以下の実施の形態では、消耗品管理装置の管理対象となる消耗品を搭載した機器がMFPである場合について説明する。消耗品管理装置の管理対象となる消耗品を搭載した機器は、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどのMFP以外の画像形成装置であってもよいし、画像形成装置以外の機器であってもよい。また以下の実施の形態では、消耗品管理装置がPC(Personal Computer)である場合について説明する。消耗品管理装置は、画像形成装置、画像処理装置、またはスマートフォンなどのPC以外のものであってもよい。
[第1の実施の形態]
(消耗品管理システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態における消耗品管理システムの概念的な構成を示す図である。
図1を参照して、消耗品管理システムは、MFP100−1および100−2(以降、消耗品管理システムを構成するMFPを纏めてMFP100と記すことがある)と、管理サーバー200(消耗品管理装置の一例)と、PC300とを備えている。MFP100の各々と、管理サーバー200と、PC300とは、ネットワーク601を通じて相互に接続されており、相互に通信を行う。
ネットワーク601は、たとえば有線または無線のLAN(Local Area Network)などの専用回線を用いたものである。ネットワーク601は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコルを用いて各種機器を接続する。ネットワーク601に接続された機器は、お互いに各種データのやり取りが可能となっている。なお、消耗品管理システムは、ネットワーク601に接続された上述以外の機器を備えていてもよい。
なお、第1〜第3の実施の形態では、MFP100がいずれもモノクロの画像形成装置(モノクロ画像を印刷可能であり、カラー画像を印刷不可能であるモノクロ画像形成装置)であり、消耗品管理システムの管理対象となる消耗品がブラックのトナー(ブラックのトナーボトル106a)である場合について説明する。消耗品管理システムの管理対象となる消耗品は、たとえば現像装置、感光体、またはクリーニング装置などのトナー以外の画像形成装置に搭載された消耗品であってもよい。また消耗品管理システムの管理対象となる消耗品は、画像形成装置以外の機器に搭載された消耗品であってもよい。
また、本願の図面では、MFP100−1、100−2、および100−3の各々をそれぞれ「MFP_A」、「MFP_B」、および「MFP_C」と記すことがある。
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、記憶装置104と、ネットワークインターフェース105と、プリント処理部106と、画像処理部107と、操作パネル108と、スキャナー部109と、ユーザー認証部110と、センサー111などを含んでいる。CPU101には、ROM102、RAM103、記憶装置104、ネットワークインターフェース105、プリント処理部106、画像処理部107、操作パネル108、スキャナー部109、ユーザー認証部110、およびセンサー111の各々が接続されている。
CPU101は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、MFP100全体の制御を行う。またCPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムを実行する。
ROM102は、たとえばフラッシュROMである。ROM102には、CPU101が実行する各種プログラムと、各種固定データとが格納されている。ROM102は、書換え不可能なものであってもよい。
RAM103は、CPU101のメインメモリである。RAM103は、CPU101が各種プログラムを実行するときに必要なデータや画像データを一時的に記憶するためなどに用いられる。
記憶装置104は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)よりなっており、消耗品管理アプリケーション121などの各種情報を記憶している。
ネットワークインターフェース105は、CPU101からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、ネットワーク601に接続された他の機器との通信を行う。
プリント処理部106は、画像処理部107にて処理された画像データに基づいて用紙などへ画像を形成するプリント処理を行う。プリント処理部106は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。プリント処理部106は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、現像装置にトナーを供給するトナーボトル106aと、トナー像を現像する現像装置と、トナー像が形成される感光体と、感光体から用紙に画像を転写する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを有する。定着装置は、加熱ローラーと加圧ローラーとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラー、搬送ローラー、およびそれらを駆動するモーターなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、MFP100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP100の筐体から排紙トレイなどに排出する。
画像処理部107は、印刷データに対するRIP(Raster image processing)処理や、データを外部へ送信する際にそのデータの形式を変換する変換処理などを行う。
操作パネル108は、タッチパネルディスプレイなどからなる表示部と、ハードウェアキーおよびタッチパネルディスプレイに表示されたソフトウェアキーなどからなる入力部とを含んでいる。操作パネル108は、各種入力をユーザーから受け付け、各種設定項目やメッセージなどをユーザーに対して表示する。
