以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図11は、本発明の画像形成装置、消耗品管理方法、消耗品管理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、消耗品管理方法、消耗品管理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したカラー画像形成装置1の概略構成図である。なお、以下の説明では、カラー画像形成装置1は、外部からLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して受信した印刷ジョブの印刷データを印刷処理するものとして説明するが、スキャナ部やファクシミリ部等の画像データ入力部を備えて、これらの画像データ入力部からの画像データに基づいて印刷処理を行ってもよい。
図1において、カラー画像形成装置1は、本体筐体2内に、給紙部10、搬送部20、プロッタ部40等が収納され、本体筐体2の上部に、排紙トレイ3設けられている。
給紙部10は、給紙トレイ11、給紙ローラ12及び図示しない分離パッド等を備えており、給紙トレイ11内には、複数枚の用紙(記録媒体)Pが収納される。給紙部10は、給紙トレイ11内の用紙Pを給紙ローラ12と分離パッドで1枚ずつ分離して、搬送部20に送り出す。
搬送部20は、順方向搬送路21、両面搬送路22、レジストローラ23、2次転写ローラ24、排紙ローラ25、両面ローラ26、レジストセンサ27、排紙センサ28、両面センサ29及び定着部30等を備えているとともに、図示しない複数の搬送ローラ等を備えている。搬送部20は、給紙部10から送り出されてきた用紙Pを、順方向搬送路21上をレジストローラ23に搬送し、レジストローラ23に搬送される用紙Pをレジストセンサ27によって検出する。カラー画像形成装置1は、レジストローラ23で一時用紙Pの搬送を停止させた後、レジストセンサ27による用紙Pの検出結果とプロッタ部40でのトナー画像形成状況に基づいて、レジストローラ23の駆動を制御して、用紙Pをプロッタ部40によって形成されたトナー画像とのタイミングを調整して、2次転写ローラ24に搬送する。搬送部20は、2次転写ローラ24によって、後述するように、プロッタ部40で形成されたカラートナー画像をレジストローラ23から搬送されてきた用紙P上に転写させつつ、用紙Pを定着部30に搬送する。定着部30は、定着ローラ30aと加圧ローラ30bを備えていて、定着ローラ30aと加圧ローラ30bとの間に用紙Pを挟んで用紙Pを搬送しつつ加熱・加圧し、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させて、定着の完了した用紙Pを排紙ローラ25に搬送する。
搬送部20は、排紙ローラ25に搬送される用紙Pを排紙センサ28によって検出し、該用紙Pが両面画像形成を行う場合であって片面への画像形成の完了した用紙Pであると、排紙ローラ25を適宜のタイミングに反転させて、両面搬送路22に送り込む。搬送部20は、用紙Pを両面搬送路22に送り込むと、両面ローラ26によって用紙Pの搬送を行い、この両面搬送路22上を搬送される用紙Pを両面センサ29によって検出する。搬送部20は、両面搬送路22に送り込んだ用紙を両面搬送路22から再度レジストローラ23に搬送し、上記同様に、用紙Pの裏面に画像形成して、定着部30で定着させた後、排紙ローラ25によって排紙トレイ3上に排出する。
プロッタ部40は、中間転写ユニット41、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色用のプロセスカートリッジ42C〜42K、露光部43、キャリブレーション用センサ44、排トナーボックス45等を備えており、中間転写ユニット41は、中間転写ベルト51、2次転写駆動ローラ52、テンションローラ53及びCMYK各色用の転写ローラ54Y、54M、54C、54K等を備えている。中間転写ユニット41は、無端帯状でリング状に形成されている中間転写ベルト51が、略水平方向に張り渡された2次転写駆動ローラ52とテンションローラ53とに張り渡されており、2次転写駆動ローラ52は、中間転写ベルト51を挟んで2次転写ローラ24に当接する状態で配設されている。中間転写ベルト51に沿ってCMYKの各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kが配設されており、各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kは、図1において時計方向に回転駆動される感光体61Y、61M、61C、61Kを中心に、帯電ローラ62Y、62M、62C、62K、現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63K及びクリーニング部64Y、64M、64C、64K等が配設された状態で図示しないカートリッジケース内に収納されている。各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kは、その感光体61Y、61M、61C、61Kが上記中間転写ベルト51を挟んで、各色用の転写ローラ54Y、54M、54C、54Kと対向して接触する状態で、カラー画像形成装置1の本体筐体2内に収納されて装着され、各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kの感光体61Y、61M、61C、61Kと転写ローラ54Y、54M、54C、54Kとの間を中間転写ベルト51が搬送される。
露光部43は、ポリゴンモータ、ポリゴンミラー、Fθレンズ、レーザダイオード及びミラー等を備え、各色の画像データに基づいて変調した各色のプロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42K用の書き込み光をレーザダイオードからポリゴンモータにより回転駆動るポリゴンミラー出射させる。露光部43は、この書き込み光を、ポリゴンミラーによって主走査方向に偏向させて、fθレンズやミラー等を経由させて、図1に破線矢印で示すように、各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kの帯電ローラ62Y、62M、62C、62Kによって一様に帯電されている感光体61Y、61C、61M、61Kに照射し、各色の感光体61Y、61C、61M、61K上に静電潜像を形成する。
