JP2018051458A - 底質改善材および底質の改善方法 - Google Patents

底質改善材および底質の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学的酸素要求量の増大、及び、硫化水素の発生を抑制し、かつ、底質のpHがアルカリ性(例えば、9.0以上)になることを防ぐことができる底質改善材を提供する。【解決手段】底質に施用して、該底質に含まれている成分に起因する、化学的酸素要求量の増大の抑制または硫化水素の発生の抑制のための底質改善材であって、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなる底質改善材。該底質改善材を用いた底質の改善方法であって、上記底質改善材を底質に散布する散布工程を含む底質の改善方法。【選択図】なし

Description

本発明は、底質改善材および底質の改善方法に関する。
近年、日本近海では富栄養化により干潟や海底に有機質成分等を多く含むヘドロが蓄積し、社会問題となっている。
ヘドロが蓄積した海域では、底質から有機質成分等が溶出して、富栄養化がさらに進行し赤潮が発生する原因となったり、有機質成分が微生物によって分解されるに伴って、底質が嫌気状態となり、底質の酸性化や硫化水素の発生等、生態系に悪影響が広がることが懸念されている。ここで、既往の研究において、硫化水素は底質の表層の下方に形成された硫酸還元層から発生すると考えられている。
底質の改善方法として、底質を現位置より掘削除去する方法(以下、「底質除去」ともいう。)や、底質上部に土砂やスラグ等を敷設して覆う方法(以下、「覆砂」ともいう。)や、底質に石灰石、貝殻焼成物、水酸化マグネシウム等のアルカリ資材を散布して、底質(ヘドロ)に含まれる有機質成分をアルカリ分解する方法(以下、「資材散布」ともいう。)や、人力やトラクター等で底質を攪拌し、嫌気状態である層に空気を導入して底質(ヘドロ)を分解し除去する方法(以下、「耕耘」ともいう。)等が検討されている。
覆砂によって底質を改善する方法として、例えば、特許文献1には、高炉水砕スラグを破砕処理又は/及び分級して得られた細粒高炉水砕スラグ(A)を水底に投入し、底質の上層に捕捉された前記細粒高炉水砕スラグ(A)をその水硬反応により固結させ、しかる後、前記細粒高炉水砕スラグ(A)以外の覆砂材(B)を前記水底に投入することにより、細粒高炉水砕スラグ(A)による下部覆砂層と、覆砂材(B)による上部覆砂層とを有する覆砂層を形成することを特徴とする水底の覆砂方法が記載されている。
資材散布によって底質を改善する方法として、例えば、特許文献2には、砂地に潜る二枚貝の貝殻粉末と水酸化マグネシウム粉末及び/又は酸化マグネシウム粉末とを含む粒状物を、二枚貝生息域に散布することからなる砂地に潜る二枚貝生息域の底質の改良方法が記載されている。
特開2007−61054号公報 特開2016−068021号公報
底質除去の方法を用いる場合、水域の環境が大きく変化して、掘削孔が嫌気状態となるおそれがある。また、掘削孔を土砂等で埋め戻す場合、外部からの土砂を用いることにより、周辺の環境が変化するおそれがある。さらに、掘削した底質の処理費用が高くなる等の問題がある。
覆砂の方法を用いる場合、外部からの土砂等を用いることにより、周辺の環境が変化するおそれがある。また、底質は嫌気状態のまま現場に留まるため、該底質から硫化水素やメタンが発生するおそれがある。
資材散布の方法を用いる場合、貝殻焼成物や水酸化マグネシウム等のアルカリ資材を用いると、該資材のpHは非常に高いため、生態系(例えば、ベントスと呼ばれる底生の生物の生育)に悪影響を与えるおそれがある。また、石灰石などの、貝殻焼成物等に比べてpHが低いアルカリ資材を用いる場合、該資材を散布しても十分な効果が得られないという問題がある。
本発明の目的は、化学的酸素要求量(以下、「COD」ともいう。)の増大、及び、硫化水素の発生を抑制し、かつ、底質のpHがアルカリ性(例えば、9.0以上)になることを防ぐことができる底質改善材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、底質に施用して、底質に含まれている成分に起因する、化学的酸素要求量の増大の抑制または硫化水素の発生の抑制のための底質改善材であって、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなる底質改善材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 底質に施用して、上記底質に含まれている成分に起因する、化学的酸素要求量の増大の抑制または硫化水素の発生の抑制のための底質改善材であって、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなることを特徴とする底質改善材。
