以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
添付の図面において、矢印Fは、DWB車両の前方向を示す。矢印Bは、DWB車両の後方向を示す。矢印Uは、DWB車両の上方向を示す。矢印Dは、DWB車両の下方向を示す。矢印Rは、DWB車両の右方向を示す。矢印Lは、DWB車両の左方向を示す。
DWB車両は、車体を鉛直方向に対してDWB車両の左方又は右方に傾斜させて旋回する。そこでDWB車両を基準とした方向に加え、車体を基準とした方向が定められる。添付の図面において、矢印FFは、車体の前方向を示す。矢印FBは、車体の後方向を示す。矢印FUは、車体の上方向を示す。矢印FDは、車体の下方向を示す。矢印FRは、車体の右方向を示す。矢印FLは、車体の左方向を示す。
本明細書において、「車体」とは、フレーム構造の車体、モノコック構造の車体及びセミモノコック構造の車体を意味する。車体は、ハンドル、シート、エンジン等の主要部品を支持する。
本明細書において、「車体の前後方向」、「車体の左右方向」、及び「車体の上下方向」とは、車両を運転する乗員から見て、車体を基準とした前後方向、左右方向、および上下方向を意昧する。
本明細書において、「車体の前後方向に延びる」とは、車体の前後方向に対して傾いて延びることを含み、車体の左右方向及び上下方向と比較して、車体の前後方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体の左右方向に延びる」とは、車体の左右方向に対して傾いて延びることを含み、車体の前後方向及び上下方向と比較して、車体の左右方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体の上下方向に延びる」とは、車体の上下方向に対して傾いて延びることを含み、車体の前後方向及び左右方向と比較して、車体の上下方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体の直立状態」とは、無転舵状態かつ車体の上下方向が鉛直方向と一致している状態を意味する。この状態においては、車両を基準にした方向と車体を基準にした方向は一致する。車体を鉛直方向に対して左右方向に傾斜させて旋回しているときは、車両の左右方向と車体の左右方向は一致しない。また車両の上下方向と車体の上下方向も一致しない。しかしながら、車両の前後方向と車体の前後方向は一致する。
本明細書において、「傾斜角」とは、車体の上方向と鉛直方向とのなす角度を意味する。本明細書において、「スイング角度」とは、左アーム機構又は右アーム機構と車体の上方向とのなす角度を意味する。
本明細書において、左上アーム部材の「左部」及び左下アーム部材の「左部」とは、車体の左右方向において、左上アーム部材の中央及び左下アーム部材の中央から左方の領域を意味する。左上アーム部材の「右部」及び左下アーム部材の「右部」とは、車体の左右方向において、左上アーム部材の中央及び左下アーム部材の中央から右方の領域を意味する。右上アーム部材の「左部」及び右下アーム部材の「左部」とは、車体の左右方向において、右上アーム部材の中央及び右下アーム部材の中央から左方の領域を意味する。右上アーム部材の「右部」及び右下アーム部材の「右部」とは、車体の左右方向において、右上アーム部材の中央及び右下アーム部材の中央から右方の領域を意味する。
図1は、本実施形態のDWB車両を車体の左方から見た左側面図である。図2は、本実施形態のDWB車両を車体の前方から見た正面図である。図1及び図2において、車体は直立状態である。DWB車両1は、車両本体部2と、左アーム機構3と、右アーム機構4と、左支持機構5と、右支持機構6と、左旋回左右操舵角規制機構7aと、右旋回左右操舵角規制機構7bと、左前輪8と、右前輪9と、後輪10と、緩衝機構11と、操舵機構12と、を備える。
図1を参照して、車両本体部2は、車体21と、車体カバー22と、シート23と、パワーユニット24とを含む。
車体21は、ヘッドパイプ25と、メインフレーム26とを有する。図1では、車体21のうちの車体カバー22で隠れた部分は破線で示す。車体21は、シート23と、パワーユニット24とを支持する。パワーユニット24は、後輪10を駆動する。パワーユニット24は、動力源、トランスミッション等の装置を含む。動力源は、エンジン、電動モータ、バッテリ等である。動力源は、DWB車両1を駆動する動力を生成する。
ヘッドパイプ25はDWB車両の前部に配置される。車体21の左方から見て、ヘッドパイプ25は車体21の上下方向に延びる。車体21の左方から見て、ヘッドパイプ25の上部25aはヘッドパイプ25の下部25bよりも後方に配置される。ヘッドパイプ25は、メインフレーム26に支持される。メインフレーム26は車体21の前後方向に延びる。
車体カバー22は、メインカバー22aと、リアフェンダー22bとを含む。メインカバー22aは、車体21の一部を覆う。リアフェンダー22bの少なくとも一部は、後輪10の上方に配置される。車体カバー22は、左右一対のフロントフェンダーを含んでいてもよい。左右一対のフロントフェンダーそれぞれの少なくとも一部は、左前輪8及び右前輪9の上方に配置される。
左前輪8及び右前輪9それぞれの少なくとも一部は、ヘッドパイプ25の下方に配置される。後輪10の少なくとも一部は、シート23よりも後方に配置される。後輪10の少なくとも一部は、リアフェンダー22bよりも下方に配置される。
