JP6400996B2 - ローションティシュペーパーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、薬液が塗布されたローションティシュペーパーに関する。
従来から、パルプを主成分とするシートに薬液が塗布されたローションティシュペーパーが普及している(例えば、特許文献1、2)。さらに、柔らかさとボリューム感(坪量、紙厚)を確保するため、薬液の塗布量を多くすることも行われている。但し、薬液の塗布量を多くすると、シート強度が低下するため、原紙の強度を高くして薬液塗布後のシートの強度を確保している。
特開平7−109693号公報 特許第3289877号公報
ところで、原紙の強度を高くする方法として、パルプ原料の変更や、パルプの叩解度の向上、乾燥紙力剤又は湿潤紙力剤の添加率の向上が挙げられるが、原紙の強度は高くなるものの、紙の密度も高くなって紙厚が薄くなり、ボリューム感が低下するという問題がある。
又、薬液を塗布したシートはインターフォルダで折り畳まれて積層され、例えばカートンに収容されてティシュペーパー製品となる。そして、インターフォルダ内で薬液を塗布するオンライン塗布の場合、薬液の塗布量が多くなるとパルプの繊維が膨潤しやすくなり、得られたローションティシュペーパーに大きなシワが生じることがある。一方、インターフォルダで折り畳む前の原反に薬液を塗布して2次原反とし、この2次原反をインターフォルダで折り畳むオフライン塗布の場合、上記したシワの発生は抑制されるものの、インターフォルダ内で断紙が発生して操業性が低下することがある。また、作業工程が多くなるため、操業が煩雑になる。
従って本発明は、薬液の塗布量を多くせずに、柔らかさとボリューム感を確保すると共に、シワを抑制して操業性を向上させたローションティシュペーパーの製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のローションティシュペーパーの製造方法は、ローションティシュペーパーを積層して積層体を構成した後、該積層体をカートンに収容するローションティシュペーパーの製造方法であって、前記ローションティシュペーパーは、薬液が塗布され、パルプを主成分とするシートを1枚又は2枚以上重ねてなり、1枚の前記シートの坪量が17.6〜19.0g/m 、紙厚が0.81〜0.89mm/10枚、薬剤含有量が14〜23質量%であり、前記薬液をロータリー式インターフォルダでオンライン塗布し、かつ該ローションティシュペーパーの、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT) 1/2 で表される(DGMT)が1.22〜1.61N/25mmであり、前記薬液の塗布直後の前記積層体の高さが、前記カートンに収容後の製品における前記積層体の高さの1.23〜1.25倍となるよう、前記薬液の塗布直後の前記積層体を積層方向に圧縮した後、前記カートンに収容する。
記薬液の塗布前の原紙を、カレンダー処理後の前記原紙の1枚当たりの坪量が14.0〜17.0g/m、紙厚が0.70〜1.00mm/10枚、及び該原紙の(DGMT)が1.6〜2.4N/25mmになるように、当該カレンダー処理することが好ましい。
前記カレンダー処理の前後で、前記原紙の紙厚の変化Δtが0.08〜0.32mm/10枚であることが好ましい。
前記パルプは、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20〜50質量%と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50〜80質量%とからなることが好ましい。
前記パルプの叩解前後のフリーネスの差ΔFが20〜200mlであることが好ましい
この発明によれば、柔らかさとボリューム感を確保すると共に、シワを抑制して操業性を向上させたローションティシュペーパーが得られる。
本発明の実施形態に係るローションティシュペーパーの製造に係るワインダー(プライマシン)装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るローションティシュペーパーの製造に係るロータリー式インターフォルダの一例を示す図である。
