルト、メタ、又はパラ位の何れの関係であってもよいが好ましくは、式(1)中少なくとも一のベンゼン環において2つのフェノール性水酸基は互いにメタ位にあることが、熱時弾性率の高いエポキシ樹脂組成物が得られる点から好ましく、とりわけ、式(1)中の各ベンゼン環において2つのフェノール性水酸基は互いにメタ位にあることが好ましい。この場合、nの平均値n’は好ましくは1.5以上5.0以下であり、更に好ましくは2.0以上4.0以下である。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂の好ましい水酸基当量は50g/eq以上200g/eq以下であり、特に好ましくは50g/eq以上150g/eq以下である。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、下記一般式(3)で表されるフェノール化合物とホルムアルデヒドとを、酸性触媒下又は塩基性触媒下で反応させることで得ることができる。
(式中R、q及びpは前記式(1)における定義と同じである。)
式(3)で表されるフェノール化合物の例として特に限定はないがp=1の化合物としてはフェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、アリルフェノール、ジプロピルフェノール、ジブチルフェノール等が挙げられる。また、p=2の化合物としてはカテコール、ハイドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。これらのフェノール化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、本発明のフェノール樹脂組成物から得られる硬化物の加熱時における弾性率を高める点から、フェノール又はレゾルシンを用いることが好ましく、レゾルシンが特に好ましい。
式(3)で表される化合物間にメチレン架橋基を形成する化合物であるホルムアルデヒドは、その形態に特に制限はない。例えばホルムアルデヒドは、その水溶液の形態で用いることができる。或いは、パラホルムアルデヒドやトリオキサンなど、酸存在下で分解してホルムアルデヒドを生成する重合物の形態で用いることもできる。
本発明のフェノール樹脂組成物に用いられるフェノール樹脂は、上述したフェノール化合物及びホルムアルデヒドを原料として、酸性触媒存在下又は塩基性触媒存在下、或いは無触媒下に得ることができる。使用できる触媒は、それが酸性触媒である場合には、例えばシュウ酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。塩基性触媒である場合には、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属触媒類、アンモニア、並びにトリエチルアミン等のアミン系触媒等が挙げられる。特に、シュウ酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いることが好ましく、とりわけ触媒除去効率の観点からシュウ酸を用いることが好ましい。
〔フェノール変性キシレン樹脂〕
本発明においてフェノール変性キシレン樹脂は、(メタ)キシレンとフェノール化合物とがメチレン基(−CH−)やエーテル結合(−CHOCH−、−CHOCHOCH−、−CH(CHO)CH−)等で架橋し、分子末端にメチロール基等(−CHOH、−CHOCH、−CHOCHOCH、−CH(CHO)CH、−CHOOCH)の官能基を有するか又はそれら官能基が(メタ)キシレン若しくはフェノール化合物でキャップされた基本構造のポリマーであり、複数種の分子からなる多量体組成物であってもよい。フェノール変性キシレン樹脂としては、下記式(A)で表される構造単位(以下「単位(A)」ともいう)及び下記式(B)で表される構造単位(以下「単位(B)」ともいう)を有するものが好ましく挙げられる。
(式中、L1は−CH−、−CHOCH−、−CHOCHOCH−又は−CH(CHO)CH−である。)
(式中、環Aはベンゼン環又はナフタレン環であり、Rsは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、Rsは同一でも異なっていてもよく、mは0以上2以下の数であり、L2は−CH−、−CHOCH−、−CHOCHOCH−又は−CH(CHO)CH−である。)
好ましくは、単位(B)として、環Aがベンゼン環であり、Rsが水素原子又はメチル基であり、mが1又は2であるものを用いることが好ましく、とりわけ、環Aがベンゼン環であり、Rsが水素原子であり、mが1であるものを用いることが好ましい。
