JP2018049105A - パターン形成方法、凹凸構造体の製造方法及びレプリカモールドの製造方法 - Google Patents

パターン形成方法、凹凸構造体の製造方法及びレプリカモールドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチング耐性を向上させたレジストパターンをマスクとして用いたエッチング処理により高い精度で凹凸構造を形成可能なパターン形成方法、凹凸構造体の製造方法及びレプリカモールドの製造方法を提供する。【解決手段】パターン形成方法は、第1面及びそれに対向する第2面を有する基材の当該第1面上に、複数の凸部と、複数の凹部と、凹部の底部に位置する残膜部とを有する凹凸パターンを形成し、凹凸パターンの残膜部を除去し、ルイス酸性を示す無機化合物を含有するガスに凹凸パターンを曝すことで、無機化合物を凹凸パターン内部で化学反応させ、無機化合物を含有するガスに曝されることで凹凸パターンの凸部間に形成された薄膜を、薄膜を除去可能な酸を含むエッチング液により除去する。【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法、凹凸構造体の製造方法及びレプリカモールドの製造方法に関する。
近年、半導体デバイス(例えば、半導体メモリ等)等の製造工程において、基板の表面に微細凹凸構造を形成した型部材(モールド)を用い、微細凹凸構造を基板等の被加工物に転写することで微細凹凸構造を等倍転写するパターン形成技術であるナノインプリント技術や、微細パターンを有するフォトマスク等を用いたフォトリソグラフィー技術が利用されている。
このような微細凹凸構造や微細パターンを有するナノインプリントモールドやフォトマスク等は、一般に、基板や基板上のハードマスク層の表面に設けたレジスト膜に対して露光・現像を行うことにより、微細凹凸構造や微細パターンに対応するレジストパターンを形成し、その後、当該レジストパターンが形成された基板やハードマスク層を、そのレジストパターンをマスクとするエッチング処理に付することにより製造される。
半導体メモリ等の半導体デバイスもまた、上記ナノインプリントモールドやフォトマスク等と同様に、基板の表面に設けたレジスト膜に対してナノインプリントモールドの微細凹凸構造を転写することにより、又は当該レジスト膜に対して露光・現像を行うことにより微細なレジストパターンを形成し、当該レジストパターンが形成された基板を、そのレジストパターンをマスクとするエッチング処理に付して基板上に微細凹凸構造を形成した後、所定の工程を経て製造される。
微細凹凸構造や微細パターンを有するナノインプリントモールド、フォトマスク、半導体デバイス等を製造するためには、当該微細凹凸構造や微細パターンに対応する微細な寸法のレジストパターンを高い精度で基板上に形成する必要がある。
レジストパターンは、基板や基板上に設けられているハードマスク層等をエッチングするためのマスクとして用いられるものである。そのため、ナノインプリントモールド、フォトマスク、半導体デバイス等における微細凹凸構造や微細パターンを高い精度で形成するために、レジストパターンには、基板やハードマスク層のエッチング処理中に消失してしまわない程度のエッチング耐性が具備されていることが要求される。
このような観点から、従来、レジストパターンの少なくとも側壁にALD(atomic layer deposition)等により側壁保護材料を堆積させることで、当該レジストパターンを高い精度で基板に転写する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、電子線リソグラフィー法、フォトリソグラフィー法により形成したレジストパターンを、トリメチルアルミニウム(TMA)を含むガス及びH2Oを含むガスに交互に曝すことで、プラズマエッチングやミリングに対する耐性に優れた有機レジストマスクを形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2015−122497号公報 米国特許公開2012/0241411
上記特許文献2には、レジストパターンを、トリメチルアルミニウム(TMA)を含むガスと、H2Oを含むガスとに交互に曝すことで、アルミニウムをレジストパターン内部で化学反応させることができ、その結果として、レジストパターンのエッチング耐性を向上させることができることが記載されている。
しかしながら、レジストパターンを、TMAを含むガスとH2Oを含むガスとに交互に曝すことで、レジストパターンにより覆われていない基材表面(例えば、レジストパターンの凹部、基材表面において微細凹凸構造を形成すべき領域以外の領域等)にアルミニウム化合物(Al23等)の薄膜が形成されてしまう。レジストパターンにより覆われていない基材表面のうち、レジストパターンの凹部にアルミニウム化合物の薄膜が形成されてしまうと、当該レジストパターンをマスクとして用いたエッチング処理により基材表面に形成される微細凹凸構造の寸法精度が低下するおそれがある。
また、上記特許文献2に記載の方法における電子線リソグラフィー法、フォトリソグラフィー法に代えて、インプリント法によりレジストパターンを形成すると、当該レジストパターンの凹部の底部に残膜部が形成される。通常、基材表面のエッチング処理に際し、事前に残膜部をドライエッチングやアッシング等により除去するが、残膜部を有するレジストパターンを、TMAを含むガス及びH2Oを含むガスに交互に曝すと、残膜部においてもアルミニウムが反応して当該残膜部のエッチング耐性が向上してしまい、残膜部を除去するのが困難になるおそれがある。
