JP2005231452A - ホイールベース可変式車輌 - Google Patents

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Mitsuharu Isoe
光治 磯江
Hiroshi Kayukawa
宏 粥川
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Abstract


【課題】 ホイールベースが大きくなることに連動して車両用シートが傾いても、車輌前方の視界の悪化を防ぐホイールベース可変式車輌を提案することを目的とする。
【解決手段】 ホイールベース可変式車輌1の、車輌用シート3が取り付けられたメインフレーム2の前方部には前輪FWが連結され、その後方には一対の回動アーム41の上端が回動可能に連結されている。回動アーム41の下端は後輪RWに対し回動可能に連結され、回動アーム41の後方には、メインフレーム2と後輪RWを連結するように、互いに回動可能に接続されたアッパアーム72、73とロアアーム71が設けられている。作動装置5を作動させることにより回動アーム41を回動させ、後輪RWを前輪FWに対して後方に移動して、ホイールベースを大きくすると同時に、車輌用シート3を後方にねるように傾斜させる。この時、連動機構8によって、アッパアーム72、73がその上端を中心に回動することに連動させて、車輌用シート3の背面部32を座部31に対して前方に起き上がらせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホイールベースの変化に連動して、車輌用シートの傾きを変化させることのできるホイールベース可変式車輌に関する。
その走行状態に応じて、前輪と後輪の中心間距離であるホイールベースを変化させることのできる車輌に関する従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。これは、車体フレームに固定されたアクチュエータにより、後車軸を前後に移動させるものであるが、高速走行時の車輌の安定性の点から、この構成に加えて、ホイールベースの変化に連動して、車輌用シートの傾きを変化させるというものも考えられた。しかしながら、この構成によればホイールベースが大きくなることに連動して車輌用シートが後方へ傾くと、乗員の視線が上向きとなり、車輌前方の視界が悪化することになる。
特開平1−106717号公報(第1図および第2図)
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ホイールベースが大きくなることに連動して車両用シートが傾いても、車輌前方の視界の悪化を防ぐホイールベース可変式車輌を提案することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、乗員の臀部を支持する座部と、この座部に対し回動可能に連結されて乗員の上体を支える背面部とを有する車輌用シートを備え、この車輌用シートを支持する前輪と後輪との間の距離を大きくすることに連動させて、前記車輌用シートを後方にねかせるように傾斜させるとともに、前記座部に対して前記背面部を前方に起こすように回動させ、前記前輪と前記後輪との間の距離を小さくすることに連動させて、前記車輌用シートを前方に起こすとともに、前記座部に対して前記背面部を後方に回動させることを特徴とするホイールベース可変式車輌とした。
請求項2の発明は、前記後輪と前記車輌用シートとの間にリンク機構を介装し、前記前輪と前記後輪との間の距離を大きくする時に、前記後輪を前記前輪に対して後方に移動させることにより、前記リンク機構の前記車輌用シート側の端部が、前記車輌用シートに対して回動することに連動して、前記背面部が前記座部に対して前方に回動することを特徴とする請求項1記載のホイールベース可変式車輌とした。
