JP2020020622A - 静電容量センサ及び車両用操作入力検出装置 - Google Patents

静電容量センサ及び車両用操作入力検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リソースの使用を抑えつつ、検出精度の向上を図る。【解決手段】制御回路70は、転送スイッチのオン/オフ回数をカウントすることにより、その基準コンデンサにおける一方の端子に設定された検出点の電位と参照電位との比較結果が反転する検出カウント値Nを特定するカウンタ部81を備える。また、制御回路70は、その検出カウント値Nを監視するためのベースカウント値Xを変数とした一次式、「Y=AX+B」を用いて被測定コンデンサに生じた静電容量の変化を判定するための閾値Yを演算する閾値演算部85(83,82)を備える。そして、閾値演算部85は、その一次式の傾きAを「2のべき乗(2^α)」で表した場合の指数αを保持するとともに、この指数αに基づいたビットシフト演算を行うことにより、そのベースカウント値Xに応じた傾き項「AX」の値を演算する。【選択図】図7

Description

本発明は、静電容量センサ及び車両用操作入力検出装置に関するものである。
従来、静電容量センサには、検出体が接離することにより静電容量が変化する被測定コンデンサと既知の静電容量を有した基準コンデンサとを直列に接続してなる静電容量回路を備えたものがある。このような静電容量センサは、基準コンデンサの両端子を等しい電位に初期化した後、検出点となる一方側の端子に接続された転送スイッチを繰り返しオン/オフすることにより、その検出点の電位を初期化された値から被測定コンデンサの静電容量に応じた速さで段階的に変化させる。更に、検出点の電位を参照電位と比較しながら転送スイッチのオン/オフ回数をカウント値として計測することで、その比較結果が反転する検出カウント値、つまりは被測定コンデンサの静電容量の大きさを示すカウント値を監視する。そして、これにより、その被測定コンデンサに生じた静電容量の変化、即ち、この被測定コンデンサに対する検出体の近接(又は離間)を判定する構成になっている。
例えば、特許文献1に記載の静電容量センサは、基準コンデンサと被測定コンデンサとの間に設けられた転送スイッチと、基準コンデンサと並列に設けられた初期化スイッチと、を備えるとともに、その被測定コンデンサと並列に設けられた第2初期化スイッチを備えている。また、この静電容量センサは、初期化スイッチをオンすることにより基準コンデンサの両端子が第1電位に初期化されるとともに、第2初期化スイッチをオンすることにより被測定コンデンサの両端子が第1電位よりも低い第2電位(接地電位)に初期化される。そして、初期化スイッチをオンした後、この初期化スイッチをオフした状態で、転送スイッチ及び第2初期化スイッチを交互にオン/オフすることにより、その基準コンデンサにおける被測定コンデンサ側の端子を検出点として、この検出点の電位を初期化された値、つまりは第1電位から段階的に低下させる構成になっている。
また、例えば、特許文献2に記載の静電容量センサは、その基準コンデンサの両端子を接地電位に初期化する初期化スイッチを備えている。更に、この静電容量センサは、その基準コンデンサと電位源との間に設けられた転送スイッチを備えている。そして、この静電容量センサにおいては、初期化スイッチをオフした後、この初期化スイッチをオフした状態で、その転送スイッチをオン/オフすることにより、その基準コンデンサにおける電位源に接続された側の端子を検出点として、この検出点の電位を初期化された値、つまりは接地電位から段階的に上昇させる構成になっている。
即ち、上記特許文献1に記載の静電容量センサにおいては、段階的に低下する検出点の電位が参照電位を下回ることにより、その比較結果が反転する。また、特許文献2に記載の静電容量センサにおいては、段階的に上昇する検出点の電位が参照電位を上回ることにより、その比較結果が反転する。そして、このような比較結果が反転する転送スイッチのオン/オフ回数を監視することにより、その被測定コンデンサの静電容量変化を検出することが可能になっている。
また、例えば、特許文献3には、ノイズに由来する電位の「ゆらぎ」を利用した確率的手法により、その検出点の電位と参照電位との比較結果が反転する検出カウント値を実数化する方法が記載されている。即ち、このような構成を適用することで、検出可能な静電容量変化の分解能を高めることができる。そして、これにより、その静電容量変化の大きい接触式、或いは短距離近接式の操作入力検出装置(例えば、特許文献4参照)のみならず、例えばモーションセンサのような静電容量変化の小さい非接触式の操作入力検出装置(例えば、特許文献5参照)においてもまた、その高い検出精度を確保することが可能になっている。
更に、実際の使用環境においては、電極に雨滴が付着する等の外乱によって、被測定コンデンサの静電容量が変動するという問題がある。このため、その検出カウント値を監視するためのベースカウント値、つまりは静電容量変化が検出されない場合におけるカウント値の大きさに基づいて、その静電容量変化の検出判定に用いる閾値を変更することが考えられる。
即ち、被測定コンデンサの静電容量変化は、そのベースカウント値と検出カウント値との差分値を閾値と比較することにより検出することができる。つまり、このような静電容量変化の検出判定に用いられる閾値は、そのまま、その検出体の接離を要因とした静電容量変化の大きさに変換されるべきものである。