上記課題に鑑みて、本発明は、エッチング耐性を向上させたレジストパターンをマスクとして用いたエッチング処理により高い精度で凹凸構造を形成可能なパターン形成方法、凹凸構造体の製造方法及びレプリカモールドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1面及びそれに対向する第2面を有する基材の当該第1面上に、複数の凸部と、複数の凹部と、前記凹部の底部に位置する残膜部とを有する凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程と、前記凹凸パターンの前記残膜部を除去する残膜部除去工程と、ルイス酸性を示す無機化合物を含有するガスに前記凹凸パターンを所定の条件で曝すことで、前記凹凸パターン内部で前記無機化合物と前記凹凸パターンの構成材料とを化学反応させるガス暴露工程と、前記無機化合物を含有するガスに曝されることで前記凹凸パターンの前記凸部間に形成された薄膜を、エッチング液により除去するウェットエッチング工程とを含み、前記ウェットエッチング工程において用いられる前記エッチング液は、前記薄膜を除去可能な酸を含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する(発明1)。
残膜部が除去された凹凸パターンを、無機化合物を含有するガスに曝すことで、エッチング耐性が向上した凹凸パターンを形成することができるものの、無機化合物に起因する薄膜が当該凹凸パターンの凸部間(基材の第1面上)に形成される。しかしながら、上記発明(発明1)によれば、当該薄膜を除去可能なエッチング液によるウェットエッチング工程に付することで、凹凸パターンの凸部間の薄膜を除去することができる。よって、基材のエッチング処理により高い精度で凹凸構造を形成可能な、エッチング耐性に優れた凹凸パターンを形成することができる。
上記発明(発明1)において、前記ウェットエッチング工程において用いられる前記エッチング液は、前記薄膜の構成物質に対する酸化力が相対的に強い酸と、前記薄膜の構成物質に対する酸化力が相対的に弱い酸とを含む混酸溶液であるのが好ましく(発明2)、前記混酸溶液は、前記酸化力が相対的に強い酸としての硝酸と、前記酸化力が相対的に弱い酸としてのリン酸及び酢酸とを含むのが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記ガス暴露工程にて、前記無機化合物を含有するガスに前記凹凸パターンを曝した後、酸化剤を含有するガスに前記凹凸パターンを曝すのが好ましく(発明4)、前記ガス暴露工程にて、前記無機化合物を含有するガスに前記凹凸パターンを曝す第1工程と、当該第1工程後、酸化剤を含有するガスに前記凹凸パターンを曝す第2工程とを含む一連の工程を複数回繰り返し行うのがより好ましく(発明5)、前記基材として、石英ガラス基板又はシリコン基板を用いることができる(発明6)。
また、本発明は、上記発明(発明1〜6)に係るパターン形成方法により、前記基材の前記第1面上に前記パターンを形成する工程と、前記パターンをマスクとして、前記基材の前記第1面側をエッチングする工程とを有することを特徴とする凹凸構造体の製造方法を提供する(発明7)。
さらに、本発明は、前記第1面上にハードマスク層が形成されてなる前記基材における前記ハードマスク層上に、上記発明(発明1〜6)に係るパターン形成方法により前記パターンを形成する工程と、前記パターンをマスクとして前記ハードマスク層をエッチングすることで、ハードマスクパターンを形成する工程と、前記ハードマスクパターンをマスクとして、前記基材の前記第1面側をエッチングする工程とを有することを特徴とする凹凸構造体の製造方法を提供する(発明8)。
さらにまた、本発明は、上記発明(発明7,8)に係る凹凸構造体の製造方法により製造された前記凹凸構造体をマスターモールドとして用いてレプリカモールドを製造する方法であって、前記マスターモールドと、第1面及びそれに対向する第2面を有する被転写基材とを準備し、前記被転写基材の前記第1面上の被転写材料に前記マスターモールドの凹凸パターンを転写し、前記マスターモールドの凹凸パターンを反転させた凹凸パターンを形成する工程と、前記被転写基材の前記第1面上に形成された前記凹凸パターンをマスクとして前記被転写基材の前記第1面側をエッチングする工程とを有することを特徴とするレプリカモールドの製造方法を提供する(発明9)。かかる発明(発明9)において、前記被転写基材として、石英ガラス基板を用いることができる(発明10)。
本発明によれば、エッチング耐性を向上させたレジストパターンをマスクとして用いたエッチング処理による高い精度で凹凸構造を形成可能なパターン形成方法、凹凸構造体の製造方法及びレプリカモールドの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示すフローチャートである。 図2は、本発明の一実施形態におけるガス暴露工程の各工程を示すフローチャートである。 図3は、本発明の一実施形態におけるパターン形成工程の各工程を切断端面図にて示す工程フロー図(その1)である。 図4は、本発明の一実施形態におけるパターン形成工程の各工程を切断端面図にて示す工程フロー図(その2)である。 図5は、本発明の一実施形態におけるガス暴露工程を実施可能な装置を概略的に示す構成図である。 図6は、実施例(実施例1〜5)及び比較例(比較例1〜3)におけるレジスト膜厚結果を示すグラフである。 図7は、試験例1における飛行時間型二次イオン質量分析結果を示すチャート図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示すフローチャートであり、図2は、本実施形態におけるガス暴露工程の各工程を示すフローチャートであり、図3及び図4は、本実施形態におけるパターン形成工程の各工程を切断端面図にて示す工程フロー図であり、図5は、本実施形態におけるガス暴露工程を実施可能な装置を概略的に示す構成図である。
<パターン形成工程>
第1面11及びそれに対向する第2面12を有する基材10を準備し、当該基材10の第1面11上に樹脂製の凹凸パターン31を形成する(図1のS01,図3(A)〜(C)参照)。
