JP2018048215A - 画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】界面活性剤等をそれぞれ含有する第1のインク及び第2のインクを記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法である。界面活性剤の臨界ミセル濃度c1(質量%)と、各インク中の界面活性剤の濃度c2(質量%)とが、c1×2≦c2の関係を満たし、界面活性剤のHLB値が13未満であり、第1のインク中の界面活性剤の含有量V1(質量%)が、第2のインク中の界面活性剤の含有量V2(質量%)よりも多く、第1のインクから界面活性剤を除いた液体組成物Xに含有量V2(質量%)となるように界面活性剤を添加した液体組成物X’と、第2のインクから界面活性剤を除いた液体組成物Yに含有量V2(質量%)となるように界面活性剤を添加した液体組成物Y’とが、所定の条件を満たす。
【選択図】なし
Description
[条件A]:水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2より大きく0.3mL・m-2・ms-1/2以下である評価用記録媒体に、前記液体組成物X’の記録領域X’と、前記液体組成物Y’の記録領域Y’とを互いに接触するように記録した場合に、前記記録領域Y’から流れ出た前記液体組成物Y’が前記記録領域X’へと流れ込む。
(i)親水性基及び親油性基を有する、グリフィン法により測定されるHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が13未満である界面活性剤をインクに含有させる。
(ii)界面活性剤の水中における臨界ミセル濃度c1(質量%)と、インク中の界面活性剤の濃度c2(質量%)とが、c1×2≦c2の関係を満たす。
(iii)界面活性剤の含有量をインク毎に調整する。
[条件A]:水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2より大きく0.3mL・m-2・ms-1/2以下である評価用記録媒体に、液体組成物X’の記録領域X’と、液体組成物Y’の記録領域Y’とを互いに接触するように記録する。この場合に、記録領域Y’から流れ出た液体組成物Y’が記録領域X’へと流れ込む。
本発明の画像記録方法は、顔料、樹脂粒子、有機溶剤、界面活性剤、及び水をそれぞれ含有する第1のインク並びに第2のインクを記録媒体に付与する工程(インク付与工程)を有する。本発明の画像記録方法は、さらに、前記第1のインク及び前記第2のインクが付与された前記記録媒体を加熱する工程(加熱工程)を有することが、ブリード現象をより高いレベルで抑制することができるため好ましい。
インク付与工程では、記録媒体にインクを付与する。インクを記録媒体に付与する方式としては、インクジェット方式を採用することが好ましい。すなわち、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。インクジェット方式は、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させるサーマルインクジェット方式であっても、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させるピエゾインクジェット方式であってもよい。
加熱工程では、第1のインク及び第2のインクが付与された記録媒体を加熱する。特に、記録媒体を表面温度70℃以上に加熱することが好ましく、80℃以上に加熱することがさらに好ましい。また、熱による記録媒体の変形を防止する観点から、140℃以下に加熱することが好ましい。本明細書における「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒とした場合に、0.5秒後の搬送された位置における記録媒体の表面温度を意味する。具体的には、記録媒体の搬送速度をV(m/分)とする。そして、記録媒体におけるインクの記録領域Xが、インクが付与された位置(図1中のA)から、記録媒体の搬送方向に沿って「V×0.5/60(m)」移動した位置(図1中のB)における表面温度を測定する。実施例においては、非接触赤外温度計(商品名「デジタル放射温度センサーFT−H20」、キーエンス製)を使用し、表面から略垂直方向に10cm離れた位置から記録媒体の表面温度を測定した。
本発明の画像記録方法で用いるインクセットは、第1のインク及び第2のインクの組み合わせを含む。インクセットは、第1のインク及び第2のインク以外のインク(第3のインク、第4のインク、…)を含んでいてもよい。そして、複数のインクのうちの少なくとも2つのインクが、前述の関係を満たしていればよい。但し、インクセットに含まれるすべてのインクが、前述の関係を満たすことがさらに好ましい。例えば、第1のインク、第2のインク、及び第3のインクによりインクセットが構成される場合、第1のインクと第2のインク、第1のインクと第3のインク、及び第2のインクと第3のインクが、いずれも前述の関係を満たすことが好ましい。
本発明のインクセットを構成する第1のインク及び第2のインクは、顔料、樹脂粒子、有機溶剤、界面活性剤、及び水をそれぞれ含有する。以下、本発明のインクセットを構成するインクに用いることができる成分について説明する。
第1のインク及び第2のインクに含有させる界面活性剤は、親水性基及び親油性基を有する、グリフィン法により測定されるHLB値が13未満、好ましくは4以上10以下の界面活性剤である。また、界面活性剤は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。界面活性剤の市販品としては、以下商品名で、アセチレノールE40、E60(以上、川研ファインケミカル製);ダイノール800、810(以上、エアープロダクツ製);エマルゲン103、104、106、108(以上、花王製)などを挙げることができる。
