JP2020096216A - 静電容量センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】寄生容量の変化に起因して検出対象物の存否の判定精度が低下することを抑制できる静電容量センサを提供する。【解決手段】電源に接続される直列接続の第1及び第2コンデンサ11,12と、第1〜第3スイッチ13〜15と、第1スイッチ13をオン状態にする第1スイッチング処理を行った後、オフ状態で第2及び第3スイッチ14,15を相補的にオフ状態及びオン状態に切り替える第2スイッチング処理を繰り返し行うスイッチ制御部17aと、中間電位VMと参照電位Vrefとの大小関係が反転したと判定されたときの第2スイッチング処理の繰り返し回数をセンサ出力値として導出する導出部17bと、センサ出力値を分解能が一律になるように補正したセンサ出力補正値を算出する算出部17cと、センサ出力差分値と予め設定された判定閾値との大小関係に基づいて、検出対象物の存否を判定する判定部17dとを備える。【選択図】図4
Description
本発明は、静電容量センサに関するものである。
従来、静電容量センサとしては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この静電容量センサは、第1コンデンサと、該第1コンデンサに接続され物の存否に基づいて容量が変動する第2コンデンサと、第1コンデンサを初期化する第1スイッチと、第1及び第2コンデンサの間に配置される第2スイッチと、第2コンデンサを初期化する第3スイッチと、制御回路とを備える。制御回路は、第1スイッチの操作による第1コンデンサの初期化後、第2スイッチの操作と第3スイッチの操作とからなるスイッチ操作を複数回行うとともに、第1及び第2コンデンサの間の電位である中間電位を取得し、更に中間電位が参照電位を超えるときのスイッチ操作の操作回数に対応する検出回数を導出する。この検出回数は、操作回数1回あたりに第2コンデンサが放電できる放電容量、即ち第2コンデンサの容量に相関しており、検出回数の導出によって第2コンデンサの容量が検出される。
特に、制御回路は、スイッチ操作ごとに、複数の時点で、中間電位を取得し、これら複数の中間電位に基づいて検出回数を導出する。これにより、例えば中間電位にノイズがあったとしても検出回数の導出精度、即ち第2コンデンサの容量の検出精度が向上するという。
なお、第2コンデンサの容量、即ち検出回数は、物の存否に基づいて変動する。従って、このような静電容量センサは、例えば検出回数の変動量と予め設定された判定閾値との大小関係に基づいて、物としての検出対象物の存否を判定することに利用されている。
ところで、第2コンデンサの容量は、例えば検出対象物が存在しない初期状態であってもこれに含まれる寄生容量の影響を受けて変化する。従って、特許文献1では、操作回数1回あたりに第2コンデンサが放電できる放電容量が寄生容量に応じて変化することになり、検出回数がばらついて第2コンデンサの容量の検出精度が低下する可能性がある。そして、ひいては検出対象物の存否(例えばユーザの近接や操作など)の判定精度が低下する可能性がある。
まず、図16(a)、(b)において、第1コンデンサ91の容量C11が100[pF]、初期状態での第2コンデンサ92の寄生容量を含んだ容量C12が5[pF]、検出対象物の存在する状態での容量C12の変動量ΔC12が5[pF]であると仮定して、対応する検出回数(以下、「静電容量カウント値CN[LSB]」ともいう)等について単純化して説明する。
図16(a)に示す初期状態では、静電容量カウント値CN0は下式のように表される。
静電容量カウント値CN0=100/5=20[LSB]
一方、図16(b)に示す検出対象物の存在する状態では、静電容量カウント値CN1は下式のように表される。
静電容量カウント値CN0=100/5=20[LSB]
一方、図16(b)に示す検出対象物の存在する状態では、静電容量カウント値CN1は下式のように表される。
静電容量カウント値CN1=100/(5+5)=10[LSB]
そして、検出対象物の存在判定に係る静電容量カウント値CNの変動量ΔCNは下式のように表される。
そして、検出対象物の存在判定に係る静電容量カウント値CNの変動量ΔCNは下式のように表される。
変動量ΔCN=|CN1−CN0|=|10−20|=10[LSB]
つまり、静電容量センサは、検出対象物の存在判定に係る変動量ΔC12(5[pF])を変動量ΔCN(10[LSB])で検知していることになり、その分解能Res[pF/LSB]は下式のように表される。
つまり、静電容量センサは、検出対象物の存在判定に係る変動量ΔC12(5[pF])を変動量ΔCN(10[LSB])で検知していることになり、その分解能Res[pF/LSB]は下式のように表される。
分解能Res=ΔC12/ΔCN=5/10=0.5[pF/LSB]
一方、図17(a)、(b)において、初期状態での第2コンデンサ92の寄生容量を含んだ容量C12のみが20[pF]に変化していると仮定して、対応する検出回数(静電容量カウント値CN[LSB])等について単純化して説明する。
一方、図17(a)、(b)において、初期状態での第2コンデンサ92の寄生容量を含んだ容量C12のみが20[pF]に変化していると仮定して、対応する検出回数(静電容量カウント値CN[LSB])等について単純化して説明する。
図17(a)に示す初期状態では、静電容量カウント値CN0は下式のように表される。
静電容量カウント値CN0=100/20=5[LSB]
一方、図17(b)に示す検出対象物の存在状態では、静電容量カウント値CN1は下式のように表される。
静電容量カウント値CN0=100/20=5[LSB]
一方、図17(b)に示す検出対象物の存在状態では、静電容量カウント値CN1は下式のように表される。
静電容量カウント値CN1=100/(20+5)=4[LSB]
