JP2018053158A - ピリミドキナゾリン顔料、ピリミドキナゾリン顔料の製造方法、及び顔料着色剤 - Google Patents

ピリミドキナゾリン顔料、ピリミドキナゾリン顔料の製造方法、及び顔料着色剤 Download PDF

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Abstract

【課題】着色力及び耐久性などの顔料特性に優れおり、かつ、赤外線反射性にも優れた、新規なピリミジン骨格を有するピリミドキナゾリン顔料を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す)で表されるピリミドキナゾリン顔料である。
Figure 2018053158

【選択図】なし

Description

本発明は、ピリミドキナゾリン顔料及びその製造方法、並びにピリミドキナゾリン顔料を用いた顔料着色剤に関する。
ピリミジン骨格を有するアゾ化合物、アゾメチン化合物、及びアントラピリミジン化合物などの化合物は、染料・顔料として有用なものが多く知られている(特許文献1及び2)。また、類似の骨格を有する化合物として、Pigment Yellow150及びPigment Yellow185などのバルビツール酸系色素が知られている。
ところで、2つのピリミジン環を持ったピリミドキナゾリン骨格を有する化合物が古くから知られている。例えば、抗がん剤として有用な、所定のピリミドキナゾリン骨格を有する化合物が知られている(特許文献3)。また、所定のピリミドキナゾリン骨格を有する化合物を含有する層を備えた有機電界発光素子が提案されている(特許文献4)。
特開2007−51098号公報 特開平7−304985号公報 特開平7−309873号公報 特開平10−294178号公報
しかしながら、着色力及び耐久性などの顔料特性に優れているとともに、赤外反射性にも優れた、色材(顔料)として有用なピリミドキナゾリン骨格を有する化合物はこれまでに知られていなかった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、着色力及び耐久性などの顔料特性に優れており、かつ、赤外線反射性にも優れた、新規なピリミジン骨格を有するピリミドキナゾリン顔料を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記ピリミドキナゾリン顔料の製造方法、及びこのピリミドキナゾリン顔料を用いた顔料着色剤を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、以下に示すピリミドキナゾリン顔料が提供される。
[1]下記一般式(1)で表されるピリミドキナゾリン顔料。
Figure 2018053158
(前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す)
[2]下記式(1−1)で表される前記[1]に記載のピリミドキナゾリン顔料。
Figure 2018053158
[3]平均粒子径が10〜200nmである前記[1]又は[2]に記載のピリミドキナゾリン顔料。
また、本発明によれば、以下に示すピリミドキナゾリン顔料の製造方法が提供される。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のピリミドキナゾリン顔料の製造方法であって、下記一般式(3−1)で表される化合物及び下記一般式(3−2)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを、不活性溶媒中で縮合反応させる工程を有するピリミドキナゾリン顔料の製造方法。
Figure 2018053158
(前記一般式(3−1)及び(3−2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。前記一般式(4)中、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよいアルコキシ基を示す)
[5]前記不活性溶媒が疎水性溶媒である前記[4]に記載のピリミドキナゾリン顔料の製造方法。
[6]ソルベントソルトミリング法による微細化工程をさらに有する前記[4]又は[5]に記載のピリミドキナゾリン顔料の製造方法。
さらに、本発明によれば、以下に示す顔料着色剤が提供される。
[7]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のピリミドキナゾリン顔料を含有する顔料着色剤。
本発明によれば、着色力及び耐久性などの顔料特性に優れおり、かつ、赤外線反射性にも優れた、新規なピリミジン骨格を有するピリミドキナゾリン顔料を提供することができる。また、本発明によれば、上記ピリミドキナゾリン顔料の製造方法、及びこのピリミドキナゾリン顔料を用いた顔料着色剤を提供することができる。
