JP2018055758A - 研磨用組成物、およびこれを用いた研磨方法および磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、およびこれを用いた研磨方法および磁気ディスク用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面粗さの低減および高い研磨速度を実現する手段を提供する。【解決手段】砥粒を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる粒子径が20nm未満である砥粒aと20nm以上である砥粒bとに分類した際に、下記式1と式2で表されるU1とU2の合計であるUが1以上2.5未満であり、下記式3によって表されるVが30以上100未満である研磨用組成物。Aは研磨用組成物中の砥粒の含有量(g/L)の値、B1はTEM観察により求められる砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、B2はTEM観察により求められる砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、B3はTEM観察により求められる砥粒の最大粒子径(nm)の値、B4はTEM観察により求められる砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、Cは砥粒の真比重(g/cm3)の値【選択図】なし

Description

本発明は研磨用組成物、およびこれを用いた研磨方法および磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
磁気ディスク用基板等の研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物には、研磨後の表面粗さが小さいこと、および研磨速度が高いこと等が要求されている。
かかる要求に対して、砥粒(研磨剤)の粒子径に着目して粒子径や粒子径分布を制御することにより、これらの課題を解決する手段が検討されている。
例えば、特許文献1には、シリカ粒子の粒子径に対して小粒子径側からの累積体積頻度(%)をプロットして得られたシリカ粒子の粒子径対累積体積頻度グラフにおいて、粒子径40nm以上100nm以下の範囲で、累積体積頻度(%)が一定以上の値を満たすシリカ粒子を含有する研磨液組成物によって、表面粗さを低減しうることが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、研磨剤の粒子径分布において、小粒子径側からの積算粒子径分布(個数基準)が50%となる粒子径(D50)に対する小粒子径側からの積算粒子径分布(個数基準)が90%となる粒子径(D90)の比(D90/D50)が1.3以上3.0以下で、かつD50が10〜600nmである研磨液組成物によって、表面平滑性が向上し、かつ研磨速度が向上しうることが開示されている。
特開2004−204151号公報 特開2001−323254号公報
しかしながら、近年の磁気ディスクの高容量化、小径化に伴う記録密度の向上に伴い、磁気ディスク用基板の品質に対する要求レベルが向上しており、特許文献1または2の技術を用いた研磨用組成物においても、磁気ディスクとして十分な性能を得ることができないという問題が発生していた。
これらの特許文献においては、特定の粒子径分布を有する1種の砥粒や、2種以上の特定の砥粒を混合することで表面粗さの低減や表面欠陥の低減効果を得ることが開示されているが、特許文献1の技術においては、研磨速度は十分ではなかった。また、特許文献2の技術においては、研磨速度の改善効果は得られるものの、磁気ディスク用基板に要求される表面粗さの低減効果は十分ではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表面粗さの低減および高い研磨速度を実現しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を進めた。その結果、驚くべきことに、所定の粒度分布を有する砥粒を所定の関係を満たすよう含有させることで、表面粗さの低減および高い研磨速度を両立しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
砥粒と、分散媒とを含む、研磨用組成物であって、
前記砥粒を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる粒子径が0nm超20nm未満である砥粒aと、粒子径が20nm以上である砥粒bと、に分類した際に、
下記式1で表されるUと、下記式2で表されるUと、の合計であるUが1以上2.5未満であり、下記式3によって表されるVが30以上100未満である、研磨用組成物;
A :研磨用組成物中の砥粒の含有量(g/L)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の最大粒子径(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値
C:砥粒の真比重(g/cm)の値。
本発明によれば、表面粗さの低減および高い研磨速度を実現しうる手段が提供される。
以下、本発明の第一の形態である研磨用組成物、第二の形態である第一の形態の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む研磨方法、および第三の形態である第二の形態の研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法について、説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
<研磨用組成物>
本発明の第一形態の研磨用組成物は、砥粒と、分散媒とを含む、研磨用組成物であって、前記砥粒を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる粒子径が0nm超20nm未満である砥粒aと、粒子径が20nm以上である砥粒bと、に分類した際に、