そして、検出対象物の存在判定に係る静電容量カウント値CNの変動量ΔCNは下式のように表される。
そして、検出対象物の存在判定に係る静電容量カウント値CNの変動量ΔCNは下式のように表される。
変動量ΔCN=|CN1−CN0|=|4−5|=1[LSB]
つまり、静電容量センサは、検出対象物の存在判定に係る変動量ΔC12(5[pF])を変動量ΔCN(1[LSB])で検知していることになり、その分解能Res[pF/LSB]は下式のようになる。
つまり、静電容量センサは、検出対象物の存在判定に係る変動量ΔC12(5[pF])を変動量ΔCN(1[LSB])で検知していることになり、その分解能Res[pF/LSB]は下式のようになる。
分解能Res=ΔC12/ΔCN=5/1=5[pF/LSB]
このように、第2コンデンサ92の寄生容量を含んだ容量C12が5[pF]から20[pF]に変化することで、分解能Resが0.5[pF/LSB]から5[pF/LSB]に変化することになって、10倍の差が生じている。
このように、第2コンデンサ92の寄生容量を含んだ容量C12が5[pF]から20[pF]に変化することで、分解能Resが0.5[pF/LSB]から5[pF/LSB]に変化することになって、10倍の差が生じている。
そして、このように分解能Resが変化すると、同等の変動量ΔC12に対して静電容量カウント値CNの変動量ΔCNが一定にならない。この場合、検出対象物の存否の判定に係る当該検出対象物の検出距離が変化することになり、その判定精度が低下する。以上により、第2コンデンサの容量に含まれる寄生容量の変化によって、検出対象物の存否の判定精度が低下することが確認される。
本発明の目的は、寄生容量の変化に起因して検出対象物の存否の判定精度が低下することを抑制できる静電容量センサを提供することにある。
上記課題を解決する静電容量センサは、電源に接続される直列接続の第1コンデンサ及び第2コンデンサと、前記第1コンデンサの両端子間に接続されている第1スイッチと、前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサの間に接続されている第2スイッチと、前記第2コンデンサの両端子間に接続されている第3スイッチと、前記第1スイッチをオン状態にする第1スイッチング処理を行った後、前記第1スイッチのオフ状態で前記第2スイッチ及び前記第3スイッチを相補的にオフ状態及びオン状態に切り替える第2スイッチング処理を繰り返し行うスイッチ制御部と、前記第1及び第2コンデンサの間の中間電位と予め設定された参照電位との大小関係が反転したと判定されたときの前記第2スイッチング処理の繰り返し回数をセンサ出力値として導出する導出部と、前記センサ出力値を分解能が一律になるように補正したセンサ出力補正値を算出する算出部と、現在の前記センサ出力補正値及び過去の前記センサ出力補正値に基づく基準センサ出力値の差分であるセンサ出力差分値と、予め設定された判定閾値との大小関係に基づいて、検出対象物の存否を判定する判定部とを備える。
なお、「分解能」とは、センサ出力値の単位量あたりの第2コンデンサの容量の容量変化である。
この構成によれば、現在の前記センサ出力補正値及び前記基準センサ出力値は、共に前記分解能が一律になるように補正されている。これにより、前記第2コンデンサの容量に含まれる寄生容量が異なっていたとしても、その変動量が同一であれば、前記センサ出力差分値は同値になるように同水準で算出される。従って、前記判定部は、前記センサ出力差分値と前記判定閾値との大小関係に基づいて、前記検出対象物の存否を同水準で判定できる。このように、前記第2コンデンサの容量に含まれる寄生容量の変化に起因して前記検出対象物の存否の判定精度が低下することを抑制できる。
この構成によれば、現在の前記センサ出力補正値及び前記基準センサ出力値は、共に前記分解能が一律になるように補正されている。これにより、前記第2コンデンサの容量に含まれる寄生容量が異なっていたとしても、その変動量が同一であれば、前記センサ出力差分値は同値になるように同水準で算出される。従って、前記判定部は、前記センサ出力差分値と前記判定閾値との大小関係に基づいて、前記検出対象物の存否を同水準で判定できる。このように、前記第2コンデンサの容量に含まれる寄生容量の変化に起因して前記検出対象物の存否の判定精度が低下することを抑制できる。
上記静電容量センサについて、前記センサ出力値の全範囲を分けた複数の区分のうちのいずれの該区分に前記センサ出力値が属するかを判定する区分判定部と、前記複数の区分ごとに、前記センサ出力値を補正するための補正係数を記憶する記憶部と、を備え、前記補正係数は、前記センサ出力値の分解能が一律になるように、該分解能に比例する値に設定されており、前記算出部は、前記センサ出力値が属する区分に対応する前記補正係数に基づいて、前記センサ出力補正値を算出することが好ましい。
上記静電容量センサについて、前記センサ出力値の全範囲を分けた複数の区分のうちのいずれの該区分に前記センサ出力値が属するかを判定する区分判定部と、前記複数の区分ごとに、前記センサ出力値が属していると判定された回数を計数する区分計数部と、前記複数の区分ごとの前記回数の計数結果を記憶する記憶部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、前記複数の区分ごとに、前記第2コンデンサの容量(寄生容量)に相関する前記センサ出力値が属していると判定された前記回数が計数され、該計数の結果が前記記憶部に記憶される。従って、例えば整備時などに当該計数の結果を前記記憶部から読み込むことで、前記第2コンデンサの寄生容量の分布状況などの特徴を捉えることができる。
本発明は、寄生容量の変化に起因して検出対象物の存否の判定精度が低下することを抑制できる効果がある。
以下、静電容量センサの一実施形態について説明する。
