JP2018058339A - 積層体及びその設置構造 - Google Patents

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Hikaru Yano
光 矢野
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Seiichi Onoe
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Abstract

【課題】美観性に優れると共に、安定した接着性を示す積層体を提供する。【解決手段】本発明の積層体は、少なくとも透明層、及び着色層を有する積層体であって、上記透明層は、厚みが1mm以上であり、上記着色層は、上記透明層の背後に積層され、上記着色層の背後には、裏面層が積層され、裏面の面容量が5〜300cc/m2であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な積層体及びその設置構造に関するものである。
従来、壁、床、天井等の表面仕上げに用いる材料においては、美観性を付与する工夫がなされている。このような材料として、透明層に各種着色層を設けた積層体が、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、ガラスまたはプラスチックよりなる光透過性材料に対し、白色塗料等をまばらに塗装し、次いで透明または有色の塗料を均一に塗装することにより、糸状模様や粒状模様を有する装飾板を得ることが開示されている。
特開2010−29804号公報
上記特許文献1のような装飾板では、光透過性材料として、一般的にミリオーダーの厚みを有するものが使用される。そのため、板自体がある程度の重量を有するものとなり、このような装飾板を基材に貼り付ける際には、安定した接着性が求められる。しかしながら、上記特許文献1では、接着性について考慮されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、美観性に優れると共に、安定した接着性を示す積層体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、透明層の背後に、着色層と特定裏面層を備えた積層体に想到し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.少なくとも透明層、及び着色層を有する積層体であって、
上記透明層は、厚みが1mm以上であり、
上記着色層は、上記透明層の背後に積層され、
上記着色層の背後には、裏面層が積層され、
裏面の面容量が5〜300cc/mであることを特徴とする積層体。
2.上記着色層は、粒径0.1〜10mmの有色粒子を1種または2種以上含み、
上記有色粒子として鱗片状有色粒子を含むことを特徴とする1.記載の積層体。
3.上記着色層は、上記有色粒子100重量部に対して、透明樹脂を固形分換算で10重量部以上含むことを特徴とする2.記載の積層体。
4.上記着色層は、異なる色調を有する複数の着色部を有することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の積層体。
5.基材に対し、1.〜4.のいずれかに記載の積層体が、接着材を介して設置されてなることを特徴とする積層体の設置構造。
本発明によれば、美観性に優れると共に、安定した接着性を示す積層体が得られる。
図1は、本発明の積層体の一例を示す断面模式図である。 図2は、本発明の積層体の一例を示す断面模式図である。 図3は、本発明の積層体の一例を示す正面模式図である。 図4は、本発明の積層体の一例を示す正面模式拡大図である。 図5は、本発明の積層体の一例を示す正面模式拡大図である。
1:透明層
2:着色層
3:裏面層
4:裏面
A:着色部A
B:着色部B
10:第1着色領域
20:第2着色領域
a1、b1:有色粒子
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1〜5に、本発明の積層体の一例を示す。図1及び2は本発明の積層体の断面模式図、図3は本発明の積層体の正面模式図、図4及び5は正面模式拡大図である。
本発明の積層体は、少なくとも透明層、及び着色層を有する積層体であって、上記透明層は、厚みが1mm以上であり、上記着色層は、上記透明層の背後に積層され、上記着色層の背後には、裏面層が積層され、裏面の面容量が5〜300cc/mであることを特徴とする。このような積層体は、上記透明層と着色層によって優れた美観性を表出することができ、積層体裏面の特性によって、安定した接着性を示すことができるものである。
本発明の積層体は、図1に示すように、透明層1の背後に着色層2を有する。このうち、透明層1は、鏡面効果、屈折効果等により、立体感等の意匠性の向上化に寄与するものである。また、透明層1は、着色層2を固定化する基材としての役割も担うことができる。透明層1は、着色層2を視認することができる透明性を有していればよい。透明層1の表面光沢の程度は、高光沢ないし低光沢の範囲内で適宜設定することができる。透明層の厚みは、通常1mm以上、好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜8mmである。