図2を参照して、車体21の前方から見て、左前輪8はヘッドパイプ25よりも車体21の左方に配置される。右前輪9は、ヘッドパイプ25よりも車体21の右方に配置される。左前輪8及び右前輪9は、車体21の左右方向に並んで配置される。左前輪8は、左支持機構5に回転可能に支持される。右前輪9は、右支持機構6に回転可能に支持される。
図3は、緩衝機構の構成を示す図である。図3において、車体は直立状態である。緩衝機構11は、左円筒部材13と、右円筒部材14と、タワー部材15と、第1左緩衝部材16と、第2左緩衝部材17と、第1右緩衝部材18と、第2右緩衝部材19とを含む。
左円筒部材13の上端13aは、第1左緩衝部材16の中心よりも左方に、回転可能に支持される。左円筒部材13の上端13aは、車体21の前後方向に延びる軸線X1周りに回転可能である。左円筒部材13の下端13bは、左下アーム部材32に回転可能に支持される。左円筒部材13の下端13bは、車体21の前後方向に延びる軸線X2周りに回転可能である。第2左緩衝部材17の上端17aは、第1左緩衝部材16の中心よりも右方に回転可能に支持される。第2左緩衝部材17の上端17aは、車体21の前後方向に延びる軸線X3周りに回転可能である。第2左緩衝部材17の下端17bは、左円筒部材13の下端13bに回転可能に支持される。第2左緩衝部材17の下端17bは、左円筒部材13の下端13bと同様に軸線X2周りに回転可能である。
右円筒部材14の上端14aは、第1右緩衝部材18の中心よりも右方に回転可能に支持される。右円筒部材14の上端14aは、車体21の前後方向に延びる軸線X4周りに回転可能である。右円筒部材14の下端14bは、右下アーム部材41に回転可能に支持される。右円筒部材14の下端14bは、車体21の前後方向に延びる軸線X5周りに回転可能である。第2右緩衝部材19の上端19aは、第1右緩衝部材18の中心よりも左方に回転可能に支持される。第2右緩衝部材19の上端19aは、車体21の前後方向に延びる軸線X6周りに回転可能である。第2右緩衝部材19の下端19bは、右円筒部材14の下端14bに回転可能に支持される。第2右緩衝部材19の下端19bは、右円筒部材14の下端14bと同様に軸線X5周りに回転可能である。
図3では、第1左緩衝部材16及び第2左緩衝部材17が、第1右緩衝部材18及び第2右緩衝部材19よりも車体21の前方に配置される場合を示す。しかしながら、これらの配置は図3に示す場合に限定されない。第1右緩衝部材18及び第2右緩衝部材19が、第1左緩衝部材16及び第2左緩衝部材17よりも車体21の前方に配置されてもよい。
車体21の直立状態では、タワー部材15は車体21の上下方向に延びる。タワー部材15の上端15aは、第1左緩衝部材16及び第1右緩衝部材18に回転可能に支持される。タワー部材15の上端15aは、第1左緩衝部材16のうちの左円筒部材13の上端13aの支持部と第2左緩衝部材17の上端17aの支持部との間で支持される。タワー部材15の上端15aは、車体21の前後方向に延びる軸線X7周りに回転可能である。これにより、タワー部材15の上端15aは、第1左緩衝部材16及び第1右緩衝部材18に対し回転可能である。タワー部材15の下端15bは、車体21に回転可能に支持される。タワー部材15の下端15bは、車体21の前後方向に延びる軸線X8周りに回転可能である。これにより、タワー部材15の下端15bは、車体21に対し回転可能である。また、左円筒部材13は、タワー部材15を介して右円筒部材14と連結される。これにより、緩衝機構11は、左アーム機構3と右アーム機構4とを連結する。
左円筒部材13及び右円筒部材14の内部にはたとえば、オイル、空気等が入れられる。これにより、左円筒部材13及び右円筒部材14は、緩衝作用を有する。
図4及び図5は、操舵機構の構成を示す図である。図4は、車体の前方から見た操舵機構を示す図である。図5は、車体の左方から見た操舵機構を示す図である。図4及び図5では、車体は直立状態であって、ハンドルは転舵していない状態を示す。図4及び図5では、図面の理解を容易にするためヘッドパイプ25は破線で示す。
図4を参照して、操舵機構12は、ハンドル27と、連結機構28とを含む。連結機構28は、第1ステアリングシャフト29と、第2ステアリングシャフト30と、中間プレート51と、左タイロッド52と、右タイロッド53とを含む。
ハンドル27は、第1ステアリングシャフト29の上部29aに取り付けられる。第1ステアリングシャフト29の一部は、ヘッドパイプ25に回転可能に支持される。第1ステアリングシャフトの中間回転軸Y1は、車体21の上下方向に延びる。第1ステアリングシャフト29の上部29aは、第1ステアリングシャフト29の下部29bよりも車体21の後方に配置される。したがって、第1ステアリングシャフト29の中間回転軸Y1は車体21の前後方向に傾斜している。第1ステアリングシャフト29は、ハンドル27の操作に応じて、中間回転軸Y1周りに回転する。第1ステアリングシャフト29は、中間プレート51に操舵力を伝達する。
図4及び図5では、第1ステアリングシャフト29は、メインシャフト34と、左右一対のサイドパイプ35と、上クロス部材36と、下クロス部材37とを有する。しかしながら、第1ステアリングシャフト29の構成は図4及び図5に示す場合に限定されない。第1ステアリングシャフト29は、左右一対のサイドパイプ35、上クロス部材36、及び下クロス部材37を有しなくてもよい。
図5を参照して、中間プレート51は、車体21の前後方向に延びる。中間プレート51は、第1ステアリングシャフト29の下部29bに支持される。中間プレート51は、第2ステアリングシャフト30に操舵力を伝達する。
