JP2018049213A - 電子写真感光体、電子写真カートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真カートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実用上の負荷に対する耐摩耗性及び電気特性に優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、感光層は、式(1)で表される繰返し単位及び式(2)で表される繰返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2018049213

Figure 2018049213

【選択図】なし

Description

本発明は電子写真感光体に関し、より詳しくは、耐摩耗性が良好な電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、電子写真プロセス、即ち、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等のサイクルで繰返し使用されるため、その間の様々なストレスを受けて劣化する。このような劣化としては、例えば、帯電器として普通用いられるコロナ帯電器から発生する強酸化性のオゾンやNOxが感光層に与える化学的なダメージ、像露光で生成したキャリアー(電流)が感光層内を流れること、又は除電光及び外部からの光に起因する感光層組成物の分解等の化学的、電気的劣化がある。さらに、クリーニングブレード、磁気ブラシ等の摺擦、現像剤、紙との接触等による感光層表面の摩耗、傷の発生、膜の剥がれ等の機械的劣化がある。このような機械的劣化による損傷は画像上に現れやすく、直接画像品質を損なうため感光体の寿命を制限する大きな要因となっている。
表面保護層等の機能層を設けない一般的な感光体の場合、特に感光層がこのような負荷を受け易い。感光層は、通常、バインダー樹脂と光導電性物質とからなり、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂であるが、光導電性物質のドープ量が相当多いため充分な機械強度を持たせるには至っていない。感光層のバインダー樹脂として、電気特性や耐摩耗性に優れているポリカーボネート樹脂が使用されており、近年耐摩耗性を向上させたポリカーボネート樹脂を使用した電子写真感光体が開発されている(特許文献1〜3参照)。
一方、芳香族エステル結合を有する2価フェノールを原料モノマーとした場合、電子写真感光体用ポリエステル樹脂の一般的な製造方法である界面重合法では、芳香族エステル結合が加水分解のため使用することができない。そのため、芳香族エステル結合を有する2価フェノール残基構造を含むポリカーボネート樹脂を感光体に用いた例は少なく特性が明らかではなかった(特許文献4)。
特開2011−26575号公報 WO2013/027654号公報 特開2015−102763号公報 特開2000−352830号公報
しかしながら、本発明者の検討によると、前記特許文献1〜3に記載の技術のポリカーボネート樹脂を使用した感光体では、100,000枚以上印刷するような高寿命・高速機種においては、機械強度は充分なものではなかった。
また、特許文献4に記載の技術はエステル構造を有する2価フェノール残基を含むポリカーボネート樹脂を感光体に用いているが、嵩高いトリアリールアミン構造を有する2価フェノールと共重合しているために樹脂の絡み合いが弱くなり、耐摩耗性が不十分であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、実用上の負荷に対する耐摩耗性及び電気特性に優れた電子写真感光体を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決しうる電子写真感光体について鋭意検討を行なった結果、感光層に特定の化学構造を有するポリカーボネート樹脂を含有させることにより、優れた機械的特性を有し、感光層形成用塗布液に用いる溶媒に対して高い溶解性及び優れた塗布液安定性を有し、且つ、電気特性に優れた電子写真感光体を得ることができることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させるに至った。即ち、発明の要旨は、以下〔1〕〜〔7〕に存する。
〔1〕
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層は、下記式(1)で表される繰返し単位及び下記式(2)で表される繰返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2018049213
(式(1)中、Ar、Arは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Zは、芳香族基を有する2価の基であり、sは0又は1の整数である。)
Figure 2018049213
(式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。Xは、単結合、―CR−、O、CO、又はSを表す。またR、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。また、RとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
〔2〕
前記ポリカーボネート樹脂において、前記式(1)で表される繰返し単位および前記式(2)で表される繰返し単位の合計に対する、前記式(1)で表される繰返し単位の割合が、1mol%以上50mol%以下であることを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
〔3〕
前記式(1)で表される繰返し単位が、下記式(3)で表される繰返し単位または(4
)で表される繰返し単位であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の電子写真感光体。
Figure 2018049213
式(3)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、アルキル基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
Figure 2018049213
式(4)中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基を表す。R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、アルキル基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
〔4〕
〔1〕乃至〔3〕の何れか一つに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
〔5〕
〔1〕乃至〔3〕の何れか一つに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対する露光により静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、前記被転写体に転写された前記トナーを定着させる定着手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
〔6〕
〔1〕乃至〔3〕の何れか一つに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
〔7〕
〔6〕に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法であって、製造工程に溶液重合を含むことを特徴とする製造方法。
前記ポリカーボネート樹脂は、感光層形成用塗布液に用いる溶媒に対して高い溶解性及び優れた塗布液安定性を有し、それを用いた本発明の感光体は耐摩耗性や電気特性等の諸特性に優れたものとなる。この耐摩耗性の向上の理由については明らかではないが、前記式(1)で表される繰返し単位中のエステル結合を有する2価フェノール残基は、その芳香族基と極性基の影響から分子間で相互作用しやすく樹脂鎖の絡み合いが強くなり樹脂の機械物性が向上するものと考えられる。一方、前記式(1)で表される繰返し構造のみからなる樹脂の場合、相互作用が強くなりすぎ結晶性樹脂となるため有機溶剤に不溶となり電写真感光体には使用することが困難となる。そこで、式(2)で表される繰返し単位と共重合することにより、機械物性に優れながら有機溶剤に対する溶解性を有するポリカーボネート樹脂となり、耐摩耗性に優れた感光体を得ることが可能となる。
本発明によれば、耐摩耗性に特に優れ、且つ、電気特性に優れた電子写真感光体が得られ、それを用いることにより優れたカートリッジおよび画像形成装置が得られる。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の一実施例を表す概念図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪ポリカーボネート樹脂≫