透明層としては、例えば、各種透明板、透明被膜等が使用できる。具体的に透明板としては、例えば、普通ガラス、フロートガラス、すりガラス、フロストガラス、無反射ガラス、低反射ガラス、高透過ガラス、型板ガラス、耐熱ガラス、着色透明ガラス、強化ガラス、熱反射ガラス等の透明ガラス板、透明アクリル板、透明ポリカーボネート板等の透明プラスチック板等が挙げられる。
透明被膜としては、例えば、アクリル、ウレタン、シリコン、アクリルシリコン、フッ素、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種樹脂、あるいはこれらの複合樹脂等を含む被膜が挙げられ、これらは、保護、接着等の目的に応じて適宜選定できる。透明層としては、上述のような材料の1種からなるもの、または2種以上を積層したもの等が使用できる。透明層として透明板と透明被膜の両方を使用する場合、透明被膜は、透明層の表面側、裏面側、及び/または中間に適宜設けることができる。
本発明の効果が損われない程度であれば、透明層自体は着色されてもよい。透明層の構成材料として透明ガラス板等の透明板が含まれる場合は、深み感等の向上化に有利であり、耐熱性等を高めることもできる。また、透明層は、少なくとも片面(好ましくは表面側)が平坦であることが望ましく、両面が平坦であることがより望ましい。
着色層は、透明層の背後に設けられ、色彩による美観性を付与するものである。このような着色層は、1種または2種以上の有色粒子を含むことが望ましい。有色粒子としては、目視で有色と視認できる各種材料が使用できる。有色粒子としては、例えば、着色顔料の他、セラミック系材料、金属系材料、高分子系材料等の各種粒状物等が使用できる。このような有色粒子は、着色層に色彩を付与する。
着色層における有色粒子の粒径は、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.2〜8mm、さらに好ましくは0.3〜5mmである。このような粒径の有色粒子を用いることにより、並置混色による色調を呈する着色層が得られやすく、自然感等を高めることができる。並置混色とは、観察者が一定距離以上離れて色を見た場合に、並置させた複数の色が個々に識別されずに混じり合って見えることである。なお、本発明において粒径とは、粒子を水平面に安定に静置させ、上から観察したときの最大直径のことである。
着色層における有色粒子は、上記粒径を満たす鱗片状有色粒子を含むことが望ましい。鱗片状有色粒子の使用は、着色層の意匠性向上化、薄膜化、軽量化等に有利であり、接着性安定化にも寄与する。
鱗片状有色粒子としては、例えば、ガラスフレーク、シリカフレーク、金属片、金属酸化物片、雲母、ゴム片、プラスチック片、樹脂フレーク、木片、貝殻片、魚鱗片、構造発色フィルム片、グラファイト等、あるいは、これら粒子を母材として、その表面や内部が、金属、金属酸化物、着色顔料、光揮性顔料、染料等の着色付与材によって着色されたもの等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
このうち、上記金属片は、金属を主成分とするフレークである。このような金属としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銀、金、白金、チタン、鉄、コバルト、クロム、錫、マンガン、ビスマス、バナジウム、ナトリウム、カリウム、アンチモン、インジウム、タングステン、モリブデン、リチウム、ジルコニウム、真鍮、青銅、ステンレス鋼等が挙げられる。金属片の具体例としては、例えば、アルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、銅フレーク、鉄フレーク、ステンレスフレーク、真鍮フレーク等が挙げられる。
また上記金属酸化物片は、金属酸化物を主成分とするフレークである。このような金属酸化物における金属元素としては、例えば、上述の各種金属が挙げられる。金属酸化物片の具体例としては、例えば、アルミナフレーク、酸化銅フレーク、酸化鉄フレーク、酸化チタンフレーク、酸化マグネシウムフレーク、酸化カルシウムフレーク、酸化コバルトフレーク、酸化ニッケルフレーク、酸化錫フレーク、酸化バナジウムフレーク等が挙げられる。
上記着色付与材は、上記母材に何らかの色彩を付与できるものであればよく、その粒径は好ましくは100μm未満(より好ましくは5nm以上90μm以下)である。上記着色付与材における金属としては、例えば、上述の各種金属が挙げられ、金属酸化物としては、これら金属元素を含む酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、チタンイエロー、群青、コバルトグリーン、コバルトブルー等も使用できる。