[2] 上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物が、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上を含む前記[1]に記載の底質改善材。
[3] 前記[1]又は[2]に記載の底質改善材を用いた底質の改善方法であって、上記底質改善材を底質に散布する散布工程を含むことを特徴とする底質の改善方法。
[4] 上記散布工程の後に、上記底質の上面から、該上面を基準に適宜の深さの地点までに亘って、上記底質改善材が存在する状態になるように、上記底質改善材が散布された底質を耕耘する耕耘工程、を含む前記[3]に記載の底質の改善方法。
[5] 上記適宜の深さの地点が、上記底質の上面を基準に3cm以上の深さの地点である前記[4]に記載の底質の改善方法。
[6] 上記底質改善材の散布量が、上記耕耘工程の後に底質改善材が存在することになる底質の領域の体積1m当たり、0.1〜200kgである前記[4]又は[5]に記載の底質の改善方法。
本発明の底質改善材によれば、化学的酸素要求量の増大、及び、硫化水素の発生を抑制し、かつ、底質のpHがアルカリ性(例えば、9.0以上)になることを防ぐことができる。
本発明の底質改善材は、底質に施用して、底質に含まれている成分に起因する、化学的酸素要求量の増大の抑制または硫化水素の発生の抑制のための底質改善材であって、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなるものである。
本明細書中、「底質」とは、淡水、汽水または海水の水域において、水底を構成している表層をいう。
底質に含まれている成分とは、水棲生物の排泄物、死骸等に由来する有機質成分等であって、化学的酸素要求量の増大や硫化水素の発生の原因となるものである。
化学的酸素要求量とは、水中の酸化性物質を酸化するために必要な酸素量を示したものであり、水質の指標となるものである。底質のCODが大きいほど底質中の有機質成分の量が多く、底質が悪化していると判断することができる。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物とは、ケイ酸カルシウムを含む化合物(以下、「ケイ酸カルシウム含有材料」ともいう。)の粉粒状物である。
ケイ酸カルシウム含有材料とは、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上を含むものである。
トバモライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si18)・4H2O(板状の形態)、Ca・(Si18)(板状の形態)、Ca・(Si18)・8H2O(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
ゾノトライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si17)・(OH)2(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
CSHゲルとは、αCaO・βSiO2・γH2O(ただし、α/β=0.7〜2.3、γ/β=1.2〜2.7である。)の化学組成を有するものである。具体的には、3CaO・2SiO2・3H2Oの化学組成を有するケイ酸カルシウム水和物等が挙げられる。
フォシャジャイトとは、Ca(SiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ジャイロライトとは、(NaCa)Ca14(Si23Al)O60(OH)・14HO等の化学組成を有するものである。
ヒレブランダイトとは、CaSiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ウォラストナイトとは、CaO・SiO(繊維状又は柱状の形態)等の化学組成を有するものである。
また、ケイ酸カルシウム含有材料は多孔質であることが好ましい。ケイ酸カルシウム含有材料が多孔質である場合、該材料を水中に添加した際に、該材料の多孔質部分に存在する空気が、水中に連行されることによって、水中の溶存酸素量の低下を防ぐことができる。