図1に示すように、自動車などの車両1のボデー2の後部には開口2aが形成されている。また、ボデー2の後部には、開口2aの上部に設けられたドアヒンジ(図示略)を介してバックドア3が開閉自在に取着されている。バックドア3は、ドアヒンジを中心に上方に押し上げられることで開放される。さらに、バックドア3の車室内側の先端には、閉状態にあるバックドア3を施解錠するドアロック5が設置されている。
図1に示すように、自動車などの車両1のボデー2の後部には開口2aが形成されている。また、ボデー2の後部には、開口2aの上部に設けられたドアヒンジ(図示略)を介してバックドア3が開閉自在に取着されている。バックドア3は、ドアヒンジを中心に上方に押し上げられることで開放される。さらに、バックドア3の車室内側の先端には、閉状態にあるバックドア3を施解錠するドアロック5が設置されている。
ボデー2の後部には、開口2aの下方で車両の幅方向に延びるバンパー6が設けられている。そして、バンパー6には、該バンパー6に沿って車両の幅方向に延びる一対の略線状の電極21が設けられている。図2に示すように、各電極21は、例えばユーザの足Fが近接することで容量が変動する第2コンデンサ12を形成する。両第2コンデンサ12は、バンパー6の下部と路面との間への足Fの出し入れ操作(以下、「キック操作」ともいう)の有無(検出対象物の存否)の判定に供される。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
図3に示すように、両電極21を含む静電容量センサ10には、例えばMCU(マイコン)からなるドアECU30が電気的に接続されているとともに、該ドアECU30には、ドア駆動ユニット31及びドアロック駆動ユニット32が電気的に接続されている。ドア駆動ユニット31は、例えば電動モータなどの電気的駆動源を主体に構成されており、適宜のドア駆動機構を介してバックドア3と機械的に連係されることで該バックドア3を開閉駆動する。ドアロック駆動ユニット32は、例えば電動モータなどの電気的駆動源を主体に構成されており、適宜のロック駆動機構を介してドアロック5と機械的に連係されることで該ドアロック5を施解錠駆動する。
図3に示すように、両電極21を含む静電容量センサ10には、例えばMCU(マイコン)からなるドアECU30が電気的に接続されているとともに、該ドアECU30には、ドア駆動ユニット31及びドアロック駆動ユニット32が電気的に接続されている。ドア駆動ユニット31は、例えば電動モータなどの電気的駆動源を主体に構成されており、適宜のドア駆動機構を介してバックドア3と機械的に連係されることで該バックドア3を開閉駆動する。ドアロック駆動ユニット32は、例えば電動モータなどの電気的駆動源を主体に構成されており、適宜のロック駆動機構を介してドアロック5と機械的に連係されることで該ドアロック5を施解錠駆動する。
静電容量センサ10は、前述のキック操作の有無の判定結果を表す検出信号SxをドアECU30に出力する。ドアECU30は、静電容量センサ10からの検出信号Sxに基づいて、ドア駆動ユニット31及びドアロック駆動ユニット32を個別に駆動制御する。
具体的には、検出信号Sxが「キック操作有り」を表しているとき、ドアECU30は、閉状態にあるバックドア3の開操作入力(操作対象に対する操作入力)を検出するとともに、施錠状態にあるドアロック5の解錠操作入力(操作対象に対する操作入力)を検出する。そして、ドアECU30は、バックドア3を開作動させるべくドア駆動ユニット31を駆動制御するとともに、ドアロック5を解錠作動させるべくドアロック駆動ユニット32を駆動制御する。
あるいは、検出信号Sxが「キック操作有り」を表しているとき、ドアECU30は、開状態にあるバックドア3の閉操作入力(操作対象に対する操作入力)を検出するとともに、解錠状態にあるドアロック5の施錠操作入力(操作対象に対する操作入力)を検出する。そして、ドアECU30は、バックドア3を閉作動させるべくドア駆動ユニット31を駆動制御するとともに、ドアロック5を施錠作動させるべくドアロック駆動ユニット32を駆動制御する。
次に、静電容量センサ10の電気的構成について説明する。なお、両第2コンデンサ12(電極21)の電気的な接続は互いに同等であるため、以下では一方を代表して説明する。
図4に示すように、静電容量センサ10は、第1コンデンサ11と、前述の第2コンデンサ12と、第1スイッチ13と、第2スイッチ14と、第3スイッチ15と、制御回路16とを備える。
第1コンデンサ11は、所定の容量C11を有する。第1コンデンサ11は、例えば車両1の周囲環境が変化したり、ユーザの足Fが近接したりしても、容量C11が変動することがないように構成・配置されている。
第2コンデンサ12は、ユーザの足Fが近接しなければ、例えば車両1の周囲環境で決定される概ね安定した容量C12を有する。ただし、容量C12は、例えばバンパー6(又は電極21)に異物が付着するなど車両1の周囲環境が変化することで、これに含まれる浮遊容量と共に変化する。また、既述のように、容量C12は、ユーザの足Fが近接することで変動する。
第1コンデンサ11及び第2コンデンサ12は、直列接続で電源に接続されている。すなわち、第1コンデンサ11は、一端が電源としての高側電位V1に電気的に接続されており、他端が第2スイッチ14を介して第2コンデンサ12の一端に電気的に接続されている。そして、第2コンデンサ12は、他端が電源としての低側電位V2(<V1)に電気的に接続されている。低側電位V2は、例えばグランドと等電位に設定される。