上記着色顔料としては、上記金属酸化物に包含されるものの他、例えばカーボン系、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の各種着色顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が使用できる。上記光輝性顔料としては、上記金属等を主成分とする金属顔料の他、真珠光沢顔料、ホログラム顔料、金属蒸着樹脂フィルム片、多層積層樹脂フィルム片等が挙げられる。
上記各粒子からなる母材に着色を施すには、例えば、コーティング、メッキ、スパッタリング等によって、上記母材表面に上記着色付与材を固着させる方法、上記母材を成形する際に上記着色付与材を混合しておく方法等を採用することができる。
上記母材及び/または着色付与材には、例えば、酸処理、アルカリ処理、熱処理、レーザー処理、超音波処理、プラズマ処理、エッチング処理等の各種処理を施すこともできる。このような処理によって、例えば、有色粒子の色調を変化させたり、母材と着色付与材との固着性を高めたりすることができる。
また、得られた有色粒子には、表面処理を施すこともできる。表面処理としては、例えば、リン酸、アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタニア、クロム酸等の無機質表面処理剤による表面処理、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の有機質表面処理剤による表面処理等が挙げられる。このような表面処理によって、例えば、耐久性、濡れ性等の性能を調整することができる。
鱗片状有色粒子の形状(粒子を水平面に安定に静置させ、上から観察したときの形状)としては、例えば、球状、楕円状、半球状、星型、花弁状、リボン状、ヒトデ状、三角形、四角形、多角形、紡錘状、不定形等が挙げられる。本発明における鱗片状有色粒子は、複数の形状が混在していることが望ましく、特に不定形を含む複数の形状の粒子が混在していることがより望ましい。これにより、意匠性等を高めることができる。
鱗片状有色粒子の厚みは、「厚み/粒径」の比が、好ましくは1/2以下、より好ましくは1/3〜1/300、さらに好ましくは1/5〜1/200となる範囲内であればよい。なお、ここに言う厚みとは、粒子を水平面に安定に静置させたときの、底面からの最大高さである。
鱗片状有色粒子の厚みは、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.001〜0.5mm、さらに好ましくは0.005〜0.2mm、最も好ましくは0.01〜0.18mmである。
なお、「厚み/粒径」の比が1/2を超える有色粒子は、粒状物として認識されるもので、一般に骨材と呼ばれている。このような骨材としては、例えば大理石粉、御影石粉、寒水石粉、珪砂等の天然石粉、陶磁器粉、プラスチック粉、あるいはこれらの着色物等が挙げられる。このような骨材を主成分とする場合は、意匠性、薄膜化、軽量化等の点で十分な効果が得られ難い。
本発明の積層体において、着色層に含まれる有色粒子全体に占める鱗片状有色粒子の比率は、70重量%以上であることが好ましい。例えば、図1の着色層において、上記有色粒子全体に占める上記鱗片状有色粒子の比率{(鱗片状有色粒子の重量/有色粒子の総重量)×100(%)}は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上100重量%以下である。有色粒子が鱗片状有色粒子のみからなる態様も好適である。このように、有色粒子の主成分として鱗片状有色粒子を用いることにより、意匠性等を高めることができ、着色層の薄膜化、軽量化等を図ることもでき、接着性安定化にも有利となる。
着色層は、本発明の効果が著しく損われない限り、上記有色粒子以外の粒子を含むこともできる。このような粒子としては、例えば、無色透明の粒子、粒径が上記規定外である有色粒子等が挙げられる。粒径が上記規定外である有色粒子としては、例えば、着色顔料、光揮性顔料等の顔料が挙げられる。このような顔料の粒径は、好ましくは100μm未満、より好ましくは0.1〜90μmである。このうち、光揮性顔料は、輝度感、深み感、高級感等の意匠性向上化の点で好適である。
着色層は、上記有色粒子と透明樹脂を含むことが望ましい。透明樹脂とは、硬化後の被膜が透明性を有するものである。透明樹脂は、有色粒子を固定化できるバインダー性能と共に、有色粒子を視認することができる透明性を有していればよい。
透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。透明樹脂として熱硬化性樹脂を含む場合は、層間密着性向上等の点で好適である。