以下に本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るローションティシュペーパーは、薬液が塗布され、パルプを主成分とするシートを1枚又は2枚以上重ねてなり、1枚のシートの坪量が17.0〜20.0g/m、紙厚が0.78〜0.95mm/10枚、かつローションティシュペーパーの、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2で表される(DGMT)が1.0〜1.9N/25mmである。
1枚のシートの坪量が17.0g/m未満であると柔らかさとボリューム感が共に低下し、20.0g/mを超えると柔らかさに劣る。上記坪量は、好ましくは17.6〜19.3g/m、更に好ましくは18.2〜18.7g/mである。
紙厚が0.78mm/10枚(シート)未満であると柔らかさとボリューム感が共に低下し、0.95mm/10枚を超えると柔らかさに劣る。上記紙厚は、好ましくは0.81〜0.91mm/10枚、更に好ましくは0.82〜0.88mm/10枚である。
又、ローションティシュペーパーのDGMTが1.0N/25mm未満であると、強度が低下して実用に適さない。DGMTが1.9N/25mmを超えると硬くなり、柔らかさが損なわれる。上記DGMTは、好ましくは1.2〜1.7N/25mm、更に好ましくは1.3〜1.6N/25mmである。
なお、DGMTは、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)との積の平方根であり、(DMDT×DCDT)1/2(DGMT:Geometric Tensile strength)で表される。
DGMTを上記範囲に管理する方法の一例としては、坪量を上記範囲とし、さらに原紙の強度、塗布量を調整することが挙げられる。
シートはパルプを主成分(50質量%以上)とする。パルプとしては木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプがあるが、木材パルプ100%から成っていてもよく、古紙パルプ、非木材パルプを含んでも良い。パルプ以外の成分としては、填料、合成繊維、天然繊維等を挙げることができる。目標とする品質を得るためには、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20〜50質量%と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50〜80質量%とからなる木材パルプを原料とすることが好ましく、より好ましい範囲はNBKP:25〜45質量%と、LBKP:55〜75質量%である。
上記LBKPの材種としてユーカリ属グランディス、及びユーカリグロビュラスに代表される、フトモモ科ユーカリ属から製造されるパルプが好ましい。又は、このパルプ比率の木材パルプ100質量部に対し、古紙パルプを50質量部程度まで含むことができる。古紙パルプは品質的バラツキが大きく、配合割合が増えると製品の品質、特に柔らかさに大きく影響するので、木材パルプに対して20質量部以下配合するのが望ましく、10質量部以下配合するのがより望ましく、5質量部以下配合するのがさらに望ましく、古紙パルプを配合しないことが最も好ましい。
なお、ローションティシュペーパーに適正な強度を確保するために、通常の手段で原料配合し、パルプ繊維の叩解処理にて強度調整を行うことができる。目標の品質を得るための叩解としては、市販のバージンパルプに対して、JIS−P8121で測定されるフリーネス(カナダ標準ろ水度)の変化量ΔFで20〜200ml、より好ましくは50〜120mlとなるよう、濾水度を低減させるとよい。又、乾燥紙力増強剤は適宜使用してもよい。湿潤紙力増強剤は適宜使用することが好ましい。
ローションティシュペーパーは薬液を含有する。
薬液としては、多価アルコール(2価以上の水酸基を有するアルコール)を主成分とし、水を含むことが好ましい。多価アルコールは具体的には、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等が挙げられる。薬液中の多価アルコールの有効成分の割合は、70〜90質量%が好ましく、75〜85質量%がより好ましく、77〜82質量%が更に好ましい。薬液中の多価アルコールの有効成分が70質量%未満であると、しっとり感が得られにくくなる場合がある。一方、多価アルコールの有効成分が90質量%を超えると、薬液中の水分が少なくなり、薬液の粘度が上昇し、操業性が悪化する場合がある。なお、上記の多価アルコールは、1種類を配合しても、2種類以上配合しても良い。なお、薬液中の多価アルコールとしては、風合いに優れるグリセリンの有効成分(水分を除く成分)が、薬液全体に対して50%以上含まれることが好ましく、より好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上である。