基材10としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板、チタン基板、アルミニウム基板等の金属基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等を用いることができる。
本実施形態においては、基材10の第1面11上に、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸窒化クロム等からなるハードマスク層20が設けられている。本実施形態に係るパターン形成方法によれば、エッチング耐性の向上した樹脂製の凹凸パターン32(図3(D)参照)を形成することができるため、ハードマスク層20の厚さ、すなわちハードマスク層20のエッチング量を大きくしても、エッチング処理中に凹凸パターン32が消失することがない。したがって、本実施形態においては、ハードマスク層20の厚さを1〜30nm程度、好ましくは15〜30nm程度にすることができ、これにより、基材10の第1面11に形成される凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることができる。なお、本実施形態において、このような態様に限定されるものではなく、ハードマスク層20は設けられていなくてもよい。
基材10の厚さは、基板の強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。なお、本実施形態において「透明」とは、波長300〜450nmの光線の透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上である。
樹脂製の凹凸パターン31を構成する樹脂材料は、後述するガス暴露工程(第1ガス暴露工程,図2のS11)にて凹凸パターン31に曝される第1ガスに含有される無機化合物との反応性を示す反応性官能基を有するものである限り、特に制限されない。例えば、カルボニル基、チオカルボニル基、アクリロイル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、エポキシ基等の反応性官能基を有する樹脂材料が用いられ得る。このような樹脂材料としては、インプリントモールドを用いたインプリント処理に一般的に用いられるインプリント樹脂(アクリル系、メタクリル系等の紫外線硬化性樹脂等)や、電子線リソグラフィー処理、フォトリソグラフィー処理に一般的に用いられる電子線感応性樹脂、紫外線感応性樹脂等が好適に用いられ得る。特に、インプリント樹脂においては、電子線リソグラフィー用樹脂やフォトリソグラフィー用樹脂と比較して反応性官能基を多く含む傾向があるため、効率良く反応を進行させ得る。
樹脂製の凹凸パターン31を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、所定の開口部及び遮光部を有するフォトマスクを利用したフォトリソグラフィー法、電子線描画装置を用いた電子線リソグラフィー法、所定の凹凸パターンを有するインプリントモールドを用いたインプリント法等が挙げられ、特に量産性の観点からインプリント法が好適である。
ここで、樹脂製の凹凸パターン31をインプリント法により形成する方法を説明する。
まず、樹脂製の凹凸パターン31に対応する凹凸構造41を有するインプリントモールド40を準備するとともに、基材10のハードマスク層20上にインプリント樹脂膜30を形成する(図3(A)参照)。
次に、インプリント樹脂膜30にインプリントモールド40の凹凸構造41を押し当てて、当該凹凸構造41内にインプリント樹脂を充填させ、その状態でインプリント樹脂膜30を硬化させる(図3(B)参照)。インプリント樹脂膜30を硬化させる方法としては、インプリント樹脂膜30を構成する樹脂材料の硬化タイプに応じた方法を採用すればよく、例えば、当該樹脂材料が紫外線硬化性樹脂であれば、インプリントモールド40を介してインプリント樹脂膜30に紫外線を照射する方法を採用することができる。
硬化したインプリント樹脂膜30からインプリントモールド40を引き離す(図3(C)参照)。このようにして、複数の凸部31a、凹部31b及び凹部31bの底部に位置する残膜部31cを有する、樹脂製の凹凸パターン31をインプリント法により形成することができる。
樹脂製の凹凸パターン31の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、ラインアンドスペース状、ホール状、ピラー状等、用途に応じた形状が挙げられる。樹脂製の凹凸パターン31の寸法は、用途に応じた寸法であればよいが、10nm以上30nm未満(1X〜2Xnm)、特に10nm以上20nm未満(1Xnm)であると、本実施形態に係るパターン形成方法の効果が顕著に現われるため好ましい。樹脂製の凹凸パターン31のアスペクト比は、特に限定されるものではないが、例えば、1〜10程度である。本実施形態においては、エッチングマスクとして利用され得る樹脂製の凹凸パターン32のエッチング耐性が後述するガス暴露工程(図2のS11〜S14,図4(A)参照)を経て向上するため、比較的アスペクト比が小さくても、エッチング処理中に凹凸パターン32が消失することなく、十分にエッチングマスクとしての機能が果たされ得る。
<残膜部除去工程>
インプリント処理により形成された樹脂製の凹凸パターン31の凹部31bの底部には、所定の厚さ(1〜20nm程度、好ましくは5〜10nm程度)の残膜部31cが存在する(図3(C)参照)。この残膜部31cは、ハードマスク層20をエッチングする前に除去されなければならないが、残膜部31cを有する凹凸パターン31に後述するガス暴露工程(図2のS11〜S14,図4(A)参照)を施すと、残膜部31cのエッチング耐性が向上し、残膜部31cを除去し難くなる。そこで、ガス暴露工程(図2のS11〜S14,図4(A)参照)を実施するよりも前に、残膜部31cを除去する(図1のS02,図3(D)参照)。