第2ステアリングシャフト30の上部30aは、中間プレート51に支持される。第2ステアリングシャフト30は、第1ステアリングシャフト29よりも前方に配置される。第2ステアリングシャフト30の中間回転軸Y2は、車体21の上下方向に延びる。第2ステアリングシャフト30の上部30aは、第2ステアリングシャフト30の下部30bよりも後方に配置される。したがって、第2ステアリングシャフト30の中間回転軸Y2は車体21の前後方向に傾斜している。第2ステアリングシャフト30は、中間プレート51からの操舵力によって、中間回転軸Y2周りに回転する。第2ステアリングシャフト30の下部30bには、ジョイント部材38が取り付けられる。第2ステアリングシャフト30は、ジョイント部材38を介して左タイロッド52及び右タイロッド53に操舵力を伝達する。
図4を参照して、左タイロッド52は、左端部52aと右端部52bとを有する。左タイロッド52の右端部52bは、ジョイント部材38に回転可能に支持される。左タイロッド52の右端部52bは、車体21の前後方向に延びる軸線X9及び車体21の上下方向に延びる軸線Y3周りに回転可能である。左タイロッド52の左端部52aは、左支持機構5に連結される。左タイロッド52の左端部52aは、左支持機構5を車体21の上下方向に延びる軸線Y4周りに回転可能に支持する。
右タイロッド53は、左端部53aと右端部53bとを有する。右タイロッド53の左端部53aは、ジョイント部材38に回転可能に支持される。右タイロッド53の左端部53aは、車体21の前後方向に延びる軸線X10及び車体21の上下方向に延びる軸線Y4周りに回転可能に支持される。右タイロッド53の右端部53bは、右支持機構6に連結される。右タイロッド53の右端部53bは、右支持機構6を車体21の上下方向に延びる軸線Y5周りに回転可能に支持する。
図2を参照して、左アーム機構3は、左上アーム部材31と左下アーム部材32とを含む。左上アーム部材31は、左下アーム部材32よりも車体21の上方に配置される。左アーム機構3は、ヘッドパイプ25よりも車体21の下方に配置される。車体21の直立状態において、左アーム機構3はヘッドパイプ25よりも車体21の左方に配置される。左アーム機構3は、車体21の左右方向に延びる。
図6は、左上アーム部材を車体の上方から見た平面図である。図7は、左上アーム部材を車体の下方から見た斜視図である。図6では、図面の理解を容易にするため左支持機構5は破線で示す。図7では、左支持機構5を省略する。
図6及び図7を参照して、左上アーム部材31は、前部31aと後部31bとを有する。左上アーム部材31の前部31aと後部31bとの間の車体21の前後方向の距離は、左支持機構5に近づくにつれ狭くなる。左上アーム部材31は、クロス部材31cを有する。クロス部材31cは、左上アーム部材31の前部31aと左上アーム部材31の後部31bとをつなぐ。
左上アーム部材31は、右部31fと左部31gとを有する。左上アーム部材31の右部31fには、ジョイント部材31hが設けられる。左上アーム部材31の右部31fは、ジョイント部材31hを介して車体21に連結される。左上アーム部材31は、車体21の前後方向に沿う軸線X11周りに回転可能である。これにより、左上アーム部材31は車体21の上方及び下方にスイングできる。左上アーム部材31の左部31gは、左上ブロック31jを含む。左上アーム部材31の左部31gは、左上ブロック31jを介して左支持機構5の上部5aに連結される。左上アーム部材31の左部31gは、車体21の前後方向に沿う軸線X12周りに回転可能である。
左上アーム部材31の左部31gの下面31kには、凹部31mが配置される。図6及び図7では、左上ブロック31jの下面31kに凹部31mが配置される場合を示す。しかしながら、凹部31mの配置はこれに限定されない。凹部31mは左上ブロック31jの下面31kであればよい。後述するように、凹部31mは左旋回左操舵角規制部に含まれる。
図8は、左下アーム部材を車体の上方から見た平面図である。図9は、左下アーム部材を車体の上方から見た斜視図である。図8では、図面の理解を容易にするため左支持機構5は破線で示す。図9では、左支持機構5を省略する。
図8及び図9を参照して、左下アーム部材32は、前部32aと後部32bとを有する。左下アーム部材32の前部32aと後部32bとの間の車体21の前後方向の距離は、左支持機構5に近づくにつれ狭くなる。左下アーム部材32は、クロス部材32cと取付部材32dとを有する。クロス部材32cは、左下アーム部材32の前部32aと左下アーム部材32の後部32bとをつなぐ。取付部材32dは、左円筒部材13の下端13bを回転可能に支持する。
左下アーム部材32は、右部32fと左部32gとを有する。左下アーム部材32の右部32fには、ジョイント部材32hが設けられる。左下アーム部材32の右部32fは、ジョイント部材32hを介して車体21に連結される。左下アーム部材32は、車体21の前後方向に沿う軸線X13周りに回転可能である。これにより、左下アーム部材32は車体21の上方及び下方にスイングできる。左下アーム部材32の左部32gは、左下ブロック32jを含む。左下アーム部材32の左部32gは、左下ブロック32jを介して左支持機構5の下部5bに連結される。左下アーム部材32の左部32gは、車体21の前後方向に沿う軸線X14周りに回転可能である。
