JP2016112886A - インクジェット画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法 - Google Patents

インクジェット画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブリード現象が抑制されたインクジェット画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法を提供する。【解決手段】 記録媒体に第1のインク及び第2のインクを付与するインク付与工程を有する画像記録方法であって、第1のインクから一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Xと、第2のインクから一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Yが、条件1を満たし、かつ、液体X及びYにそれぞれ、一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量がV2(質量%)となるように添加した液体X’及び液体Y’とが、条件2を満足することを特徴とするインクジェット画像記録方法。【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法に関する。
近年、インクジェット記録装置などの画像記録装置では、高速記録化が求められている。そして、複数のインクを高速で記録した際に、各インクが吸収されるより速く、隣接するインクが付与されることで、記録媒体上で隣接するインク同士が混ざってしまう現象、所謂、ブリード現象が生じる場合があった。従来、このブリード現象を解決するための方法として、用いる複数のインク間の表面張力の関係に着目した検討がなされてきた(特許文献1及び2)。
特許文献1には、全てのインクの表面張力差を1.0mN/m以下とする方法が開示されている。また、特許文献2には、ブリードが目立ちやすいブラックインクとカラーインクにおいて、ブラックインクの表面張力をカラーインクの表面張力よりも低くする方法が開示されている。
特開2010−064478号公報 特開2007−146135号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1及び2に記載のインクジェット画像記録方法では、ブリード現象が発生してしまう場合があった。
したがって、本発明の目的はブリード現象が抑制されたインクジェット画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクジェット画像記録方法は記録媒体に第1のインク及び第2のインクを付与するインク付与工程を有し、前記第1のインク及び前記第2のインクが何れも、下記一般式(1)で表される界面活性剤を含有し、前記第1のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)が、前記第2のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)より大きく、前記第1のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Xと、前記第2のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Yが、以下の条件1を満たし、かつ、
前記液体X及びYにそれぞれ、前記一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量が前記V(質量%)となるように添加した液体X’及び液体Y’とが、以下の条件2を満足することを特徴とする。
一般式(1)
(CRCHCH(OCHCHOH(一般式(1)において、Rはフッ素原子又は水素原子であり、R及びRはそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R及びRのうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
(条件1)
液体Xの記録領域と液体Yの記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Xの記録領域から液体Xが液体Yの記録領域に流れ込む。
(条件2)
液体X’の記録領域と液体Y’の記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Y’の記録領域から液体Y’が液体X’の記録領域に流れ込む。
本発明によれば、ブリード現象が抑制されたインクジェット画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法を提供することができる。
本発明のインクジェット画像記録方法に用いられる画像記録装置の一例を示す模式図である。 記録媒体の吸収係数Kaを説明するための吸収曲線の一例を示す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは先ず、複数のインク間の表面張力の関係を規定した特許文献1や2などの従来技術においてブリードが発生してしまう場合があった原因について検討をした。その結果、従来技術は、異なるインク間における“流れ込み”の観点から、インクの表面張力の関係を規定していたが、それ以外の因子も強く影響していることが分かった。つまり、インク同士の流れ込みの関係は、インクの表面張力では完全には評価できず、インクの表面張力を制御するだけではインク同士の流れ込みを抑制することができない場合があることが分かった。
そこで、本発明者らは、インク同士の流れ込みの関係を以下に示す試験方法で評価することに至った。具体的には、以下の通りである。
2種の液体をそれぞれ第1の液体及び第2の液体としたときに、記録媒体に対して、第1の液体の記録領域と第2の液体の記録領域とが互いに接触するように画像を記録し、どちらの記録領域から液体の流れ込みが起きているのかを目視で確認することで流れ込みの関係を評価する。このとき、普通紙のように液体の吸収性が高い記録媒体では液体の流れ込みの発生が分かりにくく、一方、ガラスや塩化ビニルフィルムのように液体の吸収性がないような記録媒体では液体の流れ込みが何れの記録領域の方向にも発生する場合があり判別がしにくいことから、上記試験用の記録媒体としては、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体を用いるものとする。水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体としては、印刷用紙が挙げられる。市販されているものでは、例えば、OKトップコート+(王子製紙製、Ka=0.18)、特菱アート(三菱製紙製、Ka=0.12)、リサイクルコートT−6(日本製紙製、Ka=0.29)などが挙げられる。
続いて本発明者らは、上記試験方法によってインク同士の流れ込みの関係を明確にしたインクセットに関して、ブリード現象を抑制するための方法を検討した。その結果、
一般式(1)
(CRCHCH(OCHCHOH(一般式(1)において、Rはフッ素原子又は水素原子であり、R及びRはそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R及びRのうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
で表される界面活性剤の含有量(添加量)を調整する、という本発明に至った。
具体的には、後述する条件1を満足する液体A及びBに対して、それぞれ一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量が「V(質量%)」となるように添加した液体A’及び液体B’が、後述する条件2を満足するときに、
液体Aに、一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量がV(質量%)となるように添加することで調製されるインクを「第1のインク」とし、液体Bに、一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量がV(質量%)となるように添加することで調製されるインクを「第2のインク」とすると、