着色層は、有色粒子100重量部に対して、透明樹脂を固形分換算で10重量部以上含むことが望ましい。具体的には、透明樹脂の比率は、有色粒子100重量部に対し、固形分換算で、好ましくは10重量部以上であり、より好ましくは10〜2000重量部、さらに好ましくは50〜1000重量部、特に好ましくは80〜600重量部、最も好ましくは100〜400重量部である。透明樹脂がこのような比率であれば、着色層の強度が高まり、積層体の接着性向上にも有利である。また、発色性、立体感、自然感等の意匠性等を高めることができる。さらに、例えば、着色層の軽量化にも有利であり、着色層に透光性を付与することもできる。本発明では特に、鱗片状有色粒子100重量部に対する透明樹脂の比率が、固形分換算で10〜2000重量部(より好ましくは50〜1000重量部、さらに好ましくは80〜600重量部、特に好ましくは100〜400重量部)である態様が好適である。
このような着色層は、例えば、上述の成分を含む着色層用組成物を硬化させることによって形成できる。着色層用組成物は、上記以外の各種添加剤を含むこともできる。このような添加剤としては、例えば、繊維、難燃剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘性調整剤、湿潤剤、分散剤、抗菌剤、吸着剤、希釈剤等が挙げられる。
本発明の積層体は、上記着色層の厚みが、4mm以下であることが好ましい。着色層の厚みは、好ましくは4mm以下、より好ましくは0.1〜2mm、さらに好ましくは0.15〜1.5mm、最も好ましくは0.2〜1mmである。着色層の厚みは、均一であってもよいし、上記範囲内で部分的に変化させてもよい。上記範囲の厚みに調整することにより、薄膜・軽量で美観性が表出でき、接着性安定化にも有利となり、また適度な透光性を付与することもでき、好ましい。着色層が鱗片状有色粒子を含有する場合は、厚みを薄くしても、十分に発色する傾向にある。
本発明の積層体は、上記着色層が、異なる色調を有する複数の着色部を有することが望ましい。すなわち、積層体を正面(透明層1側)から見た場合、異なる色調を有する複数の着色部が混在することが望ましい。このような積層体は、例えば、図2〜3に示すように、着色層2として、着色部A、及び着色部Bを有する。
このような積層体は、各着色部が透明層と接していることが好ましい。例えば、図2に示す積層体では、その断面において、着色部Bが透明層1に接しつつ、面方向に不連続となっている。これにより、図2の積層体を正面(透明層1側)から見ると、着色部Aを有する部分は、第1着色領域10として視認される。着色部Bを有する部分は、第2着色領域20として視認される。
各着色部は、上述した着色層と同様の構成成分を有するものである。例えば、図2に示す積層体の好適な態様では、各着色部(着色部A及び着色部B)がそれぞれ、粒径0.1〜10mm(好ましくは0.2〜8mm、より好ましくは0.25〜6mm、さらに好ましくは0.3〜5mm)の有色粒子を1種または2種以上含み、有色粒子として鱗片状有色粒子を含む。そして、着色部Bは、着色部Aとは異なる色調を呈している。また、各着色部は、上述の通り、透明樹脂を含み、上述の成分を含む着色部用組成物(例えば、着色部A用組成物、着色部B用組成物等)を硬化させることによって形成できる。
これにより、第1着色領域10と第2着色領域20の両方が、鱗片状有色粒子を含む有色粒子の集合体によって形成される。そして、積層体を正面から見ると、図4に示すように、着色部Aと着色部Bとの境界は、それぞれの鱗片状有色粒子が互いに入り組んだ状態となっている。すなわち、積層体全体が鱗片状有色粒子の粒感によって発色されると共に、第1着色領域10と第2着色領域20との境界が視覚的に緩衝され、ぼかされた状態となる。本発明では、このような視覚的効果によって自然感等が向上し、意匠性を高めることができる。
このような効果は、着色材として、比較的大きな粒径の鱗片状有色粒子を用いることによって奏されるものである。一般的なペイントの着色材である着色顔料は、粒径がサブミクロンオーダーであることから、上記鱗片状有色粒子と同様の効果を発揮することは困難である。
着色部Bは、着色部Aと比較したときに、目視で異色と視認される色調であればよい。具体的に、着色部Aと着色部Bとの色差(△E)は、好ましくは5以上、より好ましくは8以上である。着色部の色調は、ランダムに抽出した20箇所の色調を、色彩色差計で測定した平均値から算出される。
図2において、第1着色領域10では、着色部Aが透明層1に接しており、第2着色領域20では、着色部Bが透明層1に接している。このように、着色部A及び着色部Bが、それぞれ透明層1に接する部分を有することによって、2色以上の着色模様の自然感等を保持しつつ、コントラストを強調することが可能となる。
上記各着色部においては、鱗片状有色粒子が、平均粒径の異なる鱗片状有色粒子を2種以上含有することが好ましい。平均粒径の異なる鱗片状有色粒子を2種以上含有することにより、多種の粒径の鱗片状有色粒子が混在することで、着色部どうしの境界の入り組みが複雑化し、自然感が向上し、好ましい。異なる平均粒径の組み合わせとしては、例えば、「0.5mmと1.0mm」とを含むもの、「0.5mmと1.0mmと1.5mm」とを含むもの、「0.5mmと1.0mmと1.5mmと2.0mm」とを含むものなどが好適である。なお、本発明において平均粒径とは、有色粒子の粒径の平均値の事であり、無作為に抽出した50個の有色粒子について、それらの平均値を算出することによって得られる値を示す。