残膜部31cを除去する方法としては、例えば、酸素プラズマによるアッシング処理、紫外光によるUVオゾン処理、真空紫外光によるVUV処理等が挙げられる。
なお、電子線リソグラフィー法、フォトリソグラフィー法により形成された樹脂製の凹凸パターンにおいても、凸部間に現像残渣が存在することがある。よって、ガス暴露工程(図1のS03,図4(A)参照)を実施するよりも前に、当該現像残渣を除去する。
<ガス暴露工程>
次に、残膜部31cが除去されて得られた凹凸パターン32を有する基材10を所定のガスに曝す(図1のS03)。具体的には、まず、ルイス酸性を示す無機化合物を含有し、キャリアガスとして窒素(N2)等の不活性ガスを含有する第1ガスに樹脂製の凹凸パターン32を所定の条件で曝す(第1ガス暴露工程,図2のS11)。樹脂製の凹凸パターン32を第1ガスに曝すことで、凹凸パターン32内部において、凹凸パターン32を構成する樹脂材料の化学構造中の反応性官能基と無機化合物とを反応させることができる。なお、第1ガス暴露工程における「所定の条件」は、凹凸パターン32の寸法、凹凸パターン32を構成する樹脂材料の種類、第1ガスに含有される無機化合物の種類、エッチング耐性が向上した凹凸パターン32をマスクとしてエッチングするハードマスク層20や基材10を構成する材料の種類等、様々な条件を考慮して条件出しを行い、適宜設定され得る。
第1ガスに含有される無機化合物としては、トリメチルアルミニウム(Al(CH3)3,TMA)、メチルトリクロロシラン、トリス(ジメチルアミノ)アルミニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(IV)、チタン(IV)イソプロポキシド、テトラクロロチタン(IV)、四塩化ケイ素、トリス(t−ペントキシ)シラノール、ビス(エチルメチルアミノ)シランを例示することができる。第1ガスに含有される無機化合物がトリメチルアルミニウム(TMA)であって、反応性官能基がカルボニル基である場合、下記反応式(1)に示すようにトリメチルアルミニウム(TMA)とカルボニル基とが反応する。
Figure 2018049105
ガス暴露工程(図1のS03,図2のS11〜S14)は、例えば、チャンバ51と、ガス投入口52及びガス排気口53を有し、被処理物(本実施形態においては樹脂製の凹凸パターン31が形成されている基材10)を載置可能なステージ54と、ステージ54上に載置された被処理物を加熱可能なヒータとを備える逐次気相化学反応装置50(図5参照)等を用いて行われ得る。なお、ガス暴露工程(図1のS03)は、ALD(atomic layer deposition)装置を用いて行われてもよい。
樹脂製の凹凸パターン32を第1ガスに曝す時間(第1ガス暴露時間)は、例えば、1秒以上、好ましくは30〜10000秒である。第1ガス暴露時間が1秒未満であると、第1ガスに含有される無機化合物が凹凸パターン32の最表面に位置する反応性官能基と結合して凹凸パターン32の最表面に化学吸着し、後述の第2ガスに含まれる酸化剤の作用により凹凸パターン32の表面に無機酸化物の薄膜(いわゆるALD膜)が形成されてしまう。凹凸パターン32の表面に酸化物の薄膜が形成されると、無機化合物が凹凸パターン32内部で化学反応し難くなるため、後述する第2ガス暴露工程(図2のS13)を含むガス暴露工程(図2のS11〜S14)を複数回繰り返す間に、無機酸化物の薄膜が多層に形成されて、凹凸パターン32の寸法が変動してしまう。一方で、第1ガス暴露時間が1秒以上であれば、上記無機化合物が凹凸パターン32の内部の反応性官能基とも反応・結合するため、凹凸パターン32の寸法を実質的に変動させることなく、エッチング耐性を向上させることができる。
第1ガス暴露工程(図2のS11)において、凹凸パターン32を構成する樹脂材料のガラス転移温度未満の温度条件下で、凹凸パターン32を第1ガスに曝すのが好ましい。凹凸パターン32を加熱しながら第1ガスに曝すことで、凹凸パターン32内部において反応性官能基と第1ガスに含まれる無機化合物との反応を促進することができる。本実施形態においては、第1ガス暴露時間が比較的長時間であるため、凹凸パターン32を構成する樹脂材料のガラス転移温度以上の温度条件下にて凹凸パターン32を第1ガスに曝してしまうと、樹脂製の凹凸パターン32が変形してしまうおそれがある。
第1ガス暴露工程(図2のS11)におけるチャンバ51内の処理圧力条件は、例えば、133.3〜1333.2Pa(1.0〜10.0Torr)程度に設定されるのが好ましく、400.0〜933.3Pa(3.0〜7.0Torr)程度に設定されるのがより好ましい。処理圧力条件が133.3Pa(1Torr)未満であると、第1ガスに含有される無機化合物が凹凸パターン32の最表面に位置する反応性官能基と結合して凹凸パターン32の最表面に化学吸着し、後述の第2ガスに含まれる酸化剤の作用により凹凸パターン32の表面に無機酸化物の薄膜(いわゆるALD膜)が形成されてしまうおそれがある。
チャンバ51内に供給される第1ガスの流量は、特に限定されるものではなく、例えば、8.45×10-4〜5.07×10-2Pa・m3/sec(5.0〜300.0sccm)程度である。
次に、チャンバ51内に窒素(N2)等の不活性ガスを供給し、余剰の第1ガスをパージ(排気)する(第1ガスパージ工程,図2のS12)。反応性官能基との反応に寄与しなかった無機化合物を含む第1ガスをチャンバ51内からパージ(排気)することで、後述する第2ガス暴露工程(図2のS13)による効果が良好に奏される。すなわち、凹凸パターン32内部の反応性官能基に結合した無機化合物部位に含まれる残余の反応活性基を効率的に加水分解することができる。かかる第1ガスパージ工程は、例えば10〜10000秒程度実施され得る。