単位(A)及び単位(B)の結合様式はランダムであってもブロックであっても交互であってもよい。フェノール変性キシレン樹脂は、好ましくは、一方の分子末端が、単位(A)のベンゼン環側の結合手にH又はメチル基等のアルキル基が結合しているか、単位(B)の環A側の結合手にH又はメチル基等のアルキル基が結合した構造を有している。また好ましくは、他方の分子末端が、L1が−CH−である単位(A)又はL2が−CH−である単位(B)における該−CH−にOH、OOCH又は下記式(C)又は下記式(D)の基が結合しているか、或いは、L1が−CHOCH−、−CHOCHOCH−又は−CH(CHO)CH−である単位(A)又はL2が−CHOCH−、−CHOCHOCH−又は−CH(CHO)CH−である単位(B)の該−CHOCH−、−CHOCHOCH−又は−CH(CHO)CH−に、H又は下記式(C)又は下記式(D)の基が結合している構造を有している。
なおフェノール変性キシレン樹脂が単位(A)を2つ以上有する場合は、複数存在するL1は同一であってもよく異なっていてもよい。またフェノール変性キシレン樹脂が単位(B)を2つ以上有する場合、複数存在する環A、m、Rs、L2は同一であってもよく異なっていてもよい。またフェノール変性キシレン樹脂が単位(B)及び(D)を有する場合、複数存在する環A、m、Rsは同一であってもよく異なっていてもよい。
(式中、環A、Rs、mは式(B)における定義と同じである。)
このようなフェノール変性キシレン樹脂は市販のものを使用することができ、ニカノールP−100、GP−200(フドー株式会社製)、あるいはアルキルフェノール変性タイプのHP−70(フドー株式会社製)等を好適に用いることができる。
本発明においてフェノール変性キシレン樹脂は、キシレン樹脂とフェノール化合物とを反応させることによっても得られる。
前記キシレン樹脂は、(メタ)キシレンが、メチレン基(−CH−)やエーテル結合(−CHOCH−、−CHOCHOCH−、−CH(CHO)CH−)等で架橋し、分子末端にメチロール基等(−CHOH、−CHOCH、−CHOCHOCH、−CH(CHO)CH、−CHOOCH)を有する基本構造のポリマーであり、複数種の分子からなる多量体組成物であってもよい。
このようなキシレン樹脂は市販のものを使用することができ、ニカノールL、LL、LLL(フドー株式会社製キシレン樹脂)等を好適に用いることができる。
キシレン樹脂と反応させる前記フェノール化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物であれば特に制限はない。好ましくはフェノール、クレゾール、キシレノール、又はナフトールであり、これらのフェノール化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。キシレン樹脂との反応性の観点からは、フェノールを単独で用いることがより好ましい。
前記キシレン樹脂と前記フェノール化合物との反応は、公知の方法で行うことができる。例えば、キシレン樹脂は構造中にメチロール基等の官能基を有しているため、フェノール化合物を加え、酸性触媒下で集合反応させた後、未反応フェノール化合物を取り除くことでフェノール変性キシレン樹脂を得ることができる。
本発明におけるフェノール変性キシレン樹脂の水酸基当量は、好ましくは100g/eq以上500g/eq以下、特に好ましくは150g/eq以上250g/eq以下であることが、フェノール樹脂組成物としたときのフェノール樹脂との混合性や、エポキシ樹脂組成物としたときに高い成型収縮率を与えるという点から好ましい。また同様の観点から、フェノール変性キシレン樹脂の変性率[〔フェノールの水酸基当量(94g/eq)〕/(フェノール変性キシレン樹脂の水酸基当量)×100]は、20%以上80%以下、特に40%以上60%以下であることが好ましい。
本発明におけるフェノール変性キシレン樹脂の、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定される、ポリスチレン換算による数平均分子量は、200以上1500以下、特に250以上1000以下、とりわけ300以上800以下であることが、フェノール樹脂組成物やエポキシ樹脂組成物としたときのブロッキング等による取扱い上のハンドリング性や、エポキシ樹脂組成物としたときの無機充填材等との混練作業のハンドリング性の点から好ましい。
本発明におけるフェノール変性キシレン樹脂の、150℃での溶融粘度は、併用するフェノール樹脂のn数、粘度に応じて適宜調整されるが、好ましくは2.0Pa・s以下であり、より好ましくは1.8Pa・s以下であり、更に好ましくは1.5Pa・s以下である。フェノール樹脂組成物としたときのフェノール樹脂との混合性等の観点からは、150℃での溶融粘度の下限としては、できるだけ低粘度であるほうが好ましい。また、その軟化点(融点)が、25℃を下回る温度(すなわち25℃で液体状態)から120℃以下、特に30℃以上100℃以下であることが、フェノール樹脂組成物やエポキシ樹脂組成物としたときのブロッキング等による取扱い上のハンドリング性や、エポキシ樹脂組成物としたときの無機充填材等との混練作業のハンドリング性の点から好ましい。
〔フェノール樹脂組成物〕
