JP2018044917A - 静電容量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】第2コンデンサの容量を示す指標として検出される検出回数の精度を向上できる静電容量センサを提供する。【解決手段】静電容量センサは、第1コンデンサと、第2コンデンサと、第1コンデンサを初期化する第1スイッチと、両コンデンサの間に配置される第2スイッチと、第2コンデンサを初期化する第3スイッチと、制御回路とを備える。制御回路は、第1コンデンサの初期化後、第2スイッチの操作と第3スイッチの操作とからなるスイッチ操作を複数回行う。スイッチ操作毎に、複数の時点で、両コンデンサ間の中間電位を取得し、複数の中間電位に基づいて、中間電位が参照電位を超えるときのスイッチ操作の操作回数に対応する回数を検出回数として導出する。【選択図】図6

Description

本発明は、物の存否を検出する静電容量センサに関する。
物を検出する静電容量センサとして、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の静電容量センサは、物の存否により容量が変わる被測定コンデンサと、基準容量の基準コンデンサと、被測定コンデンサと基準コンデンサとの間の間に配置されるスイッチと、被測定コンデンサと基準コンデンサとの間の電位と参照電位とを比較するコンパレータと、カウント手段と、判定手段とを備える。スイッチは、オンオフを繰り返す。カウント手段は、スイッチの操作回数をカウントする。判定手段は、被測定コンデンサと基準コンデンサとの間の電位が初期電位から設定電位に変化するまでの、スイッチの操作回数に基づいて、被測定コンデンサの容量変化について判定する。なお、容量変化の判定結果は、静電容量センサ付近に配置される物の存否判定に用いられ得る。
特開2005−106665号公報
ところで、上記静電容量センサは、スイッチの操作回数に基づいて、被測定コンデンサの容量変化について判定することから、従来の構成のみでは、検出精度に限界がある。
(1)上記課題を解決する静電容量センサは、第1コンデンサと、前記第1コンデンサに接続されて物の存否に基づいて容量が変化する第2コンデンサと、前記第1コンデンサを初期化する第1スイッチと、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間に配置される第2スイッチと、前記第2コンデンサを初期化する第3スイッチと、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記第3スイッチを制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第1スイッチの操作による前記第1コンデンサの初期化後、前記第2スイッチの操作と前記第3スイッチの操作とからなるスイッチ操作を複数回行うスイッチング制御と、前記スイッチ操作毎に、複数の時点で、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の電位である中間電位を取得し、複数の前記中間電位に基づいて、前記中間電位が参照電位を超えるときの前記スイッチ操作の操作回数に対応する検出回数を導出する演算とを実行する。
中間電位が参照電位を超えるときのスイッチ操作の操作回数すなわち検出回数は、第2コンデンサの容量を示す指標となる。一方、中間電位にノイズがあると、指標の精度が低下する。上記構成では、複数の時点で取得された中間電位に基づいて上記検出回数を導出する。このため、単一の中間電位に基づいて上記検出回数を導出する場合に比べて、検出回数の精度(第2コンデンサの容量を示す指標の精度)が高くなる。これにより、静電容量センサの検出精度が向上する。
(2)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記演算において、前記スイッチ操作毎に、複数の時点で、前記中間電位と前記参照電位とを比較する比較演算と、前記比較演算により得られる複数の比較結果に基づいて前記検出回数を導出する指標導出演算とを実行する。
上記構成によれば、スイッチ操作毎に得られる複数の比較結果に基づいて、上記検出回数を導出する。このため、スイッチ操作毎に得られる単一の比較結果に基づいて上記検出回数を導出する場合に比べて、検出回数の精度が高くなる。
(3)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算において、前記複数の比較結果に基づいて前記中間電位が前記参照電位を超える確率を算出し、前記確率が規定確率を超えるとき、前記確率が前記規定確率を超えた時点での前記スイッチ操作の操作回数を前記検出回数とする。この構成によれば、上記確率に基づいて検出回数が導出される。
(4)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算において、前記複数の比較結果に基づいて前記中間電位が前記参照電位を超える確率を導出し、前記中間電位が前記参照電位を超える前の期間における異なる時点で得られた複数の前記確率と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける関数に基づいて、前記検出回数を導出する。この構成によれば、中間電位が参照電位を超える前に、検出回数が得られる。
(5)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算において、前記複数の比較結果に基づいて前記中間電位が前記参照電位を超える確率を導出し、前記中間電位が前記参照電位を超える前後期間における異なる時点で得られた複数の前記確率と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける連続関数に基づいて、前記検出回数を導出する。この構成によれば、スイッチ操作の操作回数を一つのパラメータとする連続関数を導出する。このため、スイッチ操作の操作回数と関係付けられる検出回数が実数として得られる。これにより、検出回数が高い分解能で得られる。