第1スイッチ13は、第1コンデンサ11を初期化する。具体的には、第1スイッチ13は、第1コンデンサ11の両端子間に接続(並列接続)されており、オン状態及びオフ状態への切り替わりに伴って第1コンデンサ11の両端子間をそれぞれ接続(短絡)及び遮断する。第2スイッチ14は、第1コンデンサ11及び第2コンデンサ12間に電気的に接続されており、オン状態及びオフ状態への切り替わりに伴って第1コンデンサ11及び第2コンデンサ12をそれぞれ接続及び遮断する。第3スイッチ15は、第2コンデンサ12を初期化する。具体的には、第3スイッチ15は、第2コンデンサ12の両端子間に接続(並列接続)されており、オン状態及びオフ状態への切り替わりに伴って第2コンデンサ12の両端子間をそれぞれ接続(短絡)及び遮断する。
制御回路16は、例えばMCU(マイコン)からなる制御部17と、例えばコンパレータからなる比較部18とを備える。
比較部18は、第1コンデンサ11及び第2スイッチ14の接続点Nの電位である中間電位VMと参照電位Vrefとを比較するとともに、当該比較の結果を表す信号を制御部17に出力する。参照電位Vrefは、高側電位V1及び低側電位V2の中間の電位(V2<Vref<V1)に設定されている。
比較部18は、第1コンデンサ11及び第2スイッチ14の接続点Nの電位である中間電位VMと参照電位Vrefとを比較するとともに、当該比較の結果を表す信号を制御部17に出力する。参照電位Vrefは、高側電位V1及び低側電位V2の中間の電位(V2<Vref<V1)に設定されている。
制御部17は、第1スイッチ13、第2スイッチ14及び第3スイッチ15をオン・オフ制御(スイッチング制御)する。また、制御部17は、比較部18の出力信号(即ち比較結果)に基づいてセンサ出力値Crawを導出する。
ここで、図5を参照して、制御部17が実行するスイッチング制御及びセンサ出力値Crawの導出処理について説明する。
スイッチ制御部17aとしての制御部17は、第1スイッチ13、第2スイッチ14及び第3スイッチ15を所定周期で動作させる。すなわち、制御部17は、周期の初期において、第2スイッチ14及び第3スイッチ15のオフ状態で第1スイッチ13をオン状態にする第1スイッチング処理を行う。これにより、第1コンデンサ11が初期化され、中間電位VMは高側電位V1と等しくなる。
スイッチ制御部17aとしての制御部17は、第1スイッチ13、第2スイッチ14及び第3スイッチ15を所定周期で動作させる。すなわち、制御部17は、周期の初期において、第2スイッチ14及び第3スイッチ15のオフ状態で第1スイッチ13をオン状態にする第1スイッチング処理を行う。これにより、第1コンデンサ11が初期化され、中間電位VMは高側電位V1と等しくなる。
その後、制御部17は、第1スイッチ13をオフ状態に切り替えた状態で、第2スイッチ14をオン状態にするとともに第3スイッチ15をオン状態にする(以下、このスイッチ動作を「第2スイッチ操作」という)。このとき、第1コンデンサ11と第2コンデンサ12とに電流が流れ、中間電位VMが低下する。
次に、制御部17は、第1スイッチ13のオフ状態を維持したまま、第2スイッチ14をオフ状態にするとともに第3スイッチ15をオン状態にする(以下、このスイッチ動作を「第3スイッチ操作」という)。このとき、第2コンデンサ12が初期化される。
引き続き、制御部17は、第1スイッチ13のオフ状態を維持したまま、第2スイッチ操作及び第3スイッチ操作を交互に実行する。つまり、制御部17は、第1スイッチ13のオフ状態で第2スイッチ14及び第3スイッチ15を相補的にオフ状態及びオン状態に切り替える第2スイッチング処理を繰り返し行う。これに伴い、中間電位VMは徐々に低下する。
制御部17は、第1スイッチ13のオフ状態を維持したままでの第2スイッチング処理の繰り返し回数が所定回数Nthに到達するまで繰り返し行う。所定回数Nthは、第2コンデンサ12の容量C12が最小値のときに中間電位VMと参照電位Vrefとの大小関係が反転するまでに要する第2スイッチング処理の繰り返し回数よりも大きく設定されている。これは、第2コンデンサ12の容量C12に関わらず、第2スイッチング処理の繰り返し回数が所定回数Nthに到達するまでの間に、中間電位VMと参照電位Vrefとの大小関係を必ず反転させるためである。
なお、制御部17は、第1スイッチ13のオフ状態を維持したままでの第2スイッチング処理の繰り返し回数が所定回数Nthに到達すると、第1スイッチング処理を再開して同様の処理を繰り返す。
導出部17bとしての制御部17は、中間電位VMと参照電位Vrefとの大小関係が反転するまでの第2スイッチング処理の繰り返し回数を計数する。すなわち、制御部17は、比較部18の出力信号に基づき、中間電位VMが参照電位Vrefを下回る(VM<Vref)と判定されるまでの第2スイッチング処理の繰り返し回数を計数する。そして、制御部17は、中間電位VMが参照電位Vrefを下回ると判定されたときの当該繰り返し回数をセンサ出力値Craw[LSB]として導出する。このセンサ出力値Craw[LSB]は、第2スイッチング処理の操作回数1回あたりに第2コンデンサ12が放電できる放電容量、即ち第2コンデンサ12の容量C12[pF]に相関している。つまり、センサ出力値Craw[LSB]は、容量C12[pF]の指標となるものである。
具体的には、容量C12[pF]は、センサ出力値Craw[LSB]の周知の指数関数となっている。図6に示すように、この指数関数は、基本的にセンサ出力値Craw[LSB]が小さくなるほど容量C12[pF]が大きくなる特徴を示している。これは、容量C12[pF]が大きいほど第2スイッチング処理の操作回数1回あたりの放電容量が大きくなって該第2スイッチング処理の繰り返し回数、即ちセンサ出力値Craw[LSB]が小さくなるためである。
算出部17cとしての制御部17は、センサ出力値Craw[LSB]を分解能Res[pF/LSB]が一律になるように補正したセンサ出力補正値CrawRを算出する。
すなわち、制御部17は、前述の指数関数(図6参照)にこのときのセンサ出力値Craw[LSB]を代入して容量C12[pF]を算出する。
すなわち、制御部17は、前述の指数関数(図6参照)にこのときのセンサ出力値Craw[LSB]を代入して容量C12[pF]を算出する。