実施例3のピリミドキナゾリン顔料(A)で形成した塗膜の可視−赤外吸収スペクトルである。 比較例1の顔料(C)で形成した塗膜の可視−赤外吸収スペクトルである。 比較例2の顔料(D)で形成した塗膜の可視−赤外吸収スペクトルである。 比較例3の顔料(E)で形成した塗膜の可視−赤外吸収スペクトルである。
<ピリミドキナゾリン顔料>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のピリミドキナゾリン顔料は、下記一般式(1)で表される骨格(構造)を有する化合物である。以下、本発明のピリミドキナゾリン顔料の詳細について説明する。
Figure 2018053158
(前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す)
本発明のピリミドキナゾリン顔料は、一般式(1)で表される構造を有する化合物であることを重要な特徴の一つとする。一般式(1)で表される構造を有する化合物は、他の縮合多環形の顔料と同等以上の着色力及び耐久性などの顔料特性を有するものであり、顔料として好適である。さらに、本発明のピリミドキナゾリン顔料は優れた赤外反射性を示す顔料であるとともに、黒色度の高い黒色顔料である。なお、1,3−ジイミノイソインドリン類より製造されるイソインドリン顔料やイソインドリノン顔料は、黄〜橙色を呈する明色の顔料である。
本発明のピリミドキナゾリン顔料の具体例としては、下記式(1−1)〜(1−12)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2018053158
Figure 2018053158
なかでも、下記式(1−1)で表されるピリミドキナゾリン顔料が特に好ましい。下記式(1−1)で表される化合物は、置換基による立体障害が生じにくく、強固な分子間・分子内水素結合及びπ−π相互作用を形成しうる。このため、より優れた顔料特性を示す。
Figure 2018053158
ピリミドキナゾリン顔料の平均粒子径は、10〜200nmであることが好ましい。また、適用する用途にもよるが、ピリミドキナゾリン顔料の平均粒子径は10〜50nmであることがさらに好ましい。平均粒子径を上記の範囲内とすることで、着色力をさらに向上させることができるので、例えばブラックマトリックスなどの、黒色度だけでなく着色力も要求される薄膜を形成するための材料としてさらに好適である。なお、本明細書における「平均粒子径」は、体積分布基準の50%粒径(D50)を意味する。顔料のD50は、例えば、動的光散乱方式の粒径測定装置を使用して測定することができる。
<ピリミドキナゾリン顔料の製造方法>
本発明のピリミドキナゾリン顔料の製造方法は、下記一般式(3−1)で表される化合物及び下記一般式(3−2)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを、不活性溶媒中で縮合反応させる工程(反応工程)を有する。
Figure 2018053158
(前記一般式(3−1)及び(3−2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。前記一般式(4)中、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよいアルコキシ基を示す)
一般式(3−1)中のR1と一般式(3−2)中のR2が同一であれば、対称形のピリミドキナゾリン顔料を得ることができる。一方、一般式(3−1)中のR1と、一般式(3−2)中のR2が非同一であれば(異なれば)、非対称形のピリミドキナゾリン顔料を得ることができる。すなわち、構造が異なる、一般式(3−1)で表される化合物と一般式(3−2)で表される化合物とを組み合わせて用いることで、非対称形のピリミドキナゾリン顔料を製造することができる。
一般式(4)で表される化合物に対して、一般式(3−1)で表される化合物及び一般式(3−2)で表される化合物の合計2〜6モル当量を縮合反応させることが好ましく、4〜6モル当量を縮合反応させることがさらに好ましい。一般式(3−1)で表される化合物及び一般式(3−2)で表される化合物は、いずれも加水分解を受けやすい。このため、一般式(3−1)で表される化合物及び一般式(3−2)で表される化合物を、好ましくは合計で2モル当量以上、さらに好ましくは合計で4モル当量以上反応させることで、収率を向上させることができる。
一般式(3−1)で表される化合物及び一般式(3−2)で表される化合物と、一般式(4)で表される化合物とを縮合反応させると、副生成物が生成する。一般式(3−1)で表される化合物及び一般式(3−2)で表される化合物は、いずれも反応点となるアミノ基を2種類有する化合物である。このため、副生成物は、下記一般式(1A)で表される化合物や、下記一般式(1B)で表される化合物などであると考えられる。本発明のピリミドキナゾリン顔料は、これらの副生成物との混合物であっても使用することができる。また、必要に応じて、精製及び分離して使用することもできる。