本発明の積層体において、各着色部に含まれる有色粒子全体に占める鱗片状有色粒子の比率は、70重量%以上であることが好ましい。例えば、図2の各着色部において、上記有色粒子全体に占める上記鱗片状有色粒子の比率{(鱗片状有色粒子の重量/有色粒子の総重量)×100(%)}は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上100重量%以下である。有色粒子が鱗片状有色粒子のみからなる態様も好適である。このように、有色粒子の主成分として鱗片状有色粒子を用いることにより、上述の視覚的効果、意匠性等を高めることができ、着色層の薄膜化、軽量化等を図ることもできる。
上記各着色部は、本発明の効果が著しく損なわれない限り、上記有色粒子以外の粒子を含むこともできる。本発明では、例えば、着色部として、着色部A及び着色部Bを有する場合、着色部A、着色部Bの両方が光揮性顔料を含むことが、意匠性向上等の点で望ましい。
このような態様の積層体では、例えば、図2〜3の第2着色領域20によって、筋状、島状等の各種模様を形成することができる。第2着色領域20を形成する着色部Bの形状、配置、数、幅、深さ、厚み、面積等は、所望の模様に応じて適宜設定すればよい。
また、図2のように、着色部Bの背後に着色部Aが存在すると、例えば、着色部Bが透光性を有する場合(隙間がある場合)、着色部Bの中に着色部Aの色が点在するように見え、着色部同士の境界が、より複雑に入り組んだ状態となり、自然感が高まることとなり、好ましい(図5)。さらに、着色部Aを背景とする面に、着色部Bが重なったような立体感、三次元的効果等を得ることもできる。なお、ここに言う透光性とは、透明層と接触する着色部とは反対側(背後)から可視光を照射した際に、当該可視光が(部分的に)透過することを示す。
本発明積層体では、着色層において、例えば、上記着色部A及び上記着色部Bとは異なる色調の着色部を、さらに設けることもできる。
本発明積層体では、上記着色層の背後に裏面層が積層されており、裏面の面容量が5〜300cc/m(好ましくは20〜200cc/m、より好ましくは30〜150cc/m)であることを特徴とする。本発明では、積層体の裏面がこのような特性を有することにより、接着性において安定した効果を得ることができる。このような効果が得られる理由は明確ではないが、裏面の面容量が上記範囲内であることによって、接着材が裏面層に適度に食い込む投錨作用がはたらき、接着性が安定化されるものと考えられる。
裏面の面容量が、上記値よりも小さすぎる場合は、接着性が不十分となりやすく、安定した接着性が得られにくい。一方、裏面の面容量が、上記値よりも大きすぎる場合は、接着材が裏面に過度に吸収されやすくなり、接着性が不安定化するおそれがある。また、裏面の面容量が上記値よりも大きすぎると、裏面層の強度不足を招き、接着性に悪影響を及ぼすおそれもある。
なお、本発明における裏面の面容量は、主に、積層体の裏面に多数存在する微空孔等の総容量を示すものである。具体的には、積層体の裏面を所定時間、水に接触させたときに、裏面が受容できる水の量を測定することによって求められる値である。測定方法は、以下の通りである。
(1)積層体の重量W(g)を測定する。なお、積層体の表面及び側面は、吸水しないように、必要に応じ予め樹脂被覆しておく。
(2)水(水温20℃)を入れた容器に、積層体裏面が上側となるようにして、積層体を1分間浸漬する。
(3)積層体を容器から取り出し、垂直に立てて1分放置する。
(4)積層体の表面及び側面に付着した水を拭き取る。
(5)積層体の重量W(g)を測定する。
(6)下記式によって、裏面の面容量を算出する。
面容量(cc/m)=(W−W)/0.998S(Sは積層体裏面の面積(m))
本発明では、積層体裏面が上記特性を有するように、裏面層を設ける。このような積層体は、例えば、裏面に微空孔を有する裏面層を設けることによって得られる。このような裏面層は、例えば、結合材及び粉粒体を含む組成物(裏面層用組成物)の硬化体、当該組成物と繊維材料との複合硬化体等によって形成できる。
このうち結合材としては、例えば、上述の透明樹脂等が使用できる。粉粒体としては、例えば、上述の着色顔料、あるいは、炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、バライト粉、アロフェン、珪藻土等の体質顔料、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラスビーズ、ガラス粉砕物、樹脂ビーズ、樹脂粉砕物、金属粒等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
粉粒体の比率は、結合材の固形分100重量部に対し、好ましくは100〜2000重量部、より好ましくは300〜1500重量部である。粉粒体がこのような比率であれば、裏面の面容量を上記所定値に設定しやすくなる。
