JP2018053346A - 一方向性電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラス皮膜の構造を制御し、付与張力と密着性を両立した一方向性電磁鋼板とその製造方法の提供。
【解決手段】脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のP(H2O)/P(H2):0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、750℃以上での滞在時間≦5秒とし、引き続き脱炭焼鈍を雰囲気のP(H2O)/P(H2):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜900℃、最高温度到達後のY-30d℃〜Y-85℃での滞留時間≧10秒で実施し、焼鈍分離剤の水分量について、焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa:40〜80%かつ(仕上げ焼鈍直前の水分量Wb)/(焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa)<0.03とする処理を行い、絶縁皮膜と母鋼板の間に形成されたグラス皮膜の断面でのボイド面積率20%以下とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、皮膜密着性を改善した一方向性電磁鋼板及び当該一方向性電磁鋼板を得るための製造方法に関する。
通常、一方向性電磁鋼板の表面には2層の皮膜を形成し、鋼板に張力を付与することで単板としての磁気特性を改善するとともに積層して磁気部材を構成する際の鋼板間の絶縁性を高めて部材の磁気効率を高めている。皮膜の内、母鋼板側のいわば下地皮膜となるグラス皮膜はフォルステライトを主体とする酸化物であり、これ自身が張力付与や絶縁性に寄与するが、上層の絶縁皮膜の密着性を確保するという重要な役割を持つ。このグラス皮膜に関しては、特に凹凸、根、皮膜厚さといったグラス皮膜の形成状態の構造が密着性と密接に関係していることが知られている。
また、製品が海外の需要家へ納入される場合、温度や湿度など鋼板にとって過酷な輸送環境下に長期間保管されることが多い。そのため錆などが発生し、外観のみならず製品磁性への影響が懸念されている。これは皮膜の密着性が低く、製品板の取り扱いにおいて皮膜に発生するわずかなクラックなどが原因であり、皮膜の緻密さや均一性など、水分の透過に対する湿潤環境からの保護膜としての機能が重要となる。
グラス皮膜に関する既存技術としては、例えば特許文献1(特開昭62−156226号公報)では、高温焼成したMgOの最表層のみを気相中で処理することにより水和層を形成して、MgOの反応性を高め、含有水分を減少させることで、絶縁性を向上させるという技術開示がなされている。
しかし、これらの従来技術では、張力(磁気特性)、密着性の両立において改善の余地がある。
一方で、磁束密度を向上させるため、鋼板素材となる鋼スラブに、Se、Bi、B、Nb、V、Mo、Cu、Ni、Cr、Sn、Sb、As、P、Te、Pb、Geなどを添加し、二次再結晶を制御する特許文献2〜4などの技術が知られている。これらの元素の一部については、添加により皮膜の良好な形成が阻害され、密着性や耐錆性が低下することが指摘されており、十分に実用化されているとは言い難い。このような問題に対し、Li、Sr、Na、K、Ca、Ti、Ba、Zrなどを含有する特殊な焼鈍分離剤を用いることでグラス皮膜を緻密化する技術が特許文献5〜7で開示されている。また焼鈍分離剤を塗布する前の脱炭焼鈍において加熱雰囲気を制御し皮膜欠陥を防止する技術が、特許文献8〜11で開示されている。しかし、これら技術の効果は十分とは言えず、さらなる改善が望まれている。
特開昭62−156226号公報 特開2015−175036号公報 特許第5739840号公報 特許第4402961号公報 特開2006−144042号公報 特許第4192822号公報 特許第4569281号公報 特許第4259037号公報 特許第3387914号公報 特開2000−204450号公報 特許第3839924号公報