(6)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算を、前記中間電位が、前記中間電位の初期電位と前記参照電位との間に設定される規定電位を超える時以降に実行する。この構成によれば、制御回路の演算回数が制限されるため、制御回路の負担が軽減する。
(7)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記演算において、前記スイッチ操作毎に、複数の時点で得られる、前記中間電位に基づいて前記中間電位の平均値を導出する平均値演算と、前記中間電位の平均値に基づいて前記検出回数を導出する指標導出演算とを実行する。
上記構成によれば、スイッチ操作毎に得られる中間電位の平均値に基づいて、上記検出回数を導出する。このため、スイッチ操作毎に得られる単一の中間電位に基づいて上記検出回数を導出する場合に比べて、検出回数の精度が高くなる。
(8)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算において、前記中間電位の平均値が前記参照電位を超えた時点での前記スイッチ操作の操作回数を前記検出回数とする。この構成によれば、中間電位の平均値が参照電位を超えた時点で、検出回数が得られる。
(9)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算において、前記中間電位が前記参照電位を超える前の期間における異なる時点で得られた複数の前記中間電位の平均値と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける関数に基づいて、前記検出回数を導出する。この構成によれば、中間電位が参照電位を超える前に、検出回数が得られる。
(10)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算において、前記中間電位が前記参照電位を超える前後期間における異なる時点で得られた複数の前記中間電位の平均値と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける連続関数に基づいて、前記検出回数を導出する。この構成によれば、スイッチ操作の操作回数を一つのパラメータとする連続関数を導出する。このため、スイッチ操作の操作回数と関係付けられる検出回数が実数として得られる。これにより、検出回数が高い分解能で得られる。
(11)上記静電容量センサにおいて、前記制御回路は、前記指標導出演算を、前記中間電位が、前記中間電位の初期電位と前記参照電位との間に設定される規定電位を超える時以降に実行する。この構成によれば、制御回路の演算回数が制限されるため、制御回路の負担が軽減する。
(12)上記静電容量センサにおいて、前記第1コンデンサの少なくとも一方の電極には、正規分布に従うノイズが入力される。
中間電位はノイズを含む。このノイズに偏りやピークがあると、上述の確率や中間電位の平均値の精度が低下する。この点上記構成によれば、正規分布に従うノイズが第1コンデンサの少なくとも一方の電極に入力される。これにより、正規分布に従うノイズを印加しない場合に比べて、異常な比較結果や平均値が導出されることが抑制される。
上記静電容量センサによれば、検出精度を向上できる。
第1実施形態について、静電容量センサの回路図。 静電容量センサについて、各信号のタイミングチャート。 第2コンデンサの容量と検出回数との関係を模式的に示すグラフ。 中間電位のノイズを示すグラフ。 中間電位の変遷および中間電位のノイズ幅を示すグラフ。 比較回路の出力信号を示すチャート。 第2実施形態について、確率と操作回数との関係を示すグラフ。 第3実施形態について、第2コンデンサの容量と検出差分との関係を模式的に示すグラフ。 第3実施形態について、確率と操作回数との関係を示すグラフ。 第4実施形態について、静電容量センサの回路図。 第5実施形態について、中間電位の平均値と操作回数との関係を示すグラフ。 第6実施形態について、中間電位の平均値と操作回数との関係を示すグラフ。 第7実施形態について、ノイズの分布を示すグラフ。
<第1実施形態>
図1〜図6を参照して、静電容量センサについて説明する。
実施形態に係る静電容量センサ1は、例えば、車両ドアの取手に搭載されるタッチセンサとして用いられ得る。静電容量センサ1は、その静電容量センサ1の付近に物(例えば、身体の一部である手、身体に装着された物、または雨滴等の付着物)が配置されたことに基づいて、その存在を検出する。静電容量センサ1が検出する物の存否に関する情報は、例えば、車両ドアの施錠解錠の許可のために使用される。
ある種の静電容量センサ1では、静電容量センサ1から所定距離内にある物の検出が要求される。すなわち、静電容量センサ1から離間して配置される物の検出が要求される。このような場合、静電容量センサ1の容量変化が小さいため、このような静電容量センサ1には、高精度の検出性能が要求される。なお、以下に示す回路例は、このような高精度の検出が可能な回路の例であるが、その適用は、高精度検出可能な静電容量センサ1に限定されない。
静電容量センサ1は、第1コンデンサ11と、第2コンデンサ12と、第1スイッチ21と、第2スイッチ22と、第3スイッチ23と、制御回路30とを備える。
第1コンデンサ11は、所定容量を有する。第1コンデンサ11としては、物の存否に基づいてその容量が変化しないものが用いられる。