プロッタ部40は、静電潜像の形成された感光体61Y、61C、61M、61Kを時計方向に回転させつつ、現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kによって各色のトナーを感光体61Y、61C、61M、61K上に供給して静電潜像を現像し、各色のトナー画像の形成された感光体61Y、61C、61M、61Kに転写ローラ54Y、54M、54C、54Kによって中間転写ベルト51上に順次重ね合わせて転写してカラーのトナー画像を形成する。プロッタ部40は、トナー画像の転写の完了した各感光体61Y、61C、61M、61Kをさらに回転させてクリーニング部64Y、64M、64C、64Kで残留トナーを除去した後、再度、帯電ローラ62Y、62M、62C、62Kで帯電させて、画像形成に供する。
中間転写ベルト51は、2次転写駆動ローラ52によって反時計方向に回転駆動され、2次転写駆動ローラ52部分で、2次転写ローラ24との間にレジストローラ23から搬送されてきた用紙Pにトナー画像を転写する。
また、プロッタ部40は、所定の色ずれ補正処理や濃度調整処理等のキャリブレーション処理を行うために、中間転写ベルト51上にパターン画像を形成し、このパターン画像をキャリブレーション用センサ44で検出する。キャリブレーション用センサ44は、例えば、反射型光センサが用いられており、プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kによって中間転写ベルト51上に形成されたパターン画像の位置及び濃度を検出する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、上述のように、プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kによって感光体43Y、43C、43M、43K61Y、61M、61C、61K上に形成した各色のトナー画像を、中間転写ベルト51上に順次重ね合わせてカラーのトナー画像を形成し、用紙P上に転写することで、用紙Pに画像形成しているが、用紙Pに転写するトナー画像の濃度は、部品の劣化や環境(温度・湿度等)の変化によってばらつきが発生する。そこで、トナー画像作成回数や環境変化に応じて、濃度調整部309において、トナー濃度を調整する濃度調整処理を実施する。濃度調整処理としては、例えば、感光体61Y、61C、61M、61Kへの帯電ローラ62Y、62M、62C、62Kによる帯電バイアスは一定にしておき、露光部43から露光を行って、現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kの現像バイアスを可変にして濃度調整用パターン画像を形成し、この濃度調整用パターン画像をキャリブレーション用センサ44で読み取る。カラー画像形成装置1は、このキャリブレーション用センサ44の出力電圧値を、トナー濃度(電圧が小さいほどトナーが高濃度であることを表す)に変換し、後述するように、カラー画像形成装置1の目標トナー濃度になるように、現像バイアスを計算して、現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kの現像バイアス値として設定する濃度調整処理を行って、安定した濃度のトナー画像を作成する。
また、カラー画像形成装置1では、トナー画像は、部品の劣化や環境(温度・湿度)変化により、主走査方向、副走査方向及び斜め方向の色ずれが発生するため、プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kによって、例えば、中間転写ベルト51の主走査方向の両側に色が互いに異なる4色の短冊状のトナーパターン画像(色ずれ補正用パターン画像)を形成し、この色ずれ補正用パターン画像をキャリブレーション用センサ44で検出する。そして、カラー画像形成装置1は、検出した各色の色ずれ補正用パターン画像の色ずれ量を検出し、その色ずれ量が所定の値以下になるように露光部43による書き込みのタイミング等を調整することで色ずれを補正する色ずれ補正処理を行う。
そして、カラー画像形成装置1は、その制御系が、図2に示すようにブロック構成されている。カラー画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit )101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、操作パネルI/F104、外部I/F105、NVRAM(Nonvolatile Random Access Memory)106及びI/O107等を備えており、各部は、システムバス108によって接続されている。
ROM102は、カラー画像形成装置1としての基本プログラム及び本発明の消耗品管理プログラム及びこれらのプログラムを実行するのに必要なデータ等が格納されており、CPU101は、ROM102内のプログラムに基づいてRAM103をワークメモリとして利用して、カラー画像形成装置1の各部を制御して、カラー画像形成装置1としての処理を実行するとともに、後述する消耗品管理処理を実行する。すなわち、カラー画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の消耗品管理方法を実行する消耗品管理プログラムを読み込んでROM102等に導入することで、後述する消耗品の残量をキャリブレーションをも考慮して正確かつ適切に管理する消耗品管理方法を実行する画像形成装置として構築されている。この消耗品管理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
なお、RAM103は、上述のように、CPU101のワークメモリ及び外部装置120から受信した印刷データ(画像データ)を保管する画像メモリ等として利用されるが、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができる構成となっていてもよい。