本明細書中、「粉粒状」とは、粉状の材料(0.1mm未満の粒度を有するもの;粉体)の集合体、粒状の材料(0.1mm以上の粒度を有するもの;粒体)の集合体、または、粉状の材料および粒状の材料を含む集合体の形態を有することを意味する。また、「粉粒状物」とは、粉体の集合体、粒体の集合体、または、粉体および粒体を含む集合体を意味する。さらに、「粒度」とは、粉体または粒体における最大寸法(例えば、断面がだ円である粒体においては、長軸の寸法をいう。)
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の粒度は、特に限定されるものでなく、底質改善材の散布方法等によって使い分ければよい。
例えば、保存や散布の際における粉塵の発生を抑制したい場合、粒度が1〜4mmである粒状のものが好ましい。
また、耕耘(後述)によって、底質と底質改善材を混合する場合には、混合の容易性の観点から、粒度が1mm以下である粒状または粉状のものが好ましい。
さらに、手を用いて底質改善材を散布する場合、散布の容易性の観点から、粒度が5〜15mmである粒状のものが好ましい。
次に、本発明の底質の改善方法について説明する。
本発明の底質の改善方法は、上記底質改善材を底質に散布する散布工程を含むものである。
散布の方法としては、特に限定されるものではなく、人力で散布してもよいし、市販の肥料散布用機械を用いてもよい。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなる底質改善材を底質に散布することで、底質中の有機質成分が分解し除去されて、CODの増大を抑制することができる。また、底質の酸性化を抑制し、硫酸還元菌等の嫌気性微生物の活動を抑制して、硫化水素の発生を抑制することができる。さらに、底質のpHがアルカリ性(例えば、9.0以上)になることを防ぎ、生態系(例えば、ベントスと呼ばれる底生の生物の生育)への悪影響を防ぐことができる。
本発明の底質の改善方法は、上述の散布工程の後に、底質の上面から、該上面を基準に適宜の深さの地点までに亘って、上記底質改善材が存在する状態になるように、上記底質改善材が散布された底質を耕耘する耕耘工程を含んでいてもよい。
底質が蓄積して硬化した干潟等においては、底質改善材を散布しただけでは、底質内部を改善する効果が小さくなる。これに対して、散布工程の後に耕耘工程を行うことで、底質全体を改善することができる。具体的には、耕耘によって、底質内部(特に、硫酸還元層とよばれる領域)に底質改善材が混合されて、底質内部の有機質成分の分解が促進され、CODの増大を抑制することができる。また、底質内部の酸性化を抑制し、硫酸還元菌等の嫌気性微生物の活動を抑制して、硫化水素の発生を抑制することができる。
さらに、底質と底質改善材を混合することによって、潮汐等による底質改善材の流出を防ぐことができる。
なお、底質と底質改善材の混合をより十分に行う観点から、上記散布工程の前に、上記耕耘工程と同様の耕耘工程を行うことができる。
耕耘の方法としては、熊手、すき、くわ等を用いて、手作業で耕耘を行う方法や、耕耘機、トラクター等の機械を用いて耕耘を行う方法等が挙げられる。また、海底を耕耘する場合、八尺等の桁網を船でけん引してもよい。
底質の上面を基準とする、適宜の深さの地点(耕耘の深さ)とは、特に限定されないが、底質の硫酸還元層に底質改善材を十分に供給する観点から、好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、さらに好ましくは10cm以上、さらに好ましくは20cm以上、特に好ましくは30cm以上の深さの地点である。上記深さの地点まで耕耘を行うことによって、CODの増大及び硫化水素の発生をより抑制することができる。該適宜の深さの地点の上限は、特に限定されないが、過度の労力の回避等の観点から、好ましくは100cm、より好ましくは80cmである。
本発明の底質改善材の散布量は、CODの増大をより抑制し、硫化水素の発生をより抑制し、底質の嫌気状態を改善する観点からは、耕耘工程の後に底質改善材が存在することになる底質の領域の体積1m当たり、好ましくは0.1kg以上、より好ましくは2kg以上、さらに好ましくは8kg以上、特に好ましくは25kg以上である。該散布量は、資材コストの低減の観点からは、好ましくは200kg以下、より好ましくは150kg以下、さらに好ましくは100kg以下、特に好ましくは50kg以下である。
本発明の底質改善材によれば、散布した底質のpHを好ましくは9.0未満、より好ましくは5.8〜8.6、さらに好ましくは6.0〜8.5、特に好ましくは7.0〜8.3にすることができる。該pHが9.0未満であれば、底質におけるベントス等の生物の生態系への悪影響を小さくすることができる。該pHが5.8以上であれば、pHが酸性であることによる魚介類の死滅が起こりにくくなる。