第2コンデンサ12は、物の存否により容量を変化させ得る。例えば、第2コンデンサ12は、第2コンデンサ12の付近に物に配置されることにより、その容量(第2コンデンサ12の容量)が変化し得るようなところに配置される。「第2コンデンサ12の付近に配置される」とは、第2コンデンサ12に物が接触するように配置されること、第2コンデンサ12を覆うカバー等を介して第2コンデンサ12の付近に配置されること、空間を介して第2コンデンサ12の近くに物が配置されること、第2コンデンサ12の近くを通過すること、第2コンデンサ12に接近することを含む。また、第2コンデンサ12は、物が第2コンデンサ12の付近に配置されることに基づいて第2コンデンサ12の容量が変化するように構成されている。例えば、第2コンデンサ12を構成する一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、物(例えば手)と電極とが対向するとき、第2コンデンサ12の容量が変化し得る程度の大きさに構成される。
第2コンデンサ12は、第1コンデンサ11に接続される。具体的には、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12とは、電位の異なる2つの配線の間に直列に接続される。第1コンデンサ11の一端は、第1電位V1の配線に接続され、第1コンデンサ11の他端は、第2スイッチ22を介して第2コンデンサ12の一端に接続される。第2コンデンサ12の他端は、第2電位V2の配線に接続される。第1電位V1は、後述の参照電位Vrefよりも大きく、第2電位V2は参照電位Vrefよりも小さい。第2電位V2は、例えば、グランドと等電位に設定される。
第1スイッチ21は、第1コンデンサ11を初期化する。具体的には、第1スイッチ21は、第1コンデンサ11に並列に接続される配線13に配置され、この配線13を接続または遮断する。第2スイッチ22は、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12とを接続する配線14に設けられ、この配線14を接続または遮断する。第3スイッチ23は、第2コンデンサ12を初期化する。具体的には、第3スイッチ23は、第2コンデンサ12に並列に接続され配線15に配置され、この配線15を接続または遮断する。なお、以降の説明では、第1スイッチ21、第2スイッチ22及び第3スイッチ23のオンは、各配線13,14,15の接続を示し、オフは、各配線13,14,15の遮断(電気的切断)を示す。
制御回路30は、スイッチ制御回路31と、比較回路32と、演算回路33とを備える。
スイッチ制御回路31は、第1スイッチ21、第2スイッチ22、及び第3スイッチ23を制御する(スイッチング制御)。
比較回路32は、中間電位VMと参照電位Vrefとを比較する(比較演算)。中間電位VMとは、第1コンデンサ11と第2スイッチ22との間であり、かつ第1コンデンサ11と第2スイッチ22との間の部位の電位を示す。
演算回路33は、比較回路32の出力信号(すなわち比較結果)に基づいて検出回数N(後述参照)を導出する(指標導出演算)。
図2を参照して、スイッチ制御回路31が実行するスイッチング制御及び演算回路33の動作について説明する。
第1スイッチ21、第2スイッチ22及び第3スイッチ23は、所定周期で動作する。周期の初期において、第1スイッチ21がオンに制御され、第2スイッチ22及び第3スイッチ23がオフに制御される。これにより、第1コンデンサ11が初期化され、中間電位VMは第1電位V1と等しくなる。以下の説明では、第1コンデンサ11が初期化されたときの中間電位VMを「初期電位」(初期電位は第1電位V1に等しい。)という。
次に、第1スイッチ21がオフに制御され、第2スイッチ22がオンに制御され、かつ第3スイッチ23がオフに維持される(以下、このスイッチ動作を「第2スイッチ操作」という。)。このとき、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12とに電流が流れ、中間電位VMが低下する。
次に、第1スイッチ21がオフに維持され、第2スイッチ22がオフに制御され、かつ第3スイッチ23がオンに制御される(以下、このスイッチ動作を「第3スイッチ操作」という。)。このとき、第2コンデンサ12が初期化される。
引き続き、第1スイッチ21がオフに維持されたまま、第2スイッチ操作及び第3スイッチ操作が交互に実行される。このため、図2に示されるように、中間電位VMは徐々に低下する。なお、以降説明では、第2スイッチ操作とこの操作に続く第3スイッチ操作との一対の操作を「スイッチ操作」という。
スイッチ操作は、所定回数(1よりも大きい回数)行われる。所定回数は、第2コンデンサ12が最小容量のとき中間電位VMが参照電位Vrefを超えるまでに要する回数よりも多い。すなわち、第2コンデンサ12がいかなる容量になっているときでも、所定回数のスイッチ操作の実行により、中間電位VMが参照電位Vrefを超える。なお、中間電位VMが参照電位Vrefを超えるとは、中間電位VMと参照電位Vrefとの大小関係が、当初(第1スイッチ21がオンになるとき)から反対になることを示す。この例では、当初、中間電位VMは、参照電位Vrefよりも高い電位であるため、「超える」とは、中間電位VMが参照電位Vrefよりも低い電位になることを示す。
比較回路32は、中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かを示す信号を出力する。なお、以降の説明では、便宜上、中間電位VMが参照電位Vrefを超えていることを示す信号を「オン信号」といい、中間電位VMが参照電位Vrefを超えていないことを示す信号を「オフ信号」という。
演算回路33は、次の4つの演算を行う。
第1演算では、スイッチ操作の操作回数をカウントする。操作回数は、第1スイッチ21がオンに操作されるとき、初期化される(すなわち、操作回数=「0」)。スイッチ制御回路31により第2スイッチ22(または第3スイッチ23)がオン操作される都度、演算回路33は、操作回数を1増分する。このようにして、スイッチ操作の操作回数がカウントされる。
第2演算では、比較回路32の出力信号に基づいて、中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの確率PEを算出する。