顔料としては、インクに使用可能な公知の顔料をいずれも使用することができる。顔料を色材として用いることで、記録される画像の耐水性を向上させることができる。インク中の顔料の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクには、色材として、顔料とともに染料を用いることもできる。染料としては、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基を有する水溶性の染料を用いることが好ましい。染料の具体例としては、カラーインデックスに記載された、酸性染料、直接染料、反応性染料などを挙げることができる。また、カラーインデックスに記載されていない染料であっても、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基を有する染料であれば用いることができる。
有機溶剤としては、水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、一般的なインクに使用可能なものを用いることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、グリセリン、ジエチレングリコールが好ましい。インク中の有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、30.0質量%以上であることが好ましく、40.0質量%以上90.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクに用いる水は、脱イオン水(イオン交換水)が好ましい。インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましい。
本発明の画像記録方法で用いるインクセットを構成するインクは、インク粘度や界面活性剤の吸着性能の観点から樹脂粒子を含有する。樹脂粒子としては、ポリウレタン樹脂粒子やアクリル樹脂粒子を用いることが好ましい。インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、画像の堅牢性が不足することがある。一方、樹脂粒子の含有量が15.0質量%超であると、画像の耐固着性などが不足することがある。
[1]ポリウレタン樹脂粒子の物性
ポリウレタン樹脂粒子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000より大きく150,000以下であることが好ましい。また、8,000以上100,000以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が5,000以下であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなり、画像の耐擦過性が不足する場合がある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が150,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などが不足する場合がある。なお、樹脂粒子の重量平均分子量は、例えば、以下に示す装置等を使用して測定及び算出することができる。
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
ポリスチレン標準試料:PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)
ポリウレタン樹脂粒子は、一般的に用いられている従来の方法によって製造することができる。例えば、酸基を有しないポリオールをメチルエチルケトンなどの有機溶剤中で十分に撹拌し溶解させた後、ポリイソシアネート及び酸基を有するジオールを加えて反応させ、ウレタンプレポリマー溶液を得る。次いで、得られたウレタンプレポリマー溶液を中和した後、イオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌することで乳化する。鎖延長剤をさらに添加し、鎖延長反応を行えば、ポリウレタン樹脂粒子を製造することができる。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、ポリイソシアネートに由来するユニットを有する。本明細書における「ポリイソシアネート」とは、2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。ポリウレタンに占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、酸基を有しないポリオールに由来するユニットを有する。ポリウレタンに占める、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本明細書における「酸基を有するジオール」とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の状態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらの酸基を有するジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリウレタンに占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を製造する際には、鎖延長剤を用いてもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネートに由来するユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物;ポリアミドポリアミン;ポリエチレンポリイミンを挙げることができる。