本発明のフェノール樹脂組成物は前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂の混合により得られる。
本発明のフェノール樹脂組成物において、式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂の比率は、用いるフェノール樹脂やフェノール変性キシレン樹脂の性状により変化し、質量比でフェノール樹脂/フェノール変性キシレン樹脂=98/2〜50/50の範囲で適宜調整することができ、更に好ましくは95/5〜60/40である。
本発明のフェノール樹脂組成物において、式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂以外の他の成分を含んでいても含んでいなくてもよい。他の成分の量は、フェノール樹脂組成物中、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下であることが好ましく、最も好ましくは5質量%以下である。
本発明のフェノール樹脂組成物の150℃における溶融粘度は2.0Pa・s以下、特に1.5Pa・s以下となるような値であることが好ましい。フェノール樹脂組成物の150℃における溶融粘度の下限値は、エポキシ樹脂組成物としたときのエポキシ樹脂との混合性や、の観点からは、溶融時の流動性等の観点からは、できるだけ低粘度であるほうが好ましい。フェノール樹脂組成物の150℃における溶融粘度は式(1)で表されるフェノール樹脂のnの値およびフェノール変性キシレン樹脂の分子量により調整することができる。
本発明のフェノール樹脂組成物は、その150℃における溶融粘度が上述の範囲であることが、無機充填材等との混練によって得られる半導体封止材料を首尾よく製造し得る点から好ましい。また、その軟化点が、50℃以上150℃以下、特に60℃以上120℃以下、とりわけ60℃以上110℃以下であることが、エポキシ樹脂組成物としたときのブロッキング等による取扱い上のハンドリング性や、エポキシ樹脂組成物としたときの無機充填材等との混練作業のハンドリング性の点から好ましい。
更に、本発明のフェノール樹脂組成物は、その水酸基当量が400g/eq以下、特に200g/eq以下、とりわけ150g/eq以下であることが、エポキシ樹脂組成物の硬化物の架橋密度を高くし、高い熱時弾性率を成し得る点から好ましい。フェノール樹脂組成物の水酸基当量の下限としては例えば50g/eq以上、特に60g/eq以上であることが、フェノール樹脂組成物の入手容易性やエポキシ樹脂組成物の硬化物としたときの吸湿性等の点から好ましい。
上記のフェノール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、及びフェノール樹脂組成物に係る各種物性値の測定方法は、後述する実施例において説明する。
本発明のフェノール樹脂組成物を構成する一般式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂との混合方法に特に制限はないが、加熱溶融混合又は有機溶媒等を使用することにより均一混合することができる。中でも、有機溶媒を使用した混合では後に溶媒を除去する工程が必要であるため、加熱溶融混合が好ましい。加熱溶融混合における加熱温度は100℃以上180℃以下であることが均一混合の観点及び得られるフェノール樹脂組成物の物性等の点から好ましく、120℃以上150℃以下であることがより好ましい。
本発明のフェノール樹脂組成物は、該フェノール樹脂組成物と、該フェノール樹脂組成物と等当量数の下記式(2)で表されるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂組成物の全質量に対して83質量%の無機充填材((株)龍森製、高純度真球状シリカ MSR−2212(Top size 75μm、平均粒径25.5μm、比表面積3.0m/g、フルイON 75μ ON 0.0%))と、硬化促進剤(北興化学株式会社製 トリフェニルホスフィン)とを混錬して得られるエポキシ樹脂組成物の175℃における成型収縮率において、0.28%以上、好ましくは0.30%以上という高い収縮率を与えるものである。成型収縮率の上限は例えば2.0%以下、特に1.0%以下とすることが、フェノール樹脂組成物の入手しやすさ等の点から好ましい。エポキシ樹脂がフェノール樹脂組成物と等当量数とは、具体的には、フェノール樹脂組成物の水酸基当量数と、エポキシ樹脂のエポキシ基当量数との比(水酸基当量数/エポキシ基当量数)が1.0であることを意味する。このような高収縮率を有する硬化剤からなる封止材料によって薄型片面封止パッケージの半導体装置を製造すると、該封止材料の熱膨張率が高い、すなわち冷却時の熱収縮率が高いことに起因して、半導体装置が実装された基板材料に発生した反りを低減させることができる。