請求項3の発明は、前記座部が固定され、前方部が前輪に連結されるとともに、後方へと延びたメインフレーム、上端が前記メインフレームの、前記前輪との連結部よりも後方に位置する部位に回動可能に接続されるとともに、下端が後輪に連結された回動アーム、および前記メインフレームに連結される取付部と、この取付部と前記回動アームとの間に介装され、前記取付部に対して移動可能な作動部を有する作動装置を備え、前記リンク機構は、互いに一端同士が回動可能に連結されたアッパアームとロアアームによって構成され、前記アッパアームの上端が、前記メインフレームの前記回動アームとの連結部よりも後方に位置する部位に回動可能に接続されるとともに、前記ロアアームの下端が前記後輪に接続されており、前記作動装置の駆動により、前記回動アームを付勢して前記メインフレームとの連結部を中心として回動させることにより、前記前輪に対して前記後輪を前後方向に移動させて、前記メインフレームの傾斜を変化させるとともに、前記リンク機構が屈伸することで、前記アッパアームの上端が前記メインフレームに対して回動することに連動して、前記背面部が前記座部に対して前後方向に回動することを特徴とする請求項2記載のホイールベース可変式車輌とした。
請求項4の発明は、前記アッパアームの上端には、前記アッパアームの回動とともに一体に回動可能なプライマリギヤが連結され、このプライマリギヤにはその回動により従動するセカンダリギヤが噛合され、このセカンダリギヤの円周上には、前記背面部の後面に連結された揺動リンクが取り付けられており、前記アッパアームの上端の回動により、前記プライマリギヤおよびセカンダリギヤの回動を介して前記揺動リンクを揺動させて、前記背面部を前記座部に対して回動させることを特徴とする請求項3記載のホイールベース可変式車輌とした。
<請求項1の発明>
前輪と後輪との間の距離を大きくすることに連動させて、車輌用シートを後方にねかせるように傾斜させるとともに、座部に対して背面部を前方に起こすように回動させることにより、車両用シートが後方にねるように傾斜しても、背面部により乗員の上体が前方に起こされるため、車輌前方の視界が悪化することがない。
<請求項2の発明>
後輪と車輌用シートとの間にリンク機構を介装し、前輪と後輪との間の距離を大きくする時に、後輪を前輪に対して後方に移動させることにより、リンク機構の車輌用シート側の端部が、車輌用シートに対して回動することに連動して、背面部が座部に対して前方に回動するため、簡単な構成で、前輪と後輪との間の距離を大きくすることに連動させて、背面部を回動させることができる。
<請求項3の発明>
アッパアームの上端が、メインフレームの回動アームとの連結部よりも後方に位置する部位に回動可能に接続されているため、アッパアームの上端を車輌の後方部に配置でき、車輌用シートの背面部とアッパアームの上端を互いに近傍に位置させることができ、アッパアームの回動に背面部を連動させる機構を小型化できる。
<請求項4の発明>
アッパアームの上端の回動により、プライマリギヤおよびセカンダリギヤの回動を介して揺動リンクを揺動させて、背面部を座部に対して回動させるため、プライマリギヤ、セカンダリギヤおよび揺動リンクにより、アッパアームの回動を容易に増速あるいは減速して、背面部に伝達することができ、設計上の自由度を増大させることができる。
本発明の実施形態を図1乃至図8によって説明する。以下の説明中、図5および図6において左方を車輌1の前方とする。ホイールベース可変式車輌である車輌1は、メインフレーム2を備えている。メインフレーム2は、アルミニウムによって形成されて前後方向に延びており、その中央部には、車輌用シート3が取り付けられる窪み状のシート取付部21が形成されている。
また、シート取付部21の外周縁には、FRP等の強化プラスチックによって形成されたボデーBDが取り付けられている。ボデーBDは、運転者の身体を収容して保持する形状に形成され、その下端部には着座する運転者が乗り降りに使用するステップSTが設けられている(図1示)。シート取付部21の背面にはフレーム骨部22が形成されており、シート取付部21の上下方向に湾曲して延びて、車輌用シート3を支持している。
車輌用シート3は、メインフレーム2に固定され、運転者の臀部を支持する座部31と、座部31の上方において回動可能に連結され、運転者の上体を支える背面部32とにより構成されている。座部31は、アルミニウム製のパイプ材により形成されたシートクッションフレーム311上に、ウレタンに表皮を被せて構成されたシートクッション312が取り付けられている。