操作パネルI/F104には、操作パネル110が接続されており、操作パネル(報知手段)110は、テンキーやスタートキー等の各種操作キーを備えていて、操作キーからは、カラー画像形成装置1を使用した画像形成動作(コピー動作、プリンタ動作等)等の各種命令が入力されるとともに、後述するように、消耗品管理処理での必要な操作が行われる。また、操作パネル110は、液晶ディスプレイ等の表示部を備えており、操作パネル110の操作キーから入力された命令内容やカラー画像形成装置1からオペレータに通知する各種情報、特に、後述する消耗品管理処理に伴う各種情報、例えば、トナー残量、受け取った印刷ジョブを実行するのには、トナーが不十分である旨のメッセージ等を表示する。操作パネルI/F104は、操作パネル110から入力された命令をCPU101に伝達し、CPU101からの表示データを操作パネル110のディスプレイに出力させる。
操作制御部4は、上述のように、条件設定入力部7と情報表示制御部8等を備えており、操作パネル2と情報表示部3が接続されている。操作制御部4は、操作パネル2でのキー操作内容を検出して操作パネル2からの各種命令内容を取得し、取得した各種命令内容を情報表示部3に表示するとともに、制御部5に出力する。
NVRAM106は、カラー画像形成装置1の電源がオフのときにも記憶しておくべき各種データ、例えば、操作パネル110で設定操作されて操作パネルI/F104を介して入力されるプリンタモード設定情報等、特に、消耗品(トナー、給紙トレイ11内の用紙Pの残枚数等)の残量等の消耗品管理に必要な情報を格納する。
外部I/F(報知手段)105には、パーソナルコンピュータ等の外部装置120の接続されているLAN(Local Area Network)等のネットワークが接続され、外部I/F105は、ネットワークを介して外部装置120との間で通信を行って、印刷データ(印刷ジョブ)の受信や制御信号の送信等のデータ授受を行う。なお、当然であるが、ネットワークを介して外部I/F105に接続される外部装置120は、複数台であってもよい。
I/O107は、CPU101と給紙部10、搬送部20及びプロッタ部40との間で、モータ(例えば、給紙ローラ12のモータ、2次転写駆動ローラ52の駆動モータ等)、クラッチ及びアクチュエータ等への信号の出力やセンサ(例えば、キャリブレーション用センサ44、レジストセンサ27等)からの信号の受け取り等を行う。
そして、カラー画像形成装置1は、上記ROM102のプログラムをCPU101が実行することで、図3に示すように、プリントジョブ管理部201、色ずれ補正部202、濃度調整部203及び消耗品寿命検知部204等の機能モジュールが構築され、図3には、図2に示したCPU101、RAM103、外部I/F105、NVRAM106、操作パネル110が示されているとともに、図1に示したプロッタ部40が示されている。なお、これらのプリントジョブ管理部201、色ずれ補正部202、濃度調整部203及び消耗品寿命検知部204は、ハードウェアとして構成されていてもよい。
プリントジョブ管理部(印刷ジョブ管理手段)201は、外部装置120から外部I/F105へ入力された印刷ジョブの実行順順序を管理する。
色ずれ補正部202は、キャリブレーション用センサ44からの検出信号に基づいて各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kで形成された色ずれ補正用パターン画像の色ずれ量を検出し、その色ずれ量が所定の値以下になるように露光部43による感光体61Y、61M、61C、61Kへの書き込み光の書き込みタイミング等を調整することで色ずれを補正する色ずれ補正処理を行う。そして、この色ずれ補正部202は、このキャリブレーション用センサ44からの検出信号が、I/O107を介してCPU101に入力され、CPU101がROM102内のプログラムに基づいてRAM103をワークメモリとして利用して処理することで、上記色ずれ補正処理を実行する。
濃度調整部203は、キャリブレーション用センサ44からの検出信号に基づいて各プロセスカートリッジ42Y、42M、42C、42Kで形成された濃度調整用パターン画像の検出値である電圧値をトナー濃度に変換し、そのトナー濃度が目標トナー濃度になるよう現像バイアスを計算して、現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kの現像バイアス値として設定する濃度調整処理を行う。そして、この濃度調整部203は、このキャリブレーション用センサ44からの検出信号(検出電圧)が、I/O107を介してデジタル値としてCPU101に入力され、CPU101がROM102内のプログラムに基づいてRAM103をワークメモリとして利用して処理することで、上記濃度調整処理を実行する。
消耗品寿命検知部(キャリブレーション実行管理手段、消耗品消費量算出手段、キャリブレーション消耗品消費量算出手段、消耗品管理手段)204は、RAM103の印刷データ(印刷ジョブ)がプロッタ部40において、印刷処理される毎に、給紙トレイ11内の用紙Pの残量、現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63K内のトナー残量、廃トナーボックス45内の排トナー量(排トナー残り収納可能量)等を検知して、消耗品の交換・補充・廃棄等の消耗品対応処理時期になったか否かを判断する。また、消耗品寿命検知部204は、印刷データの印刷処理を行う毎にトナー残量の検出処理を行うことで消費される消耗品の消費量を算出するだけでなく、上記色ずれ補正処理や濃度調整処理のようなキャリブレーション処理等のように画像形成動作以外の消耗品を使用する処理における消耗品の消費量を算出して、これらのキャリブレーションによる消耗品の消費量をも考慮して、消耗品の残量算出や残寿命の算出を行う。消耗品寿命検知部204は、CPU101が、消耗品の前回の交換日時情報、前回のキャリブレーション実行日時、前回のキャリブレーションや消耗品交換日時からの印刷ページ数、ポリゴンモータの回転時間等の消耗品管理に必要な消耗品管理情報を取得してNVRAM106に保管し、I/O107を介して入力される各種センサ(例えば、各現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kのトナー残量センサ、給紙トレイ11の用紙センサ等)の検出結果や印刷処理、キャリブレーション処理等の各種処理を行う毎に交換、補充、配置等の消耗品管理に必要な情報の更新・管理を行う。