スキャナー部109は、原稿画像の読み取りを行う。
ユーザー認証部110は、PC300や操作パネル108から入力されたユーザーIDおよびパスワードなどに基づいて、ユーザーを認証し、認証したユーザーに自機の使用を許可する。
センサー111は、消耗品の残量や使用期限(消耗品に関する第1の期限の一例)などの情報を読み取る。
図3は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバー200のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3を参照して、管理サーバー200は、消耗品の使用状況を管理し、MFP100の各々に搭載された消耗品を使用期限内に使い切れるように(使用完了するように)、MFP100の各々を制御する。管理サーバー200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、記憶装置204と、ネットワークインターフェース205と、操作部206と、表示部207などを含んでいる。CPU201には、ROM202、RAM203、記憶装置204、ネットワークインターフェース205、操作部206、および表示部207の各々が接続されている。
CPU201は、管理サーバー200全体の制御を行う。またCPU201は、ROM202に記憶された制御プログラムを実行する。
ROM202は、たとえばフラッシュROMである。ROM202には、CPU201が実行する各種プログラムと、各種固定データとが格納されている。ROM202は、書換え不可能なものであってもよい。
RAM203は、CPU201のメインメモリである。RAM203は、CPU201が制御プログラムを実行するときに必要なデータなどを一時的に記憶するためなどに用いられる。
記憶装置204は、たとえばHDDなどの補助記憶装置であり、消耗品管理アプリケーション221や、後述する消耗品テーブル222や、後述する接続機器テーブル223などの各種データを記憶する。
ネットワークインターフェース205は、CPU201からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによってネットワーク601に接続された他の機器との通信を行う。
操作部206は、ユーザーから各種指示を受け付ける。
表示部207は、各種情報を表示する。
なお、PC300の構成は、消耗品管理アプリケーション221、消耗品テーブル222、および接続機器テーブル223を記憶していない点以外、管理サーバー200の構成とほぼ同様であるため、その説明は繰り返さない。
図4は、本発明の第1の実施の形態における消耗品テーブル222を模式的に示す図である。
図4を参照して、消耗品テーブル222は、各機器に搭載された消耗品の情報が記載されたテーブルである。消耗品テーブル222に登録された消耗品の情報は、消耗品の搭載先と、消耗品の使用期限と、消耗品の過去4週間の1週間当たりの消費量と、使用完了時期予測と、使用完了可否予測などを含んでいる。使用完了時期予測とは、予測される使用完了時期である。使用完了可否予測とは、使用期限までに消耗品が使用完了するか否かの予測である。
具体的には、図4の消耗品テーブル222は、MFP100−1および100−2の各々のトナーの情報を含んでいる。MFP100−1のトナーの残量は100gであり、使用期限は12週間後であることが分かる。また、MFP100−1のトナーの4週間前の1週間当たりの消費量は4gであり、3週間前の1週間辺りの消費量は4gであり、2週間前の1週間当たりの消費量は6gであり、3週間前の1週間辺りの消費量は5gであることが分かる。さらに、MFP100−1のトナーの予測される使用完了時期は25週間後であり、MFP100−1のトナーは使用期限までに使用完了しないと予測されることが分かる。
なお、消耗品テーブル222に登録された消耗品の情報は、後述するように、消費量の予測値や目標消費量などをさらに含んでいてもよい。
図5は、本発明の第1の実施の形態における接続機器テーブル223を模式的に示す図である。
図5を参照して、接続機器テーブル223は、管理サーバー200に接続された機器の情報が記載されたテーブルである。接続機器テーブル223に登録された機器の情報は、IPアドレスなどの情報を含んでいる。管理サーバー200は、接続機器テーブル223に記載された機器の情報に基づいて、各機器との通信を行う。具体的には、図5の接続機器テーブル223では、MFP100−1のIPアドレスが、「192.168.1.6」であることが分かる。
(消耗品管理システムの概略的な動作)
続いて、消耗品管理システムの概略的な動作について説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP100および管理サーバー200の各々の機能的構成を示すブロック図である。図7は、本発明の第1の実施の形態における消耗品管理システムの概略的な動作の流れを示す図である。図6に示されるMFP100の機能は、消耗品管理アプリケーション121によって実現される。図6に示される管理サーバー200の機能は、消耗品管理アプリケーション221によって実現される。
図6および図7を参照して、MFP100は、使用期限取得部151と、使用期限送信部152と、消耗品消費量計測部153と、消耗品消費量記憶部154と、消耗品残量計測部155と、消耗品残量記憶部156と、消耗品消費量送信部157と、消耗品残量送信部158と、使用促進受信部159とを含んでいる。
管理サーバー200は、使用期限受信部251と、消耗品消費量受信部252と、消耗品残量受信部253と、使用完了時期予測部254と、使用完了判断部255と、促進処理部256と、使用促進通知部257とを含んでいる。
PC300は、使用促進受信部351を含んでいる。
図7に示す「1.利用期間」は、平時の状態である。「1.利用期間」では、消耗品の新たな設置または交換を検知した場合に、MFP100は、その消耗品の使用期限を記憶し、その使用期限を管理サーバー200に送信する。
また、「1.利用期間」では、ユーザーがMFP100を使用し、消耗品が消費されると、MFP100は消耗品の消費量および残量を計測し、それらを記憶する。MFP100は定期的に、記憶した消耗品の消費量(消費量の積算値)および残量(最新の残量)(使用情報の一例)を管理サーバー200へ送信する。