第3演算では、中間電位VMが参照電位Vrefを超えるときのスイッチ操作の操作回数(すなわち検出回数N)を求める。「中間電位VMが参照電位Vrefを超えるとき」の判定は確率PEが用いられる。例えば、確率PEが規定確率(例えば、50%)を超えるとき、「中間電位VMが参照電位Vrefを超える」と判定し、この判定結果のとき、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。
図3を参照して、検出回数Nの技術的意味を説明する。図3は、第2コンデンサ12の容量と検出回数Nとの関係を模式的に示すグラフである。第2コンデンサ12の容量が小さい場合、スイッチ操作1回当たりの中間電位VMの変化量が小さいため、検出回数Nは大きい値になる。第2コンデンサ12の容量が大きい場合(例えば、物が静電容量センサ1付近に配置されている場合)、スイッチ操作1回当たりの中間電位VMの変化量が大きいため、検出回数Nは小さい値になる。すなわち、検出回数Nは、第2コンデンサ12の容量の指標になる。
第4演算では、検出回数Nと基準値とに基づいて検出差分ΔNを算出する。
基準値は、予め設定される値でもよいが、過去の検出回数Nが用いられることが好ましい。過去の検出回数N1とは、第4演算に係る検出回数N2が得られた時刻tcから所定時間前の時刻tpに得られた検出回数Nを示す。そして、過去(時刻tp)の検出回数N1と現在(時刻tc)の検出回数N2との間の差分(−(N2−N1),以下「検出差分ΔN」)を算出する。検出差分ΔNは、第2コンデンサ12の容量変化量の指標になる。そして、検出差分ΔNと基準差分ΔNAとを比較する。検出差分ΔNが基準差分ΔNAよりも大きいとき、静電容量センサ1付近に物が存在すると判定する。
基準値として過去の検出回数Nを用いる理由は、第2コンデンサ12の容量が環境(温度及び湿度)により変化すること、及び、第2コンデンサ12の容量が個体差に起因してばらつきがあり、第2コンデンサ12の初期容量に対応する適切な固定値を設定することが難しいからである。
次に、第2演算について詳述する。
上述したように、第2演算では、比較回路32の出力信号に基づいて、中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの確率PEを算出する。ここで、「中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの確率PE」を算出する理由について説明する。
図4に示されるように、中間電位VMは、時間に対してゆらぐ。すなわち、中間電位VMは「ノイズ」を有する。「ノイズ」は、外部からのノイズ(電磁波等)や電源電圧のノイズに起因する。
中間電位VMがノイズを含むため、第2コンデンサ12の容量が所定の値で一定になっているときでも、検出時刻(図4の黒点参照)により中間電位VMが異なる値になり、中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの判定結果が異なるようになる。この結果、検出回数N、及び検出差分ΔNが異なるようになる。特に、検出差分ΔNが基準差分ΔNAに近いとき、物の存否の判定結果が異なるようになる。
図5を参照して、物の存否判定が異なる結果になる例を説明する。図5は、中間電位VMの変遷を示す図であり、2点鎖線は、ノイズに起因する中間電位VMの上限と下限とを示す。
比較回路32による比較動作時、偶然、中間電位VMがノイズ幅における最小値になっており参照電位Vrefを超えていたとき(図5におけるA部参照)、制御回路30は、中間電位VMが参照電位Vrefを超えていると判定する。この場合、ノイズがなかった場合に比べて、中間電位VMが参照電位Vrefを超えるタイミングが早くなり、検出差分ΔNが小さくなる。検出差分ΔNが基準差分ΔNAに近いときには、検出差分ΔNが小さく見積られている結果、ノイズがなかった場合の判定結果の反対結果になり得る。このように、中間電位VMのノイズに起因して、物の存否の判定精度に限界が生じる。このようなことから、本実施形態では、物の存否の判定精度を高めることを目的として、中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの精度を高める。そして、この精度を高める手段として、上記確率PE、すなわち中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの確率PEを導入する。確率PEに基づいて、中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かを判定することにより、その判定におけるノイズの影響を小さくすることができるため、正確な判定が可能になる。
図6を参照して、「中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの確率PE」の算出方法の一例を説明する。第2演算では、比較回路32の出力信号(すなわち比較結果)に基づいて確率PEを算出する。具体的には、第2演算において、演算回路33は、比較回路32の出力信号を時系列上で連続する複数の区間Sそれぞれで取得し、各区間Sにおける出力信号のオン信号の回数を集計する。この集計は、第2スイッチ22がオフのときに実行される(図2「演算回路の動作」参照)。そして、演算回路33は、確率PEを、オン信号(すなわち、中間電位VMが参照電位Vrefを超えていることを示す信号)の回数/区間数×100として算出する。
そして、上述されているように、第3演算では、演算回路33は、第2演算により算出された確率PEが規定確率(例えば50%)を超えるとき、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。このため、偶然に中間電位VMが参照電位Vrefを超えたという結果だけで検出回数Nが決定されることがない。このようにして、物の存否についての判定精度が高まる。
次に、静電容量センサ1の作用及び効果について説明する。