すなわち、消耗品寿命検知部204は、プリントキューの所定の印刷ジョブを調査ジョブとして、該調査ジョブの実行によって消費される消耗品の消費量(個別ジョブ消耗品消費量)Sj、処理実行順位において該調査ジョブよりも前に該プリントキューに登録されている印刷ジョブの実行によって消費される消耗品の消費量を合計した消費量(前登録ジョブ消耗品消費合計量)Sq及び該調査ジョブよりも前に実行するキャリブレーションの実行によって消費される消耗品の消費量の合計である消費量(キャリブレーション消耗品消費合計量)Scを加算して消費合計(消耗品消費総量)Stを求めて、消耗品残量Srと比較して調査ジョブに対する消耗品量の適否を判定する消耗品管理処理を実行する。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のカラー画像形成装置1は、通常の印刷処理に基づく消耗品管理だけでなく、キャリブレーション処理等の各種処理を含めて消耗品管理を行い、印刷ジョブ受信時に該印刷ジョブを適切に印刷処理できる消耗品があるか否か判定する消耗品管理処理を行う。
まず、印刷ジョブを外部装置120から受信したときの消耗品管理処理について、図4に基づいて説明する。カラー画像形成装置1は、図4に示すように、外部装置120から印刷ジョブを受信すると(ステップS101)、CPU101、すなわち、プリントジョブ管理部201が、該印刷ジョブを管理するプリントキューに追加登録し、該印刷ジョブの印刷画像データをRAM103に格納する。
次に、CPU101は、受信した印刷ジョブのジョブ情報(ページ数、カラー情報等)に基づいて、該印刷ジョブを印刷するのに使用する各色のトナー量、用紙枚数等の消耗品の消費量Sjを計算する(ステップS102)。なお、印刷ジョブによる消耗品の消費量Sjは、カラー画像形成装置1のCPU101が算出する処理に限るものではなく、外部装置207において印刷ジョブを生成する段階で算出して、印刷ジョブに付加してカラー画像形成装置1に送信するようにしてもよい。
次に、CPU101は、今回受け取った印刷ジョブよりも前に、既に受け取ってプリントキューに所定の処理実行順位である受け取り順に登録されている全ての印刷ジョブによる消耗品の消費量(前登録ジョブ消耗品合計量)Sqを算出する(ステップS103)。すなわち、プリントキューに登録する全ての印刷ジョブについて、ステップS102の処理によって、該印刷ジョブの実行によって消費される消耗品の消費量(個別ジョブ消耗品消費量)Sjを算出して、NVRAM106に保管し、このNVRAM106に保管しているプリントキューの各印刷ジョブの消費量Sjを加算することで、消費量Sqを算出する。
次に、CPU101は、今回受信した印刷ジョブを実行するまでに実行されるキャリブレーションによって消費される消耗品の消費量(キャリブレーション消耗品消費量)Scを算出する(ステップS104)。なお、このキャリブレーションによる消耗品Scの算出処理については、後で詳細に説明する。
CPU101は、消耗品の算出を完了すると、I/O107を介して入力される各種センサ(各現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kのトナー残量センサ、給紙トレイ11の用紙センサ等)の検出結果や消耗品の消費予測値から消耗品(トナーや用紙P等)の残量Srを検知し(ステップS105)、算出した各消耗品の消費量Sj、Sq、Scの合計である消費合計(消耗品消費総量)St(St=Sj+Sq+Sc)よりも残量Srの方が多いかチェックする(ステップS106)。なお、消耗品の残量Srを初期残量と消費量から予測計算して求めることができるが、例えば、トナー残量を予測計算で算出する場合、印刷ジョブの画像データの印刷ドットをカウントして消費されるトナー量を印刷ジョブ毎に算出し、算出した消費トナー量と初期残量から残量Srを算出する。また、上記説明では、消耗品の消費量をSj、Sq、Sc及び残量をSrとして、消耗品の種別については明記されていない。実際の処理では、消耗品毎に消費量及び残量を求め、消耗品毎に管理を行うが、本実施例の説明では、説明を簡略化して明確にするために、消耗品として上述のように纏めた状態で説明する。
ステップS106で、消費合計Stよりも残量Srの方が多いときには、CPU101は、消耗品が該印刷ジョブを完了するまでに無くなることはないとして、消耗品が無くなって印刷ができなくなる旨の印刷不可警告通知を行う必要はないと判断し、印刷ジョブのプリントキューへの登録を行うとともに、該印刷ジョブが使用する消耗品の消費量Sj及び印刷不可警告通知無しの消耗品管理情報をも該印刷ジョブに関連付けてプリントキューに登録して処理を終了する(ステップS107)。
ステップS106で、消費合計Stが残量Sr以上であると、CPU101は、該印刷ジョブを実行する前または実行中に消耗品のいずれかまたは全てが無くなって印刷ができなくなる旨の印刷不可警告通知を操作パネル110のディスプレイや外部装置120に行い(ステップS108)、印刷ジョブのプリントキューへの登録を行うとともに、該印刷ジョブが使用する消耗品の消費量Sj及び印刷不可警告通知有りの消耗品管理情報を該印刷ジョブに関連付けてプリントキューに登録して処理を終了する(ステップS107)。カラー画像形成装置1は、この印刷不可警告通知を、例えば、操作パネル110のディスプレイへの消耗品が途中でなくなるため、印刷要求された印刷ジョブの印刷を完了できない旨のダイアログ画面の表示を行ったり、消耗品が途中でなくなるため、印刷要求された印刷ジョブの印刷を完了できない旨のメッセージを外部I/F105からネットワークを介して外部装置120に送信することで行う。
そして、カラー画像形成装置1は、上記ステップS104でのキャリブレーションによる消耗品消費量Scの算出処理を、図5に示すように行う。