しかしながら、カウント値の1カウントに相当する静電容量変化の大きさは、被測定コンデンサの静電容量が大きいほど大きく、被測定コンデンサの静電容量が小さいほど小さい。
このため、図18に示すように、静電容量変化の検出判定に用いる閾値の大きさを一定とした場合、上記のような外乱により被測定コンデンサの静電容量が変動することで、その検出体の接離を要因とした静電容量の変化を検出したと判定すべき範囲(図18中、閾値minから閾値maxに示す範囲)を逸脱するという問題がある。
尚、図18には、被測定コンデンサを除いた各構成要素のバラツキを考慮した場合の最小線Lmin、中間線Ltyp、及び最大線Lmaxの各グラフによって、その被測定コンデンサに生ずる静電容量変化の大きさを示す「接触容量」と「静電容量の大きさ」との関係が表されている。そして、これら各グラフ(Lmin,Ltyp,Lmax)の間隔からも、その被測定コンデンサの静電容量に外乱による変動が生じた場合の影響の大きさが推察される。
この点を踏まえ、例えば、図19に示すようなテーブル制御を行うことにより、そのベースカウント値Xの大きさに応じて(χ1<χ2<χ3<χ4)、静電容量変化の検出判定に用いる閾値Yの大きさを変更する(η1<η2<η3<η4<η5)。
そして、これにより、図20に示すように、被測定コンデンサの静電容量に変動が生じた場合であっても、閾値Yを示すカウント値に対応した静電容量変化の大きさを、その検出体の接離を要因とした静電容量変化を検出したと判定すべき範囲内(図20中、閾値minから閾値maxに示す範囲)に収めることができる。
特開2005−106665号公報 米国特許第6466036号明細書 特開2018−44917号公報 特開2009−30360号公報 国際公開第2012/84111号
しかしながら、分解能を高めて検出精度の向上を図るためには、その閾値についてもまた、より細やかな設定が求められることになる。更に、静電容量変化の検出レンジを拡大することによっても、より多くの補正が必要になる。そして、上記のようなテーブル制御には、テーブルサイズの拡大に伴い、その使用するリソース(メモリ量や演算負荷等)が増大するという問題があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、リソースの使用を抑えつつ、検出精度の向上を図ることのできる静電容量センサ及び車両用操作入力検出装置を提供することにある。
上記課題を解決する静電容量センサは、検出体が接離することにより静電容量が変化する被測定コンデンサと既知の静電容量を有した基準コンデンサとを直列に接続してなる静電容量回路と、前記基準コンデンサの両端子を等電位に初期化する初期化スイッチと、前記基準コンデンサにおける一方の端子を検出点として該検出点に接続された転送スイッチと、前記転送スイッチのオン/オフを繰り返すことにより前記検出点の電位を前記初期化された値から前記被測定コンデンサの静電容量に応じた速度で段階的に変化させる検出電位徐変部と、前記検出点の電位を参照電位と比較する比較判定部と、前記転送スイッチのオン/オフ回数をカウント値として計測するカウンタ部と、前記比較の結果が反転する検出カウント値を監視することにより前記被測定コンデンサに生じた前記静電容量の変化を判定する容量変化判定部と、前記検出カウント値を監視するためのベースカウント値を変数とした一次式を用いて前記静電容量の変化を判定するための閾値を演算する閾値演算部と、を備え、前記閾値演算部は、前記一次式の傾きを2のべき乗を用いて表した場合の指数を保持するとともに、該指数に基づいたビットシフト演算を行うことにより、前記ベースカウント値に応じた前記傾き項の値を演算する。
上記構成によれば、記憶容量を抑えつつ、そのベースカウント値に応じて細やかに閾値を設定することができる。そして、これにより、検出精度の向上を図るとともに、併せて、その検出レンジの拡張にも対応することができる。更に、一次式を用いて閾値の演算を行う際、その傾き項の値をビットシフト演算で求めることにより、演算負荷の軽減を図ることができる。また、分解能を高めた場合でも、そのビットシフトのみで対応することが可能となる。そして、これにより、リソースの使用を抑えつつ、検出精度の向上を図ることができる。
上記課題を解決する静電容量センサにおいて、前記閾値演算部は、前記指数の異なる複数のべき乗項の和を用いて表される前記傾き項について、前記指数の異なる前記べき乗項毎に、前記ビットシフト演算を行うことにより、前記傾き項の値を演算することが好ましい。
上記構成によれば、リソースの使用を抑えつつ、更なる検出精度の向上を図ることができる。
上記課題を解決する静電容量センサは、前記基準コンデンサと前記被測定コンデンサとの間に前記転送スイッチを設け、前記基準コンデンサと並列に前記初期化スイッチを設けるとともに、前記被測定コンデンサと並列に第2初期化スイッチを設けることにより、前記基準コンデンサにおける前記被測定コンデンサ側の端子を前記検出点としたことが好ましい。
