JP2018053399A - スパンボンド不織布 - Google Patents
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Abstract
本発明は、柔軟で高い強度を有し、かつ耐摩耗性に優れるスパンボンド不織布を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のスパンボンド不織布は、ポリプロピレン系樹脂を含有する第一成分と、ポリエチレン系樹脂を含有する第二成分とからなる複合長繊維であって、繊維長さ方向に対して垂直な断面が前記第一成分からなる領域と前記第二成分からなる領域からなり、前記断面において、前記第一成分からなる領域と前記第二成分からなる領域の少なくともいずれかが二個以上に分割され、かつ、前記第一成分からなる領域と前記第二成分からなる領域の両方を少なくとも一個ずつ含む三個以上の領域がその外周の一部を前記断面の外周と共有する複合長繊維からなるスパンボンド不織布であって、繊維径8.0μm未満の繊維本数割合が10%以下であり、目付当たりのシート強度が1.5N/5cm以上である。
【選択図】図1
Description
得られた不織布の断面を任意の位置にて剃刀刃で切断し試験片を作成した。走査型電子顕微鏡で500倍の写真を撮影し、任意の100本の繊維の断面の面積を測定した。測定した断面積を、丸形断面形状を有する繊維の断面積とみなし、下記式にて繊維径を算出した。算出した100本の繊維径の平均値を算出し、小数点以下第二位を四捨五入して平均繊維径とした。
上記(1)にて測定した100本の繊維のうち、8.0μm未満の繊維の本数の割合を下記式にて算出し、繊維径8.0μm未満の繊維本数割合とした。
=8.0μm未満の繊維本数/100本×100。
JIS L1913(2010年)の6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
JIS L1913(2010年)の6.3.1に準じ、サンプルサイズ5cm×30cm、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minの条件で3点の引張試験を行い、サンプルが破断した時の強度を引張強度(N/5cm)とし、平均値について小数点以下第二位を四捨五入して算出した。続いて、算出した引張強度(N/5cm)を、上記(3)で求めた目付(g/m2)から、次の式より小数点以下第二位を四捨五入して単位目付当たりの引張強度を算出した。
JIS L0849(2013年)に記載に規定される学振型摩擦試験に準拠して、乾燥白綿布をかぶせた摩擦子を用い摩擦回数100往復にて摩擦させ、不織布表面の毛羽立ち、磨耗状態を下記の基準で目視判定にて評価した(n=5の平均値)。
JIS L1913(2010年)の6.7.3に準拠して、幅25mm×150mmの試験片を5枚採取し、45°の斜面をもつ水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置いた。手動により試験片を斜面の方向に滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したとき他端の位置の移動長さをスケールによって読んだ。5枚の裏表について測定し平均値を算出した。
第一成分として、MFRが35g/10分(荷重;2160g、温度;230℃)、融点が162℃であるポリプロピレン樹脂を、第二成分としてMFRが18g/10分(荷重;2160g、温度;190℃)、融点が130℃であるポリエチレン樹脂(HDPE)を、それぞれ別の押出機で溶融し、各成分の質量比が50:50となるように計量し、紡糸温度245℃で、孔径φ0.3mmの紡糸用口金から単孔吐出量0.6g/分で、図1(a)に示された2成分が交互に隣接する断面形状の複合長繊維を紡出した。紡出した複合長繊維をエジェクターに通し、紡速3600m/minでエジェクターから噴射させ、糸条を牽引、延伸し、移動するネット上に捕集して不織ウェブ化した。引き続き、金属製の水玉柄の彫刻がなされた上ロールおよび金属製でフラットな下ロールから構成される上下一対の接着面積10%のエンボスロールを用いて、線圧20kgf/cm、熱接着温度125℃で熱接着処理し、目付20g/m2のスパンボンド不織布を得た。得られた不織布について平均繊維径、繊維径8.0μm未満の繊維本数割合、目付、目付当たりの引張強度、耐摩耗性、剛軟度を測定して評価した。結果を表1に示す。
エンボスロールの線圧を70kgf/cmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、スパンボンド不織布を得た。評価結果を表1に示す。
第一成分、第二成分の両方に、MFRが18g/10分(荷重;2160g、温度;190℃)のポリエチレン樹脂(HDPE)を使用し、紡糸温度215℃としたこと以外は実施例1と同様にしてスパンボンド不織布を得た。評価結果を表1に示す。
2 第二成分からなる領域
3 空洞部
Claims (3)
- ポリプロピレン系樹脂を含有する第一成分と、ポリエチレン系樹脂を含有する第二成分とからなる複合長繊維であって、繊維長さ方向に対して垂直な断面が前記第一成分からなる領域と前記第二成分からなる領域からなり、前記断面において、前記第一成分からなる領域と前記第二成分からなる領域の少なくともいずれかが二個以上に分割され、かつ、前記第一成分からなる領域と前記第二成分からなる領域の両方を少なくとも一個ずつ含む三個以上の領域がその外周の一部を前記断面の外周と共有する複合長繊維からなるスパンボンド不織布であって、繊維径8.0μm未満の繊維本数割合が10%以下であり、目付当たりのシート強度が1.5N/5cm以上である、スパンボンド不織布。
- 前記複合長繊維の平均繊維径が8.0〜21.0μmである、請求項1に記載のスパンボンド不織布。
- 耐摩耗等級が3級以上である、請求項1または2に記載のスパンボンド不織布。
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