反りの低減の効果を更に一層顕著なものとする観点から、本発明のフェノール樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂組成物、つまり該フェノール樹脂組成物、及び式(2)で表されるエポキシ樹脂、前記無機充填材及び前記硬化促進剤を前記の割合で混錬して得られるエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物に、270℃において、1.0GPa以上、特に1.2GPa以上の貯蔵弾性率を与えるものであることが好ましい。当該硬化物の貯蔵弾性率は10.0GPa以下、特に5.0GPa以下であることが、フェノール樹脂組成物の入手容易性やエポキシ樹脂組成物の硬化物の硬脆さの点から好ましい。また当該硬化物のガラス転移点Tgは130℃以上250℃以下、特に150℃以上200℃以下であることがエポキシ樹脂組成物の硬化物の信頼性、あるいは膨張性の点から好ましい。
上述した成型収縮率、貯蔵弾性率及びTgの測定方法は、後述する実施例において説明する。なお硬化促進剤はエポキシ樹脂組成物中の量が後述する実施例に記載のエポキシ樹脂に対して1質量%以上10質量%以下の範囲であれば前記の成型収縮率、貯蔵弾性率及びTgの値に影響を与えない。
〔エポキシ樹脂組成物〕
次に、前記のフェノール樹脂組成物を含んでなる本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂としては特に限定はないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂など分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に好ましいエポキシ樹脂は、先に述べた式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂である。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂の添加割合は、本発明のフェノール樹脂組成物の水酸基当量数とエポキシ樹脂のエポキシ基当量数の比率である[水酸基当量数/エポキシ基当量数]の値が、0.5以上2.0以下の範囲であることが好ましく、0.8以上1.2以下の範囲であることが更に好ましい。[水酸基当量数/エポキシ基当量数]の値をこの範囲内に設定することで、硬化反応を十分に進行させることができ、未反応の硬化剤やエポキシ樹脂が残存することを効果的に防止することができる。それによって、成型時に高い収縮性を示し、高い熱時弾性率を有する硬化物を得ることができる。
なお、水酸基当量数やエポキシ基当量数などの官能基当量数は、当該官能基当量をA(g/eq)、仕込み量をB(g)としたときに、B/A(当該化合物の純度がC%の場合には[B×C/100]/A)によって求めることができる。すなわち、水酸基当量やエポキシ基当量などの官能基当量とは、官能基1個当たりの化合物の分子量を表し、官能基当量数とは、化合物質量(仕込み量)当たりの官能基の個数(当量数)を表す。
フェノール樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の硬化剤の役割を有するところ、本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のフェノール樹脂組成物以外の他の硬化剤を含んでもよい。本発明のフェノール樹脂組成物以外の他の硬化剤の種類に特に限定はなく、エポキシ樹脂組成物の使用目的に応じて種々の硬化剤を用いることができる。例えば、アミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤などを用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、全ての硬化剤に占める、本発明のフェノール樹脂組成物の割合は、該エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物の熱時弾性率及び成型収縮率を十分に高くする観点から、より高い割合であることが好ましい。具体的には、全ての硬化剤に占める、本発明のフェノール樹脂組成物の割合は、好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、一層好ましくは70質量%以上、更に一層好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、通常のエポキシ樹脂組成物で用いられる他の成分を、その用途に応じて好適に用いることができる。例えば、エポキシ樹脂をフェノール樹脂で硬化させるための硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤としては、例えば公知の有機ホスフィン化合物及びそのボロン塩、三級アミン、四級アンモニウム塩、イミダゾール類及びそのテトラフェニルボロン塩などを好適に挙げることができる。