JP5531273B2 - 赤外線センサを用いた計測装置並びにキャリブレーション方法 - Google Patents

赤外線センサを用いた計測装置並びにキャリブレーション方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線センサを用いた計測装置およびそのキャリブレーション方法に関する。
従来から、赤外線センサを用いて対象物の有無、位置および移動などを検出する技術が知られている。特に、対象物として人体を検出する技術は、トイレ、照明制御、入力デバイス等の多くの応用分野に適用されている。この技術を適用するためには、上述の人体のように赤外線センサ測定の目的とする対象物と、赤外線センサ測定の対象とはしたくない物体とを分別する必要がある。後者の対象とはしたくない物体の代表例には、直射日光(太陽光線)、白熱灯などの環境変動がある。たとえば、人体と白熱灯とを分別できていない状況においては、白熱灯の点灯を人体の進入や存在と誤認識する場合が起こり得る。
このような環境変動による赤外線センサの誤認識を防止する方法として、たとえば特許文献1および特許文献2にそれぞれ開示されたような従来技術が提案されている。特許文献1は、検出用の赤外線センサ(一般には熱電変換デバイス)とは別に参照用の赤外線センサ(熱電変換デバイス)を備えることによって誤認識を防止する技術を開示している。また、特許文献2は、赤外線センサに予め既知の光信号(赤外線信号)を入射するか、あるいは逆に光(赤外線)を遮断するシャッタを備えることによって誤認識を防止する技術を開示している。
特開2000−298062号公報 特開2004−333132号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2のいずれの従来技術も、上述のように赤外線センサ以外の構成要素を必要とするという問題があった。具体的には、特許文献1では参照用の赤外線センサを、特許文献2ではシャッタをそれぞれ必要としている。このように赤外線センサ以外の電子部品や構造物などの構成要素を必要とする場合、計測装置において赤外線センサを含む測定系を小型化および低コスト化することは困難である。
また、特許文献1に開示された手法を用いても、本質的に前述のような誤認識を防止することはできない。参照用の赤外線センサは、人体であっても白熱灯であってもこれらを検出できないため、当然にこれらを分別することもできないからである。
特許文献2に開示された手法を用いても、一般的には上述のたとえば人体と白熱灯との分別は不可能である。なぜならば、前述のように、赤外線センサに予め既知の光信号を入射する必要があるからである。つまり、ユーザが意図した光信号との分別は可能であるが、ユーザが意図しない環境変動による光信号との分別は不可能である。
本発明の第1の目的は、物的構成要素としては赤外線センサのみを用いて、人体のように検出したい対象物と、白熱灯や直射日光のように検出したくない環境変動との分別を行うことにある。
さらに本発明の第2の目的は、第1の目的と同様に赤外線センサのみを用いて、人体のような検出したい対象物が既に存在し、有効な信号成分がゼロでない場合であっても、その後に信号成分を生じさせる新たな検出したい対象物と、その後に信号成分を生じさせる白熱灯や直射日光のような検出したくない環境変動との分別を行うことにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、赤外線センサと、前記赤外線センサの出力値を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された赤外線センサ出力値から複数の赤外線センサデータを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された赤外線センサデータを格納する格納手段と、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記赤外線センサのオフセットを補正する補正手段と、を備え、前記補正手段が、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第1ばらつき演算手段と、前記第1ばらつき演算手段によって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第1所定範囲内に入っているか否かを判定する第1判定手段と、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータのうち、少なくとも1個がセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がりの発生に対応する第2所定範囲内に入っているか否かを判定する第2判定手段と、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第2ばらつき演算手段と、前記第2ばらつき演算手段によって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第3所定範囲内に入っているか否かを判定する第3判定手段と、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記第3判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の期間の最近の時刻から、前記第1判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の期間の最も過去の時刻までの時間である、前記赤外線センサデータの変化時間を演算する変化時間演算手段と、前記変化時間演算手段によって演算された赤外線センサデータの変化時間が、第4所定範囲内に入っているか否かを判定する第4判定手段と、前記第1判定手段および前記第2判定手段および前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定されたときに、前記赤外線センサのオフセットを推定する推定手段と、前記推定手段の結果に基づいて、赤外線センサのオフセットを更新する更新手段と を備えたことを特徴とする赤外線センサを用いた計測装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記選択手段は、前記測定手段によって測定された赤外線センサ出力値の直近の所定時間内における複数の赤外線センサデータを選択する手段であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第1ばらつき演算手段は、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値との差として演算する手段であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第1ばらつき演算手段は、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算する手段であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1、3または4いずれかの測定装置において、前記第1ばらつき演算手段は、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータから、最近の赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する直近データ選択手段を含み、前記直近データ選択手段によって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第1判定手段は、前記第1ばらつき演算手段によって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定する手段であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第2判定手段は、前記第1ばらつき演算手段において演算した赤外線センサデータの代表値をさらに演算する代表値演算手段と、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータから、前記代表値演算手段によって演算された代表値との差を演算する代表値差分演算手段と、を含み、前記第2判定手段は、前記代表値差分演算手段によって得られた演算結果のうち、少なくとも1個が所定のしきい値以上、または所定のしきい値以下、のいずれかの条件が成立した場合に真と判定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7の測定装置において、前記代表値演算手段は、前記第1ばらつき演算手段において演算した赤外線センサデータの平均値として演算することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第2ばらつき演算手段は、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値の差として演算する手段であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第2ばらつき演算手段は、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算する手段であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1、7、9または10いずれかの測定装置において、記第2ばらつき演算手段は、前記格納手段によって格納された赤外線センサデータから、前記第2判定手段の判定結果が真と判定された赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する判定後データ選択手段を含み、前記判定後データ選択手段によって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第3判定手段は、前記第2ばらつき演算手段によって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定する手段であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1または12の測定装置において、前記第2ばらつき演算手段を所定の回数だけ演算する演算手段と、前記第3判定手段は、前記第2ばらつき演算手段によって所定の回数だけ演算された演算結果がすべて所定のしきい値以上である場合に偽と判定する手段であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記第4判定手段は、前記変化時間演算手段によって演算された変化時間が、予め定められた所定のしきい値以下である場合に真と判定する手段であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記推定手段は、前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、前記推定手段は、前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記推定手段は、前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、前記推定手段は、前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記推定手段は、前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、前記推定手段は、前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項1の測定装置において、前記推定手段は、前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、前記推定手段は、前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項1の測定装置において、所定のしきい値を予め設定するしきい値設定手段と、前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、現在の赤外線センサ測定値とを比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づいて、前記赤外線センサが検知したか否かを判定する赤外線センサ検知判定手段とをさらに備えることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、赤外線センサの出力値を測定する測定ステップと、前記測定ステップによって測定された赤外線センサ出力値から複数の赤外線センサデータを選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択された赤外線センサデータを格納する格納ステップと、 