続いて、樹脂製の凹凸パターン32を、酸化剤を含有する第2ガスに所定の条件で曝す(第2ガス暴露工程,図2のS13)。第1ガスに曝された樹脂製の凹凸パターン32を第2ガスに曝すことで、凹凸パターン32を構成する樹脂材料の反応性官能基に結合した無機化合物部位に含まれる残余の反応活性基が加水分解されて水酸基に置換される。その後に脱水縮合反応が起こることで、樹脂製の凹凸パターン32のエッチング耐性を向上させることができる。なお、第2ガス暴露工程における「所定の条件」は、凹凸パターン32の寸法、凹凸パターン32を構成する樹脂材料の種類、第2ガスに含有される酸化剤の種類、エッチング耐性が向上した凹凸パターン32をマスクとしてエッチングするハードマスク層20や基材10を構成する材料の種類等、様々な条件を考慮して条件出しを行い、適宜設定され得る。
第2ガスに含有される酸化剤としては、反応性官能基と結合している無機化合物部位に含まれる残余の反応活性基を水酸基に置換可能なものであればよく、例えば、水(H2O)、酸素(O2)、オゾン、過酸化水素等が挙げられる。
第1ガスに含有される無機化合物がトリメチルアルミニウムであり、反応性官能基がカルボニル基である場合、下記反応式(2)に示すように、カルボニル基と結合しているジメチルアルミニウムに含まれる残余の反応性活性基(2つのメチル基)が酸化剤としての水により加水分解されて水酸基に置換される。その後、下記反応式(3)に示すように、ジヒドロキシアルミニウム部位の脱水縮合反応が起こる。
Figure 2018049105
Figure 2018049105
樹脂製の凹凸パターン32を第2ガスに曝す時間(第2ガス暴露時間)は、好ましくは1〜3600秒、より好ましくは30〜1000秒である。第2ガス暴露時間が1秒未満であると、凹凸パターン32内部の反応性官能基に結合した無機化合物部位に含まれる残余の反応活性基の加水分解反応が十分に行われないおそれがある。
第2ガス暴露工程(図2のS13)において、第1ガス暴露工程(図2のS11)と同様に、凹凸パターン32を構成する樹脂材料の融点以下、好ましくはガラス転移温度未満の温度条件下で、凹凸パターン32を第1ガスに曝すのが好ましい。これにより、樹脂製の凹凸パターン32が軟化し、変形するのを防止しつつ、反応性官能基に結合した無機化合物部位に含まれる残余の反応活性基の加水分解反応を促進することができる。
第2ガス暴露工程(図2のS13)におけるチャンバ51内の処理圧力条件は、133.3〜1333.2Pa(1.0〜10.0Torr)程度に設定されるのが好ましく、400.0〜933.3Pa(3.0〜7.0Torr)程度に設定されるのがより好ましい。
次に、チャンバ51内に窒素(N2)等の不活性ガスを供給し、余剰の第2ガスをパージする(第2ガスパージ工程,図2のS14)。かかる第2ガスパージ工程(図2のS14)は、例えば30〜10000秒程度実施され得る。
この一連のガス暴露工程(図2のS11〜S14)を1サイクルとし、好ましくは複数サイクル繰り返す。より好ましくは、上記ガス暴露工程(図2のS11〜S14)を3〜5サイクル繰り返す。上記ガス暴露工程(図2のS11〜S14)を複数サイクル繰り返すことで、無機化合物を凹凸パターン32内部で効率よく化学反応させることができる。その結果、樹脂製の凹凸パターン32の寸法を変動させることなく、エッチング耐性を効果的に向上させることができる。一方で、上記ガス暴露工程(図2のS11〜S14)の繰り返し回数が多くなりすぎると(例えば、5サイクル超)、過剰な成分(無機酸化物)が凹凸パターン32の表面に析出し、凹凸パターン32の寸法を増大させてしまうおそれがある。
<ウェットエッチング工程>
上記ガス暴露工程(図1のS03,図2のS11〜S14)を施すことで、樹脂製の凹凸パターン32の凸部32a間から露出するハードマスク層20上に無機化合物由来の薄膜60(無機化合物としてTMAを用いた場合にはAl23の薄膜,膜厚:0.1〜10nm程度)が形成される(図4(A)参照)。そのため、この薄膜60をウェットエッチングにより除去する(図1のS04,図4(B)参照)。
上記ウェットエッチング工程(図1のS04)において用いられるエッチング液としては、薄膜60を除去可能な酸を含むものであり、好ましくは、薄膜60を構成する材料に対する酸化力が相対的に強い酸(次亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、硫酸、過酢酸、過マンガン酸、ニクロム酸等)と相対的に弱い酸(リン酸、酢酸、フェノール等)とを含む混酸溶液であり、より好ましくは、当該酸化力が相対的に強い酸としての硝酸と、相対的に弱い酸としてのリン酸及び酢酸とを含む混酸溶液である。かかる混酸溶液におけるリン酸、酢酸及び硝酸の組成比(質量基準)は、60〜80:1〜20:1〜20であるのが好ましく、65〜75:5〜15:1〜5であるのが特に好ましい。上記混酸溶液における各酸の組成比が上記範囲内であることで、樹脂製の凹凸パターン32を損傷させることなく、薄膜60を除去することができる。
ウェットエッチング方法としては、上記樹脂製の凹凸パターン32が形成されている基材10をエッチング液に浸漬させる方法、基材10における凹凸パターン32が形成されている面(第1面11)側にエッチング液を噴射する方法等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記ウェットエッチング工程(図1のS04)においては、樹脂製の凹凸パターン32の凸部32a間に形成された薄膜60を除去可能な程度の低濃度のエッチング液(混酸溶液含有量:1〜80質量%)を用いるエッチング処理、及び/又は当該薄膜60を除去可能な程度の短時間(1〜30秒程度)のエッチング処理を行うのが好ましい。これにより、樹脂製の凹凸パターン32を損傷させることなく、薄膜60を除去することができる。