本発明は、グラス皮膜の構造を制御し、付与張力と密着性を両立した一方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は様々な元素を添加した鋼材について、製造プロセスと皮膜特性の関連を検討した。その結果、二次再結晶への好影響と皮膜特性への悪影響が指摘されている各種元素のうち、特にBi、Te、Sb、Sn、Seを添加した場合には、皮膜特性の劣化が特に顕著であり、これらを添加した材料においても熱処理条件との関連において、脱炭焼鈍の前処理として高露点で短時間の熱処理を行い、焼鈍分離剤の塗布〜乾燥過程での条件を適切に制御した場合には、上記皮膜特性の劣化が回避されることを知見した。この時、同時にグラス皮膜中に存在するボイドの量が変化することを確認した。
この熱処理を工業的に実施する手段を検討し、脱炭焼鈍の昇温を高露点、急速加熱し、さらに脱炭初期を低露点、短時間だけ高温で実施し、塗布する焼鈍分離剤の水分量を制御することで、同等の効果が得られることを確認した。また、Bi、Te、Sb、Sn、Seが低融点金属であることに注目し、他の低融点金属として、Al、Zn、K、Cd、Ga、Po、Li、Rb、Na、Tl、Pbなどの低融点金属について、皮膜形成への効果を確認したところ、同様の効果が得られた。
以上の知見に基づき、本発明を完成した。具体的には以下のものである。
(1)
絶縁皮膜と母鋼板の間に形成されたグラス皮膜の断面でのボイド面積率が20%以下であることを特徴とする、一方向性電磁鋼板。
(2)
前記グラス皮膜の断面での内のボイドが、平均の円相当径≦10μm、ボイド個数密度≦50個/mm2であることを特徴とする、(1)に記載の一方向性電磁鋼板。
(3)
前記グラス皮膜内に、Bi、Te、Sb、Sn、Se、Al、Zn、K、Cd、Ga、Po、Li、Rb、Na、Tl、Pbのうちの一種以上の元素の合計濃度が、5at%以上である領域が存在することを特徴とする、(1)または(2)に記載の一方向性電磁鋼板。
(4)
前記グラス皮膜内のボイドの表面において、Bi、Te、Sb、Sn、Se、Al、Zn、K、Cd、Ga、Po、Li、Rb、Na、Tl、Pbのうちの一種以上の元素の合計濃度が、5at%以上であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の一方向性電磁鋼板。
(5)
鋼スラブを熱延し、最終製品厚まで冷延し、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍し、絶縁皮膜処理して製造される一方向性電磁鋼板の製造プロセスにおいて、脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のP(H2O)/P(H2):0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、750℃以上での滞在時間≦5秒として、引き続き、脱炭焼鈍を、雰囲気のP(H2O)/P(H2):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜900℃、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒で実施し、焼鈍分離剤の水分量について、焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa:40%以上80%以下、かつ(仕上げ焼鈍直前の水分量Wb)/(焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa)<0.03とすることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法。
(6)
焼鈍分離剤の塗布後、仕上げ焼鈍開始までに、加熱速度:5〜50℃/s、乾燥温度:100〜300℃の乾燥を実施することを特徴とする、(5)に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、緻密で均一なグラス皮膜を有する、付与張力と密着性を両立した一方向性電磁鋼板及びその製造方法が得られる。
グラス皮膜組織を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(グラス皮膜の特徴)