左下アーム部材32の左部32gの上面32kには、凹部32mが配置される。図8及び図9では、左下ブロック32jの下面32kに凹部32mが配置される場合を示す。しかしながら、凹部32mの配置はこれに限定されない。凹部32mは左下アーム部材32の上面32kであればよい。後述するように、凹部32mは右旋回左操舵角規制部に含まれる。
右アーム機構4について説明する。右アーム機構4は、上述した左アーム機構3と左右が逆になるのみであるため、詳細な図示は省略する。
右アーム機構4は、右上アーム部材41と右下アーム部材42とを含む。右上アーム部材41は、右下アーム部材42よりも車体21の上方に配置される。右アーム機構4は、ヘッドパイプ25よりも車体21の下方に配置される。車体21の直立状態において、右アーム機構4はヘッドパイプ25よりも車体21の右方に配置される。右アーム機構4は、車体21の左右方向に延びる。
右上アーム部材41は、前部と後部とを有する。右上アーム部材41の前部と後部との間の車体21の前後方向の距離は、右支持機構6に近づくにつれ狭くなる。右上アーム部材41は、クロス部材を有する。クロス部材は、右上アーム部材41の前部と右上アーム部材41の後部とをつなぐ。
右上アーム部材41は、左部と右部とを有する。右上アーム部材41の左部には、ジョイント部材が設けられる。右上アーム部材41の左部は、ジョイント部材を介して車体21に連結される。右上アーム部材41の左部は、車体21の前後方向に沿うジョイント部材の軸線周りに回転可能である。これにより、右上アーム部材41は車体21の上方及び下方にスイングできる。右上アーム部材41の右部は、右上ブロックを含む。右上アーム部材41の右部は、右上ブロックを介して右支持機構6の上部6aに連結される。右上アーム部材41の右部は、車体21の前後方向に沿う連結部の軸線周りに回転可能である。
右上アーム部材41の右部の下面には、凹部が配置される。右上アーム部材41の右部の下面に配置される凹部はたとえば、右上ブロックの下面に配置される。後述するように、右上ブロックの下面の凹部は右旋回右操舵角規制部に含まれる。凹部の車体21の前後方向の幅は、車体21の上方に向かうにつれて狭くなる。
右下アーム部材42は、前部と後部とを有する。右下アーム部材42の前部と後部との間の車体21の前後方向の距離は、右支持機構6に近づくにつれ狭くなる。右下アーム部材42は、クロス部材を有する。クロス部材は、右下アーム部材42の前部と右下アーム部材42の後部とをつなぐ。
右下アーム部材42は、左部と右部とを有する。右下アーム部材42の左部には、ジョイント部材が設けられる。右下アーム部材42の左部は、ジョイント部材を介して車体21に連結される。右下アーム部材42の左部は、車体21の前後方向に沿うジョイント部材の軸線周りに回転可能である。これにより、右下アーム部材42は車体21の上方及び下方にスイングできる。右下アーム部材42の右部は、右下ブロックを含む。右下アーム部材42の右部は、右下ブロックを介して右支持機構6の下部6bに連結される。右下アーム部材42の右部は、車体21の前後方向に沿う連結部の軸線周りに回転可能である。
右下アーム部材42の右部の上面には、凹部が配置される。右下アーム部材42の右部の上面に配置される凹部はたとえば、右下ブロックの上面に配置される。後述するように、右下ブロックの上面の凹部は左旋回右操舵角規制部に含まれる。凹部の車体21の前後方向の幅は、車体21の下方に向かうにつれて狭くなる。
要するに、本実施形態の左アーム機構3及び右アーム機構4はダブルウィッシュボーン式である。
図10は、左支持機構を車体の左方から見た図である。図2及び図10を参照して、左支持機構5は、上部5aと下部5bとを有する。左支持機構5の上部5aは、左上アーム部材31の左部31gに回転可能に支持される。左支持機構5の下部5bは、左下アーム部材32の左部32gに回転可能に支持される。左支持機構5は、左上アーム部材31の左部31gと左下アーム部材32の左部32gとを結ぶ軸線Y6周りに回転可能である。左支持機構5は、図6及び図8に示す左上アーム部材31及び左下アーム部材32の軸線X12及びX14周りに回転可能である。
図2を参照して、左支持機構5は右面5cと左面5dとを有する。左支持機構5の右面5cは、左支持機構5の車体21の左右方向の右側の面を意味する。換言すると、左支持機構5の右面5cは、車体21の上方から見て、左支持機構5の車体21側の面をいう。左支持機構5の左面5dは、左支持機構5の車体21の左右方向の左側の面を意味する。換言すると、左支持機構5の左面5cは、車体21の上方から見て、左支持機構5の左前輪8側の面をいう(図12参照)。
左支持機構5の上部5aの右面5cには、凸部61が配置される。凸部61は、左支持機構5と別部材であってもよいし、左支持機構5と一体であってもよい。凸部61はたとえば、ピン部材である。車体21の直立状態において、凸部61は、左支持機構5の右面5cから車体21の右方に延びる。車体21の直立状態において、凸部61は左上ブロック31jの凹部31mに進入していない(図2、図13参照)。
右支持機構6は、左支持機構5と左右が逆になっただけであるので詳細な図示は省略する。
図2を参照して、右支持機構6は、上部6aと下部6bとを有する。右支持機構6の上部6aは、右上アーム部材41の右部41gに回転可能に支持される。右支持機構6の下部6bは、右下アーム部材42の右部42gに回転可能に支持される。右支持機構6は、右上アーム部材41の右部41gと右下アーム部材42の右部42gとを結ぶ軸線Y7周りに回転可能である。右支持機構6は、図2に示す右上アーム部材41及び左下アーム部材42の軸線X15及びX16周りに回転可能である。