「1.利用期間」において、消耗品管理システムは次の動作を行う。
使用期限取得部151は、消耗品が自機に新たに装着された場合(自機の消耗品が交換された場合を含む)、消耗品の使用期限を取得する。使用期限取得部151は、消耗品に設けられたIC(Integrated Circuit)チップをセンサー111で読み取ることなどにより、消耗品の使用期限を取得する。
使用期限送信部152は、使用期限取得部151が取得した消耗品の使用期限を、ネットワーク601を介して管理サーバー200へ送信する。
使用期限受信部251は、MFP100から消耗品の使用期限を受信(取得)する。
消耗品消費量計測部153は、MFP100が消耗品を使用した場合、消耗品の消費量を計測する。消耗品消費量計測部153は、たとえばセンサー111などを用いて計測した消耗品の使用前後の残量に基づいて、消耗品の消費量を計測する。また消耗品消費量計測部153がトナーの消費量を計測するものである場合には、形成した画像に基づいてトナーの消費量を計測してもよい。
消耗品消費量記憶部154は、消耗品消費量計測部153にて計測した消耗品の消費量の積算値を記憶装置104に記憶する。
消耗品残量計測部155は、MFP100が消耗品を使用した場合、消耗品の残量を計測する。消耗品消費量計測部153は、たとえば消耗品の残量を計測するセンサー(図示無し)などの値に基づいて、消耗品の残量を計測する。また消耗品残量計測部155は、消耗品が自機に新たに装着された場合にも、消耗品の残量を計測する。消耗品がトナーである場合、通常トナーボトルに設けられたICチップには、使用期限および残量などが記録されており、消耗品残量計測部155はこのICチップを読み取ることで残量を計測してもよい。
消耗品残量記憶部156は、消耗品残量計測部155にて計測した消耗品の残量の最新値を記憶装置104に記憶する。
消耗品消費量送信部157および消耗品残量送信部158の各々は、必要な時間間隔をおいて、それぞれ消耗品の消費量および残量を、ネットワーク601を介して定期的に管理サーバー200へ送信する。
消耗品消費量受信部252および消耗品残量受信部253の各々は、それぞれ消耗品の消費量および残量を、MFP100から受信する。
「1.利用期間」において、MFP100から消耗品の消費量および残量を受信した場合、消耗品管理システムは、図7に示す「2.消耗品の使用完了時期を予測する」処理および「3.消耗品の使用促進の必要の有無の判断をする」処理を次のように行う。
消耗品の使用完了時期を予測する際、使用完了時期予測部254は、消耗品消費量受信部252で受信した消費量と、消耗品残量受信部253で受信した残量とに基づいて、消耗品の使用完了時期を予測する。使用完了時期予測部254は、消費量および残量を取得する度に、MFP100の各々に搭載された消耗品の使用完了時期を予測する。
消耗品の使用促進の必要の有無の判断をする際、管理サーバー200の使用完了判断部255は、使用完了時期予測部254で予測した使用完了時期と、使用期限受信部251で受信した使用期限とに基づいて、使用期限までに消耗品を使い切れるか否か(消耗品が使用完了するか否か)を判断する。
促進処理部256は、使用期限までに消耗品を使い切れないと使用完了判断部255にて判断した場合、消耗品の使用の促進方法を決定し、消耗品の使用を促進する。
使用促進通知部257は、「1.利用期間」における必要なタイミングで、促進処理部256にて決定した方法で、消耗品の使用促進が必要なMFP100に対して、使用促進のための動作の実行指示を送信する。また、使用促進通知部257は、消耗品の使用促進が必要なMFP100や、MFP100を使用可能なPC300に対して、消耗品の使用の促進が必要なことを通知する。
MFP100の使用促進受信部159およびPC300の使用促進受信部351の各々は、消耗品の使用の促進が必要なことの通知を管理サーバー200から受信すると、消耗品の使用を促進する必要のあるMFP100の使用を促す旨の表示を行う(使用促進手段を実施する)。またMFP100の使用促進受信部159は、使用促進のための動作の実行指示を使用促進通知部257から受信した場合に、実行指示に従って動作する。
「4.システム利用を継続する?」という判別処理では、消耗品管理システムの利用が継続されるか否かを判別する。消耗品管理システムの利用が継続する場合、消耗品管理システムは、再び「1.利用期間」の動作を行う。システム利用を継続しない場合(いずれかのMFP100が消耗品管理システムから切断された場合など)、消耗品管理システムは処理を終了する。
(消耗品管理システムの動作の詳細)
続いて、消耗品の管理システムの動作の詳細について説明する。
図8は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP100の動作を示すフローチャートである。
図8を参照して、MFP100のCPU101は、消耗品が自機に新たに装着されか否かを判別する(S101)。
ステップS101において、消耗品が自機に新たに装着されないと判別した場合(S101でNO)、CPU101はステップS107の処理へ進む。
ステップS101において、消耗品が自機に新たに装着されたと判別した場合(S101でYES)、CPU101は、新たに装着された消耗品の使用期限および残量を取得する(S103)。続いてCPU101は、残量を記憶し(S104)、使用期限を管理サーバー200に送信する(S105)。次にCPU101は、消耗品を消費したか否かを判別する(S107)。
ステップS107において、消耗品を消費したと判別した場合(S107でYES)、CPU101は、消費量および残量を計測し(S108)、計測した消費量および残量を記憶し(S109)、ステップS111の処理へ進む。
ステップS107において、消耗品を消費しないと判別した場合(S107でNO)、CPU101は、ステップS111の処理へ進む。
ステップS111において、CPU101は、期間PDが経過したか否かを判別する(S111)。