また、制御部17は、容量C12[pF]を微分して分解能Res[pF/LSB]を算出する。具体的には、制御部17は、センサ出力値Craw[LSB]から1[LSB]を減じた値を前述の指数関数に代入することで得られた値[pF]と容量C12[pF]との差分に基づいて分解能Res[pF/LSB]を算出する。図7に示すように、分解能Res[pF/LSB]は、センサ出力値Craw[LSB]に応じて変化する。
さらに、制御部17は、分解能Res[pF/LSB]の大きさ(絶対値)を補正係数Kとして算出する。補正係数Kは、例えば分解能Res[pF/LSB]の所定数倍であってもよい。図8に示すように、補正係数Kは、分解能Res[pF/LSB]に合わせて推移する。
そして、制御部17は、センサ出力値Craw[LSB]に補正係数Kを乗じてセンサ出力補正値CrawRを算出する。
以上により、制御部17は、センサ出力値Craw[LSB]を分解能Res[pF/LSB]に基づいて補正したセンサ出力補正値CrawRを算出する。これは、センサ出力値Craw[LSB]がキック操作の有無に伴う変動よりも大きく変化すると、分解能Res[pF/LSB]が変化して、同等の容量C12[pF]の変動量に対して一定のセンサ出力値Craw[LSB]の変動量にならないためである。
以上により、制御部17は、センサ出力値Craw[LSB]を分解能Res[pF/LSB]に基づいて補正したセンサ出力補正値CrawRを算出する。これは、センサ出力値Craw[LSB]がキック操作の有無に伴う変動よりも大きく変化すると、分解能Res[pF/LSB]が変化して、同等の容量C12[pF]の変動量に対して一定のセンサ出力値Craw[LSB]の変動量にならないためである。
図9は、センサ出力値Craw[LSB]と算出されたセンサ出力補正値CrawRとの関係を示すグラフである。このように算出されたセンサ出力補正値CrawRは、同等の容量C12[pF]の変動量に対して一定の変動量になる。この場合、キック操作の有無の判定に係る足Fの検出距離が不変になり、その判定精度が低下する可能性が低減される。
ここで、分解能Res[pF/LSB]の一律なセンサ出力補正値CrawRの概要について簡略化して説明する。なお、以下では、便宜的に分解能Res[pF/LSB]を補正係数Kに合わせて正数にしている。また、センサ出力値Craw[LSB]及びセンサ出力補正値CrawRの各々は、キック操作に伴う変動量の大きさ(絶対値)を表すようにしている。
図10に示すように、容量C12[pF]の変動量が10[pF]で分解能Res[pF/LSB]の違いにより当該変動量に対するセンサ出力値Craw[LSB]が異なっているとする。
すなわち、分解能Resが0.5[pF/LSB]であることでセンサ出力値Crawが20[LSB]であるとする。この場合、補正係数Kとして0.5を乗ずればセンサ出力補正値CrawRが10(=20×0.5)となる。
また、分解能Resが1[pF/LSB]であることでセンサ出力値Crawが10[LSB]であるとする。この場合、補正係数Kとして1を乗ずればセンサ出力補正値CrawRが10(=10×1)となる。
さらに、分解能Resが5[pF/LSB]であることでセンサ出力値Crawが2[LSB]であるとする。この場合、補正係数Kとして5を乗ずればセンサ出力補正値CrawRが10(=2×5)となる。
以上により、センサ出力補正値CrawRは、分解能Res[pF/LSB]が一律であることで、同等の容量C12[pF]の変動量に対して一定の変動量になることが確認される。
次に、本実施形態のキック操作の有無の判定態様について説明する。この処理は、所定時間(例えば第1スイッチング処理の繰り返し周期)ごとの定時割り込みにより繰り返し実行される。
図11に示すように、処理がこのルーチンに移行すると、制御部17は、前述の態様でセンサ出力値Crawを算出(導出)するとともに(ステップS1)、該センサ出力値Crawに基づいて容量C12を算出し(ステップS2)、更に該容量C12に基づいて分解能Resを算出する(ステップS3)。引き続き、制御部17は、分解能Resに基づいて補正係数Kを算出するとともに(ステップS4)、該補正係数Kをセンサ出力値Crawに乗じてセンサ出力補正値CrawRを算出する(ステップS5)。
次に、制御部17は、過去のセンサ出力補正値CrawRに基づいて基準センサ出力値Cbaseを算出する(ステップS6)。具体的には、演算周期に比べて十分に長い所定時間内でのセンサ出力補正値CrawRの平均値を基準センサ出力値Cbaseとして算出する(ステップS6)。
この基準センサ出力値Cbaseは、例えばキック操作時に変動するセンサ出力補正値CrawRとの比較の基準となる安定値である。換言すれば、基準センサ出力値Cbaseは、キック操作に伴ってそのまま変動することがないように、過去のセンサ出力補正値CrawRが反映されている。センサ出力補正値CrawRに基づき算出される基準センサ出力値Cbaseの分解能Resが一律なのはいうまでもない。なお、基準センサ出力値Cbaseの算出にあたって現在のセンサ出力補正値CrawRを含めてもよい。あるいは、所定時間前のセンサ出力補正値CrawRをそのまま基準センサ出力値Cbaseにしてもよい。
次に、制御部17は、現在のセンサ出力補正値CrawRと基準センサ出力値Cbaseとの差の大きさ(絶対値)であるセンサ出力差分値Cdiffを算出する(ステップS7)。このセンサ出力差分値Cdiffは、容量C12の変化量の指標になるものであって、センサ出力値Crawの変動量を分解能Resが一律になるように補正したものである。