第1のインクにおける、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)が、第2のインクにおける、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)より大きく、含有量V(質量%)が条件2を満足するように導き出された「V(質量%)」以上である(即ち、V、V、Vが、V>V≧Vの関係を満足する)ようにインクセットを調製する方法により、ブリード現象が抑制されたインクセットを得ることができるものである。
(条件1)
液体Aの記録領域と液体Bの記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Aの記録領域から液体Aが液体Bの記録領域に流れ込む。
(条件2)
液体A’の記録領域と液体B’の記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体B’の記録領域から液体B’が液体A’の記録領域に流れ込む。
以上の調製方法によって得られたインクセットは、以下の関係を満足する。即ち、第1のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)が、前記第2のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)より大きく、第1のインクから一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Xと、第2のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Yが、以下の条件1を満たし、かつ、液体X及びYにそれぞれ、一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量が前記V(質量%)となるように添加した液体X’及び液体Y’とが、以下の条件2を満足する。
(条件1)
液体Xの記録領域と液体Yの記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Xの記録領域から液体Xが液体Yの記録領域に流れ込む。
(条件2)
液体X’の記録領域と液体Y’の記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Y’の記録領域から液体Y’が液体X’の記録領域に流れ込む。
したがって、このような第1のインク及び第2のインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有するインクジェット画像記録方法によってブリード現象が抑制される。
上記構成によって、本発明の効果が得られるメカニズムを本発明者らは以下のように推測している。
本発明者らは、上記の試験方法で、インク同士の流れ込みが発生している液体のセットに関し、インクが流れ込まれている方のインクに、インクが流れ込んでいる方のインクよりも、一般式(1)で表される界面活性剤を多く添加することが必要であることを見出した。
最終的に調製される2種のインクを「第1のインク」、「第2のインク」とし、それぞれのインクから一般式(1)で表される界面活性剤を除いたもの、即ち、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量を0質量%としたものを「液体X」、「液体Y」とする。即ち、液体Xに一般式(1)で表される界面活性剤を添加することで第1のインクが調製され、液体Yに一般式(1)で表される界面活性剤を添加することで第2のインクが調製される。そして、更に、この液体XとYについて上記試験方法により流れ込みの関係を評価した際に、「液体Xの記録領域から液体Yの記録領域に液体Xが流れ込む」(本発明における「条件1を満足する」)という結果となったとする。このとき、(液体Yに一般式(1)で表される界面活性剤を添加することで調製される)第2のインクの全質量に対する、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量(質量%)が、(液体Xに一般式(1)で表される界面活性剤を添加することで調製される)第1のインクの全質量に対する、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量(質量%)より小さい構成とすることで、ブリード現象が抑制される。
更に、本発明者らは、高いブリード現象抑制効果を得るためには、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量が少ない方のインク(本発明における「第2のインク」)における、一般式(1)で表される界面活性剤の添加量(本発明におけるV)に関しても、満たすべき条件があることを見出したものである。
具体的には、上記の液体X及び液体Yに関して、一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量が前記V(質量%)となるように添加した液体X’及び液体Y’とにおける流れ込みの関係が、液体X及び液体Yにおける流れ込みの関係と逆転する(本発明における「条件2を満足する」)ような含有量Vとなるように、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量が少ない方のインク(本発明における「第2のインク」)に、一般式(1)で表される界面活性剤を添加する(即ち、本発明におけるVがV以上となる)ことで高いブリード現象抑制効果が得られることを見出したものである。また、前記V(質量%)は0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。前記Vが上記範囲を満たすことで、インクジェット吐出安定性をより向上させることができる。
本発明者らの検討によると、第1のインクの固形分(顔料や樹脂)の含有量と、第2のインクの固形分の含有量を揃えた方が上記ブリード現象の抑制効果がより高いレベルで得られることが分かった。具体的には、第1のインクの固形分の含有量が、第2のインクの固形分の含有量に対して、質量比率で0.5倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
[インクジェット画像記録方法]
本発明のインクジェット画像記録方法は、記録媒体に第1のインク及び第2のインクを付与するインク付与工程を有する。本発明においては、更に、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程を有することが、ブリード現象がより高いレベルで抑制されるため好ましい。加熱工程に関する詳細は後述する。
図1は、本発明のインクジェット画像記録方法に用いられる画像記録装置の一例を示す模式図である。図1に示す画像記録装置においては、ロール状に巻かれた記録媒体Pを用いて記録を行い再度ロール状に巻き取る形態を示しており、ロール状に巻かれた記録媒体Pを保持して供給するためのユニットである記録媒体供給手段1、記録媒体Pにインクを付与するためのユニットであるインク付与手段2、記録媒体Pを加熱するためのユニットである加熱手段3、画像が記録された記録媒体Pを巻き取るためのユニットである記録媒体回収手段4の各ユニットを備える。記録媒体Pは図中の実線で示した記録媒体搬送経路に沿ってローラー対やベルトなどからなる搬送手段で搬送され、上記各ユニットで処理がなされる。また、記録媒体回収手段4でロール状に巻き取った記録媒体Pを別の装置などに供給して、記録媒体Pを所望の大きさに切断したり、製本したりするなどの処理を行ってもよい。
また、本発明においては、記録媒体Pを搬送する搬送工程における、記録媒体を搬送する速度が、50m/分以上であることが好ましい。更には100m/分以上であることが好ましい。