本発明鋼板の観察事例として、従来例と本発明例における絶縁被膜形成前の仕上げ焼鈍板での断面組織の観察例を図1(右図が従来例、左図が本発明例)に示す。図1の左図(本発明例)が、(P(H2O)/P(H2)が0.7、加熱速度が180℃/s(高露点、急速加熱)で実施した脱炭板に焼鈍分離剤を塗布して乾燥を行い、さらに仕上焼鈍を実施した後の鋼板の断面組織である。図1の右図(比較例)が、(P(H2O)/P(H2)が0.3、加熱速度が50℃/s(低露点、低速加熱)で実施した脱炭板に焼鈍分離剤を塗布して乾燥を行い、さらに仕上焼鈍を実施した後の鋼板の断面組織である。仕上げ焼鈍板の表面は、脱炭焼鈍で形成されていたSiO2主体の酸化物と、塗布した焼鈍分離剤中に含有されていたMgOが反応して形成されたグラス皮膜で覆われている。グラス皮膜の中にはボイドが観察されるが、本発明例においては従来例に比較して、その発生が明らかに抑制されている。
詳細は不明であるが、このようなグラス皮膜のボイドは仕上焼鈍中にBiなどの元素が鋼板と表面酸化膜の界面に濃化し、低融点金属の酸化物または金属相を形成するため発生するものと考えられる。これらの元素は被膜形成後の純化焼鈍でガス化し系外へ排出されるが、この低融点元素の濃化部の跡がボイドとして残存することになる。この結果、グラス皮膜が破壊しやすくなり、密着性が劣化する。
またボイドの形成に、脱炭焼鈍での特に加熱過程の条件や、焼鈍分離剤の塗布および熱処理初期(乾燥)条件が影響する理由も明確ではないが、以下のように考えている。脱炭焼鈍については酸化初期において高露点雰囲気中で急速に加熱することで、フォルステライトの核となるSiO2の形態を微細かつ複雑化し、その後の仕上焼鈍においてSiO2を核とするフォルステライト組織が微細かつ緻密となり、前記濃化領域も微細に分散するものと考えられる。
また、焼鈍分離剤については、塗布条件を好ましく制御すると、低融点酸化物が微細に分散し仕上げ焼鈍中に速やかに分解するとともに、さらにフォルステライトを形成するSi、Al、Oの酸化物形成が遅れるため、仕上焼鈍中にこれらの酸化が微細なボイドを埋める形で起きるようになり、結果として、グラス皮膜のボイドが少なくなるものと思われる。
そして、このような緻密なグラス皮膜であれば、付与張力も大きく磁気特性向上に寄与するばかりでなく、グラス皮膜の母鋼板への密着性が高く、その上に塗布される絶縁皮膜の密着性も向上するため高い張力を発生させる絶縁皮膜の塗布が可能となり、さらに皮膜のクラックなどの欠陥発生を回避するとともに、水分の透過を抑制することで耐錆性も良好なものとなるのである。
本発明では、製品板(一方向性電磁鋼板)としては絶縁皮膜と母鋼板の間に形成されたグラス皮膜の断面でのボイド面積率が20%以下であること特徴とする。
ここでグラス皮膜は、例えば、フォルステライト(MgSiO)、スピネル(MgAl)、または、コーディエライト(MgAlSi16)などの複合酸化物によって構成されている。詳細は後述するが、グラス皮膜は、一方向性電磁鋼板の製造プロセスの1つである仕上げ焼鈍工程において、鋼板に焼き付きが発生することを防止するために形成された皮膜である。
製品においてはこのグラス皮膜がさらに上層に形成される絶縁皮膜と母鋼板の間に存在する形態となる。この構成自体は特に本発明で新たに規定されるものではなく一般的な構成である。
絶縁皮膜は、例えば、コロイダルシリカ及びリン酸塩を含有し、電気的絶縁性だけでなく、張力、耐食性及び耐熱性等を鋼板に与える役割を担っている。これも本発明で特に限定するものでなく公知の絶縁皮膜であればよい。
本発明で特に重要となるのはグラス皮膜内のボイドの制御である。本発明ではグラス皮膜の断面でのボイド面積率が20%以下とする。好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。本発明ではグラス皮膜の緻密さ、均一さを高めることで、グラス皮膜の不用意な破壊が回避され、張力、密着性が向上していると考えられるため、ボイドは少ないほど好ましく、0%であることが最も好ましいことは言うまでもない。一方で鋼板の素材に低融点金属を所定の量以上に添加すると、その元素が仕上げ焼鈍中にグラス皮膜中に濃化することは、実用的な雰囲気制御や加熱速度制では完全に避けることは困難であるため、不可避的な意味での実用的な下限は0.1%程度となる。
また、本発明におけるボイドとは、円相当径0.1μm以上のものをいう。円相当径が0.1μm未満であるような小さいボイドは密着性の低下への影響が少ないため無視できるためである。ただし、円相当径の平均値は10μm以下が望ましい。ボイド個数密度は50個/mm2以下が望ましい。また、分離剤中のMgO径が0.01〜2μmの範囲内である時、さらに本発明の好ましい範囲となる。