前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記赤外線センサのオフセットを補正する補正ステップとを備え、前記補正ステップが、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第1ばらつき演算ステップと、前記第1ばらつき演算ステップによって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第1所定範囲内に入っているか否かを判定する第1判定ステップと、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータのうち、少なくとも1個がセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がりの発生に対応する第2所定範囲内に入っているか否かを判定する第2判定ステップと、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第2ばらつき演算ステップと、前記第2ばらつき演算ステップによって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第3所定範囲内に入っているか否かを判定する第3判定ステップと、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記第3判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の期間の最近の時刻から、前記第1判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の期間の最も過去の時刻までの時間である、前記赤外線センサデータの変化時間を演算する変化時間演算ステップと、前記変化時間演算ステップによって演算された赤外線センサデータの変化時間が、第4所定範囲内に入っているか否かを判定する第4判定ステップと、前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定されたときに、前記赤外線センサのオフセットを推定する推定ステップと、前記推定ステップの結果に基づいて、赤外線センサのオフセットを更新する更新ステップとを含むことを特徴とする赤外線センサを用いた計測装置のキャリブレーション方法である。
請求項21に記載の発明は、請求項20の方法において、前記選択ステップは、前記測定ステップによって測定された赤外線センサ出力値の直近の所定時間内における複数の赤外線センサデータを選択することを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第1ばらつき演算ステップは、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値との差として演算することを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第1ばらつき演算ステップは、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算することを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、請求項20、22または23いずれかの方法において、前記第1ばらつき演算ステップは、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータから、最近の赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する直近データ選択ステップを含み、前記直近データ選択ステップによって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第1判定ステップは、前記第1ばらつき演算ステップによって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定することを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第2判定ステップは、前記第1ばらつき演算ステップにおいて演算した赤外線センサデータの代表値をさらに演算する代表値演算ステップと、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータから、前記代表値演算ステップによって演算された代表値との差を演算する代表値差分演算ステップと、を含み、前記第2判定ステップは、前記代表値差分演算ステップによって得られた演算結果のうち、少なくとも1個が所定のしきい値以上、または所定のしきい値以下、のいずれかの条件が成立した場合に真と判定することを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項26の方法において、前記代表値演算ステップは、前記第1ばらつき演算ステップにおいて演算した赤外線センサデータの平均値として演算することを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第2ばらつき演算ステップは、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値の差として演算することを特徴とする。
請求項29に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第2ばらつき演算ステップは、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算することを特徴とする。
請求項30に記載の発明は、請求項20、26、28または29いずれかの方法において、前記第2ばらつき演算ステップは、前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータから、前記第2判定ステップの判定結果が真と判定された赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する判定後データ選択ステップを含み、前記判定後データ選択ステップによって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを
特徴とする。
請求項31に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第3判定ステップは、前記第2ばらつき演算ステップによって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定することを特徴とする。
請求項32に記載の発明は、請求項20または31の方法において、前記第2ばらつき演算ステップを所定の回数だけ演算する演算ステップと、前記第3判定ステップは、前記第2ばらつき演算ステップによって所定の回数だけ演算された演算結果がすべて所定のしきい値以上である場合に偽と判定することを特徴とする。
請求項33に記載の発明は、請求項20の方法において、前記第4判定ステップは、前記変化時間演算ステップによって演算された変化時間が、予め定められた所定のしきい値以下である場合に真と判定することを特徴とする。
請求項34に記載の発明は、請求項20の方法において、前記推定ステップは、前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、前記推定ステップは、前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする。
請求項35に記載の発明は、請求項20の方法において、前記推定ステップは、前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、前記推定ステップは、前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする。
請求項36に記載の発明は、請求項20の方法において、前記推定ステップは、前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、前記推定ステップは、前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする。
請求項37に記載の発明は、請求項20の方法において、前記推定ステップは、前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、前記推定ステップは、前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする。
請求項38に記載の発明は、請求項20の方法において、所定のしきい値を予め設定するしきい値設定ステップと、前記しきい値設定ステップによって設定されたしきい値と、現在の赤外線センサ測定値とを比較する比較ステップと、前記比較ステップの結果に基づいて、前記赤外線センサが検知したか否かを判定する赤外線センサ検知判定ステップと、をさらに備えることを特徴とする。
以上説明したように、上述の構成を備えた本発明の装置および方法によれば、赤外線センサが本質的に検出してしまう白熱灯または太陽光線のような環境変動と、人体のようにユーザが検出したい対象物の有無、位置および移動などとを分別することができる。この分別は、赤外線センサの測定データだけに基づいてすべて実行される。本発明は、既存の赤外線センサの信号処理およびアプリケーションソフトウェアに付加することによって実装することができる。したがって、赤外線センサ以外の電子部品や構造物などの物品を必要とせず、計測装置などの測定系を非常に小型化できるとともに、低コスト化もできる。
本発明は、赤外線センサのオフセットの補正を自動的に行う。この自動補正は、前述のように赤外線センサの測定データに基づいて実行され、ユーザに特別な操作等を要求しない。したがって、ユーザの利便性を損ねることなく、センサ測定の精度を向上させることができる。
さらに、本発明の構成を適用することによって、環境変動と検出したい対象物とを分別することで、赤外線センサの測定精度を飛躍的に向上させる。その結果、従来技術と比べて、赤外線センサの計測装置以外への応用範囲を格段に広げることができる。たとえば、携帯電話や電子ゲームといった新たな用途への応用が可能となる。