すなわち、CPU101は、まず、既にプリントキューに登録されている全ての印刷ジョブのページ数を取得し(ステップS201)、また、印刷ジョブを実行する毎に、NVRAM106に格納しているキャリブレーションの実行時期を求めるためのキャリブレーション時期判断情報を取得する。すなわち、CPU101は、色ずれ補正処理を前回実行してから現在までの間に印刷処理した累積印刷ページ数をカウントする色ずれ補正用の累積印刷ページカウンタ(ページ数カウント手段)のカウント値及び内蔵タイマ(モータ駆動時間カウント手段)でカウントした色ずれ補正処理を前回実行してから現在までのポリゴンモータ回転時間を取得して、今回受信した印刷ジョブの実行を完了するまでに色ずれ補正処理を何回実行するかを算出する(ステップS202)。すなわち、カラー画像形成装置1は、印刷動作中の色ずれ補正処理を、色ずれ補正処理が前回実行されてからの印刷ページ数と露光部43のポリゴンモータの連続回転時間等に基づいて色ずれ補正を実行するタイミングを決定する。そこで、CPU101は、前回の色ずれ補正処理実施タイミングから現在までの累積印刷ページ数を色ずれ補正用の累積印刷ページカウンタでカウントして、NVRAM106に保存し、また、前回の色ずれ補正処理したタイミングから現在までのポリゴンモータの回転駆動時間を内蔵タイマでカウントしてNVRAM106に保管し、このNVRAM106に保存されている累積印刷ページカウンタのカウンタ値とタイマの計測したポリゴンモータの回転駆動時間に基づいて、今回受信した印刷ジョブの実行が完了するまでの色ずれ補正の実行回数を計算する。例えば、200ページ毎に色ずれ補正処理を実行する場合、現在の累積印刷ページカウンタのカウンタ値が「180」であり、プリントキューの印刷ジョブの総ページ数が、「50」であると、プリントキューの印刷ジョブ(今回受信した印刷ジョブより前の印刷ジョブ)を全て印刷すると、累積印刷ページカウンタが「230」となって、「200」ページを超えるので、色ずれ補正処理の実行回数は「1」となる。ポリゴンモータの駆動時間に関しても、同様であり、累積印刷ページ数とポリゴンモータの駆動時間のいずれかの条件が満たされると、色ずれ補正処理を実行する。
次に、CPU101は、累積印刷ページカウンタのカウンタ値に基づいて、今回受信した印刷ジョブの実行が完了するまでに濃度調整処理を何回実行するかを算出する(ステップS203)。すなわち、カラー画像形成装置1は、印刷動作中の濃度調整処理を、濃度調整処理が前回実行されてからの印刷ページ数に基づいて濃度調整を実行するタイミングを決定している。そこで、CPU101は、前回の濃度調整処理実施タイミングから現在までの累積印刷ページ数を累積印刷ページカウンタでカウントしてNVRAM106に保管し、このNVRAM106の累積印刷ページカウンタのカウンタ値に基づいて、今回受信した印刷ジョブの実行が完了するまでの濃度調整処理の実行回数を計算する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、色ずれ補正用の累積印刷ページカウンタと濃度調整用の累積ページカウンタを備えており、それぞれの累積印刷ページカウンタのカウンタ値を、それぞれNVRAM106に保管している。そして、CPU101は、このNVRAM106の色ずれ補正用の累積ページカウンタと濃度調整用の累積ページカウンタのカウンタ値に基づいて色ずれ補正処理と濃度調整処理の発生回数を判定する。
そして、CPU101は、今回受信した印刷ジョブの実行が完了するまでに色ずれ補正処理または濃度調整処理の実行が行われるか判定し(ステップS204)、色ずれ補正処理及び濃度調整処理のいずれもが発生しないときには、キャリブレーションでの消耗品の消費が発生しないと判断して、そのまま処理を終了する。
ステップS204で、色ずれ補正処理と濃度調整処理のいずれかまたは双方が発生する場合には、CPU101は、発生する色ずれ補正処理と濃度調整処理のいずれかまたは双方で消費される消耗品の消費量Scを算出する(ステップS205)。この色ずれ補正処理及び濃度調整処理で消費される消耗品、すなわち、トナーの消費量は、形成する色ずれ補正用パターン画像及び濃度調整用パターン画像によって固定しており、予め算出等によって求めてNVRAM106またはROM102等に格納されていて、CPU101は、この色ずれ補正処理や濃度調整処理における1回当たりの消耗品の消費量をNVRAM106またはROM102から読み出して、色ずれ補正処理や濃度調整処理の実行回数から消耗品の消費量Scを算出する。
なお、上記説明では、色ずれ補正処理や濃度調整処理等のキャリブレーション処理が、前回のキャリブレーション実施時からの累積印刷ページ数やポリゴンモータの連続回転時間に基づいて発生する場合について説明したが、キャリブレーション処理は、上記要因によってのみ発生するものではなく、例えば、カラー画像形成装置1のプロッタ部40の動作を停止させる必要のあるドア開閉操作の発生や温度、湿度等の環境条件の変化等によって突発的にキャリブレーション処理が発生する場合がある。
そこで、以下、このような突発的なキャリブレーション処理が発生する場合における消耗品の消費量を考慮した消耗品管理処理について、図6及び図7に基づいて説明する。
CPU101は、突発的なキャリブレーション処理の実行が必要か判断し(ステップS301)、突発的なキャリブレーション処理の実行が必要でないときには、そのまま処理を終了する。
ステップS301で、突発的なキャリブレーション処理が必要であると、CPU101は、必要なキャリブレーション処理(色ずれ補正処理や濃度調整処理等)を実行し(ステップS302)、プリントキューに印刷ジョブがあるかチェックする(ステップS303)。CPU101は、ステップS303で、プリントキューに印刷ジョブがないときには、そのまま処理を終了し、プリントキューに印刷ジョブがあるときには、消耗品の残量Srを検知する(ステップS304)。
すなわち、キャリブレーション処理の実行によって消耗品の残量Srが変化し、印刷ジョブの受信時には消耗品の不足が発生せずに印刷可能と判定されてプリントキューに格納されている印刷ジョブに消耗品不足が発生して、印刷不可に変化する可能性がある。そこで、CPU101は、再度印刷ジョブの実行を完了するまでに消耗品不足が発生する可能性のある印刷ジョブがプリントキューに存在するかを判定するために、まず、プリントキューに印刷ジョブが存在するかチェックして、プリントキューに印刷ジョブが存在すると、消耗品の残量Srのチェックを行う。
次に、CPU101は、プリントキューの先頭の印刷ジョブを、消耗品不足が発生している印刷ジョブであるか否かを調査するための調査ジョブに設定し(ステップS305)、調査ジョブより前のプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqを算出する(ステップS306)。なお、いまの処理では、プリントキューの先頭の印刷ジョブを調査ジョブとしているので、ここで算出される消費量Siqは、「0」である。