また、本発明の底質改善材によれば、散布した底質のCODを、好ましくは20mg/g以下、より好ましくは16mg/g以下、さらに好ましくは14mg/g以下、さらに好ましくは10mg/g以下、特に好ましくは6mg/g以下にすることができる。該CODが20mg/g以下であれば、赤潮の発生や、底質の嫌気化を抑制することができる。
なお、上記CODの値は、「底質調査方法 平成24年8月 環境省 水・大気環境局 II 分析方法 4.7 過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(CODsed)」に準拠して測定された値である。
さらに、本発明の底質改善材によれば、散布した底質中の硫化水素の量(硫化物換算)を、好ましくは0.3mg/g以下、より好ましくは0.2mg/g以下、特に好ましくは0.1mg/g以下にすることができる。該量が0.3mg/g以下であれば、水域の生態系への悪影響を小さくすることができる。
なお、上記硫化水素の量(硫化物換算)は、「底質調査方法 平成24年8月 環境省 水・大気環境局 II 分析方法 4.6 硫化物」に準拠して測定された値である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)底質:干潟より採取したシルト質土壌、湿潤密度1.50g/cm
(2)ケイ酸カルシウム含有粉粒状物(表1中、「ケイ酸カルシウム」を略して記載した。):酸化カルシウム、珪石、及び水を混合してなるスラリーを、180℃、10,000hPaの条件下で10時間水和反応を行った後、ろ過し、次いで乾燥することにより製造したトバモライト(ケイ酸カルシウム含有物)を粉砕して、粒度が1〜4mmとなるようにふるい分けしたもの
(3)炭酸カルシウム(CaCO):関東化学社製、特級試薬
(4)水酸化カルシウム(Ca(OH)):関東化学社製、特級試薬
(5)水酸化マグネシウム(Mg(OH)):関東化学社製、特級試薬
(6)硫酸ナトリウム:関東化学社製、特級試薬
[実施例1〜5]
上記底質に、底質改善材としてケイ酸カルシウム含有粉粒状物を、表1に示す量で添加した後、ホバートミキサ−を用いて混合した。得られた混合物を、一方の開口部を封緘したφ5(内径)×10cmの塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)に充填した。該塩ビ管を、塩ビ管の開口部が上端となり、封緘した開口部が下端となるように鉛直方向に立てた状態で、人工海水の中に浸漬し、人工海水中にエアレーションを行った。一か月経過後に、塩ビ管を人工海水の中から取り出して、底質のpH及び化学的酸素要求量(COD)を測定した。
なお、底質のpHは、pH電極を、底質の深さ5cmのところまで挿入することで測定した。
また、底質のCODは、「底質調査方法 平成24年8月 環境省 水・大気環境局 II 分析方法 4.7 過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(CODsed)」に準拠して測定した。
[比較例1〜4]
底質改善材として、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の代わりに、表1に示す材料を使用する以外は実施例1と同様にして、底質のpH及び化学的酸素要求量(COD)を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2018051458
Figure 2018051458
表2から、本発明の底質改善材を用いた場合(実施例1〜5)、底質のpH(7.4〜7.9)は、環境省告示第59号別表2「生活環境の保全に関する環境基準 2 海域」における環境保全基準値(pH7.0〜8.3)の範囲内であることがわかる。
また、本発明の底質改善材を用いた場合(実施例1〜5)、底質の化学的酸素要求量(3〜18mg/g)は、底質改善材を使用していない場合(比較例1;25mg/g)と比べて低下していることがわかる。
一方、水酸化カルシウムを用いた場合(比較例3)、及び水酸化マグネシウムを用いた場合(比較例3)、底質の化学的酸素要求量(8〜10mg/g)は、底質改善材を使用していない場合(比較例1;25mg/g)と比べて低下しているものの、底質のpHは、環境保全基準値の上限値である8.3を超えている(9.1〜12.2)ことがわかる。
また、炭酸カルシウムを用いた場合(比較例2)、底質のpHおよび化学的酸素要求量は、底質改善材を使用していない場合(比較例1)と同等であることがわかる。