また、本発明においては、記録媒体に、張力がかかっていることが好ましい。つまり、画像記録装置が、張力を生じさせる張力付与手段を有することが好ましい。具体的な方法としては、図1における記録媒体供給手段1と記録媒体回収手段4との間の搬送機構において、記録媒体に張力を生じさせる張力付与部や記録媒体の張力を調整する張力調整部などを設ければよい。
記録媒体にかかる張力としては、20N/m以上であることが好ましい。即ち、インク付与工程において、インクが20N/m以上の張力がかかっている記録媒体に付与されることが好ましい。20N/mとすることで、上記インク中の水による記録媒体の繊維の膨潤がより効率的に抑制される。更には、記録媒体にかかる張力が30N/m以上であることがより好ましく、40N/m以上100N/m以下であることが特に好ましい。
以下、インク付与工程や加熱工程について、より詳細に説明する。
(1)インク付与工程
本発明において、インク付与工程は記録媒体Pにインクを付与する。インクを記録媒体Pに付与する方式としては、インクジェット方式を用いる。つまり、本発明の画像記録方法は、インクジェット画像記録方法である。また、インクジェット方式としては、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、サーマルインクジェット方式でも、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、ピエゾインクジェット方式でもよい。
本発明は、1パス記録方式の場合に適用することが好ましい。本明細書において、「1パス記録方式」とは、記録ヘッドと記録媒体Pとの1回の相対走査によって記録媒体P上の単位領域に記録すべき画像を完成させる記録方式をいう。「記録媒体P上の単位領域と記録ヘッドとの相対走査」とは、記録ヘッドが移動することによって、記録媒体Pの単位領域に対して記録ヘッドが相対的に走査する動作、又は、記録媒体Pが搬送されることによって、記録ヘッドに対して記録媒体Pの単位領域が相対的に走査する動作を指す。特に、記録ヘッドの吐出口の配列長さに対応する領域の画像を記録ヘッドの1回の走査(記録媒体の幅方向の走査)により記録する記録方式の場合に本発明を適用することがより好ましい。
また、1パス記録方式のインクジェット画像記録方法の場合、前記第2のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)が0.8質量%以上であることが好ましい。前記Vが上記範囲を満たすことで、1パス記録方式のインクジェット画像記録方法であっても画像の白抜けがより生じにくくなるためである。
(2)加熱工程
上述の通り、本発明のインクジェット画像記録方法は、インクが付与された記録媒体Pを加熱する加熱工程を有してもよい。記録媒体Pを加熱する方法としては、ヒーターを設けて記録媒体Pの表面側(インクが付与される側)及び/又は裏面側から加熱する方法などが挙げられる。
加熱工程においては、インクが付与された記録媒体Pの表面温度が70℃以上となるように加熱することがより好ましく、80℃以上となるように加熱することがより好ましい。また、記録媒体Pが熱によって変形することを防止する観点から、140℃以下であることが好ましい。
本発明において、「インクが付与された記録媒体Pの表面温度」とは、インクが記録媒体Pに付与された時点を0秒としたときに、記録媒体が0.5秒後に搬送された位置における、記録媒体の表面における温度を意味する。具体的には、記録媒体Pの搬送速度をV(m/分)としたときに、記録媒体Pにおけるインクの記録領域Xが、インクが付与された位置(図1における位置A)から、記録媒体Pの搬送方向に沿って“V×0.5/60(m)”移動した位置(図1における位置B)における、記録媒体Pの記録領域Xの表面における温度を測定すればよい。尚、本発明の実施例においては、記録媒体Pの表面における温度を非接触赤外温度計 デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)を用いて、記録媒体Pの表面に対して概垂直方向に10cmの位置から測定した。
本発明において、加熱工程における加熱は、インクが付与される前からインクが付与された後にかけて連続して行われていてもよい。本発明においては、インクが記録媒体Pに付与される前は、加熱されていない、又は、加熱されていたとしても記録媒体Pの表面温度が60℃以下であることが好ましい。更には、加熱されていない、又は、加熱されていたとしても記録媒体Pの表面温度が40℃以下であることがより好ましい。
また、加熱工程において、記録媒体Pを加熱する際に、例えば加圧ローラーなどを使用し、記録媒体Pを加圧してもよい。加圧することで、画像の定着性を向上することができる。尚、加圧する際は、加熱工程の全てに亘って加圧しなくても、加熱工程の一部において加圧するようにしてもよい。また、多段階に加圧してもよい。尚、加熱工程の後に、更に加圧工程を有していてもよい。
[インクセット]
本発明のインクセットは、少なくとも第1のインク及び第2のインクを含む。本発明においては、第1及び第2のインクの他に、更に別のインクを複数有していてもよい。そして、複数のインクのうちの少なくとも2つのインクが、上述の関係を満足しさえすれば本発明の効果は得られるが、インクセットを構成する全てのインク同士が、上述の関係を満足することがより好ましい。例えば、第1及び第2のインクに加えて、第3のインクを更に有するとしたとき、第1のインクと第2のインクが上述の関係を満足することに加えて、更に、第1のインクと第3のインクや、第2のインクと第3のインクが、上述の関係を満足することがより好ましい。
以下、本発明のインクに用いることができる成分について、第1及び第2のインクを挙げて説明をするが、インクセットを構成するその他のインクについても同様である。
<インク>
本発明の第1のインク及び第2のインクは何れも、一般式(1)で表される界面活性剤を含有する。その他に、色材、水溶性有機溶剤、水、その他の成分を含んでもよい。以下、本発明の第1及び第2のインクに用いることができる成分について、それぞれ説明する。
(界面活性剤)
本発明のインクは、下記一般式(1)で表される界面活性剤を含有する。
一般式(1)
(CRCHCH(OCHCHOH(一般式(1)において、Rはフッ素又は水素であり、R及びRはそれぞれ独立にフッ素又は水素であり、R及びRのうち少なくとも何れかはフッ素である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
上記一般式(1)で表される界面活性剤としては、例えば、FS3100(デュポン製)やメガファックF−444(DIC製)が挙げられる。
一般式(1)で表される界面活性剤のグリフィン法によるHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)が、4以上15以下であることが好ましい。更には、6以上10以下であることが好ましい。
第1のインク全質量を基準とした、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量が、0.01質量%以上3.00質量%以下であり、第2のインク全質量を基準とした、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量が、インク全質量を基準として、0.01質量%以上3.00質量%以下であることが好ましい。
また、本発明においては、第1のインク及び第2のインクが更に、一般式(1)で表される界面活性剤とは異なるノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。その場合、インク全質量を基準とした、ノニオン性界面活性剤の含有量に対する、一般式(1)で表される界面活性剤の含有量が、質量比率で0.1倍以上2倍以下であることが好ましい。また、一般式(1)で表される界面活性剤と併用するノニオン性界面活性剤としては、アセチレングリコール及びアセチレングリコールにエチレンオキシドを付加したノニオン性界面活性剤が好ましい。
(色材)