本明細書における「アクリル樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で水性媒体中に分散して存在する、アクリル樹脂によって構成された粒子を意味する。粒径を有しない状態で水性溶媒中に存在する、いわゆる水溶性アクリル樹脂を用いると、界面活性剤の吸着性能が低く、必要な界面活性剤をインク中に含有させることが困難になる場合がある。
以下、一例を挙げつつ、アクリル樹脂粒子の製造方法について説明する。300mLの四つ口フラスコに所定量のモノマー及び蒸留水100gを入れる。撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、セプタムラバー、及び窒素導入管をフラスコに取り付け、70℃の恒温槽中、300rpmで撹拌しながら1時間窒素置換する。蒸留水100gに溶解させた重曹開始剤をシリンジにてフラスコ内に注入して重合を開始する。GPC及びNMRによって重合状況をモニターし、所望の重合反応物を得る。遠心分離した後、得られた沈殿物を蒸留水中に再分散させる工程を繰り返すことで、精製されたアクリル樹脂の水分散体(アクリル樹脂粒子)を得ることができる。得られたアクリル樹脂粒子は、必要に応じて、エバポレーターや限外ろ過などにより濃縮してもよい。
アクリル樹脂粒子を構成するアクリル樹脂を製造する際に用いるモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸を挙げることができる。アクリル樹脂は、これらのモノマーの単重合体であってもよく、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。上記のモノマーと共重合させるモノマーとしては、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン類、イタコン類、マレイン酸類、フマル酸類、アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、グリスジルエステル類、不飽和ニトリル類などを挙げることができる。共重合体とする場合は、共重合体全体に占める、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸に由来するユニットの割合が、モル比率で、60%以上であることが好ましい。
アクリル樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、1nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがさらに好ましく、150nm以下であることが特に好ましい。アクリル樹脂粒子のD50は、以下に示す方法により測定する。まず、樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈して測定用試料を調製する。そして、動的光散乱式の粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」(日機装製))を使用し、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の条件で、樹脂粒子のD50を測定する。
インク中のアクリル樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。アクリル樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、画像の耐擦過性の向上効果が不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の含有量が10.0質量%超であると、インクの吐出安定性の向上効果が不足することがある。
本発明のインクセットを構成するインクには、必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、インクには、必要に応じて、上記以外の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
記録媒体としては、従来、一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。なかでも、水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2以上である記録媒体を用いることが好ましい。また、吸収係数Kaが0.2mL・m-2・ms-1/2以上である記録媒体を用いることがさらに好ましく、0.3mL・m-2・ms-1/2以上である記録媒体を用いることが特に好ましい。記録媒体の吸収係数Kaを導出する方法としては、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」に記載されたブリストー法を用いることができる。ブリストー法については多くの市販図書に説明があるため、詳細な説明は省略するが、濡れ時間Tw、吸収係数Ka(mL・m-2・ms-1/2)、及び粗さ指数Vr(mL/m2)により定義される。
(液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1の調製)
