JP7106808B2 - ローションティッシュペーパー - Google Patents
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Description
図1は、本発明のローションティッシュペーパー1の斜視図である。ローションティッシュペーパー1は、2プライのシートからなるものであって、原紙にカレンダー処理がなされ、薬液が塗布されているものである。そして、本発明のローションティッシュペーパー1は、紙厚、シート1プライあたりの坪量、滑らかさTS750、薬液の含有量が調整されている。また、本発明のローションティッシュペーパー1は、図1に示すように、カートンではなく所定の厚さ及び取り出し口21を有するフィルムパック20に収容される。なお、本発明において、長手方向とは、フィルムパック20の取り出し口21に平行な方向であり、短手方向とは、長手方向に直交する方向である。
本発明のローションティッシュペーパー1における、紙厚は、0.50mm/10枚以上0.90mm/10枚以下であり、0.55mm/10枚以上0.85mm/10枚以下であることが好ましく、0.60mm/10枚以上0.80mm/10枚以下であることがより好ましい。なお、上記の紙厚は、1プライのシートを10枚重ねたときの紙厚を示す。また、本発明のローションティッシュペーパー1における、シート1プライあたりの坪量は、13g/m2以上22g/m2以下であり、14g/m2以上21g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以上20g/m2以下であることがより好ましい。ローションティッシュペーパー1の紙厚やシート1プライあたりの坪量を上記の範囲内のものとすることにより、柔らかさとボリューム感とが両立可能なものとなる。なお、上記の坪量及び紙厚は、ローションティッシュペーパー1自体のものであって、薬液が塗布された状態のローションティッシュペーパー1についての坪量及び紙厚を意味する。
本発明のローションティッシュペーパー1は、ティッシュソフトネス測定装置TSA(Tissue Softness Analyzer)により測定したときに、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が7dBV2rms以上15dBV2rms以下であり、8dBV2rms以上14dBV2rms以下であることが好ましく、9dBV2rms以上13dBV2rms以下であることがより好ましい。このTS750は、ローションティッシュペーパー1の滑らかさの指標であり、TS750が上記の範囲内のものとなることにより、ローションティッシュペーパー1の平滑さがバランスよく維持される。
本発明のローションティッシュペーパー1は、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さ(引張り速度300mm/分で測定)DMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さ(引張り速度300mm/分で測定)DCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)の幾何平均(DMDT×DCDT)1/2で表されるDGMT(Dry Geometric Tensile strength)が1.0N/25mm以上2.5N/25mm以下であることが好ましく、1.1N/25mm以上2.1N/25mm以下であることがより好ましく、1.2N/25mm以上1.8N/25mm以下であることが更に好ましい。ローションティッシュペーパー1のDGMTが上記の範囲内のものであることにより、ローションティッシュペーパー1の強度や、柔らかさが、バランス良く良好に維持される。なお、一般的には、坪量を上記の範囲内のものとし、原紙の強度や薬液の塗布量を調整することにより、上記のDGMTが調整される。
本発明のローションティッシュペーパー1の比容積は、1組当り2.0cm3/g以上6.0cm3/g以下であることが好ましく、2.3cm3/g以上5.5cm3/g以下であることがより好ましく、2.5cm3/g以上5.0cm3/g以下であることが更に好ましい。ローションティッシュペーパー1の比容積を上記の範囲内のものとすることにより、ふんわり感、柔らかさ、嵩高さがバランスよく維持され、滑らかさが良好なものとなる。比容積は、例えば、坪量や紙厚を調整することにより、調整することができる。
本発明のローションティッシュペーパー1は、薬液を含有している。薬液としては、水性成分と油性成分とを含むものであり、さらに、水を含んでいることが好ましい。