ステップS111において、期間PDが経過したと判別した場合(S111でYES)、CPU111は、消耗品の消費量および残量を管理サーバー200に通知するタイミングであると判断する。CPU101は、記憶した消費量および残量を管理サーバー200に送信し(S113)、ステップS101の処理へ進む。
ステップS111において、期間PDが経過しないと判別した場合(S111でNO)、CPU111はステップS101の処理へ進む。
図9および図10は、本発明の第1の実施の形態において、管理サーバー200が消耗品の使用促進の必要の有無の判断をする方法を説明する図である。なお、図9、図10、および図13では、消耗品テーブル222の一部のみが示されている。
図9を参照して、管理サーバー200は、期間PDの間隔で(ここでは1週間の間隔で)、MFP100−1および100−2の各々から消耗品の消費量および残量を取得すると、消耗品の使用完了時期を予測する。管理サーバー200は、消耗品テーブル222を参照し、消耗品の過去4週間の1週間当たりの消費量に基づいて、次週の消費量の予測値を算出する。そして管理サーバー200は、消耗品の残量と次週の消費量の予測値と基づいて、消耗品に使用完了時期を予測する。
具体的には、MFP100−1の消耗品の過去4週間の消費量は、1週間当たりそれぞれ「5g/週」、「4g/週」、「6g/週」、および「5g/週」であるので、次週の消費量の予測値は、これらの平均値である「5g/週」と算出される。また、MFP100−1の消耗品の残量は「100g」を、「5g」という次週の消費量の予測値で除することにより、使用完了時期は「20週間後」と予測される。同様の方法で、MFP100−2の消耗品の使用完了時期は「15週間後」と予測される。
なお、消耗品の交換直後であるなどの理由により、消耗品テーブル222に過去4週間分の消費量および残量が記録されていない場合は、消耗品テーブル222に記録されている消費量および残量のみを用いて次週の消費量の予測値が算出される。消耗品の交換直後であるなどの理由により、消耗品テーブル222に消耗品の消費量および残量が全く記録されていない場合には、消耗品の使用完了時期の予測は行われない。
図10を参照して、続いて管理サーバー200は、予測した使用完了時期と、消耗品の使用期限とに基づいて、消耗品の使用を促進するか否かを判断する。この判断は、消耗品が使用期限までに使いきれるか否かに基づいて行われる。
具体的には、MFP100−1の消耗品の場合、使用完了時期予測は「20週間後」であり、使用期限は「12週間後」である。管理サーバー200は、使用完了時期予測よりも使用期限の方が早いので、この消耗品は使用期限までに使いきれないと判断し、MFP100−1の消耗品の使用を促進すると判断する。管理サーバー200は、消耗品テーブル222の「使用完了可否予測」の欄に使用完了不可である旨を記入する。
一方、MFP100−2の消耗品の場合、使用完了時期予測は「15週間後」であり、使用期限は「24週間後」である。管理サーバー200は、使用期限よりも使用完了時期予測の方が早いので、この消耗品は使用期限までに使いきれると判断し、MFP100−2の消耗品の使用を促進しないと判断する。管理サーバー200は、消耗品テーブル222の「使用完了可否予測」の欄に使用完了可である旨を記入する。
以降、使用を促進すると判断した消耗品を搭載した機器を促進対象機器と記し、使用を促進しないと判断した消耗品を搭載した機器を非対象機器と記すことがある。
管理サーバー200は、消耗品の使用を促進すると判断した場合には、「1.利用期間」において、その消耗品の使用を促進する動作を行う。具体的には、管理サーバー200は、たとえば以下の図11および図12に示す方法で、促進対象機器であるMFP100−1を非対象機器であるMFP100−2よりも優先的に使用する。
図11は、本発明の第1の実施の形態において、MFP100−1の消耗品の使用を促進中である状態で、管理サーバー200がプリントジョブを受け付けた場合の消耗品管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図11を参照して、いずれかのMFP100のユーザーは、PC300を通じて、管理サーバー200に対してプリントジョブを送信する(処理PR1)。このプリントジョブには、出力先をMFP100−2とする指定が含まれていてもよい。
管理サーバー200は、PC300からプリントジョブを受信すると、プリントジョブの出力先となるMFP100の指定の有無に関わらず、プリントジョブの出力先となるMFPとして、促進対象機器であるMFP100−1を通知する(処理PR2)。
ユーザーは、MFP100−1を出力先とするかMFP100−2とするかを決定する。ユーザーは、出力先をMFP100−1に決定する場合は、通知を承認する操作を行い、出力先をMFP100−2に決定する場合には、通知を拒否する操作を行う。PC300は、決定した出力先(ここではMFP100−1)の情報を管理サーバー200に送信する(処理PR3)。
管理サーバー200は、決定した出力先の情報を受信すると、決定した出力先(ここではMFP100−1)に対してプリントジョブを送信する(処理PR4)。
MFP100−1は、プリントジョブを受信すると、そのプリントジョブを実行する(処理PR5)。MFP100−1は、プリントジョブの実行を完了した後に、プリントジョブの完了通知を管理サーバー200に送信する(処理PR6)。
管理サーバー200は、プリントジョブの完了通知をMFP100−1から受信すると、プリントジョブの送信元であるPC300にプリントジョブの完了通知を送信する(処理PR7)。
管理サーバー200は、複数のMFP100に対して分散してプリントジョブ実行する際に、促進対象機器であるMFP100の使用比率を向上させることで、消耗品の使用を促進してもよい。
図12は、本発明の第1の実施の形態において、MFP100−1の消耗品の使用を促進中である状態で、管理サーバー200がコピージョブを受け付けた場合の消耗品管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図12を参照して、ユーザーがMFP100−2の操作パネル108の操作を開始すると(処理PR11)、MFP100−2は、自機の使用が開始されたことを管理サーバー200に通知する(処理PR12)。