(1)制御回路30は、スイッチ操作毎に、複数の時点で中間電位VMを取得し、複数の中間電位VMに基づいて検出回数Nを導出する。
中間電位VMが参照電位Vrefを超えるときのスイッチ操作の操作回数すなわち検出回数Nは、第2コンデンサ12の容量を示す指標となる。一方、中間電位VMにノイズがあると、指標の精度が低下する。上記構成では、複数の時点で取得された中間電位VMに基づいて上記検出回数Nを導出する。このため、単一の中間電位VMに基づいて上記検出回数Nを導出する場合に比べて、検出回数Nの精度(第2コンデンサ12の容量を示す指標の精度)が高くなる。これにより、静電容量センサ1の検出精度が向上する。
(2)具体的には、制御回路30は、演算において、スイッチ操作毎に、複数の時点で、中間電位VMと参照電位Vrefとを比較する。比較により得られる複数の比較結果(複数の時点における比較回路32の出力信号)に基づいて検出回数Nを導出する。
この構成によれば、スイッチ操作毎に得られる複数の比較結果に基づいて、検出回数Nとして導出する。このため、スイッチ操作毎に得られる単一の比較結果に基づいて検出回数Nを導出する場合に比べて、検出回数Nの精度が高くなる。
(3)制御回路30は、複数の比較結果に基づいて、中間電位VMが参照電位Vrefを超える確率PEを算出する。確率PEが規定確率を超えるとき、その時点でのスイッチ操作の操作回数を検出回数Nとする。この構成によれば、確率PEに基づいて検出回数Nが導出される。
<第2実施形態>
本実施形態では、「検出回数N」の推定方法について説明する。
第1実施形態においては、確率PEが規定確率(例えば、50%)を超えるとき、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。すなわち、第1実施形態では、少なくとも、確率PEが規定確率を超えるまで、スイッチ操作、第1演算及び第2演算を繰り返し、そうして「検出回数N」を決定する。これに対して、本実施形態では、確率PEが規定確率を超える前に、「検出回数N」を推定する。
図7を参照して、検出回数Nの推定の例を説明する。
制御回路30は、スイッチ操作毎に、中間電位VMが参照電位Vrefを超える確率PEを算出する。そして、確率PEが規定確率を超える前の期間において、第1演算によるスイッチ操作の操作回数と確率PEとを相関させる関数(例えば、1次近似式φ1)を導出し、この関数に基づいて、確率PEが規定確率になる操作回数を推定する。こうして推定された操作回数は、「検出回数N」として記憶される。
以下、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、中間電位VMが参照電位Vrefを超える前の期間における異なる時点で得られた、複数の確率PEと複数のスイッチ操作の操作回数とを関連付ける関数を導出する。そしてこの関数に基づいて検出回数Nを導出する。この構成によれば、中間電位VMが参照電位Vrefを超える前に、検出回数Nが得られる。検出回数Nが得られたときには、次周期の開始時期まで、スイッチング制御及び第1〜第3演算を停止することが可能である。このため、この構成によれば、制御回路30の消費電力の抑制が可能である。
<第3実施形態>
本実施形態では、「検出回数N」の実数化について説明する。
第1実施形態においては、確率PEが規定確率を超えるとき、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。このため、検出回数Nは整数である。検出回数Nが整数であると、検出回数Nから導出される検出差分ΔNも整数になる。そうすると、基準差分ΔNAを1未満数値範囲で微調整したとしても、検出差分ΔNと基準差分ΔNAとの比較において、基準差分ΔNAを微調整による変化が表れない。以下、この点について説明する。
図8は、第2コンデンサ12の容量変化量と検出差分ΔNとの関係を示す図である。実線は、「第2コンデンサ12の容量変化量」と「第1実施形態で求められた検出差分ΔN」との関係を示す。2点鎖線は、「第2コンデンサ12の容量変化量」と「本実施形態で求められる検出差分ΔN」との関係を示す。1点鎖線の一方は、変更前の基準差分ΔNA(1)を示す線であり、1点鎖線の他方は、設定変更後の基準差分ΔNA(2)を示す線である。
検出差分ΔNが整数(すなわち離散値)であると、単位区間SB内にある2つの第2コンデンサ12の容量変化量に対応する2つの検出差分ΔNは等しい。このため、基準差分ΔNAを小数点以下の範囲で設定変更しても(基準差分ΔNA(1),ΔNA(2)参照)、2つの検出差分ΔNと基準差分ΔNA(1),ΔNA(2)との関係は変化しないため、2つの検出差分ΔNと基準差分ΔNA(1),ΔNA(2)との比較結果は同じになる。よって、基準差分ΔNAの微調整による効果はない。すなわち、単位区間SB内にある2つの第2コンデンサ12の容量変化量を区別することができない。このように、検出差分ΔNが整数であると、第2コンデンサ12の容量変化量の検出に対する分解能に限界がある。そこで、本実施形態では、第2コンデンサ12の容量変化量の検出における分解能の向上の目的のため、「検出回数N」を実数化する。
図9を参照して、「検出回数N」の実数化の例を説明する。
スイッチ操作毎に、中間電位VMが参照電位Vrefを超える確率PEを算出する。そして、確率PEが規定確率(例えば、50%)を超える前後期間において、第1演算によるスイッチ操作の操作回数と確率PEとを相関させる連続関数(例えば、1次近似式φ2)を導出する。次いで、この関数と規定確率の線とが交差する交点を導出する。こうして導出された交点の操作回数は、「検出回数N」として記憶される。
こうして得られる検出回数Nは、連続する数(すなわち実数)である。この検出回数Nと第2コンデンサ12の容量変化量との関係は、図8の2点鎖線Lのようになる。すなわち、検出回数Nは、第2コンデンサ12の容量変化量が微小変化する場合にも、容量変化量それぞれに対応する値となっている。このため基準差分ΔNAを微調整すると、単位区間SB内にある2つの第2コンデンサ12の容量変化量に対応する2つの検出差分ΔNと、基準差分ΔNA(1),ΔNA(2)とを比較すると、その比較結果は異なる結果になり得る。このように、基準差分ΔNAの微調整による効果が発揮される。