Figure 2018053158
一般式(3−1)で表される化合物及び一般式(3−2)で表される化合物の具体例としては、下記式(3a)〜(3l)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2018053158
ジイミノイソインドリン構造を有する上記の化合物は加水分解しやすいため、不活性溶媒として疎水性溶媒を用いることが好ましい。疎水性溶媒の具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、2−メチルペンタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、クロロナフタレンなどの芳香族炭化水素を挙げることができる。なお、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、クロロナフタレンなどの、溶解力が高く、高沸点の溶媒を使用すると、反応が円滑に進むために好ましい。
反応温度は100〜140℃とすることが好ましい。100℃未満の温度で反応させると1置換物が多く生成し、期待する骨格を有する化合物の収率が低下する場合がある。一方、140℃超の温度で反応させると副生成物が多く生成しやすく、純度が低下する傾向にある。
なお、塩基を触媒として共存させると、収率が向上するために好ましい。塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基(無機系触媒);トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセンなどの有機塩基(有機系触媒)を挙げることができる。有機系触媒を用いると、反応系が均一系となるために好ましい。
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、下記式(4a)〜(4e)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2018053158
一般式(4)で表される化合物としては、R3及びR5がアルコキシ基である化合物が、安価なスクシニルコハク酸エステルを原料として製造しうるために好ましい。例えば、一般式(4)中、R3及びR5がメトキシ基であり、R4及びR6が塩素原子である、下記式(4a)で表される化合物は、従来公知の方法(参考文献:Synthesis,2303−2306(2008),by L.Hintermann,and K.Suzuki)にしたがって、高収率で簡便に製造することができる。
Figure 2018053158
本発明のピリミドキナゾリン顔料の製造方法は、上記の反応工程で得られた生成物(合成クルード)を微細化する微細化工程をさらに有することが好ましい。反応工程で得られた生成物を所望とする粒径となるように微細化して顔料化することで、反応直後の状態のものに比べて、黒色度だけでなく、着色力がより向上した、さらに好ましい結晶形を有するピリミドキナゾリン顔料を得ることができる。
反応工程で得られた生成物を微細化する方法としては、例えば、(1)顔料磨砕機又は顔料分散機を使用する微細化方法;(2)水溶性無機塩類及び水溶性有機溶剤とともに、混練機中で混練及び磨砕するソルベントソルトミリング法;などを挙げることができる。なお、上記の顔料磨砕機又は顔料分散機としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、横型連続媒体分散機、ニーダー、連続式一軸混練機、連続式二軸混練機、三本ロール、及びオープンロール連続混練機などを挙げることができる。上記の微細化方法によって、ピリミドキナゾリン顔料の平均粒子径を所定の範囲内に調整することができるとともに、ピリミドキナゾリン顔料の結晶形を所望とする結晶形に制御することができる。
上記の微細化方法のなかでも、ソルベントソルトミリング法は、微細化されたより均一な粒子径の顔料を得ることができるために好ましい。以下、ソルベントソルトミリング法の詳細について説明する。
ソルベントソルトミリング法では、顔料に、磨砕助剤としての水溶性無機塩類、及び水溶性有機溶剤を添加して得られた混合物を混練磨砕する。水溶性無機塩類としては、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムなどを用いることができる。水溶性無機塩類の量は、得ようとする微細化顔料の粒子径によって、例えば、顔料の3〜20倍(質量基準)の範囲で適宜設定すればよい。水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの適度な粘性を有する溶剤を用いることが好ましい。混練磨砕の際の温度は、20〜120℃とすることが好ましく、60〜120℃とすることがさらに好ましい。特に、60℃以上の温度条件下で混練磨砕すると、結晶をより成長させることができる。