下記式1で表されるUと、下記式2で表されるUと、の合計であるUが1以上2.5未満であり、下記式3によって表されるVが30以上100未満である、研磨用組成物;
A :研磨用組成物中の砥粒の含有量(g/L)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の最大粒子径(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値
C:砥粒の真比重(g/cm)の値。
本発明の一形態に係る研磨用組成物は、特に制限されないが、磁気ディスク用の研磨対象基板(半製品基板)を研磨するのに使用されることが好ましく、アルミニウム合金製の基材ディスク上にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク用基板用の研磨対象基板を研磨するのに使用されることが特に好ましい。また、本発明の一形態に係る研磨用組成物は、特に制限されないが、一次研磨を経た研磨対象基板を二次研磨または仕上げ研磨するのに使用される研磨用組成物であることが好ましい。
本発明者らは、本発明によって上記課題が解決されるメカニズムを以下のように推定している。
研磨用組成物は、一般に、基板表面を摩擦することによる物理的作用および砥粒以外の成分が基板の表面に与える化学的作用、ならびにこれらの組み合わせによって研磨対象物を研磨するものである。これにより、砥粒の種類は表面粗さに大きな影響を与えることとなる。たとえば特許文献1には、砥粒として一種のシリカ粒子の選択または二種以上のシリカ粒子の併用で粒子径分布を所望の範囲へと制御することが開示されているが、かかる技術は研磨速度が十分ではない。また、特許文献2には、砥粒として二種以上のシリカ粒子の併用で粒子径分布を所望の範囲へと制御することが開示されているが、表面粗さの低減効果が十分ではない。本発明者らは、特許文献1および2の技術によって課題が解決されない理由は、研磨用組成物に含まれる砥粒の組み合わせが、研磨パッドと研磨対象物とが形成する空間内に存在しうる砥粒の個数およびサイズ、ならびに研磨面の一定面積内に占める砥粒の面積の占有率が適切となるような関係を満たしていないからであると考えた。
一方、本発明の第一形態に係る研磨用組成物は、所定の粒度分布を有する砥粒を所定の関係を満たすように含有させることにより、研磨パッドと研磨対象物が形成する空間内に存在しうる砥粒の個数およびサイズ、ならびに研磨面の一定面積内に占める砥粒の面積の占有率を制御する。これにより、研磨用組成物は、砥粒による研磨対象物への圧力が好適に分散されることで加工精度が向上し、表面粗さの低減を行うことができる。さらに、相対的に小さなサイズの砥粒は、相対的に大きなサイズの砥粒と接触することで十分な転がり防止効果を得ることとなる。その結果、相対的に小さなサイズの砥粒は、研磨の際に、研磨対象物へと機械的力を十分に加えることができるようになり、研磨対象物の研磨速度をより向上させることができる。これらの結果から、本発明の第一形態に係る研磨用組成物は、近年の磁気ディスク用基板にて要求される性能を満たすレベルで表面粗さ低減効果を満たしつつ、高い研磨速度を得ることができる。
なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、第一の形態に係る研磨用組成物に含まれる各成分について説明する。
[砥粒]
研磨用組成物中の砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨する役割を担い、研磨速度の向上に寄与する。
砥粒は、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降性シリカのようなシリカ粒子であってもよいし、ジルコニア、アルミナ、セリアおよびチタニアのようなシリカ以外の粒子であってもよい。本発明の一形態に係る研磨用組成物に含まれる砥粒は、好ましくはコロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降性シリカなどのシリカ粒子であり、より好ましくはコロイダルシリカである。研磨用組成物に含まれる砥粒がシリカ粒子である場合、好ましくはコロイダルシリカである場合には、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面に発生する表面粗さがより低減される。なお、砥粒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができ、後述する砥粒aおよび砥粒bの種類は同じでもよいし異なっていてもよい。
研磨用組成物に含まれる砥粒の透過型電子顕微鏡(TEM)により求められる個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)は、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限されないが、10nm以上であることが好ましい。Bが10nm以上であると、研磨速度がより向上する。かかる理由は、砥粒が研磨対象物に与える機械的力が強くなり、研磨速度が向上すると考えられるからである。また、研磨パッドの目詰まりが発生する頻度が低下し、さらに研磨抵抗が低下し研磨機の振動が小さくすることができる。同様の観点から、Bは、15nm以上であることがより好ましい。また、研磨用組成物に含まれる砥粒の透過型電子顕微鏡(TEM)により求められる個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)は、50nm以下であることが好ましい。Bが50nm以下であると、表面粗さがより低減され、また、仕上げ後の表面粗さがより低減させる。同様の観点から、Bは、45nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、35nm以下であることが特に好ましい。