以下、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、制御回路30は、中間電位VMが参照電位Vrefを超える前後期間における異なる時点で得られた複数の確率PEと、複数のスイッチ操作の操作回数とを関連付ける連続関数を導出する。そして、この連続関数に基づいて検出回数Nを導出する。これにより、スイッチ操作の操作回数と関係付けられる検出回数Nが実数として得られる。すなわち、検出回数Nが高い分解能で得られる。
<第4実施形態>
本実施形態では、物の存否の判定結果の精度を高める手段として、第1実施形態とは別の手段について説明する。以下、本実施形態と第1実施形態と相違する点について説明する。
図10に示されるように、本実施形態の静電容量センサ2は、制御回路30以外の構成については第1実施形態の構造を有する。
制御回路40は、スイッチ制御回路41と、平均値演算回路42と、演算回路43とを備える。
スイッチ制御回路41は、第1スイッチ21、第2スイッチ22、及び第3スイッチ23を制御する(後述参照)。スイッチ制御回路41が実行するスイッチング制御は、第1実施形態に示されるスイッチング制御に準ずる。
平均値演算回路42は、中間電位VMの平均値VMAを算出する(平均値演算)。例えば、平均値演算回路42は、所定期間にわたって中間電位VMを積分する積分回路を有する。平均値演算回路42は、この積分回路の出力値を規定値で割った値を「中間電位VMの平均値VMA」として出力する。
演算回路43は、平均値演算回路42が算出した「中間電位VMの平均値VMA」に基づいて検出回数Nを導出する(指標導出演算)。演算回路43は、次の4つの演算を実行する。
第1演算では、スイッチ操作の操作回数をカウントする。第1演算は、第1実施形態と同じである。
第2演算では、平均値演算回路42の出力信号に基づいて、中間電位VMの平均値VMAが参照電位Vrefを超えているか否かを判定する。以降では、中間電位VMの平均値VMAが参照電位Vrefを超えているときの判定を「肯定判定」という。
第3演算では、第2演算により算出された判定が肯定判定のとき、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。
第4演算では、検出回数Nと基準値とを比較して、検出差分ΔNを算出する。第4演算は、第1実施形態の第4演算に準ずる。
平均値演算回路42において「中間電位VMの平均値VMA」を算出する理由は、「中間電位VMが参照電位Vrefを超えているか否かの確率PE」を算出する理由と同じである。すなわち、中間電位VMのノイズに起因して、物の存否の判定精度に限界が生じる。そこで、物の存否の判定精度を高めることを目的として、中間電位VMの精度を高める。そして、中間電位VMの精度の向上の手段として、中間電位VMの平均値VMAを算出する。なお、「中間電位VMの精度の向上」とは、ノイズがない中間電位VM(すなわち真の中間電位VM)と中間電位VMとの差が小さくなることを示す。
ノイズは、中間電位VMの真の値に対して上下に平均して分散する。したがって、中間電位VMの平均値VMAは、真の値に近いと考えられる。少なくとも、真の値に対する中間電位VMの平均値VMAの乖離は、任意の一時点で取得される中間電位VMに比べて、小さい。従って、中間電位VMの平均値VMAを用いることにより、中間電位VMの精度を高めることができる。
そして、「中間電位VMの平均値VMA」が参照電位Vrefを超えたと判定されるとき、第1演算でカウントされている操作回数が「検出回数N」として記憶される。すなわち、偶然に中間電位VMが参照電位Vrefを超えたという結果だけで検出回数Nが決定されることがない。このようにして、物の存否についての判定結果の精度が高まる。
以下、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、スイッチ操作毎に得られる中間電位VMの平均値VMAに基づいて、検出回数Nとして導出する。このため、スイッチ操作毎に得られる単一の中間電位VMに基づいて検出回数Nを導出する場合に比べて、検出回数Nの精度が高くなる。
また、制御回路40は、中間電位VMの平均値VMAが参照電位Vrefを超えるとき、その時点でのスイッチ操作の操作回数を検出回数Nとする。この構成によれば、中間電位VMの平均値VMAが参照電位Vrefを超えた時点で、検出回数Nが得られる。
<第5実施形態>
本実施形態では、「検出回数N」の推定方法について説明する。
第4実施形態においては、第2演算により算出された判定が肯定判定のとき、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。すなわち、第4実施形態では、少なくとも、第2演算の判定が肯定判定となるまで、スイッチ操作、第1演算及び第2演算を繰り返し、そうして「検出回数N」を決定する。これに対して、本実施形態では、第2演算の判定が肯定判定となる前に、「検出回数N」を推定する。以下、その例を説明する。
図11を参照して、検出回数Nの推定の例を説明する。
平均値演算回路42は、スイッチ操作毎に、中間電位VMの平均値VMAを算出する。そして、中間電位VMの平均値VMAが参照電位Vrefを超える前の期間において、第1演算によるスイッチ操作の操作回数と中間電位VMの平均値VMAとを相関させる関数(例えば、1次近似式φ3)を導出する。そして、この関数に基づいて、中間電位VMの平均値VMAが中間電位VMの平均値VMAと等しくなる操作回数を推定する。こうして推定された操作回数は、「検出回数N」として記憶される。