これらの中でも、硬化性や耐湿性の観点からトリフェニルホスフィンを用いることが好ましい。なお、エポキシ樹脂組成物に一層の高流動性が要求される場合には、加熱処理にて活性が発現する熱潜在性の硬化促進剤を用いることが好ましい。そのような硬化促進剤としては例えば、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルホスフォニウム誘導体が挙げられる。エポキシ樹脂組成物への硬化促進剤の添加の割合は、公知のエポキシ樹脂組成物における割合と同様とすることができ、例えばエポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の量が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に、無機充填材などの充填剤も好適に配合することができる。無機充填材としては例えば非晶性シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどが使用できる。特に非晶性シリカ及び結晶性シリカを用いることが好ましい。無機充填材の粒径に特に制限はないが、充填率を考慮すると平均粒径が0.01μm以上150μm以下であることが望ましい。平均粒径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d50、体積基準)として求めることができる。無機充填材の配合割合に特に制限はないが、エポキシ樹脂組成物に占める無機充填材の割合が70質量%以上95質量%以下であることが好ましく、70質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。無機充填材の配合割合をこの範囲に設定することで、エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸水率が増加しにくくなるので好ましい。また、該硬化物の熱時弾性率や収縮率も十分に高くなり、しかも流動性が損なわれにくくなるので好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて、離型剤、着色剤、カップリング剤、難燃剤等を添加又は予め反応して用いることができる。これら添加剤の配合割合は、公知のエポキシ樹脂組成物における割合と同様でよい。本発明のエポキシ樹脂組成物には、この他、必要に応じて、メラミン及びイソシアヌル酸化合物等の窒素系難燃剤、並びに赤リン、リン酸化合物及び有機リン化合物等のリン系難燃剤を、難燃助剤として適宜添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を調製するには、例えばフェノール樹脂組成物、エポキシ樹脂、更に必要に応じて加える硬化促進剤、無機充填材、他の添加剤等を、ミキサー等を使用して均一に混合し、加熱ロール、ニーダー又は押出機等の混練機を用いて溶融状態で混練し、混練物を冷却し、必要に応じて粉砕すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は175℃における成型収縮率が、0.28%以上であることが好ましく、0.30%以上2.0%以下であることがより好ましく、0.30%以上1.0%以下であることが特に好ましい。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は270℃において、0.5GPa以上、特に0.8GPa以上10.0GPa以下、とりわけ1.0GPa以上5.0GPa以下の貯蔵弾性率を有するであることが好ましい。また本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物はガラス転移点(Tg)は130℃以上250℃以下、特に150℃以上200℃以下であることがエポキシ樹脂組成物の硬化物の信頼性、あるいは膨張性等の点から好ましい。成型収縮率、貯蔵弾性率及びTgの測定方法は、後述する実施例において説明する。
このようにして得られたエポキシ樹脂組成物は、特に限定するものではないが、半導体素子を封止する封止材料として好適に用いることができる。例えば、該半導体素子を搭載したリードフレーム等を金属キャビティ内に設置した後に、エポキシ樹脂組成物をトランスファーモールド、コンプレッションモールド又はインジェクションモールド等の成形方法で成形し、120℃から300℃程度の温度で加熱処理等をすることによりエポキシ樹脂組成物を硬化させることで、半導体装置を好適に得ることができる。特に半導体装置が薄型片面封止パッケージからなる場合、該エポキシ樹脂組成物の硬化物が高い熱時弾性率や成型収縮率を示し、それによって反りの発生を効果的に低減することができるという有利な効果が奏される。薄型片面封止パッケージ等の片面封止パッケージは好ましくは、基板の一面上に搭載された複数の半導体素子と、エポキシ樹脂組成物の硬化物からなる封止樹脂とを含む。