ここで、グラス皮膜組織は、一方向性電磁鋼板(製品板)について、断面のグラス皮膜をSEMにて観察する。
ボイドの平均直径は、連続する100μmの領域を5カ所(計500μm)を観察し、そのSEM画像でボイド領域をトレースする画像処理により、面積換算で円相当径として求める。
また、ボイドの個数密度は、上記観察において、トレースされたボイド領域を計数して求める。なお、上記観察は、グラス皮膜の内部に設けられた断面で行う。グラス皮膜の内部であれば、上記観察は、グラス皮膜を板厚に垂直な断面で実施してもよいし、板厚に平行な断面で実施してもよい。板厚断面で観察する場合、一般的にグラス皮膜の厚さは1μm程度であり、厚さ方向の境界も平坦ではないため、連続する観察領域を等方的な領域とすることは困難であり、鋼板表面に延在する方向で相当の長さにわたる細長い観察領域となることを注記しておく。また、板圧に垂直な断面で実施した場合には、グラス皮膜と母鋼板の界面の凹凸が激しい場合には、観察する等方的な領域内に母鋼板の断面が現れることがある。この場合は、母鋼板断面となった領域は、観察面積からは除外し、グラス皮膜領域の観察面積中のボイド個数を計数すべきである。
鋼板表面は、脱炭焼鈍で形成されていたSiO2主体の酸化物と、塗布した焼鈍分離剤に主に含有されているMgOが反応して形成されるグラス皮膜で覆われている。そのグラス皮膜内にBi、Te、Sb、Sn、Se、Al、Zn、K、Cd、Ga、Po、Li、Rb、Na、Tl、Pbのうちの一種以上の元素の合計濃度が、濃化する領域が存在すると、後工程の二次再結晶時に良好な皮膜状態が実現される。また領域とは、おもにグラス皮膜、地鉄表面を指し、5×5〜60×60μm2のSEM観察面積範囲で、マッピングによる強度が周辺の像に比べて定性確認できたものとする。マッピングによる濃化の大きさとしてはボイド断面の円相当径0.1〜10μmとする。
上記元素は粒界近傍で偏析しやすい性質をもち、酸化物として適正な位置、すなわち鋼板表面で濃化状態を実現することで、二次再結晶中の純化を進行させるためと考えられる。グラス皮膜全体のみならず、ボイド表面でも同様の効果がみられる。適正な二次再結晶温度域でインヒビターの分解が行われるためには5%以上の濃縮が必要であり、5at%未満では、インヒビターの分解速度が促進傾向となり、二次再結晶不良の原因となる。また、これらの濃度の分析評価方法は、鋼板断面のEDSマッピングもしくはEDSスペクトルによる元素分析や、グラス皮膜表面を削り、粉末状にした際の一般的な化学分析であり、グラス皮膜内に存在するボイド及びその周辺での元素濃化を評価できる。
(母鋼板について)
本発明の一方向性電磁鋼板は、冷間圧延処理と焼鈍処理との組み合わせによって、結晶粒の磁化容易軸と圧延方向とが一致するように結晶方位が制御された母鋼板(地鉄)と、母鋼板の表面に形成されたグラス皮膜と、グラス皮膜の表面に形成された絶縁皮膜とを備えている。
母鋼板は、化学成分として、例えば質量分率で、C:0%超〜0.003%、Si:2.5%〜4.0%、酸可溶性Al:0%〜0.065%、N:0%〜0.003%、Mn:0%〜3.0%、Cr:0%〜0.3%、Cu:0%〜0.4%、P:0%〜0.5%、Sn:0%〜0.30%、Ni:0%〜1%、S:0%〜0.030%、を含有し、残部がFe及び不純物からなる。
上記の化学成分は、結晶方位を{110}<001>方位に集積させたGoss集合組織に制御するために好ましい化学成分である。上記元素のうち、Si及びCが基本元素であり、酸可溶性Al、N、Mn、Cr、Cu、P、Sn、NiおよびSが選択元素である。上記の選択元素は、その目的に応じて含有させればよいので下限値を制限する必要がなく、下限値が0%でもよい。その他、選択元素として、公知技術として知られている元素を含有しても、また、これらの選択元素が不純物として含有されても、本実施形態の効果は損なわれない。上記の母鋼板は、上記の基本元素および選択元素の残部がFe及び不純物からなってもよい。なお、不純物とは、母鋼板を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境等から不可避的に混入する元素を意味する。