上記構成によれば、初期化スイッチをオンした後、この初期化スイッチをオフした状態で、転送スイッチ及び第2初期化スイッチを交互にオン/オフすることにより、その基準コンデンサにおける被測定コンデンサ側の端子に設定された検出点の電位を初期化された値から段階的に変化させることができる。更に、この検出点の電位が参照電位を超えて変化することで、その比較結果が反転する。そして、このような比較結果が反転する転送スイッチのオン/オフ回数、即ち検出カウント値を監視することで、その被測定コンデンサに静電容量変化が生じたものと判定することができる。
上記課題を解決する静電容量センサは、周期的に前記検出カウント値で前記ベースカウント値を更新するベースカウント更新部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、例えば、雨滴の付着等、外乱の影響により被測定コンデンサの静電容量が変動した場合であっても、精度よく、その検出体の接離を要因とした静電容量の変化を検出することができる。
上記課題を解決する車両用操作入力検出装置は、上記何れか一項に記載の静電容量センサを備える。
本発明によれば、リソースの使用を抑えつつ、検出精度の向上を図ることができる。
バックドアが設けられた車両後部の斜視図。 操作入力検出装置の概略構成図。 足操作入力の検出に基づいたドア開閉制御の処理手順を示すフローチャート。 静電容量センサの回路図。 静電容量センサの動作を示すタイミングチャート。 静電容量変化検出判定の処理手順を示すフローチャート。 静電容量センサのブロック図。 理想閾値曲線を示すグラフ。 理想閾値曲線、及びその一次近似式を示すグラフ。 閾値演算に用いる一次式の設定手順を示すフローチャート。 傾き項の値を求めるビットシフト演算の説明図。 閾値演算の処理手順を示すフローチャート。 一次式を用いて閾値を演算した場合の一例を示すグラフ(分解能:1)。 一次式を用いて閾値を演算した場合の一例を示すグラフ(分解能:0.25)。 一次式を用いて閾値を演算した場合の一例を示すグラフ(設定変更例)。 別例の閾値演算部のブロック図。 傾き項の値を求める別例のビットシフト演算の説明図。 閾値を変更しない場合のグラフ。 閾値演算テーブルの一例を示す説明図。 テーブル制御により閾値を変更した場合のグラフ。
以下、静電容量センサを車両の操作入力検出装置に適用した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両1において、車体2の後端部2rに形成されたドア開口部3には、その上端部を回動中心として開閉動作する所謂跳ね上げ式のバックドア5が設けられている。また、車両後部の各コーナー部10には、それぞれ、そのコーナー部10の下方に検出領域を有したキックセンサ(キックモーションセンサ)20が設けられている。具体的には、本実施形態のキックセンサ20は、静電容量センサ21を用いて構成されている。そして、本実施形態の車両1においては、このキックセンサ20の出力信号Sxに基づいて、そのバックドア5を開閉操作するために利用者が行う足操作入力を検出する操作入力検出装置30が形成されている。
詳述すると、図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1において、このキックセンサ20の出力信号Sxは、ドアECU31に入力される。即ち、キックセンサ20の出力信号Sxは、そのキックセンサ20が設けられたコーナー部10の下方に、利用者の足が差し入れられることにより変化する。そして、本実施形態のドアECU31は、このキックセンサ20の出力信号Sxに基づいて、そのバックドア5を開閉しようとする利用者の足操作入力を検出する構成になっている。
また、本実施形態のドアECU31は、キックセンサ20の出力信号Sxに基づき利用者の足操作入力を検出した場合には、所定のセキュリティ要件(無線認証等)を満たすことを条件として、バックドア5に設けられたドアロック装置32を開動作させることにより、その全閉状態(又は全開状態)に保持されたバックドア5の拘束を解除する。更に、本実施形態の車両1には、図示しないモータを駆動源とするパワーバックドア装置33が設けられている。そして、本実施形態のドアECU31は、利用者の足操作入力を検出した場合には、このパワーバックドア装置33の作動を制御することにより、そのバックドア5を開閉動作させる構成になっている。
具体的には、図3のフローチャートに示すように、本実施形態のドアECU31は、キックセンサ20の出力信号Sxに基づいて、その車両後部のコーナー部10に対する利用者の足操作入力検出判定を実行する(ステップ101)。また、ドアECU31は、利用者の足操作入力を検出した場合(ステップ102:YES)に、そのドアロック装置32によるバックドア5の拘束を解除する(ドアロック解除、ステップ103)。そして、その後、そのバックドア5の開閉駆動制御を実行する構成になっている(ドア開閉駆動、ステップ104)。
尚、本実施形態のドアECU31は、バックドア5が全閉位置にある場合には、全開位置に移動させるべく、そのバックドア5の開駆動制御を実行する。そして、バックドア5が全開位置にある場合には、全閉位置に移動させるべく、そのバックドア5の閉駆動制御を実行する構成になっている。
さらに詳述すると、図4に示すように、車両1のキックセンサ20を構成する本実施形態の静電容量センサ21は、既知の静電容量を有した基準コンデンサ41と、利用者の足を含む検出体が接離することにより静電容量が変化する被測定コンデンサ42と、を備えた静電容量回路45を有している。