水性成分としては、多価アルコール(2価以上の水酸基を有するアルコール)を挙げることができる。より具体的には、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等を挙げることができる。薬液中の多価アルコールの有効成分の割合は、72質量%以上92質量%以下であることが好ましく、76質量%以上87質量%以下であることがより好ましく、79質量%以上84質量%以下であることが更に好ましい。薬液中の多価アルコールの含有量を調整することにより、ローションティッシュペーパー1のしっとり感が良好なものとなる。なお、上記の多価アルコールは、1種類を配合しても、2種類以上配合してもよい。薬液中の多価アルコールとしては、風合いに優れるグリセリンの含有量(水分を除く)が、薬液全体に対して50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
油性成分としては、各種シリコーン油、流動パラフィン、鉱物油、ワックス等を挙げることができる。これらの成分は、1種類を配合しても、2種類以上配合してもよい。これらの成分は、ローションティッシュペーパー1の滑らかさに寄与する。本発明においては、ローションティッシュペーパー1中の油性成分の含有量が0.03質量%以上0.35質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.25質量%以下であることがより好ましく、0.07質量%以上0.15質量%以下であることが更に好ましい。これにより、ローションティッシュペーパー1の滑らかさを効果的に向上させつつ、滑らかさを向上させすぎることによる加工適性の低下も効果的に防止することができる。本発明においては、特に、この油性成分がシリコーン油及び/又はシアバターであることが好ましく、シリコーン油であることがより好ましく、アミノ変性シリコーン油であることが更に好ましい。この場合、ローションティッシュペーパー1中の、このシリコーン油(アミノ変性シリコーン油)及び/又はシアバターの含有量が、上記の含有量であることが好ましい。薬液中のシリコーン油及び/又はシアバターの配合量は、0.1質量%以上1.2質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.8質量%以下であることが更に好ましい。これにより、薬液の特性を劣化させることなく、ローションティッシュペーパー1の滑らかさを効果的に向上させることができる。
薬液の粘度は、塗布ムラや塗布ロールへのウェブの付着などのトラブルを避ける観点から、回転数60rpmにおけるB型粘度が10mPa・s以上100mPa・s以下となることが好ましく、15mPa・s以上60mPa・s以下となることがより好ましく、20mPa・s以上40mPa・s以下となることが更に好ましい。なお、B型粘度は、東機産業社製粘度計を用いて液温が40℃の条件下で測定する。B型粘度が上記の範囲内のものであることにより、薬液の塗布量のコントロールを良好なものとすることができるとともに、操業性も良好に維持される。
本発明のローションティッシュペーパー1中の薬剤含有量は、12質量%以上26質量%以下であり、14質量%以上24質量%以下であることが好ましく、16質量%以上22質量%以下であることがより好ましい。ここで、「薬液」は水分を含むため、「薬剤含有量」は薬液中の水分を除く成分の、ローションティッシュペーパー1中の含有量に相当する。
(薬剤含有量)=(B)÷(A)×100(%)
ローションティッシュペーパー1を構成する2プライのシートは、パルプを主成分とするものであり、好ましくは、50質量%以上のパルプを含有する。ローションティッシュペーパー1の製造に使用できるパルプとしては、木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプが挙げられるが、本発明のローションティッシュペーパー1は、パルプとして木材パルプ100%から成るものであってもよく、木材パルプの他に、古紙パルプや非木材パルプを含んでいてもよい。パルプ以外の成分としては、填料、合成繊維、天然繊維等を挙げることができる。目標とする品質を得るためには、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20質量%以上50質量%以下と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50質量%以上80質量%以下とからなる木材パルプを原料とすることが好ましく、NBKP:25質量%以上45質量%以下と、LBKP:55質量%以上75質量%以下とからなる木材パルプを原料とすることがより好ましい。