<ハードマスクパターン形成工程>
続いて、上述したガス暴露工程(図1のS03,図2のS11〜S14)及びウェットエッチング工程(図1のS04)が施された凹凸パターン32をマスクとして用いて、ハードマスク層20をエッチングし、ハードマスクパターン21を形成する(図1のS05,図4(C)参照)。本実施形態においては、樹脂製の凹凸パターン32のエッチング耐性が向上していることで、ハードマスク層20のエッチング処理中に凹凸パターン32が消失してしまうのを防止することができる。したがって、寸法精度の極めて高いハードマスクパターン21が形成される。
このようにして形成されたハードマスクパターン21をマスクとして用いて、基材10の第1面11側をドライエッチングし、凹凸構造2を形成し(図4(D)参照)、最後にハードマスクパターン21を除去することで、凹凸構造体1が製造される(図4(E)参照)。なお、本実施形態においては、凹凸構造体1としてのインプリントモールドを製造する方法を例に挙げて説明したが、この態様に限定されることなく、例えば、凹凸構造体1としてのフォトマスクや、凹凸構造2としての配線パターンを有する半導体チップ等が挙げられる。
本実施形態において製造される凹凸構造体1としてのインプリントモールドは、レプリカモールドを製造するためのマスターモールドとして用いることができる。当該レプリカモールドの製造方法は、マスターモールドとしての凹凸構造体1と、第1面及びそれに対向する第2面を有し、第1面上にハードマスク層(金属クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸窒化クロム等からなる)が形成されているレプリカモールド用基材とを準備する工程、レプリカモールド用基材のハードマスク層上にインプリント樹脂膜(アクリル系、メタクリル系等の紫外線硬化性樹脂等からなる膜)を成膜する工程、凹凸構造体1の凹凸構造2をインプリント樹脂膜に転写し、凹凸構造体1の凹凸構造2を反転させた凹凸パターンをインプリント樹脂膜に形成する工程、レプリカモールド用基材のハードマスク層上に形成された凹凸パターンをマスクとしてハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程、及びハードマスクパターンをマスクとしてレプリカモールド用基材の第1面側をエッチングして、凹凸構造体1の凹凸構造を反転させた凹凸構造をレプリカモールド用基材の第1面に形成する工程を含む。
レプリカモールド用基材としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等が用いられ得る。
上述したように、本実施形態において製造される凹凸構造体1(マスターモールド)は、高精度の凹凸構造2を有する。そのため、それをマスターモールドとして用いて製造されるレプリカモールドもまた、高精度の凹凸構造を有するものとして製造され得る。
上述したように、本実施形態においては、ハードマスクパターン21をエッチングにて形成する際のマスクとして用いられる樹脂製の凹凸パターン32が、極めてエッチング耐性に優れるものであり、樹脂製の凹凸パターン32により覆われていないハードマスク層20上に形成される薄膜60を除去してからハードマスク層20をエッチングしてハードマスクパターン21が形成されることで、ハードマスクパターン21が高い精度で形成される。そのため、高精度のハードマスクパターン21をエッチングマスクとして用いたエッチングにより、基材10の第1面11上に高精度の凹凸構造2が形成される。よって、本実施形態によれば、高精度の凹凸構造2を有する凹凸構造体1を製造することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、第1面11にハードマスク層20が形成されている基材10における当該ハードマスク層20上に樹脂製の凹凸パターン31(32)を形成する態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、ハードマスク層20を有しない基材10の第1面11上に樹脂製の凹凸パターン31(32)を形成してもよい。一般に、凹凸パターン31(32)を構成する樹脂材料としては、基材10を構成する材料との間でエッチングレートの差の小さいものが多く、エッチング耐性を向上させていない樹脂製の凹凸パターンをマスクとして基材10をエッチングすると、基材10のエッチング処理中に凹凸パターンが消失してしまう問題や、凹凸パターンが完全に消失しなくても凹凸パターンの肩部がエッチングされて基材10の第1面11に形成される凹凸構造2の寸法精度が低下してしまう問題が発生する。しかしながら、上記実施形態において形成される凹凸パターン32は、極めて優れたエッチング耐性を有するため、当該凹凸パターン32をマスクとして基材10をエッチングすることで、寸法精度の良好な凹凸構造2を基材10の第1面11に形成することができる。なお、このような態様において、凹凸構造2が形成された基材10の第1面11側から凹凸パターン32を除去すべく、上述した混酸溶液を含むエッチング液の他、アセトン、トルエン等からなるエッチング液を用いたウェットエッチング処理を当該基材10に施すのが望ましい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
反応性官能基としてのカルボニル基を有する電子線レジスト(ZEP520A,日本ゼオン社製)をシリコンウェハの一方面(第1面)上にスピンコートで塗布し、膜厚70nmのレジスト膜を形成した。ALD装置(ウルトラテック社製,製品名:SavannahS200)のチャンバに当該シリコンウェハをセットしてガス暴露工程(図2、S11〜S14)を実施した。