シートクッションフレーム311の上端部に設けられた上部ブラケット313を、シート取付部21のほぼ中央部に立設された固定ボス21aに固定し、下端部に設けられた下部ブラケット314をメインフレーム2の下端部に固定することにより、座部31はメインフレーム2に取り付けられている。背面部32は、座部31と同じくアルミニウム製のパイプ材により形成されたシートバックフレーム321上に、ウレタンに表皮を被せて構成されたシートバッククッション322が取り付けられている。尚、シートクッション312とシートバッククッション322とは、一体に形成されてもよい。背面部32および上部ブラケット313については、後に詳述する。
メインフレーム2の前方部には、それぞれフロントフォークFFがボルトあるいはリベット等により連結される左右一対のアーム取付部22aが、車輌1の幅方向外側に向けて設けられている。フロントフォークFFは弾性を備える金属材料により形成され、その先端部には、操舵用の電動モータMSを介して前輪FWがそれぞれ連結されている。電動モータMSは、図示しない車輌用バッテリーと電気的に接続されており、必要な時に前輪FWを操向させるためのものである。
図2に示すように、メインフレーム2の前端部の背面には、後述する作動装置5が取り付けられる互いに対向した一対の作動装置取付部22bが、後方に突出するように設けられている。また、シート取付部21の側方部には、一対の円柱形状をしたサブリンク取付部21bが、幅方向外側に向けて突出している。また、フレーム骨部22の側面にも、それぞれ円柱状の一対の回動アーム取付部22cがサブリンク取付部21bと同様に形成されている。
前輪FWとの連結部よりも後方に位置した回動アーム取付部22cは、回動機構4を構成する左右一対の回動アーム41の上端に挿入され、回動アーム41はメインフレーム2に対して回動可能に取り付けられている。また、シート取付部21の側方部に形成されたサブリンク取付部21bは、やはり回動機構4を構成する一対の第1サブリンク42の上端に、回動可能に挿入されて取り付けられている。また、同じく回動機構4を構成する連結シャフト44の一端を、直線状に形成された第2サブリンク43の一端に挿通した後、更に、第1サブリンク42の下端に挿入することにより、第1サブリンク42の下端と第2サブリンク43の一端が、互いに回動可能に接続されている。こうすることにより、第1サブリンク42と第2サブリンク43とで、いわゆる増角リンク機構が構成されている。
上述した、それぞれの回動アーム41の互いに対向する内側面には、円柱状に突出したリンク取付部41aが形成され、これは第2サブリンク43の他端に、それぞれ内側から回動可能に挿入されている。図1に示すように、サブリンク42、43は、メインフレーム2をその幅方向に回避するように、互いに接続された状態で、メインフレーム2の幅方向の外側(両側)に、互いに対向するように一組づつ配置されており、後述するように、作動装置5のナット52bが、一対の連結シャフト44の他端にそれぞれ接続されることにより、これらが車輌1の幅方向に連結されている。
作動装置5は、図示しない電動モータを内蔵することにより、ほぼ円柱状に形成された取付部51と、取付部51と接続された作動部52とにより構成されている。取付部51は、その端部に設けられた取付孔51aに図示しない回動シャフトを挿通し、その両端を上述したメインフレーム2の作動装置取付部22bに挿入して、一対の作動装置取付部22bによって挟まれるように配されることにより、上下方向に揺動可能に取り付けられている。取付部51に内蔵された電動モータは、車輌用バッテリーと電気的に接続され、作動スイッチを操作することにより駆動可能とされている。
一方、作動部52は、シャフト状に延びるとともに、その外周面にネジ山が形成され、取付部51に内蔵された電動モータの回転軸に、減速機を介して連結されることにより回転可能な雄ネジ部材52aと、内部に雌ネジ部が形成され、雄ネジ部材52aに螺合する直方体状のナット52bとにより構成されている。ナット52bは、上述した、対向した一対の連結シャフト44をつなぐことにより、二組のサブリンク42、43の接続部同士を連結している。これによって、ナット52bは回動機構4に接続され、回動不能とされている。従って、作動装置5の作動部52は、取付部51と回動アーム41との間に介装され、取付部51に対して移動可能とされている。