裏面層用組成物は、上記結合材、及び粉粒体を均一に混合することで得られる。裏面層用組成物は、必要に応じ各種添加剤、例えば、難燃剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘性調整剤、湿潤剤、分散剤、抗菌剤、吸着剤、希釈剤等を含むものであってもよい。
繊維材料としては、例えば、レーヨン繊維、キュプラ繊維、ポリノジック繊維、テンセル繊維等の再生繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、プロミックス繊維等の半合成繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維等の合成繊維、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維等の無機質繊維等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。繊維材料としては、特に無機質繊維を含むものが好ましい。
繊維材料が粒子の形態である場合は、上記裏面層用組成物に混合することができる。繊維材料が、織布、不織布、メッシュ等の面状の形態(面状繊維材料)である場合は、裏面層用組成物が未硬化状態であるうちに、上記面状繊維材料を埋め込んだ後、硬化させることにより、複合硬化体(面状繊維材料が埋設された樹脂硬化体(裏面層用組成物の硬化体)等)を得ることができる。
面状繊維材料の坪量は、好ましくは5〜300g/m、より好ましくは10〜200g/m、さらに好ましくは20〜150g/mである。面状繊維材料の厚さは、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mm)である。
本発明積層体の製造方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的に、図1の積層体を得るには、例えば、透明層1の裏面に、着色層用組成物を全体に塗付した後、裏面層用組成物を全体に塗付すればよい。
図2の積層体を得るには、例えば、透明層1の裏面に、着色部B用組成物を非連続に(部分的に)塗付した後、着色部A用組成物を全体に塗付し、次いで裏面層用組成物を全体に塗付すればよい。この際、着色部Bによって所定の模様を形成するために、マスキング材等が使用できる。例えば、着色部Bによって筋状模様を形成するには、所望の筋状模様の非マスキング部を有するマスキング材を介して、透明層1の裏面に着色部B用組成物を塗付した後、着色部A用組成物を裏面全体に塗付すればよい。
上述の各組成物を塗付する際には、例えば、ローラー、刷毛、コテ、ヘラ、スプレー、コーター等の器具が使用でき、流し込み、注入等の手段を用いることもできる。また、各組成物の硬化は、常温ないし加温下にて行うことができる。
着色層用(着色部用)組成物の塗付け量(固形分換算)は、好ましくは2kg/m以下、より好ましくは0.1〜1.5kg/m、さらに好ましくは0.2〜0.9kg/mである。有色粒子の主成分として鱗片状有色粒子を用いる場合は、着色層用組成物の塗付け量を軽減することができ、着色層の薄膜化、軽量化等に有利である。
裏面層用組成物の塗付け量(固形分換算)は、好ましくは2kg/m以下、より好ましくは0.1〜1.5kg/m、さらに好ましくは0.2〜0.9kg/mである。
本発明の積層体の厚みは、好ましくは1.2〜12mm、より好ましくは1.5〜10mmである。
本発明の積層体は、例えば、壁、床、天井、間仕切り、テーブル、カウンター等における表面仕上げ用の建材の他、美観性が要求される各種用途に適用できる。本発明の積層体は、透明層が表面側となるよう、接着材を用いて、対象となる面を構成する基材に貼り付ければよい。これにより、基材に対し、本発明の積層体が接着材を介して設置されてなる設置構造が得られる。
接着材としては、各種接着材が使用でき、例えば、ゴム系接着材、アクリル系接着材、塩化ビニル系接着材、酢酸ビニル系接着材、エポキシ系接着材、ウレタン系接着材、アルキッド系接着材、メラミン系接着材、シリコーン系接着材等が挙げられる。接着材の使用量(固形分換算)は、好ましくは0.1〜2kg/m、より好ましくは0.2〜1kg/mである。接着材の使用量がこのような範囲内であれば、積層体裏面の特性と相俟って、安定した接着性を得ることができる。
以下に実施例を示して、本発明の特徴をより明確にする。
(着色層用組成物A1)
鱗片状粒子1(黒色、粒径0.3〜2.5mm、厚み0.03〜0.05mm、平均粒径0.5mmの不定形着色雲母と、平均粒径1mmの不定形着色雲母と、平均粒径2mmの不定形着色雲母との混合物)100重量部、光揮性顔料(粒径0.04mm)1重量部、透明樹脂1(アクリルシリコン樹脂、固形分50重量%)80重量部(固形分40重量部)、添加剤(粘性調整剤、消泡剤等)0.3重量部を希釈しつつ、常法にて均一に混合して、黒色系の着色層用組成物A1(A1)を用意した。なお、「鱗片状粒子」を表中で単に「鱗片」と記載する場合がある。着色層用組成物については、例えば、「着色層用組成物A1」を表中で単に「A1」と記載する場合がある。
(着色層用組成物A2)