本発明のローションティッシュペーパー1を折り畳む前の短手方向の寸法は、170mm以上250mm以下であることが好ましく、180mm以上240mm以下であることがより好ましく、200mm以上220mm以下であることが更に好ましい。また、ローションティッシュペーパー1の長手方向の寸法は、180mm以上260mm以下であることが好ましく、190mm以上250mm以下であることがより好ましく、210mm以上230mm以下であることが更に好ましい。ローションティッシュペーパー1の寸法は、フィルムパック20の寸法、性質に合わせて適合させればよい。
本発明のローションティッシュペーパー1は、紙カートンではなく所定の厚さ及び取り出し口21を有するフィルムパック20に収容される。上記のフィルムパック20に収容されることで、ローションティッシュペーパー1の積層体の高さに応じた容器の変形が可能になり、容器からの最初の一枚を取り出し易くなり、また、ドロップバックが低減され、操作性の良好なローションティッシュペーパー1を提供することができる。
フィルムパック20の材質は、特に限定されないが、ポリエチレン又はポリプロピレンを用いることが好ましく、柔軟性を持たせてローションティッシュペーパー1の残り数に応じてフィルムパック20を変化させる観点からポリエチレンを用いることがより好ましい。また、フィルムパック20の強度及び柔軟性の観点から、フィルムパック20の厚さは、15μm以上55μm以下であり、20μm以上40μm以下であることが好ましく、25μm以上35μm以下であることがより好ましい。フィルムパック20が薄いと、強度が弱く破れやすくなり、逆にフィルムパック20が厚すぎると、ローションティッシュペーパー1の残り数に応じたフィルムパック20の変形がしづらくなり、ドロップバックが起こりやすくなる。
フィルムパック20の包装形態は公知の方法を用い、特に限定されないが、ピロー包装、又はキャラメル包装、又はガゼット包装を用いることが好ましく、柔軟性を持たせてローションティッシュペーパー1の残り数に応じてフィルムパック20を変化させる観点から、ピロー包装を用いることがより好ましい。
フィルムパック20の短手方向の寸法は、95mm以上150mm以下であることが好ましく、105mm以上140mm以下であることがより好ましく、115mm以上130mm以下であることが更に好ましい。また、フィルムパック20の長手方向の寸法は、200mm以上260mm以下が好ましく、210mm以上250mm以下であることがより好ましく、220mm以上240mm以下であることが更に好ましい。
フィルムパック20の取り出し口21の長さは、ローションティッシュペーパー1の長手方向の寸法に対して20%以上70%以下であり、30%以上60%以下であることが好ましく、40%以上50%以下であることがより好ましい。取り出し口21の寸法を上記の範囲とすることで、ローションティッシュペーパー1をより取り出し易くすることができ、取り出した際のローションティッシュペーパー1の破れも低減される。また、ドロップバックも効果的に低減することができる。
フィルムパック20に収容されるローションティッシュペーパー1の入り数は、160組以上280組以下であることが好ましく、180組以上260組以下であることがより好ましく、200組以上240組以下であることが更に好ましい。ローションティッシュペーパー1の紙厚及び入り数に応じて変化するフィルムパック20の高さは、54mm以上96mm以下であることが好ましく、61mm以上89mm以下であることがより好ましく、68mm以上82mm以下であることが更に好ましい。このように、ローションティッシュペーパー1の入り数を一定の範囲とし、ローションティッシュペーパー1の紙厚及び入り数に応じた一定の範囲において、フィルムパック20の高さに変化性を持たせることで、ローションティッシュペーパー1の最初の一枚の取り出し易さを、効果的に向上させることができる。
本発明のローションティッシュペーパー1は、例えば以下のように、(i)プライアップ及びカレンダー処理、(ii)薬液の塗布及び保管、(iii)インターフォルダ加工、の順で製造することができる。
図2はマシンワインダー100の一例を示す。
カレンダー処理後の第二次原反ロール12にオフラインで薬液を塗布して第三次原反ロール13を得る。
薬液が塗布され、所定の期間保管された第三次原反ロール13のシートを加工することで、ローションティッシュペーパー1を得る。
<実施例>
