JP2001152148A - 干潟、浅海域およびマングローブにおける土壌改良方法 - Google Patents

干潟、浅海域およびマングローブにおける土壌改良方法

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JP2001152148A JP33530899A JP33530899A JP2001152148A JP 2001152148 A JP2001152148 A JP 2001152148A JP 33530899 A JP33530899 A JP 33530899A JP 33530899 A JP33530899 A JP 33530899A JP 2001152148 A JP2001152148 A JP 2001152148A
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彰男 逸見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】干潟、浅海域及びマングローブにおいては、農
業用地、工業用地又はエビなどの養殖場の開発により埋
め立てられたり、浚渫されたりして、その底面は荒廃
し、そこに生息する生物も徐々に減少してきている。こ
のように破壊された土壌を修復する方法を見いだすこと
が、環境保護のうえから求められてきた。 【解決手段】干潟、浅海域あるいはマングローブ土壌に
人工ゼオライトを散布することにより土壌を改良する方
法であって、干潟においては人工ゼオライトがCa型、
Mg型及びFe型であることが好ましく、浅海域におい
ては人工ゼオライトがMg型、K型、NH4 型、Fe型
及び鉄含有人工ゼオライトであることが好ましく、マン
グローブ土壌においては人工ゼオライトがFe型及び鉄
含有人工ゼオライトであることが好ましい土壌の改良方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干潟、浅海域およ
びマングローブ土壌に人工ゼオライトを散布することに
より、干潟、浅海域およびマングローブにおける土壌を
改良する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】干潟および浅海域は、近年の農業用地ま
たは工業用地の開発により埋め立てられたり、浚渫され
たりして、その底面は荒廃し、そこに生息する生物も徐
々に減少し、特にベントスといわれる底生生物の減少は
著しいものがある。また、マングローブにおいては、エ
ビなどの養殖場の開発が行われるなどして、その土壌が
荒廃してきている。しかし、これらの問題を解決する有
効な手段が見いだせないでいるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記のように
破壊された干潟、浅海域およびマングローブ土壌を修復
する方法を見いだすことが、環境保護のうえから求めら
れてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの課
題を解決するために、人工ゼオライトを利用する方法を
提供するにいたった。すなわち、干潟に人工ゼオライト
を散布することを特徴とする干潟の土壌改良方法であっ
て、干潟に人工ゼオライトを0.5乃至3.0kg/m
2 散布することが好ましく、人工ゼオライトが粒径0.
001乃至0.05mmであることが特に好ましい。ま
た、人工ゼオライトがCa型人工ゼオライト、Mg型人
工ゼオライトおよびFe型人工ゼオライトの1種または
2種以上であることが特に好ましい干潟の土壌改良方法
である。
【0005】本発明の第二は、浅海域に人工ゼオライト
を散布することを特徴とする浅海域の土壌改良方法であ
って、人工ゼオライトを0.5乃至3.0kg/m2
布することが好ましく、人工ゼオライトがMg型人工ゼ
オライト、K型人工ゼオライト、NH4 型人工ゼオライ
ト、Fe型人工ゼオライトおよび鉄含有人工ゼオライト
の1種または2種以上であることが特に好ましい、浅海
域の土壌改良方法である。
【0006】本発明の第三は、マングローブ土壌に人工
ゼオライトを散布することを特徴とするマングローブ土