それぞれの回動アーム41の下端は、ドライブユニット用フレーム6の上面に形成されたアーム連結部61に対して回動可能に連結されている。ドライブユニット用フレーム6の側面部には後輪駆動用の電動モータMDが取り付けられるモータキャリア62が形成され、ドライブユニット用フレーム6は、モータキャリア62に取り付けられた電動モータMDを介して、後輪RWと連結されている。従って、回動アーム41の下端も後輪RWに接続される。電動モータMDは、操舵用の電動モータMSおよび作動装置5の電動モータと同様に、車輌用バッテリーと電気的に接続されている。ドライブユニット用フレーム6上には、車輌用バッテリー、制御用コントローラおよび後輪用アクスル等(いずれも図示せず)が搭載されている。
また、ドライブユニット用フレーム6の上面後端部には、後輪RWと車輌用シート3との間に介装されたリンク機構7を構成する一本のロアアーム71が一体(回動不能)に形成され、ほぼ上方へと延びている。従って、ロアアーム71の下端も後輪RWに接続されている。ロアアーム71の上端には回動軸74が挿通され、回動軸74の両端部には、やはりリンク機構7を構成する左右一対のアッパアーム72、73が挿入されて、ロアアーム71に対して回動可能に連結されている。
一対のアッパアーム72、73の上端は、上述したフレーム骨部22の側面の、それぞれ回動アーム取付部22cよりも後方に形成されたアッパアーム取付部22dにおいて、メインフレーム2に対して回動可能に取り付けられている(図4示)。尚、上述した回動アーム41、サブリンク42、43およびアッパアーム72、73は、これに限定されることはないが、本実施形態においては、アルミニウムの鋳物によってそれぞれ一体に形成されている。
次に、図3および図4に基づいて、連動機構8およびその周辺の構成について説明する。一側のアッパアーム72の上端には貫通孔72aが設けられており、その外側の端部には、貫通孔72aの直径よりも大きい幅だけ隔てられて、対向する平行面(二面幅形状)を備えた端部空間72bが、貫通孔72aに連通するように形成されている。また、他側のアッパアーム73の上端にも、同じく貫通孔73aが形成されるとともに、その外側の端部は貫通孔73aの直径よりも大きい径を有する端部空間73bに連通している(図4示)。
連動機構8を構成する回動軸81は、円柱状の軸部81aの一端部に頭部81bを備えたもので、頭部81bは、外周にアッパアーム72の端部空間72bと係合する平行面(二面幅形状)を有しており、軸部81aの中央部の外周面には、後述するように、プライマリギヤ83の内周面とスプライン嵌合するように、複数の突条81cが形成されている。回動軸81は、アッパアーム72の貫通孔72aに挿通させた後、フレーム骨部22を貫通し、アッパアーム73の貫通孔73aに挿入され、その端部が端部空間73bにおいてナット81pと螺合されることにより、アッパアーム72、73に固定され、これらをメインフレーム2に押圧している。
連動機構8はフレーム骨部22内に配され、アッパアーム72側から、連動機構8を構成する第1サポートブラケット82、プライマリギヤ83および第2サポートブラケット84が配置されているため、回動軸81はこれらを貫通している。回動軸81の頭部81bは、外周の平行面がアッパアアーム72の端部空間72bの平行面と係合することにより、アッパアーム72と一体に回動可能とされている。
第1サポートブラケット82は、平板上に4個のボス82a、82b、82c、82dが設けられており、これらのボス82a、82b、82c、82dを、平板状の第2サポートブラケット84の対向面に当接させ、4本のスクリューSR1〜SR4をボス82a、82b、82c、82dの中心にそれぞれ形成された挿入孔82e、82f、82g、82hに挿通させた後、第2サポートブラケット84のスクリュー孔84a、84b、84c、84dに螺合させる。