研磨用組成物に含まれる砥粒は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる粒子径が0nm超20nm未満である砥粒aと、粒子径が20nm以上である砥粒bと、に分類されるような粒度分布を有するものである。砥粒aと、砥粒bとの分類は、上記砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)の測定における透過型電子顕微鏡(TEM)観察の際に、個々の砥粒の粒子径を確認することで行うことができる。
研磨用組成物中の砥粒aの個数:研磨用組成物中の砥粒bの個数の比を、研磨用組成物中の砥粒aの個数:研磨用組成物中の砥粒bの個数=D:Dとして表すと、個数比は、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限されないが、D:D=10:1〜1:20であることが好ましく、D:D=5:1〜1:13であることがより好ましく、D:D=4:1〜1:7であることがさらに好ましい。
砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)は、特に制限されないが、研磨速度をより向上させるとの観点から、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
また、砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)は、特に制限されないが、表面粗さをより低減するとの観点から、50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。
およびBは、上記Bの測定における透過型電子顕微鏡(TEM)観察と同様にして、砥粒aおよび砥粒bのそれぞれについて、個数基準の積算50%粒子径D50を算出することにより求めることができる。
透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の最大粒子径B(nm)は、特に制限されないが、表面粗さをより低減するとの観点から、60nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
ここで、砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)は、透過型電子顕微鏡(TEM) 日立ハイテクノロジーズ株式会社製STEM(HD−2700)を用いて、100個以上200個以下の砥粒を観察可能な倍率で、10視野測定で、砥粒母数1000個以上の測定を行うことによって測定することから求めることができる。また、この測定によって、砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)、砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の最大粒子径B(nm)、研磨用組成物中の砥粒aの個数:研磨用組成物中の砥粒bの個数=D:Dについても、それぞれ求めることができる。ここで、個数基準の積算50%粒子径D50は、以下の手順により算出することができる。まず、画像解析ソフト(株式会社マウンテック製MacView(Ver.4))を用いて、TEM観察した砥粒形状を数値化してヘイウッド径(円相当径)を算出する。次いで、ヘイウッド径から、砥粒を、20nm未満(砥粒a)、20nm以上(砥粒b)へと分類する。そして、Bは分類する前の砥粒全体のD50%を算出し、BおよびBは、分類した各砥粒のD50%を算出すればよい。この際、砥粒aと砥粒bとの個数から、これらの比であるD:Dを求めることができる。また、ヘイウッド径から、Bを確認することができる。なお、これらの測定方法の詳細は実施例に記載する。
研磨用組成物中の砥粒の含有量A(g/L)は、本発明の効果が得られる範囲であれば、特に制限されないが、10g/L以上であることが好ましい。Aが10g/L以上であると、表面粗さが低減し、研磨速度がより向上する。かかる理由は、研磨対象物と研磨用組成物中の砥粒との接触が十分となり、機械的力が、表面粗さの低減および研磨速度の向上の実現に十分な強さとなると考えられるからである。さらに、上記範囲においては、研磨抵抗の増加を抑え研磨機の振動をより低減することができる。同様の観点から、Aは、40g/L以上であることがより好ましく、50g/L以上であることがさらに好ましく、60g/L以上であることが特に好ましい。また、研磨用組成物中の砥粒の含有量A(g/L)は、200g/L以下であることが好ましい。Aが200g/L以下であると、砥粒の凝集を抑制し、研磨用組成物中の沈殿の発生をより抑制することができる。同様の観点から、Aは、100g/L以下であることがより好ましく、80g/L以下であることがさらに好ましい。これより、Aの好ましい一例としては、10g/L以上200g/L以下である。なお、研磨用組成物中の砥粒の含有量A(g/L)は、研磨組成物を凍結した後、解凍した物を、遠心分離機にて、固液分離することで、上記研磨組成物の総質量に占める割合から求めることができる
砥粒は、下記式1で表されるUと、下記式2で表されるUと、の合計であるUが1以上2.5未満となるように、研磨用組成物中に含有される;
A :研磨用組成物中の砥粒の含有量(g/L)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の最大粒子径(nm)の値
C:砥粒の真比重(g/cm)の値。
およびUは、それぞれ、研磨時に、研磨パッドと研磨対象物との間に存在し、研磨に寄与しうる、所定体積における砥粒aおよび砥粒bの仮想個数を示す値であり、Uは、研磨時に、研磨パッドと研磨対象物との間に存在し、研磨に寄与しうる、所定体積における砥粒の仮想個数を示す値であると考えている。ここで、所定体積は、砥粒aについては、砥粒aと砥粒bとを分類する境界値である20nmが基準となり、また砥粒bについては、最大粒子径(nm)が基準となり、算出される体積であると考えている。