壌の改良方法であって、人工ゼオライトを0.5乃至
3.0kg/m2 散布することが好ましく、人工ゼオラ
イトがFe型人工ゼオライトおよび鉄含有人工ゼオライ
トの1種または2種であることが特に好ましいマングロ
ーブ土壌の改良方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう干潟とは、干潮時には現れ、満潮時には海
面下に没する潮間帯の著しく広い平らな土壌を形成して
いる砂泥地帯をいい、通常この地帯には陸からの栄養塩
の供給が多く、アサリ、ハマグリ、カニ、ゴカイなど豊
富な生物群が生息している。また、冠水時には溶存酸素
も餌も多いので、魚類も多数集まり、そのため多数の水
鳥を呼び寄せることになっている。しかし、近年では泥
質前浜干潟とよばれる干潟においては、干潟の傾斜角に
よりその程度は異なるものの、波の作用により干潟の表
面を覆っているシルトといわれる粘土の微粒子が流失
し、そのためシルトに付着している微生物の生育が抑制
され、微細藻類ひいては生物群の生息にも障害を与えて
いる。従って、人工ゼオライトを散布することは、この
シルトに代わる物質を供給することであって、干潟の微
細藻類を含む生物群の育成に有用な作用をもたらすもの
といえる。
【0008】本発明でいう浅海域とは、干潟の先に存在
する土壌を形成している砂泥底であって、藻場ともいわ
れる潮下帯をいい、海草(ウミクサ)が生育する地帯で
ある。海草としては、トチカガミ科のウミショウブ、リ
ュウキュウスガモ、ウミヒルモ、ヒメウミヒルモ、ヒル
ムシロ科のカワツルモ、アマモ科のアマモ、スゲアマ
モ、タチアマモ、オオアマモ、コアマモ、スガモ、アビ
アマモ、イトクズモ科のイトクズモ、シオニラ科のベニ
アマモ、タカノハアマモ、ウミジグサ、アツバウミジグ
サ、シオニラなどを例示することができる。この浅海域
において、海草が繁茂するためには、その生育に必要と
する微量要素を供給することが必要であり、その状況に
応じて各種の人工ゼオライトを散布することにより、そ
の目的を達成することができる。
【0009】本発明でいうマングローブとは、熱帯の潮
間帯に成立する森林群落の構成植物あるいは森林群落そ
のものをいい、その構成種は地域によってことなるが、
主要な構成種として、ヒルギモドキ、ニッパヤシ、オヒ
ルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、マヤプシキ、ヒルギ
ダマシなどを、副次的な構成種として、シマシラキ、ミ
ズガンピ、ミミモチシダ、サキシマスオウノキなどを、
付随的な構成種として、オオハマボウ、サキシマハマボ
ウ、オキナワキョウチクトウ、テリハボクなどを例示す
ることができる。また、マングローブにおける土壌は、
海水中に含まれている硫酸根(SO4 2-)が、還元条件
下において硫化水素(H2 S)に変わり、根におけるA
TPase の作用を阻害し、根の養分の吸収を妨げてい
る。さらに、硫化水素(H2 S)は好気的な条件下にお
いて、酸化により硫酸となりpH3以下の強酸性を示
し、Alを溶解するなど有害作用を及ぼす硫酸酸性土壌
を形成する。そのため、溶解している高濃度の硫酸アル
ミニウム(Al2(SO4)3 )のアルミニウムイオン(A
3+)は、例えば、エビの養殖を行う場合にエビの生長
に際して、殻の形成を阻害するなどの有害作用を及ぼ
す。従って、人工ゼオライト、特にFe型人工ゼオライ
トまたは鉄含有人工ゼオライトを散布することにより、
硫化水素(H2 S)と反応させ、硫化鉄(FeS)とし
不溶化させることができ、アルミニウムイオンを吸着さ
せることができるので、海水中に含まれている硫酸根
(SO4 2-)を無害化することができる。
【0010】本発明でいう人工ゼオライトとは、珪酸お
よびアルミニウムを含む無機成分からなる非結晶性の珪
酸アルミニウム塩を含む組成物を、アルカリ処理により
人工的に転換して得られたゼオライトのことであって、
その主成分はフィリップサイト、ホージャサイト、ゼオ
ライトA、ヒドロキシソーダライトなどであり、他の成
分を少量含むこともある。また、ゼオライト以外の部
分、すなわち非ゼオライト成分として、有機物、鉄分、
その他の不純物およびゼオライトに至るまでの中間生成
