JP2018051216A - ローションティッシュペーパー及びローションティッシュペーパーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(2)(1)に記載のローションティッシュペーパーにおいて、ローションティッシュペーパー中の前記薬液の含有量は、7質量%以上22質量%以下であってもよい。
(3)本発明の第2の態様は、原反ロールに前記薬液をオフラインで塗布し、前記原反ロールを、前記薬液を塗布した日から6日以上22日以下の期間保管し、前記原反ロールを加工する、(1)又は(2)に記載のローションティッシュペーパーの製造方法である。
(4)(3)に記載のローションティッシュペーパーの製造方法において、前記薬液が塗布された前記原反ロールの外周面にラッピングフィルムを隙間なく巻き付け、前記ラッピングフィルムの上に、前記外周面を締め付ける締め付けバンドを巻き掛け、前記原反ロールを載せるロールホルダーの上に、前記原反ロールを設置面に対して巻き芯を水平方向に設置して保管してもよい。
(5)(3)又は(4)に記載のローションティッシュペーパーの製造方法において、マルチスタンド式インターフォルダ加工機により、前記原反ロールのシートを折り畳んで掛け合わせながら交互に折り込んで積層して加工してもよい。
本発明のローションティッシュペーパーは、2プライのシートからなるものであって、原紙にカレンダー処理がなされ、薬液が塗布されているものである。そして、本発明のローションティッシュペーパーは、シート1プライ当たりの坪量、紙厚、柔らかさTS7、滑らかさTS750、しっかり感Dが調整されている。
本発明のローションティッシュペーパーにおける、シート1プライ当たりの坪量は、10g/m2以上19g/m2以下であり、11g/m2以上18g/m2以下であることが好ましく、12g/m2以上17g/m2以下であることがより好ましい。また、本発明のローションティッシュペーパーにおける紙厚は、0.40mm/10枚以上0.80mm/10枚以下であり、0.45mm/10枚以上0.75mm/10枚以下であることが好ましく、0.50mm/10枚以上0.70mm/10枚以下であることがより好ましい。ローションティッシュペーパーのシート1プライ当たりの坪量及び紙厚を上記の範囲内のものとすることにより、柔らかさとボリューム感とが両立可能なものとなる。なお、上記の坪量及び紙厚は、ローションティッシュペーパー自体のものであって、薬液が塗布された状態のティッシュペーパーについての坪量及び紙厚を意味する。
本発明のローションティッシュペーパーは、ティッシュソフトネス測定装置TSA(Tissue Softness Analyzer)により測定したときに、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が6dBV2rms以上13dBV2rms以下であり、7dBV2rms以上12dBV2rms以下であることが好ましく、8dBV2rms以上11dBV2rms以下であることがより好ましい。このTS750は、ローションティッシュペーパーの滑らかさの指標であり、TS750が上記の範囲内のものとなることにより、ローションティッシュペーパーの平滑さがバランスよく維持される。
本発明のローションティッシュペーパーは、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さ(引張り速度300mm/分で測定)DMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さ(引張り速度300mm/分で測定)DCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)の幾何平均(DMDT×DCDT)1/2で表されるDGMT(Dry Geometric Tensile strength)が90N/25mm以上210N/25mm以下であることが好ましく、110N/25mm以上200N/25mm以下であることがより好ましく、130N/25mm以上190N/25mm以下であることが更に好ましい。ローションティッシュペーパーのDGMTが上記の範囲内のものであることにより、ローションティッシュペーパーの強度や、柔らかさが、バランス良く良好に維持される。なお、一般的には、坪量を上記の範囲内のものとし、原紙の強度や薬液の塗布量を調整することにより、上記のDGMTが調整される。
本発明のローションティッシュペーパーの比容積は、1組当り3.0cm3/g以上6.0cm3/g以下であることが好ましく、3.3cm3/g以上5.5cm3/g以下であることがより好ましく、3.6cm3/g以上5.0cm3/g以下であることが更に好ましい。ローションティッシュペーパーの比容積を上記の範囲内のものとすることにより、ふんわり感、柔らかさ、嵩高さがバランスよく維持され、滑らかさが良好なものとなる。比容積は、例えば、坪量や紙厚を調整することにより、調整することができる。
本発明のローションティッシュペーパーを収納するカートンの取り出し口は、長手方向の寸法が、100mm以上126mm以下であることが好ましい。また、取り出し口に貼るフィルムのスリット幅は、90mm以上114mm以下であることが好ましい。ローションティッシュペーパーを収納するカートンの取り出し口を上記範囲内とし、上記のD(剛性、しっかり感)を上記範囲内のものとすることにより、カートンから紙を取り出した際、次の紙がしっかり立ち、美観性、取り出し性に優れる。例えば、取り出し口、スリット幅が上記範囲を超えて大きすぎると、次の紙が立たない、滑って下に落ちてしまう等の弊害があり、逆に小さすぎると、紙を取り出した際に破れやすい等の弊害がある。