具体的には、この静電容量回路45は、基準コンデンサ41の第2端子41bと被測定コンデンサ42の第1端子42aとの間にスイッチ50を介在させるかたちで、これらの基準コンデンサ41及び被測定コンデンサ42が直列に接続された回路構成を有している。また、本実施形態の静電容量センサ21は、基準コンデンサ41に対して並列に接続されたスイッチ51と、被測定コンデンサ42に対して並列に接続されたスイッチ52と、を備えている。更に、本実施形態の静電容量センサ21において、基準コンデンサ41の第1端子41aは、接地電位よりも高い定電位である第1電位V1を有した第1電位源61に対して接続されている。そして、被測定コンデンサ42の第2端子42bは、接地電位又は接地電位と等価な低インピーダンス電位である第2電位V2を有した第2電位源62に対して接続されている。
即ち、本実施形態の静電容量センサ21において、スイッチ51は、このスイッチ51をオンすることにより、その基準コンデンサ41の両端子(41a,41b)を第1電位V1に初期化する初期化スイッチSW1となっている。また、スイッチ52は、このスイッチ52をオンすることにより、その被測定コンデンサ42の両端子(42a,42b)を第2電位V2に初期化する第2初期化スイッチSW2となっている。更に、スイッチ50は、このスイッチ50をオンすることにより、その基準コンデンサ41の第2端子41bにチャージされた電荷を被測定コンデンサ42の第1端子42aに移動させる転送スイッチSW0となっている。そして、本実施形態の静電容量センサ21は、これらの各スイッチ50,51,52が、制御回路70によって、オン/オフ制御される構成となっている。
また、本実施形態の静電容量センサ21は、その転送スイッチSW0を構成するスイッチ50を介して被測定コンデンサ42の第1端子42aに接続された基準コンデンサ41の第2端子41bを検出点Pxとして、この検出点Pxの電位Vxを参照電位Vrefと比較する比較判定部としてのコンパレータ71を備えている。更に、このコンパレータ71の出力電位Voutは、制御回路70に対して入力されるようになっている。そして、本実施形態の静電容量センサ21は、この制御回路70が、上記各スイッチ50,51,52を所定の手順に従ってオン/オフしつつ、このコンパレータ71の出力電位Voutを監視することにより、その被測定コンデンサ42に生じた静電容量変化、つまりは検出体の近接(又は離間)を検出する構成になっている。
詳述すると、図5に示すように、本実施形態の制御回路70は、先ず初期化スイッチSW1(スイッチ51)をオンすることにより、基準コンデンサ41の両端子(41a,41b)を第1電位V1に初期化した後、この初期化スイッチSW1をオフする。次に、制御回路70は、第2初期化スイッチSW2(スイッチ52)をオフした状態で、その転送スイッチSW0(スイッチ52)をオン/オフした後、この転送スイッチSW0をオフした状態で、その第2初期化スイッチSW2をオン/オフする。更に、制御回路70は、このようにして、これら転送スイッチSW0及び第2初期化スイッチSW2を交互に繰り返しオン/オフすることにより、基準コンデンサ41の第2端子41bに設定された検出点Pxの電位Vxを、その初期化された値(第1電位V1)から段階的に低下させる。具体的には、制御回路70は、これによりコンパレータ71の出力電位Voutが「Lo」から「Hi」に変化、即ち検出点Pxの電位Vxが参照電位Vrefを下回ることにより両者の比較結果が反転するまで、その転送スイッチSW0及び第2初期化スイッチSW2のオン/オフを繰り返す。そして、本実施形態の制御回路70は、このような手順で、これらの各スイッチ50,51,52(SW0,SW1,Sw2)のオン/オフ制御を繰り返し実行する構成になっている。
また、本実施形態の制御回路70は、その転送スイッチSW0のオン/オフ回数をカウント値nとして計測する機能を有している。更に、この制御回路70は、上記のように、そのコンパレータ71の比較結果が反転する検出カウント値Nを監視する。具体的には、その検出カウント値Nを基準となる値、即ち被測定コンデンサ42に静電容量の変化が生じていない場合のベースカウント値Xと比較する。そして、これらの差分値(Δ=X−N)が所定の閾値(Y)を超える場合に(Δ>Y)、その被測定コンデンサ42の静電容量が変化したものと判定する構成になっている。
即ち、転送スイッチSW0をオン/オフすることにより検出点Pxである基準コンデンサ41の第2端子41bから被測定コンデンサ42の第1端子42aに移動する電荷量は、その被測定コンデンサ42の静電容量が大きいほど大きい。つまり、転送スイッチSW0のオン/オフを繰り返すことによって、その検出点Pxの電位Vxが低下する速度もまた、被測定コンデンサ42の静電容量が大きいほど速く、小さいほど遅くなる。このため、被測定コンデンサ42の静電容量が変化した場合には、その変化が上記検出カウント値Nに現れる。そして、本実施形態の制御回路70は、これを利用することで、その被測定コンデンサ42に生じた静電容量の変化を検出する構成になっている。