木材パルプとして、表1から表3に示すパルプ組成(質量%)の、NBKPとLBKPから、原紙を抄紙した後、この原紙にカレンダー、プライアップ処理を施した。次に、この原紙に対して、表1から表3に示すローション薬液をグラビア塗布装置にてオフライン塗布し、次いでロータリー式インターフォルダにて、ローションティッシュペーパーの積層体を形成し、更にフィルムパックに収容した。なお、表1から表3中、多価アルコールはグリセリンであり、油性成分は、アミノ変性シリコーン油とシアバターの混合物である。得られたローションティッシュペーパーについて、TS750、TS7、D、紙中の薬液含有量を計測するとともに、使用感、ボリューム感、しっとり感、滑らかさ、使いやすさ(ドロップバック頻度)、フィルムパックの強度(破れにくさ)、取り出し時のローションティッシュペーパーの破れにくさ、柔らかさ、しっかり感(カートンからローションティッシュペーパーを取り出した際の、次のローションティッシュペーパーの立ち具合)、フィルムパックの交換頻度、フィルムパックの見栄えについて5段階評価を行った。
紙厚:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は1プライのシートを10枚重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
フィルムの厚さ:JIS Z 1702に基づいて測定した。
なお、坪量、紙厚、TSA、フィルムパックの厚さ、フィルムパックの高さの測定は、JIS P 8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持した後に行った。
使用感:フィルムパックから取り出したローションティッシュペーパーを展開して使用(鼻をかむ、汚れをふき取る等)した時の、使用感(紙のごわつき、水分の浸透等)を総合的に評価した。
ボリューム感:フィルムパックから取り出したローションティッシュペーパーを展開して手に持ったときのボリューム感、及び、製品の紙厚を評価した。
しっとり感:フィルムパックから取り出したローションティッシュペーパーを展開して手に持ったときのしっとり感を評価した。
滑らかさ:フィルムパックから取り出したローションティッシュペーパーを展開して使用(鼻をかむ)した時の、ローションティッシュペーパーが肌に触れる滑らかさを評価した。
使いやすさ(ドロップバック頻度):ローションティッシュペーパー使用時の、ドロップバックの頻度を評価した。
フィルムパックの強度(破れにくさ):フィルムパックの破れにくさを評価した。
取り出し時のローションティッシュの破れにくさ:フィルムパックからローションティッシュペーパーを取り出した時の破れにくさについて評価した。
柔らかさ:カートンから取り出したローションティッシュペーパーを展開して手に持ったときの柔らかさを評価した。
しっかり感:カートンからローションティッシュペーパーを取り出した際の、次のローションティッシュペーパーの立ち具合を評価した。
フィルムパック交換頻度:フィルムパックの交換頻度について評価した。
フィルムパックの見栄え:フィルムパックの見栄えについて評価した。
評価は、従来品と同等なものを「3」とし、これよりやや優れているを「4」、優れているを「5」とした。同様に、「3」より劣っているを「2」、著しく劣っているを「1」とした。評価が3から5であれば問題ない。
Claims (1)
- 薬液の塗布された、2プライのシートからなるローションティッシュペーパーの製造方法であって、
前記ローションティッシュペーパーは、紙厚が0.50mm/10枚以上0.90mm/10枚以下、
シート1プライあたりの坪量が13g/m2以上22g/m2以下、
前記薬液の含有量が19.8質量%以上25.4質量%以下、
滑らかさTS750が7dBV2rms以上15dBV2rms以下、
柔らかさTS7が6dBV2rms以上14dBV2rms以下、
しっかり感Dが2.2mm/N以上4.6mm/N以下、 であり、
厚さが15μm以上55μm以下、前記ローションティッシュペーパーの長手方向の寸法に対する取り出し口の長さの割合が25%以上46%以下、である略直方体のフィルムパックに収容され 、
前記フィルムパックに収容されるローションティッシュペーパーの入り数が、160組以上280組以下であり、前記ローションティッシュペーパーの紙厚及び入り数に応じて変化する前記フィルムパックの高さが、54mm以上96mm以下であ る、ローションティッシュペーパーであって、
原反ロールの片面に前記薬液をオフラインで塗布し、
薬液を塗布した前記原反ロールを、薬液を塗布した日から7日以上21日以下の期間保管し、
薬液を塗布した前記原反ロールを、インターフォルダ加工する、ローションティッシュペーパーの製造方法。
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