本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層は、下記式(1)で表される繰返し単位及び下記式(2)で表される繰返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含有する。
Figure 2018049213
式(1)中、Ar、Arは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Zは、芳香族基を有する2価の基であり、sは0又は1の整数である。
Figure 2018049213
式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。Xは、単結合、―CR−、O、CO
、又はSを表す。またR、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。また、RとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
式(1)中、Ar、Arの置換基を有していてもよいアリーレン基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下である。特に好ましくは6である。上記の範囲であれば耐摩耗性および電気特性が優れるため好ましい。
置換基を有してもよいアリーレン基の具体例として、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。電気特性の観点からフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が好ましく、溶解性の観点からフェニレン基が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン基、ベンジル基等が挙げられる。これらの置換基のうち、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基の炭素数は、通常1以上、一方通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキソキシ基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、クロロアルキル基、フルオロアルキル基等が挙げられる。ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基等が挙げられる。より好ましくはメチル基、エチル基である。耐摩耗性の観点から置換基を有していないアリーレン基がより好ましい。
Ar、Arそれぞれの置換基の数に特に制限は無いが、4個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましく、2個以下であることが特に好ましい。電気特性の観点から、Ar、Arは、無置換のアリーレン基であることがより好ましく、耐摩耗性の観点からAr、Arは同じ無置換のアリーレン基であることがさらに好ましく、溶解性の観点から無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
Ar、Arが置換基を有してもよいフェニレン基の場合、m−フェニレン基、p−フェニレン基が好ましく、耐摩耗性の観点からp−フェニレン基がより好ましい。置換基を有してもよいナフチレン基の場合、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5‐ナフチレン基、1,6−ナフチレン基、1,7−ナフチレン基、2,4−ナフチレン基、2,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基が好ましく、耐摩耗性の観点から1,6−ナフチレン基、1,7−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基がより好ましい。ビフェニレン基の場合、2,4−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,4’−ビフェニレン基が好ましく、耐摩耗性の観点から4,4’−ビフェニレン基がより好ましい。
は芳香族基を有する2価の基であれば特に制限されないが、耐摩耗性および電気特性を両立させる観点から、Ar、下記式(5)であることが好ましい。
Figure 2018049213
式(5)中、R、R10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。Xは、単結合、―CR1112−、O、CO、又はSを表す。またR11、R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。また、R11とR12とは、互いに結合して環を形成していてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
、R10のハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基が挙げられ、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましくはフルオロ基である。
、R10の炭化水素基に特に制限はないが、その具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基である。炭化水素基の炭素数に特に制限はないが通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、一層好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。アルキル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは1である。アルケニル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは2である。アルキニル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは2である。アリール基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常6以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下、一層好ましくは10以下、特に好ましくは8以下、最も好ましくは6である。上記の範囲であれば、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましい。
、R10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されているアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられ、好ましくはフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であり、より好ましくはトリフルオロメチル基である。アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基が挙げられ、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されているアリール基としては、ハロゲン化フェニル基が挙げられ、好ましくはフルオロフェニル基である。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキソキシ基等が挙げられる。上記の置換基であれば、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましい。
11、R12が水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかの場合、R11、R12は、R、R10と同義である。R11とR12が互いに結合して環を形成している場合、その炭素数に特に制限はないが、通常5以上、好ましくは6以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましく12以下、更に好ましくは10以下であり、より更に好ましくは8以下である。R11とR12が互いに結合して環を形
成している場合の具体例としては、シクロアルキリデン基が挙げられ、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロへプチリデン基が好ましい。これらの置換基に更に前記炭化水素基が置換されている場合も好ましく、その具体例としては、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン基が好ましい。
、mは、耐摩耗性の観点から0以上2以下が好ましく、より好ましくは0または1である。
なお、m、mが0〜3の整数である場合、無置換部位は水素原子を表す。例えば、m=4かつRがすべて水素原子であることと、m=0であることは同義である。同様にm=4かつR10がすべて水素原子であることと、m=0であることは同義である。
式(1)は、下記式(3)または(4)で表される繰返し単位から選ばれる繰返し単位であることが好ましい。
Figure 2018049213