右支持機構6は左面6cと右面6dとを有する。右支持機構6の左面6cは、右支持機構6の車体21の左右方向の左側の面を意味する。換言すると、右支持機構6の左面6cは、車体21の上方から見て、右支持機構6の車体21側の面をいう。右支持機構6の右面6dは、右支持機構6の車体21の左右方向の右側の面を意味する。換言すると、右支持機構6の右面6dは、車体21の上方から見て、右支持機構6の右前輪9側の面をいう。
右支持機構6の下部6bの左面6cには、凸部62が配置される。凸部62は、右支持機構6と別部材であってもよいし、右支持機構6と一体であってもよい。凸部62はたとえば、ピン部材である。車体21の直立状態において、凸部62は、右支持機構6の左面6cから車体21の左方に延びる。車体21の直立状態において、凸部62は右下ブロック42jの凹部42mに進入していない(図2、図17参照)。
図11は、車体が左方へ傾斜した場合のDWB車両を車体の前方から見た正面図である。図11を参照して、左旋回時に車体21が左方へ傾斜すると、ヘッドパイプ25が鉛直方向に対して左方へ傾斜する。左アーム機構3は、車体21に回転可能に連結されている。そのため、車体21が左アーム機構3に近づく。すなわち、左アーム機構3は、車体21に対して上方へスイングする(矢印S1で示す方向)。他方、車体21が左方へ傾斜すると、車体21が右アーム機構4から離れる。すなわち、右アーム機構4は、車体21に対して下方へスイングする(矢印S2で示す方向)。
車体21が左方へ傾斜すると、車体21に連結されている左上アーム部材31は、左下アーム部材32に対して左方へ移動する。これにより、左支持機構5は、左方に傾斜する。また、左支持機構5に支持される左前輪8も、左方に傾斜する。車体21が左方へ傾斜すると、車体21に連結されている右上アーム部材41は、右下アーム部材42に対して左方へ移動する。これにより、右支持機構6は、左方に傾斜する。また、右支持機構6に支持される右前輪9も、左方に傾斜する。
図11では、左アーム機構3の上方へのスイング角度は、右アーム機構4の下方へのスイング角度と同じ場合を示す。この場合、左アーム機構3は右アーム機構4と連動している。
左アーム機構3が右アーム機構4と連動する場合の、左前輪8及び右前輪9の操舵角の規制について説明する。
図12は、車体の前方から見た左旋回左右操舵角規制機構を示す図である。図12では、車体21、緩衝機構11、操舵機構12の一部等は省略している。図12では、車体21が左方へ傾斜した状態を示す。
図12を参照して、左旋回左右操舵角規制機構は左旋回左操舵角規制部71及び左旋回右操舵角規制部72を含む。以下、左旋回左操舵角規制部71が左上アーム部材31の凹部31mを含み、左旋回右操舵角規制部72が右下アーム部材42の凹部42mを含む場合について説明する。左旋回左操舵角規制部71について図13及び図14を参照して説明する。
図13は、車体が左方へ傾斜した場合の左旋回左操舵角規制部を示す図である。図14は、図13中のXIV−XIVでの断面図である。図13及び図14では、車体が左方へ傾斜し、かつハンドルが所定値まで転舵された状態を示す。
図13及び図14を参照して、左旋回左操舵角規制部71は、左上ブロック31jの凹部31mを含む。凹部31mは、左支持機構5よりも車体の右方の左上アーム部材31に配置される。左旋回左操舵角規制部71は、車体21が左方へ傾斜した場合に左支持機構5の軸線Y6周りの回転(操舵角)を規制する。また、左旋回左右操舵角規制機構は、左支持機構5の上部5aの右面5cに配置された凸部61を含む。
車体21が左方へ傾斜すると、左上アーム部材31は左支持機構5の上部5aに近づく。車体21の左方への傾斜角が所定値α1以上になると、左支持機構5の上部5aの右面5cに配置された凸部61が左上ブロック31jに配置された凹部31mに進入する。より具体的には、車体21の直立状態における上方向FUと車体21の傾斜状態における上方向FUとのなす角度がα1以上になると、凸部61が凹部31mに進入する。このとき、乗員がハンドルを左方に転舵すると、左支持機構5が軸線Y6周りに回転する。左支持機構5の回転角が所定値β1に達すると、凸部61が凹部31mの内面と接触する。これにより、左支持機構5の操舵角が規制される。すなわち、左支持機構5に支持される左前輪8の操舵角が規制される。右前輪9は、操舵機構12を介して左前輪8と連動する。そのため、左前輪8の操舵角が規制されると、右前輪9の操舵角も同じ角度で規制される。
図15は、車体が図13に示す場合よりもさらに大きく左方へ傾斜した場合の左旋回左操舵角規制部を示す図である。図16は、図15中のXVI−XVIでの断面図である。図15及び図16では、車体21の傾斜角がα2に達した状態を示す。角度α2は、角度α1よりも大きい。図16では、図14に示す場合の凸部61を破線で占す。
図15及び図16を参照して、左上ブロック31jの凹部31mの車体21の前後方向の幅は、車体21の上方に向かうにつれて狭くなる。車体21の左方への傾斜が大きくなるにつれ、左支持機構5の上部5aの右面5cに配置された凸部61が左上ブロック31jの凹部31mにさらに深く進入する。したがって、この状態から乗員がハンドルを左回転させると、図13及び図14に示す場合よりも、小さい操舵角β2で凸部61が凹部31mの内面と接触する。そのため、図15及び図16に示す凸部61が凹部31mの内面と接触するまでのハンドルの操舵角度は、図13及び図14に示す場合よりも小さくなる。要するに、左アーム機構3の上方へのスイング角度が大きくなるほど、ハンドルの左方への許容操舵角は小さくなる。ハンドルの右方への許容操舵角も同様である。