物なども共存するものである。なお、人工ゼオライトに
は、表面に付加しているカチオンにより、Na型、K
型、Ca型、NH4 型およびMg型などが存在する。
【0011】本発明でいうFe型人工ゼオライトとは、
人工ゼオライトの陽イオンとして、II価の鉄イオンがイ
オン結合しているものであって、水中にあってはこのII
価の鉄イオンが遊離し易い状態になっている。一方、鉄
含有人工ゼオライトとは、珪酸およびアルミニウムを含
む無機成分からなる非結晶性の珪酸アルミニウム塩を含
む組成物を、アルカリ処理により人工的に転換して得ら
れたゼオライトのことであって、その主成分はヒドロキ
シソーダライト、フィリップサイトなどであり、他の成
分を少量含むこともあるが、ゼオライト以外の部分、す
なわち非ゼオライト成分として、水酸化鉄、酸化第一
鉄、酸化第二鉄、四三酸化鉄などの鉄分を多く含むもの
であり、鋳物廃砂、カラミ、アイアンクレーなどをアル
カリ処理することによって、製造することができる。さ
らには、その他の不純物およびゼオライトに至るまでの
中間生成物なども共存するものである。
【0012】干潟,浅海域およびマングローブ土壌に散
布する人工ゼオライトの量は、0.5乃至3.0kg/
2 であることが好ましく、0.8乃至1.2kg/m
2 であることが特に好ましい。0.5kg/m2 未満で
あると人工ゼオライトの効果が現れず、3.0kg/m
2 を超えてもその効果は変わらず、経済的に得策ではな
い。一方、0.8乃至1.2kg/m2 であると人工ゼ
オライトの効果を発揮し、経済的にも有利である。
【0013】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではな
い。
【0014】(実施例1)長崎県北高来郡高来町金崎町
地先の大潮の満潮時に冠水し、次回の大潮まで干出して
いる干潟の一画(1m×1m)に、平均粒径0.01m
m、陽イオン交換容量310cmol(+)kg-1のC
a型人工ゼオライトを0.5kg/m2 の割合で散布
し、4週間後に干潟の土壌を採取した。この土壌10g
に水50mlを加え、よく攪拌し、pHを測定した。ま
た、土壌の硫化水素の発生状況を臭いにより測定した。
その結果は表1に示したようにpHが改善され、硫化水
素の発生が抑制された。
【0015】(実施例2)実施例1と同じ干潟の一画
(1m×1m)に、実施例1で用いたCa型人工ゼオラ
イトを1.0kg/m2 の割合で散布し、4週間後に干
潟の土壌を採取し、pHおよび硫化水素の発生状況を実
施例1と同じ方法で測定した。その結果は表1に示した
ようにpHが改善され、硫化水素の発生が抑制された。
【0016】(実施例3)実施例1と同じ干潟の一画
(1m×1m)に、実施例1で用いたCa型人工ゼオラ
イトを3.0kg/m2 の割合で散布し、4週間後に干
潟の土壌を採取し、pHおよび硫化水素の発生状況を実
施例1と同じ方法で測定した。その結果は表1に示した
ようにpHが改善され、硫化水素の発生が抑制された。
【0017】(実施例4)実施例1と同じ干潟の一画
(1m×1m)に、平均粒径0.01mm、陽イオン交
換容量300cmol(+)kg-1のMg型人工ゼオラ
イトを1.0kg/m2 の割合で散布し、4週間後に干
潟の土壌を採取し、pHおよび硫化水素の発生状況を実
施例1と同じ方法で測定した。その結果は表1に示した
ようにpHが改善され、硫化水素の発生が抑制された。
【0018】(比較例1)実施例1と同じ干潟の一画
(1m×1m)に、人工ゼオライトを散布することな
く、4週間後に干潟の土壌を採取し、pHおよび硫化水
素の発生状況を実施例1と同じ方法で測定し、その結果
を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例5)長崎県北高来郡高来町金崎町
地先の干潟の先の浅海域の一画より、底の土壌をアマモ
と共に採取し、タテ1m×ヨコ2m×深さ2mの試験用
水槽に厚さ30cmになるように移した。この土壌の上
に、平均粒径0.01mm、陽イオン交換容量300c
mol(+)kg-1のMg型人工ゼオライトを0.5k
g/m2 の割合で散布して、アマモを6カ月間栽培し
た。アマモの生育状況を観察した結果は、表2に示した
ように比較例2より繁茂した。