ローションティッシュペーパーを構成する2プライのシートは、パルプを主成分とするものであり、好ましくは、50質量%以上のパルプを含有する。ローションティッシュペーパーの製造に使用できるパルプとしては、木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプが挙げられるが、本発明のローションティッシュペーパーは、パルプとして木材パルプ100%から成るものであってもよく、木材パルプの他に、古紙パルプや非木材パルプを含んでいてもよい。パルプ以外の成分としては、填料、合成繊維、天然繊維等を挙げることができる。目標とする品質を得るためには、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20質量%以上50質量%以下と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50質量%以上80質量%以下とからなる木材パルプを原料とすることが好ましく、NBKP:25質量%以上45質量%以下と、LBKP:55質量%以上75質量%以下とからなる木材パルプを原料とすることがより好ましい。
本発明のローションティッシュペーパーは、薬液を含有している。薬液としては、水性成分と油性成分とを含むものであり、さらに、水を含んでいることが好ましい。
水性成分としては、多価アルコール(2価以上の水酸基を有するアルコール)を挙げることができる。より具体的には、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等を挙げることができる。薬液中の多価アルコールの有効成分の割合は、72質量%以上92質量%以下であることが好ましく、76質量%以上87質量%以下であることがより好ましく、79質量%以上84質量%以下であることが更に好ましい。薬液中の多価アルコールの含有量を調整することにより、ローションティッシュペーパーのしっとり感が良好なものとなる。なお、上記の多価アルコールは、1種類を配合しても、2種類以上配合してもよい。薬液中の多価アルコールとしては、風合いに優れるグリセリンの含有量(水分を除く)が、薬液全体に対して50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
油性成分としては、各種シリコーン油、流動パラフィン、鉱物油、ワックス等を挙げることができる。これらの成分は、1種類を配合しても、2種類以上配合してもよい。本発明においては、ローションティッシュペーパー中の油性成分の含有量が0.03質量%以上0.35質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.25質量%以下であることがより好ましく、0.07質量%以上0.15質量%以下であることが更に好ましい。これにより、ローションティッシュペーパーの触感のしっとり感、滑らかさ、柔らかさをバランスよく向上させることができる。本発明においては、特に、この油性成分がシリコーン油及び/又はシアバターであることが好ましく、シリコーン油であることがより好ましく、アミノ変性シリコーン油であることが更に好ましい。この場合、ローションティッシュペーパー中の、このシリコーン油(アミノ変性シリコーン油)及び/又はシアバターの含有量が、上記の含有量であることが好ましい。薬液中のシリコーン油及び/又はシアバターの配合量は、0.1質量%以上1.2質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.8質量%以下であることが更に好ましい。これにより、薬液の特性を劣化させることなく、ローションティッシュペーパーの触感のしっとり感、滑らかさ、柔らかさを効果的に向上させることができる。
薬液の粘度は、塗布ムラや塗布ロールへのウェブの付着などのトラブルを避ける観点から、回転数60rpmにおけるB型粘度が10mPa・s以上100mPa・s以下となることが好ましく、15mPa・s以上60mPa・s以下となることがより好ましく、20mPa・s以上40mPa・s以下となることが更に好ましい。なお、B型粘度は、東機産業社製粘度計を用いて液温が40℃の条件下で測定する。B型粘度が上記の範囲内のものであることにより、薬液の塗布量のコントロールを良好なものとすることができるとともに、操業性も良好に維持される。
本発明のローションティッシュペーパー中の薬剤含有量は、7質量%以上22質量%以下であることが好ましく、9質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、11質量%以上18質量%以下であることが更に好ましい。ここで、「薬液」は水分を含むため、「薬剤含有量」は薬液中の水分を除く成分の、ローションティッシュペーパー中の含有量に相当する。
(薬剤含有量)=(B)÷(A)×100(%)
本発明のローションティッシュペーパーは、例えば以下のように、(i)プライアップ及びカレンダー処理、(ii)薬液の塗布及び保管、(iii)インターフォルダ加工、の順で製造することができる。
図1はマシンワインダー100の一例を示す。
カレンダー処理後の第二次原反ロール12にオフラインで薬液を塗布して第三次原反ロール13を得る。
薬液が塗布され、所定の期間保管された第三次原反ロール13のシートを加工することで、ローションティッシュペーパーを得る。