該パッケージにおいて、封止樹脂は前記複数の半導体素子と基板のうちの前記一面とを封止する。好ましくは、本発明では特に、このようなパッケージにおける、基板からみて半導体素子側に凸となる反り(いわゆるクライ反り)を効果的に防止可能である。当該薄型片面封止パッケージにおける封止厚は好ましくは、0.4mm以下であり、より好ましくは0.3mm以下である。ここで、封止厚とは、基板の一面上に前記半導体素子を搭載した片面封止パッケージにおいて、前記一面の法線方向における、前記一面を基準とした封止樹脂の厚さを指す。半導体素子としては従来公知の物を特に制限なく用いることができる。また薄型片面封止パッケージにおける基板材料としては、ガラスクロスを基材とした銅張積層板等が挙げられる。更に、薄型片面封止パッケージからなる半導体装置は、例えば携帯電話、多機能携帯電話、タブレット端末、PDA、デジタルカメラなどの小型携帯機器に好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。特に断らない限り「部」は「質量部」を示す。また「%」は「質量%」を示す。
[1]フェノール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂の調製
以下のフェノール樹脂およびフェノール変性キシレン樹脂の調製の例で用いた分析方法及び評価方法について説明する。
軟化点: 自動滴点・軟化点測定装置 METTLER TOLEDO製FP83HTにより測定した。(昇温速度;2 ℃/min)
150℃溶融粘度:B型粘度計を用い、150℃での溶融粘度を測定した。
溶融粘度の測定方法は以下の通りである。
B型粘度計 BROOKFIELD製B型粘度計 DV2T 英弘精機株式会社
B型粘度計の炉内温度を150℃に設定し、カップに試料を所定量秤量する。炉内に試料を秤量したカップを投入して樹脂を溶融させ、上部からスピンドルを入れる。スピンドルを回転させて、表示された粘度値が安定になったところを溶融粘度として読み取る。
水酸基当量:JIS K0070に準じた水酸基当量測定によって求めた。
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)による数平均分子量:
下記GPC装置により分析を行い、ポリスチレン換算により数平均分子量を算出した。
機器:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Waters 製)
カラム:以下のSHODEX製カラム5本を、上流から下流に向けて下記の順序となるように直列に連結して用いた。
KF-804×1本
KF-803×1本
KF-802.5×1本
KF-802×1本
KF-801×1本
また、ガードカラムとしてSHODEX製KF-Gを1本用いた。
カラムオーブン温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.00mL/分
検出器:Waters 2487 Dualλ Absorbance
Detector
検出波長:254nm
平均値n’ :ゲル透過クロマトグラフィー分析により得られる各n数毎の面積比より求めることが出来る。
{(n=0面積比)×0}+{(n=1面積比)×1}+{(n=2面積比)×2}+{(n=3面積比)×3}・・・の合算値で平均n数を求めることが出来る。但し、面積比の合計は1とする。
フェノール変性キシレン樹脂のフェノール変性率:水酸基当量よりフェノール変性率を算出した。[〔フェノール水酸基当量(94g/eq)〕/(フェノール変性キシレン樹脂水酸基当量)×100]=フェノール変性率)
〔合成例1 フェノール樹脂Aの合成〕
温度計、仕込み・留出口、冷却器及び攪拌機を備えた容量300部のガラス製フラスコに、フェノール150.4部(1.6モル)、42%ホルマリン91.7部(1.28モル)、シュウ酸0.5部を入れた。還流下に、100℃で18時間反応させた後に、内温を170℃まで昇温し、減圧−スチーミング処理を行い、未反応成分を除去することで、フェノールノボラック樹脂A(一般式(1)におけるRが水素、p=1、q=1のフェノール樹脂)151部を得た。得られたフェノールノボラック樹脂Aの軟化点は120℃、150℃での溶融粘度は5.2Pa・s、水酸基当量は107g/eq、平均値n’は6.4であり、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mnは914であった。
〔合成例2 フェノール樹脂Bの合成〕
温度計、仕込み・留出口、冷却器及び攪拌機を備えた容量300部のガラス製フラスコに、レゾルシン110部(1.0モル)、42%ホルマリン42.9部(0.6モル)、純水55部を入れた。80℃に昇温して3時間反応させた後、内温を160℃まで昇温し減圧下水分を除去することで、フェノールノボラック樹脂B(一般式(1)におけるRが水素、p=2、q=1のフェノールノボラック樹脂)205部を得た。得られたフェノールノボラック樹脂Bの軟化点は105℃、150℃での溶融粘度は2.0Pa・s、水酸基当量は58g/eq、平均値n’は3.5であり、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mnは488であった。