以下、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、制御回路40は、中間電位VMが参照電位Vrefを超える前の期間における異なる時点で得られた、複数の中間電位VMの平均値VMAと複数のスイッチ操作の操作回数とを関連付ける関数を導出する。そしてこの関数に基づいて検出回数Nを導出する。この構成によれば、中間電位VMが参照電位Vrefを超える前に、検出回数Nが得られる。検出回数Nが得られたときには、次周期の開始時期まで、スイッチング制御及び第1〜第3演算を停止することが可能である。このため、この構成によれば、制御回路40の消費電力の抑制が可能である。
<第6実施形態>
本実施形態では、「検出回数N」の実数化について説明する。
第4実施形態においては、中間電位VMの平均値VMAが参照電位Vrefを超えているとき(すなわち、「肯定判定」のとき)、第1演算でカウントされている操作回数を「検出回数N」として記憶する。このため、検出回数Nは整数である。検出回数Nが整数であると、検出回数Nから導出される検出差分ΔNも整数になる。そうすると、基準差分ΔNAを1未満数値範囲で微調整したとしても、検出差分ΔNと基準差分ΔNAとの比較において、基準差分ΔNAを微調整による変化が表れない。この点は、第3実施形態において図8を用いて説明したとおりである。そこで、本実施形態では、本実施形態では、第2コンデンサ12の容量変化量の検出における分解能の向上の目的のため、「検出回数N」を実数化する。
図12を参照して、検出回数Nの実数化について説明する。
スイッチ操作毎に、中間電位VMの平均値VMAを算出する。そして、中間電位VMの平均値VMAが参照値を超える前後期間において、第1演算によるスイッチ操作の操作回数と中間電位VMの平均値VMAとを相関させる連続関数(例えば、1次近似式φ4)を導出する。そして、この関数と参照電位Vrefとが交差する交点を導出する。こうして導出された交点の操作回数は、「検出回数N」として記憶される。
以下、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、制御回路40は、中間電位VMが参照電位Vrefを超える前後期間における異なる時点で得られた、複数の中間電位VMの平均値VMAと複数のスイッチ操作の操作回数とを関連付ける連続関数を導出する。そして、この連続関数に基づいて検出回数Nを導出する。これにより、スイッチ操作の操作回数と関係付けられる検出回数Nが実数として得られる。すなわち、検出回数Nが高い分解能で得られる。
<第7実施形態>
本実施形態では、上記第1実施形態〜第6実施形態のいずれの形態にも適用可能な技術について説明する。
第1実施形態〜第6実施形態における課題は、中間電位VMのノイズに起因する。中間電位VMのノイズは不規則であるため、所定期間における中間電位VMの分布は、真の中間電位VMを中央値とする正規分布になる。しかしながら、外乱によりノイズに偏りが生じたり異常に高いピークが含まれたりし得る。そうすると、中間電位VMの分布が正規分布に従わない場合も生じる。この場合、第1実施形態〜第6実施形態において算出される確率PEや中間電位VMの平均値VMAの精度が低下する。そこで、本実施形態では、正規分布に従うノイズを第1コンデンサ11の少なくとも一方の電極に入力する。
図13を参照して、第1コンデンサ11の電極に入力されるノイズの例を説明する。正規分布に従うノイズとは、単位時間における複数のノイズを母集団とする、ノイズの大きさ(電位)の度数分布が正規分布になることを示す。好ましい正規分布を次に示す。例えば、標準偏差σの3倍の値が、中間電位VMの電位変化幅の平均変化幅ΔVMよりも大きく、標準偏差σの2倍の値が、中間電位VMの電位変化幅の平均変化幅ΔVMよりも小さい。
ノイズの分散が小さすぎると、比較結果や平均値VMAに対する外部要因によるノイズの影響が大きくなり、ノイズ入力の効果がなくなる。ノイズの分散が大きすぎると、確率PEや平均値VMAが分散するからである。このため、上記のようにノイズの分散が規定されることが好ましい。
このようなノイズの入力により、元のノイズと入力のノイズとが合成され、これによって合成されるノイズにおける元のノイズの影響が小さくなる。このため、元のノイズに外乱が含まれるようにあっても、その影響が小さくなり、結果として、外乱による確率PEや中間電位VMの平均値VMAの精度低下が抑制されるようになる。これにより、正規分布に従うノイズを印加しない場合に比べて、異常な確率PEや平均値VMAが導出されることが抑制される。
<その他の実施形態>
・各実施形態では、スイッチ操作(第2スイッチ操作と第3スイッチ操作)は、所定回数だけ実行されるように構成されているが、これは次のように変更され得る。すなわち、スイッチ操作は、中間電位VMが初期電位から参照電位Vrefに至るまでの期間だけ実行される。この構成によれば、スイッチ操作の回数が、実施形態の例に比べて少なくなるため、制御回路30,40の消費電力の抑制ができる。
・第1〜第3実施形態において、スイッチ操作毎における、確率PEの算出は、次の条件で行ってもよい。すなわち、中間電位VMが規定電位Vxを超えた後、確率PEの算出が行われる。ここで、規定電位Vx(図2参照)とは、中間電位VMの初期電位(第1電位V1)と参照電位Vrefとの間に設定される電位である。これにより、スイッチ操作の操作回数が少なく確率PEが0%に近いとき、すなわち確率PEの算出に効果がないとき、確率PEの算出(指標導出演算)が行われない。これにより、制御回路30の演算回数が制限され、各実施形態の効果を発揮させつつ、制御回路30の負担を軽減することができる。
・第4〜第6実施形態において、スイッチ操作毎における、中間電位VMの平均値VMAの算出は、次の条件で行ってもよい。すなわち、中間電位VMが規定電位Vx(図2参照)を超えた後、中間電位VMの平均値VMAの算出が行われる。これにより、スイッチ操作の操作回数が少なく中間電位VMが参照電位Vrefを超える可能性が低いとき、すなわち平均値VMAの算出に効果がないとき、平均値VMAの算出(指標導出演算)が行われない。これにより、制御回路40の演算回数が制限され、各実施形態の効果を発揮させつつ、制御回路30の負担を軽減することができる。