式(3)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、アルキル基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
Figure 2018049213
式(4)中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基を表す。R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、アルキル基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
、mは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。m、mは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
Arは、Arと同義である。
〜Rのハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基が挙げられ、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましくはフルオロ基である。
〜Rがアルキル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、
より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは1である。上記の範囲であれば、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましい。
〜Rのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されているアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられ、好ましくはフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であり、より好ましくはトリフルオロメチル基である。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキソキシ基等が挙げられる。上記の置換基であれば、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましい。
式(1)で表される2価フェノール残基を誘導する2価フェノール化合物の具体例として以下に表す。
Figure 2018049213
これらの中でも、電気特性の観点から以下の化合物がより好ましい。
Figure 2018049213
さらに、耐摩耗性の観点から以下に示す構造が特に好ましい。
Figure 2018049213
式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。Xは、単結合、―CR−、O、CO、又はSを表す。またR、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。また、RとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
、Rのハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基が挙げられ、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましくはフルオロ基である。
、Rの炭化水素基に特に制限はないが、その具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基である。炭化水素基の炭素数に特に制限はないが通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、一層好ましくは8
以下、特に好ましくは6以下である。アルキル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは1である。アルケニル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは2である。アルキニル基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常1以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、一層好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは2である。アリール基の場合、その炭素数に特に制限はないが、通常6以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下、一層好ましくは10以下、特に好ましくは8以下、最も好ましくは6である。上記の範囲であれば、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましい。
、Rのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されているアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられ、好ましくはフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であり、より好ましくはトリフルオロメチル基である。アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基が挙げられ、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されているアリール基としては、ハロゲン化フェニル基が挙げられ、好ましくはフルオロフェニル基である。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキソキシ基等が挙げられる。上記の置換基であれば、製造上の簡便性、耐摩耗性の観点から好ましい。
、Rが水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかの場合、R、Rは、R、Rと同義である。RとRが互いに結合して環を形成している場合、その炭素数に特に制限はないが、通常5以上、好ましくは6以上、一方通常20以下、好ましくは16以下、より好ましく12以下、更に好ましくは10以下であり、より更に好ましくは8以下である。RとRが互いに結合して環を形成している場合の具体例としては、シクロアルキリデン基が挙げられ、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロへプチリデン基が好ましい。これらの置換基に更に前記炭化水素基が置換されている場合も好ましく、その具体例としては、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン基が好ましい。
、mは、耐摩耗性の観点から0以上2以下が好ましく、より好ましくは0または1である。
なお、m、mが0〜3の整数である場合、無置換部位は水素原子を表す。例えば、m=4かつRがすべて水素原子であることと、m=0であることは同義である。同様にm=4かつRがすべて水素原子であることと、m=0であることは同義である。
前記式(2)で表される繰返し単位は、電気特性および耐摩耗性の観点から下記式(6)で表される繰返し単位であることが好ましい。
Figure 2018049213
式(2)で表される2価フェノール残基の元となる2価フェノールとして具体的に例表すると、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4´−ビフェノール、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビフェノール、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。この中でも、二価フェノール成分の製造の簡便性及び溶解性、電気特性を考慮すれば、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4´−ビフェノール、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビフェノール、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルが好ましい。さらに機械物性を考慮すれば、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、4,4´−ビフェノール、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンがより好ましい。
本発明中のポリカーボネート樹脂は、式(1)で表される繰返し単位及び下記式(2)で表される繰返し単位以外の繰返し単位を有してもよく、式(1)で表される繰返し単位及び下記式(2)で表される繰返し単位以外の繰返し構造の元となる2価ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル1,3−プロパンジオール、2−メチルー1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、パーフルオロアルキル含有ジオール、ポリシロキサン含有ジオール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、レソルシノール、カテコール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒ
ドロキシナフタレン、4−ヒドロキシ安息香酸4−ヒドロキシフェニル、1,4−ビス(4−ヒドロキシ安息香酸)フェニル、4,4´−ビス(4−ヒドロキシ安息香酸)ビフェニル、4,4´−ビス(4−ヒドロキシ安息香酸)−3,3´,5,5´−テトラメチル−ビフェニル等が挙げられる。
前記ポリカーボネート樹脂において、前記式(1)で表される繰返し単位および前記式(2)で表される繰返し単位の合計に対する、前記式(1)で表される繰返し単位の割合に特に制限はないが、通常1mol%以上、好ましくは3mol%以上、より好ましくは5mol%以上、更に好ましくは10mol%以上であり、一方、通常50mol%以下、好ましくは47mol%以下、より好ましくは45mol%以下である。上記範囲とすることで、良好な溶解性および塗布液安定性が得られ、且つ、高い耐摩耗性が得られる。
上記モル比率は、ポリカーボネート樹脂のH−NMRスペクトルにより算出することができる。
ポリカーボネート樹脂中の式(1)で表される繰返し単位の含有量に特に制限はないが、通常1mol%以上、好ましくは3mol%以上、より好ましくは5mol%以上であり、一方、通常50mol%以下、好ましくは45mol%以下である。また、ポリカーボネート樹脂中の式(2)で表される繰返し単位の含有量に特に制限はないが、50mol%以上が好ましく、55mol%以上がより好ましい。一方、99mol%以下が好ましく、97mol%以下がより好ましく、95mol%以下がさらに好ましい。上記範囲の含有量とすることで、溶解性および電気特性が良好となる。
上記モル比率は、ポリカーボネート樹脂のH−NMRスペクトルにより算出することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂の共重合構成は、ランダム共重合体、交互共重合体、一部がブロック構造である共重合のいずれでもよい。溶解性や塗布液安定性の観点から、一部がブロック構造である共重合体が好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、通常、10,000以上、機械的強度の観点から、好ましくは25,000以上である。また、通常、200,000以下、塗布性の観点から、好ましくは、150,000以下である。
前記ポリカーボネート樹脂の末端に存在するクロロホーメート基量は、通常0.1μ当量/g以下、好ましくは0.05μ当量/g以下である。末端クロロホーメート基量が上記範囲内であれば、塗布液安定性が良好となる。
前記ポリカーボネート樹脂の末端に存在するOH基量は、通常50μ当量/g以下、好ましくは30μ当量/g以下である。末端OH基量が上記範囲とすることで、電気特性が良好な電子写真感光体が得られる。
前記ポリカーボネート樹脂に含まれる全窒素量(T−N量)は、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下であることがさらに好ましく、300ppm以下であることが特に好ましい。全窒素量が上記範囲内であれば、繰返し使用時の電気特性に優れた電子写真感光体が得られる。
前記樹脂に含有される遊離の2価フェノールについては、その量は特に限定されないが、100ppm以下が好ましい、50ppm以下が更に好ましい。一方、0.001ppm以上であることが好ましく、0.01ppm以上であることが特に好ましい。上記範囲
内とすることで、良好な電気特性が得られ、また、経時安定性に優れる。
本実施の形態が適用される電子写真感光体における感光層には、前記ポリカーボネート樹脂と他の樹脂とを混合して用いることも可能である。ここで混合される他の構造を有する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体及びその共重合体;ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂及び種々の熱硬化性樹脂等及びこれらの共重合体が挙げられる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂とシリコーン樹脂の共重合体及びポリエステル樹脂とシリコーン樹脂の共重合体が好ましい。また、混合される他の構造を有する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、通常、前記ポリカーボネート樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましく、具体的には前記ポリカーボネート樹脂に対する他の構造を有する樹脂の含有量は、通常50質量部以下、耐摩耗性の観点から、30質量部以下が好ましい。
前記他の構造を有する樹脂の好適な構造の具体例を以下に表す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなるバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
Figure 2018049213
≪ポリカーボネート樹脂の製造方法≫
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体に使用するポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。電子写真感光体用ポリカーボネートを製造する場合一般的には界面重合法で製造される。しかしながら、本発明中のポリカーボネート樹脂を製造する場合、エステル結合を有する2価フェノールを原料に使用するため、界面重合法では、アルカリ塩となった該2価フェノールが水層に溶解した際に、水酸化物イオン等の求核剤により速やかに加水分解され、重合が進行しない。そのため、本発明中のポリカーボネート樹脂の製造方法は、製造工程に少なくとも溶液重合を含むことが好ましい。溶液重合は非水系の溶剤中でカーボネート結合を形成できるため、モノマーに含まれるエステル結合を加水分解することなくポリカーボネート樹脂を製造することができる。以下にポリカーボネート樹脂の製造法の一例を説明する。
<溶液重合工程>
溶液重合工程は、例えば、2価フェノール化合物及びホスゲンまたは末端にクロロホーメート基を有するポリカーボネートオリゴマーの存在下、トリエチルアミン等の塩基を添加することでカーボネート結合を形成し、樹脂鎖を伸長することができる。溶液重合工程のみにより、ポリカーボネート樹脂を製造してもよいし、溶液重合工程によりオリゴマーを製造し、その後界面重合等によりポリカーボネート樹脂を製造してもよい。
オリゴマーは、公知の技術により製造することが可能であり、例えば特開2010−43201号の実施例1に記載の方法、特開2011−26575号の製造例1に記載の方法等が挙げられる。
溶液重合法で用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジエチルイソプロピルアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルジエチルアミン、1,4-ジアザビシク
ロ[2,2,2]オクタン等の3級アミンや、ピリジン、4-メチルピリジン等のピリジン
類及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]‐7‐ウンデセン等の有機塩基が挙げられる
。また、フォスファゼン塩基、無機塩基等カーボネート化反応に使用されるような塩基ならば特に制限されない。これらの塩基の中で、カーボネート反応の反応性及び入手の簡便性の観点からトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、ピリジンが好ましく、クロロホーメート基の分解抑制や洗浄における除去の容易さの観点からトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンが特に好ましい。塩基の使用量としては、反応系中に含まれる水酸基量の1.0倍当量〜2倍当量の範囲が好ましい。上記の範囲とすることで、速やかに反応が進行し、かつ、カーボネート結合やエステル結合の分解を抑制することができる。
溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素化合物、トルエン、アニソール、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素化合物、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン等のエーテル化合物、酢酸エチル、安息香酸メチル、酢酸ベンジル等のエステル化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、等が挙げられる。また、ピリジンを塩基かつ溶媒として使用してもよい。これらの中で、モノマーや生成するオリゴマーの溶解性及びエステル化反応の反応性の観点から、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンが好ましい。さらに洗浄効率及び電気特性の観点からジクロロメタンが特に好ましい。