次に、CPU101は、設定した調査ジョブの実行によって消費される消耗品の消費量SijをNVRAM106から取得し(ステップS307)、さらに、該調査ジョブが実行されるまでのキャリブレーション(色ずれ補正処理や濃度調整処理等)によって消費される消耗品の消費量Sicを算出する(ステップS308)。
次に、CPU101は、図7に示すように、算出した各消耗品の消費量Sij、Siq、Sicの合計である消費合計Sit(Sit=Sij+Siq+Sic)よりも残量Srの方が多いかチェックし(ステップS309)、消費合計Sitよりも残量Srの方が多いときには、消耗品が該印刷ジョブを完了するまでに無くなることはないとして、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであるかチェックする(ステップS310)。
ステップS310で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブでないときには、プリントキューのいままで調査ジョブであった印刷ジョブの次の印刷ジョブを調査ジョブとして設定し(ステップS311)、ステップS306に戻って、調査ジョブより前のプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqの計算から上記同様に処理して、該調査ジョブの実行が完了するまでに消耗品不足が発生するかチェックする(ステップS309〜S311)。
ステップS310で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであると、CPU101は、突発的なキャリブレーション処理の発生によって新たに消耗品不足が発生した印刷ジョブがないと判断して処理を終了する。
ステップS309で、消費合計Sitが残量Sr以上であると、CPU101は、突発的なキャリブレーション処理の発生によって新たに消耗品不足による印刷不可状態が発生すると判断して、該調査ジョブとして設定した印刷ジョブを実行する前または実行中に消耗品のいずれかまたは全てが無くなって印刷ができなくなる旨の印刷不可警告通知を操作パネル110のディスプレイや外部装置120に行い(ステップS312)、プリントキューの該警告を行った印刷ジョブの消耗品管理情報に警告有りを登録して処理を終了する(ステップS313)。すなわち、突発的なキャリブレーション処理が発生する前には、印刷不可警告通知を行っていない印刷ジョブの要求元に対して、突発的なキャリブレーション処理の発生によって、新たな消耗品不足が発生して印刷不可状態が発生した旨の警告を行うとともに、プリントキューの該印刷ジョブに対して警告情報に印刷不可警告有りの情報を登録する。
さらに、カラー画像形成装置1においては、割り込みジョブの受信によってプリントキューに優先処理される割り込み印刷ジョブが入り込んだ場合には、既に判定した消耗品管理情報に影響を与えることとなる。そこで、CPU101は、割り込み印刷ジョブの発生を考慮した消耗品管理処理を、図8及び図9に示すように行う。
すなわち、CPU101は、外部装置120から印刷ジョブを受信すると(ステップS401)、受信した印刷ジョブ(以下、適宜、受信ジョブという。)が割り込みジョブであるかチェックする(ステップS402)。
ステップS402で、受信ジョブが割り込みジョブでないときには、CPU101は、図4から図7に示したような通常の印刷ジョブに対する処理を実行し(ステップS403))、受信ジョブが割り込みジョブであるときには、受信した印刷ジョブのジョブ情報(ページ数、カラー情報等)に基づいて、該印刷ジョブを印刷するのに使用する各色のトナー量、用紙枚数等の消耗品の消費量Sjを計算する(ステップS404)。
また、CPU101は、算出した消耗品の消費量Sjをプリントキューの先頭に追加登録し、受信した印刷ジョブ(割り込み印刷ジョブ)の印刷画像データをRAM103に格納して(ステップS405)、I/O107を介して入力される各種センサ(各現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kのトナー残量センサ、給紙トレイ11の用紙センサ等)の検出結果や消耗品の消費予測値から消耗品(トナーや用紙P等)の残量Srを検知する(ステップS406)。
次に、CPU101は、プリントキューの先頭の印刷ジョブを調査ジョブに設定し(ステップS407)、調査ジョブより前にプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqを算出する(ステップS408)。なお、いまの処理では、プリントキューの先頭の印刷ジョブを調査ジョブとしているので、ここで算出される消費量Siqは、「0」である。
次に、CPU101は、設定した調査ジョブの実行によって消費される消耗品の消費量SijをNVRAM106から取得し(ステップS409)、さらに、該調査ジョブが実行されるまでのキャリブレーション(色ずれ補正処理や濃度調整処理等)によって消費される消耗品の消費量Sicを算出する(ステップS410)。
次に、CPU101は、図9に示すように、算出した各消耗品の消費量Sij、Siq、Sicの合計である消費合計Sit(Sit=Sij+Siq+Sic)よりも残量Srの方が多いかチェックし(ステップS411)、消費合計Sitよりも残量Srの方が多いときには、消耗品が該印刷ジョブを完了するまでに無くなることはないとして、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであるかチェックする(ステップS412)。
ステップS412で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブでないときには、CPU101は、プリントキューのいままで調査ジョブであった印刷ジョブの次の印刷ジョブを調査ジョブとして設定し(ステップS413)、ステップS408に戻って、調査ジョブより前のプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqの計算から上記同様に処理して、該調査ジョブの実行が完了するまでに消耗品不足が発生するかチェックする(ステップS408〜S413)。