界面活性剤を含有しないこと以外は、最終的に調製しようとするインクと同一組成の液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1を調製した。具体的には、表1に示す材料を混合し、十分撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過した。水酸化カリウム水溶液を適宜添加してpHを9.5に調整して、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1を調製した。
液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1各99部に、界面活性剤(商品名「アセチレノールE40」、川研ファインケミカル製、HLB値=9.5、臨界ミセル濃度≒0.2%)1部をそれぞれ添加した。これにより、以下に示す液体組成物Y’−1、M’−1、C’−1、K’−1を調製した。
液体組成物Y’−1=液体組成物Y−1[99部]+界面活性剤[1部]
液体組成物M’−1=液体組成物M−1[99部]+界面活性剤[1部]
液体組成物C’−1=液体組成物C−1[99部]+界面活性剤[1部]
液体組成物K’−1=液体組成物K−1[99部]+界面活性剤[1部]
ピエゾ型のインクジェットヘッド(商品名「KJ4」、京セラ製、ノズル密度600dpi)を備えたインクジェット記録装置を用意した。このインクジェット記録装置を使用し、2種類の液体組成物の記録領域(ベタ画像)が互いに接触するように配置された画像を評価用記録媒体に記録した。なお、評価用記録媒体としては、商品名「OKトップコート+」(王子製紙製、水に対する吸収係数Ka=0.18mL・m-2・ms-1/2、坪量105g/m2)を用いた。記録条件は、温度23℃、相対湿度55%、インク吐出周波数40kHz、記録媒体の搬送速度100m/分、記録時のインク吐出体積=1ドット当たり約12pLとした。上記のインクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に12ngのインク滴を1ドット付与する条件を、記録デューティーが100%であると定義する。記録した画像を常温で24時間保存した後、画像の境界を目視で確認し、流れ込みの関係を確認した。結果を表2に示す。
インクY−1、M−1、C−1、K−1中の界面活性剤の含有量(部)を、液体組成物と界面活性剤の合計(インク全体)100部に対して、それぞれVY、VM、VC、VKとする。そして、以下に示す(1)〜(3)の手順にしたがってインク中の界面活性剤の含有量(VY、VM、VC、VK)を決定した。
表2に示す流れ込みの関係及び[条件A]を考慮すると、VY、VM、VC、VKの関係は以下のようになる。したがって、まずVK=1.0部と決定した
VK<VC<VM<VY
VY、VM、VCの関係は以下のようになる。
1.0<VC<VM<VY
そして、液体組成物Y−1、M−1、C−1に、界面活性剤(商品名「アセチレノールE40」)VC部をそれぞれ添加して、以下に示す液体組成物Y”−1、M”−1、C”−1を調製した。
液体組成物Y”−1=液体組成物Y−1[100−VC部]+界面活性剤[VC部]
液体組成物M”−1=液体組成物M−1[100−VC部]+界面活性剤[VC部]
液体組成物C”−1=液体組成物C−1[100−VC部]+界面活性剤[VC部]
上記の「(2)VCの決定」と同様にして、VY、VMを調べたところ、VMが「1.3部」であり、VYが「1.4部」であることがわかった。
上記の方法にしたがって決定した界面活性剤の含有量に基づき、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に界面活性剤(商品名「アセチレノールE40」)をそれぞれ添加した。これにより、以下に示すインクY−1、M−1、C−1、K−1で構成されるインクセットを調製した。
インクY−1=液体組成物Y−1[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクM−1=液体組成物M−1[98.7部]+界面活性剤[1.3部]
インクC−1=液体組成物C−1[98.9部]+界面活性剤[1.1部]
インクK−1=液体組成物K−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
ピエゾ型のインクジェットヘッド(商品名「KJ4」、京セラ製、ノズル密度600dpi)を備えたインクジェット記録装置を用意した。このインクジェット記録装置を使用し、水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2以上0.3mL・m-2・ms-1/2以下である記録媒体に、4種類のインクの記録領域(ベタ画像)が互いに接触するように配置された画像を記録した。なお、記録媒体としては、商品名「OKトップコート+」(王子製紙製、坪量105g/m2)を用いた。記録条件は、温度70℃、相対湿度55%、インク吐出周波数40kHz、記録媒体の搬送速度100m/分、記録時のインク吐出体積=1ドット当たり約12pLとした。上記のインクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に12ngのインク滴を1ドット付与する条件を、記録デューティーが100%であると定義する。記録した画像を常温で24時間保存して、印刷物1を得た。
界面活性剤を商品名「ダイノール800」(エアープロダクツ製、HLB値=8、臨界ミセル濃度≒0.1%)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−2、M−2、C−2、K−2で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物2を得た。
インクY−2=液体組成物Y−1[98.2部]+界面活性剤[1.8部]
インクM−2=液体組成物M−1[98.4部]+界面活性剤[1.6部]