1…静電容量センサ、2…静電容量センサ、11…第1コンデンサ、12…第2コンデンサ、13…配線、14…配線、15…配線、21…第1スイッチ、22…第2スイッチ、23…第3スイッチ、30…制御回路、31…スイッチ制御回路、32…比較回路、33…演算回路、40…制御回路、41…スイッチ制御回路、42…平均値演算回路、43…演算回路、PE…確率、S…区間、SB…単位区間、V1…第1電位、V2…第2電位、Vref…参照電位、Vx…規定電位、VM…中間電位、VMA…平均値、φ1…1次近似式、φ2…1次近似式、φ3…1次近似式、φ4…1次近似式、N…検出回数、ΔN…検出差分、ΔNA…基準差分。

Claims (12)

  1. 第1コンデンサと、前記第1コンデンサに接続されて物の存否に基づいて容量が変化する第2コンデンサと、前記第1コンデンサを初期化する第1スイッチと、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間に配置される第2スイッチと、前記第2コンデンサを初期化する第3スイッチと、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記第3スイッチを制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記第1スイッチの操作による前記第1コンデンサの初期化後、前記第2スイッチの操作と前記第3スイッチの操作とからなるスイッチ操作を複数回行うスイッチング制御と、
    前記スイッチ操作毎に、複数の時点で、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間の電位である中間電位を取得し、複数の前記中間電位に基づいて、前記中間電位が参照電位を超えるときの前記スイッチ操作の操作回数に対応する検出回数を導出する演算とを実行する
    静電容量センサ。
  2. 前記制御回路は、前記演算において、
    前記スイッチ操作毎に、複数の時点で、前記中間電位と前記参照電位とを比較する比較演算と、
    前記比較演算により得られる複数の比較結果に基づいて前記検出回数を導出する指標導出演算とを実行する
    請求項1に記載の静電容量センサ。
  3. 前記制御回路は、前記指標導出演算において、
    前記複数の比較結果に基づいて前記中間電位が前記参照電位を超える確率を算出し、前記確率が規定確率を超えるとき、前記確率が前記規定確率を超えた時点での前記スイッチ操作の操作回数を前記検出回数とする
    請求項2に記載の静電容量センサ。
  4. 前記制御回路は、前記指標導出演算において、
    前記複数の比較結果に基づいて前記中間電位が前記参照電位を超える確率を導出し、前記中間電位が前記参照電位を超える前の期間における異なる時点で得られた複数の前記確率と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける関数に基づいて、前記検出回数を導出する
    請求項2に記載の静電容量センサ。
  5. 前記制御回路は、前記指標導出演算において、
    前記複数の比較結果に基づいて前記中間電位が前記参照電位を超える確率を導出し、前記中間電位が前記参照電位を超える前後期間における異なる時点で得られた複数の前記確率と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける連続関数に基づいて、前記検出回数を導出する
    請求項2に記載の静電容量センサ。
  6. 前記制御回路は、前記指標導出演算を、前記中間電位が、前記中間電位の初期電位と前記参照電位との間に設定される規定電位を超える時以降に実行する
    請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の静電容量センサ。
  7. 前記制御回路は、前記演算において、
    前記スイッチ操作毎に、複数の時点で得られる、前記中間電位に基づいて前記中間電位の平均値を導出する平均値演算と、
    前記中間電位の平均値に基づいて前記検出回数を導出する指標導出演算とを実行する
    請求項1に記載の静電容量センサ。
  8. 前記制御回路は、前記指標導出演算において、
    前記中間電位の平均値が前記参照電位を超えた時点での前記スイッチ操作の操作回数を前記検出回数とする
    請求項7に記載の静電容量センサ。
  9. 前記制御回路は、前記指標導出演算において、
    前記中間電位が前記参照電位を超える前の期間における異なる時点で得られた複数の前記中間電位の平均値と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける関数に基づいて、前記検出回数を導出する
    請求項7に記載の静電容量センサ。
  10. 前記制御回路は、前記指標導出演算において、
    前記中間電位が前記参照電位を超える前後期間における異なる時点で得られた複数の前記中間電位の平均値と複数の前記スイッチ操作の操作回数とを関連付ける連続関数に基づいて、前記検出回数を導出する
    請求項7に記載の静電容量センサ。
  11. 前記制御回路は、前記指標導出演算を、前記中間電位が、前記中間電位の初期電位と前記参照電位との間に設定される規定電位を超える時以降に実行する
    請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の静電容量センサ。
  12. 前記第1コンデンサの少なくとも一方の電極には、正規分布に従うノイズが入力される
    請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の静電容量センサ。
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