ガス暴露工程においては、まず、下記条件にて、トリメチルアルミニウム(TMA)を含有する第1ガスをチャンバ内に供給した(図2,S11)。
キャリアガス:窒素(N2
処理圧力条件:466.6Pa(3.5Torr)
処理時間:1200秒
ガス流量:3.38×10-3Pa・m3/sec(20sccm)
次に、窒素(N2)を30秒間チャンバ内に供給し、チャンバ内に残存する第1ガスをパージした後(図2、S12)、下記条件にて、第2ガス(H2O)をチャンバ内に供給した(図2,S13)。
処理圧力条件:933.2Pa(7.0Torr)
処理時間:500秒
ガス流量:3.38×10-3Pa・m3/sec(20sccm)
最後に、窒素(N2)を30秒間チャンバ内に供給し、チャンバ内に残存する第2ガスをパージした(図2,S14)。
一連のガス暴露工程を3サイクル実施した後、段差計(Bruker社製,製品名:DimensionX3D)を用いてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前)を測定した。
ガス暴露工程後のシリコンウェハの第1面側に、塩素系ガス(Cl2+O2)によるドライエッチング処理(エッチング時間:60秒)を施し、エッチング処理後のシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング後)を、段差計(Bruker社製,製品名:DimensionX3D)を用いて測定した。レジスト膜厚測定結果を図6に示す。
〔実施例2〕
一連のガス暴露工程を5サイクル実施した以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
〔実施例3〕
一連のガス暴露工程を10サイクル実施した以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
〔比較例1〕
一連のガス暴露工程を1サイクル実施した以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
〔実施例4〕
第1ガスを供給する処理時間を100秒とした以外は、実施例2と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
〔実施例5〕
第1ガスを供給する処理時間を100秒とした以外は、実施例3と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
〔比較例2〕
第1ガスを供給する処理時間を100秒とした以外は、比較例1と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
〔比較例3〕
第1ガスを供給する処理時間を100秒とした以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハの第1面上のレジスト膜厚(エッチング前及びエッチング後)を測定した。レジスト膜厚測定結果を図6にあわせて示す。
実施例1〜5及び比較例1〜3における塩素系ガス(Cl2+O2)によるドライエッチング処理は、ハードマスク層としての金属クロム膜(膜厚:1〜100nm)をエッチングしてハードマスクパターンを形成する一般的な処理方法及び処理条件である。図6に示すように、実施例1〜5においては、ドライエッチング処理後にレジストが十分に残存していることが窺える。この結果から、適切な条件を設定した上でガス暴露工程(図2,S11〜S14)を行うことで、レジストパターンのエッチング耐性を向上させ得るということができる。
〔試験例1〕
一連のガス暴露工程後のシリコンウェハ(実施例2)の第1面側からの深さ方向における組成を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS装置,ionTOF社製,製品名:TOF−SIMS5)を用いて分析した。結果を図7に示す。
図7に示すように、シリコンウェハの第1面上に形成されたレジスト膜内に、アルミニウム酸化物が含まれていることが確認された。このことから、第1ガス暴露工程によりTMAがレジスト膜内部で化学反応していることが確認された。
この結果から、無機化合物を含有する第1ガスに樹脂製の凹凸パターンを曝し、無機化合物を凹凸パターン内部で化学反応させた後、酸化剤を含有する第2ガスに樹脂製の凹凸パターンを曝すことで、樹脂製の凹凸パターンのエッチング耐性を向上させ得ると推察される。
〔実施例6〕
一方面(第1面)上に金属クロムからなるハードマスク層20(膜厚:50nm)が形成されている石英ガラス基板10(152mm×152mm)を準備し、反応性官能基としてのカルボニル基を有する紫外線硬化性樹脂をハードマスク層20上にインクジェットで塗布し、寸法128nmのラインアンドスペース状の凹凸構造41を有するインプリントモールド40を用いたインプリント処理により、石英ガラス基板10の一方面(第1面)上に、ラインアンドスペース状の凹凸パターン31を形成した。
次に、凹凸パターン31の凹部31bの底部に存在する残膜部31cを、酸素プラズマアッシングにより除去し、凹凸パターン32の凸部32a間からハードマスク層20を露出させた。
残膜部31が除去された凹凸パターン32を、実施例1と同様の条件にてガス暴露工程(5サイクル)に付した後、リン酸70質量%、酢酸10質量%及び硝酸2質量%を含む混酸溶液を含むエッチング液(混酸溶液濃度:82質量%)を用い、当該エッチング液に石英ガラス基板を20秒浸漬させた。
その後、凹凸パターン32をマスクとしたドライエッチング処理(Cl2+O2)を行ってハードマスクパターン21を形成し、ハードマスクパターン21をマスクとしたドライエッチング処理により、石英ガラス基板の一方面(第1面)に凹凸構造を形成した。
石英ガラス基板10の一方面(第1面11)に形成された凹凸構造2の寸法及び深さを、段差計(Bruker社製,製品名:DimensionX3D)を用いて測定した。その結果、凹凸構造2の寸法は128nm、深さは60nmであった。