本発明のインクは、更に色材を含有してもよい。色材としては顔料及び染料が挙げられ、従来公知のものを何れも使用する事ができる。本発明においては、画像の耐水性の観点から、顔料を用いる事が好ましい。色材の含有量としては、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下が好ましく、更には1.0質量%以上10.0質量%以下とするのがより好ましい。
本発明において、色材として顔料を用いる場合、顔料の分散方法としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合顔料)や顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)が挙げられる。無論、分散方法の異なる顔料を併用する事も可能である。具体的な顔料としては、カーボンブラックや有機顔料を用いる事が好ましい。また、顔料は1種又は2種以上を組み合わせて用いる事ができる。
自己分散顔料とは、少なくとも1種の親水性基が直接、又は、他の原子団(−R−)を介して顔料表面に結合している顔料を意味する。親水性基としては、−COOM、−SOM、−POHM、−POなどが挙げられる。上記式中の「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであることが好ましい。本発明においては、アンモニウム又は有機アンモニウムの場合と比較して、インクの吐出安定性が良好となるため、「M」がリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属であることがより好ましい。尚、インク中の親水性基の形態は、その一部が解離又は全てが解離した状態の何れの形態であってもよい。また、上記他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12のアルキレン基、置換若しくは非置換のフェニレン基、又は、置換若しくは非置換のナフチレン基などが挙げられる。本発明のインクに使用することのできる自己分散顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられ、インクに使用可能なものとして公知の顔料を何れも使用することができる。
自己分散無機顔料としては、カーボンブラックなどの公知の無機顔料の表面に親水性基を導入した顔料が挙げられる。自己分散カーボンブラックとしては、例えば、CAB−O−JET200、300、352K、400(以上、キャボット製)が挙げられる。
自己分散有機顔料としては、公知の有機顔料の表面に親水性基を導入した顔料が挙げられる。具体的な顔料種としては、以下の通りである。シアン顔料としては銅フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:2、15:3、15:4、16、22、60が挙げられる。自己分散シアン顔料としては、例えば、CAB−O−JET250C、450C、554B(以上、キャボット製)が挙げられる。マゼンタ顔料としてはキナクリドン顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、112、119、122、123、146、168、184、202、207が挙げられる。自己分散マゼンタ顔料としては、例えば、CAB−O−JET260M、265M、465M、480V(以上、キャボット製)が挙げられる。イエロー顔料としてはアゾ顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Yellow 12、13、14、16、17、74、83、93、95、97、98、114、128、129、151、154が挙げられる。自己分散イエロー顔料としては、例えば、CAB−O−JET270Y、470Y、740Y(以上、キャボット製)が挙げられる。
また、樹脂分散顔料の場合は、樹脂を分散剤として用いる。分散剤として用いる樹脂は親水性部位と疎水性部位を共に有する事が好ましい。具体的には、アクリル酸やメタクリル酸などカルボキシル基を有するモノマーとスチレンなどの芳香族基を有するモノマーを共重合した樹脂;ジメチロールプロピオン酸などアニオン性基を有するジオールを用いて重合したウレタン樹脂などが挙げられる。また、分散剤として用いる樹脂の酸価は50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である事が好ましい。また、分散剤として用いる樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上15,000以下である事が好ましい。また、インク中の樹脂分散剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下、更には、0.2質量%以上4.0質量%以下である事が好ましい。また、樹脂分散剤の含有量が、顔料の含有量に対して、質量比率で0.1倍以上1.0倍以下である事が好ましい。
ブラックインク用の樹脂分散顔料としてはカーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、Raven:1060、1080、1170、1200、1250、1255、1500、2000、3500、5250、5750、7000、5000 ULTRAII、1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン製);Black Pearls L;MOGUL−L;Regal:400R、660R、330R;Monarch:800、880、900、1000、1300、1400(以上、キャボット製);Color Black:FW1、FW2、FW200、18、S160、S170;Special Black:4、4A、6;Printex:35、U、140U、V、140V(以上、デグッサ製);No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、No.2600、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)が挙げられる。
シアンインク用の樹脂分散顔料としては銅フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:2、15:3、15:4、16、22、60が挙げられる。
マゼンタインク用の樹脂分散顔料としてはキナクリドン顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、112、122、123、146、168、184、202、207が挙げられる。
イエローインク用の樹脂分散顔料としてはアゾ顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Yellow 12、13、14、16、17、74、83、93、95、97、98、114、128、129、151、154が挙げられる。
また、本発明において、色材として染料を用いる場合、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基があることで水溶性を有する染料を用いることが好ましく、具体的には、カラーインデックスに記載された、酸性染料、直接染料、反応性染料などが挙げられる。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基を少なくとも有する染料であれば、好適に使用することができる。
また、本発明に係る第1のインクはブラックインクであり、本発明に係る第2のインクはシアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクからなる群から選択されるいずれかのインクであることが好ましい。第1のインクおよび第2のインクがそれぞれ上記のインクであることで、ブリード現象による画像欠陥がより目立ちにくくさせることができるためである。
(水性媒体)
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤を含有してもよい。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。中でも、グリセリン及びジエチレングリコールを含有することが好ましい。