着色層用組成物A1において、透明樹脂1を240重量部(固形分120重量部)、添加剤を5重量部に変更して、黒色系の着色層用組成物A2を用意した。
(着色層用組成物A3)
着色層用組成物A1において、透明樹脂1を400重量部(固形分200重量部)、添加剤を8重量部に変更して、黒色系の着色層用組成物A3を用意した。
(着色層用組成物A4)
着色層用組成物A1において、透明樹脂1を660重量部(固形分330重量部)、添加剤を13重量部に変更して、黒色系の着色層用組成物A4を用意した。
(着色層用組成物A5)
着色層用組成物A1において、透明樹脂1を1160重量部(固形分580重量部)、添加剤を23重量部に変更して、黒色系の着色層用組成物A5を用意した。
(着色層用組成物A6)
着色層用組成物A1において、透明樹脂1を1600重量部(固形分800重量部)、添加剤を32重量部に変更して、黒色系の着色層用組成物A6を用意した。
(着色層用組成物A7)
着色層用組成物A1において、透明樹脂1を2400重量部(固形分1200重量部)、添加剤を48重量部に変更して、黒色系の着色層用組成物A7を用意した。
(着色層用組成物A8)
鱗片状粒子2(黒色、粒径0.7〜1.3mm、厚み0.03〜0.04mm、平均粒径1mmの不定形着色雲母)100重量部、光揮性顔料(粒径0.04mm)1重量部、透明樹脂1(同上)400重量部(固形分200重量部)、添加剤(粘性調整剤、消泡剤等)8重量部を希釈しつつ常法にて均一に混合して、黒色系の着色層用組成物A8を用意した。
(着色層用組成物B1)
鱗片状粒子3(白色、粒径0.3〜1.4mm、厚み0.03〜0.04mm、平均粒径0.5mmの不定形着色雲母と、平均粒径1.0mmの不定形着色雲母との混合物)100重量部、光揮性顔料(粒径0.04mm)1重量部、透明樹脂1(同上)80重量部(固形分40重量部)、添加剤(粘性調整剤、消泡剤等)0.3重量部を希釈しつつ常法にて均一に混合して、白色系の着色層用組成物B1を用意した。
(着色層用組成物B2)
着色層用組成物B1において、透明樹脂1を240重量部(固形分120重量部)、添加剤を5重量部に変更して、白色系の着色層用組成物B2を用意した。
(着色層用組成物B3)
着色層用組成物B1において、透明樹脂1を400重量部(固形分200重量部)、添加剤を8重量部に変更して、白色系の着色層用組成物B3を用意した。
(着色層用組成物B4)
着色層用組成物B1において、透明樹脂1を660重量部(固形分330重量部)、添加剤を13重量部に変更して、白色系の着色層用組成物B4を用意した。
(着色層用組成物B5)
着色層用組成物B1において、透明樹脂1を1160重量部(固形分580重量部)、添加剤を23重量部に変更して、白色系の着色層用組成物B5を用意した。
(着色層用組成物B6)
着色層用組成物B1において、透明樹脂1を1600重量部(固形分800重量部)、添加剤を32重量部に変更して、白色系の着色層用組成物B6を用意した。
(着色層用組成物B7)
着色層用組成物B1において、透明樹脂1を2400重量部(固形分1200重量部)、添加剤を48重量部に変更して、白色系の着色層用組成物B7を用意した。
(着色層用組成物B8)
鱗片状粒子4(白色、粒径0.7〜1.3mm、厚み0.03〜0.04mm、平均粒径1mmの不定形着色雲母)100重量部、光揮性顔料(粒径0.04mm)1重量部、透明樹脂1(同上)400重量部(固形分200重量部)、添加剤(粘性調整剤、消泡剤等)8重量部を希釈しつつ常法にて均一に混合して、白色系の着色層用組成物B8を用意した。
(裏面層用組成物1)
透明樹脂2(アクリル樹脂、固形分50重量%)200重量部(固形分100重量部)、炭酸カルシウム粉550重量部、黒色顔料10重量部、添加剤(分散剤、粘性調整剤、消泡剤等)18重量部を希釈しつつ常法にて均一に混合して、裏面層用組成物1を用意した。
(裏面層用組成物2)
透明樹脂2(同上)200重量部(固形分100重量部)、炭酸カルシウム粉120重量部、黒色顔料10重量部、添加剤(分散剤、粘性調整剤、消泡剤等)10重量部を希釈しつつ常法にて均一に混合して、裏面層用組成物2を用意した。
(裏面層用組成物3)
透明樹脂2(同上)200重量部(固形分100重量部)、炭酸カルシウム粉20重量部、黒色顔料10重量部、添加剤(分散剤、粘性調整剤、消泡剤等)4重量部を希釈しつつ常法にて均一に混合して、裏面層用組成物3を用意した。
[I]試験例I(実施例1〜4、比較例1)
(実施例1)
透明層(透明ガラス板、厚み3mm)の裏面側全体に、着色層用組成物A1を塗付し、50℃下で8時間乾燥硬化した(着色層の乾燥厚み0.5mm)。次いで、着色層の裏面側全体に、裏面層用組成物2を固形分換算で0.5kg/m塗付し、50℃下で8時間乾燥硬化した。以上の方法で積層体を作製した。この積層体の裏面の面容量は25cc/mであった。
(実施例2)
着色層用組成物A1に替えて着色層用組成物A2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の裏面の面容量は25cc/mであった。