左旋回右操舵角規制部72について図17を参照して説明する。
図17は、車体が左方へ傾斜した場合の左旋回右操舵角規制部を示す図である。図17では、車体が左方へ傾斜し、かつハンドルが所定値まで転舵された状態を示す。
図17を参照して、左旋回右操舵角規制部72は、右下ブロック42jの凹部42mを含む。凹部42mは、右支持機構6よりも車体の左方の右下アーム部材42に配置される。左旋回右操舵角規制部72は、車体21が左方へ傾斜した場合に右支持機構6の操舵角を規制する。また、左旋回左右操舵角規制機構は、右支持機構6の下部6bの左面6cに配置された凸部62を含む。
車体21が左方へ傾斜すると、右下アーム部材42は右支持機構6の下部6bに近づく。車体21の左方への傾斜角が所定値α1を超えると、右支持機構6の下部6bの左面6cに配置された凸部62が右下ブロック42jに配置された凹部42mに進入する。このとき、乗員がハンドルを左方に転舵すると、右支持機構6が軸線Y7周りに回転する。右支持機構6の回転角が所定値に達すると、凸部62が凹部42mの内面と接触する。これにより、右支持機構6の操舵角が規制される。すなわち、右支持機構6に支持される右前輪9の操舵角が規制される。右前輪9の操舵角が規制されると、左前輪8の操舵角も同じ角度で規制される。
右下ブロック42jの凹部42mの車体21の前後方向の幅は、車体21の下方に向かうにつれて狭くなる。したがって、上述した左旋回左操舵角規制部71と同様に、右アーム機構4の下方へのスイング角度が大きくなるほど、ハンドルの左方への許容操舵角は小さくなる。ハンドルの右方への許容操舵角も同様である。
上述の説明では、左アーム機構3が右アーム機構4と連動する場合の左旋回左右操舵角規制機構について説明した。しかしながら、DWB車両では、左アーム機構3が右アーム機構4と連動しない場合がある。ダブルウィッシュボーン式サスペンションは、左アーム機構3及び右アーム機構4を独立に懸架するからである。以下では、左アーム機構3が右アーム機構4と連動しない場合の左旋回左右操舵角規制機構について説明する。以下では、右アーム機構4の下方へのスイング角度が左アーム機構3の上方へのスイング角度よりも大きい場合について説明する。
図18は、左アーム機構が右アーム機構と連動しない場合の左旋回左右操舵角規制機構を示す図である。上述したように、右アーム機構4のスイング角度が大きいほど、右前輪9の操舵角は小さくする必要がある。したがって、図18に示す場合、左前輪8及び右前輪9の操舵角は、右前輪9の操舵角によって決められる。図18に示す場合の左前輪8及び右前輪9の操舵角は、左アーム機構3が右アーム機構4と連動する場合の操舵角よりも小さくしなければならない。
仮に、DWB車両が左上アーム部材31の左部に設けられた凹部31mのみ(左旋回左操舵角規制部71のみ)を備えるとすると、図18に示す場合、右前輪9の操舵角は左上アーム部材31の左部に設けられた凹部31mによって規制する。図18に示す場合、右アーム機構4のスイング角度は左アーム機構3のスイング角度よりも大きい。上述したように、アーム機構のスイング角度が大きくなるにつれ、前輪はアーム機構に干渉しやすくなる。そのため、図18に示す左アーム機構3のスイング角度は図12に示す左アーム機構3のスイング角度と同じであっても、図18に示す場合よりも小さい操舵角で凸部61が凹部31mの内面と接触する必要がある。すなわち、凹部31mのみ(左旋回左操舵角規制部71のみ)を備えるDWB車両では、左アーム機構3が右アーム機構4と連動しない場合を想定して、凹部31mを設けなければならない。その結果、左アーム機構3が右アーム機構4と連動している場合の操舵角が必要以上に制限される。
しかしながら、本実施形態のDWB車両1は左旋回左操舵角規制部71と左旋回右操舵角規制部72とを備える。本実施形態のDWB車両1では、図18に示す場合、右前輪9の操舵角は左旋回右操舵角規制部72によって規制される。そのため、左旋回左操舵角規制部71は、左アーム機構3が右アーム機構4と連動していない場合を想定して設けられる必要はない。そのため、左アーム機構3が右アーム機構4と連動している場合の操舵角が必要以上に制限されない。
上述では、右アーム機構の下方へのスイング角度が左アーム機構の上方へのスイング角度よりも大きい場合について説明した。左アーム機構の上方へのスイング角度が右アーム機構の下方へのスイング角度よりも大きい場合についても同様である。
以上説明したように、本実施形態のDWB車両は左旋回時に、左旋回左操舵角規制部が左支持機構の操舵角を規制し、左旋回右操舵角規制部が右支持機構の操舵角を規制する。したがって、左旋回時において、左支持機構及び右支持機構それぞれの操舵角を独立して規制できる。これにより、左アーム機構が右アーム機構と連動する場合であっても、連動しない場合であっても、車体の傾斜角及び操舵輪の操舵角を最大限に大きくできる。
上述の説明では、DWB車両が左旋回している場合の操舵角の規制について説明した。DWB車両が右旋回している場合の操舵角の規制は、上述の左旋回左右操舵角規制機構の左右が逆になる。
図12を参照して、右旋回左右操舵角規制機構は、右旋回左操舵角規制部73及び右旋回右操舵角規制部74を含む。右旋回左操舵角規制部73は、左下アーム機構32の左下ブロック32jの凹部を含む。また、右旋回左右操舵角規制機構は、左支持機構5の下部5bの右面5cに配置された凸部63を含む。右旋回右操舵角規制部74は、右上アーム機構41の右上ブロック41jの凹部を含む。また、右旋回左右操舵角規制機構は、右支持機構6の上部6bの左面6cに配置された凸部64を含む。すなわち、右旋回左右操舵角規制機構は、左旋回左右操舵角規制機構と同様の構成である。このため、右旋回左操舵角規制部73及び右旋回右操舵角規制部74の詳細な説明は省略する。