〔合成例3 フェノール樹脂Cの合成〕
温度計、仕込み・留出口、冷却器及び攪拌機を備えた容量300部のガラス製フラスコに、レゾルシン110部(1.0モル)、42%ホルマリン35.7部(0.5モル)、純水55部を入れた。80℃に昇温して3時間反応させた後、内温を160℃まで昇温し減圧下水分を除去することで、フェノールノボラック樹脂C(一般式(1)におけるRが水素、p=2、q=1のフェノールノボラック樹脂)198部を得た。得られたフェノールノボラック樹脂Cの軟化点は86℃、150℃での溶融粘度は0.2Pa・s、水酸基当量は58g/eq、平均値n’は2.6であり、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mnは417であった。
〔合成例4 フェノール変性キシレン樹脂Aの合成〕
温度計、仕込み・留出口、冷却器及び攪拌機を備えた容量300部のガラス製フラスコに、フェノール564部(6.0モル)、キシレン樹脂(フドー株式会社製ニカノールL)200部、パラトルエンスルホン酸0.5部を入れた。100℃に昇温して1時間反応させた後、内温を160℃まで昇温し更に1時間反応を継続した。95℃に降温し、廃液が中性を示すまで洗浄を繰り返した。その後内温を170℃まで昇温し、減圧−スチーミング処理を行い、未反応成分を除去することで、フェノール変性キシレン樹脂A360部を得た。得られたフェノール変性キシレン樹脂Aは室温で半固形であり、150℃での溶融粘度は0.02Pa・s、水酸基当量は204g/eqであった。水酸基当量よりフェノール変性キシレン樹脂Aのフェノール変性率は、46%であった。またGPCで求めた数平均分子量Mnは337であった。
[2]フェノール樹脂組成物の調製
〔実施例1〕
フェノール樹脂A70部、フェノール変性キシレン樹脂A30部を計量し、150℃にて加熱溶融混合することによりフェノール樹脂組成物Aを得た。得られたフェノール樹脂組成物Aの軟化点は101℃、150℃での溶融粘度は0.9Pa・s、水酸基当量は125g/eq、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mnは900であった。
〔実施例2〕
フェノール樹脂B70部、フェノール変性キシレン樹脂A30部を計量し、150℃にて加熱溶融混合することによりフェノール樹脂組成物Bを得た。得られたフェノール樹脂組成物Bの軟化点は109℃、150℃での溶融粘度は1.3Pa・s、水酸基当量は68g/eq、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mnは488であった。
〔実施例3〕
フェノール樹脂C90部、フェノール変性キシレン樹脂B(フドー株式会社 ニカノールGP200 溶融粘度1.4Pa・s、水酸基当量161g/eq、水酸基当量より求めたフェノール変性率58%、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mn648)10部を計量し、150℃にて加熱溶融混合することによりフェノール樹脂組成物Cを得た。得られたフェノール樹脂組成物Cの軟化点は90℃、150℃での溶融粘度は0.3Pa・s、水酸基当量は62g/eq、ポリスチレン換算により求めたGPCの数平均分子量Mnは436であった。
[3]エポキシ樹脂組成物及び硬化物の調製及び評価
以下のエポキシ樹脂組成物及び硬化物の評価で用いた分析方法及び評価方法について説明する。
ガラス転移温度(Tg)、貯蔵弾性率:硬化物を40mm×2mm×4mmに切り出し測定試料とした。測定は、ティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置RSA−G2を用い、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温しながら貯蔵弾性率を測定し、270℃での貯蔵弾性率を求めた。またTanδのピーク温度をTgとした。
成型収縮率:調整したエポキシ樹脂組成物の40φタブレットから、トランスファー成型機にて幅10mm厚み4mmの円盤状成型体を成型し、金型から取り外す。得られた成型体を23℃に調整した恒温槽に1時間静置して温度調整を行った後に試験片のサイズをノギスで測定。金型サイズに対する変化割合を成型収縮率とした。トランスファー成型条件は以下の通りとした。
(トランスファー成型条件)
金型温度:175℃
注入圧力:6.8MPa
注入時間:30秒
成形時間:120秒