注意を要するのは、一方向性電磁鋼板(製品板)の母鋼板においては、素材で添加されていた低融点金属元素が観察されない場合がほとんどであることである。これは前述のように、素材で添加されていた低融点金属元素は仕上げ焼鈍後の純化焼鈍により系外に排出されてしまうからである。なお、これらの低融点金属元素がグラス皮膜中にわずかに残存し、これが観察される場合があることは前述の通りである。
Cは、磁気時効を引き起こし磁気特性を劣化させるので、0.003%以下にする必要がある。存在してなくても本発明効果は失われるものではないが、低減コストの観点から下限を0.0001%とすることが好ましい。
Siは、添加量を多くして固有抵抗を高めて鉄損特性を改善するため2.5%以上とする。しかし、昜酸化元素であり、本発明の特徴である脱炭焼鈍初期の酸化挙動を適度に制御するため4.0%以下にすることが好ましい。
酸可溶性Alは、不純物として微量に含まれてしまう元素であるため、完全にゼロにすることは困難である。実用的には0.003%以上である。0.065%以上含有すると、グラス皮膜密着性が低下する。
Nは、不純物として微量に含まれてしまう元素であるため、完全にゼロにすることは困難である。実用的には0.0030%以下である。0.030%を超えて含有すると、緻密で均一なグラス皮膜を得にくくなる。
Mnは固有抵抗を高め、鉄損特性を改善する。全く含有しなくてもよいが、実用の析出物として機能する含有量が0.01%以上、3.0%未満とする。3.0%を超えると仕上げ焼鈍時にγ変態が生じ良好な二次再結晶を阻害する。
Crは、脱炭焼鈍の酸化膜を改善し、グラス皮膜形成に有効な元素であり、0.3%以下の範囲で添加する。0.3%を超えると皮膜の密着性に悪影響をきたす。
Cuは、固有抵抗を高めて鉄損を低減させることに有効な元素である。添加量が0.4%を超えると鉄損低減効果が飽和するとともに、熱延時に「カッパーヘゲ」なる表面疵の原因になる。
Pは、添加量が0.5%を超えると圧延性に問題を生じる。
Snに関して、仕上げ焼鈍の条件によっては焼鈍分離剤から放出される水分によりAlが酸化されてインヒビター強度が変化する。そのため磁気特性がコイル位置の違いにより変動する場合がある。この対策の一つとして、粒界偏析を生じやすい元素を添加することにより、酸化を防止する方法がある。そのためにSnは0.30%以下の範囲で添加できる。一方0.30%を超えると脱炭焼鈍時に酸化されにくく、グラス皮膜の形成が不十分となると共に、脱炭性を著しく阻害する。
Niは固有抵抗を高めて鉄損を低減させることに有効な元素で、熱延板の金属組織を制御して磁気特性を向上させる上で有効な元素である。しかしながら、添加量が1%を超えると二次再結晶が不安定になる。
Sは、全く含有しなくてもよいが、0.0030%以上0.030%以下の含有とすることが好ましい。本発明の特徴でもある緻密かつ均一なグラス皮膜が得られなくなる。全く含有しなくても良いが、不純物として微量に含まれてしまう元素であるため、完全にゼロにすることは困難であり、実用的には0.0001%以上である。
また、電磁鋼板では二次再結晶時に純化焼鈍を経ることが一般的である。純化焼鈍においてはインヒビター形成元素の系外への排出が起きる。特にN、Sについては濃度の低下が顕著で、50ppm以下になる。通常の純化焼鈍条件であれば、9ppm以下、さらには6ppm以下、純化焼鈍を十分に行えば、一般的な分析では検出できない程度(1ppm以下)にまで達する。
上記母鋼板の化学成分は、鋼の一般的な分析方法によって測定すればよい。例えば、母鋼板の化学成分は、ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry)を用いて測定すればよい。具体的には、皮膜除去後の鋼板の中央の位置から35mm角の試験片を、島津製作所製ICPS-8100等(測定装置)により、予め作成した検量線に基づいた条件で測定することにより特定できる。なお、CおよびSは燃焼−赤外線吸収法を用い、Nは不活性ガス融解−熱伝導度法を用いて測定すればよい。
なお、一方向性電磁鋼板のグラス皮膜および絶縁皮膜は、例えば、次の方法によって除去することができる。グラス皮膜または絶縁皮膜を有する方向性電磁鋼板を、NaOH:10質量%+HO:90質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、80℃で15分間、浸漬する。次いで、HSO:10質量%+HO:90質量%の硫酸水溶液に、80℃で3分間、浸漬する。その後、HNO:10質量%+HO:90質量%の硝酸水溶液によって、常温で1分間弱、浸漬して洗浄する。最後に、温風のブロアーで1分間弱、乾燥させる。