続いて、判定部17dとしての制御部17は、センサ出力差分値Cdiffが予め設定されている所定の判定閾値Cthを超えたか否かを判断する(ステップS8)。この判定閾値Cthは、キック操作に伴うセンサ出力補正値CrawRの変動量を表す好適な値に設定されている。そして、制御部17は、センサ出力差分値Cdiffが判定閾値Cthを超えたと判断されると、センサ出力補正値CrawRの変動量が大きいことからキック操作有りと判定して(ステップS9)、その後の処理を終了する。一方、制御部17は、センサ出力差分値Cdiffが判定閾値Cth以下と判断されると、センサ出力補正値CrawRの変動量が小さいことから「キック操作無し」と判定して(ステップS10)、その後の処理を終了する。
以上により、分解能Res、即ち容量C12に含まれる寄生容量の変化に起因してキック操作の有無の判定精度が低下することが抑制される。
図12に模式的に示すように、センサ出力値Crawの全範囲は、互いに交わることなく連続する複数の区分n(n=1,2,…)に予め分けられている。そして、区分判定部17eとしての制御部17は、現在のセンサ出力値Crawが複数の区分nのうちのいずれの該区分nに属するかを判定する。また、区分計数部17fとしての制御部17は、複数の区分nごとに、センサ出力値Crawが属していると判定された回数(頻度)CNTn(n=1,2,…)を計数するとともに、制御部17は、複数の区分nごとの回数CNTnの計数結果をその内蔵する不揮発性メモリからなる記憶部17gに記憶する。これは、例えば整備時などに当該計数の結果(回数CNTn)を記憶部17gから読み込むことで、第2コンデンサ12の寄生容量(容量C12)の分布状況などの特徴を捉えるためである。
図12に模式的に示すように、センサ出力値Crawの全範囲は、互いに交わることなく連続する複数の区分n(n=1,2,…)に予め分けられている。そして、区分判定部17eとしての制御部17は、現在のセンサ出力値Crawが複数の区分nのうちのいずれの該区分nに属するかを判定する。また、区分計数部17fとしての制御部17は、複数の区分nごとに、センサ出力値Crawが属していると判定された回数(頻度)CNTn(n=1,2,…)を計数するとともに、制御部17は、複数の区分nごとの回数CNTnの計数結果をその内蔵する不揮発性メモリからなる記憶部17gに記憶する。これは、例えば整備時などに当該計数の結果(回数CNTn)を記憶部17gから読み込むことで、第2コンデンサ12の寄生容量(容量C12)の分布状況などの特徴を捉えるためである。
次に、本実施形態の複数の区分nごとの回数CNTnの計数態様について説明する。この処理は、例えばセンサ出力値Crawの属する区分nの判定結果が前回から切り替わることで起動される。
図13に示すように、処理がこのルーチンに移行すると、制御部17は、判定結果の切り替わった現在の区分nの回数CNTnを「1」だけインクリメントしてこれを更新する(ステップS11)。続いて、制御部17は、更新した該当回数CNTnを記憶部17gに記憶して(ステップS12)、その後の処理を終了する。
以上により、第2コンデンサ12の寄生容量(容量C12)の分布状況などの特徴が捉えられる。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態では、現在のセンサ出力補正値CrawR及び基準センサ出力値Cbaseは、共に分解能Resが一律になるように補正されている。これにより、第2コンデンサ12の容量C12に含まれる寄生容量が異なっていたとしても、その変動量が同一であれば、センサ出力差分値Cdiffは同値になるように同水準で算出される。従って、制御部17(判定部17d)は、センサ出力差分値Cdiffと判定閾値Cthとの大小関係に基づいて、キック操作の有無(検出対象物の存否)を同水準で判定できる。このように、第2コンデンサ12の容量C12に含まれる寄生容量の変化に起因してキック操作の有無の判定精度が低下することを抑制できる。
(2)本実施形態では、複数の区分nごとに、第2コンデンサ12の容量C12(寄生容量)に相関するセンサ出力値Crawが属していると判定された回数CNTnが計数され、該計数の結果が記憶部17gに記憶される。従って、例えば整備時などに当該計数の結果を記憶部17gから読み込むことで、第2コンデンサ12の容量C12(寄生容量)の分布状況などの特徴を捉えることができる。また、第2コンデンサ12の容量C12(寄生容量)の分布状況により、例えば整備等で回収した静電容量センサ10の使用環境を想定でき、故障要因の解析に資することができる。
(3)本実施形態では、第2コンデンサ12の容量C12に含まれる寄生容量が異なっていたとしても、キック操作の有無が同水準で判定されることで、バックドア3及びドアロック5(操作対象)に対する操作入力の検出精度が低下することを抑制できる。つまり、例えばバンパー6(又は電極21)に異物が付着して第2コンデンサ12の容量C12に含まれる寄生容量が変化しても、バックドア3及びドアロック5に対する操作入力の検出精度が低下することを抑制できる。そして、バックドア3及びドアロック5に対する操作入力の誤検出を抑制できる。
(4)本実施形態では、区分計数部17fは、区分判定部17eによる区分nの判定結果が切り替わったときに、該当の区分nの回数CNTnを更新する。従って、例えば区分判定部17eによる区分nの判定結果が長時間に亘って不変であるときに、区分計数部17fが当該区分nの回数CNTnを徒に更新し続けることを解消できる。また、区分計数部17fは、区分判定部17eによる区分nの判定結果の切り替わりのみを監視すればよいため、その演算負荷(処理負荷)を軽減できる。また、区分計数部17f(制御部17)の演算負荷が軽減されることで、制御部17の処理時間を短縮でき、ひいてはサンプリング周期を短縮できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図14に示すように、バックドア3の外表面の中央部に、例えば会社名などの標章7が設置されている場合、該標章7の背部に設置された電極26によって構成される第2コンデンサ25であってもよい。第2コンデンサ25は、ユーザがその手指を標章7に近接させる操作の有無(検出対象物の存否)の判定に供される。この場合、例えば標章7(又は電極26)に異物が付着して第2コンデンサ25の容量に含まれる寄生容量が変化しても、当該操作の有無の判定精度が低下することを抑制できる。