重合温度は−10℃〜40℃の範囲、重合時間は0.5時間〜10時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。
また、前記式(1)で表される繰返し構造単位の元となる2価フェノールは溶媒に対する溶解性が悪い場合があり、ホスゲンと反応した際に析出し、反応溶液の白濁、高分子量化の阻害となる場合がある。そのため、本2価フェノールと前記式(2)で表される繰返し構造の元となる2価フェノールを一緒にホスゲンと反応させる、あるいは式(2)の元となる2価フェノールからなるオリゴマーに対し、式(1)の元となる2価フェノールを反応させることが好ましい。
<界面重合工程>
本発明のポリカーボネート樹脂を製造する際に界面重合工程を含んでいてもよい。界面重合工程は溶液重合工程で製造したオリゴマーを使い、その後ポリカーボネート樹脂を製造する際に使用することが好ましい。
界面重合工程は、例えば、アルカリ水溶液と、前記溶液重合で得られるオリゴマーを溶解したハロゲン化炭化水素又は芳香族炭化水素の溶液とを混合する。この際、触媒として、3級アミン、4級アンモニウム塩もしくは4級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重合温度は0℃〜40℃の範囲、重合時間は0.5時間〜20時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了後、水相と有機相とを分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂が得られる。
界面重合による製造の際、必要によっては、アルカリ水溶液にオリゴマー以外の別途2価フェノールを添加することも可能である。
界面重合法で用いられるアルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができる。アルカリ成分の使用量としては、反応系中に含まれるクロロホーメート基の1.01倍当量〜3倍当量の範囲が好ましい。
反応有機溶媒として、ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。
触媒として用いられる3級アミンとして、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジエチルイソプロピルアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルジエチルアミン、1,4-ジアザビシ
クロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。反応性および、高分子量の樹脂が得られることからトリエチルアミンが好ましい。
触媒として用いられる4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩としては、例えば、トリブチルアミンやトリオクチルアミン等の3級アルキルアミンの塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩;ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピコリニウムクロリド等が挙げられる。
<ポリカーボネート樹脂製造の共通事項>
ポリカーボネート樹脂を製造する際には、分子量調節剤を使用することができる。分子
量調節剤としては、例えば、フェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体等のアルキルフェノール類;o,m,p−フェニルフェノール等の1官能性のフェノール;酢酸クロリド、酪酸クロリド、オクチル酸クロリド、塩化ベンゾイル、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルフィニルクロリド、スルフィニルクロリド、ベンゼンホスホニルクロリドやそれらの置換体等の1官能性酸ハロゲン化物等が挙げられる。また、メタノール、エタノール、プロパノール等の1官能脂肪族アルコールや、2−ヒドロキシエチルアクリレート
、4―ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート等のアクリル類を
有する1官能アルコール、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−1−n−オクタノール、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−デカノール等のパーフルオロアルキルを有する1官能アルコール、シロキサンを有する1官能アルコール等が挙げられる。これらの分子量調節剤の中でも、分子量調節能が高く、かつ溶液安定性の点で好ましいのは、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体である。特に好ましくは、p−(tert−ブチル)フェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノールである。
また、2価フェノールを酸化させないために、重合反応中や洗浄液中に酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト(次亜硫酸ナトリウム)、二酸化硫黄、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、酸化防止の効果及び環境負荷の低減からもハイドロサルファイトが特に好ましい。酸化防止剤の使用量としては、全2価フェノールに対して、0.01質量%以上、10.0質量%以下が好ましい。さらに好ましくは0.1質量%以上、5質量%以下である。
ポリカーボネート樹脂の重合後の洗浄方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意の方法を用いることができるが、例えば、ポリカーボネート樹脂の溶液を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液;塩酸、硝酸、リン酸等の酸水溶液;水等で洗浄した後、静置分離、遠心分離等により分液する方法が挙げられる。また、ポリカーボネート樹脂溶液を吸着カラム等に流通させる方法等により精製してもよい。
洗浄後のポリカーボネート樹脂溶液は、ポリカーボネート樹脂が不溶の水、アルコールその他有機溶媒中に析出させるか、ポリカーボネート樹脂の溶液を温水又はポリカーボネート樹脂が不溶の分散媒中で溶媒を留去するか、加熱、減圧等により溶媒を留去することにより取り出してもよいし、スラリー状で取り出した場合は遠心分離器、濾過器とうにより固体を取り出すこともできる。
ポリカーボネート樹脂の乾燥は、通常ポリエステル樹脂の分解温度以下の温度で乾燥するが、好ましくは20℃以上、ポリエステル樹脂の溶融温度以下で乾燥することができる。このとき減圧下で乾燥することが好ましい。乾燥時間は残存溶媒等の不純物の純度が一定以下になるまでの時間以上行うことが好ましく、具体的には、残存溶媒が通常1000ppm以下、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下になる時間以上乾燥する。
≪電子写真感光体≫
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、導電性支持体上に設けた感光層を有し、感光層が、前記ポリカーボネート樹脂を含有するものである。感光層の具体的な構成としては、例えば、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物
質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層とを積層した積層型感光体;導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を有する分散型(単層型)感光体等が挙げられる。前記ポリカーボネート樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光体の電荷輸送層に用いられる。
<導電性支持体>
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、及び樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。下引き層には、公知の酸化防止剤等、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いてもよい。その膜厚は、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の点から、その平均一次粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、特に10nm以上50nm以下が好ましい。この平均一次粒径は、TEM写真等から得ることができる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を表すことから好ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