また、上記薬液に、各種シリコーン、流動パラフィン、鉱物油、ワックス等を配合することが好ましい。これらの成分は、1種類を配合しても、2種類以上配合しても良い。この中でも、滑らかさが優れることから、シリコーンを配合することが好ましい。また、シリコーンは、アミノ変性シリコーンであることが好ましい。薬液中のアミノ変性シリコーンの有効成分の割合は、0.2〜3.0質量%であることが好ましく、0.4〜2.0質量%であることがより好ましく、0.6〜1.2質量%であることが更に好ましい。アミノ変性シリコーンの有効成分の割合が0.2%質量未満であると、滑らかさが向上しにくい場合がある。一方、アミノ変性シリコーンの有効成分の割合が3.0質量%を超えると、薬液が黄変しやすくなったり、アミノ変性シリコーン特有の臭気が感じられる場合がある。
薬液の粘度は、塗布ムラや塗布ロールへのウェブの付着などのトラブルを避ける観点から、回転数60rpmにおけるB型粘度を好ましくは10〜100mPa・s、より好ましくは15〜60mPa・s、さらに好ましくは20〜40mPa・sにする。なお、B型粘度は、東機産業社製粘度計を用いて液温が40℃の条件下で測定した。粘度が上記範囲未満であると、薬液が付きやすくなり過ぎ、塗布量のコントロールが難しくなる場合がある。粘度が上記範囲以上であると、薬液が付きにくくなって薬液が塗布しにくくなり、塗布速度を遅くしなければならず、操業性が低下する場合がある。
ローションティシュペーパー中の薬剤含有量が12〜28質量%である。ここで、「薬液」は水分を含み、「薬剤含有量」は薬液中の水分を除く成分の含有量に相当する。
薬剤含有量は、JIS P 8111(1998)条件下において調湿させた所定質量のティシュペーパー製品を分母(A)(g)とし、所定質量のティシュペーパー製品中に含まれる薬液中の水分を除いた質量(B)(g)を分子として、(B)を(A)で除した比率を(%)で表す。なお、(B)の算出は、例えばローションティシュペーパーにアセトン/エタノール抽出を施して定量することができる。
(薬剤含有量)=(B)÷(A)×100(%)
薬剤含有量が12質量%未満であると、上記した坪量、紙厚及びDGMTにシートに塗布した場合に柔らかさ及びしっとり感が低下し、28質量%を超えると薬液塗布時にシワが発生したり、インターフォルダ内で断紙して操業性が低下する場合がある。
薬剤含有量が14〜25質量%であることがより好ましく、16〜22質量%であることが最も好ましい。
そして、薬液の塗布後のシートを1枚重ね、又は2枚以上重ねて切断し、例えば製品幅にスリットされたロール状、又はそれぞれ製品幅及び長さに切断され、V折り等して互いに積層されたシート状のローションティシュペーパーを製造することができる。
シート状のローションティシュペーパーとしては、各シートを中央でV折りし、それぞれの側端部を掛け合わせながら交互に積層してポップアップ式に取出し可能なティシュペーパー積層体を構成することができ、ポップアップ式に取出し可能であれば他の公知の折り方(例えばZ折り)であってもよい。
ティシュペーパー積層体を構成するために用いるインターフォルダとしては、ロータリー式インターフォルダ、マルチスタンド式インターフォルダが例示できるが、後述するようにロータリー式インターフォルダが好ましい。
次に、本発明の実施形態に係るローションティシュペーパーの製造方法の一例を説明する。
まず、図1に示すように、薬液未塗布の原紙からなる2個の原反ロール(ジャンボロール)2をワインダー(プライマシン)装置10にセットし、巻き戻してカレンダーロール4,4間を通してカレンダー処理を施した後、巻き取ってプライ重ね(本例では2プライ)した原紙ロール6を製造する。なお、1プライのローションティシュペーパーの場合は、1個の原反ロール2を巻き戻してカレンダーロール4,4に通してカレンダー処理を行う。