混練磨砕後、得られた磨砕物を希硫酸や水などに添加して水溶性無機塩類を溶解させた後、ろ過及び水洗して、顔料のろ過ペースト(プレスケーキ)を得る。得られたプレスケーキは、例えば、(i)湿式分散機を使用して分散加工する;(ii)フラッシング方式によって油性着色剤に加工する;(iii)熱風乾燥した後、乾式粉砕機で粉砕して粉体顔料にする;(iv)各種湿式分散機や混練機などを使用して分散させる;等すればよい。すなわち、用途に応じて各種の着色剤へと加工することができる。なお、水中で樹脂処理して易分散性処理顔料又は加工顔料とすることも好ましい。
<顔料着色剤>
本発明の顔料着色剤は、上記のピリミドキナゾリン顔料を含有する。例えば、上記のピリミドキナゾリン顔料を液体分散媒体又は固体分散媒体に含有させる(分散させる)ことで、着色組成物である顔料着色剤とすることができる。すなわち、着色対象、用途、及び使用方法などに応じて、ピリミドキナゾリン顔料を含む顔料成分を液体分散媒体に分散させて液状の組成物としてもよく、固体分散媒体に分散させて固体の組成物としてもよい。
液体分散媒体や固体分散媒体等の分散媒体に分散させる顔料成分には、ピリミドキナゾリン顔料以外のその他の顔料を用いることができる。すなわち、分散媒体には、ピリミドキナゾリン顔料のみを顔料成分として分散させてもよく、ピリミドキナゾリン顔料とその他の顔料を含む顔料成分を分散させてもよい。その他の顔料としては、有彩色顔料、白色顔料、他の黒色顔料、及び体質顔料などを用いることができる。目的とする色彩にあわせて1種単独で又は2種以上を選択して併用することができる。ピリミドキナゾリン顔料とともに、その他の顔料を分散媒体に分散させることで、暗色の有彩色の着色、無彩色の着色、及び黒色の着色をすることが可能な顔料着色剤を得ることができる。
顔料着色剤中のピリミドキナゾリン顔料の含有量は、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。具体的には、顔料着色剤中のピリミドキナゾリン顔料の含有量は、顔料着色剤の全質量を基準として、1〜50質量%程度とすればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<顔料の製造>
(実施例1)
ニトロベンゼン230部に、式(4a)で表される化合物15部、1,3−ジイミノイソインドリン31部、及びトリエチルアミン22部を加え、110℃で4時間加熱した。熱時にろ過し、メタノール及び水で洗浄した後、80℃で乾燥して黒色のピリミドキナゾリン顔料(A)14部を得た。得られたピリミドキナゾリン顔料(A)の分子量をMALDIによる質量分析によって解析したところ、「446」であることが判明した。このことから、得られたピリミドキナゾリン顔料(A)の構造は、下記式(1−1)で表されることがわかった。
Figure 2018053158
(実施例2)
1,3−ジイミノイソインドリン31部に代えて、下記式(3k−1)で表される化合物55部を使用したこと以外は、前述の実施例1と同様にして、茶色のピリミドキナゾリン顔料(B)17部を得た。得られたピリミドキナゾリン顔料(B)の分子量をMALDIによる質量分析によって解析したところ、「546」であることが判明した。このことから、得られたピリミドキナゾリン顔料(B)の構造は、下記式(1−11)で表されることがわかった。
Figure 2018053158
Figure 2018053158
(実施例3)
実施例1で得たピリミドキナゾリン顔料(A)30部、平均粒子径50μmの塩化ナトリウム195部、及びジエチレングリコール40部をニーダーに仕込んだ。湿潤された塊ができるまで予備混練した後、60℃で3時間混練する磨砕処理を行って磨砕物を得た。得られた磨砕物を1,000部の水中に投入して1時間撹拌した後、ろ過し、水で洗浄した。80℃で乾燥して、微細化されたピリミドキナゾリン顔料(A)28部を得た。
(比較例1〜3)
以下に示す市販の顔料を比較例1〜3の顔料(C)、(D)、及び(E)とした。
・比較例1(顔料(C)):商品名「クロモファインブラックA1103」(大日精化工業社製)
・比較例2(顔料(D)):商品名「LumogenBlackFK4280」(BASF社製)
・比較例3(顔料(E)):商品名「カーボンブラック#45B」(三菱化学社製)
<塗料試験>
調製した顔料及び用意した顔料をそれぞれ使用し、ペイントコンディショナーを用いて、以下に示す配合で90分間分散させて塗料(濃色塗料)を調製した。アプリケーター(3ミル)を用いて調製した塗料を展色紙に展色した後、140℃で30分間焼き付けて塗膜を形成した。
・顔料:1.5部
・商品名「スーパーベッカミンJ−820」(*1):8.5部
・商品名「フタルキッド133〜60」(*2):17.0部
・キシレン/1−ブタノール(2/1(質量比))混合溶剤:5.0部