これにより、第1サポートブラケット82は、第2サポートブラケット84に対して、所定間隔を備えて対向するように固定される(図4および図7示)。第1サポートブラケット82は、その上端にネジ孔82iを備えており、メインフレーム2の図示しない取付孔に挿通された取付ボルトが、ネジ孔82iに螺合されることにより、第2サポートブラケット84とともにメインフレーム2に固定されている。
更に、第1サポートブラケット82および第2サポートブラケット84には、それぞれ一対のベアリング取付孔82j、82kおよび84e、84fが、各々上下に並んで形成されている。第1サポートブラケット82および第2サポートブラケット84の、それぞれ下方に形成されたベアリング取付孔82j、84eには、それぞれベアリングBR1、BR2の外周面が圧入され、それぞれのベアリングBR1、BR2の内周面には、上述したプライマリギヤ83の両端部83aが圧入される。プライマリギヤ83の両端部83a間の外周面にはギヤ歯83bが形成され、ギヤ歯83bはベアリングBR1、BR2を介してサポートブラケット82、84に対して回動可能とされている。また、プライマリギヤ83の内周面にはスプライン溝83cが設けられ、回動軸81の突条81cと嵌合しており、アッパアーム72の回動により回動軸81とともに一体に回動される。
一方、第1サポートブラケット82および第2サポートブラケット84の、それぞれ上方に形成されたベアリング取付孔82k、84fには、それぞれベアリングBR3、BR4の外周面が圧入されている。それぞれのベアリングBR3、BR4の内周面には、セカンダリギヤ85の両端面から突出した一対の軸部85a(図3に一側のみ示す)が圧入され、セカンダリギヤ85はベアリングBR3、BR4を介してサポートブラケット82、84の間に介装され、これらに対して回動可能とされている。
軸部85a間の外周面にはギヤ歯85bが形成されており、これがプライマリギヤ83のギヤ歯83bと噛合していることにより、セカンダリギヤ85はプライマリギヤ83の回動に対して従動する。また、セカンダリギヤ85の円周上の一箇所には、ピン挿入孔85cが設けられており、更に、その外周面の一部にはギヤ歯85bが形成されておらず、代わりにその幅方向中央部にスリット85dが設けられている。
湾曲した揺動リンク86は、セカンダリギヤ85のスリット85d内に挿入された後、一端に形成された圧入孔86aに、セカンダリギヤ85のピン挿入孔85cに挿通された圧入ピン85rが圧入されることにより、セカンダリギヤ85の円周上に取り付けられている。圧入ピン85rの外径は、ピン挿入孔85cの内径に対して小さく形成されているため、揺動リンク86は、ピン挿入孔85cを中心としてセカンダリギヤ85に対して回動可能で、スリット85d内を揺動可能とされている。
揺動リンク86の他端は、メインフレーム2のシート取付部21を貫通した後、背面部32のシートバックフレーム321に取り付けられた回動ブラケット87に連結されている。回動ブラケット87は、平板状の連結片87aと、上方から見るとコの字状の回動体87bとが接続されて一体に形成されており、連結片87aの端部に設けられた連結孔87cと揺動リンク86の他端に形成されたピン孔86bとが、連結ピン86iによって互いに回動可能に連結されている。また、図3に示すように、回動ブラケット87はシートバックフレーム321の下端に固定されており、揺動リンク86を背面部32の後面に連結するとともに、回動体87bに貫通された一対の回動孔87dにおいて、上述したシートクッションフレーム311に固定された上部ブラケット313に対し、回動可能に連結されている。
上部ブラケット313は平板状の固定部313aを備えており、これはその中央部に、メインフレーム2の固定ボス21aに、スクリューSR5(図7示)によって取り付けられる取付孔313bを有している。また、固定部313aの側端部には、一対の立壁部313cが形成されている。各々の立壁部313cには回動孔313dが貫通しており、回動ブラケット87の回動体87bを、対向する立壁部313cの間に配置した後、回動ピン313pを回動孔313dおよび回動孔87dに挿通して、回動ブラケット87をシートバックフレーム321とともに、上部ブラケット313に対して、回動ピン313pを中心として回動可能に連結している。