本発明に係る計測装置の構成を示したブロック図である。 本発明に係る計測装置の要部の構成をより詳細に示したブロック図である。 本発明の実施形態を説明する図であり、白熱灯点灯時の測定値の時間依存性の例を表した図である。 本発明の実施形態を説明する図であり、人体接近時の測定値の時間依存性の例を表した図である。 本発明の実施形態を説明する図であり、時系列上で先に人体接近があった後に白熱灯点灯があった時のセンサ出力測定値の時間依存性の例を表した図である。 本発明の計測装置によって実行される処理手順を示したフローチャートの図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明は、赤外線センサを利用する装置であればどのようなタイプのものにも適応可能であるが、典型的な実施形態として計測装置を例に、以下詳細に説明をする。
最初に、図1および図2を用いて、本発明の計測装置の構成の概要が説明される。次に、図3から図5を用いて、赤外線センサの出力の時系列的な変化に着目しながら、本発明の計測装置または方法が取り扱う事象について説明される。最後に、図6を用いて、実際の赤外線センサの出力から得られた出力データを用いて、本発明の計測装置に特有の技術手段および本発明の方法を実行する処理手順を説明する。この処理手順には、出力データの演算処理ステップ群と、判断条件に基づいた判断ステップ群とが含まれる。図6で説明する各ステップは、図5で示される赤外線センサの出力の時系列的な変化と関連付けながら説明される。
図1は、本発明に係る計測装置の構成を示すブロック図である。本発明の計測装置100は、赤外線センサ1を備えている。本発明に使用される赤外線センサは、発光部を持たなくても対象物を検出可能なパッシブ型のものとする。しかし、本発明はその検出原理には依存せず、本発明の趣旨はその他のタイプの赤外線センサに対してもそのままあるいは変形して適用可能である。また、焦電センサと呼ばれる微分出力型の赤外線センサに対しても、同様に適用可能である。
赤外線センサ1には、その出力を測定するセンサ出力測定部2が接続される。一般的に、赤外線センサ1だけではその出力信号は小さいため、出力信号はオペアンプ(Operational Amplifier)等の電子デバイスを用いて電気的に増幅される。また必要に応じて、上述の増幅された電気的信号は、AD(Analog to Digital)変換回路によってデジタルデータに変換される。
センサ出力測定部2において測定されたセンサ出力はセンサ出力選択部3に接続され、センサ出力測定部2から必要なデータを選択する。また、センサ出力選択部3によって選択されたセンサ出力データは、センサ出力格納部4に格納される。さらに、センサ出力格納部4に格納された出力データは、本発明特有のセンサオフセットの更新を行なうセンサオフセット補正部5に与えられる。センサ出力選択部3における出力選択の具体的な方法、およびセンサ出力格納部4における出力格納(および出力廃棄)の具体的な方法については、具体的な演算方法とともに、以下詳細に説明される。
図2は、センサオフセット補正部5の詳細な構成とともに図1に示した計測装置を示したブロック図である。センサオフセット補正部5は、センサデータ第1ばらつき演算部5−1、センサデータ第1判定部5−2、センサデータ第2判定部5−3、センサデータ第2ばらつき演算部5−4、センサデータ第3判定部5−5、センサデータ変化時間演算部5−6、センサデータ第4判定部5−7、センサオフセット推定部5−8およびセンサオフセット更新部5−9から構成される。
前述のように、本発明の第1の目的は、赤外線センサ測定の目的とする対象物と、赤外線センサ測定の対象とはしたくない物体との分別をすることにある。最初に、赤外線センサ測定の目的とする対象物の出力特性と、赤外線センサ測定の対象とはしたくない物体の出力特性との違いについて説明する。その後、この出力特性の違いに基づいて、センサ出力選択部3、センサ出力格納部4およびセンサオフセット補正部5の具体的な演算方法および判定方法についてさらに詳述する。
[赤外線センサ出力特性の差異]: 図3および図4は、上述の2つの出力特性の違いを説明するための図である。図3および図4のいずれにおいても、横軸が時刻を、縦軸がセンサ出力測定部2のセンサ出力を示している。さらに各図内の実線が、センサ出力測定部2の実際の出力値の例を示している。図3は、赤外線センサ測定の対象とはしたくない物体の代表例として、白熱灯の点灯時のセンサ出力値の時間変化を示している。これに対し図4は、赤外線センサ測定の目的とする対象物の代表例として、人体(手のひら等)が接近した時のセンサ出力値の時間変化を示している。
まず、図3に示された状況について詳細に説明を行う。センサ出力測定部2の出力値は、時刻t0で、センサオフセットirofに調整されているものとする。この調整されたirof値は、後述するように、本発明によって補正更新されたオフセット値を用いても良いし、製造工程において記憶保持されたオフセット値を用いても良い。時刻t2(i)で、白熱灯が点灯しそのまま点灯し続けているものとする。この場合、センサ出力測定部の出力値は短時間のうちに上昇し、その後ほぼ一定値を取る。
図3内に示された記号を用いながら、さらに上述の状況を定量的に示す。センサ出力測定部2の出力値は、時刻t2(i)で上昇を始め、時刻t3(i)で上昇を終える。その後、時間的にほぼ一定の出力値を続けて時刻t4(i)に至る。ここで、出力値が上昇している時間をΔt(icdl)、出力値の上昇分をΔir(icdl)、出力値が上昇した後の出力値のばらつきをirpp(icdl)とする。
次に、図4に示された状況について詳細に説明を行う。図3と同様に、時刻t0で、センサ出力測定部2の出力値はセンサオフセットirofに調整されているものとする。時刻t2(h)で人体が近づき始めて、時刻t3(h)まで接近を続け、時刻t3(h)の後そのままずっと静止しているものとする。この場合、センサ出力測定部の出力値はある程度の時間をかけて上昇し、その後はほぼ一定値を取る。以下、上述の状況を図4内に示された記号を用いながら、さらに定量的に示す。
センサ出力測定部2の出力値は、時刻t2(h)で上昇を始め、時刻t3(h)で上昇を終える。その後、大まかにはほぼ一定の出力値を続けて時刻t4(h)に至る。図3で説明したのと同様、この出力値が上昇している時間をΔt(hand)、出力値の上昇分をΔir(hand)、出力値が上昇した後の出力値のばらつきをirpp(hand)とする。
図3および図4で説明したこれらの状況下において、赤外線センサの出力特性は、上述のように定義した各パラメータに対して、以下の(1)式および(2)式のような性質のあることがわかっている。
Δir(icdl)>0、Δir(hand)>0 (1)式
Δt(icdl)<Δt(hand) (2)式
また、irppth3を、予め定めた正のしきい値(irppth3>0)として、多くの場合に次の(3)式が成り立つ。
irpp(icdl)<irppth3、irpp(icdl)<irppth3
(3)式
まず、(1)式は、赤外線センサのセンサ出力が、センサオフセットirofよりも増加したことを示している。実際の測定系では、センサオフセットは完全にゼロではなく、またセンサ出力にはノイズが重畳されている。したがって、予めしきい値Δirthp(=irthp−irof)を定め、Δir(icdl)およびΔir(hand)がともにΔirthpよりも大きいことを判定することによって、白熱灯の点灯または人体の接近のいずれかが発生したことを検出する。
また、(2)式は、白熱灯点灯の瞬間に赤外線センサ出力が上昇するのにかかる時間が、人体接近の瞬間に赤外線センサ出力が上昇するのにかかる時間よりも短い(小さい)ことを示している。白熱灯は人間の感覚からすればほぼ一瞬で点灯するが、人体の接近は一瞬で終わることはない。つまり、人体の接近の場合と比べて白熱灯の点灯の場合には、赤外線センサのセンサ出力が変化する時間は短い。したがって、センサ出力の変化時間を測定・演算するとともに、予め、しきい値(Δtth)を定めておいて、この変化時間がしきい値Δtthよりも小さいか否かを識別することによって、白熱灯の点灯が発生したのか、あるいは人体の接近が発生したのかの分別を行うことが可能となる。
ここで、(2)式に関して補足説明をする。(2)式から明らかなように、白熱灯点灯と人体接近との分別のため、不等式に出てくるパラメータとして時間を選択している。しかし、時間を選択することは唯一の手段ではなく、たとえばパラメータとしてセンサの時間的変化率を選択することも考えられる。しかしながら、以下に考察するように、パラメータとして時間を選択するほうが、センサの時間的変化率を選択する場合よりも適用範囲(アプリケーション)が広いことが理解できるだろう。
ここで、赤外線センサと白熱灯との位置関係、特に相互の距離が変化したときの状況を考える。当然のことながら、同じ白熱灯が同じように点灯しても、赤外線センサと白熱灯との距離が変化すれば赤外線センサの出力レベルもおのずと変化する。したがって、時間的変化率で分別しようとする場合には、出力レベルの依存性、すなわち距離変化に対する依存性を排除しなければならない。これは、相互の距離を一定にする必要があること、すなわち、赤外線センサと白熱灯との位置関係を固定にしておく必要があることを意味している。結果的に、パラメータとして時間的変化率を選択すると、上述の理由により本発明の適用範囲は狭くなってしまう。
しかし、赤外線センサの出力レベルによる依存性を排除するのはそれほど困難ではなく、時間的変化率を出力レベルによって規格化すれば良い。すなわち、センサの時間的変化率を出力レベルで割り算すれば良い。この割り算の結果は、センサ出力が変化する時間の逆数である。したがって、パラメータとして時間(もしくはその逆数)を選択するほうが、時間的変化率を選択する場合に比べて本発明の適用範囲がより広い。
次に、(3)式に関して説明する。(3)式は、白熱灯点灯後のセンサ出力のばらつきおよび人体接近後のセンサ出力のばらつきのの双方が、あるしきい値irppth3よりも小さいということを示している。この性質は、センサ出力レベルが白熱灯点灯後であっても人体接近後であっても、ほぼ一定値を取ることに起因している。また、この性質を用いて、(2)式による変化時間による分別をより正確に行うことが可能となる。より詳細には、センサ出力のばらつきが大きい場合、一般に変化時間は測定不可能であるか、あるいは非常に長い変化時間を有しているか、のいずれかである。逆に、前述のように変化時間の短いことを検出するには、ばらつきがある程度小さい時間帯を検出すると精度の良い測定が可能である。この精度の良い測定を可能にするために、本発明は、(3)式のこの性質を考慮している。
以上、赤外線センサ測定の対象とはしたくない環境変動のセンサ出力値と、赤外線センサ測定の目的とする対象物のセンサ出力値の違いについて説明した。ここまでの説明は、図3および図4いずれの場合も、オフセット状態(有効な信号成分がゼロである状態)を起点として、白熱灯の点灯(もしくは消灯)または人体の接近(もしくは離反)のいずれか一方が起きた場合についての説明をした。これに対し、起点として、人体(手)などの対象物が存在する状態、すなわち有効信号検出状態(非オフセット状態、有効な信号成分がゼロではない状態)であっても、その後に生じる対象物と環境変動との分別を行うことが本発明の第2の目的である。そのためには、以下詳細に説明するように、図3および図4で説明したのとは異なる状況および出力特性を想定する必要がある。
[本発明が適応される一連の状況]: 図5は、本発明の赤外線センサを用いた計測装置が対処することができる状況のセンサ出力特性を説明する図である。すなわち、時系列上で先に人体接近があった後に白熱灯点灯があった場合の一連の状況において、センサ出力の時間変化を表した図である。