インクC−2=液体組成物C−1[98.7部]+界面活性剤[1.3部]
インクK−2=液体組成物K−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
界面活性剤を商品名「アセチレノールE60」(川研ファインケミカル製、HLB値=12.3、臨界ミセル濃度≒0.2%)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−3、M−3、C−3、K−3で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物3を得た。
インクY−3=液体組成物Y−1[98.5部]+界面活性剤[1.5部]
インクM−3=液体組成物M−1[98.7部]+界面活性剤[1.3部]
インクC−3=液体組成物C−1[98.9部]+界面活性剤[1.1部]
インクK−3=液体組成物K−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
表4に示す液体組成物Y−2、M−2、C−2、K−2を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−4、M−4、C−4、K−4で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物4を得た。
インクY−4=液体組成物Y−2[98.1部]+界面活性剤[1.9部]
インクM−4=液体組成物M−2[98.3部]+界面活性剤[1.7部]
インクC−4=液体組成物C−2[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクK−4=液体組成物K−2[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
表5に示す液体組成物Y−3、M−3、C−3、K−3を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−5、M−5、C−5、K−5で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物5を得た。
インクY−5=液体組成物Y−3[98.1部]+界面活性剤[1.9部]
インクM−5=液体組成物M−3[98.3部]+界面活性剤[1.7部]
インクC−5=液体組成物C−3[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクK−5=液体組成物K−3[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
画像記録時の温度を23℃としたこと以外は、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物6を得た。
画像記録時の温度を55℃としたこと以外は、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物7を得た。
画像記録時のインク吐出周波数を20kHzとし、記録媒体の搬送速度を50m/分としたこと以外は、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物8を得た。
記録媒体として、商品名「OKプリンス64」(王子製紙製、水に対する吸収係数Ka12.5mL・m-2・ms-1/2、坪量64g/m2)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物9を得た。
界面活性剤を商品名「エマルゲンE106」(花王製、HLB値=10.5、臨界ミセル濃度≒0.1%)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−10、M−10、C−10、K−10で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物10を得た。
インクY−10=液体組成物Y−1[98.4部]+界面活性剤[1.6部]
インクM−10=液体組成物M−1[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクC−10=液体組成物C−1[98.8部]+界面活性剤[1.2部]
インクK−10=液体組成物K−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
インクK−11中の、インク全体100部に対する界面活性剤の含有量VKを「0.50部」に決定したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−11、M−11、C−11、K−11で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物11を得た。
インクY−11=液体組成物Y−1[99.05部]+界面活性剤[0.95部]
インクM−11=液体組成物M−1[99.15部]+界面活性剤[0.85部]
インクC−11=液体組成物C−1[99.30部]+界面活性剤[0.70部]
インクK−11=液体組成物K−1[99.50部]+界面活性剤[0.50部]
界面活性剤の含有量を変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして、以下に示すインクY−12、M−12、C−12、K−12で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物12を得た。
インクY−12=液体組成物Y−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