次に、図5および図6に基づいて、ホイールベース可変式車輌1の、ホイールベースを変化させる際の作動方法について説明する。図5に示すように、車輌1は、ホイールベースを最小の状態にして低速で走行している。車輌の運転者が車輌1を高速で走行させることを所望する時、車輌1の図示しない作動スイッチを操作することにより、作動装置5の電動モータが駆動され、減速機を介して雄ネジ部材52aに回転が伝達される。雄ネジ部材52aと螺合しているナット52bは回動不能とされているため、雄ネジ部材52aの回動により雄ネジ部材52a上を車輌1の後方へと直線的に移動する。
第1サブリンク42と第2サブリンク43の互いの接続部は、連結シャフト44を介してナット52bと接続されているため、ナット52bの移動により、第1サブリンク42がその上端を中心として図5において反時計回りに回動する。第1サブリンク42の下端が後方に回動することにより、一対の第2サブリンク43が後方へ揺動し、回動アーム41を後方へと付勢する。これにより、回動アーム41は上端のメインフレーム2との連結部を中心として図5において反時計回りに回動して、ほぼ水平状態となる。
回動アーム41の回動により、後輪RWが前輪FWに対して後方へと移動されてホイールベースが最大になるとともに、メインフレーム2が後方にねるように傾斜する(図6示)。上述したように、作動装置5はメインフレーム2に上下方向に揺動可能に取り付けられているため、ナット52bの移動が第1サブリンク42の下端の軌跡に対応することができ、その回動に支障をきたすことはない。
また、後輪RWが後方に移動する時、ロアアーム71も後方に移動するため、一対のアッパアーム72、73は、メインフレーム2および連動機構8と連結された上端を中心に、図5において反時計回りに回動して水平に近い状態となり、リンク機構7は屈曲する。メインフレーム2の後方への傾斜により、これに取り付けられた車輌用シート3も運転者とともに後方に傾斜し、車輌1の重心を低下させるとともに直進安定性を高めることができ、車輌1を高速走行に適した状態とすることができる。
図6に示した、車輌1のホイールベースが拡大された高速走行時の状態から、再び、ホイールベースを小さくして低速走行の状態とする時、運転者が車輌1の作動スイッチを操作することにより、作動装置5の電動モータを上述した時と逆方向に駆動する。これにより、雄ネジ部材52aが逆方向に回転して、ナット52bが車輌1の前方に向けて移動する。そして、第1サブリンク42が上端を中心に図6において時計回りに回動し、第2サブリンク43が前方に揺動する。従って、第2サブリンク43の付勢により、回動アーム41が上端のメインフレーム2との連結部を中心として図6において時計回りに回動して垂直に近い状態となり、後輪RWが前方へと移動してホイールベースが短縮されるとともに、メインフレーム2が前方に起き上がる。
また、後輪RWが前方に移動する時、ロアアーム71もホイールベースを拡大する時と逆に前方に移動するため、一対のアッパアーム72、73は、メインフレーム2および連動機構8と連結された上端を中心に、図6において時計回りに回動し、リンク機構7は伸長する。メインフレーム2の前方への起き上がりにより、これに取り付けられた車輌用シート3も前方に起き上がり、運転者の視界を良好にすることができ、運転者の車輌1への乗降性を向上させることができる。
次に、図5乃至図8に基づいて、車輌1のホイールベースの変化に連動させて、車輌用シート3の背面部22を回動させる方法について説明する。図5に示した状態から、車輌1の後輪RWが後方に移動する時、ロアアーム71も後方に移動するため、その下端においてこれと連結した一対のアッパアーム72、73は、その上端を中心に、図5において反時計回りに回動する。従って、二面幅形状の頭部81bによって、アッパアーム72の上端と係合している回動軸81も、アッパアーム72と一体に図7において反時計回りに回動する。更に、回動軸81の回動により、これとスプライン嵌合しているプライマリギヤ83も、図7において反時計回りに一体に回動する。