図5においても、図3および図4同様に、横軸に時刻を、縦軸にセンサ出力測定部2のセンサ出力をそれぞれ示し、さらに図内の実線がセンサ出力測定部2の実際の出力値を示している。図5では、まず先に人体(手のひら等)が接近し、その後に白熱灯の点灯が起こった場合におけるセンサ出力値の時系列的な変化を示している。まず、時刻t0でセンサ出力測定部2の出力値はセンサオフセットirofに調整されているものとする。この調整されたirof値は、後述するように、本発明の補正更新されたオフセット値を用いても良いし、製造工程において記憶保持されたオフセット値を用いても良い。時刻t1(d)で人体が近づき始めて、時刻t2(d)まで接近を続けて、その後そのままずっと静止しているものとする。この場合、センサ出力測定部の出力値はある程度の時間をかけて上昇し、その後はほぼ一定値を取る。
続いて、この人体が接近を続けた後で静止したままの状態にあるとき、時刻t3(d)で白熱灯が点灯し、そのまま点灯し続けているものとする。この場合、センサ出力測定部の出力値は時刻t4(d)までの比較的短時間のうちに上昇し、その後はほぼ一定値を取る。しかしながら、図5に示したように、最後の時刻t5(d)の白熱灯点灯時のセンサ出力は、時刻t2(d)から時刻t3(d)までのセンサ出力とは異なるレベルである。図5で説明した一連の状況を、図5内に示した記号を用いながらさらに定量的に示す。
図5を再び参照すれば、センサ出力測定部2の出力値は、はじめに時刻t1(d)で上昇を始め、時刻t2(d)で上昇を終える。その後、ほぼ一定の出力値を出力し続けて時刻t3(d)に至る。このほぼ一定の出力値の代表値として、irsigを定義する。irsigは代表値なので、ある時刻の瞬時値またはある時間帯での平均値などとして定義すれば良い。さらに、時刻t3(d)では白熱灯が点灯することによって、センサ出力測定部2のセンサ出力値が上昇を始め、時刻t4(d)で上昇を終える。その後、ほぼ一定の出力値を出力し続けて時刻t5(d)に至る。前述のirsigと同様に、この後者のほぼ一定の出力値の代表値として、irmeasを定義する。
図5の時刻t1(d)から時刻t2(d)におけるセンサ出力値が上昇する状況は、先に示した図4で説明した状況とまったく同一である。時刻t1(d)から時刻t2(d)において、出力値が上昇している時間をΔt(dhan)、センサ出力値の上昇分をΔir(dhan)、センサ出力値が上昇した後のセンサ出力値のばらつきをirpp1(dhan)とする。上述の定義より、当然のことながら、Δir(dhan)=irsig−irofとなる。
図5の時刻t3(d)から時刻t4(d)においてセンサ出力値が上昇する状況は、先に示した図3で説明したのと同様に白熱灯点灯による上昇ではあるが、その状況は以下に述べるように異なる。すなわち、図3では上昇前のセンサ出力値がオフセットレベルirofであるのに対して、図5では上昇前のセンサ出力値がオフセットレベルirofではなく、信号成分irsigである点で相違している。図5の時刻t3(d)から時刻t4(d)において、センサ出力値が上昇している時間をΔt(dicl)、センサ出力値の上昇分をΔir(dicl)、センサ出力値が上昇した後のセンサ出力値のばらつきをirpp1(dicl)とする。上述の定義より当然のことながら、Δir(dicl)=irmeas−irsigとなる。
図5で説明した一連の状況下における赤外線センサの出力特性は、図3および図4で示したのと同様の性質を持つ。すなわち、前述のように定義した各パラメータに対して、以下の(4)式および(5)式のような性質のあることがわかっている。
Δir(dicl)>0、Δir(dhan)>0 (4)式
Δt(dicl)<Δt(dhan) (5)式
また、irppth4を予め定めた正のしきい値(irppth4>0)として、多くの場合に、次の(6)式が成り立つ。
irpp1(dicl)<irppth4、irpp1(dhan)<irppth4
(6)式
irppth4は、前述のirppth3と独立に定めても従属させてもどちらでも良い。
赤外線センサの出力特性について(4)式〜(6)式の意味するところは(1)式〜(3)式とまったく同じであるため、ここでは説明を省略する。
図5で説明した一連の状況では、まず、初期状態としてオフセット状態があり(図5の時刻t0)、次に人体(手)接近のように赤外線センサ測定の目的とする対象物が出現しあるいは発生することによって、センサ出力値が上昇し有効信号の検出状態となる(図5のt1(d)からt2(d))。この状態を起点として、その後さらに白熱灯点灯のように赤外線センサ測定の対象としたくない環境変動が発生することによって、センサ出力が上昇している(図5のt3(d)からt4(d))。
本発明の計測装置および方法は、上述のような一連の状況の場合、以下のような処理を行う。このような処理が、最も都合が良くかつ合理的である。
すなわち、人体(手)の接近時には、この人体を赤外線センサ測定の対象物としたいのであるから、センサ測定によって得られたそのセンサ出力信号の上昇分をそのまま有効な信号成分とみなして上昇させる処理を行えば良い。一方で、白熱灯点灯時には、この白熱灯を赤外線センサ測定の対象とはしたくないのであるから、そのセンサ出力信号の上昇の前後における信号成分は不変とみなし、変化したのはオフセット成分であるとみなす処理を行えば良い。
上述の処理については、図5に示した一連の状況が逆の順序で起こった場合、すなわち、先に白熱灯点灯のような赤外線センサ測定の対象とはしたくない環境変動の発生があり、その後に赤外線センサ測定の目的とする対象物の発生がある、という順序で起こった場合も検討する必要がある。このような場合であっても、図5で説明した順序で起こった一連の状況の個々の状況に対する各処理を行えば、一般性を失わずに、逆の順序で起こった場合にもこれらの各処理をそのまま適用することができる。
例えば、時系列上で環境変動の発生が先にあったとき、前述の処理によって有効信号成分はゼロのまま変化せず、オフセット成分のみが変化しているのであるから、その変化後のオフセット成分を改めてオフセット初期値とみなすことができる。これは、白熱灯点灯後に再びオフセット状態に戻ること、すなわち再び図5の時刻t0の状態に戻ることを意味している。ただし、irofの値自身は、一般的に、環境変動が先か後かによって変わることに留意が必要である。つまり、環境変動が先に発生する場合とは、結局のところ、図5において有効信号成分がゼロである場合、という特別な場合の処理を行うことに帰着する。したがって、図5で説明した上述の各処理を考慮すれば良い。
[本発明の具体的な処理手順]: 次に、図2に示した本発明の計測装置のブロック図の構成と対応付けながら、図5に示した一連の状況を例として、本発明の計測装置による処理の具体的な演算方法および判定方法について説明する。以降の説明では、図5に示したように、人体(手)の接近が白熱灯の点灯よりも図面上の左側の位置にあることから、人体(手)の接近またはセンサ測定の対象物の発生のことを図5の「左側」、白熱灯の点灯または環境変動の発生のことを図5の「右側」と簡略化して呼ぶ場合がある。
以下、本発明の処理手順が、図6のフローチャートの各ステップ(Sで示す)とともに詳細に説明される。処理手順は、S601からS606までのセンサデータの格納処理と、S607からS615までの、判定処理およびセンサオフセットの更新処理とに大別することができる。図5のセンサ出力の時系列変化の説明においては様々なパラメータを定義してきたが、図6のフローチャートの各処理手順では、複数の「判断条件」として判断式が提示されているように、各処理は、センサ出力がデータ化されたことを前提として説明される。例えば、後に各「判断条件」とともに説明する「第1所定範囲」、「第2所定範囲」、「第3所定範囲」および「第4所定範囲」は、判断を受けるデータが各範囲に該当するか否かを規定する数値範囲である。したがって、以降で説明されるパラメータと、図5のセンサ出力の時系列変化の説明において説明されたパラメータとは、同一の量を表すものではなく、対応するものとして理解されたい。
図6は、図2に示したブロック図の本発明の計測装置によって実行される具体的な処理手順を示すフローチャートである。図6の処理手順は、まず、予め以下の各値を設定することで始まる(S601)。すなわち、センサオフセットirof、第1のしきい値irppth1、第2のしきい値Δirthp(>0、すなわち正の値)、第3のしきい値Δirthn(<0、すなわち負の値)、第4のしきい値irppth2および第5のしきい値Δtthを設定する(S601)。このステップ(S601)は、図5では、時刻t0での初期値設定の実行に相当する。
これらの設定値は、赤外線センサの特性、オペアンプ等周辺の電子デバイスの特性、赤外線センサ測定の目的とする対象物の特性(人体等)、赤外線センサ測定の対象とはしたくない物体(環境変動、白熱灯、直射日光等)の特性、赤外線センサ測定の用途(アプリケーション)および要求される補正の精度等を考慮して、最適な補正結果が得られるように設定することが可能である。たとえば、irofについては、前述の通り、本発明によって補正更新されたオフセット値を用いても良いし、製造工程において記憶保持されたオフセット値を用いても良い。また、irppth1、Δirthp、Δirthn、irppth2およびΔtthについては、一般には時刻t0において定められた固定値とすることができるが、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータに基づいて適応的に変えても良い。さらに、irppth1およびirppth2については、先の[赤外線センサ出力特性の差異]の説明において定義したirppth3およびirppth4の大きさを考慮すると良い。
初期値設定が終了したら、図6の処理手順は、センサ出力測定部2で測定された測定値に対して(S602)、センサ出力選択部3によって本処理に必要なデータを選択し(S603)、さらにセンサ出力格納部4によって当該データを格納する(S604)。現実のシステムでは、センサ出力格納部4の格納領域は有限の規定値であるので、センサ出力格納部4に格納されているセンサデータが満杯になったときに最も不要なセンサデータを廃棄する(S605−S606)。
FIFOバッファと呼ばれる先入れ先出しメモリを使用するのが、上述のセンサデータの選択、格納および廃棄をするための最も簡単かつ実用上合理的な方法である。具体的には、まずはじめにセンサ出力測定部2で測定された測定値を次々と選択し格納していく。ある時刻を経過すると、格納されているセンサデータが満杯になるが、そのとき最も古いセンサデータを廃棄する。以下、FIFOバッファを用いる場合を例として説明するが、勿論、センサ出力の選択および格納、廃棄のタイミング等を適宜変更することも可能である。また、以下の説明で取り扱っているセンサ出力はAD変換後のデジタルデータであり、測定後の処理がデジタル信号処理である場合につい説明されている。しかし、本発明においてはデジタルデータに限定されず、センサ出力がアナログデータである場合、または測定後の処理がアナログ信号処理もしくはアナログデジタル混在の信号処理である場合でも、本発明の処理を同様に行うことができる。
上述のデータ格納処理の一例として、赤外線センサの測定頻度を128Hz、FIFOバッファのデータ数を256として、直近の過去2秒間のデータをセンサ出力格納部4に格納することができる。これらの設定は、測定装置の目的・用途、検出対象物の種類などによって様々に変化し、一例に過ぎないことに留意されたい。