ここで、Uが1未満であると、表面粗さが大きくなる。かかる理由は、砥粒の数が減少することで、砥粒が研磨対象物に与える機械的力が弱くなり、表面粗さの低減効果が不十分となると考えられるからである。この観点から、Uは、1.1以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましい。一方、Uが2.5以上であると、研磨速度が小さくなる。かかる理由は、所定体積におけるシリカ粒子の個数が過剰に多くなると、シリカ1個にかかる研磨時の圧力が分散され、低下すると考えられるからである。この観点から、Uは、2.3以下であることが好ましい。
ここで、Uは0超1.8未満であることが好ましく、Uは0.5以上1.3未満であることが好ましい。
Uは、上述したB、B、B、A、DおよびD、ならびに砥粒の真比重C(g/cm)を用いて算出することができ、これらの値によって制御することができる。すなわち、Uは、研磨用組成物を調製するために用いられる砥粒の種類および含有量によって制御することができる。
また、砥粒は、上述したB(nm)、B(nm)およびB(nm)の値、ならびに上述したU、UおよびUの値を用いて、下記式3によって表されるVが30以上100未満となるように、研磨用組成物中に含有される;
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値。
なお、Vの詳細な算出方法は実施例に記載している。
これより、Vは、上述したB、BおよびB、ならびにU、UおよびUの値、すなわち、上述したB、BおよびB、B、A、DおよびD、ならびに砥粒の真比重C(g/cm)を用いて算出することができ、これらの値によって制御することができる。すなわち、Uは、研磨用組成物を調製するために用いられる砥粒の種類および含有量によって制御することができる。
上記式3中において、B/Uに係る部分は、研磨時に砥粒1個当たりにかかる圧力に関係すると考えられる。これは、粒子径が大きいほど、研磨時の圧力が大きくなると考えられることによる。
ここで、Vは、研磨時に砥粒1個当たりにかかる圧力の大きさと、研磨時に一定面積内で砥粒により研磨が発生する頻度との積を表すと考えられる。Vが30未満であると、研磨速度が小さくなる。研磨時に砥粒1個当たりにかかる圧力と、研磨時に一定面積内で砥粒により研磨が発生する頻度との積が過剰に小さくなり、研磨を効率的に行うことができなくなると考えられるからである。この観点から、Vは、35以上であることが好ましい。一方、Vが100以上であると、表面粗さが大きくなる。かかる理由は、研磨時に砥粒1個当たりにかかる圧力と、研磨時に一定面積内で砥粒により研磨が発生する頻度との積が過剰に大きくなり、均一な研磨が困難となると考えられるからである。この観点から、Vは、98以下であることが好ましい。
なお、砥粒として2種以上の粒子を組み合わせて用いる場合(たとえばアルミナ粒子とシリカ粒子とを組み合わせて用いる場合)は、透過型電子顕微鏡(TEM)で砥粒を観察する際に、各粒子からなる砥粒に仕分けをし、各砥粒の真比重を用いてUおよびVを算出すればよい。
[分散媒]
研磨用組成物は、分散媒(溶媒)を含む。分散媒は、各成分を分散または溶解させる機能を有する。分散媒としては、水を含むことが好ましく、水であることがより好ましい。また、分散媒は、各成分の分散または溶解のために、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。この場合、用いられる有機溶媒としては、水と混和する有機溶媒であるアセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。また、これらの有機溶媒を水と混合せずに用いて、各成分を分散または溶解した後に、水と混合してもよい。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
水としては、他の成分の作用を阻害するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後フィルターを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[酸]
研磨用組成物は、酸を含むことが好ましい。酸は、研磨対象物を化学的に研磨する役割を担い、研磨速度の向上に寄与する。
酸は無機酸または有機酸のどちらであってもよいが、無機酸を用いることが好ましい。
無機酸としては、特に制限されないが、例えばオルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ヘキサメタリン酸のようなリン酸であってもよいし、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸または硫酸であってもよい。その中でも、オルトリン酸、ポリリン酸、亜リン酸が好ましい。これらの中でも、研磨速度が大きく向上するとの観点から、オルトリン酸またはポリリン酸であることがより好ましく、オルトリン酸であることがさらに好ましい。
酸は有機酸であってもよく、特に制限されないが、炭素数が1〜10の有機カルボン酸、有機ホスホン酸または有機スルホン酸が好ましい。より具体的には、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、クロトン酸、ニコチン酸、酢酸、アジピン酸、ギ酸、シュウ酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(略称HEDP)またはメタンスルホン酸等が挙げられる。なお、酸は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
研磨用組成物中の酸の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましい。酸の含有量が0.01質量%以上であると、研磨速度がより向上する。同様の観点から、研磨用組成物中の酸の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、より好ましくは0.02質量%以上である。また、研磨用組成物中の酸の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、40質量%以下であることが好ましい。酸の含有量が40質量%以下であると、研磨用組成物の腐食作用をより低減させる。その結果、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに研磨対象物の表面の面荒れをより抑制することができる。同様の観点から、研磨用組成物中の酸の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下である。