管理サーバー200は、使用の開始の通知を受信すると、促進対象機器であるMFP100−1をMFP100−2に通知する(処理PR13)。
ユーザーは、操作パネル108を通じてMFP100−2に対してコピージョブの実行指示(決定)を行う(処理PR14)。
MFP100−2は、コピージョブの実行指示を受信すると、コピージョブの出力先を促進対象機器であるMFP100−1に変更することをユーザーに対して要求(通知)する(処理PR15)。この要求は、たとえば操作パネル108にメッセージを表示することにより行われる。
ユーザーは、MFP100−1を出力先とするかMFP100−2とするかを決定する。ユーザーは、出力先をMFP100−1に決定する場合は、要求を承認する操作を行い、出力先をMFP100−2に決定する場合には、要求を拒否する操作を行う。PC300は、決定した出力先(ここではMFP100−1)の情報を管理サーバー200に送信する(処理PR16)。
MFP100−2は、出力先を決定する操作を受け付けると、自機でスキャンを実行し(処理PR17)、生成した画像データを、出力先の情報とともに管理サーバー200に送信する(処理PR18)。
管理サーバー200は、画像データをMFP100−2から受信すると、出力先(ここではMFP100−1)に対して画像データを送信する(処理PR19)。
MFP100−1は、画像データを受信すると、その画像データのプリントを実行する(処理PR20)。これにより、コピージョブが完了する。MFP100−1は、コピージョブの実行を完了した後に、コピージョブの完了通知を管理サーバー200に送信する(処理PR21)。またMFP100−1は、コピージョブの実行を完了した後に、自機の操作パネル108にメッセージを表示することにより、コピージョブの完了通知をユーザーに通知する(処理PR22)。
なお、図11および図12の処理において、管理サーバー200は、消耗品の使用を促進中にジョブを受信した場合に、ユーザーから出力先の決定を受け付けずに、促進対象機器であるMFP100−1に自動的にそのジョブを実行させてもよい。この場合、ジョブの実行後にMFP100−1で実行した旨をユーザーに対して通知してもよい。
図11および図12に示す方法を用いることで、促進対象機器であるMFP100−1に対して、優先的にプリントジョブやコピージョブを実行させることが可能となり、消耗品の使用を促進することができる。
なお、管理サーバー200は、消耗品の使用を促進中である場合には、消耗品の消費量および残量と、消耗品の使用期限とに基づいて、消耗品の目標消費量を算出し、消耗品テーブル222に記録してもよい。消耗品の目標消費量は、消耗品を使用期限までに使用完了するために必要な消費量であり、たとえば以下の式(1)を用いて算出されるものである。
目標消費量[g/週]=(残量[g])/(使用期限[週]) ・・・(1)
図13は、本発明の第1の実施の形態において、管理サーバー200が目標消費量を決定する方法を説明する図である。
図13を参照して、(1)式を用いて、MFP100−1の消耗品の目標消費量を計算すると、「8.33・・・g/週」という値が得られ、端数を切り上げて、1週間で9gを消費すれば、MFP100−1の消耗品は使用期限までに使い切れる。したがって管理サーバー200は、MFP100−1の消耗品の目標消費量の欄に「9g/週」の値を記入する。
また、MFP100−1および100−2で1週間当たり使用される消耗品の合計量は「15g/週」であり、MFP100−1の消耗品の1週間当たりの消費量が目標消費量である「9g/週」に増えた場合、MFP100−2の消耗品の1週間当たりの消費量は「6g/週」に減少する。その結果、目標消費量を達成した場合には、MFP100−1の消耗品の使用完了時期予測は11週に早まる。一方で、MFP100−2の使用完了時期予測は25週と遅くなるものの、MFP100−1および1000−2の両方の消耗品を使用期限までに使い切ることができる。
管理サーバー200は、図11および図12に示す方法で消耗品の使用を促進した後で取得したMFP100−1の消耗品の消費量が、設定した目標消費量を下回った場合に、図14に示す方法で消耗品の交換を要求してもよい。
また管理サーバー200は、消耗品の使用を促進中である場合には、消耗品の使用を促進していない場合よりも、各MFP100から消耗品の消費量および残量を取得する間隔である期間PDを小さくする(たとえば期間PDを1日にする)ことが好ましい。これにより、消耗品の使用の促進の効果を把握することができ、目標消費量に対する消耗品の消費量の進捗度合いに応じて、促進方法を適切に決定することができる。
図14は、本発明の第1の実施の形態において、管理サーバー200がいずれかのMFP100のユーザーに対して、MFP100−1の消耗品とMFP100−2の消耗品との交換を要求する場合の消耗品管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図14を参照して、管理サーバー200は、消耗品の消費量が設定した目標消費量を下回った場合に、いずれかのMFP100のユーザーに対して交換要求を通知する(処理PR31)。この交換要求は、促進対象機器であるMFP100−1の消耗品と、非対象機器であるMFP100−2の消耗品との交換を要求するものである。複数の非対象機器が存在する場合には、交換の対象となる消耗品は、予測された前記使用完了時期が使用期限よりも一定期間(たとえば12週間)以上早い消耗品であることが好ましい。交換要求は、操作パネル108にメッセージを表示することや、電子メールを送信することなどにより通知される。
交換要求を通知されたユーザーは、消耗品の交換が必要なことを認知する(ユーザーの判断によっては交換されなくてもよい)。交換が必要だと判断したユーザーは、MFP100−1から消耗品を抜き取り(処理PR32)、MFP100−1から抜き取った消耗品と、MFP100−2に搭載された消耗品とを交換する(処理PR33)。MFP100−2には、MFP100−1から抜き取った消耗品が装着される。MFP100−2は、消耗品が自機に新たに装着されたことを検知すると、消耗品情報(消耗品の使用期限および残量)を管理サーバー200に送信する(処理PR34)。