具体的には、図6のフローチャートに示すように、本実施形態の制御回路70は、カウント値nをクリアした後(n=0、ステップ201)、先ず初期化スイッチSW1をオン/オフする(ステップ202)。次に、転送スイッチSW0をオン/オフして(ステップ203)、そのカウント値nをインクリメントした後(n=n+1、ステップ204)、第2初期化スイッチSW2をオン/オフする(ステップ205)。更に、制御回路70は、コンパレータ71の出力電位Voutに基づいた検出点Pxの電位Vxと参照電位Vrefとの比較判定を実行し(ステップ206)、その比較結果が反転したか否か、つまりはコンパレータ71の出力電位Voutが「Lo」から「Hi」に変化したか否かを判定する(ステップ207)。そして、比較結果が反転していない場合(ステップ207:NO)には、再び、上記ステップ203〜ステップ206の処理を実行する。
一方、上記ステップ207において、検出点Pxの電位Vxと参照電位Vrefとの比較結果が反転した場合(Vout:Lo→Hi、ステップ207:YES)、本実施形態の制御回路70は、その比較結果が反転したときのカウント値nを検出カウント値Nとして特定する(N=n、ステップ208)。そして、その保持するベースカウント値Xを読み出して(ステップ209)、上記ステップ208において特定した検出カウント値Nとの差分値Δを演算する(Δ=X−N、ステップ210)。
更に、本実施形態の制御回路70は、そのベースカウント値Xに応じた閾値Yを演算する(ステップ211)。そして、この閾値Yを上記ステップ210において演算した差分値Δが超える場合(Δ>Y、ステップ212:YES)に、その被測定コンデンサ42に生じた静電容量の変化を検出したものと判定する構成になっている(ステップ213)。
尚、上記ステップ212において、その差分値Δが閾値Y以下である場合(Δ≦Y、ステップ212:NO)、制御回路70は、上記ステップ208において特定した検出カウント値Nによって、その保持するベースカウント値Xを更新する(X=N、ステップ214)。そして、本実施形態の制御回路70は、このような上記ステップ201〜ステップ214の処理を周期的に実行することにより、その被測定コンデンサ42の静電容量変化判定を実行する構成になっている。
さらに詳述すると、図7に示すように、本実施形態の制御回路70は、上記のように転送スイッチSW0のオン/オフ回数をカウント値nとして計測することにより、その検出点Pxの電位Vxと参照電位Vrefとの比較結果が反転する検出カウント値Nを特定するカウンタ部81、及びベースカウント値Xを保持するメモリ82を備えている。そして、本実施形態の制御回路70は、更に、そのベースカウント値Xに基づいて、被測定コンデンサ42の静電容量変化を検出するための閾値Yを生成する閾値生成部83を備えている。
具体的には、本実施形態の制御回路70において、そのカウンタ部81において特定された検出カウント値Nとメモリ82から読み出されたベースカウント値Xとの差分値Δは、閾値生成部83の出力する閾値Yとともに容量変化判定部84に入力される。そして、本実施形態の制御回路70は、この容量変化判定部84の判定結果(図6参照、ステップ212)に基づいて、その静電容量センサ21としての判定出力、つまりはキックセンサ20の出力信号Sxを生成する構成になっている。
また、本実施形態の制御回路70において、閾値生成部83は、メモリ82に保持されたベースカウント値Xを変数とした一次式、「Y=AX+B」を用いることにより、その被測定コンデンサ42の静電容量変化を判定するための閾値Yを演算する。尚、式中の「AX」は、直線の傾きを表す係数「A」にベースカウント値Xを乗じた傾き項であり、「B」は、その切片である。更に、本実施形態の制御回路70は、ベースカウント値Xとともに、この一次式の傾きA及び切片Bに対応する値を、そのメモリ82に保持する。即ち、本実施形態の制御回路70においては、これらの閾値生成部83及びメモリ82によって、その閾値演算部85が形成されている。そして、本実施形態の静電容量センサ21は、これにより、そのリソースの使用を抑えつつ、例えば、雨滴の付着等、外乱の影響により被測定コンデンサ42の静電容量が変動した場合でも、精度よく、この被測定コンデンサ42に対する検出体の接近(又は接離)を要因とした静電容量変化の発生を検出することが可能となっている。
詳述すると、図8に示すように、本実施形態の静電容量センサ21において、上記閾値演算部85を設計する際には、先ず「横軸」を被測定コンデンサ42の「静電容量」、「縦軸」を「カウント値(n)」とする座標平面上に、その被測定コンデンサ42の静電容量に応じた閾値の最適値(理想閾値)をプロットする。尚、このような理想閾値Yiは、例えば、参照電位Vrefの値を、その初期化された検出点Pxの電位Vx(第1電位V1)の「1/2」に設定した場合には、以下の各式を用いて求めることができる。
X=Ln(1/2)/Ln(Cs+Cx) ・・・(1)
n=Ln(1/2)/Ln(Cs+Cx´) ・・・(2)
Yi=X−n ・・・(3)
尚、式中の「Ln」は、自然対数である。また、「Cs」は基準コンデンサ41の静電容量であり、「Cx」は、静電容量変化を検出しない場合における被測定コンデンサ42の静電容量である。そして、「Cx´」は、その静電容量変化を検出したと判定すべき場合、即ち検出体の静電容量(Ct)を考慮した場合における被測定コンデンサ42の静電容量である。