・図14に示すように、バックドア3の外表面の中央部に、例えば会社名などの標章7が設置されている場合、該標章7の背部に設置された電極26によって構成される第2コンデンサ25であってもよい。第2コンデンサ25は、ユーザがその手指を標章7に近接させる操作の有無(検出対象物の存否)の判定に供される。この場合、例えば標章7(又は電極26)に異物が付着して第2コンデンサ25の容量に含まれる寄生容量が変化しても、当該操作の有無の判定精度が低下することを抑制できる。
・図15に示すように、車両41のボデー42の側部に形成された開口42aを開閉するスライドドア43が設けられている場合、該スライドドア43の窓ガラス44に設置された電極46によって構成される第2コンデンサ45であってもよい。第2コンデンサ45は、ユーザがその手指Hを窓ガラス44に近接させる操作の有無(検出対象物の存否)の判定に供される。この場合、例えば窓ガラス44(又は電極46)に異物が付着して第2コンデンサ45の容量に含まれる寄生容量が変化しても、当該操作の有無の判定精度が低下することを抑制できる。
・前記実施形態において、車両1のサイドロッカーに設置された電極によって構成される第2コンデンサであってもよい。第2コンデンサは、キック操作の有無(検出対象物の存否)の判定に供される。この場合、例えばサイドロッカー(又は電極)に異物が付着して第2コンデンサの容量に含まれる寄生容量が変化しても、キック操作の有無の判定精度が低下することを抑制できる。
・前記実施形態において、制御部17(算出部17c)は、分解能Resをセンサ出力値Crawで積分してセンサ出力補正値CrawRを算出してもよい。
・前記実施形態において、制御部17は、センサ出力値Crawと、容量C12との関係を表すマップ又はテーブルをその記憶部17gに予め記憶していてもよい。そして、制御部17は、記憶部17gから読み込んだ当該マップ又はテーブルに基づいて容量C12を算出してもよい。この場合、制御部17は、前述の指数関数にセンサ出力値Crawを代入して容量C12を算出する必要性がなくなることで、その演算負荷(処理負荷)を軽減できる。
・前記実施形態において、制御部17は、センサ出力値Crawと、容量C12との関係を表すマップ又はテーブルをその記憶部17gに予め記憶していてもよい。そして、制御部17は、記憶部17gから読み込んだ当該マップ又はテーブルに基づいて容量C12を算出してもよい。この場合、制御部17は、前述の指数関数にセンサ出力値Crawを代入して容量C12を算出する必要性がなくなることで、その演算負荷(処理負荷)を軽減できる。
・前記実施形態において、制御部17は、センサ出力値Crawと、分解能Resとの関係を表すマップ又はテーブルをその記憶部17gに予め記憶していてもよい。そして、制御部17は、記憶部17gから読み込んだ当該マップ又はテーブルに基づいて分解能Resを算出してもよい。この場合、制御部17は、例えば理論的な演算式(指数関数等)に基づいて分解能Resを算出する必要性がなくなることで、その演算負荷を軽減できる。
・前記実施形態において、制御部17は、センサ出力値Crawと、補正係数Kとの関係を表すマップ又はテーブルをその記憶部17gに予め記憶していてもよい。そして、制御部17は、記憶部17gから読み込んだ当該マップ又はテーブルに基づいて補正係数Kを算出してもよい。この場合、制御部17は、例えば理論的な演算式(指数関数等)に基づいて補正係数Kを算出する必要性がなくなることで、その演算負荷を軽減できる。また、制御部17の演算負荷が軽減されることで、制御部17の処理時間を短縮でき、ひいてはサンプリング周期を短縮できる。あるいは、制御部17の演算能力をより低スペック化でき、ひいてはコストを削減できる。
なお、センサ出力値Crawに応じて補正係数Kが段階的に変化するテーブルを使用してもよい。例えば制御部17は、複数の区分nごとに、センサ出力値Crawを補正するための補正係数Kをその記憶部17gに予め記憶していてもよい。補正係数Kは、センサ出力値Crawの分解能Resが一律になるように、該分解能Resに比例する値に設定される。そして、制御部17は、センサ出力値Crawが属する区分nに対応する補正係数Kに基づいて、センサ出力補正値CrawRを算出していてもよい。これにより、センサ出力値Crawと、補正係数Kとの関係を表すデータを間引くことができ、記憶部17gに要求される記憶容量(又は記憶部17gで使用する記憶量)を低減できる。また、この場合、例えば線形補間で補正係数Kを補正してもよい。これにより、データの間引かれた補正係数Kをより正確に算出できる。
・前記実施形態において、制御部17は、センサ出力値Crawと、センサ出力補正値CrawRとの関係を表すマップ又はテーブルをその記憶部17gに予め記憶していてもよい。そして、制御部17は、記憶部17gから読み込んだ当該マップ又はテーブルに基づいてセンサ出力補正値CrawRを算出してもよい。この場合、制御部17は、例えば理論的な演算式(指数関数等)に基づいてセンサ出力補正値CrawRを算出する必要性がなくなることで、その演算負荷を軽減できる。また、制御部17の演算負荷が軽減されることで、制御部17の処理時間を短縮でき、ひいてはサンプリング周期を短縮できる。あるいは、制御部17の演算能力をより低スペック化でき、ひいてはコストを削減できる。
なお、センサ出力値Crawに応じてセンサ出力補正値CrawRが段階的に変化するテーブルを使用してもよい。これにより、センサ出力値Crawと、センサ出力補正値CrawRとの関係を表すデータを間引くことができ、記憶部17gに要求される記憶容量(又は記憶部17gで使用する記憶量)を低減できる。また、この場合、例えば線形補間でセンサ出力補正値CrawRを補正してもよい。これにより、データの間引かれたセンサ出力補正値CrawRをより正確に算出できる。