本発明においては、第1のインク及び第2のインクにおける水溶性有機溶剤の含有量が、インク全質量を基準として、それぞれ30質量%以上であることが好ましい。更には、40質量%以上がより好ましい。また、90質量%以下が特に好ましい。
インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明のインクは、必要に応じて、上記以外の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
<記録媒体>
本発明で使用する記録媒体は、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、浸透性の記録媒体である普通紙や光沢紙;難浸透性の記録媒体である印刷用紙;非浸透性の記録媒体であるガラス、プラスチックなどのフィルムが挙げられる。中でも、記録媒体の水に対する吸収係数Kaが、0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体を用いることが好ましい。
尚、本発明において、記録媒体の吸収係数Kaを導出する方法として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の『紙及び板紙の液体吸収性試験方法』に記載されたブリストー法を用いるものとする。ブリストー法については多くの市販図書に説明があるため、詳細な説明は省略するが、吸収量を、濡れ時間Tw、吸収係数Ka(mL/m・ms1/2)と粗さ指数Vr(mL/m)により定義する。吸収曲線の例を図2に示す。図2に示した吸収曲線は、液体が記録媒体に接触した後、濡れ時間Twを経て記録媒体の内部への浸透が始まるという浸透モデルに基づいたものである。濡れ時間Twの後における直線の傾きが吸収係数Kaであり、この吸収係数Kaは記録媒体の内部への液体の浸透速度に対応している。尚、濡れ時間Twは、図2に示すように、吸収係数Kaを算出するための最小二乗法による近似直線Aと、液体の転移量V、粗さ指数Vrで表されるV=Vrの直線Bとの交点ABを求め、この交点ABまでの時間として求める。本発明においては、記録媒体に浸透させる液体として、25℃の水を用いる。即ち、本発明におけるKaは、25℃の水に対する吸収係数である。
尚、本発明においては、上述の通り、インク同士の流れ込みを評価する試験方法において、「水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体」を用いているが、上記記録媒体を用いる理由はインク同士の流れ込みを目視で特に確認しやすいからであって、インク付与工程において第1及び第2のインクを付与する記録媒体と異なる場合も当然本発明に含まれる。
また、本発明のインクジェット記録方法に用いる記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであっても、また、ロール状に巻かれた記録媒体を用い、画像形成後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。上述の通り、記録媒体に張力をかけやすいため、ロール状に巻かれた記録媒体を用いる方が好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1:インクY−1、M−1、C−1、K−1のセットの調製]
インクY−1、M−1、C−1、K−1は、何れも一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を含有するインクである。尚、FS3100のグリフィン法によるHLB値は9.8である。このインクセットの調製方法を以下に示す。
<液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1の調製>
先ずは、インクY−1、M−1、C−1、K−1のベースとなる液体組成物として、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1を調製する。液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1は何れも、界面活性剤を含有しない以外は、最終的に調製したいインクと同じ組成を有する。各組成を表1に示す。これらの材料を混合し、十分撹拌して分散した後、ガラスフィルターAP20(MILLIPORE製)でろ過し、更に、水酸化カリウム水溶液を適宜加えることでpHを9.5に調整した。
<液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1の流れ込みの関係>
液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1の流れ込みの関係は表2の通りである。流れ込みの評価は以下のように行った。
1パス記録方式用のインクジェットヘッドであるピエゾインクジェットヘッドKJ4(京セラ製;ノズル密度600dpi)を搭載したインクジェット記録装置に充填した。そして、水に対する吸収係数Kaが0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である王子製紙製のOKトップコート+(坪量105g/m)に対し、2種類の液体組成物を用いたベタ画像(記録デューティーが100%)同士が隣接するように画像を記録した。尚、記録条件は、温度23℃、相対湿度55%、インク吐出周波数40kHz、記録媒体の搬送速度100m/分、記録時のインク吐出体積1ドット当たり約12plである。また、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に12ngのインク滴を1ドット付与する条件を記録デューティーが100%であると定義される。
そして、得られた画像を常温で24時間保存した後、画像の境界を目視で確認し、流れ込みの関係を確認した。
<インクY−1、M−1、C−1、K−1の界面活性剤の含有量の決定>
インクY−1、M−1、C−1、K−1の界面活性剤の含有量(部)をそれぞれV、V、V、Vとし、ベースとなる液体組成物と界面活性剤の合計の含有量(即ち、インク全体)を100部とすると、上記流れ込みの関係及び条件(1)を考慮すると、V、V、V、Vの関係は以下のようになる。
<V<V<V
<1>Vの決定
ここで、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に、界面活性剤をV(部)添加した液体組成物(全体が100部)をそれぞれ液体組成物Y’−1、M’−1、C’−1、K’−1とする。即ち、以下の通りである。
液体組成物Y’−1=液体組成物Y−1[100−V部]+界面活性剤[V部]液体組成物M’−1=液体組成物M−1[100−V部]+界面活性剤[V部]液体組成物C’−1=液体組成物C−1[100−V部]+界面活性剤[V部]液体組成物K’−1=液体組成物K−1[100−V部]+界面活性剤[V部]このとき、液体組成物Y’−1、M’−1、C’−1、K’−1間の流れ込みの関係が(条件2)を満足する、即ち、下記表3を満足するような、Vを調べたところ、Vが「1.0部」であった。尚、流れ込みの関係は上述の方法と同様にした。
<2>Vの決定
インクY−1、M−1、C−1の界面活性剤の含有量(部)であるV、V、Vの関係は以下のようになる。
1.0<V<V<V
ここで、液体組成物Y−1、M−1、C−1に、界面活性剤をV(部)添加した液体組成物(全体が100部)をそれぞれ液体組成物Y”−1、M”−1、C”−1とする。即ち、以下の通りである。
液体組成物Y”−1=液体組成物Y−1[100−V部]+界面活性剤[V部]液体組成物M”−1=液体組成物M−1[100−V部]+界面活性剤[V部]液体組成物C”−1=液体組成物C−1[100−V部]+界面活性剤[V部]このとき、液体組成物Y”−1、M”−1、C”−1間の流れ込みの関係が(条件2)を満足する、即ち、下記表4を満足するような、Vを調べたところ、Vが「1.2部」であった。尚、流れ込みの関係は上述の方法と同様にした。
<3>V、Vの決定