木材パルプとして、表1及び表2に示すパルプ組成(質量%)の、NBKPとLBKPから、表1及び表2に示す特性を有する原紙を抄紙して第一次原反ロールを得た。次に、第一次原反ロールをマシンワインダーに2本セットし、カレンダー処理を施し、2プライ積層することで第二次原反ロールを得た。次に、第二次原反ロールに対して、表1及び表2に示すローション薬液をフレキソ塗布装置にてオフライン塗布して第三次原反ロールを得た後、特許第5933384号公報に記載された保管装置で表1及び表2に示す期間保管し、マルチスタンド式インターフォルダ加工機にて、ローションティッシュペーパーの積層体を形成した。なお、表1及び表2中、多価アルコールはグリセリンであり、油性成分は、アミノ変性シリコーン油とシアバターの混合物である。得られたローションティッシュペーパーについて、TS7、TS750、D、紙中の油性成分の含有量、紙中の薬剤含有量を計測するとともに、使用感、ボリューム感、しっとり感、柔らかさ、滑らかさ、しっかり感、加工適性(断紙の発生頻度)、製品シワ発生頻度について5段階評価を行った。
紙厚:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は試料を10枚重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
なお、坪量、紙厚、TSAの測定は、JIS P 8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持した後に行った。また、表1及び表2の坪量及び紙厚は、薬液を塗布したものである。
使用感:カートンから取り出したティッシュペーパーを展開して使用(鼻をかむ、汚れをふき取る等)した時の、使用感(紙のごわつき、水分の浸透等)を総合的に評価した。
ボリューム感:カートンから取り出したティッシュペーパーを展開して手に持ったときのボリューム感、及び、製品の紙厚を評価した。
しっとり感:カートンから取り出したティッシュペーパーを展開して手に持ったときのしっとり感を評価した。
柔らかさ:カートンから取り出したティッシュペーパーを展開して手に持ったときの柔らかさを評価した。
滑らかさ:カートンから取り出したティッシュペーパーを展開して使用した(鼻をかんだ)時の、ティッシュが肌に触れる滑らかさを評価した。
しっかり感:カートンからティッシュペーパーを取り出した際の、次のティッシュペーパーの立ち具合を評価した。
評価は、従来品と同等なものを「3」とし、これよりやや優れているものを「4」、優れているものを「5」とした。同様に、「3」より劣っているものを「2」、著しく劣っているものを「1」とした。評価が3から5であれば問題ない。
加工適性(断紙の発生頻度):薬液塗布したローションティッシュペーパーを、マルチスタンド式インターフォルダ加工機で加工する際の、断紙の発生頻度によって生産性が低下することについて、断紙の発生頻度が少なく加工に優れているかを評価した。
製品シワ発生頻度:薬液塗布したローションティッシュペーパーを、マルチスタンド式インターフォルダ加工機で加工して得た製品に、シワが発生した頻度を評価した。
評価は、従来の製造工程又は製造品と同等なものを「3」とし、これよりやや優れているものを「4」、優れているものを「5」とした。同様に、「3」より劣っているものを「2」、著しく劣っているものを「1」とした。評価が3から5であれば問題ない。
12 第二次原反ロール
13 第三次原反ロール
13a 外周面
13b 第1の連続シート
13c 第2の連続シート
13d 連続積層体
100 マシンワインダー
101 カレンダー機
110 保管装置
111 ラッピングフィルム
112 締め付けバンド
113 ロールホルダー
114 受け面
115 支持部
116 脚部
117 設置面
120 マルチスタンド式インターフォルダ加工機
121 折り畳み機構部
122a 第1の折り板
122b 第2の折り板
123 バックスタンドフレーム
Claims (5)
- 薬液の塗布された、2プライのシートからなるローションティッシュペーパーであって、
シート1プライ当たりの坪量が10g/m2以上19g/m2以下、
紙厚が0.40mm/10枚以上0.80mm/10枚以下、
滑らかさTS750が6dBV2rms以上13dBV2rms以下、
柔らかさTS7が7dBV2rms以上14dBV2rms以下、
しっかり感Dが1.5mm/N以上4.5mm/N以下である、ローションティッシュペーパー。 - ローションティッシュペーパー中の薬剤の含有量が、7質量%以上22質量%以下である、請求項1に記載のローションティッシュペーパー。
- 原反ロールに前記薬液をオフラインで塗布し、
前記原反ロールを、前記薬液を塗布した日から6日以上22日以下の期間保管し、
前記原反ロールを加工する、請求項1又は2に記載のローションティッシュペーパーの製造方法。 - 前記薬液が塗布された前記原反ロールの外周面にラッピングフィルムを隙間なく巻き付け、
前記ラッピングフィルムの上に、前記外周面を締め付ける締め付けバンドを巻き掛け、
前記原反ロールを載せるロールホルダーの上に、前記原反ロールを設置面に対して巻き芯を水平方向に設置して保管する、請求項3に記載のティッシュペーパーの製造方法。 - マルチスタンド式インターフォルダ加工機により、前記原反ロールのシートを折り畳んで掛け合わせながら交互に折り込んで積層して加工する、請求項3又は4に記載のローションティッシュペーパーの製造方法。
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