【0021】(実施例6)実施例5と同じ浅海域より採
取した土壌を実施例5と同じ型の試験用水槽に厚さ30
cmになるように移した。この土壌の上に、実施例5で
用いたMg型人工ゼオライトを1.0kg/m2 の割合
で散布して、アマモを6カ月間栽培した。アマモの生育
状況を観察した結果は、表2に示したように比較例2よ
り繁茂した。
【0022】(実施例7)実施例5と同じ浅海域より採
取した土壌を実施例5と同じ型の試験用水槽に厚さ30
cmになるように移した。この土壌の上に、実施例5で
用いたMg型人工ゼオライトを3.0kg/m2 の割合
で散布して、アマモを6カ月間栽培した。アマモの生育
状況を観察した結果は、表2に示したように比較例2よ
り遙に繁茂した。
【0023】(実施例8)実施例5と同じ浅海域より採
取した土壌を実施例5と同じ型の試験用水槽に厚さ30
cmになるように移した。この土壌の上に、平均粒径
0.01mm、陽イオン交換容量250cmol(+)
kg-1のFe型人工ゼオライトを1.0kg/m2 の割
合で散布して、アマモを6カ月間栽培した。アマモの生
育状況を観察した結果は、表2に示したように比較例2
より遙に繁茂した。
【0024】(実施例9)実施例5と同じ浅海域より採
取した土壌を実施例5と同じ型の試験用水槽に厚さ30
cmになるように移した。この土壌の上に、平均粒径
0.01mm、陽イオン交換容量210cmol(+)
kg-1の鉄含有人工ゼオライトを1.0kg/m2 の割
合で散布して、アマモを6カ月間栽培した。アマモの生
育状況を観察した結果は、表2に示したように比較例2
より遙に繁茂した。
【0025】(比較例2)実施例5と同じ浅海域より採
取した土壌を実施例5と同じ型の試験用水槽に厚さ30
cmになるように移した。この土壌の上に、人工ゼオラ
イトを散布することなく、アマモを6カ月間栽培した。
アマモの生育状況を観察した結果を、表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】(実施例10)沖縄県宮古郡宮古島入江地
区のマングローブにおいて、大潮の満潮時に冠水し、次
回の大潮まで干出しているマングローブの一画(1m×
1m)に、平均粒径0.01mm、陽イオン交換容量2
50cmol(+)kg-1のFe型人工ゼオライトを
0.5kg/m2 の割合で散布し、4週間後にマングロ
ーブの土壌を採取した。この土壌10gに水50mlを
加え、よく攪拌し、pHを測定した。また、土壌の硫化
水素の発生状況を臭いにより測定した。その結果は表3
に示したようにpHがやや改善され、硫化水素の発生が
やや抑制された。
【0028】(実施例11)実施例10のマングローブ
の一画(1m×1m)に、実施例10で用いたFe型人
工ゼオライトを1.0kg/m2 の割合で散布し、4週
間後にマングローブの土壌を採取し、pHおよび硫化水
素の発生状況を実施例10と同じ方法で測定した。その
結果は表3に示したようにpHが改善され、硫化水素の
発生が抑制された。
【0029】(実施例12)実施例10のマングローブ
の一画(1m×1m)に、実施例10で用いたFe型人
工ゼオライトを3.0kg/m2 の割合で散布し、4週
間後にマングローブの土壌を採取し、pHおよび硫化水
素の発生状況を実施例10と同じ方法で測定した。その
結果は表3に示したようにpHが改善され、硫化水素の
発生が抑制された。
【0030】(実施例13)実施例10のマングローブ
の一画(1m×1m)に、平均粒径0.01mm、陽イ
オン交換容量210cmol(+)kg-1の鉄含有人工
ゼオライトを1.0kg/m2 の割合で散布し、4週間
後にマングローブの土壌を採取し、pHおよび硫化水素
の発生状況を実施例10と同じ方法で測定した。その結
果は表3に示したようにpHが改善され、硫化水素の発
生が抑制された。
【0031】(比較例3)実施例10と同じマングロー
ブの一画(1m×1m)に、人工ゼオライトを散布する
ことなく、4週間後にマングローブの土壌を採取し、p
Hおよび硫化水素の発生状況を実施例10と同じ方法で
測定し、その結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】人工ゼオライトを、干潟、浅海域および