[塩基性化合物]
研磨用組成物は、塩基性化合物をさらに含むことが好ましい。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって、これらのpH値を上昇させる機能を有する化合物を指す。
塩基性化合物は、特に制限されないが、例えば、アルカリ金属の水酸化物、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウムが挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物の具体例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
これらの中でも、アルカリ金属の水酸化物であることが好ましい。
塩基性化合物は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。
研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は、特に制限されず、後述の研磨用組成物が所望のpH値の範囲を有するように適宜調整することができる。
[酸化剤]
研磨用組成物は、酸化剤をさらに含むことが好ましい。酸化剤は、研磨対象物の表面を酸化する作用を有する。酸化剤によって研磨対象物の表面が酸化されると、砥粒による研磨対象物の機械的な研磨が促進され、その結果、研磨速度が向上する。
酸化剤としては、特に制限されないが、例えば、過酸化物、硝酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。これら酸化剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これらの中でも、研磨速度の向上および研磨用組成物の安定性の向上の観点から、少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。酸化剤の含有量が0.1質量%以上であると、研磨速度がより向上する。同様の観点から、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、より好ましくは0.3質量%以上である。また、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、5質量%以下であることが好ましい。酸化剤の含有量が5質量%以下であると、研磨用組成物の腐食作用をより低減させる。その結果、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに研磨対象物の表面の面荒れをより抑制することができる。同様の観点から、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、1質量%以下であることがより好ましい。
[水溶性高分子]
研磨組成物は、水溶性高分子をさらに含有させてもよい。水溶性高分子を含有させることにより、研磨後の面精度をより向上させうる。水溶性高分子の例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ酢酸ビニル、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、イソプレンスルホン酸とアクリル酸の共重合体、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ジアリルアミン塩酸塩二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン、キトサン塩類等が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子を含む態様の研磨組成物では、研磨液中における該水溶性高分子の含有量(複数の水溶性高分子を含む態様では、それらの合計含有量)は、特に制限されないが、例えば0.01g/L以上とすることが好ましい。上記含有量は、研磨後の研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)の表面平滑性等の観点から、より好ましくは0.05g/L以上、さらに好ましくは0.08g/L以上、特に好ましくは0.1g/L以上である。また、研磨レート等の観点から、上記含有量は、10g/L以下とすることが好ましく、より好ましくは5g/L以下、さらに好ましくは1g/L以下である。
[その他の添加剤]
本発明の一形態に係る研磨用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて防腐剤、防カビ剤、防食剤、消泡剤、キレート剤等をさらに含んでいてもよい。例えば、防腐剤および防カビ剤としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、およびフェノキシエタノール等が挙げられるが、これらに制限されない。これら防腐剤、防カビ剤、防食剤、消泡剤、キレート剤等は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
[研磨用組成物のpH値]
本発明の一形態に係る研磨用組成物のpH値は、特に限定されないが、研磨速度や表面粗さ低減の観点から、pH値は7以下が好ましく、5以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましく、3以下であることが特に好ましく、2以下が最も好ましい。また、pH値は、研磨速度、表面欠陥の観点から、1以上であることが好ましい。これより、好ましいpH値の一例としては、例えば1以上4以下が挙げられる。