インクY−1、M−1の界面活性剤の含有量(部)であるV、Vについても<1>及び<2>と同様にして決定したところ、Vが「1.6部」、Vが「1.7部」となった。
<インクY−1、M−1、C−1、K−1のセットの調製>
上記の方法で決定した含有量を元に、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1にフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を添加して、インクY−1、M−1、C−1、K−1を調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−1=液体組成物Y−1[98.3部]+FS3100[1.7部]
インクM−1=液体組成物M−1[98.4部]+FS3100[1.6部]
インクC−1=液体組成物C−1[98.8部]+FS3100[1.2部]
インクK−1=液体組成物K−1[99.0部]+FS3100[1.0部]
[比較例1:インクY−2、M−2、C−2、K−2のセットの調製]
インクY−2、M−2、C−2、K−2は、何れも一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を含有するインクである。
実施例1における液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に対し、それぞれ液体組成物[98.3部]+界面活性剤[1.7部]となるようにフッ素系界面活性剤FS3100を添加し、インクセットを調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−2=液体組成物Y−1[98.3部]+FS3100[1.7部]
インクM−2=液体組成物M−1[98.3部]+FS3100[1.7部]
インクC−2=液体組成物C−1[98.3部]+FS3100[1.7部]
インクK−2=液体組成物K−1[98.3部]+FS3100[1.7部]
[比較例2:インクY−3、M−3、C−3、K−3のセットの調製]
インクY−3、M−3、C−3、K−3は、何れもアセチレングリコール系界面活性剤アセチレノールE100(川研ファインケミカル製)を含有するインクである。
実施例1における液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に対し、実施例1の界面活性剤の含有量と同じになるようにアセチレングリコール系界面活性剤アセチレノールE100(以下、AE100と称する)を添加し、インクセットを調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−3=液体組成物Y−1[98.3部]+AE100[1.7部]
インクM−3=液体組成物M−1[98.4部]+AE100[1.6部]
インクC−3=液体組成物C−1[98.8部]+AE100[1.2部]
インクK−3=液体組成物K−1[99.0部]+AE100[1.0部]
[評価]
下記の各評価項目の評価基準のAを好ましいレベルとし、B及びCを許容できないレベルとした。
<ブリード現象の発生の有無の評価>
表5のインクの組合せについて、上記流れ込みの評価と同様にしてOKトップコート+に対してベタ画像(2種のインクの記録デューティーが何れも100%)を記録した。得られた画像を常温で24時間保存した後、2種のインクの境界からインクが流れ込んだ先端までの距離を測定し、以下の基準でブリード現象の発生の有無を評価した。評価結果を表5に示した。
A:流れ込んだ距離が0.2mm以下であった
B:流れ込んだ距離が0.2mmより大きく、1.0mm以下であった
C:流れ込んだ距離が1.0mmより大きかった。
<ビーディング現象の発生の有無の評価>
一般的に、ビーディング現象が発生すると、ベタ画像中に色ムラが生じる。そこで、上記で得たベタ画像を目視で観察し、色ムラの有無を確認し、ビーディング現象の発生の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表5に示した。
A:色ムラが生じていなかった
B:色ムラが生じていた。または、ベタ画像の下の記録媒体が見えていた。
[実施例2:インクY−4、M−4、C−4、K−4のセットの調製]
インクY−4、M−4、C−4、K−4は、何れも一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を含有するインクである。このインクセットの調製方法を以下に示す。
<液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4の調製>
先ずは、インクY−4、M−4、C−4、K−4のベースとなる液体組成物として、液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4を調製する。液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4は何れも、界面活性剤を含有しない以外は、最終的に調製したいインクと同じ組成を有する。各組成を表6に示す。これらの材料を混合し、十分撹拌して分散した後、ガラスフィルターAP20(MILLIPORE製)でろ過し、更に、水酸化カリウム水溶液を適宜加えることでpHを9.5に調整した。
尚、表中の顔料分散液は以下の通り調製を行った。
(ブラック顔料分散液の調製)
超音波発生装置の槽内に機械的攪拌装置を備えた500mLナスフラスコを入れ、この中に酸価170mgKOH/gであるビニル樹脂2.0g、テトラヒドロフラン120mLを添加し、超音波をかけながら攪拌した。また別の容器にカーボンブラックColorBlack FW18PS(デグッサ製)10gを取り、テトラヒドロフラン120mLを添加し、顔料表面が溶媒で十分濡れるまで遊星式攪拌機(クラボウ製)にて混合した。その後、前記の500mLナスフラスコの中に添加し、ビニル樹脂とよく混合した。
次にビニル樹脂の中和率が100%になるだけの水酸化カリウム水溶液を滴下することで転相させた後に、60分間プレミキシングを行い、ナノマイザNM2−L200AR(吉田機械興業製)を用いて、2時間分散を行った。この分散液からロータリエバポレータを用いて、テトラヒドロフランを留去し、イオン交換水を用いて濃度調整をし、顔料の含有量が10質量%のブラック顔料分散液を得た。
(イエロー顔料分散液の調製)
酸価170mgKOH/gであるビニル樹脂にかえて酸価80mgKOH/gであるビニル樹脂を用いたこと、及び、カーボンブラックColor Black FW18PSにかえてC.I.Pigment Yellow 74を用いたこと以外は(ブラック顔料分散液の作製)と同様にして顔料の含有量が10質量%のイエロー顔料分散液を得た。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
C.I.Pigment Yellow 74にかえてC.I.Pigment Red 122を用いたこと以外は(イエロー顔料分散液の調製)と同様にして顔料の含有量が10質量%のマゼンタ顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
カーボンブラックColor Black FW18PSにかえてC.I.Pigment Blue 15:3を用いたこと以外は(ブラック顔料分散液の作製)と同様にして顔料の含有量が10質量%のシアン顔料分散液を得た。
<液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4の流れ込みの関係>
液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4の流れ込みの関係は以下の通りである。尚、流れ込みの関係は上述の方法と同様にした。
<インクY−4、M−4、C−4、K−4の界面活性剤の含有量の決定>
インクY−4、M−4、C−4、K−4の界面活性剤の含有量(部)をそれぞれV、V、V、Vとし、ベースとなる液体組成物と界面活性剤の合計の含有量(即ち、インク全体)を100部とすると、上記流れ込みの関係及び条件(1)を考慮すると、V、V、V、Vの関係は以下のようになる。