実施例で得られたフェノール樹脂組成物および、比較例として合成例で得られたフェノール樹脂A〜Cと、前記の式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製 YX−4000 エポキシ基当量:186g/eq)と、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン(北興化学株式会社製 TPP)及び充填剤として龍森社製シリカ(MSR−2212(高純度真球状シリカ Top size 75μm、平均粒径25.5μm、比表面積3.0m/g、フルイON 75μ ON 0.0%)とを使用してエポキシ樹脂組成物を調製した。具体的には、これら各成分を下記表1に示す配合で混合し、80℃の温度条件下、2本ロールで混練後粉砕しエポキシ樹脂組成物粉体を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物粉体を用いて作成した40φタブレットから、トランスファー成型機にて試験片を作成し、これに180℃、8時間、常圧下でポストキュアを行った。得られた硬化物について、上記の方法で、ガラス転移温度、及び270℃での貯蔵弾性率を測定し、評価した。また、40φタブレットから、トランスファー成型機にて幅10mm厚み4mmの円盤状成型体を成型し、上記の方法で成型収縮率を評価した。
表1に示す結果から明らかな通り、各実施例で得られたフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂よりなるフェノール樹脂組成物を用いて得られたエポキシ樹脂硬化物は、各比較例で得られたフェノール変性キシレン樹脂を含まないフェノール樹脂を用いて得られたエポキシ樹脂硬化物に比べて、高い熱時弾性率と成型収縮率のバランスが良好であることが判る。
以上、詳述した通り、本発明のフェノール樹脂組成物を用いることで、高成型収縮性及び高熱時弾性率を有するエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることができる。したがって本発明によれば、薄型片面封止パッケージのエポキシ樹脂組成物に好適に用いることができるフェノール樹脂組成物を提供することができる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂とフェノール変性キシレン樹脂とを前者:後者の質量比が50:50〜98:2となる量で含む、フェノール樹脂組成物。
    (式中、Rは、水素、炭素数1以上15以下の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。qは、1以上3以下の整数を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。pは1又は2を表し、同一でもよく又は異なっていてもよい。ただし、p+q≦4である。nは0以上の整数を表す。)
  2. 前記フェノール樹脂組成物、該フェノール樹脂組成物に対して等当量数の下記式(2)で表されるエポキシ樹脂、及び、エポキシ樹脂組成物の全質量に対して83質量%のシリカを混練してなるエポキシ樹脂組成物の175℃における成型収縮率が0.28%以上である請求項1に記載のフェノール樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物の硬化物に、270℃において、1.0GPa以上の貯蔵弾性率を与えるものである請求項2に記載のフェノール樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂が、該式(1)におけるR=水素、p=2、q=1であり、少なくとも一のベンゼン環に結合する2つのOH基が互いにメタ位にあるフェノール樹脂である、請求項1〜3の何れか1項に記載のフェノール樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のフェノール樹脂組成物を含む、薄型片面封止型半導体装置に使用される半導体封止用エポキシ樹脂の硬化剤。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載のフェノール樹脂組成物とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物。
  7. 更に硬化促進剤を含む請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 更に無機充填材を含む請求項6又は7に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項6〜8の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物を有する半導体装置。
  11. 薄型片面封止パッケージからなる請求項10に記載の半導体装置。
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