また、交換要求を通知されたユーザーは、MFP100−2から抜き取った消耗品をMFP100−1に装着する(処理PR35)。MFP100−1は、消耗品が自機に新たに装着されたことを検知すると、消耗品情報(消耗品の使用期限および残量)を管理サーバー200に送信する(処理PR36)。
図14に示す方法によれば、使い切れないと予測される消耗品を、使用頻度の多いMFP100で使用することができ、消耗品の使用を促進することができる。
図15は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバー200の動作を示すフローチャートである。
図15を参照して、管理サーバー200のCPU201は、MFP100から使用期限を受信したか否かを判別する(S201)。
ステップS201において、MFP100から使用期限を受信したと判別した場合(S201でYES)、CPU201は、受信した使用期限を記憶し(S203)、ステップS205の処理へ進む。
ステップS201において、MFP100から使用期限を受信しないと判別した場合(S201でYES)、CPU201はステップS205の処理へ進む。
ステップS205において、CPU201は、消費量および残量を受信したか否かを判別する(S205)。
ステップS205において、消費量および残量を受信しないと判別した場合(S205でNO)、CPU201はステップS201の処理へ進む。
ステップS205において、消費量および残量を受信したと判別した場合(S205でYES)、CPU201は使用完了時期を予測し(S207)、予測した使用完了時期よりも使用期限の方が早いか否かを判別する(S209)。
ステップS209において、予測した使用完了時期よりも使用期限の方が早いと判別した場合(S209でYES)、CPU201は、使用促進フラグを立てる(S211)。使用促進フラグが立っている間に受信したジョブは、図11または図12に示す流れで処理される。
続いてCPU201は、後述する更新状況確認処理を行う(S213)。続いてCPU201は、期間PDを1日に設定する旨をMFP100の各々に通知し(S215)、ステップS221の処理へ進む。
ステップS209において、予測した使用完了時期の方が使用期限よりも早いと判別した場合(S209でNO)、CPU201は、使用促進フラグが立っていればそれを解除する(S217)。続いてCPU201は、期間PDを1週間に設定する旨をMFP100の各々に通知し(S219)、ステップS221の処理へ進む。
ステップS221において、CPU201は、システム利用を継続するか否かを判別する(S221)。
ステップS221において、システム利用を継続すると判別した場合(S221でYES)、CPU201はステップS201の処理へ進む。
ステップS221において、システム利用を継続しないと判別した場合(S221でNO)、CPU201は処理を終了する。
図16は、図15のステップS213の促進状況確認処理のサブルーチンである。
図16を参照して、促進状況確認処理において、CPU201は、目標消費量が既に設定されているか否かを判別する(S251)。
ステップS251において、目標消費量が既に設定されていないと判別した場合(S251でNO)、CPU201は目標消費量を設定し(S259)、リターンする。
ステップS251において、目標消費量が既に設定されていると判別した場合(S251でYES)、CPU201は、最新の消費量が目標消費量を達成したか否かを判別する(S253)。
ステップS253において、最新の消費量が目標消費量を達成したと判別した場合(S253でYES)、CPU201はステップS255の処理へ進む。
ステップS253において、最新の消費量が目標消費量を達成しないと判別した場合(S253でNO)、CPU201は、消耗品の交換要求(図14)をMFP100に通知し(S257)、ステップS255の処理へ進む。
ステップS255において、CPU201は、最新の残量に基づいて算出した値に目標消費量を更新し(S255)、リターンする。
本実施の形態によれば、複数のMFP100を予め一群として登録し、複数のMFP100の各々を制御(群管理)する管理サーバー200が、使用期限までに使い切れないと判断された消耗品を優先的に使用する。これにより、使用期限までに使い切れないと判断された消耗品の使用を促進させることができ、消耗品を効率よく使用することができる。
また、必要な時間間隔をおいて消耗品の使用情報を繰り返し取得することにより、消耗品の使用完了時期を精度よく予測することができる。
また、消耗品の目標消費量を算出することにより、使用期限までに使い切れないと判断された消耗品に対して、使用期限までに使い切るために必要な消費量を決定することができる。
また、促進対象機器を優先的に使用するようユーザーに通知することにより、ジョブの実行時において、消耗品の使用を促進することができる。
また、促進の対象である消耗品を促進の対象でない消耗品と交換することにより、交換対象となったそれぞれの消耗品を使い切ることができる可能性を向上することができる。 さらに、促進の対象である消耗品の消費量が目標消費量を下回った場合に、消耗品の交換を通知することにより、ジョブ実行時における消耗品の促進の効果が少ない消耗品を使い切ることができる可能性を向上することができる。
[第2の実施の形態]
ユーザーが主にPC300を通じてMFP100でプリントジョブを実施する際に、ユーザーが印刷結果に一定以上の品質を求めることがある。たとえば、精細な画像で必要な内容を確認する必要がある画像のプリントジョブや、外部向けの資料のプリントジョブなどがこれに該当する。一方、特にトナーなどの消耗品においては、MFP100が厳しい環境(たとえば高温多湿の環境)に設置された場合には、たとえ使用期限前であっても消耗品が劣化するおそれがある。劣化した消耗品を搭載したMFP100によって画像をプリントした場合には、ユーザーが求める品質を実現することができない事態となる。
そこで本実施の形態では、管理サーバー200は、消耗品の品質期限(消耗品に関する第2の期限の一例)を考慮してMFP100−1および100−2の各々を制御する。品質期限とは、それを越えて利用すると結果(消耗品がトナーである場合には印刷結果)が劣化する可能性が生じるまでの期限である。消耗品の品質期限は、その消耗品の使用期限よりも早く到来するものであればよい。