(製法について)
次に本実施形態に係る一方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。また本発明鋼板は、以下の製造方法で得られた鋼板に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明鋼は、一般的に知られている一方向性電磁鋼板の製造法である、溶解、熱延、熱延板焼鈍、酸洗、冷延、脱炭焼鈍、必要に応じた窒化焼鈍、焼鈍分離剤塗布、仕上げ焼鈍の工程により原板が製造される。また、さらに絶縁皮膜処理して一方向性電磁鋼板が製造される。
以下にまず一般的な一方向性電磁鋼板(原板)の製造法を示す。
最初の鋳造工程では、質量分率で、C:0%超〜0.10%、Si:2.5%〜7%、酸可溶性Al:0%〜0.065%、N:0%〜0.012%、Mn:0%〜3.0%、Cr:0%〜0.3%、Cu:0%〜0.4%、P:0%〜0.5%、Sn:0%〜0.30%、Ni:0%〜1%、S:0%〜0.050%、を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学成分を有する溶鋼が連続鋳造機に供給されて、スラブが連続的に製出される。
続いて、熱間圧延工程では、鋳造工程から得られたスラブが所定の温度(例えば1150〜1400℃)に加熱された後、そのスラブに対して熱間圧延が実施される。これにより、例えば、1.8〜3.5mmの厚さを有する熱延鋼板が得られる。
続いて、熱延板焼鈍を行う場合、熱間圧延工程から得られた熱延鋼板に対して、所定の温度条件(例えば750〜1200℃で30秒〜10分間加熱する条件)の下で焼鈍処理が実施される。続いて、冷間圧延工程では、酸洗処理が実施された後、熱延鋼板に対して冷間圧延が実施される。これにより、例えば、0.15〜0.35mmの厚さを有する冷延鋼板が得られる。
続いて、脱炭焼鈍工程では、冷間圧延工程から得られた冷延鋼板に対して、所定の温度条件(例えば700〜900℃で1〜3分間加熱する条件)の下で熱処理(すなわち、脱炭焼鈍処理)が実施される。このような脱炭焼鈍処理が実施されると、冷延鋼板において、炭素が所定量以下に低減され、一次再結晶組織が形成される。また、脱炭焼鈍工程では、冷延鋼板の表面に、シリカ(SiO)を主成分として含有する酸化物層が形成される。
続いて、焼鈍分離剤塗布工程では、マグネシア(MgO)を主成分として含有する焼鈍分離剤が、冷延鋼板の表面(酸化物層の表面)に塗布される。続いて、仕上げ焼鈍工程では、焼鈍分離剤が塗布された冷延鋼板に対して、所定の温度条件(例えば1100〜1300℃で20〜24時間加熱する条件)の下で熱処理(すなわち、仕上げ焼鈍処理)が実施される。このような仕上げ焼鈍処理が実施されると、二次再結晶が冷延鋼板に生じるとともに、冷延鋼板が純化される。その結果、上述の母鋼板の化学組成を有し、結晶粒の磁化容易軸と圧延方向とが一致するように結晶方位が制御された一方向性電磁鋼板の母材が得られる。
また、上記のような仕上げ焼鈍処理が実施されると、シリカを主成分として含有する酸化物層が、マグネシアを主成分として含有する焼鈍分離剤と反応して、鋼板の表面にフォルステライト(MgSiO)等の複合酸化物を含むグラス皮膜が形成される。仕上げ焼鈍工程では、鋼板がコイル状に巻かれた状態で仕上げ焼鈍処理が実施される。仕上げ焼鈍処理中に鋼板の表面にグラス皮膜が形成されることにより、コイル状に巻かれた鋼板に焼き付きが発生することを防止することができる。
最後の絶縁皮膜成形工程では、上記のグラス皮膜が形成された鋼板表面に対して、例えばコロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液が、グラス皮膜の上から塗布される。その後、所定の温度条件(例えば840〜920℃)の下で熱処理が実施されることにより、最終的に、グラス皮膜及び絶縁皮膜とを備える一方向性電磁鋼板が得られる。
上記のように製造された一方向性電磁鋼板の母鋼板は、化学成分として、質量分率で、Si:2.5%〜7%、C:0%超〜0.10%、酸可溶性Al:0%〜0.065%、N:0%〜0.012%、Mn:0%〜3%、Cr:0%〜0.3%、Cu:0%〜0.4%、P:0%〜0.5%、Sn:0%〜0.3%、Ni:0%〜1%、S:0%〜0.050%、を含有し、残部がFe及び不純物からなる。