ステップS412で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであると、CPU101は、突発的なキャリブレーション処理の発生によって新たに消耗品不足が発生した印刷ジョブがないと判断して処理を終了する。
ステップS411で、消費合計Sitが残量Sr以上であると、CPU101は、該調査ジョブとして設定した印刷ジョブ以降の印刷ジョブのうち、印刷不可警告通知を行っていない印刷ジョブに対して、該印刷ジョブを実行する前または実行中に消耗品のいずれかまたは全てが無くなって印刷ができなくなる旨の印刷不可警告通知を操作パネル110のディスプレイや外部装置120に行い(ステップS414)、プリントキューの該警告を行った印刷ジョブの消耗品管理情報に警告有りを登録して処理を終了する(ステップS415)。
さらに、カラー画像形成装置1は、プリントキューに一旦登録された印刷ジョブがキャンセルされると、消耗品管理に影響を及ぼす。そこで、CPU101は、印刷ジョブのキャンセルが発生すると、図10及び図11に示すように、印刷ジョブキャンセル時の消耗品管理処理を行う。
すなわち、CPU101は、印刷ジョブのキャンセル要求を操作パネル110または外部I/F105を介して外部装置120から受信すると(ステップS501)、I/O107を介して入力される各種センサ(各現像/トナー収納部63Y、63M、63C、63Kのトナー残量センサ、給紙トレイ11の用紙センサ等)の検出結果や消耗品の消費予測値から消耗品(トナーや用紙P等)の残量Srを検知する(ステップS502)。
次に、CPU101は、キャンセル印刷ジョブの次にプリントキューに登録されている印刷ジョブを調査ジョブに設定し(ステップS503)、キャンセル印刷ジョブをプリントキューから削除する(ステップS504)。
次に、CPU101は、調査ジョブより前にプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqを算出し(ステップS505)、設定した調査ジョブの実行によって消費される消耗品の消費量SijをNVRAM106から取得する(ステップS506)。さらに、CPU101は、該調査ジョブが実行されるまでのキャリブレーション(色ずれ補正処理や濃度調整処理等)によって消費される消耗品の消費量Sicを算出し(ステップS507)、図11に示すように、算出した各消耗品の消費量Sij、Siq、Sicの合計である消費合計Sit(Sit=Sij+Siq+Sic)よりも残量Srの方が多いかチェックする(ステップS508)。
ステップS508で、消費合計Sitが残量Sr以上であると、CPU101は、印刷ジョブのキャンセルの発生による印刷不可状態に変化がないと判断して、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであるかチェックする(ステップS511)。
ステップS511で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブでないときには、CPU101は、プリントキューのいままで調査ジョブであった印刷ジョブの次の印刷ジョブを調査ジョブとして設定し(ステップS512)、ステップS505に戻って、調査ジョブより前のプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqの計算から上記同様に処理して、該調査ジョブの実行が完了するまでに消耗品不足の有無の変化が発生するかチェックする(ステップS505〜S508、S511、S512)。
ステップS511で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであると、CPU101は、印刷ジョブのキャンセルの発生によって新たに消耗品不足が解消した印刷ジョブがないと判断して処理を終了する。
そして、ステップS508で、消費合計Sitよりも残量Srが多いときには、CPU101は、NVRAM16に登録されている該調査ジョブの警告通知情報(警告状態)が印刷不可通知であるかをチェック、すなわち、消耗品管理情報に印刷不可警告通知有りが登録されているかチェックし(ステップS509)、印刷不可警告通知が登録されていないときには、印刷ジョブのキャンセルによって印刷不可状態が新たに解消されたわけではないと判断して、ステップS511に移行して、調査ジョブがプリントキューの最後の印刷ジョブであるかのチェックから上記同様に処理する(ステップS511、S512、S505〜S509)。
ステップS509で、NVRAM16に登録されている調査ジョブの消耗品管理情報に印刷不可警告通知有りが登録されているときには、印刷ジョブのキャンセルによって印刷不可状態が新たに解消されたと判断して、該調査ジョブの印刷ジョブの要求元である外部装置120に印刷可能である旨の警告通知を行うとともに、NVRAM106の該消耗品管理情報に印刷不可警告通知無しを登録し(ステップS510)、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであるかチェックする(ステップS511)。
調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブでないときには、CPU101は、プリントキューのいままで調査ジョブであった印刷ジョブの次の印刷ジョブを調査ジョブとして設定し(ステップS512)、ステップS505に戻って、調査ジョブより前のプリントキューに登録されている印刷ジョブで使用される消耗品の消費量Siqの計算から上記同様に処理する(ステップS505〜S512)。
ステップS511で、調査ジョブがプリントキューの最後尾の印刷ジョブであると、CPU101は、処理を終了する。
このように、本実施例のカラー画像形成装置1は、受け付けた印刷ジョブをプリントキューの所定の処理実行順位に登録して、印刷ジョブ毎に該印刷ジョブを実行することで消費される消耗品の消費量を個別ジョブ消耗品消費量Sjとして算出し、印刷処理の適正化を図るためのキャリブレーションを実行することで消費される消耗品の消費量をキャリブレーション消耗品消費量Scとして算出し、該キャリブレーションを該プリントキューのいずれのタイミングで実行するかを判定して、プリントキューの所定の印刷ジョブ(例えば、最後尾に登録した印刷ジョブ)を調査ジョブとして、該調査ジョブに対して上記算出された個別ジョブ消耗品消費量Sj、前記処理実行順位において該調査ジョブよりも前に該プリントキューに登録されている印刷ジョブに対して算出された個別ジョブ消耗品消費量Sjを合計した前登録ジョブ消耗品消費合計量Sq及び該調査ジョブよりも前に実行すると判定されたキャリブレーションの実行に対して算出された消耗品消費量Scの合計であるキャリブレーション消耗品消費合計量Scを加算して消耗品消費総量St(St=Sj+Sq+Sc)を求めて、検出された消耗品残量Srと比較して調査ジョブとした印刷ジョブに対する消耗品量の適否を判定する消耗品管理処理を実行している。