(実施例3)
着色層用組成物A1に替えて着色層用組成物A3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の裏面の面容量は25cc/mであった。
(実施例4)
透明層(同上)の裏面側全体に、着色層用組成物A3を塗付し、50℃下で8時間乾燥硬化した(着色層の乾燥厚み0.5mm)。次いで、着色層の裏面側全体に、裏面層用組成物1を固形分換算で0.5kg/m塗付し、その乾燥硬化前にガラス不織布(厚さ0.4mm、坪量50g/m)を埋設し、50℃下で8時間乾燥硬化した。以上の方法で積層体を作製した。この積層体の裏面の面容量は60cc/mであった。
(比較例1)
裏面層用組成物2に替えて裏面層用組成物3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の裏面の面容量は4cc/mであった。
試験例Iでは、上記実施例1〜4、及び比較例1について、以下の試験を行った。
○接着性
得られた積層体を、変性シリコーン系接着材(固形分換算使用量0.5kg/m)にてモルタルに接着したときの接着性を評価した。この試験は、JIS A5548の6.3.3「接着強さ試験方法」に準じて行った。評価基準は以下の通りである(a〜cが実用上、問題のないレベル)。結果を表1に示す。
(評価基準)
a:80N/cm以上
b:70N/cm以上80N/cm未満
c:60N/cm以上70N/cm未満
d:60N/cm未満
Figure 2018058339
[II]試験例II(実施例5〜14)
(実施例5)
透明層(透明ガラス板、厚み3mm)の裏面側に、棒状(断面は高さ2mm、幅5mm)マスキング材を、15mmの間隔で2本平行に設置し、その間隙に着色層用組成物B1を塗付し、50℃下で1時間乾燥硬化した(乾燥厚み0.3mm)。上記棒状マスキング材を除去した後、着色層用組成物A1を透明層の裏面全体に塗付し、50℃下で8時間乾燥硬化(着色層の乾燥厚み0.5mm)した。次いで、着色層の裏面側全体に、裏面層用組成物1を固形分換算で0.5kg/m塗付し、その乾燥硬化前にガラス不織布(厚さ0.4mm、坪量50g/m)を埋設し、50℃下で8時間乾燥硬化した。以上の方法により、図2に示すように、着色層として着色部Aと着色部Bを有する積層体を作製した。この積層体の裏面の面容量は60cc/mであった。
(実施例6〜14)
着色層用組成物A、着色層用組成物Bとして、表2に示すものを使用した以外は、実施例5と同様の方法で積層体を作製した。各積層体の裏面の面容量は60cc/mであった。
試験例IIでは、上記実施例5〜14について、接着性試験に加え、以下の試験を行った。
○コントラスト
得られた積層体について、着色部Aと着色部Bとの色差△Eを色彩色差計で測定した(a〜cが実用上、問題のないレベル)。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
a:△Eが25以上
b:△Eが15以上25未満
c:△Eが5以上15未満
d:△Eが5未満
・△Eが大であれば、コントラストが明瞭。
・△Eが小であれば、コントラストが不明瞭。
○自然感
得られた積層体の外観を目視で確認した(a、b、bが実用上、問題のないレベル)。
(評価基準)
a:着色部Aと着色部Bとの境界が入り組んだ状態であると共に、着色部Bの中には着色部Aの色が点在している。
:着色部Aと着色部Bとの境界がやや入り組んだ状態であると共に、着色部Bの中には着色部Aの色が少し点在している。
b:着色部Aと着色部Bとの境界がやや入り組んだ状態である。
c:着色部Aと着色部Bとの境界が直線的である。
Figure 2018058339

Claims (5)

  1. 少なくとも透明層、及び着色層を有する積層体であって、
    上記透明層は、厚みが1mm以上であり、
    上記着色層は、上記透明層の背後に積層され、
    上記着色層の背後には、裏面層が積層され、
    裏面の面容量が5〜300cc/mであることを特徴とする積層体。
  2. 上記着色層は、粒径0.1〜10mmの有色粒子を1種または2種以上含み、
    上記有色粒子として鱗片状有色粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 上記着色層は、上記有色粒子100重量部に対して、透明樹脂を固形分換算で10重量部以上含むことを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 上記着色層は、異なる色調を有する複数の着色部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 基材に対し、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体が、接着材を介して設置されてなることを特徴とする積層体の設置構造。


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