インクM−12=液体組成物M−1[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクC−12=液体組成物C−1[98.3部]+界面活性剤[1.7部]
インクK−12=液体組成物K−1[98.1部]+界面活性剤[1.9部]
界面活性剤を商品名「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製、HLB値=14、臨界ミセル濃度=1%以上)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−13、M−13、C−13、K−13で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物13を得た。
インクY−13=液体組成物Y−1[98.0部]+界面活性剤[2.0部]
インクM−13=液体組成物M−1[98.2部]+界面活性剤[1.8部]
インクC−13=液体組成物C−1[98.5部]+界面活性剤[1.5部]
インクK−13=液体組成物K−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
インクK−14中の、インク全体100部に対する界面活性剤の含有量VKを「0.10部」に決定したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−14、M−14、C−14、K−14で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物14を得た。
インクY−14=液体組成物Y−1[99.81部]+界面活性剤[0.19部]
インクM−14=液体組成物M−1[99.83部]+界面活性剤[0.17部]
インクC−14=液体組成物C−1[99.86部]+界面活性剤[0.14部]
インクK−14=液体組成物K−1[99.90部]+界面活性剤[0.10部]
表6に示す液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−15、M−15、C−15、K−15で構成されるインクセットを調製した。しかし、調製したインクセットを構成するインクには界面活性剤が溶解せず、分離している様子が観察された。
インクY−15=液体組成物Y−4[98.1部]+界面活性剤[1.9部]
インクM−15=液体組成物M−4[98.3部]+界面活性剤[1.7部]
インクC−15=液体組成物C−4[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクK−15=液体組成物K−4[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
界面活性剤を商品名「FS3100」(フッ素系界面活性剤、デュポン製、HLB値=9.8、臨界ミセル濃度≒0.1%)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−16、M−16、C−16、K−16で構成されるインクセットを調製した。さらに、調製したインクセットを使用し、前述の実施例1と同様の手順で画像を記録して印刷物16を得た。
インクY−16=液体組成物Y−1[98.3部]+界面活性剤[1.7部]
インクM−16=液体組成物M−1[98.5部]+界面活性剤[1.5部]
インクC−16=液体組成物C−1[98.8部]+界面活性剤[1.2部]
インクK−16=液体組成物K−1[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
表7に示す液体組成物Y−5、M−5、C−5、K−5を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして界面活性剤の含有量を決定した。そして、以下に示すインクY−17、M−17、C−17、K−17で構成されるインクセットを調製した。しかし、調製したインクセットを構成するインクには界面活性剤が溶解せず、分離している様子が観察された。
インクY−17=液体組成物Y−4[98.1部]+界面活性剤[1.9部]
インクM−17=液体組成物M−4[98.3部]+界面活性剤[1.7部]
インクC−17=液体組成物C−4[98.6部]+界面活性剤[1.4部]
インクK−17=液体組成物K−4[99.0部]+界面活性剤[1.0部]
以下に示す各評価項目の評価基準のうち、「A」を好ましいレベル、「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。また、「−」は評価できない又は評価に値せず、許容できないレベルであることを意味する。評価結果を表8に示す。
調製したインクセットを構成するインクの状態を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがってインク化の可否を評価した。
A:全ての材料が均一に溶解又は分散した状態になった。
C:分離して表面に浮く成分や沈殿する成分が確認された。
10分間連続して印刷し続けて各印刷物を作製し、以下に示す評価基準にしたがって連続吐出性を評価した。
A:ドット抜けによるスジが全く発生しなかった。
B:全体の1%以下のノズルでドット抜けによるスジが発生した。
C:全体の1%を超えるノズルでドット抜けによるスジが発生した。
反射濃度計(商品名「RD19I」、グレタグマクベス製)を使用して、作製した印刷物中の黒色印刷領域における最も濃い部分と最も薄い部分の光学濃度をそれぞれ測定し、以下に示す評価基準にしたがって撥きを評価した。
A:最も濃い部分の光学濃度と、最も薄い部分の光学濃度との差が、0.05以下である。
B:最も濃い部分の光学濃度と、最も薄い部分の光学濃度との差が、0.05を超えて0.1以下である。
