JP2018056515A - 有孔基板の製造方法及び有孔基板 - Google Patents
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この場合、前記熱硬化工程では、前記基板の厚み方向における、前記樹脂材のうちの前記貫通孔と重なる部分における少なくとも前記第1面側の表面と、前記第1配線の表面との間の距離が5μm以下になるまで、前記樹脂材を硬化させてもよい。
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る貫通電極基板10について説明する。図1は、貫通電極基板10を示す平面図である。図2は、一点鎖線に沿って切断した図1の貫通電極基板10をII−II方向から見た断面図である。
基板12は、第1面13及び第1面13の反対側に位置する第2面14を含む。基板12は、一定の絶縁性を有する材料から構成されている。例えば、基板12は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、樹脂基板、シリコン基板、炭化シリコン基板、アルミナ(Al2O3)基板、窒化アルミ(AlN)基板、酸化ジリコニア(ZrO2)基板など、又は、これらの基板が積層されたものである。基板12は、アルミニウム基板、ステンレス基板など、導電性を有する材料から構成された基板を含んでいてもよい。
貫通電極22は、貫通孔20の内部に設けられた、導電性を有する部材である。貫通電極22は、図2に示すように、貫通孔20の側壁21に沿って広がっている。すなわち、貫通電極22はいわゆるコンフォーマルビアである。
第1配線25は、基板12の第1面13に設けられた、導電性を有する部材である。第1配線25は、図2に示すように、貫通電極22の第1面13側の端部に接続されている。また、図1に示すように、基板12の第1面13の法線方向に沿って第1配線25を見た場合、第1配線25は、貫通孔20を囲っている。言い換えると、第1配線25は、貫通孔20を囲う内縁25xと、内縁25xを囲う外縁25yとを有する。
第2配線27は、基板12の第2面14に設けられた、導電性を有する部材である。第2配線27は、図2に示すように、貫通電極22の第2面14側の端部に接続されている。図示はしないが、第1配線25の場合と同様に、基板12の第2面14の法線方向に沿って第2配線27を見た場合、第2配線27は、貫通孔20を囲っている。
充填部30は、貫通孔20に充填された、樹脂材を含む部材である。充填部30は、図2に示すように、第1面13側の第1樹脂層31と、第2面14側の第2樹脂層32とを含む。第1樹脂層31と第2樹脂層32とは、貫通孔20の内部において界面35で接する。貫通孔20に充填部30を設けることにより、導電性材料の屑などが残渣として貫通孔20の内部に入ってしまうことを抑制することができる。
以下、貫通電極基板10の製造方法の一例について、図3乃至図13を参照して説明する。
まず、基板12を準備する。次に、図3に示すように、基板12を加工して基板12に複数の貫通孔20を形成する。例えば、図示はしないが、まず、基板12の面13,14のうち貫通孔20が形成されない領域をレジスト層で覆う。続いて、基板12の面13,14のうちレジスト層で覆われていない領域を除去して、複数の貫通孔20を形成する。レジスト層で覆われていない領域を除去する方法としては、反応性イオンエッチング法、深掘り反応性イオンエッチング法などのドライエッチング法や、ウェットエッチング法などを用いることができる。
続いて、基板12の貫通孔20に貫通電極22を形成する。例えば、まず、基板12の第1面13、第2面14、及び貫通孔20の側壁21にシード層を形成する。シード層を形成する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタリング法などの物理成膜法や、化学成膜法などを用いることができる。続いて、シード層上に部分的にレジスト層を形成する。具体的には、シード層の領域のうち貫通電極22が形成されない領域に位置する領域がレジスト層によって覆われるよう、レジスト層を形成する。続いて、電解めっきにより、レジスト層によって覆われていないシード層の領域上にめっき層を形成する。続いて、レジスト層を除去する。その後、レジスト層によって覆われていたシード層を除去する。このようにして、図4に示す貫通電極22を形成することができる。このとき、図4に示すように、貫通電極22と同時に第1配線25及び第2配線27を形成してもよい。
続いて、基板12の貫通孔20を第2面14側で塞ぐ工程を実施する。例えば、図5に示すように、基板12の貫通孔20を第2面14側からフィルム41で覆う。これによって、基板12の周囲と貫通孔20の内部とが第2面14側で連通することを抑制することができる。フィルム41は、例えば、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂材料を含む樹脂フィルムである。フィルム41の厚みは、例えば30μm以上且つ100μm以下である。
続いて、図6に示すように、基板12の貫通孔20を第1面13側から第1フィルム51で覆う第1封止工程を実施する。第1フィルム51は、図6に示すように、基材52と、基材52に積層されたフィルム状の第1樹脂材31Bと、を有する。第1樹脂材31Bは、後述のように熱硬化された後に、第1樹脂層31を形成するものである。第1樹脂材31Bが基板12側に位置するよう、基板12の貫通孔20を第1フィルム51で覆う。例えば、ローラーを用いて第1フィルム51を基板12の第1面13に押し付ける。これによって、貫通孔20の内部を基板12の周囲から封止することができる。