次に、図9に示すように、これにより作成した理想閾値曲線Qを「縦軸(閾値)」及び「横軸」をともに「カウント値(n)」とする座標平面に写像した上で、その一次近似式を作成する。例えば、図9に示す例においては、その一次近似式として、「y=0.0329x−13.956」を得る。更に、本実施形態の静電容量センサ21においては、この一次近似式に基づいて、その制御回路70に設けられた閾値演算部85(82,83)が実行する閾値演算に用いられる一次式、「Y=AX+B」の傾きA及び切片Bが決定される。そして、本実施形態の静電容量センサ21は、その初期設定として、これらの傾きA及び切片Bを表す値が、予め、その閾値演算部85を構成するメモリ82に登録される構成になっている。
具体的には、図10のフローチャートに示すように、本実施形態の静電容量センサ21においては、上記のように理想閾値曲線Qを作成し(ステップ301)、その一次近似式、「y=ax+b」を作成した後(ステップ302)、更に、この一次近似式の傾きaを「2のべき乗(2^α)」で近似する(ステップ303)。そして、本実施形態の静電容量センサ21は、その「2のべき乗」の指数αに整数を用いる構成となっている。
例えば、図9に示す例において、上記ステップ302で作成された一次近似式の傾きaは、「0.0329」であることから、その「2のべき乗」の指数αを「−5」とすることで「0.03125」を得る。また、本実施形態においては、その一次近似式の切片Bを整数化する。例えば、図9に示す例において、一次近似式の切片bは、「−13.956」であることから、その整数化により「−14」を得る(ステップ304)。そして、本実施形態の静電容量センサ21においては、これらの各値、即ち一次近似式の傾きaを「2のべき乗」で表した場合における指数αの値、及び切片bを整数化した値を、それぞれ、その閾値演算に用いる一次式、「Y=AX+B」の傾きA及び切片Bを表す各値として、そのメモリ82に登録する構成になっている(ステップ305)。
さらに詳述すると、図11に示すように、本実施形態の閾値生成部83は、ベースカウント値Xとともにメモリ82に保持された「2のべき乗」の指数αを読み出すことにより、このベースカウント値Xについて、その「2のべき乗」の指数αに基づいたビットシフト演算を実行する。即ち、本実施形態の閾値生成部83は、そのメモリ82から読み出したベースカウント値Xを二進数で格納するレジスタ90を備えている。また、閾値生成部83は、メモリ82から読み出した「2のべき乗」の指数αに基づいて、このレジスタ90における小数点90xの位置を移動させる。そして、これにより、その閾値演算に用いる一次式の傾き項「AX」を演算する構成になっている。
例えば、図11に示す例においては、その閾値演算に用いる一次式の傾きAを表す「2のべき乗」の指数αとして「−5」がメモリ82から読み出されている。この場合、閾値生成部83は、その指数αの値「−5」に基づきベースカウント値Xとして「1000」を格納するレジスタ90の「5ビットの右シフト演算」を実行する。そして、本実施形態の閾値生成部83は、これにより、その一次式の傾き項「AX」として「31.025」を演算する構成になっている。
具体的には、図12のフローチャートに示すように、本実施形態の閾値生成部83は、被測定コンデンサ42の静電容量変化を判定するための閾値Yを演算するにあたり、先ずメモリ82に格納されたベースカウント値X、並びに予め定められた一次式、「Y=AX+B」の傾きAを表す「2のべき乗」の指数α及び切片Bを読み出す(ステップ401)。次に、閾値生成部83は、「2のべき乗」の指数αに基づいたビットシフト演算を実行することにより、その一次式の傾き項「AX」を演算する(ステップ402)。更に、閾値生成部83は、このビットシフト演算を行ったレジスタ90を用いて二進演算を行うことにより、その傾き項「AX」と切片Bとを足し合わせる(ステップ403)。そして、これにより、その一次式、「Y=AX+B」に基づいて、ベースカウント値Xに応じた閾値Yを演算する構成になっている(ステップ404)。
次に、本実施形態の作用・効果について説明する。
(1)検出電位徐変部70aとしての制御回路70は、検出点Pxとなる基準コンデンサ41の第2端子41b(一方の端子)に接続された転送スイッチSW0のオン/オフを繰り返すことにより、その検出点Pxの電位Vxを初期化された値(第1電位V1)から被測定コンデンサ42の静電容量に応じた速度で段階的に変化させる。また、制御回路70は、転送スイッチSW0のオン/オフ回数をカウントすることにより、その検出点Pxの電位Vxと参照電位Vrefとの比較結果が反転する検出カウント値Nを特定するカウンタ部81と、その検出カウント値Nを監視することにより被測定コンデンサ42に生じた静電容量の変化を判定する容量変化判定部84と、を備える。更に、制御回路70は、上記検出カウント値Nを監視するためのベースカウント値Xを変数とした一次式、「Y=AX+B」を用いて上記静電容量の変化を判定するための閾値Yを演算する閾値演算部85(83,82)を備える。そして、閾値演算部85は、その一次式の傾きAを「2のべき乗」で表した場合の指数αを保持するとともに、この指数αに基づいたビットシフト演算を行うことにより、そのベースカウント値Xに応じた傾き項「AX」の値を演算する。
上記構成によれば、メモリの使用量を抑えつつ、そのベースカウント値Xに応じて細やかに閾値Yを設定することができる。そして、これにより、検出精度の向上を図るとともに、併せて、その検出レンジの拡張にも対応することができる。更に、一次式を用いて閾値Yの演算を行う際、その傾き項「AX」の値をビットシフト演算で求めることにより、演算負荷の軽減を図ることができる。また、分解能を高めた場合でも、そのビットシフトのみで対応することが可能となる。そして、これにより、リソースの使用を抑えつつ、検出精度の向上を図ることができる。