マングローブ土壌の状況に応じて、散布することによっ
て、それぞれの土壌における各種イオンの過不足の状態
を解消し、その生態系を回復することができる。
【0034】干潟においては、干潟の傾斜角によりその
程度は異なるものの、波の作用により干潟の表面を覆っ
ているシルトといわれる粘土の微粒子が流失し、そのた
めシルトに付着している微生物の生育が抑制され、微細
藻類ひいては生物群の生息にも障害を与えている。その
ため、人工ゼオライトを散布することにより、このシル
トに代わる物質と共に、微量栄養素を供給することがで
き、干潟の微細藻類を含む生物群の育成に効果をもたら
している。
【0035】浅海域においては、海草(ウミクサ)が繁
茂するためには、その生育に必要とする微量要素を供給
することが必要であり、その浅海域の状況に応じて各種
の人工ゼオライトを散布することにより、その栄養状況
を改良し、海草の生育に適した環境をつくることができ
る。
【0036】マングローブにおける土壌は、海水中に含
まれている硫酸根(SO4 2-)が還元条件下において
は、硫化水素(H2 S)に変わり、根におけるATPas
e の作用を阻害し、根の養分の吸収を妨げている。さら
に、硫化水素(H2 S)は酸化により硫酸となり酸性硫
酸塩土壌を形成し、Alを溶解し、高濃度の硫酸アルミ
ニウム(Al2(SO4)3 )が生じ、そのアルミニウムイ
オン(Al3+)は、例えば、エビの養殖を行う場合に
は、エビの生長に際して、殻の形成を阻害するなどの有
害作用を及ぼしている。従って、人工ゼオライト特にF
e型人工ゼオライトまたは鉄含有人工ゼオライトを散布
することにより、硫化水素(H2 S)と反応させ、硫化
鉄(FeS)とし不溶化させることができ、また、アル
ミニウムイオンを吸着させることができるので、海水中
に含まれている硫酸根(SO4 2-)を無害化することが
できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】干潟に人工ゼオライトを散布することを特
    徴とする干潟の土壌改良方法。
  2. 【請求項2】干潟に人工ゼオライトを0.5乃至3.0
    kg/m2 散布することを特徴とする干潟の土壌改良方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の人工ゼオライト
    が粒径0.001乃至0.05mmであることを特徴と
    する干潟の土壌改良方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の人
    工ゼオライトがCa型人工ゼオライト、Mg型人工ゼオ
    ライトおよびFe型人工ゼオライトの1種または2種以
    上であることを特徴とする干潟の土壌改良方法。
  5. 【請求項5】浅海域に人工ゼオライトを散布することを
    特徴とする浅海域の土壌改良方法。
  6. 【請求項6】浅海域に人工ゼオライトを0.5乃至3.
    0kg/m2 散布することを特徴とする浅海域の土壌改
    良方法。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載の人工ゼオライト
    がMg型人工ゼオライト、K型人工ゼオライト、NH4
    型人工ゼオライト、Fe型人工ゼオライトおよび鉄含有
    人工ゼオライトの1種または2種以上であることを特徴
    とする浅海域の土壌改良方法。
  8. 【請求項8】マングローブ土壌に人工ゼオライトを散布
    することを特徴とするマングローブ土壌の改良方法。
  9. 【請求項9】マングローブ土壌に人工ゼオライトを0.
    5乃至3.0kg/m2 散布することを特徴とするマン
    グローブ土壌の改良方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の人工ゼオライ
    トがFe型人工ゼオライトおよび鉄含有人工ゼオライト
    の1種または2種であることを特徴とするマングローブ
    土壌の改良方法。
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