ここで、薬液の塗布前でカレンダー処理後(つまり、図1の原紙ロール6)の原紙の1枚当たりの坪量が14.0〜17.0g/m、紙厚が0.70〜1.00mm/10枚、及び原紙のDGMTが1.6〜2.4N/25mmであることが好ましい。上記原紙の1枚当たりの坪量が15.0〜16.0g/m、紙厚が0.72〜0.90mm/10枚、DGMTが1.7〜2.3N/25mmであることがより好ましい。上記原紙の紙厚が0.75〜0.85mm/10枚、DGMTが1.8〜2.2N/25mmであることが最も好ましい。
原紙の坪量、紙厚及びDGMTを上記範囲に規定することで、薬液塗布後のローションティシュペーパーの坪量、紙厚及びDGMTを上記範囲に保つことができる。
又、カレンダー処理の前後での原紙の紙厚の変化量Δtが0.08〜0.32mm/10枚であることが好ましい。Δtが0.08mm/10枚未満であると、カレンダー後の紙厚および製品の紙厚が高く(厚く)なり過ぎ、ローションティシュペーパーの積層体60(図2参照)をカートン70へ挿入する際の挿入性が劣り、0.32mm/10枚を超えると、カレンダー後の紙厚および製品の紙厚が低く(薄く)なり過ぎ、柔らかさやボリューム感が劣る場合がある。原紙の紙厚の変化量Δtが0.10〜0.30mm/10枚であることがより好ましく、0.15〜0.25mm/10枚であることが最も好ましい。
次に、カレンダー処理後の原紙に薬液を塗布する。
ここで、図2に示すように、薬液塗布は、ロータリー式インターフォルダ100でオンライン塗布することが好ましい。ローションティシュペーパーは、ローションを塗布しないティシュペーパーより強度が低いため、マルチスタンド式インターフォルダに比べて加工速度の遅いロータリー式インターフォルダ内でオンライン塗布した方が断紙しにくく、操業性が良い。なお、ロータリー式インターフォルダの加工速度は、40〜150m/minが好ましく、50〜120m/minがより好ましく、60〜90m/minがさらに好ましい。
また、ロータリー式インターフォルダ100を用いると、折り畳み加工されたローションティシュペーパーの積層体60をカートン70の取り出し口から取り出して使用する際、ティシュペーパーを引っ張る方向が、ティシュペーパーの強度が高いMD方向となるため、使用時に破れにくくなる。
具体的には、図2に示すように、2個の原紙ロール6をロータリー式インターフォルダ100にセットし、巻き戻した各原紙6aを薬液塗布パート20に通して薬液を塗布した後、ロータリー式インターフォルダ加工機30にて折り畳み、積層体60を製造する。
ここで、薬液塗布パート20の方式に制限はないが、ロール転写方式が好ましい。ロール転写方式の一例としては、図2に示すように、薬液タンク22からアニックスロール24に薬液を供給し、さらにアニックスロール24からラバーロール26に薬液を転写させ、ラバーロール26を原紙6aに接触させて薬液塗布を行う。ラバーロール26(及びラバーロール26の背後のアニックスロール24)は原紙6aに対向して2個セットされている。
又、図2に示すように、積層体60をカートン70に挿入する前に積層体60を圧縮することが好ましい。この加工は、積層体60を載置してカートン70に搬送する搬送装置(下部コンベア)94の直上に圧縮装置(上部コンベア92)を設け、両者の間に積層体60を通すことで積層体60を圧縮するようになっている。具体的には、下部コンベア94のロール94rと、上部コンベア92のロール92rとによって積層体60を圧縮する。このように積層体60を圧縮すると、薬液塗布直後はローションティシュペーパーを嵩高にし、その後の圧縮処理で所定の高さ寸法に調整することができるので、予め圧縮を過度に行った原紙に薬液塗布する場合に比べると柔かくなる
このようにして積層体60を圧縮する際、薬液の塗布直後(つまり、カートン70に挿入する前)の積層体の高さが、(つまり、カートン70に挿入され、薬液の塗布から時間が経過した)ローションティシュペーパー製品における積層体の高さの1.05〜1.40倍であることが好ましい。
上記圧縮比が1.05倍未満であると、柔らかさやボリューム感が劣り、1.40を超えると、積層体60の圧縮時の操業性が劣る場合がある。上記圧縮比が1.10〜1.30倍であることがより好ましく、1.15〜1.25倍であることが更に好ましい。