pHを調整する場合は、pH調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤としては、特に制限されず、上記で説明した酸や塩基性化合物を使用することができる。上記pH値は、例えば、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク用基板用の研磨対象物の研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用できる。
<研磨方法>
本発明の第二形態は、第一形態に係る研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨方法に関する。ここで、本発明の第二形態は、第一形態に係る研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む、磁気ディスク用の研磨対象基板の研磨方法に関するものであることが好ましい。さらに、本発明は、第二形態に係る研磨方法を用いて、磁気ディスク用の研磨対象基板を研磨することを含む、磁気ディスク用基板の製造方法にも関する。
以下に、本発明の一形態に係る研磨方法について説明する。ただし、本発明の第二形態に係る研磨方法はこれに限定されるものではない。
本発明の第一形態に係る研磨用組成物は、例えば磁気ディスク用基板用の研磨対象基板の研磨で通常用いられる装置および条件で使用することができる。片面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨パッドを貼付した定盤を研磨対象物の片面に押しつけた状態で、研磨用組成物を研磨対象物に対して供給しながら定盤を回転させることにより研磨対象物の片面を研磨する。両面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨パッドをそれぞれ貼付した上下の定盤を研磨対象物の両面に押しつけた状態で、上方から研磨対象物に対して研磨用組成物を供給しながら、2つの定盤を互いに反対方向に回転させることにより研磨対象物の両面を研磨する。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物中の砥粒が研磨対象物の表面に摩擦することによる物理的作用と、研磨用組成物中の砥粒以外の成分が研磨対象物の表面に与える化学的作用とによって研磨対象物の表面は研磨される。
研磨時の荷重、すなわち研磨荷重を高くするほど、研磨速度が上昇する。研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨するときの研磨荷重は特に限定されないが、研磨対象物表面の面積1cm当たり30g以上200g以下であることが好ましく、60g以上150g以下であることがより好ましい。研磨荷重が上記範囲内である場合には、実用上十分な研磨速度が得られると同時に、研磨後に表面欠陥の少ない研磨対象物を得ることができる。
研磨時の線速度、すなわち基板に対する研磨パッドとの相対線速度は一般に、研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、研磨対象物の大きさ、研磨パッドの面積等のパラメータの影響を受ける。基板に対する研磨パッドとの相対線速度が大きくなるほど、研磨対象物に加わる摩擦熱が大きくなるために、研磨用組成物による化学的な研磨作用が強まることもある。ただし、基板に対する研磨パッドとの相対線速度が大きすぎると、遠心力により研磨パッド上のスラリーが外周部から排出され、研磨速度の低下や研磨機の振動をきたすことがある。研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨するときのMD(研磨定盤の内周と外周の中央の位置)の線速度は特に限定されないが、300mm/秒以上1400mm/秒以下であることが好ましく、500mm/秒以上1000mm/秒以下であることがより好ましい。線速度が上記範囲内である場合には、実用上十分な研磨速度を得ることが容易である。
研磨時の定盤回転数、およびキャリア回転数は、上記相対線速度を得るために任意に調整すればよい。
研磨装置に対する研磨用組成物の供給速度は、研磨する研磨対象物等の研磨対象物の種類や、研磨装置の種類、研磨条件によって適宜に設定される。ただし、研磨対象物の研磨面および研磨パッドの全体に対してむらなく研磨用組成物が供給されるのに十分な速度であることが好ましい。
研磨対象物を研磨するときに使用される研磨パッドとしては、例えば、一般的な不織布、スウェード、ポリウレタン、フッ素樹脂等の多孔質体を特に制限なく使用することができる。また、砥粒を含むものであっても、砥粒を含まないものであってもよい。研磨パッドには、研磨用組成物が溜まるような溝加工が施されていてもよいが、二次研磨または仕上げ研磨に用いる際には、溝加工が施されていないものであることが好ましい。研磨パッドの硬度および厚みは、特に制限されない。研磨パッドとしては、例えば、スウェードノンバフタイプのものを好ましく使用することができる。
研磨方法が適用される研磨対象物の種類は、特に制限されないが、例えば、高精度な表面が要求される基板の研磨対象基板(半製品基板)であることが好ましく、磁気ディスク用の研磨対象基板であることがより好ましい。磁気ディスク用の研磨対象基板としては、例えば、基材ディスクが、アルミニウム合金製またはガラス製であり、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層、またはニッケルリンめっき層以外の金属層もしくは金属化合物層を備えた磁気ディスク用基板用の研磨対象基板等が挙げられる。これらの中でも、磁気ディスク用の研磨対象基板としては、アルミニウム合金製の基材ディスク上にニッケルリンめっき層を有する基板であることが特に好ましい。