例えば、図13及び図14に示すように、ベースカウント値Xに応じて細やかに閾値Yを設定することによって、その閾値Yを用いて検出体の接離を要因とした静電容量変化を検出する範囲W(W1,W2)を狭めることができる。そして、これにより、その検出精度を高めることができる。
更に、「1カウント刻み」でベースカウント値Xに対応した閾値Yを設定した場合(図13参照)でも、「0.25カウント刻み」でベースカウント値Xに対応した閾値Yを設定した場合(図14参照)であっても、その使用するリソースは略同じである。そして、これにより、その回路面積の増大を抑えることができる。
また、図15に示すように、閾値Yの演算に用いる一次式、「Y=AX+B」の傾きA及び切片Bを変更することで、その閾値Yを用いて検出体の接離を要因とした静電容量の変化を検出したと判定する範囲を自在に設定することができる。そして、これにより、その予め保持する傾きA及び切片Bを変更するだけで、仕様の異なる検出装置に対応可能な高い汎用性を確保することができる。
尚、図15中、「L0」は、比較のために図示したテーブル方式を採用した場合のグラフである。そして、同図中の「L1」〜「L2」の各グラフは、その添字の大きいものほど、傾きAを表す値として保持する指数αが大きな負の値であるとともに、切片にも大きな負の値を有したものとなっている。
(2)基準コンデンサ41の第2端子41bと被測定コンデンサ42の第1端子42aとの間にスイッチ50を介在させる。また、本実施形態の静電容量センサ21は、基準コンデンサ41に対してスイッチ51を並列に接続する。更に、被測定コンデンサ42に対してスイッチ52を並列に接続する。そして、基準コンデンサ41の第2端子41bを検出点Pxに設定する。
上記構成によれば、スイッチ50が転送スイッチSW0、スイッチ51が初期化スイッチSW1、スイッチ52が第2初期化スイッチSW2として機能する。即ち、初期化スイッチSW1をオンした後、この初期化スイッチSW1をオフした状態で、転送スイッチSW0及び第2初期化スイッチSW2を交互にオン/オフすることにより、その基準コンデンサ41の第2端子41bに設定された検出点Pxの電位Vxを初期化された値(V1)から段階的に低下させることができる。更に、この段階的に低下する検出点Pxの電位Vxが参照電位Vrefを下回ることで、その比較結果が反転する。そして、このような比較結果が反転する転送スイッチSW0のオン/オフ回数、即ち検出カウント値Nを監視することで、その被測定コンデンサ42に静電容量変化が生じたものと判定することができる。
(3)ベースカウント更新部70bとしての制御回路70は、周期的に、その検出カウント値Nでベースカウント値Xを更新する(図6参照、ステップ214)。
上記構成によれば、例えば、雨滴の付着等、外乱の影響により被測定コンデンサ42の静電容量が変動した場合であっても、精度よく、その検出体の接離を要因とした静電容量の変化を検出することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、特許文献1に記載の従来技術と同様、静電容量センサ21は、基準コンデンサ41と被測定コンデンサ42との間に設けられた転送スイッチSW0と、基準コンデンサ41と並列に設けられた初期化スイッチSW1と、を備えるとともに、その被測定コンデンサ42と並列に設けられた第2初期化スイッチSW2を備える。そして、その基準コンデンサ41における被測定コンデンサ42側の端子(41b)を検出点Pxとして、転送スイッチSW0をオン/オフすることにより、検出点Pxの電位を第1電位V1から段階的に低下させる構成とした。
しかし、これに限らず、特許文献2に記載の従来技術と同様に、その基準コンデンサの両端子を接地電位に初期化する初期化スイッチと、その基準コンデンサと電位源との間に設けられた転送スイッチと、を備える。そして、転送スイッチをオン/オフすることにより、その基準コンデンサにおける電位源に接続された側の端子を検出点として、この検出点の電位を接地電位から段階的に上昇させる構成に適用してもよい。
・上記実施形態では、上記(1)式〜(3)式に示す計算式により理想閾値曲線Qを作成する。そして、この理想閾値曲線Qの一次近似式に基づいて、その閾値演算に用いる一次式、「Y=AX+B」の傾きAを表す「2のべき乗」の指数α、及び切片Bを決定することとした。しかし、これに限らず、実際の使用環境を考慮した実験、或いはシミュレーション等によって、その理想閾値曲線Qを作成してもよい。
・上記実施形態では、切片Bとして、整数化された値を保持することとしたが、実数を切片Bとして保持する構成であってもよい。そして、設定変更によっても指数α及び切片Bの符号が変わらない場合、例えば、常に右ビットシフト演算が行われる場合には、その符号を省略して、これら指数α及び切片Bの値(絶対値)を保持する構成であってもよい。
・上記実施形態では、一次式、「Y=AX+B」の傾きAは、一つの「べき乗項」で表される。そして、制御回路70のメモリ82には、その指数αを保持することとした。しかし、これに限らず、指数の異なる複数の「べき乗項」の和によって、その一次式の傾きAを表す構成としてもよい(A=(2^α)+(2^β)+…)。