一方、プライマリギヤ83と噛合しているセカンダリギヤ85は、プライマリギヤ83の回動に従動して、図7において時計回りに回動する。セカンダリギヤ85の回動により、その円周上に連結された揺動リンク86は、図7において上方へ向けて揺動し、回動ブラケット87を回動ピン313pを中心に、反時計回りに回動させる(図8示)。回動ブラケット87の回動により、これに連結されたシートバックフレーム321がやはり回動ピン313pを中心に図7において反時計回りに回動するため、前輪FWと後輪RWとの間の距離を大きくすることに連動して、その背面部32を、座部31に対して前方に起き上がらせることができる(図6示)。
上述した場合と逆に、図6に示した状態から車輌1の後輪RWが前方に移動する時、ロアアーム71も前方に移動するため、一対のアッパアーム72、73は、その上端を中心に、図6において時計回りに回動する。従って、アッパアーム72の上端と係合している回動軸81も、図8において時計回りに回動する。回動軸81の回動により、これと嵌合しているプライマリギヤ83も、図8において時計回りに回動するため、これと噛合したセカンダリギヤ85は、図8において反時計回りに回動し、揺動リンク86を下方に引きつける。従って、回動ブラケット87は回動ピン313pを中心に図8において時計回りに回動し、これに連結されたシートバックフレーム321がやはり回動ピンを中心に時計回りに回動する(図7示)ため、前輪FWと後輪RWとの間の距離を小さくすることに連動して、その背面部32を、座部31に対して後方にねるように回動させることができる(図5示)。
本実施形態によれば、前輪FWと後輪RWとの間の距離を大きくすることに連動させて、車輌用シート3を後方にねかせるように傾斜させるとともに、座部31に対して背面部32を前方に起こすように回動させることにより、車両用シート3が後方にねるように傾斜しても、背面部32により運転者の上体が前方に起こされるため、車輌前方の視界が悪化することがない。また、後輪RWと車輌用シート3との間にリンク機構7を介装し、前輪FWと後輪RWとの間の距離を大きくする時に、後輪RWを前輪FWに対して後方に移動させることにより、リンク機構7を構成するアッパアーム72、73の上端が回動することに連動して、背面部32が座部31に対して前方に回動する構成としたため、簡単な構成で、前輪FWと後輪RWとの間の距離を大きくすることに連動させて、背面部32を回動させることができる。
更に、アッパアーム72、73の上端が、メインフレーム2の回動アーム41との連結部よりも後方に位置する部位に回動可能に接続されているため、アッパアーム72、73の上端を車輌1の後方部に配置でき、車輌用シート3の背面部32とアッパアーム72、73の上端を互いに近傍に位置させることができ、アッパアーム72、73の回動に背面部32を連動させる連動機構8を小型化できる。また、アッパアーム72、73の上端の回動により、プライマリギヤ83およびセカンダリギヤ85の回動を介して揺動リンク86を揺動させて、背面部32を座部31に対して回動させるため、プライマリギヤ83、セカンダリギヤ85および揺動リンク86により、アッパアーム72、73の回動を容易に増速あるいは減速して、背面部32に伝達することができ、設計上の自由度を増大することができる。
<他の実施形態>
本発明は上述の記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、以下の記載のもの以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)車輌用シートの座部に対して回動する背面部は、シートバックとして使用してもよいし、あるいはヘッドレストに適用してもよい。
(2)車輌が自動的にその走行速度を検知して、それが所定速度以上となった場合に、作動装置を作動させてホイールベースを拡大し、それが所定速度未満となった場合に、ホイールベースを短縮するようにしてもよい。
(3)ホイールベースが最大の状態と最小の状態の間の、複数の中間状態においても前後輪が固定され、車輌用シートおよび背面部が、ホイールベースの大きさに見合った所定の傾斜とされた状態で、走行可能な車輌としてもよい。