C:最も濃い部分の光学濃度と、最も薄い部分の光学濃度との差が、0.1を超える。
作製した印刷物中の色間の境界からインクが流れ込んだ先端までの距離を測定し、以下に示す評価基準にしたがって滲み(ブリード)を評価した。
A:流れ込んだ先端までの距離が、0.2mm以下であった。
B:流れ込んだ先端までの距離が、0.2mmより大きく、1.0mm以下であった。
C:流れ込んだ先端までの距離が、1.0mmより大きかった。
Claims (8)
- 顔料、樹脂粒子、有機溶剤、界面活性剤、及び水をそれぞれ含有する第1のインク並びに第2のインクを記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法であって、
前記界面活性剤の水中における臨界ミセル濃度c1(質量%)と、前記第1のインク中及び前記第2のインク中のそれぞれの前記界面活性剤の濃度c2(質量%)とが、c1×2≦c2の関係を満たし、
前記界面活性剤が、親水性基及び親油性基を有する、グリフィン法により測定されるHLB値が13未満の界面活性剤であり、
前記第1のインク中の前記界面活性剤の含有量V1(質量%)が、前記第2のインク中の前記界面活性剤の含有量V2(質量%)よりも多く、
前記第1のインクから前記界面活性剤を除いた液体組成物Xに前記含有量V2(質量%)となるように前記界面活性剤を添加した液体組成物X’と、前記第2のインクから前記界面活性剤を除いた液体組成物Yに前記含有量V2(質量%)となるように前記界面活性剤を添加した液体組成物Y’とが、下記条件Aを満たすことを特徴とする画像記録方法。
[条件A]:水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2より大きく0.3mL・m-2・ms-1/2以下である評価用記録媒体に、前記液体組成物X’の記録領域X’と、前記液体組成物Y’の記録領域Y’とを互いに接触するように記録した場合に、前記記録領域Y’から流れ出た前記液体組成物Y’が前記記録領域X’へと流れ込む。 - さらに、前記第1のインク及び前記第2のインクが付与された前記記録媒体を加熱する工程を有する請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記記録媒体を表面温度70℃以上に加熱する請求項2に記載の画像記録方法。
- 記録する画像の記録解像度(dpi)に対する搬送速度(m/分)の比の値が0.125以上となるように、前記記録媒体を搬送する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 前記記録媒体の水に対する吸収係数Kaが、0.3mL・m-2・ms-1/2以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 顔料、樹脂粒子、有機溶剤、界面活性剤、及び水をそれぞれ含有する第1のインク並びに第2のインクの組み合わせを含むインクセットであって、
前記界面活性剤の水中における臨界ミセル濃度c1(質量%)と、前記第1のインク中及び前記第2のインク中のそれぞれの前記界面活性剤の濃度c2(質量%)とが、c1×2≦c2の関係を満たし、
グリフィン法により測定される前記界面活性剤のHLB値が、13未満であり、
前記第1のインク中の前記界面活性剤の含有量V1(質量%)が、前記第2のインク中の前記界面活性剤の含有量V2(質量%)よりも多く、
前記第1のインクから前記界面活性剤を除いた液体組成物Xに前記含有量V2(質量%)となるように前記界面活性剤を添加した液体組成物X’と、前記第2のインクから前記界面活性剤を除いた液体組成物Yに前記含有量V2(質量%)となるように前記界面活性剤を添加した液体組成物Y’とが、下記条件Aを満たすことを特徴とするインクセット。
[条件A]:水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2より大きく0.3mL・m-2・ms-1/2以下である記録媒体に、前記液体組成物X’の記録領域X’と、液体組成物Y’の記録領域Y’とを互いに接触するように記録した場合に、前記記録領域Y’から流れ出た前記液体組成物Y’が前記記録領域X’へと流れ込む。 - 顔料、樹脂粒子、有機溶剤、界面活性剤、及び水をそれぞれ含有する第1のインク並びに第2のインクの組み合わせを含むインクセットの調製方法であって、
前記界面活性剤の水中における臨界ミセル濃度c1(質量%)と、前記第1のインク中及び前記第2のインク中のそれぞれの前記界面活性剤の濃度c2(質量%)とが、c1×2≦c2の関係を満たし、
グリフィン法により測定される前記界面活性剤のHLB値が、13未満であり、
前記第1のインク中の前記界面活性剤の含有量V1(質量%)が、前記第2のインク中の前記界面活性剤の含有量V2(質量%)よりも多く、
前記第1のインクから前記界面活性剤を除いた液体組成物Xに、前記含有量V2(質量%)となるように前記界面活性剤を添加した液体組成物X’と、前記第2のインクから前記界面活性剤を除いた液体組成物Yに、前記含有量V2(質量%)となるように前記界面活性剤を添加した液体組成物Y’とが、下記条件Aを満たすように、前記第1のインク及び前記第2のインクを調製することを特徴とするインクセットの調製方法。
[条件A]:水に対する吸収係数Kaが0.1mL・m-2・ms-1/2より大きく0.3mL・m-2・ms-1/2以下である記録媒体に、前記液体組成物X’の記録領域X’と、液体組成物Y’の記録領域Y’とを互いに接触するように記録した場合に、前記記録領域Y’から流れ出た前記液体組成物Y’が前記記録領域X’へと流れ込む。
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