MFP100は、消耗品が自機に新たに装着された場合に、その消耗品に設けられたICチップに記憶されている品質期限および使用期限をセンサー111で読み取り、読み取った品質期限および使用期限を管理サーバー200に送信してもよい。また、管理サーバー200は、消耗品の使用期限をMFP100から取得した場合に、取得した消耗品の使用期限に基づいて所定の計算(たとえば使用期限から20ヶ月を減ずる計算)を行うことにより、その消耗品の品質期限を決定してもよい。
図17は、本発明の第2の実施の形態における消耗品テーブル222を示す図である。
図17を参照して、本実施の形態における消耗品テーブル222の消耗品の情報は、品質期限をさらに含んでいる。MFP100−1および100−2の各々の消耗品の品質期限は、それぞれ「0」(品質期限切れ)および「12週間後」となっている。また、MFP100−1は促進対象機器であり、MFP100−2は非対象機器である。
図18は、本発明の第2の実施の形態における管理サーバー200の動作を模式的に示す図である。
管理サーバー200は、消耗品の使用を促進中に一定以上の品質が必要なプリントジョブ(たとえば出力解像度として高精密な1200dpiが設定されているプリントジョブ)を受信した場合には、品質優先なジョブと判断する。管理サーバー200は、この場合において、促進対象機器であるMFP100−1の消耗品の品質期限が過ぎているときは、非対象機器であるMFP100−2を用いてプリントジョブを実行する(処理PR41)。この場合、MFP100−1の消耗品の使用促進は行われない。
一方、管理サーバー200は、消耗品の使用を促進中に一定以上の品質が不要なプリントジョブ(たとえば出力解像度として一般的な600dpiが設定されているプリントジョブ)を受信した場合には、促進対象機器であるMFP100−1を用いてそのプリントジョブを実行する(処理PR42)。この場合、MFP100−1の消耗品の使用促進は行われる。
管理サーバー200は、コピージョブを受信した場合にも、上述と同様の方法で、スキャンした画像の出力先を決定してもよい。
なお、本実施の形態における上述以外の消耗品管理システムの構成および動作は、第1の実施の形態の場合の構成および動作と同様であるため、同一の構成には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、一定以上の品質が必要なジョブに対して、印刷品質を保証した制御を実現しつつ、使用期限が近い消耗品の使用を促進することができる。
[第3の実施の形態]
図19は、本発明の第3の実施の形態における消耗品管理システムの概念的な構成を示す図である。
図19を参照して、本実施の形態における消耗品管理システムは、MFP100−3をさらに備えている(消耗品管理システムは4台以上のMFPを備えていてもよい)。MFP100−3と、MFP100−1および100−2の各々と、管理サーバー200と、PC300とは、ネットワーク601を通じて相互に接続されており、相互に通信を行う。MFP100−3は、MFP100−1およびMFP100−2と同様の構成を有している。管理サーバー200は、MFP100−1、MFP100−2、およびMFP100−3の各々に搭載された消耗品であるトナー(トナーボトル)の管理をする。
なお、消耗品管理システムは4台以上の画像形成装置(MFPやプリンターなど)により構成された画像形成装置群を備えていてもよい。
図20〜図22は、本発明の第3の実施の形態において、管理サーバー200が消耗品の使用促進の必要の有無の判断をする方法を説明する図である。なお、図20〜図22では、消耗品テーブル222の一部のみが示されている。
図20を参照して、管理サーバー200は、所定の時間間隔で(ここでは1週間の間隔で)、MFP100−1、100−2、および100−3の各々から消耗品の消費量および残量を取得すると、消耗品の使用完了時期を予測する。管理サーバー200は、消耗品テーブル222を参照し、消耗品の過去4週間の1週間当たりの消費量に基づいて、次週の消費量の予測値を算出する。そして管理サーバー200は、消耗品の残量と次週の消費量の予測値と基づいて、消耗品に使用完了時期を予測する。ここでは、MFP100−1、100−2、および100−3の各々の消耗品の使用完了時期は、それぞれ「20週間後」、「15週間後」、および「20週間後」と予測される。
図21を参照して、続いて管理サーバー200は、予測した使用完了時期と、消耗品の使用期限とに基づいて、消耗品の使用を促進するか否かを判断する。
具体的には、MFP100−1の消耗品の場合、使用完了時期予測は「20週間後」であり、使用期限は「12週間後」である。MFP100−2の消耗品の場合、使用完了時期予測は「15週間後」であり、使用期限は「12週間後」である。管理サーバー200は、使用完了時期予測よりも使用期限の方が早いので、MFP100−1および100−2の消耗品の使用を促進すると判断する。
管理サーバー200は、「1.利用期間」において、上述の図11および図12に示す方法で、MFP100−1およびMFP100−2の各々を、MFP100−3よりも優先的に使用するよう、ユーザーに対して通知する。
図22を参照して、管理サーバー200は、(1)式を用いてMFP100−1、100−2、および100−3の各々の消耗品の目標消費量を計算し、それぞれ「10g/週」、「5g/週」、および「6.7g/週」という値を得る。これらの目標消費量を採用した場合、1週間あたりの目標消費量の合計は、「10+5+6.7=21.7[g/週]」となる。
一方、現状の1週間当たりの消費量の合計は、「6+4+8=18[g/週]」である。このことから、現状の消費量では、全ての消耗品の目標消費量を達成することはできない。そこで管理サーバー200は、使用期限が比較的短いMFP100−1および100−2の消耗品を優先して、使用を促進する。つまり、管理サーバー200は、使用期限が比較的長いMFP100−3の消耗品の目標消費量を、現状の消費量の合計からMFP100−1および100−2の目標消費量を引いた値(「18−10−5=3[g/週]」)に設定する。