なお、上記圧縮比は、シート170組を重ねて測定する。まず、塗布直後(圧縮前)の積層体5個について、積層体の四隅の高さH0をそれぞれ測定し平均する。次に、圧縮後の積層体5個について、積層体の四隅の高さH1をそれぞれ測定し平均する。H0/H1を上記圧縮比とする。
高さH0は、85〜115mmが好ましく、93〜100mmがより好ましい。また、高さH1は、73〜82mmが好ましく、73〜80mmがより好ましい。なお、ここでは、シート170組についての積層体の高さを規定したが、例えば積層体を構成するシートが200組の製品については、170組に対する比例計算でH0,H1を算出することができる。具体的には、200組の積層体の高さが100mmの場合、170組に換算すると、100mm×170組÷200組=85mmとなる。
積層体の高さH1(mm)/カートンの内面の高さB(mm)が85〜99%であることが好ましく、90〜97%であることがより好ましい。上記比が85%未満であると、シートのボリューム感が無くなったり、積層体をカートンに挿入した際、カートン上部の空間が大きく、積層体が曲がってしまう場合がある。上記比が99%を超えると、積層体をカートンに挿入する際、挿入しにくくなる場合がある。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
パルプ組成(質量%)として、NBKPとLBKPを表1、表2の割合で調製し、表1、表2に示す特性を有する原紙を抄紙した。この原紙を紙厚の変化Δtが表1、表2に示す値となるようにカレンダー処理した。カレンダー処理後の原紙の特性を表1、表2に示す。
次に、カレンダー処理後の原紙に、図2に示すロータリー式インターフォルダで薬液をオンライン塗布し、薬液塗布直後(圧縮前)の積層体60の高さH0および圧縮後の高さH1を測定した。以下の評価を行った。
なお、薬液の組成は、グリセリン65.0%、ソルビトール15.0%、シリコーン1.0%、水分19.0%(いずれも質量%)とした。
原紙及びシートの坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりに換算した。
原紙及びシートの厚さ:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm 以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は試料を10枚重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
DMDT,DCDT:JIS−P8113に基づく乾燥時の引張強さ(単位:N/25mm)を測定した。
なお、坪量、DMDT,DCDT、紙厚の測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持した後に行った。
モニター20人による以下の官能評価を行った。
柔らかさ:カートンから取り出したティシュペーパーを展開して手に持ったときの柔らかさを評価した。
しっとり感:カートンから取り出したティシュペーパーを展開して手に持ったときのしっとり感を評価した。
強度:ティシュペーパーのGMTを比較した。
ボリューム感:カートンから取り出したティシュペーパーを展開して手に持ったときのボリューム感、および、製品の紙厚を評価した。
シワの少なさ:カートンから取り出したティシュペーパーを展開して手に持ったときのシワの少なさを目視で評価した。
インターフォルダでの操業性:ロータリー式インターフォルダでの断紙、作業の煩雑さを評価した。
積層体の圧縮時の操業性:積層体を上下のコンベアで圧縮する際のコンベア速度の低下の度合を評価した。積層体を過度に圧縮すると、コンベアの速度が低下し、操業が安定しなくなる傾向にある。
評価は、従来品と同等なものを「3」とし、これよりやや優れているを「4」、優れているを「5」とした。同様に、「3」より劣っているを「2」、著しく劣っているを「1」とした。評価が3〜5であれば問題ない。
得られた結果を表1〜表2に示す。
Figure 0006400996

Figure 0006400996
表1〜表2から明らかなように、シートの坪量、紙厚、強度DGMTを所定範囲内とした各実施例の場合、柔らかさとボリューム感を確保すると共に、シワを抑制して操業性を向上させたものとなった。
一方、シート1枚当たりの坪量が17.0g/m未満、紙厚が0.78mm/10枚未満である比較例1の場合、柔らかさとボリューム感が共に低下した。