・前記実施形態において、複数の区分(n)は、センサ出力値Crawに相関するセンサ出力補正値CrawR、補正係数K、分解能Res及び容量C12のいずれか一つの全範囲を分けたものであってもよい。あるいは、複数の区分(n)は、過去のセンサ出力値Crawに基づく基準センサ出力値Cbaseの全範囲を分けたものであってもよい。そして、制御部17は、複数の区分(n)ごとに、該当のセンサ出力補正値CrawR、補正係数K、分解能Res、容量C12又は基準センサ出力値Cbaseが属していると判定された回数を計数するとともに、当該回数の計数結果を記憶部17gに記憶するものであってもよい。
・前記実施形態において、複数の区分nごとの回数CNTnの計数及びその記憶の処理等を省略してもよい。
・前記実施形態において、操作入力の検出に係る操作対象は、バックドア3及びスライドドア43以外の車両の可動部(例えばスイングドア、トランクリッド、サンルーフ、ウインドレギュレータ、フューエルリッド、ボンネット、シートなど)であってもよい。
・前記実施形態において、操作入力の検出に係る操作対象は、バックドア3及びスライドドア43以外の車両の可動部(例えばスイングドア、トランクリッド、サンルーフ、ウインドレギュレータ、フューエルリッド、ボンネット、シートなど)であってもよい。
・前記実施形態において、バックドア3及びスライドドア43等の車両の開閉体に対する操作は、開閉操作や施解錠操作に限定されるものではなく、例えば途中停止操作や予約操作などであってもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)上記静電容量センサにおいて、
前記区分計数部は、前記区分判定部による前記区分の判定結果が切り替わったときに、該当の前記区分の前記回数を更新する、静電容量センサ。
(イ)上記静電容量センサにおいて、
前記区分計数部は、前記区分判定部による前記区分の判定結果が切り替わったときに、該当の前記区分の前記回数を更新する、静電容量センサ。
この構成によれば、例えば前記区分判定部による前記区分の判定結果が長時間に亘って不変であるときに、前記区分計数部が当該区分の前記回数を徒に更新し続けることを解消できる。また、前記区分計数部は、前記区分判定部による前記区分の判定結果の切り替わりのみを監視すればよいため、その演算負荷を軽減できる。
(ロ)上記静電容量センサにおいて、
前記算出部は、予め設定されたテーブルに基づいて、前記センサ出力値から前記センサ出力補正値を算出する、AA。
前記算出部は、予め設定されたテーブルに基づいて、前記センサ出力値から前記センサ出力補正値を算出する、AA。
この構成によれば、前記算出部は、前記テーブルに基づいて、前記センサ出力補正値を算出すればよいため、例えば理論的な演算式に基づいて算出する場合に比べてその演算負荷を軽減できる。
n…区分、VM…中間電位、C12…容量、Cth…判定閾値、Res…分解能、Craw…センサ出力値、Vref…参照電位、Cbase…基準センサ出力値、Cdiff…センサ出力差分値、CrawR…センサ出力補正値、11…第1コンデンサ、12,25,45…第2コンデンサ、13…第1スイッチ、14…第2スイッチ、15…第3スイッチ、17a…スイッチ制御部、17b…導出部、17c…算出部、17d…判定部、17e…区分判定部、17f…区分計数部、17g…記憶部。
Claims (3)
- 電源に接続される直列接続の第1コンデンサ及び第2コンデンサと、
前記第1コンデンサの両端子間に接続されている第1スイッチと、
前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサの間に接続されている第2スイッチと、
前記第2コンデンサの両端子間に接続されている第3スイッチと、
前記第1スイッチをオン状態にする第1スイッチング処理を行った後、前記第1スイッチのオフ状態で前記第2スイッチ及び前記第3スイッチを相補的にオフ状態及びオン状態に切り替える第2スイッチング処理を繰り返し行うスイッチ制御部と、
前記第1及び第2コンデンサの間の中間電位と予め設定された参照電位との大小関係が反転したと判定されたときの前記第2スイッチング処理の繰り返し回数をセンサ出力値として導出する導出部と、
前記センサ出力値を分解能が一律になるように補正したセンサ出力補正値を算出する算出部と、
現在の前記センサ出力補正値及び過去の前記センサ出力補正値に基づく基準センサ出力値の差分であるセンサ出力差分値と、予め設定された判定閾値との大小関係に基づいて、検出対象物の存否を判定する判定部とを備えた、静電容量センサ。 - 請求項1に記載の静電容量センサにおいて、
前記センサ出力値の全範囲を分けた複数の区分のうちのいずれの該区分に前記センサ出力値が属するかを判定する区分判定部と、
前記複数の区分ごとに、前記センサ出力値を補正するための補正係数を記憶する記憶部と、を備え、
前記補正係数は、前記センサ出力値の分解能が一律になるように、該分解能に比例する値に設定されており、
前記算出部は、前記センサ出力値が属する区分に対応する前記補正係数に基づいて、前記センサ出力補正値を算出する、静電容量センサ。 - 請求項1又は2に記載の静電容量センサにおいて、
前記センサ出力値の全範囲を分けた複数の区分のうちのいずれの該区分に前記センサ出力値が属するかを判定する区分判定部と、
前記複数の区分ごとに、前記センサ出力値が属していると判定された回数を計数する区分計数部と、
前記複数の区分ごとの前記回数の計数結果を記憶する記憶部とを備えた、静電容量センサ。
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