次に本処理手順は、S607からS615の判定処理およびセンサオフセットの更新処理に移る。最初に、センサデータ第1ばらつき演算部5−1において、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータのばらつきを演算する(S607)。先に[赤外線センサ出力特性の差異]の説明の項において説明したように、白熱灯点灯に代表される環境変動のばらつき、および人体接近に代表される対象物のばらつきは、いずれもある値より小さくなることが多い。このばらつきの大きさの違いを分別するため、まず、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータから直近のデータを抜き出す。ここで、抜き出すセンサデータが直近のデータであることは必須要件ではない。しかし、本発明の効果を最大限に発揮するためには、後述する補正演算の結果(S615)をなるべく遅滞なく(即時に)出力することが好ましい。したがって、一般的には直近のデータを含めるようにして、センサ出力格納部4からデータを抜き出すことが好ましい。
本処理手順は、センサデータを抜き出した後、抜き出したセンサデータのばらつきを演算する。ばらつき演算の好ましい方法として、抜き出したセンサデータに対して、最大値および最小値を探索し、さらに最大値から最小値を引き算する(差を取る)ことができる。また、抜き出したセンサデータに対し、標準偏差(σ)、2σ、3σまたは分散を求めることもできる。上述の2つの演算方法は、ばらつきの大きさを示す指標としていずれもよく知られているものである。上述のいずれかの演算方法、あるいは他の適当な演算方法によって得られたばらつきを、図5に示した通り、人体接近の場合にはirpp1(dhan)とし、白熱灯点灯の場合にはirpp1(dicl)とする。
次に、本処理手順は、センサデータ第1ばらつき演算部5−1によって得られたirpp1(dhan)、irpp1(dicl)に対し、センサデータ第1判定部5−2において判定を実行する(S608)。判定は、以下の判定条件により実行される。すなわち、予め初期設定で定めた第1のしきい値irppth1に対して、各ばらつきがirppth1よりも小さければ「真」と判定し、irppth1よりも大きければ「偽」と判定する。尚、irpp1(dhan)、irpp1(dicl)がirppth1よりも小さい範囲、すなわち上記の判定結果が「真」と判定される範囲のことを以降では「第1所定範囲」と言う。図5を用いて説明したように、一般にirpp1(dhan)およびirpp1(dicl)は、いずれもある値よりも小さいことが多い。要約すれば、第1のしきい値irppth1を適切に定めることによって、以下の不等式による「第1判定条件」によって判定が可能となる。
irpp1(dhan)≦irppth1
―> センサデータ第1判定部5−2の判定結果は 真
irpp1(dicl)≦irppth1
−> センサデータ第1判定部5−2の判定結果は 真
逆に、上記の不等式が成立しない場合、たとえば図5でセンサ出力のデータが変化している領域(*で表示)において、センサデータ第1ばらつき演算部によりばらつきを演算すると、ばらつきが大きな値となることは明らかである。このような場合には、上記の「第1判定条件」の不等式は成立しない。センサデータ第1判定部5−2の判定結果が「偽」の場合、センサオフセットの補正は実行されず、本処理手順の制御フローは図6のS602に戻る。
一方、図5においてセンサ出力がirpp1(dhan)およびirpp1(dicl)で示した領域に対応する場合には、センサデータ第1判定部5−2の判定結果は「真」と判定され、本処理手順は、次のセンサデータ第2判定部5−3へ進む(S609)。この場合、まずはじめに、センサデータ第1ばらつき演算部5−1において、センサ出力格納部4から抜き出されたセンサデータの代表値を計算する。この代表値は、センサ出力格納部4から抜き出された複数のセンサデータの平均値を用いるのが一般的であるが、中央値(メジアン)、最大値、最小値、最大値と最小値との平均値、または直近のセンサデータなどのある時刻の瞬時値を用いても良い。センサデータ第1判定部5−2の判定結果が「真」と判定されたときは、本来的にセンサ出力格納部4から抜き出されたセンサデータのばらつき値は小さいので、さまざまな代表値を選択することができる。この代表値をirsig(図5の左側の場合)、irmeas(図5の右側の場合)とする。
続いて、センサデータ第2判定部5−3では、まず「第2判定条件」として次のいずれかの条件を設定する。
センサ出力格納部に格納されたセンサデータ>irthp (7−1)式
センサ出力格納部に格納されたセンサデータ<irthn (8−1)式
ここで、irthpおよびirthnは、図5中に示された各符号を用いて、次の各式によって定義する。
irthp=irsig+Δirthp : 図5左側のとき (9−1)式
irthn=irsig+Δirthn : 図5左側のとき (9−2)式
irthp=irmeas+Δirthp : 図5右側のとき (9−3)式
irthn=irmeas+Δirthn : 図5右側のとき (9−4)式
さらに、図5の左側に対応する場合は、(7−1)式は(9−1)式を使って、また、(8−1)式は(9−2)式を使って、それぞれ次式のように変形できる。
センサ出力格納部に格納されたセンサデータ―irsig>Δirthp (7−2)式
センサ出力格納部に格納されたセンサデータ―irsig<Δirthn (8−2)式
図5の右側に対応する場合についても、式(7−2)、式(8−2)のirsigをirsigに置き換えれば良い。
ここで、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータから、代表値のirsigを減算した結果が、所定の正のしきい値Δirthpよりも大きいか、または、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータから、代表値のirsigを減算した結果が、所定の負のしきい値Δirthnよりも小さいか、のいずれかの条件が成立する範囲を「第2所定範囲」と言う。図5には、この「第2所定範囲」を図5の右側、すなわち白熱灯の点灯または環境変動の発生に対応する条件判定のための範囲として斜線で示している。この範囲に相当する条件式が、上記の(9−3)式および(9−4)式である。なお、図5には示していないが、図5の左側の、すなわち人体(手)の接近またはセンサ測定の対象物の発生に対応する「第2所定範囲」は(9−1)および(9−2)式で与えられる。あるいは、(7−2)式および(8−2)式で与えられる。
先の[赤外線センサ出力特性の差異]の説明においては、(9−4)式または(9−2)式が適用される場合についてのみ説明した。すなわち、(9−4)式および(9−2)式は、白熱灯が消灯状態から点灯したとき、または人体が接近したときに適用される不等式である。逆に、(9−3)式および(9−1)式は、白熱灯が点灯状態から消灯したとき、または人体が遠ざかっていったときに適用される不等式である。本発明の実施形態においては、これらの不等式のいずれか、または両方の組み合わせが判定条件として適用される。
本発明の計測装置100における処理では、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータは複数個存在するが、その複数個のうち(9−3)式および(9−4)式(または、(9−1)式および(9−2)式)の不等式を満足するセンサデータが少なくとも1個存在していれば、センサデータ第2判定部5−3による判定結果を「真」と判定する(S609)。センサデータ第2判定部5−3の判定では、複数個のセンサデータすべてが上記条件を満足することは本発明の判定条件ではないことに注目されたい。
したがって、逆にセンサデータ第2判定部5−3の判定結果が「偽」となる条件は、複数個のセンサデータすべてが上記「第2判定条件」の不等式を満足しない場合となる。この「偽」と判定される典型的な例は、対象物または環境変動が存在しているものの、ある程度長い時間、その存在によるセンサ出力が不変である場合である。このようにセンサデータ第2判定部5−3の判定結果が「偽」の場合、センサオフセットの補正は実行されず、本処理手順の制御フローはS602に戻る。
一方で、センサデータ第2判定部5−3の判定結果が「真」と判定される典型的な例は、次の通りである。例えば、図5の右側における時刻t3(d)からt4(d)の(白熱灯点灯による)センサ出力の上昇によるもの、すなわち図5に図示した状況そのものである。また、センサデータ第2判定部5−3における判定条件の説明としては図示されていないが、図5の左側における時刻t1(d)からt2(d)の人体接近によるセンサ出力の上昇も「真」と判定され得る。すなわち、図5に示したirpp1(dhan)およびirpp1(dicl)の場合には、センサデータ第2判定部5−3の判定結果が「真」と判定され、本処理手順は、次のセンサデータ第2ばらつき演算部5−4の処理へ進む。
センサデータ第2ばらつき演算部5−4では、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータのばらつきを演算する(S610)。このばらつき演算は、センサデータ第1ばらつき演算部5−1における目的と同様、白熱灯点灯に代表される環境変動のばらつき、および人体接近に代表される対象物のばらつきは、いずれもある値より小さくなることが多いため、両者の違いを分別するために実行する。まずはじめに、センサ出力格納部4に格納された複数のセンサデータから、(7−1)式または(8−1)式の不等式を満足するデータのいくつかを抜き出す。
前述のように、センサデータ第1ばらつき演算部5−1において抜き出したセンサデータは直近のデータを含むセンサデータである。一方、センサデータ第2ばらつき演算部5−4において抜き出すセンサデータは、(7−1)式または(8−1)式の不等式を満足するデータであればいくつ抜き出しても良い。しかし、これらの不等式を満足しないデータから抜き出してはならない。その理由は、これらの不等式を満足しないデータから抜き出すと、この後の変化時間の演算が不可能または不安定になるためである。また、上述の変化時間の演算と同様の理由により、(7−1)式または(8−1)式の不等式を満足するデータのうち、できる限り現在の時刻に近い時刻のデータから所定数のデータを抜き出してくることが好ましい。
適切なセンサデータを抜き出した後、抜き出したセンサデータのばらつきを演算する。演算方法としては、抜き出したセンサデータに対して、最大値と最小値を探索し、さらに最大値から最小値を引き算する(差を取る)ことができる。また、抜き出したセンサデータに対し、標準偏差(σ)、2σ、3σまたは分散を求めることもできる。上述の2つの演算方法は、ばらつきの大きさを示す指標としていずれもよく知られているものである。このいずれかの演算方法、あるいは他の適当な演算方法によって得られたばらつきを、人体接近の場合には図5に示す通りirpp2(dhan)とし、白熱灯点灯の場合にはirpp2(dicl)とする。
次に、本処理手順は、センサデータ第2ばらつき演算部5−4で得られたirpp2(dhan)およびirpp2(dicl)に対し、センサデータ第3判定部5−5にて判定を実行する(S611)。判定は、以下の判定条件により実行される。すなわち、予め初期設定にて定めた第4のしきい値irppth2に対して、各ばらつきがirppth2よりも小さければ「真」と判定し、irppth2よりも大きければ「偽」と判定する。なお、irpp2(dhan)、irpp2(dicl)がirppth2よりも小さい範囲、すなわち上記の判定結果が「真」と判定される範囲のことを以降では「第3所定範囲」と言う。図5を用いて説明したように、一般にirpp2(dhan)およびirpp2(dicl)は、いずれもある値よりも小さいことが多い。したがって、第4のしきい値irppth2を適切に定めることにより、以下のような不等式の「第3判定条件」による判定が可能となる。