<感光層>
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
[電荷発生層−積層型]
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生物質として無金属フタロシアニン化合物、金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザー光、例えば780nm近辺の波長を有するレーザー光に対して高感度の感光体が得られ、またモノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザー光、もしくは比較的短波長のレーザー光、例えば450nm、400nm近辺の波長を有するレーザーに対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が
好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類等が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを表すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜に最も強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。これらの中でも、D型(Y型)チタニルフタロシアニンが良好な感度を表すため好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらのバインダ樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いてもよい。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲である。
[電荷輸送層−積層型]
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。電荷輸送層は、単一の層から成ってもよいし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでもよい。その膜厚は、通常、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜45μmである。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は単独で用いてもよいし、いくつかを混合してもよい。電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に表す。
Figure 2018049213
Figure 2018049213
Figure 2018049213
上記の電荷輸送物質のうち、好ましくは、HTM6、HTM10、HTM25、HTM26、HTM29、HTM31、HTM32、HTM33、HTM34、HTM35、HTM37、HTM39、HTM40、HTM41、HTM42、HTM43及びHTM44からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、HTM6、HTM26、HTM29、HTM34、HTM39、HTM40、HTM41、HTM42、HTM43及びHTM44からなる群から選ばれる少なくとも1種である。上記の電荷輸送物質であれば、本発明のポリエステル樹脂を用いた場合においても良好な電気特性を得られるため好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂は、電荷輸送層のバインダー樹脂として用いられることが好ましい。前記バインダー樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂とその他の構造を有する樹脂を混合してもよく、他の樹脂としては、前記感光層において混合される他の構造を有する樹脂に記載したものが挙げられる。
前記ポリカーボネート樹脂と電荷輸送物質との割合は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を30質量部以上の比率で使用する。電気特性の観点から、好ましくは40質量部以上である。耐摩耗性の観点から、200質量部以下、好ましくは150質量部以下である。
バインダー樹脂全体と電荷輸送物質との割合としては、通常同一層中のバインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を10質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から20質量部以上が好ましく、繰返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から30質量部以上がより好ましい。一方、通常電荷輸送物質を150質量部以下、感光層の熱安定性の観点から120質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送物質とバインダー樹脂との相溶性の観点から100質量部以下が好ましく、耐摩耗性の観点から80質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70質量部以下が特に好ましい。
尚、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上さ
せるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、染料、顔料、レベリング剤等の添加剤を含有させてもよい。可塑剤の例としては、炭化水素化合物、エステル化合物、エーテル化合物、チオエーテル化合物等が挙げられる。電気特性の観点から、炭化水素化合物、エステル化合物、エーテル化合物が好ましく、炭化水素化合物、エーテル化合物がより好ましい。可塑剤は、バインダー樹脂へ相溶性の観点から、芳香族基を有することが好ましい。
可塑剤の分子量は、150以上が好ましく、170以上がより好ましく、200以上がさらに好ましく、一方、400以下が好ましく、380以下がより好ましく、350以下がさらに好ましい。上記範囲内の分子量とすることで、成膜/乾燥時における昇華を抑えつつ、バインダー樹脂と馴染むことにより耐クラック性や耐ガス性を向上させることが可能となる。
これらの可塑剤は単独で用いてもよいし、いくつかを混合してもよい。可塑剤の好適な構造の具体例を以下に表す。
Figure 2018049213
これらの可塑剤の中でも、好ましくはAD−2、AD−4、AD−5、AD−6、AD−8、AD−10、AD−11、AD−13であり、より好ましくは、AD−2、AD−6、AD−8、AD−10、AD−11、AD−13である。上記の可塑剤であれば、電気特性を悪化させることなく、耐ガス性や耐クラック性を向上させることができる。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、トリアルキルアミン、ジアルキルアリールアミン等が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、トリアルキルアミン、ジアルキルアリールアミン、チオエーテル化合物等が挙げられる。電気特性の観点からヒンダードフェノール化合物、トリアルキルアミンが好ましい。
これらの酸化防止剤は単独で用いてもよいし、いくつかを混合してもよい。酸化防止剤の好適な構造の具体例を以下に表す。
Figure 2018049213
これらの酸化防止剤の中でも、好ましくはAO−1、AO−2、AO−3、AO−6、AO−7、AO−8であり、より好ましくは、AO−1、AO−2、AO−3、AO−7である。上記の酸化防止剤であれば、繰返し使用時においても電気特性を悪化させることなく、酸化防止機能を保持することができる。
染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられる。
電荷輸送層には、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、アルミナ、シリカ等の無機粒子、フッ素樹脂粒子、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋(メタ)アクリレート粒子等の有機粒子等を含有させてもよい。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質及びバインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られな
い一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下等の弊害があることから、単層型感光層全体に対して通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常50質量%以下、好ましくは20質量%以下の範囲で使用される。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。この場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコ−ンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていてもよい。