(4)本発明は、前後あるいは幅方向に複数の車輌用シートが並べられ、複数人が同時に乗車できる車輌に適用してもよい。
(5)車輌用シートの座部は、運転者の臀部のみを支持するものでもよいし、臀部および腰部を支持するものでもよい。
本実施形態によるホイールベース可変式車輌の斜視図である。 図1の要部分解斜視図である。 本実施形態による連動機構の分解斜視図である。 図1に示したホイールベース可変式車輌の連動機構を搭載した部位の断面図である。 図1に示したホイールベース可変式車輌の、ホイールベースが小さい状態を示した簡略した側面図である。 図5に示したホイールベース可変式車輌の、ホイールベースが大きい状態を示した図である。 図5に示したホイールベース可変式車輌の、連動機構の状態を示した拡大図である。 図6に示したホイールベース可変式車輌の、連動機構の状態を示した拡大図である。
符号の説明
1…ホイールベース可変式車輌
2…メインフレーム
3…車輌用シート
5…作動装置
7…リンク機構
8…連動機構
31…座部
32…背面部
41…回動アーム
51…取付部
52…作動部
71…ロアアーム
72、73…アッパアーム
83…プライマリギヤ
85…セカンダリギヤ
86…揺動リンク
FW…前輪
RW…後輪

Claims (4)

  1. 乗員の臀部を支持する座部と、この座部に対し回動可能に連結されて乗員の上体を支える背面部とを有する車輌用シートを備え、
    この車輌用シートを支持する前輪と後輪との間の距離を大きくすることに連動させて、前記車輌用シートを後方にねかせるように傾斜させるとともに、前記座部に対して前記背面部を前方に起こすように回動させ、
    前記前輪と前記後輪との間の距離を小さくすることに連動させて、前記車輌用シートを前方に起こすとともに、前記座部に対して前記背面部を後方に回動させることを特徴とするホイールベース可変式車輌。
  2. 前記後輪と前記車輌用シートとの間にリンク機構を介装し、前記前輪と前記後輪との間の距離を大きくする時に、前記後輪を前記前輪に対して後方に移動させることにより、前記リンク機構の前記車輌用シート側の端部が、前記車輌用シートに対して回動することに連動して、前記背面部が前記座部に対して前方に回動することを特徴とする請求項1記載のホイールベース可変式車輌。
  3. 前記座部が固定され、前方部が前輪に連結されるとともに、後方へと延びたメインフレーム、
    上端が前記メインフレームの、前記前輪との連結部よりも後方に位置する部位に回動可能に接続されるとともに、下端が後輪に連結された回動アーム、および
    前記メインフレームに連結される取付部と、この取付部と前記回動アームとの間に介装され、前記取付部に対して移動可能な作動部を有する作動装置を備え、
    前記リンク機構は、互いに一端同士が回動可能に連結されたアッパアームとロアアームによって構成され、前記アッパアームの上端が、前記メインフレームの前記回動アームとの連結部よりも後方に位置する部位に回動可能に接続されるとともに、前記ロアアームの下端が前記後輪に接続されており、
    前記作動装置の駆動により、前記回動アームを付勢して前記メインフレームとの連結部を中心として回動させることにより、前記前輪に対して前記後輪を前後方向に移動させて、前記メインフレームの傾斜を変化させるとともに、前記リンク機構が屈伸することで、前記アッパアームの上端が前記メインフレームに対して回動することに連動して、前記背面部が前記座部に対して前後方向に回動することを特徴とする請求項2記載のホイールベース可変式車輌。
  4. 前記アッパアームの上端には、前記アッパアームの回動とともに一体に回動可能なプライマリギヤが連結され、このプライマリギヤにはその回動により従動するセカンダリギヤが噛合され、このセカンダリギヤの円周上には、前記背面部の後面に連結された揺動リンクが取り付けられており、前記アッパアームの上端の回動により、前記プライマリギヤおよびセカンダリギヤの回動を介して前記揺動リンクを揺動させて、前記背面部を前記座部に対して回動させることを特徴とする請求項3記載のホイールベース可変式車輌。
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