irpp2(dhan)≦irppth2
−> センサデータ第3判定部5−5の判定結果は 真
irpp2(dicl)≦irppth2
−> センサデータ第3判定部5−5の判定結果は 真
逆に、上記の「第3判定条件」の不等式が成立しない場合、たとえば図5で白熱灯点灯によりセンサデータが変化している状態において(*印で表示)、センサデータ第2ばらつき演算部5−4でばらつきを演算すれば、ばらつきが大きな値を取ることは明らかであり、上記の「第3判定条件」の不等式は成立しない。このような場合には、センサデータ第2判定部5−3において「真」と判定されたデータのみを利用し、irpp2(dicl)付近のデータ(図5において☆印で表示)を抜き出して判断を実行することによって、上記の不等式が成立する。より具体的には、「第3判定条件」の判定の場合には、以下のような処理とするのが合理的で実際的である。
「第3判定条件」の判定の第1の例として、センサデータ第2判定部5−3において「真」と判定された(S609)データの中から、まず、「第3判定条件」の不等式が成立しないと判断されたときに使用されたデータとは異なるデータを抜き出す。その後、センサデータ第2ばらつき演算部5−4と同様のばらつき演算を再び実行し(S610)、さらにそのばらつき演算結果に基づいてirpp2(dhan)およびirpp2(dicl)がirppth2よりも大きいか小さいか判定する。すなわち「第3判定条件」の不等式が成立するか否かを再び判定する。ここで、上記の「第3判定条件」の不等式が成立しなければ、上で説明した第1の例の処理を、さらに所定の回数または可能な限り繰り返す。繰り返して判定を実行しても、いずれも「第3判定条件」の不等式が成立しない場合に、センサデータ第3判定部5−5の判定結果を「偽」と判定する。この繰り返し処理は、いわゆる「ポーリング処理」であり、図6において、センサデータ第3判定部5−5からセンサデータ第2ばらつき演算部に至る点線で示した処理である。
「第3判定条件」の判定の第2の例は、第1の例のより具体的な処理方法を示す例であり、以下の通りである。第1の例においても説明したとおり、まず最初に、センサデータ第2判定部5−3で「真」と判定されたデータのうち、できる限り現在の時刻に近い時刻(最近)のデータから所定数のデータを抜き出す。そのデータに対してセンサデータ第2ばらつき演算部5−4と同様の演算を実行する。その後、演算結果に基づいてirpp2(dhan)およびirpp2(dicl)がirppth2よりも大きいか小さいか、すなわち「第3判定条件」の不等式が成立するか否かを判定する。
ここで、上記不等式が成立しなければ、先に抜き出したデータから最近のデータ1個を排除し、先に抜き出されなかったデータから最近のデータ1個を加えたものを新たな演算の対象データとする。この新たな演算対象データに対し、再度センサデータ第2ばらつき演算部5−4と同様の演算を実行する。以降の判定は第1の例と同様に、「第3判定条件」の不等式が成立した時点でセンサデータ第3判定手段5−5の結果を「真」と判定する。所定回数の繰り返しを実行しても、「第3判定条件」の不等式が成立しない場合には、センサデータ第3判定手段5−5の結果を「偽」と判定する。
「第3判定条件」の判定の第3の例は、センサデータ第2判定部5−3からあらゆる組み合わせのセンサデータを取得し、センサデータ第2ばらつき演算部5−4と同様の演算をこれらのすべての組み合わせに対して実行する。その演算結果の最小値または極小値を改めてセンサデータ第2ばらつき演算部で得られた演算結果とすることもできる。その後に、センサデータ第3判定手段5−5において、前述の演算結果に基づいて、演算結果に基づいてirpp2(dhan)およびirpp2(dicl)をirppth2と比較し、小さければ「真」、大きければ「偽」と判定することも可能である。
上述のように判定されたセンサデータ第3判定部5−5の判定結果が「偽」の場合、センサオフセットの補正は実行されず、本処理手順の制御フローはS602に戻る。一方、図5のirpp2(dhan)およびirpp2(dicl)の場合には、センサデータ第3判定部5−5の判定結果は「真」と判定され、本処理手順は次のセンサデータ変化時間演算部5−6の処理に進む。
上述の第3判定条件により「真」の判定が得られるまで判定処理が繰り返されることによって、次に述べる変化時間の測定の基準点が明確にされることに注目されたい。
センサデータ変化時間演算部5−6では、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータの変化時間を測定する(S612)。変化時間は、一般的には、ある一定値の第1のレベルを取るデータの最近の時刻から、第1のレベルとは異なる別の一定値の第2のレベルを取るデータの最遠の時刻として定義される。以下、この変化時間の定義に基づいて、変化時間の演算方法の詳細について説明する。
本発明における変化時間は、一般に電気・電子回路における立ち上がり時間または立ち下がり時間に相当するものである。例えば、論理回路におけるパルスの立ち上がり時間などを想起されたい。立ち上がり時間に関する最も一般的で厳密な定義は、ローレベルからハイレベルに遷移する波形に対して、振幅(ハイレベルとローレベルの差)の10%となる時刻から90%となる時刻までの時間である。立ち下がり時間は、立ち上がり時間の定義において、ローレベルおよびハイレベル、ならびに10%および90%をそれぞれ入れ替えれば良い。
本発明においては、測定を実行する手段が赤外線センサを含む一般のセンサであるため、上述の論理回路におけるローレベルおよびハイレベル、または振幅10%および振幅90%のような概念を直接適用することはできな。しかし、電気電子回路および赤外線センサの出力の両者に適用可能な概念として、以下のように定義することにより変化時間を演算することが可能となる。
ローレベルまたは振幅10%に相当する概念: センサデータが「第3所定範囲」内に存在すること。すなわち、所定のしきい値Δirppth2の範囲内に存在すること。
ハイレベルまたは振幅90%に相当する概念: センサデータが「第1所定範囲」内に存在すること。すなわち、所定のしきい値Δirppth1の範囲内に存在すること。
上述のローレベルおよびハイレベル(振幅が10%および90%)という概念が、実際のセンサデータ出力の「大」および「小」の関係と必ずしも一致しなくても良い。例えば図5で示したようにセンサ出力が変化した場合、人体(手)が接近する場合、または白熱灯が点灯した場合であれば、一般的にはセンサデータ出力の「大」および「小と」ハイレベルおよびローレベルの関係が一致する。すなわち、センサデータ出力の「大」がハイレベルに対応し、センサデータ出力の「小」がローレベルに対応する。一方、この関係が逆転する場合もある。例えば、人体(手)が離反した場合、または白熱灯が消灯した場合である。
上述の立ち上がり時間または立ち下がり時間の概念ならびに定義に基づけば、本発明における変化時間を、「センサ出力格納部4に格納されたセンサデータが、「第3所定範囲」内に入っている時刻から、「第1所定範囲」内に入っている時刻までの時間」として定義することができる。より厳密に定義する場合には、「センサ出力格納部4に格納されたセンサデータが、「第3所定範囲」内にある現時刻から最も近い(最近の)時刻から、「第1所定範囲」内にある最も過去の(最遠の)時刻までの時間」として定義すれば良い。後者の定義に基づいて演算された変化時間を、図5の左側の人体(手)の接近またはセンサ測定の対象物の発生に対応する場合にはΔt(dhan)、図5の右側の白熱灯の点灯または環境変動の発生に対応する場合にはΔt(dicl)と表記する。
本処理手順は、上述の演算方法によりセンサデータ変化時間演算部5−6で得られたΔt(dhan)およびΔt(dicl)に対し、次のセンサデータ第4判定部5−7にて判定を実行する(S613)。その判定条件は、以下の通りである。すなわち、予め初期設定にて定めた第5のしきい値Δtthに対して、Δt(dhan)およびΔt(dicl)がΔtthよりも小さければ「真」、Δtthよりも大きければ「偽」と判定する。ここで、センサデータ変化時間演算部5−6で得られた値Δt(dhan)およびΔt(dicl)が、Δtthよりも小さい範囲、すなわち上述の判定結果が「真」と判定される範囲のことをこれ以後「第4所定範囲」と言う。
図5を用いて説明したように、一般にΔt(icdl)はΔt(hand)よりも小さい。したがって、Δtthを適切に定めることにより、以下の「第4の判定条件」による判定が可能となる。
Δt(dhan)≧Δtth
センサデータ第4判定部5−7の判定結果は 偽(図5の左側)
Δt(dicl)<Δtth
センサデータ第4判定部5−7の判定結果は 真(図5の右側)
図5の左側のようにセンサデータ第4判定部5−7の判定結果が「偽」の場合、センサオフセットの補正は実行されず、本処理手順の制御フローは図6のS602に戻る。一方、図5の右側の場合にはセンサデータ第4判定部の判定結果は「真」と判定される。この場合、本処理手順は、次のセンサオフセット推定部5−8の処理に進む。
以上の本処理手順のS608からS613の説明で明らかなように、センサオフセット推定部5−8がの処理が実行されるのは、センサデータ第1判定部5−2、センサデータ第2判定部5−3、センサデータ第3判定部5−5およびセンサデータ第4判定部5−7のすべての判定結果が「真」の場合のみである。
本処理手順は、センサオフセット推定部5−8において、まずセンサオフセットの推定値を演算する(S614)。以下、オフセット推定値をirofnewとすると、irofnewは、図5に示すirsigおよびirmeasを演算することにより、次式で演算することができる。
irofnew=irmeas−(irsig−irof) (10)式
このとき、irsigは、「第2所定範囲」または「第3所定範囲」のいずれかの範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータである。すなわち、過去の時刻における赤外線センサデータ値(または有効な信号成分値)であるので、その値を記憶、格納しておいても良いし、センサ出力格納部4に格納されたセンサデータに基づいて演算しても良い。
また、irmeasは、時刻t5(d)での現在のセンサ出力データをそのまま用いても良いし、精度を高めるために、時刻t4(d)から時刻t5(d)までの任意のセンサ出力を抜き出して平均値を計算して演算しても良い。あるいは、時刻t5(d)を含む現在時刻の直近の、所定数のセンサ出力の平均値を計算して演算しても良い。さらに、平均値を求めるに際しては単純平均とするのではなく、重み付け平均値などを計算して用いることもできる。
本処理手順は、センサオフセット更新部5−9によって、上述の演算によって演算されたオフセット推定値が、赤外線センサ1を含む本システムの新たなセンサオフセット値として更新される(S615)。すなわち、この時刻t5(d)以降のセンサオフセット値は、予め定めたirofではなくirofnewに更新される。
これまでの説明は、センサ出力が図5のように変化する場合、すなわち、人体(手)の接近によってセンサ出力が上昇する場合と、白熱灯の点灯によってセンサ出力が上昇する場合とを具体例として示した。本発明は、このようにセンサ出力が上昇する場合だけに限らず、センサ出力が下降する場合にも同様に適用できることは明らかである。センサ出力の大または小に基づいて、これまでの説明における大小関係や符号を適宜逆転させて適用するだけで良い。