(製法の特徴)
本発明では、グラス皮膜形成までの母鋼材表面での酸化挙動を制御することで良好なグラス皮膜を形成させる。この酸化挙動を制御するのに脱炭焼鈍は重要な工程であり、特に酸化の初期過程となる昇温を、高露点かつ急速加熱で実施し、脱炭初期を短時間だけ高温で実施することが効果的である。本発明では、脱炭焼鈍の昇温の雰囲気中の「H2 Oの分圧」/「H2の分圧」であるP(H2 O)/P(H2 )を0.65〜3.0、好ましくは1.0〜2.5、加熱速度≧100℃/s、好ましくは200℃/s以上、さらに好ましくは400℃/s以上、750℃以上での滞在時間≦5秒とする。また同時に、引き続きの脱炭を雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.25〜0.6、好ましくは0.30〜0.5、最高到達温度Y:700〜900℃、好ましくは810〜890℃、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒とすることで発明効果を十分に得ることができる。
上記の熱処理が有効である理由は明確ではないが、上記のような熱履歴と雰囲気で酸化を行うと、脱炭板の特に表面近傍での優先的な酸化が起きやすくなり、酸化の起点が増加してシリカを主成分とする酸化物層が緻密化する。そしてその後、後述する条件で塗布、乾燥された焼鈍分離剤が、仕上げ焼鈍中に上記の緻密な酸化物層と反応することで、形成されるグラス皮膜も緻密かつ均一となりボイドが減少すると思われる。
さらに本発明では、焼鈍分離剤の塗布条件、焼付け前の乾燥条件を制御することにより、グラス皮膜のボイドが少なくなる。すなわち、塗布する焼鈍分離剤を、水分量Waを40%以上、80%以下の状態で塗布し、その後、直火もしくは加熱速度:5〜50℃/s、加熱温度:100〜300℃、の加熱条件で乾燥を行い、かつ、仕上げ焼鈍直前の水分量Wbを分子、分離剤塗布直後の水分量Waを分母にした比(Wb/Wa)が0.03以下である時、本発明における効果が発揮される。
以下では限定理由を説明する。なお発明の規定値は実験などで確立されたものであるが、理由については完全に解明されたものではなく推定を含むものである。塗布時水分量(焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa)は高いほどマグネシアなど焼鈍分離剤の原料である粉体を緻密に塗布することが可能となる。さらに好ましくは40%以上である。一方、水分量Waが高過ぎると必要な厚さへの塗布が困難となるので、好ましくは80%以下である。
乾燥の加熱速度は、高過ぎると水分が多量に残存した状態で仕上焼鈍中に焼鈍分離剤中のマグネシア粉体同士の反応が開始するため、グラス皮膜の緻密性が低下しボイドの発生が増加してしまう。好ましくは50℃/s以下、さらに好ましくは45℃/s以下である。一方で低すぎると工業的な生産性が低下するので5℃/s以上とし、好ましくは10℃/s以上、さらに好ましくは20℃/s以上である。
乾燥の加熱温度は、上述の加熱速度にも依るが、高過ぎると水分が残存した状態で仕上焼鈍中にマグネシア粉体同士の反応が開始するため、グラス皮膜の緻密性が低下しボイドの発生が増加してしまう。一方で低すぎると十分な水分除去ができず、低温で十分な乾燥を行うには長時間を必要とし工業的な生産性が低下する。好ましくは100〜300℃、さらに好ましくは200〜300℃である。
乾燥の加熱時間は、上述の加熱速度や温度に応じての、保持開始時点での乾燥の程度に依るところはあるが、所定温度以下であれば、水分が残存した状態でマグネシア粉体同士の反応が開始するため、グラス皮膜の緻密性が増加すると考えられる。一方で低すぎると十分な水分除去ができず、低温で十分な乾燥を行うには長時間を必要とし工業的な生産性が低下する。好ましくは20〜60秒、さらに好ましくは40〜60秒である。
以下、本発明の実施例を説明する。実施例で採用した条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一例であり、これに限定されるものではない。本発明を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例) C:0.004%、Si:3.8%、S:0.002%、Al:0.003%、N:0.0080%、Mn:0.4%、残りはFeの溶鋼を2.6mm厚の熱延板とする。