例えば、図16に示すように、閾値演算部85Bを形成する閾値生成部83Bにおいて、その閾値演算に用いる一次式の傾きAは、指数の異なる2つの「べき乗項」の和により表される。そして、メモリ82Bには、その「第1べき乗項」の指数α、及び「第2べき乗項」の指数βが保持される。
更に、図17に示すように、閾値生成部83Bは、メモリ82Bから読み出した各指数α,β、及びベースカウント値Xに基づいて、その指数の異なる「べき乗項」毎にビットシフト演算を実行する。例えば、この図17に示す例においては、先ず「第1べき乗項」における指数αの値「−5」に基づいて、ベースカウント値X(=1000)の右5ビットシフト演算を行うことにより、その「第1べき乗項」の値「31.025」を得る。更に、「第1べき乗項」における指数βの値「−6」に基づいて、ベースカウント値Xの右6ビットシフト演算を行うことにより、その「第2べき乗項」の値「15.5125」を得る。そして、これら「第1べき乗項」及び「第2べき乗項」の各値を足し合わせることにより、その一次式の傾き項「AX」の値、「46.5375」を求める構成としてもよい。これにより、リソースの使用を抑えつつ、更なる検出精度の向上を図ることができる。
1…車両、2…車体、2r…後端部、3…ドア開口部、5…バックドア、10…コーナー部、20…キックセンサ、21…静電容量センサ、30…操作入力検出装置、31…ドアECU、32…ドアロック装置、33…パワーバックドア装置、41…基準コンデンサ、41a…第1端子、41b…第2端子、42…被測定コンデンサ、42a…第1端子、42b…第2端子、45…静電容量回路、50,51,52…スイッチ、61…第1電位源、62…第2電位源、70…制御回路、70a…検出電位徐変部、70b…ベースカウント更新部、71…コンパレータ(比較判定部)、81…カウンタ部、82,82B…メモリ、83,83B…閾値生成部、84…容量変化判定部、85,85B…閾値演算部、90…レジスタ、90x…小数点、SW0…転送スイッチ、SW1…初期化スイッチ、SW2…第2初期化スイッチ、V1…第1電位、V2…第2電位、Px…検出点、Vx…電位、Vref…参照電位、Vout…出力電位、n…カウント値、N…検出カウント値、X…ベースカウント値、Δ…差分値、Y…閾値、Yi…理想閾値、Q…理想閾値曲線、B,b…切片、A,a…傾き、α,β…指数、Lmax…最大線、Lmin…最小線、Ltyp…中間線、W…範囲、Sx…出力信号。

Claims (5)

  1. 検出体が接離することにより静電容量が変化する被測定コンデンサと既知の静電容量を有した基準コンデンサとを直列に接続してなる静電容量回路と、
    前記基準コンデンサの両端子を等電位に初期化する初期化スイッチと、
    前記基準コンデンサにおける一方の端子を検出点として該検出点に接続された転送スイッチと、
    前記転送スイッチのオン/オフを繰り返すことにより前記検出点の電位を前記初期化された値から前記被測定コンデンサの静電容量に応じた速度で段階的に変化させる検出電位徐変部と、
    前記検出点の電位を参照電位と比較する比較判定部と、
    前記転送スイッチのオン/オフ回数をカウント値として計測するカウンタ部と、
    前記比較の結果が反転する検出カウント値を監視することにより前記被測定コンデンサに生じた前記静電容量の変化を判定する容量変化判定部と、
    前記検出カウント値を監視するためのベースカウント値を変数とした一次式を用いて前記静電容量の変化を判定するための閾値を演算する閾値演算部と、を備え、
    前記閾値演算部は、前記一次式の傾きを2のべき乗を用いて表した場合の指数を保持するとともに、該指数に基づいたビットシフト演算を行うことにより、前記ベースカウント値に応じた前記傾き項の値を演算すること、を特徴とする静電容量センサ。
  2. 請求項1に記載の静電容量センサにおいて、
    前記閾値演算部は、前記指数の異なる複数のべき乗項の和を用いて表される前記傾き項について、前記指数の異なる前記べき乗項毎に、前記ビットシフト演算を行うことにより、前記傾き項の値を演算すること、を特徴とする静電容量センサ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の静電容量センサにおいて、
    前記基準コンデンサと前記被測定コンデンサとの間に前記転送スイッチを設け、前記基準コンデンサと並列に前記初期化スイッチを設けるとともに、前記被測定コンデンサと並列に第2初期化スイッチを設けることにより、前記基準コンデンサにおける前記被測定コンデンサ側の端子を前記検出点としたこと、を特徴とする静電容量センサ。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の静電容量センサにおいて、
    周期的に前記検出カウント値で前記ベースカウント値を更新するベースカウント更新部を備えること、を特徴とする静電容量センサ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の静電容量センサを備えた車両用操作入力検出装置。
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