最後に、本発明によるオフセットの補正結果を利用すると、2値化された対象物の有無検知におけるしきい値の設定を容易にすることができる。すなわち、赤外線センサのオフセットが自動的に補正されるので、しきい値もそのオフセットの補正値に従って設定すれば良い。具体的例で説明すれば、白熱灯の点灯によりオフセットが非常に大きくなってたとえば1000増加したとしても、しきい値もそれに従って1000増加させるだけで良い。
したがって、2値化された対象物の有無検知を目的とした場合でも、より簡単にしきい値の設定を含むシステム設計ができるようになる。
本発明は、対象物の有無、位置、移動などを検出する赤外線センサを用いた計測装置に利用することができる。さらに、携帯電話や電子ゲームなどにも利用することができる。
1 赤外線センサ部
2 センサ出力測定部
3 センサ出力選択部
4 センサ出力格納部
5 センサオフセット補正部
5−1 センサデータ第1ばらつき演算部
5−2 センサデータ第1判定部
5−3 センサデータ第2判定部
5−4 センサデータ第2ばらつき演算部
5−5 センサデータ第3判定部
5−6 センサデータ変化時間演算部
5−7 センサデータ第4判定部
5−8 センサオフセット推定部
5−9 センサオフセット更新部
100 計測装置

Claims (38)

  1. 赤外線センサと、
    前記赤外線センサの出力値を測定する測定手段と、
    前記測定手段によって測定された赤外線センサ出力値から複数の赤外線センサデータを選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された赤外線センサデータを格納する格納手段と、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記赤外線センサのオフセットを補正する補正手段と、
    を備え、
    前記補正手段が、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第1ばらつき演算手段と、
    前記第1ばらつき演算手段によって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第1所定範囲内に入っているか否かを判定する第1判定手段と、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータのうち、少なくとも1個がセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がりの発生に対応する第2所定範囲内に入っているか否かを判定する第2判定手段と、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第2ばらつき演算手段と、
    前記第2ばらつき演算手段によって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第3所定範囲内に入っているか否かを判定する第3判定手段と、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記第3判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の期間の最近の時刻から、前記第1判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の期間の最も過去の時刻までの時間である、前記赤外線センサデータの変化時間を演算する変化時間演算手段と、
    前記変化時間演算手段によって演算された赤外線センサデータの変化時間が、第4所定範囲内に入っているか否かを判定する第4判定手段と、
    前記第1判定手段および前記第2判定手段および前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定されたときに、前記赤外線センサのオフセットを推定する推定手段と、
    前記推定手段の結果に基づいて、赤外線センサのオフセットを更新する更新手段と
    を備えたことを特徴とする赤外線センサを用いた計測装置。
  2. 前記選択手段は、
    前記測定手段によって測定された赤外線センサ出力値の直近の所定時間内における複数の赤外線センサデータを選択する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  3. 前記第1ばらつき演算手段は、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値との差として演算する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  4. 前記第1ばらつき演算手段は、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  5. 前記第1ばらつき演算手段は、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータから、最近の赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する直近データ選択手段を含み、
    前記直近データ選択手段によって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする請求項1、3または4いずれかに記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  6. 前記第1判定手段は、
    前記第1ばらつき演算手段によって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  7. 前記第2判定手段は、
    前記第1ばらつき演算手段において演算した赤外線センサデータの代表値をさらに演算する代表値演算手段と、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータから、前記代表値演算手段によって演算された代表値との差を演算する代表値差分演算手段と、
    を含み、
    前記第2判定手段は、
    前記代表値差分演算手段によって得られた演算結果のうち、少なくとも1個が所定のしきい値以上、または所定のしきい値以下、のいずれかの条件が成立した場合に真と判定することを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  8. 前記代表値演算手段は、
    前記第1ばらつき演算手段において演算した赤外線センサデータの平均値として演算することを特徴とする請求項7に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  9. 前記第2ばらつき演算手段は、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値の差として演算する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  10. 前記第2ばらつき演算手段は、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  11. 前記第2ばらつき演算手段は、
    前記格納手段によって格納された赤外線センサデータから、前記第2判定手段の判定結果が真と判定された赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する判定後データ選択手段を含み、
    前記判定後データ選択手段によって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする請求項1、7、9または10いずれかに記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  12. 前記第3判定手段は、
    前記第2ばらつき演算手段によって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  13. 前記第3判定手段は、
    前記第2ばらつき演算手段を所定の回数だけ演算する演算手段と、を含み、
    前記第3判定手段は、
    前記第2ばらつき演算手段によって所定の回数だけ演算された演算結果がすべて所定のしきい値以上である場合に偽と判定する手段であることを特徴とする請求項1または12に記載の計測装置。
  14. 前記第4判定手段は、
    前記変化時間演算手段によって演算された変化時間が、予め定められた所定のしきい値以下である場合に真と判定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  15. 前記推定手段は、
    前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、
    前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、
    前記推定手段は、
    前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、
    前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  16. 前記推定手段は、
    前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、
    前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、
    前記推定手段は、
    前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、
    前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  17. 前記推定手段は、
    前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、
    前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、
    前記推定手段は、
    前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、
    前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  18. 前記推定手段は、
    前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算手段と、
    前記信号差分演算手段によって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納手段と、を含み、
    前記推定手段は、
    前記第1判定手段、前記第2判定手段、前記第3判定手段および前記第4判定手段のすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納手段によって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定手段であり、
    前記更新手段は、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新手段であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  19. 所定のしきい値を予め設定するしきい値設定手段と、