<V<V<V
<1>Vの決定
ここで、液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4に、界面活性剤をV(部)添加した液体組成物(全体が100部)をそれぞれ液体組成物Y’−4、M’−4、C’−4、K’−4とする。即ち、以下の通りである。
液体組成物Y’−4=液体組成物Y−4[100−V部]+界面活性剤[V部]
液体組成物M’−4=液体組成物M−4[100−V部]+界面活性剤[V部]
液体組成物C’−4=液体組成物C−4[100−V部]+界面活性剤[V部]
液体組成物K’−4=液体組成物K−4[100−V部]+界面活性剤[V部]
このとき、液体組成物Y’−4、M’−4、C’−4、K’−4間の流れ込みの関係が(条件2)を満足する、即ち、下記表8を満足するような、Vを調べたところ、Vが「0.8部」であった。尚、流れ込みの関係は上述の方法と同様にした。
<2>V、V、Vの決定
インクY−4、M−4、C−4の界面活性剤の含有量(部)であるV、V、Vについても<1>と同様にして決定したところ、Vが「1.6部」、Vが「1.4部」、Vが「1.1部」となった。
<インクY−4、M−4、C−4、K−4のセットの調製>
上記の方法で決定した含有量を元に、液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4にフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を添加して、インクY−4、M−4、C−4、K−4を調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−4=液体組成物Y−4[98.4部]+FS3100[1.6部]
インクM−4=液体組成物M−4[98.6部]+FS3100[1.4部]
インクC−4=液体組成物C−4[98.9部]+FS3100[1.1部]
インクK−4=液体組成物K−4[99.2部]+FS3100[0.8部]
[比較例3:インクY−5、M−5、C−5、K−5のセットの調製]
インクY−5、M−5、C−5、K−5は、何れも一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を含有するインクである。
実施例1における液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4に対し、それぞれ液体組成物[98.4部]+界面活性剤[1.6部]となるようにフッ素系界面活性剤FS3100を添加し、インクセットを調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−5=液体組成物Y−4[98.4部]+FS3100[1.6部]
インクM−5=液体組成物M−4[98.4部]+FS3100[1.6部]
インクC−5=液体組成物C−4[98.4部]+FS3100[1.6部]
インクK−5=液体組成物K−4[98.4部]+FS3100[1.6部]
[比較例4:インクY−6、M−6、C−6、K−6のセットの調製]
インクY−6、M−6、C−6、K−6は、何れもアセチレングリコール系界面活性剤アセチレノールE100(川研ファインケミカル製)を含有するインクである。
実施例2における液体組成物Y−4、M−4、C−4、K−4に対し、実施例1の界面活性剤の含有量と同じになるようにアセチレングリコール系界面活性剤AE100を添加し、インクセットを調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−6=液体組成物Y−4[98.4部]+AE100[1.6部]
インクM−6=液体組成物M−4[98.6部]+AE100[1.4部]
インクC−6=液体組成物C−4[98.9部]+AE100[1.1部]
インクK−6=液体組成物K−4[99.2部]+AE100[0.8部]
[評価]
上述の、<ブリード現象の発生の有無の評価>及び<ビーディング現象の発生の有無の評価>と同様にして、評価を行った。評価結果を表9に示した。
[実施例3:インクY−7、M−7、C−7、K−7のセットの調製]
実施例1で使用した液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1を用い、インクY−7、M−7、C−7、K−7の界面活性剤の含有量(部)をそれぞれVY2、VM2、VC2、VK2とする。
<1>VK2の決定
ここで、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に、界面活性剤(キャップストーンFS3100)をVK2(部)添加した液体組成物(全体が100部)をそれぞれ液体組成物Y’−7、M’−7、C’−7、K’−7とする。即ち、以下の通りである。
液体組成物Y’−7=液体組成物Y−1[100−VK2部]+界面活性剤[VK2部]
液体組成物M’−7=液体組成物M−1[100−VK2部]+界面活性剤[VK2部]
液体組成物C’−7=液体組成物C−1[100−VK2部]+界面活性剤[VK2部]
液体組成物K’−7=液体組成物K−1[100−VK2部]+界面活性剤[VK2部]
このとき、液体組成物Y’−7、M’−7、C’−7、K’−7間の流れ込みの関係が(条件2)を満足する、即ち、下記表10を満足するような、VK2を調べたところ、VK2が「1.5部」であった。尚、流れ込みの関係は上述の方法と同様にした。
<2>VY2、VM2、VC2の決定
インクY−7、M−7、C−7の界面活性剤の含有量(部)であるVY2、VM2、VC2についても<1>と同様にして決定したところ、VY2が「2.3部」、VM2が「2.0部」、VC2が「1.7部」となった。
<インクY−7、M−7、C−7、K−7のセットの調製>
上記の方法で決定した含有量を元に、液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1にフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を添加して、インクY−7、M−7、C−7、K−7を調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−7=液体組成物Y−1[97.5部]+FS3100[2.5部]
インクM−7=液体組成物M−1[98.0部]+FS3100[2.0部]
インクC−7=液体組成物C−1[98.3部]+FS3100[1.7部]
インクK−7=液体組成物K−1[98.5部]+FS3100[1.5部]
[比較例5:インクY−8、M−8、C−8、K−8のセットの調製]
インクY−8、M−8、C−8、K−8は、何れも一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤としてキャップストーンFS3100(デュポン製)を含有するインクである。
実施例3における液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に対し、それぞれ液体組成物[97.5部]+界面活性剤[2.5部]となるようにフッ素系界面活性剤FS3100を添加し、インクセットを調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−8=液体組成物Y−1[97.5部]+FS3100[2.5部]
インクM−8=液体組成物M−1[97.5部]+FS3100[2.5部]
インクC−8=液体組成物C−1[97.5部]+FS3100[2.5部]
インクK−8=液体組成物K−1[97.5部]+FS3100[2.5部]
[比較例6:インクY−9、M−9、C−9、K−9のセットの調製]
インクY−9、M−9、C−9、K−9は、何れもアセチレングリコール系界面活性剤アセチレノールE100(川研ファインケミカル製)を含有するインクである。
実施例3における液体組成物Y−1、M−1、C−1、K−1に対し、実施例1の界面活性剤の含有量と同じになるようにアセチレングリコール系界面活性剤AE100を添加し、インクセットを調製した。即ち、以下の通りである。
インクY−9=液体組成物Y−1[97.5部]+AE100[2.5部]