したがって、調査ジョブとした印刷ジョブの実行が完了するまで消耗品があるか否かをキャリブレーションによる消耗品の消費をも考慮して正確に管理することができ、カラー画像形成装置1の利用性を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、前回キャリブレーションが実行された時点からの印刷ページ数をカウントして、予め設定されているキャリブレーション実行枚数をカウントしたタイミングを、次のキャリブレーションの実行タイミングであると判定している。
したがって、適切なキャリブレーションタイミングを簡単に判定することができ、形成画像の画像品質を向上させつつ、正確に消耗品を管理することができ、カラー画像形成装置1の利用性を向上させることができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、画像データに基づいて変調されたレーザ光をポリゴンモータによって回転駆動されるポリゴンミラーによって主走査方向に偏向して感光体上に照射して静電潜像を形成し、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像して記録媒体に転写させて画像形成するプロッタ部40を備えており、前回キャリブレーションが実行された時点からモータ駆動時間のカウントを開始して予め設定されているキャリブレーション実行駆動時間をカウントしたタイミングを、次のキャリブレーションの実行タイミングであると判定している。
したがって、ポリゴンモータの回転駆動時間に基づいて適切なキャリブレーションタイミングを判定することができ、形成画像の画像品質を向上させつつ、正確に消耗品を管理することができる。その結果、カラー画像形成装置1の利用性を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、消耗品を消費するキャリブレーションとして、色ずれ補正処理と濃度調整処理の複数種類のキャリブレーションを実行し、これらのキャリブレーションの種類毎に実行タイミングを判定して、キャリブレーションの種類毎にキャリブレーション消耗品消費量Scを算出している。
したがって、カラー画像形成装置1の実行する各種キャリブレーションのうち消耗品を消費するキャリブレーションでの消耗品消費量を考慮して、消耗品管理を行うことができ、より一層正確に消耗品を管理することができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、受け付けた印刷ジョブが通常の印刷ジョブであると、該印刷ジョブをプリントキューの処理実行順位の最後尾に登録し、最後尾に登録された該新たな印刷ジョブを調査ジョブとして、消耗品管理処理を実行している。
したがって、プリントキューの最後尾に登録される通常の印刷ジョブを受け付ける毎に適切に、該印刷ジョブの実行を完了するのに充分な消耗品があるかを正確に管理することができ、カラー画像形成装置1の利用性を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、受け付けた印刷ジョブが割り込み印刷ジョブであると、該割り込み印刷ジョブを前記プリントキューの処理実行順位において所定の優位な順位(例えば、処理実行順位の先頭位置)に登録し、該割り込み印刷ジョブを調査ジョブとして、消耗品管理処理を実行するとともに、プリントキューの処理実行順位において該割り込み印刷ジョブよりも後の順位となる全ての印刷ジョブについて、それぞれの印刷ジョブを順次調査ジョブとして消耗品管理処理を実行している。
したがって、割り込み印刷ジョブが発生したときに、該割り込み印刷ジョブの実行が完了するまでの消耗品の管理を正確に行うことができるとともに、該割り込み印刷ジョブが割り込むことで処理順位に影響を受ける全ての印刷ジョブについて消耗品管理をやり直すことができ、割り込み印刷ジョブが発生した場合にも、正確に消耗品管理を行うことができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、プリントキューに登録されている印刷ジョブの削除要求があると、該削除要求のあった印刷ジョブをプリントキューから削除するとともに、削除した印刷ジョブよりも処理実行順位が後の印刷ジョブの順位を順次繰り上げ、該削除印刷ジョブよりも処理実行順位が後の印刷ジョブを順次調査ジョブとして、消耗品管理処理を実行している。
したがって、プリントキューの印刷ジョブのキャンセルが発生した場合に、該印刷ジョブのキャンセルによって処理実行順位が変更する印刷ジョブに対する消耗品管理状況を再確認して、正確な消耗品管理を行うことができ、例えば、消耗品が不足すると判断されていた印刷ジョブが消耗品の不足が解消されて印刷を適切に実行できる等に管理状況を確認し直すことができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、消耗品管理処理の実行結果を操作パネル110のディスプレイに表示出力したり、印刷ジョブの依頼元である外部装置120にメッセージを送信して報知出力している。
したがって、印刷ジョブを依頼したユーザが該印刷ジョブに対する消耗品の管理状況を確認することができ、カラー画像形成装置1の利用性を向上させることができる。
なお、上記説明においては、トナーや用紙を消耗品として用い、色ずれ補正や濃度調整をキャリブレーションとして実行する電子写真方式のカラー画像形成装置1に適用した場合について説明したが、画像形成装置の画像形成方式としては、上記例に限るものではなく、例えば、インクや用紙を消耗品として用い、ノズル詰まり解消処理や色ずれ補正処理等をキャリブレーションとして実行するインク噴射方式の画像形成装置等にも同様に適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。