シート1枚当たりの坪量が20.0g/mを超え、紙厚が0.95mm/10枚を超え、DGMTが1.9N/25mmを超えた比較例2の場合、柔らかさが低下した。また、薬液塗布直後の積層体の高さH0が、製品における積層体の高さH1の1.40倍を超え、積層体の圧縮時の操業性が劣った。
薬剤含有量が12質量%未満である比較例3の場合、DGMTが1.9N/25mmを超えて、柔らかさ、しっとり感が劣った。
薬剤含有量が28質量%を超えた比較例4の場合、強度が低下して薬液塗布時にシワが発生したと共に、インターフォルダ内で断紙して操業性が低下した。
薬液の塗布前の原紙のカレンダー処理の前後で、原紙の紙厚の変化Δtが0.08mm/10枚未満である比較例5の場合、積層体を圧縮しても製品の積層体の高さH1が88mmを超えて高くなり、カートンへの挿入性が劣った。なお、この場合にH1をカートンに挿入できるよう、無理に82mm以下になるように圧縮すると、圧縮比(H0/H1)が1.40を超えて、積層体の圧縮時の操業性が劣る。
原紙の紙厚の変化Δtが0.32mm/10枚を超えた比較例6の場合、紙厚が低く(薄く)なり過ぎて、柔らかさとボリューム感が劣った。
積層体を圧縮せず、薬液塗布直後の積層体の高さH0が、製品における積層体の高さH1の1.05倍未満である比較例7の場合、柔らかさとボリューム感が劣った。又、比較例7の場合、積層体の高さH1(mm)/カートンの内面の高さB(mm)が99%を超えたため、カートンへの挿入性が劣った。
パルプの叩解前後のフリーネスの差ΔFが200mlを超えた比較例8の場合、紙厚が0.78mm/10枚未満であり、柔らかさとボリューム感が共に低下した。
薬剤含有量以外の条件を比較例8と同一とし、さらにオフラインで薬液塗布を行った比較例9の場合、シワの少なさは優れていたが、インターフォルダでの操業性が劣った。
20 薬液塗布パート
60 積層体
70 カートン
100 ロータリー式インターフォルダ

Claims (5)

  1. ローションティシュペーパーを積層して積層体を構成した後、該積層体をカートンに収容するローションティシュペーパーの製造方法であって、
    前記ローションティシュペーパーは、薬液が塗布され、パルプを主成分とするシートを1枚又は2枚以上重ねてなり、1枚の前記シートの坪量が17.6〜19.0g/m、紙厚が0.81〜0.89mm/10枚、薬剤含有量が14〜23質量%であり、
    前記薬液をロータリー式インターフォルダでオンライン塗布し、
    かつ該ローションティシュペーパーの、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2で表される(DGMT)が1.22〜1.61N/25mmであり、
    前記薬液の塗布直後の前記積層体の高さが、前記カートンに収容後の製品における前記積層体の高さの1.23〜1.25倍となるよう、前記薬液の塗布直後の前記積層体を積層方向に圧縮した後、前記カートンに収容するローションティシュペーパーの製造方法。
  2. 前記薬液の塗布前の原紙を、カレンダー処理後の前記原紙の1枚当たりの坪量が14.0〜17.0g/m 、紙厚が0.70〜1.00mm/10枚、及び該原紙の(DGMT)が1.6〜2.4N/25mmになるように、当該カレンダー処理する請求項1に記載のローションティシュペーパーの製造方法。
  3. 前記カレンダー処理の前後で、前記原紙の紙厚の変化Δtが0.08〜0.32mm/10枚である請求項2に記載のローションティシュペーパーの製造方法。
  4. 前記パルプは、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20〜50質量%と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50〜80質量%とからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のローションティシュペーパーの製造方法。
  5. 前記パルプの叩解前後のフリーネスの差ΔFが20〜200mlである請求項1〜4のいずれか1項に記載のローションティシュペーパーの製造方法。
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