続いて、図7に示すように、第1フィルム51に、第1フィルム51によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力Pを加えて、第1フィルム51の第1樹脂材31Bを貫通孔20の内部に押し込んで充填する第1押込工程を実施する。例えば、図7に示すように、第1フィルム51と対向するようにダイアフラム55を配置する。続いて、基板12の周囲の圧力を、貫通孔20の内部の圧力よりも高くする。例えば、チャンバの内部に、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体を導入する。これによって、第1フィルム51がダイアフラム55を介して基板12の第1面13側に押圧され、この結果、第1フィルム51の第1樹脂材31Bが貫通孔20の内部に押し込まれる。図示の例では、第1面13側で、貫通孔20の内部及び外部に跨がるように第1樹脂材31Bを位置付けて、貫通孔20の内部に第1樹脂材31Bを充填している。なお、チャンバを大気に開放して基板12の周囲の圧力を大気圧にすることによって、ダイアフラム55を介して第1フィルム51を基板12の第1面13側に押圧してもよい。貫通孔20の内部の圧力と、基板12の周囲の圧力との差は、好ましくは100kPa以上である。
続いて、基板12の第2面14からフィルム41を取り外す。次に、図8に示すように、基板12の貫通孔20を第2面14側から第2フィルム61で覆う第2封止工程を実施する。第2フィルム61は、第1フィルム51と同様に、基材62と、基材62に積層されたフィルム状の第2樹脂材32Bと、を有する。第2樹脂材32Bは、後述のように熱硬化された後に、第2樹脂層32を形成するものである。第2樹脂材32Bが基板12側に位置するよう、基板12の貫通孔20を第2フィルム61で覆う。これによって、貫通孔20の内部を基板12の周囲から再び封止することができる。第2フィルム61のうちの第2樹脂材32Bの厚みは、例えば、20μm以上70μm以下である。また、本実施形態では、上述したように、第2樹脂材32Bが、第2樹脂層32を形成する部材であるため、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含む。この硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、第2樹脂材32Bに含まれる硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO樹脂等を含んでいてもよい。
続いて、図9に示すように、第2フィルム61に、第2フィルム61によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、第2フィルム61の第2樹脂材32Bを貫通孔20の内部に押し込んで充填する第2押込工程を実施する。図示の例では、第2面14側で、貫通孔20の内部及び外部に跨がるように第2樹脂材32Bを位置付けて、貫通孔20の内部に第2樹脂材32Bを充填している。例えば、第1押込工程の場合と同様に、第2フィルム61と対向するようにダイアフラム55を配置し、続いて、基板12の周囲の圧力を、貫通孔20の内部の圧力よりも高くする。貫通孔20の内部の圧力と、基板12の周囲の圧力との差は、好ましくは100kPa以上である。
続いて、図10に示すように、基材52,62を取り外した後、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bに電磁波又は荷電粒子線を、例えば光Lを照射する照射工程を実施する。照射工程では、図10に示すように、基板12上において貫通孔20の内部に充填された第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bの各々に光Lが照射される。光Lは、第1面13及び第2面14の法線方向に沿って照射される。すなわち、基板12の法線方向、すなわち第1面13及び第2面14の法線方向に沿って基板12を見た場合に、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bのうちの貫通孔20と重なる部分に、光Lが照射される。これによって、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bのうちの貫通孔20と重なる部分を硬化状態に移行させることができる。
続いて、図11に示すように、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bに現像液Dvを供給して、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bのうちの硬化されていない非硬化状態の部分を除去する除去工程を実施する。これによって、図12に示すように、基板12上に、第1面13及び第2面14の法線方向に沿って基板12を見た場合に、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bのうちの貫通孔20と重なる部分のみを残すことができる。すなわち、フォトリソグラフィー技術により、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bのうちの貫通孔20と重なる部分のみを現像することができる。
続いて、基板12の法線方向で貫通孔20と重なる第1樹脂材31Bの表面及び第2樹脂材32Bの表面の位置を調節するために、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bを熱硬化させる熱硬化工程を実施する。本実施形態では、図13に示すように、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bを焼成して熱Hを付与することにより、熱硬化させ、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bを熱収縮させる。焼成温度は、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bの硬化に適した温度であり、材料に応じて好適な値が変動する。例えば、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bがポリイミド樹脂を含む場合には、190℃以上220℃以下の範囲に焼成温度を設定して、所定の時間、例えば数時間にわたり焼成することが好ましい。