また、研磨方法の用途は、特に制限されないが、例えば、Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000 WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))が100Å〜300Å程度の磁気ディスク用の研磨対象基板を一次研磨して10Å以下の表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))に調整する用途、または一次研磨を経た磁気ディスク用の研磨対象基板をさらに研磨(二次研磨または仕上げ)する用途が好ましく、一次研磨を経た磁気ディスク用の研磨対象基板をさらに研磨(二次研磨または仕上げ研磨)する用途がより好ましく、仕上げ研磨する用途がさらに好ましい。なお、仕上げ研磨とは、複数の研磨工程がある場合、最後の研磨工程を指す。
<磁気ディスク用基板の製造方法>
前述のように、本発明の一形態に係る研磨方法において、研磨対象物の種類としては、磁気ディスク用の研磨対象基板であることが好ましい。したがって、本発明の第三形態は、第二形態に係る研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法に関する。ここで、研磨対象物である磁気ディスク用の研磨対象基板の種類、用途、および製造される磁気ディスク用基板の好ましい態様は、前述の研磨方法と同様である。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<砥粒であるシリカ粒子の評価>
[各シリカ粒子の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)]
研磨用組成物の調製に用いた各シリカ粒子の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)は、シリカ粒子単体を、下記条件で透過型電子顕微鏡(TEM)観察し、解析した画像に基づき算出した。各シリカ粒子の特徴を、下記表1にまとめる。
(透過型電子顕微鏡(TEM)観察)
装置名:日立ハイテクノロジーズ株式会社製STEM(HD−2700)
測定方法・倍率・観察面積:100個以上200個以下のシリカ粒子を観察可能な倍率で10視野測定(470nm×630nm区画内、×200K、10視野測定、シリカ母数1000個以上測定)
D50算出方法:
I:画像解析ソフト(株式会社マウンテック製MacView(Ver.4))で、TEM観察したシリカ形状を数値化、
II:ヘイウッド径(円相当径)を算出、
シリカ粒子全体のD50%を算出。
<研磨用組成物の調製>
オルトリン酸を1.5質量%を含有する水溶液を調製した。そして、水97.2質量部に前記調製した水溶液2.4質量部を添加、混合し、次いで酸化剤である濃度31質量%の過酸化水素水を0.4質量部添加、混合した。その後、さらに下記表1に記載のような種類および含有量となるように各シリカ粒子を混合し、下記表1に記載のpHとなるように塩基性化合物を混合することにより、実施例1〜4および比較例1〜3の研磨用組成物を調製した。各研磨用組成物の特徴を表1にまとめる。
<研磨工程>
上記調製した研磨用組成物を用いて、以下の研磨条件にて磁気ディスク用の研磨対象物を研磨することで、磁気ディスク用基板を製造した。
(研磨条件)
研磨対象基板:表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えた直径3.5インチ(約95mm)、厚さ1.27mmのハードディスク用アルミニウム基板を、Schmitt Measurement System社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))の値が6Åとなるように予備研磨したもの
研磨機:SPEEDFAM社製 両面研磨機9B−5P、
研磨パッド:スウェードノンバフタイプ、
研磨条件:1バッチ8枚、計3バッチ研磨、
研磨荷重:120g/cm
下定盤回転数:50rpm、
相対線速度(MD(研磨パッド中央部)の基板の研磨パッドに対する相対線速度):800mm/秒、
研磨用組成物の供給速度:90mL/分。
<研磨用組成物の評価>
(1)シリカ粒子の個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)の算出
研磨用組成物に含まれるシリカ粒子の個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)を、研磨用組成物を、下記条件で透過型電子顕微鏡(TEM)観察し、解析した画像に基づき算出した。
ここで、観察された各シリカ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察による粒子径が0nm超20nm未満であるシリカ粒子a(砥粒a)と、粒子径が20nm以上であるシリカ粒子B(砥粒b)と、に分類した。また、このとき、シリカ粒子の最大粒子径(nm)B(nm)を確認した。
そして、各シリカ粒子aの粒子径より、シリカ粒子aの個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)を、また各シリカ粒子bの粒子径より、シリカ粒子bの個数基準の積算50%粒子径D50 B(nm)を、それぞれ算出した。
(透過型電子顕微鏡(TEM)観察)
装置名:日立ハイテクノロジーズ株式会社製STEM(HD−2700)、
測定方法・倍率・観察面積:100個以上200個以下のシリカ粒子を観察可能な倍率で10視野測定(470nm×630nm区画内、×200K、10視野測定、シリカ母数1000個以上測定)、
D50算出方法:
I:画像解析ソフト(株式会社マウンテック製MacView(Ver.4))で、TEM観察したシリカ形状を数値化、
II:ヘイウッド径(円相当径)を算出、
III:ヘイウッド径から、20nm未満(シリカ粒子a)、20nm以上(シリカ粒子b)に分類、
:分類する前のシリカ粒子全体のD50%を算出、
およびB:上記IIIで分類した範囲毎のD50%を算出。
(2)研磨用組成物に含まれるシリカ粒子aと、研磨用組成物に含まれるシリカ粒子bとの個数の比D:Dの確認
上記(1)において、シリカ粒子を分類する際に、シリカ粒子中に含まれる、シリカ粒子aの個数とシリカ粒子bの個数との比として、シリカ粒子aの個数:シリカ粒子bの個数=D1:D2を確認した。