[実施例6]
上記底質750gに硫酸ナトリウムを0.5g添加して混合して、模擬底質を作製した。該模擬底質に、該模擬底質1mあたり1kgの量のケイ酸カルシウム含有粉粒状物を添加した後、ホバートミキサ−を用いて混合して、底質改善材を混合してなる底質(以下、「改善底質」ともいう。)を得た。
両端に開口部を有するφ5(内径)×30cmの塩ビ管の一方の開口部を封緘した。該塩ビ管を、塩ビ管の開口部が上端になり、封緘した開口部が下端となるように、鉛直方向に立てた状態にした。該塩ビ管に、塩ビ管の封緘した開口部(塩ビ管の底面)から25cmの高さまで模擬底質を充填した後、充填した模擬底質の上方に、改善底質を塩ビ管の開口部まで充填した。該塩ビ管を、塩ビ管の開口部が上端になり、封緘した開口部が下端となるように、鉛直方向に立てた状態のまま、人工海水の中に浸漬し、人工海水中にエアレーションを行った。一か月経過後に、塩ビ管を人工海水の中から取り出して、表3に示す深さにおける、底質中の硫化水素の量を測定した。
なお、実施例6は、底質改善材を散布した後、底質の上面を基準に5cmの深さの地点までに亘って、底質改善材が存在する状態になるように耕耘を行った場合を模擬したものである。
硫化水素の量の測定は、「底質調査方法 平成24年8月 環境省 水・大気環境局 II 分析方法 4.6 硫化物」に準拠して測定した。
[実施例7]
塩ビ管に、塩ビ管の封緘した開口部から20cmの高さまで模擬底質を充填した後、充填した模擬底質の上方に、改善底質を塩ビ管の開口部まで充填する以外は、実施例6と同様にして、表3に示す深さにおける、底質中の硫化水素の量を測定した。
なお、実施例7は、底質改善材を散布した後、底質の上面を基準に10cmの深さの地点までに亘って、底質改善材が存在する状態になるように耕耘を行った場合を模擬したものである。
[実施例8]
塩ビ管に、塩ビ管の封緘した開口部から10cmの高さまで模擬底質を充填した後、充填した模擬底質の上方に、改善底質を塩ビ管の開口部まで充填する以外は、実施例6と同様にして、表3に示す深さにおける、底質中の硫化水素の量を測定した。
なお、実施例8は、底質改善材を散布した後、底質の上面を基準に20cmの深さの地点までに亘って、底質改善材が存在する状態になるように耕耘を行った場合を模擬したものである。
[実施例9]
塩ビ管に、模擬底質を充填せず、改善底質を塩ビ管の開口部まで充填する以外は、実施例6と同様にして、表3に示す深さにおける、底質中の硫化水素の量を測定した。
なお、実施例9は、底質改善材を散布した後、底質の上面を基準に30cmの深さの地点までに亘って、底質改善材が存在する状態になるように耕耘を行った場合を模擬したものである。
[比較例5]
塩ビ管に、塩ビ管の開口部まで模擬底質を充填して、改善底質を充填しない以外は実施例6と同様にして、表3に示す深さにおける、底質中の硫化水素の量を測定した。
結果を表3に示す。
Figure 2018051458
表3から、底質と底質改善材を混合することで、底質中に硫化水素が発生することを抑制することができることがわかる。

Claims (6)

  1. 底質に施用して、上記底質に含まれている成分に起因する、化学的酸素要求量の増大の抑制または硫化水素の発生の抑制のための底質改善材であって、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなることを特徴とする底質改善材。
  2. 上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物が、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1に記載の底質改善材。
  3. 請求項1又は2に記載の底質改善材を用いた底質の改善方法であって、上記底質改善材を底質に散布する散布工程を含むことを特徴とする底質の改善方法。
  4. 上記散布工程の後に、上記底質の上面から、該上面を基準に適宜の深さの地点までに亘って、上記底質改善材が存在する状態になるように、上記底質改善材が散布された底質を耕耘する耕耘工程、を含む請求項3に記載の底質の改善方法。
  5. 上記適宜の深さの地点が、上記底質の上面を基準に3cm以上の深さの地点である請求項4に記載の底質の改善方法。
  6. 上記底質改善材の散布量が、上記耕耘工程の後に底質改善材が存在することになる底質の領域の体積1m当たり、0.1〜200kgである請求項4又は5に記載の底質の改善方法。
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