インクM−9=液体組成物M−1[98.0部]+AE100[2.0部]
インクC−9=液体組成物C−1[98.3部]+AE100[1.7部]
インクK−9=液体組成物K−1[98.5部]+AE100[1.5部]
[評価]
上述の、<ブリード現象の発生の有無の評価>及び<ビーディング現象の発生の有無の評価>と同様にして、評価を行った。評価結果を表11に示した。

Claims (8)

  1. 記録媒体に第1のインク及び第2のインクを付与するインク付与工程を有するインクジェット画像記録方法であって、
    前記第1のインク及び前記第2のインクが何れも、下記一般式(1)で表される界面活性剤を含有し、
    前記第1のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)が、前記第2のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)より大きく、
    前記第1のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Xと、前記第2のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Yが、以下の条件1を満たし、かつ、
    前記液体X及びYにそれぞれ、前記一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量が前記V(質量%)となるように添加した液体X’及び液体Y’とが、以下の条件2を満足することを特徴とするインクジェット画像記録方法。
    一般式(1)
    (CRCHCH(OCHCHOH
    (一般式(1)において、Rはフッ素原子又は水素原子であり、R及びRはそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R及びRのうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
    (条件1)
    液体Xの記録領域と液体Yの記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Xの記録領域から液体Xが液体Yの記録領域に流れ込む。
    (条件2)
    液体X’の記録領域と液体Y’の記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Y’の記録領域から液体Y’が液体X’の記録領域に流れ込む。
  2. 前記第1のインク及び前記第2のインクが、水溶性有機溶剤を含有し、
    前記第1のインク及び前記第2のインクにおける前記水溶性有機溶剤の含有量が、インク全質量を基準として、それぞれ30質量%以上である請求項1に記載のインクジェット画像記録方法。
  3. 更に、前記インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程を有する請求項1又は2に記載のインクジェット画像記録方法。
  4. 前記加熱工程において、前記インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱する請求項3に記載のインクジェット画像記録方法。
  5. 更に、前記記録媒体を搬送する搬送工程を含み、前記搬送工程における、前記記録媒体を搬送する速度が、50m/分以上である請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット画像記録方法。
  6. 前記インク付与工程において、前記第1のインク及び前記第2のインクを付与する記録媒体の水に対する吸収係数Kaが、0.3mL/m・ms1/2以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット画像記録方法。
  7. 第1のインクと第2のインクとを含むインクセットであって、
    前記第1のインク及び前記第2のインクが何れも、下記一般式(1)で表される界面活性剤を含有し、
    前記第1のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)が、前記第2のインク全質量に対する、前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量V(質量%)より大きく、
    前記第1のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Xと、前記第2のインクから前記一般式(1)で表される界面活性剤を除いた液体Yが、以下の条件1を満たし、かつ、
    前記液体X及びYにそれぞれ、前記一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量が前記V(質量%)となるように添加した液体X’及び液体Y’とが、以下の条件2を満足することを特徴とするインクセット。
    一般式(1)
    (CRCHCH(OCHCHOH
    (一般式(1)において、Rはフッ素原子又は水素原子であり、R及びRはそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R及びRのうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
    (条件1)
    液体Xの記録領域と液体Yの記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Xの記録領域から液体Xが液体Yの記録領域に流れ込む。
    (条件2)
    液体X’の記録領域と液体Y’の記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL・m−2・ms−1/2以上0.3mL・m−2・ms−1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Y’の記録領域から液体Y’が液体X’の記録領域に流れ込む。
  8. 液体Aに、下記一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量がV(質量%)となるように添加することで、第1のインクを調製する工程と、液体Bに、下記一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量がV(質量%)となるように添加することで、第2のインクを調製する工程と、を有する第1のインクと第2のインクを含むインクセットの調製方法であって、
    前記液体A及び前記液体Bが、以下の条件1を満足し、
    前記液体A及び前記液体Bにそれぞれ、下記一般式(1)で表される界面活性剤を、添加後の液体全質量に対する含有量がV(質量%)となるように添加した液体A’及び液体B’が、以下の条件2を満足するときに、
    前記V及び前記Vが、
    >V≧V
    の関係を満足することを特徴とするインクセットの調製方法。
    一般式(1)
    (CRCHCH(OCHCHOH
    (一般式(1)において、Rはフッ素原子又は水素原子であり、R及びRはそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R及びRのうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
    (条件1)
    液体Aの記録領域と液体Bの記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体Aの記録領域から液体Aが液体Bの記録領域に流れ込む。
    (条件2)
    液体A’の記録領域と液体B’の記録領域とが互いに接触するように、水に対する吸収係数Kaが、0.1mL/m・ms1/2以上0.3mL/m・ms1/2以下である記録媒体に記録した際に、液体B’の記録領域から液体B’が液体A’の記録領域に流れ込む。
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