    前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、現在の赤外線センサ測定値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段の結果に基づいて、前記赤外線センサが検知したか否かを判定する赤外線センサ検知判定手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサを用いた計測装置。
  20. 赤外線センサの出力値を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップによって測定された赤外線センサ出力値から複数の赤外線センサデータを選択する選択ステップと、
    前記選択ステップによって選択された赤外線センサデータを格納する格納ステップと、 前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記赤外線センサのオフセットを補正する補正ステップと
    を備え、
    前記補正ステップが、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第1ばらつき演算ステップと、
    前記第1ばらつき演算ステップによって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第1所定範囲内に入っているか否かを判定する第1判定ステップと、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータのうち、少なくとも1個がセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がりの発生に対応する第2所定範囲内に入っているか否かを判定する第2判定ステップと、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、センサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の前記赤外線センサデータのばらつきを演算する第2ばらつき演算ステップと、
    前記第2ばらつき演算ステップによって演算された赤外線センサデータのばらつきが、第3所定範囲内に入っているか否かを判定する第3判定ステップと、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータに基づいて、前記第3判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり前の期間の最近の時刻から、前記第1判定手段で真と判定されるセンサ出力値の立ち上がりまたは立ち下がり後の期間の最も過去の時刻までの時間である、前記赤外線センサデータの変化時間を演算する変化時間演算ステップと、
    前記変化時間演算ステップによって演算された赤外線センサデータの変化時間が、第4所定範囲内に入っているか否かを判定する第4判定ステップと、
    前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定されたときに、前記赤外線センサのオフセットを推定する推定ステップと、
    前記推定ステップの結果に基づいて、赤外線センサのオフセットを更新する更新ステップと
    を含むことを特徴とする赤外線センサを用いた計測装置のキャリブレーション方法。
  21. 前記選択ステップは、
    前記測定ステップによって測定された赤外線センサ出力値の直近の所定時間内における複数の赤外線センサデータを選択することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 前記第1ばらつき演算ステップは、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値との差として演算することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  23. 前記第1ばらつき演算ステップは、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  24. 前記第1ばらつき演算ステップは、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータから、最近の赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する直近データ選択ステップを含み、
    前記直近データ選択ステップによって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする請求項20、22または23いずれかに記載の方法。
  25. 前記第1判定ステップは、
    前記第1ばらつき演算ステップによって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  26. 前記第2判定ステップは、
    前記第1ばらつき演算ステップにおいて演算した赤外線センサデータの代表値をさらに演算する代表値演算ステップと、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータから、前記代表値演算ステップによって演算された代表値との差を演算する代表値差分演算ステップと、
    を含み、
    前記第2判定ステップは、
    前記代表値差分演算ステップによって得られた演算結果のうち、少なくとも1個が所定のしきい値以上、または所定のしきい値以下、のいずれかの条件が成立した場合に真と判定することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  27. 前記代表値演算ステップは、
    前記第1ばらつき演算ステップにおいて演算した赤外線センサデータの平均値として演算することを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 前記第2ばらつき演算ステップは、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの最大値と同データの最小値の差として演算することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  29. 前記第2ばらつき演算ステップは、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータの標準偏差または分散として演算することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  30. 前記第2ばらつき演算ステップは、
    前記格納ステップによって格納された赤外線センサデータから、前記第2判定ステップの判定結果が真と判定された赤外線センサデータを含む複数の赤外線センサデータを選択する判定後データ選択ステップを含み、
    前記判定後データ選択ステップによって選択された赤外線センサデータのばらつきを演算することを特徴とする請求項20、26、28または29いずれかに記載の方法。
  31. 前記第3判定ステップは、
    前記第2ばらつき演算ステップによって得られた演算結果が所定のしきい値以下である場合に真と判定することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  32. 前記第3判定ステップは、
    前記第2ばらつき演算ステップを所定の回数だけ演算する演算ステップと、を含み、
    前記第3判定ステップは、
    前記第2ばらつき演算ステップによって所定の回数だけ演算された演算結果がすべて所定のしきい値以上である場合に偽と判定することを特徴とする請求項20または31に記載の方法。
  33. 前記第4判定ステップは、
    前記変化時間演算ステップによって演算された変化時間が、予め定められた所定のしきい値以下である場合に真と判定することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  34. 前記推定ステップは、
    前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、
    前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、
    前記推定ステップは、
    前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、
    前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  35. 前記推定ステップは、
    前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、
    前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、
    前記推定ステップは、
    前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻における赤外線センサデータから、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、
    前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  36. 前記推定ステップは、
    前記第2所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、
    前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、
    前記推定ステップは、
    前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、
    前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  37. 前記推定ステップは、
    前記第3所定範囲内に入っている時刻の赤外線センサデータから、予め定められた赤外線センサの赤外線センサのオフセットとの差を演算する信号差分演算ステップと、
    前記信号差分演算ステップによって得られた信号差分演算結果を格納する信号差分演算結果格納ステップと、を含み、
    前記推定ステップは、
    前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップ、前記第3判定ステップおよび前記第4判定ステップのすべての判定結果が真と判定された判定時刻以降における所定数の赤外線センサデータに基づいて演算される演算結果から、前記信号差分演算結果格納ステップによって格納された信号差分演算結果との差をオフセット推定値とする推定ステップであり、
    前記更新ステップは、オフセット値を前記オフセット推定値に更新する更新ステップであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  38. 所定のしきい値を予め設定するしきい値設定ステップと、
    前記しきい値設定ステップによって設定されたしきい値と、現在の赤外線センサ測定値とを比較する比較ステップと、
    前記比較ステップの結果に基づいて、前記赤外線センサが検知したか否かを判定する赤外線センサ検知判定ステップと
    をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
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