操舵機構12は、車体21が直立状態のとき、ハンドルの回転する角度を規制する直立左右操舵角規制機構を備えていてもよい。上述したように、車体21の左方への傾斜角が所定値を超えると、左旋回左操舵角規制部71の凸部61は凹部31mに進入する。したがって、車体21が直立状態のとき、左旋回左操舵角規制部71の凸部61は凹部31mに進入しない。そのため、車体21が直立状態のとき、左旋回左操舵角規制部71は左支持機構5に接触しない。この点は、左旋回右操舵角規制部72においても同様である。また、車体21が右方へ傾斜する場合においても同様である。そこで、本実施形態の直立左右操舵角規制機構は、車体21の左方及び右方への傾斜角が所定値以下の場合にハンドルの操舵角を規制する。直立左右操舵角規制機構は周知な構成であるため、詳細な説明は省略する。
このような構成によれば、車体が直立状態である場合又は車体の傾斜角が所定以下である場合、左前輪及び右前輪の操舵角は直立左右操舵角規制機構によって規制される。すなわち、車体が直立状態である場合又は車体の傾斜角が所定以下である場合、左旋回左右操舵角規制機構又は右旋回左右操舵角規制機構は操舵角を規制しない。そのため、直立左右操舵角規制機構によって自由に操舵角を決定できるため、操舵角をより大きくすることができる。また、左旋回左右操舵角規制機構及び右旋回左右操舵角規制機構の構成が、図12に示すように簡素なもので済む。
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
図13に示すように、上述の実施形態では、左旋回左操舵角規制部71が左上ブロック31jに配置された凹部31mを含み、左旋回左右操舵角規制機構が左支持機構5の上部5aの右面5cに配置された凸部61を含む場合を説明した。しかしながら、左旋回左操舵角規制部71の構成は図13に示す場合に限定されない。左旋回左操舵角規制部71は、左支持機構5の上部5aの右面5cに配置された凹部を含んでいてもよい。この場合、左旋回左右操舵角規制機構は左上ブロック31jに配置された凸部を含む。要するに、凸部61及び凹部31mの配置は図13に示す場合の逆であってもよい。
図19は、左旋回左操舵角規制部の他の実施形態を示す図である。図19を参照して、図19に示す凸部61A及び凹部5eの配置は、図13に示す凸部61及び凹部31mの配置と逆である。図19に示す場合、左旋回左操舵角規制部71は、左支持機構5の上部5aの右面5cに配置された凹部5eを含む。また、左旋回左右操舵角軌跡機構は、左上アーム部材31に配置された凸部61Aを含む。この場合であっても、車体21の左方への傾斜角が所定値を超えると、凸部61Aが凹部5eに進入する。これにより、上述したように、左支持機構5の操舵角が規制される。左旋回右操舵角規制部72、右旋回左操舵角規制部73及び右旋回右操舵角規制部74においても、凸部と凹部との関係は、図12に示す場合の逆であってもよい。
図9及び図12に示すように、上述の実施形態では、右旋回左操舵角規制部73は左下ブロック32jに配置された凹部32mを含み、右旋回左右操舵角規制機構は左支持機構5の下部5bの右面5cに配置された凸部63を含む場合を説明した。しかしながら、右旋回左操舵角規制部73の構成は図9及び図12に示す場合に限定されない。
図20は、右旋回左操舵角規制部の他の実施形態を示す図である。図20を参照して、右旋回左操舵角規制部73は、左支持機構5よりも左方に延びる左上アーム部材31の下面31kに配置される凹部31nを含む。この場合、右旋回左右操舵角規制機構は、左支持機構5の上部5aの左面5dに配置される凸部65を含む。図20に示す凹部31nは、上述した凹部31mと同様の構成である。したがって、車体21の右方への傾斜角が所定値α1を超えると、左支持機構5の上部5aの左面5dに配置された凸部65が、左支持機構5よりも左方の左上アーム部材31に配置された凹部31nに進入する。このとき、左支持機構5の操舵角が所定値に達すると、凸部65が凹部31nの内面と接触する。これにより、左支持機構5の操舵角が規制される。
要するに、右旋回左操舵角規制部は、左支持機構よりも左方の左上アーム部材に配置される凹部、又は、左支持機構よりも右方の左下アーム部材に配置される凹部を含んでいればよい。右旋回左操舵角規制部が左支持機構よりも左方の左上アーム部材に配置される凹部を含む場合、右旋回左右操舵角規制機構は左支持機構の上部の左面に配置される凸部を含む。右旋回左操舵角規制部が左支持機構よりも右方の左下アーム部材に配置される凹部を含む場合、右旋回左右操舵角規制機構は左支持機構の下部の右面に配置される凸部を含む。
右旋回右操舵角規制部は、右支持機構よりも左方の右上アーム部材に配置される凹部、又は、右支持機構よりも右方の右下アーム部材に配置される凹部を含んでいればよい。右旋回右操舵角規制部が右支持機構よりも左方の右上アーム部材に配置される凹部を含む場合、右旋回左右操舵角規制機構は右支持機構の上部の左面に配置される凸部を含む。右旋回右操舵角規制部が右支持機構よりも右方の右下アーム部材に配置される凹部を含む場合、右旋回左右操舵角規制機構は右支持機構の下部の右面に配置される凸部を含む。