MFP100−3の目標消費量では、MFP100−3の消耗品を使用期限までに使い切ることはできないが、将来的にMFP100−1および100−2の消耗品を使用完了した後で、MFP100−3の消耗品の使用を促進することで対応することができる。
なお、本実施の形態における上述以外の消耗品管理システムの構成および動作は、第1の実施の形態の場合の構成および動作と同様であるため、同一の構成には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、3台以上の画像形成装置群の消耗品を管理する場合に、使用期限までに使い切れないと判断された消耗品を使い切るようにその使用を促進することができる。
[第4の実施の形態]
図23は、本発明の第4の実施の形態における消耗品管理システムの概念的な構成を示す図である。
図23を参照して、本実施の形態における消耗品管理システムにおいて、MFP100−2は、カラー画像を印刷可能なカラー画像形成装置である。MFP100−2は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の4色のトナーボトル106aを含んでいる。一方、MFP100−1は、モノクロ画像を印刷可能であり、カラー画像を印刷不可能であるモノクロ画像形成装置である。MFP100−1は、トナーボトルとしてブラックのトナーボトル106aのみを含んでいる。
管理サーバー200は、同一色のトナーであるMFP100−1のブラックのトナーと、MFP100−2のブラックのトナーとを管理する。但し、MFP100−1のブラックのトナーボトル106aと、MFP100−2のブラックのトナーボトル106aとは、互換性を有するものとする。
また、MFP100−1は、ブラックのトナーの使用を促進すると判断された促進対象機器であり、MFP100−2は、ブラックのトナーの使用を促進しないと判断された非対象機器である。
管理サーバー200は、ブラックのトナーの使用を促進中にプリントジョブを受信した場合、プリントジョブの対象となる画像に基づいて、MFP100−2のブラックのトナーの使用を促進するか否かを判断する。
具体的には、管理サーバー200は、ブラックのトナーの使用を促進中にプリントジョブを受信した場合、プリントジョブの対象となる画像がブラックを含む画像であるか否かを判別する(処理PR51)。
管理サーバー200は、プリントジョブの対象となる画像がブラックを含む画像である場合、ブラックのトナーの使用の促進が必要なMFP100−1を用いてそのプリントジョブを実行する(処理PR52)。この場合、MFP100−1のブラックのトナーの使用促進は行われる。
管理サーバー200は、プリントジョブの対象となる画像がブラックを含まない画像である場合、ブラックのトナーの使用の促進が不要なMFP100−2を用いてそのプリントジョブを実行する(処理PR53)。この場合、MFP100−1のブラックのトナーの使用促進は行われない。
管理サーバー200は、コピージョブを受信した場合にも、上述と同様の方法で、スキャンした画像の出力先を決定してもよい。
なお、本実施の形態における上述以外の消耗品管理システムの構成および動作は、第1の実施の形態の場合の構成および動作と同様であるため、同一の構成には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、モノクロ画像形成装置とカラー画像形成装置とが混在する消耗品管理システムにおいて、使用期限までに使い切れないと判断された特定の色のトナーの使用を促進することができる。
[第5の実施の形態]
図24は、本発明の第5の実施の形態における消耗品管理システムの概念的な構成を示す図である。
図24を参照して、本実施の形態における消耗品管理システムは、管理サーバー200と、レンタカー400−1、400−2、400−3(以降、これらを纏めてレンタカー400と記すことがある)とを備えている。管理サーバー200と、レンタカー400の各々とは、ネットワーク601を通じて相互に接続されており、相互に通信を行う。
レンタカー400の各々は、無線通信部401と、走行距離測定部402とを含んでいる。無線通信部401は、ネットワーク601上のアクセスポイント602との間で無線通信を行う。走行距離測定部402は、車輪の回転数などに基づいて自車の走行距離を測定する。なお、図示しないが、レンタカー400の各々は、CPU、ROM、RAM、および記憶装置などをさらに含んでいる。
レンタカー400の各々は、ガソリン、オイル、ブレーキパッド、およびクーラント液などの多数の消耗品を含んでいる。レンタカー400の各々は、消耗品が新たに装着された場合に、消耗品の使用期限を管理サーバー200に送信する。また、レンタカー400の各々は、消耗品の消費量に相当する走行距離を、定期的に管理サーバー200に送信する。
管理サーバー200は、レンタカー400の各々から取得した消耗品の使用情報に基づいてその消耗品の使用完了時期を予測する。管理サーバー200は、消耗品の使用期限と、予測した消耗品の使用完了時期とに基づいて、レンタカー400の各々に搭載された消耗品の使用を促進するか否かを判断する。管理サーバー200は、レンタカーの貸し出しの依頼を受け付けた場合に、使用を促進すると判断した消耗品を搭載したレンタカー400を、使用を促進しないと判断した消耗品を搭載したレンタカー400よりも優先的に貸し出す。
このように、管理サーバー200の管理対象は画像形成装置の消耗品以外の消耗品であってもよい。本実施の形態によれば、レンタカー400の各々に搭載された消耗品を効率よく使い切ることができる。
[その他]
管理サーバー200は、消耗品の消費量および残量のうち一方の情報のみを取得し、取得した情報に基づいて消耗品の消費量および残量のうち他方を算出してもよい。
管理サーバー200は、消耗品管理システムを構成するいずれかのMFP100(画像形成装置)であってもよい。この場合、管理サーバー200としてもMFP100は、消耗品管理アプリケーション221、消耗品テーブル222、および接続機器テーブル223などを記憶しており、自機を含む消耗品管理システムのMFP100の消耗品を管理する。
上述の実施の形態は互いに組み合わせることができる。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。