〔比較例4〕
残膜部31cを除去することなくガス暴露工程を行った以外は、実施例6と同様にして石英ガラス基板10の一方面(第1面11)に凹凸構造2を形成しようとした。しかし、残膜部31cを除去することができず、凹凸パターン32の凸部32a間からハードマスク層20を露出させることができなかったため、凹凸構造2を形成することができなかった。
〔比較例5〕
残膜部31cを除去することなくガス暴露工程を行い、かつガス暴露工程後に混酸溶液を含むエッチング液によるウェットエッチング処理を行わなかった以外は、実施例6と同様にして石英ガラス基板10の一方面(第1面11)に凹凸構造2を形成しようとした。しかし、比較例4と同様に、残膜部31cが除去されておらず、凹凸パターン32の凸部32a間からハードマスク層20を露出させることができなかったため、凹凸構造2を形成することができなかった。
実施例6、比較例4及び比較例5の結果から明からなように、一連のガス暴露工程を実施する前に予め残膜部を除去しないと、ガス暴露工程により無機化合物が残膜部の内部で化学反応してしまう。したがって、所定の混酸溶液を含むエッチング液を用いたエッチング処理を行ってもハードマスク層を露出させることができないため、石英基板の加工は極めて困難であることが確認された。
本発明は、半導体デバイスの製造過程等においてエッチングマスクとして用いられる樹脂製の凹凸パターンを形成する方法として有用である。
1…凹凸構造体
10…基材
11…第1面
12…第2面
20…ハードマスク層
21…ハードマスクパターン
31…凹凸パターン
31a…凸部
31b…凹部
31c…残膜部

Claims (10)

  1. 第1面及びそれに対向する第2面を有する基材の当該第1面上に、複数の凸部と、複数の凹部と、前記凹部の底部に位置する残膜部とを有する凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程と、
    前記凹凸パターンの前記残膜部を除去する残膜部除去工程と、
    ルイス酸性を示す無機化合物を含有するガスに前記凹凸パターンを所定の条件で曝すことで、前記凹凸パターン内部で前記無機化合物と前記凹凸パターンの構成材料とを化学反応させるガス暴露工程と、
    前記無機化合物を含有するガスに曝されることで前記凹凸パターンの前記凸部間に形成された薄膜を、エッチング液により除去するウェットエッチング工程と
    を含み、
    前記ウェットエッチング工程において用いられる前記エッチング液は、前記薄膜を除去可能な酸を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記ウェットエッチング工程において用いられる前記エッチング液は、前記薄膜の構成物質に対する酸化力が相対的に強い酸と、前記薄膜の構成物質に対する酸化力が相対的に弱い酸とを含む混酸溶液であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記混酸溶液は、前記酸化力が相対的に強い酸としての硝酸と、前記酸化力が相対的に弱い酸としてのリン酸及び酢酸とを含むことを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記ガス暴露工程にて、前記無機化合物を含有するガスに前記凹凸パターンを曝した後、酸化剤を含有するガスに前記凹凸パターンを曝すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 前記ガス暴露工程にて、前記無機化合物を含有するガスに前記凹凸パターンを曝す第1工程と、当該第1工程後、酸化剤を含有するガスに前記凹凸パターンを曝す第2工程とを含む一連の工程を複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 前記基材が、石英ガラス基板又はシリコン基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のパターン形成方法により、前記基材の前記第1面上に前記パターンを形成する工程と、
    前記パターンをマスクとして、前記基材の前記第1面側をエッチングする工程と
    を有することを特徴とする凹凸構造体の製造方法。
  8. 前記第1面上にハードマスク層が形成されてなる前記基材における前記ハードマスク層上に、請求項1〜6のいずれかに記載のパターン形成方法により前記パターンを形成する工程と、
    前記パターンをマスクとして前記ハードマスク層をエッチングすることで、ハードマスクパターンを形成する工程と、
    前記ハードマスクパターンをマスクとして、前記基材の前記第1面側をエッチングする工程と
    を有することを特徴とする凹凸構造体の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の凹凸構造体の製造方法により製造された前記凹凸構造体をマスターモールドとして用いてレプリカモールドを製造する方法であって、
    前記マスターモールドと、第1面及びそれに対向する第2面を有する被転写基材とを準備し、前記被転写基材の前記第1面上の被転写材料に前記マスターモールドの凹凸パターンを転写し、前記マスターモールドの凹凸パターンを反転させた凹凸パターンを形成する工程と、
    前記被転写基材の前記第1面上に形成された前記凹凸パターンをマスクとして前記被転写基材の前記第1面側をエッチングする工程と
    を有することを特徴とするレプリカモールドの製造方法。
  10. 前記被転写基材が、石英ガラス基板であることを特徴とする請求項9に記載のレプリカモールドの製造方法。
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