左旋回左操舵角規制部は、左支持機構よりも右方の左上アーム部材に配置される凹部、又は、左支持機構よりも左方の左下アーム部材に配置される凹部を含んでいればよい。左旋回左操舵角規制部が左支持機構よりも右方の左上アーム部材に配置される凹部を含む場合、左旋回左右操舵角規制機構は左支持機構の上部の右面に配置される凸部を含む。左旋回左操舵角規制部が左支持機構よりも左方の左下アーム部材に配置される凹部を含む場合、左旋回左右操舵角規制機構は左支持機構の下部の左面に配置される凸部を含む。
左旋回右操舵角規制部は、右支持機構よりも右方の右上アーム部材に配置される凹部、又は、右支持機構よりも左方の右下アーム部材に配置される凹部を含んでいればよい。左旋回右操舵角規制部が右支持機構よりも右方の右上アーム部材に配置される凹部を含む場合、左旋回左右操舵角規制機構は右支持機構の上部の右面に配置される凸部を含む。左旋回右操舵角規制部が右支持機構よりも左方の右下アーム部材に配置される凹部を含む場合、左旋回左右操舵角規制機構は右支持機構の下部の左面に配置される凸部を含む。
図21は、右旋回左操舵角規制部の他の実施形態を示す図である。図21を参照して、右旋回左操舵角規制部73は、フォーク部材80を含む。この場合、右旋回左右操舵角規制機構は、凸部66を含む。凸部66は、左支持機構5の上部5aの左面5dに配置される。フォーク部材80は、左上アーム部材31に取り付けられる。フォーク部材80は、左上アーム部材31の左部31gから車体の左方に延びる。
フォーク部材80は、開口部81を含む。フォーク部材80は、二又形状である。フォーク部材80の左端は、車体21の前後方向において繋がっていない。したがって、車体21の右方への傾斜角が所定値α1を超えると、左支持機構5の上部5aの左面5dに配置された凸部66がフォーク部材80の開口部81に進入する。このとき、左支持機構5の操舵角が所定値に達すると、凸部66が開口部81の内面と接触する。これにより、左支持機構5の操舵角が規制される。また、開口部81の車体前後方向の幅は、車体21に近づくにつれて狭くなる。したがって、左アーム機構3の上方へのスイング角度が大きくなるほど、ハンドルの左方への許容操舵角は小さくなる。
図21では、右旋回左操舵角規制部73について説明した。図21に示すような構成は、左旋回左操舵角規制部71、左旋回右操舵角規制部72及び右旋回右操舵角規制部74に採用することもできる。図21に示すような構成を左旋回左操舵角規制部71に採用する場合、凸部は左支持機構5の下部5bの左面5dに配置され、フォーク部材は左下アーム部材32に取り付けられる。図21に示すような構成を左旋回右操舵角規制部72に採用する場合、凸部は右支持機構6の上部6aの右面6dに配置され、フォーク部材は右上アーム部材41に取り付けられる。図21に示すような構成を右旋回右操舵角規制部74に採用する場合、凸部は右支持機構6の下部6bの右面6dに配置され、フォーク部材は右下アーム部材42に取り付けられる。
上記の実施形態においては、左旋回左操舵角規制部、左旋回右操舵角規制部、右旋回左操舵角規制部及び右旋回右操舵角規制部が、凹部又はフォーク部材である場合を説明した。しかしながら、左旋回左操舵角規制部、左旋回右操舵角規制部、右旋回左操舵角規制部及び右旋回右操舵角規制部は、これに限定されない。また、上記の実施形態においては、凹部又はフォーク部材は、凸部と接触することにより操舵角を規制する場合を説明した。しかしながら、操舵角を規制するとき、凹部又はフォーク部材と接触する物は、凸部に限定されない。要するに、凹部又はフォーク部材、及び、凸部は、ストッパ機能を有する形状であればよい。
上記の実施形態においては、DWB車両1は、1つの後輪10を備えている。しかしながら、後輪の数は、複数でもよい。上記の実施形態においては、DWB車両1の2つの操舵輪が、左前輪8及び右前輪9である場合を説明した。しかしながら、DWB車両1が複数の後輪を備える場合、DWB車両1の2つの操舵輪は、左後輪及び右後輪であってもよい。
上記の実施形態においては、後輪10の車体21の左右方向における中央は、車体21の左右方向における左前輪8と右前輪9の間隔の中央と一致している。このような構成が好ましいものの、後輪10の車体21の左右方向における中央は、車体21の左右方向における左前輪8と右前輪9の間隔の中央と一致していなくてもよい。
本明細書で用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって、限定的に解釈するために用いられたものではない。本明細書に示され、かつ述べられた特徴事項のいかなる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されねばならない。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。本明細書は、本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた好ましい実施形態は、当該実施形態に本発明が限定されることを意図するものではないという了解に基づいている。
本発明は、本明細書に開示された実施形態例に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を含むあらゆる実施形態も包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプ口セキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。そのような実施形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。