(*1)ブチル化メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製)
(*2)椰子油の短油性アルキド樹脂(日立化成社製)
<評価>
(黒色度)
分光光度計(商品名「U−4100」、日立ハイテクノロジーズ社製)を使用し、前述の「塗料試験」で形成した塗膜の可視−赤外吸収スペクトルを測定した。測定した可視−赤外吸収スペクトルを図1〜4に示す。また、常法にしたがってCIE3色刺激値(X,Y,Z)を測定し、「黒色度=100×log(100/Y)」の式より塗膜の黒色度を算出した。結果を表1に示す。
図2に示すように、比較例1の顔料(C)で形成した塗膜は、680nm付近から長波長側にかけて急激に反射率が上昇している。しかし、可視光領域である400〜700nmの波長域の光を吸収するには立ち上がりが早いため、黒色度が不足している。また、図3に示すように、比較例2の顔料(D)で形成した塗膜は、可視光領域の光をバランスよく吸収しているが、500〜700nm付近の波長域の光に漏れが若干あり、黒色度が不足している。さらに、図4に示すように、比較例3の顔料(E)で形成した塗膜は、〜2500nmまでの広い波長域の光を吸収しており、赤外線反射性を全く示さないことがわかる。これに対して、図1に示すように、実施例3のピリミドキナゾリン顔料(A)で形成した塗膜は、可視光領域の光をバランスよく吸収しているとともに、500〜700nm付近の波長域の光に漏れもないために、高い黒色度を示すことがわかる。さらに、良好な赤外線反射性を示していることもわかる。
(着色力)
前述の「塗料試験」で調製した濃色塗料を、顔料:チタンホワイト=1:20(質量比)となるように、チタンホワイト(酸化チタン)を含む白色塗料で希釈して淡色塗料を調製した。アプリケーター(6ミル)を用いて調製した淡色塗料をアート紙上に展色し、140℃で30分間焼き付けて塗膜を形成した。形成した塗膜を肉眼で観察し、以下に示す基準にしたがって着色力を評価した。結果を表1に示す。
○:着色力良好
△:着色力不良
×:着色力なし
(耐熱性)
各顔料について、熱重量測定及び示差熱分析(TG−DTA)を行った。そして、400℃における減量率を算出し、以下に示す基準にしたがって耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
○:400℃における減量率が5%以下
△:400℃における減量率が5%より大きく、10%以下
×:400℃における減量率が10%より大きい
(耐溶剤性)
各顔料1部を酢酸エチル10部中で煮沸してブリードを観察し、以下に示す基準にしたがって耐溶剤性を評価した結果を表1に示す。
○:ブリードしない
△:少しブリードする
×:著しくブリードする
Figure 2018053158
本発明のピリミドキナゾリン顔料は、ブラックマトリックスなどの高い黒色度が求められる用途に有用である。また、近赤外領域の光の反射率が高いため、カーボンブラックなどの顔料が不適当な熱線反射性の黒色顔料として有用である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるピリミドキナゾリン顔料。
    Figure 2018053158
    (前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す)
  2. 下記式(1−1)で表される請求項1に記載のピリミドキナゾリン顔料。
    Figure 2018053158
  3. 平均粒子径が10〜200nmである請求項1又は2に記載のピリミドキナゾリン顔料。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のピリミドキナゾリン顔料の製造方法であって、
    下記一般式(3−1)で表される化合物及び下記一般式(3−2)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを、不活性溶媒中で縮合反応させる工程を有するピリミドキナゾリン顔料の製造方法。
    Figure 2018053158
    (前記一般式(3−1)及び(3−2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。前記一般式(4)中、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよいアルコキシ基を示す)
  5. 前記不活性溶媒が疎水性溶媒である請求項4に記載のピリミドキナゾリン顔料の製造方法。
  6. ソルベントソルトミリング法による微細化工程をさらに有する請求項4又は5に記載のピリミドキナゾリン顔料の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のピリミドキナゾリン顔料を含有する顔料着色剤。
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