<その他の機能層>
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させてもよい。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成してもよい。さらに必要に応じて、バリアー層、接着層、ブロッキング層等の中間層、透明絶縁層等、電気特性、機械特性の改良のための層を有していてもよい。
<各層の形成方法>
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。これらの溶剤の中で、環境配慮の観点から非ハロゲン系溶剤が好ましく、溶解性の観点から、トルエン、キシレン、アニソール、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンが特に好ましい。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。
溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通
常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
また、積層型感光体の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、通常0.01cps以上、好ましくは0.1cps以上、また、通常20cps以下、好ましくは10cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なってもよい。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を表す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に表すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下に、本発明の具体的態様を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
[オリゴマーの製造]
<製造例1> オリゴマー溶液1の調製
窒素雰囲気下、攪拌しながら溶解槽に、脱塩水(27.75kg)、25質量%水酸化ナトリウム水溶液(3.58kg)、ハイドロサルファイトナトリウム(2.26g)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(2.0kg)を加え、均一に溶解させた(以後アルカリ溶液と呼ぶ)。段差をつけた3つの反応槽(1.8L、1.8L、4.5Lの内容積を持つ各反応槽)を備えた連続流れ撹拌槽反応容器(CSTR反応
容器、continuous-flow stirred tank reactor)に、以下の条件となるように連続添加し、所定時間反応を行った。反応後の液体を静置し、有機相と水相とに分離させ、有機相であるオリゴマー溶液1を得た。
第1反応槽(内部温度35℃)
・上記アルカリ水溶液(8835ml/時)
・ジクロロメタン(2276mL/時)
・ガス状ホスゲン(6.4g/分)
第2反応槽(内部温度30℃)
・16質量%p−tert−ブチルフェノールのジクロロメタン溶液(17.3ml/時)
上記オリゴマー溶液1の分析値は以下の通りである。
・オリゴマー濃度(蒸発乾固させて測定):22.5質量%
・末端クロロホルメート基濃度(オリゴマー溶液をジクロロメタンで希釈した後、アニリンと純水を添加し、フェノールフタレインを指示薬として、0.2規定水酸化ナトリウム水溶液で滴定し測定した):0.44規定
・末端フェノール性水酸基濃度(オリゴマー溶液をジクロロメタンで希釈した後、四塩化チタン、酢酸溶液を加え発色させ、分光光度計を用い、546nmの波長で吸光度を測定した):0.01規定以下
製造例2(ポリカーボネート樹脂(1)の製造)
窒素置換した500mL4つ口反応容器に製造例1で製造したオリゴマー溶液1(302.57g)、4―ヒドロキシ安息香酸4―ヒドロキシフェニル(9.66g)およびジクロロメタン(100ml)を秤取り、攪拌させた。続いて、トリエチルアミン(8.49g)とジクロロメタン(50mL)との混合溶液を5〜15℃へ冷却した反応容器内へ20分かけて滴下した。30分撹拌を続けた後、ジクロロメタン(80ml)で希釈し、続いて0.2規定塩酸水溶液(380mL)にて酸洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(380mL)にて洗浄を行った。
別途、水酸化ナトリウム(3.54g)を脱塩水(380ml)に溶解させたアルカリ水溶液を2000mL反応容器に移送し、トリエチルアミン(0.15g)を添加した。反応容器の外温を14℃に保持し、攪拌しているところへ、上記ジクロロメタン溶液を添加した。1時間撹拌を行った後、ジクロロメタン(190mL)で希釈を実施し、その後2時間撹拌を続け、ジクロロメタン(150mL)で再度希釈を行った。撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(680mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(680mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層にジクロロメタン(650ml)を加えて希釈し、メタノール(8000ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリカーボネート樹脂(1)を得た。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は54,300であった。
Figure 2018049213
[粘度平均分子量(Mv)の測定]
ポリエステル樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量(Mv)を算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
<感光体シートの作製>
[実施例1]
10質量部のオキシチタニウムフタロシアニンと、150質量部の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。尚、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを表す。
この顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名デンカブチラール♯6000C)の5質量%1,2−ジメトキシエタン溶液を50質量部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHH)の5質量%1,2−ジメトキシエタン溶液を50質量部混合し、更に、1,2−ジメトキシエタンを加え、固形分濃度4.0%の電荷発生層形成用塗布液を調製した。この電荷発生層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が0.4μmになるように塗布、乾燥して電荷発生層を設けた。
次に、電荷輸送物質として、下記に表す構造を主成分とする、幾何異性体の化合物群からなる、特開2002−080432号公報の実施例1に記載の方法で製造した混合物(HTM39)を50質量部、製造例2で製造したポリカーボネート樹脂(1)を100質量部、酸化防止剤(AO−2、商品名イルガノックス1076)8質量部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05質量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640質量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2018049213
この電荷輸送層形成用塗布液を上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、125℃で20分間乾燥して電荷輸送層を形成して、感光体シートを作製した。
[比較例1]
ポリカーボネート樹脂(1)を下記に示すポリカーボネート樹脂(2)(粘度平均分子量40,000)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
Figure 2018049213
[比較例2]
ポリカーボネート樹脂(1)を下記に示すポリカーボネート樹脂(3)(粘度平均分子量52,000)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
Figure 2018049213
[電気特性評価]
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700
Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、露光光を2.4μJ/cm照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。また、表面電位が初期表面電位の半分(−350V)となる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー:μJ/cm2)を感度(E1/2)として
測定した。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示し、E1/2の値が小さいほど高感度であることを表す。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下(N/N)で行った。結果を表−1に表す。
[摩耗試験]
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、25℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重500gで1000回回転後の摩耗量を試験前後の質量を比較することにより測定した。値が小さい方が耐摩耗性に優れる。結果を表−1に表す。
Figure 2018049213
<電子写真感光体の作成>
<下引き層形成用塗布液の製造>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合してなる原料スラリー1kgを、直径約100μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量10kg/時間の液循環状態で1時間分散処理し、酸化チタン分散液を作製した。
前記酸化チタン分散液と、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、前記感光体シート作成時の下引き層用分散液作製時に使用した同様のポリアミド樹脂のペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が3/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が18.0質量%の下引き層形成用塗布液を作製した。
<電荷発生層形成用塗布液の製造>
電荷発生物質として、図2のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシ
チタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られた結着液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Aを調製した。
電荷発生物質として、図3のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで4時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られた結着液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Bを調製した。
電荷発生層形成用塗布液Aと電荷発生層形成用塗布液Bを55:45の質量比で混合し、本実施例で用いる電荷発生層形成用塗布液を作製した。
<電荷輸送層形成用塗布液の製造>
[塗布液C1]
製造例2で製造したポリカーボネート樹脂(1)97.5部、下記に示す繰返し構造、及び末端構造を有するポリアリレート樹脂(PA−1)2.5部(粘度平均分子量35,000、ポリマー中のポリシロキサン構造の含有量12.5質量%)、下記HTM34で表される電荷輸送物質を40部、添加剤AD−13を10部、酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノールを2部、トリベンジルアミンを1部、ジメチルポリシロキサン(信越化学社製KF96−10CS)0.05部をテトラヒドロフラン/トルエン(8/2(質量比))混合溶媒650部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液C1を調製した。
Figure 2018049213
[塗布液C2]
前記塗布液においてポリエステル樹脂(1)を下記に示す構造を有するポリカーボネート樹脂(4)に変更した以外は塗布液C1と同様にして塗布液C2を作成した。
Figure 2018049213
<感光体ドラムの製造>
表面が切削加工された外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーに、塗布液の製造例で作製した下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.5μm、0.4μm、36μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを製造した。なお、電荷輸送層の乾燥は、125℃で24分間行なった。
<画像試験>
得られた感光体を、Samsung社製モノクロプリンタ M4580(非磁性1成分非接触現像)の感光体カートリッジに搭載して、気温25℃、相対湿度50%下において、印字率5%で、400,000枚の連続印刷を行った。耐刷後の電荷輸送層の膜厚を測定し、耐刷前後の電荷輸送層の膜厚比較することにより膜減り量を確認し、耐刷性を評価した。値が小さい方が耐摩耗性に優れる。
[実施例2、比較例3]
表-2に示す感光体ドラムを作製し、耐刷性、及び電子写真感光体の評価を行った。結
果を表-2に示す。
Figure 2018049213
以上から、本発明の特定のポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体は、電気特性に優れるだけでなく、耐摩耗性に非常に優れることを明らかとした。
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層は、下記式(1)で表される繰返し単位及び下記式(2)で表される繰返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2018049213
    (式(1)中、Ar、Arは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Zは、芳香族基を有する2価の基であり、sは0又は1の整数である。)
    Figure 2018049213
    (式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。Xは、単結合、―CR−、O、CO、又はSを表す。またR、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、炭化水素基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。また、RとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
  2. 前記ポリカーボネート樹脂において、前記式(1)で表される繰返し単位および前記式(2)で表される繰返し単位の合計に対する、前記式(1)で表される繰返し単位の割合が、1mol%以上50mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(1)で表される繰返し単位が、下記式(3)で表される繰返し単位または(4)で表される繰返し単位であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    Figure 2018049213
    式(3)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、アルキル基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
    Figure 2018049213
    式(4)中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基を表す。R、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、アルキル基およびアルコキシ基は、一部又は全部の水素原子がハロゲン基で置換されていてもよい。m、mは、それぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
  5. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対する露光により静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、前記被転写体に転写された前記トナーを定着させる定着手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
  6. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  7. 請求項6に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法であって、製造工程に溶液重合を含むことを特徴とする製造方法。
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