上述の実施形態においては、第1フィルム51及び第2フィルム61によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を、第1フィルム51及び第2フィルム61に加えることにより、第1樹脂材31B及び第2樹脂材32Bを貫通孔20に充填する例を示した。本変形例においては、液状の樹脂材33Bを貫通孔20に充填する例について説明する。
上述の実施形態においては、第1樹脂材31B或いは第1樹脂層31、第2樹脂材32B或いは第2樹脂層32等が露出している例を示した。本変形例においては、図15に示すように、第1樹脂材31Bが第1保護層91によって覆われ、第2樹脂材32Bが第2保護層92によって覆われた例について説明する。
図16に示すように、貫通電極基板10の第1面13側には、配線層100が設けられていてもよい。配線層100は、貫通電極基板10の第1配線25に接続された導電層101と、絶縁層102とを有する。図16に示すように、複数の配線層100が第1面13側に積層されていてもよい。
図17は、貫通電極基板10が搭載されることができる製品の例を示す図である。本発明の実施形態に係る貫通電極基板10は、様々な製品において利用され得る。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ110、タブレット端末120、携帯電話130、スマートフォン140、デジタルビデオカメラ150、デジタルカメラ160、デジタル時計170、サーバ180等に搭載される。
12…基板
13…第1面
14…第2面
20…貫通孔
22…貫通電極
25…第1配線
27…第2配線
30…充填部
31…第1樹脂層
31B…第1樹脂材
32…第2樹脂層
32B…第2樹脂材
33B…樹脂材
35…界面
41…フィルム
51…第1フィルム
61…第2フィルム
Claims (13)
- 有孔基板の製造方法であって、
第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板を準備する準備工程と、
少なくとも前記第1面側で前記貫通孔の内部及び外部に跨がるように樹脂材を位置付けて、前記貫通孔の内部に樹脂材を充填する充填工程と、
前記基板の法線方向に沿って前記基板を見た場合に、前記樹脂材のうちの前記貫通孔と重なる部分を硬化状態に移行又は維持させるように、前記基板に向けて電磁波又は荷電粒子線を照射する照射工程と、
前記樹脂材のうちの、前記照射工程で硬化状態に移行又は維持されていない非硬化状態の部分を除去する除去工程と、
前記樹脂材を熱硬化させる熱硬化工程と、を備える、製造方法。 - 前記充填工程は、
前記基板の前記貫通孔を、少なくとも前記第1面側から、前記樹脂材を含むフィルムで覆う工程と、
前記フィルムに、前記フィルムによって覆われた前記貫通孔の内部の圧力よりも高い圧力を加えることにより、前記フィルムを前記貫通孔の内部及び外部に跨がるように位置付けて、前記樹脂材を前記貫通孔の内部に押し込んで充填する工程と、を含む、請求項1に記載の製造方法。 - 前記充填工程は、前記フィルムの前記樹脂材を加熱する工程をさらに含む、請求項2に記載の製造方法。
- 前記充填工程は、加熱された押圧部材を介して、少なくとも前記第1面側の前記フィルムを前記基板の前記第1面に向けて押圧する工程をさらに含む、請求項2又は3に記載の製造方法。
- 前記樹脂材は、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記充填工程では、液状の前記樹脂材が少なくとも前記第1面上に塗布されることにより、少なくとも前記第1面側で前記貫通孔の内部及び外部に跨がるように前記樹脂材を位置付けて、前記貫通孔の内部に前記樹脂材を充填する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記準備工程において準備される前記基板の前記貫通孔の側壁には、貫通電極が設けられており、且つ、前記基板の少なくとも前記第1面には、前記貫通電極に接続され、前記第1面に位置する第1配線が設けられており、
前記熱硬化工程では、前記樹脂材のうちの前記貫通孔と重なる部分における少なくとも前記第1面側の表面と、これに隣接する前記第1面に位置する前記第1配線の表面とが、前記基板の面方向に沿って連なるように、前記樹脂材を硬化させる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記熱硬化工程では、前記基板の厚み方向における、前記樹脂材のうちの前記貫通孔と重なる部分における少なくとも前記第1面側の表面と、前記第1配線の表面との間の距離が5μm以下になるまで、前記樹脂材を硬化させる、請求項7に記載の製造方法。
- 第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板と、
前記基板の前記貫通孔に充填された樹脂材を含む充填部を備え、
前記充填部の少なくとも前記第1面側の表面は、凸又は凹のすり鉢状であり、中央部分の領域が平滑面を有している、有孔基板。 - 前記充填部は、前記樹脂材として、光重合開始剤を含んでいる、請求項9に記載の有孔基板。
- 前記充填部は、前記樹脂材として、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含む、請求項9又は10に記載の有孔基板。
- 前記基板の厚み方向における、前記充填部の少なくとも前記第1面側の表面と前記第1面との表面との位置の差が、10μm以下である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の有孔基板。
- 前記基板の前記貫通孔の側壁には、貫通電極が設けられており、且つ、前記基板の少なくとも前記第1面には、前記貫通電極に接続され、前記第1面に位置する第1配線が設けられており、
前記基板の厚み方向における、前記充填部の少なくとも前記第1面側の表面と前記第1配線との表面との位置の差が、10μm以下である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の有孔基板。
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