1000℃×30秒の熱延板焼鈍を行い、その後0.23mmまで冷間圧延を施す。脱炭焼鈍工程での昇温過程において、PH2O/PH2は0.3〜3.5、加熱速度50〜511℃/s、加熱温度200〜911℃、750℃以上での滞在時間0〜15s、それに引き続く脱炭工程において、PH2O/PH2は0.1〜0.55、最高到達温度42〜920℃、665〜825℃x80〜100秒、さらに5〜20秒の焼鈍を実施する。
MgOを主とした焼鈍分離剤を、焼付炉の加熱速度1.5〜49℃/s、形成前水分量10〜80%の条件で塗付した。
窒化可能なガスを吹き込みながら、除加熱で1200℃x20時間の焼鈍を施す。さらにコロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液を塗布し、880℃の焼付により、リン酸塩系絶縁被膜を形成した。グラス皮膜の特徴は絶縁被膜を剥離後に測定した結果である。
上記の工程を経て得られた特性を示す。グラス皮膜の厚さ0.01〜100μm、平均のボイド直径0.01〜30μm、ボイド個数1〜75個/mm2、断面でのボイド面積率0.01〜40%、グラス皮膜の平均粒径0.01〜20μm、密着性(○△×)、鉄損0.86〜1.5W/kg(0.801〜0.96)にて評価した。
○:塗膜に異常がなく、良好、
△:平滑性またはツヤ感がやや劣るが、ワレは認められない、
×:ワレが認められる、又は平滑性もしくはツヤ感が著しく劣る。
脱炭焼鈍の昇温条件、脱炭焼鈍の条件、焼鈍分離剤の乾燥の条件、および、グラス皮膜と一方向性電磁鋼板の特性を表1に示す。

Claims (6)

  1. 絶縁皮膜と母鋼板の間に形成されたグラス皮膜の断面でのボイド面積率が20%以下であることを特徴とする、一方向性電磁鋼板。
  2. 前記グラス皮膜の断面での内のボイドが、平均の円相当径≦10μm、ボイド個数密度≦50個/mm2であることを特徴とする、請求項1に記載の一方向性電磁鋼板。
  3. 前記グラス皮膜内に、Bi、Te、Sb、Sn、Se、Al、Zn、K、Cd、Ga、Po、Li、Rb、Na、Tl、Pbのうちの一種以上の元素の合計濃度が、5at%以上である領域が存在することを特徴とする、請求項1または2に記載の一方向性電磁鋼板。
  4. 前記グラス皮膜内のボイドの表面において、Bi、Te、Sb、Sn、Se、Al、Zn、K、Cd、Ga、Po、Li、Rb、Na、Tl、Pbのうちの一種以上の元素の合計濃度が、5at%以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の一方向性電磁鋼板。
  5. 鋼スラブを熱延し、最終製品厚まで冷延し、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍し、絶縁皮膜処理して製造される一方向性電磁鋼板の製造プロセスにおいて、脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のP(H2O)/P(H2):0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、750℃以上での滞在時間≦5秒として、引き続き、脱炭焼鈍を、雰囲気のP(H2O)/P(H2):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜900℃、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒で実施し、焼鈍分離剤の水分量について、焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa:40%以上80%以下、かつ(仕上げ焼鈍直前の水分量Wb)/(焼鈍分離剤塗布直後の水分量Wa)<0.03とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 焼鈍分離剤の塗布後、仕上げ焼鈍開始までに、加熱速度:5〜50℃/s、乾燥温度:100〜300℃の乾燥を実施することを特徴とする、請求項5に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法。
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