(3)UおよびUの算出
シリカ粒子の含有量A、シリカ粒子の真比重Cならび上記(1)で算出したB(nm)、B(nm)およびB(nm)の値、上記(1)で確認したB(nm)の値を用いて、下記式1に従いUの値を、下記式2に従いUの値をそれぞれ算出した。
A :研磨用組成物中のシリカ粒子の含有量(g/L)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められるシリカ粒子aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められるシリカ粒子bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められるシリカ粒子の最大粒子径(nm)の値
C:シリカ粒子の真比重(g/cm)の値。
上記計算においては、Cはシリカの真比重である2.2(g/cm)を用いた。
(4)Uの算出
上記(3)でそれぞれ算出したUの値およびUの値を合計して、Uの値を算出した。
(5)Vの算出
上記(1)で算出したB(nm)、B(nm)およびB(nm)の値、上記(3)で算出したUおよびUの値、ならびに上記(4)で算出したUの値を用いて、下記式3に従いVを算出した;
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められるシリカ粒子aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められるシリカ粒子bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
:透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められるシリカ粒子の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値。
[研磨速度]
上記研磨工程において、各研磨用組成物を用いた際のそれぞれの研磨速度を下記計算式により求めた。それぞれの研磨用組成物において、1バッチ8枚、計3バッチの合計24枚を研磨し、各バッチから任意に3枚選択した9枚の基板に対して研磨速度の評価を行い、その平均値を各研磨用組成物の結果とした。
上記で求めた研磨速度を、以下の基準にて評価した:
○:研磨速度が0.13μm/分以上である、
△:研磨速度が0.12μm/分以上、0.13μm/分未満である、
×:研磨速度が0.12μm/分未満である。
[表面粗さ(AFM Ra)]
上記研磨工程で製造した各磁気ディスク用基板について、下記の原子間力顕微鏡(AFM)を用い、下記の測定条件にて各磁気ディスク用基板の中心部2か所を測定し、中心線平均粗さRaを求めた。
(測定装置、条件)
装置:BRUKER製 AFM Nanoscope V(D3100)
Area:1×1μm
Scan rate:1.5Hz
Cantilever:Tap−150G。
上記で求めた中心線平均粗さRaを、以下の基準にて評価した:
○:中心線平均粗さRaが1.6Å未満、
△:中心線平均粗さRaが1.6Å以上、1.8Å未満
×:中心線平均粗さRaが1.8Å以上。
研磨用組成物中の研磨速度、表面粗さ(AFM Ra)の評価結果を下記表4に示す。
表4に示すように、実施例1〜5および比較例1〜3の比較によって、本発明の研磨用組成物によって、研磨用組成物によって、表面粗さの低減および高い研磨速度が共に達成されることが確認された。

Claims (7)

  1. 砥粒と、分散媒とを含む、研磨用組成物であって、
    前記砥粒を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる粒子径が0nm超20nm未満である砥粒aと、粒子径が20nm以上である砥粒bと、に分類した際に、
    下記式1で表されるUと、下記式2で表されるUと、の合計であるUが1以上2.5未満であり、下記式3によって表されるVが30以上100未満である、研磨用組成物;
    A :前記研磨用組成物中の前記砥粒の含有量(g/L)の値、
    :透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる前記砥粒aの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
    :透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる前記砥粒bの個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値、
    :透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる前記砥粒の最大粒子径(nm)の値、
    :透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求められる前記砥粒の個数基準の積算50%粒子径D50(nm)の値
    C:前記砥粒の真比重(g/cm)の値。
  2. 前記砥粒は、10g/L以上200g/L以下の含有量である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記砥粒がシリカ粒子である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. pH値が1以上4以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 磁気ディスク用の研磨対象基板を研磨するのに使用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む、磁気ディスク用基板の研磨方法。
  7. 請求項6に記載の研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法。
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