JP2018044111A - ポリマー、固体電解質、固体電解質組成物、無機固体電解質組成物、固体電解質含有シート、二次電池、全固体二次電池、固体電解質含有シートの製造方法、無機固体電解質含有シートの製造方法、二次電池の製造方法および全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

ポリマー、固体電解質、固体電解質組成物、無機固体電解質組成物、固体電解質含有シート、二次電池、全固体二次電池、固体電解質含有シートの製造方法、無機固体電解質含有シートの製造方法、二次電池の製造方法および全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温でもイオン伝導度の低下を抑制、かつ電池の耐久性に優れたポリマー、無機固体電解質組成物及びこの材料を用いた全固体二次電池の製造方法の提供。【解決手段】下記式(D)で表される構造を含む単位構造を有しガラス転移温度が90℃以下であるポリマー。(環αは環構造;L1は*とL2を結ぶ最短原子数が3以上の連結基;L2及びL3は各々独立に、−O−、−S−、−SO2−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−NRa−C(=O)−、−C(=O)−NRa−又は−NRb−C(=O)−NRc−;Ra、Rb及びRc;R1はH又は置換基;n1は1又は2;*はポリマー主鎖への結合部;但し、L2とL3を連結する最短原子数はいずれも3以下)【選択図】なし

Description

本発明は、特にポリマー電解質として有用なポリマー、固体電解質、固体電解質組成物、無機固体電解質組成物、固体電解質含有シート、二次電池、全固体二次電池、固体電解質含有シートの製造方法、無機固体電解質含有シートの製造方法、二次電池の製造方法および全固体二次電池の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、タブレット、ビデオカメラなどの携帯電子機器、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。このような用途に用いられる電池には、常温使用が求められると同時に、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要望される。
さらには医療用電子機器や高温になる車載用機器に二次電池を搭載する場合、安全性に対する要求も高まっている。
リチウムイオン二次電池は、負極と、正極と、負極および正極の間に挟まれた電解質とを有し、両極間にリチウムイオンを往復移動させることにより充放電を可能とした蓄電池である。リチウムイオン二次電池には、従来、電解質として有機電解液が用いられてきた。しかし、有機電解液は液漏れを生じやすく、また、過充電または過放電により電池内部で短絡が生じ発火するおそれもあり、安全性と信頼性のさらなる向上が求められている。
このような状況下、有機電解液に代えて、固体電解質を用いた全固体二次電池が注目されている。全固体二次電池は負極、電解質および正極のすべてが固体からなり、有機電解液を用いた電池の課題とされる安全性ないし信頼性を大きく改善することができ、また長寿命化も可能になるとされる。さらに、全固体二次電池は、電極と電解質を直接並べて直列に配した構造とすることができる。そのため、有機電解液を用いた二次電池に比べて高エネルギー密度化が可能となり、電気自動車や大型蓄電池等への応用が期待されている。
ポリマーリチウム二次電池は、ポリマー電解質と電極活物質とからなる。ポリマーリチウム二次電池では全てが固体であるため、安全が高く、還元耐性を付与できることから、リチウム(Li)金属が使用でき、高容量化が可能という利点がある。また、ポリマーを使用するため、フレキシブルで、電池の形態の自由度が高い。
しかしながら、主にポリマー電解質として用いられているポリエチレンオキサイド(PEO)はイオン伝導度が低く、このため、抵抗が高く、しかも、使用時の温度が低下すると結晶化して抵抗がさらに高まるという問題点がある。
このような問題に対し、これまで、側鎖にポリエチレンオキサイドを導入したポリマーや、ポリエチレンオキサイドを有するハイパーブランチ型ポリマーをドライポリマー電解質として用いることが提案もしくは研究(特許文献1、2、非特許文献1参照)されている。
特開2012−256506号公報 特開2014−43487号公報
Journal of Power Sources,vol.146,Iss.1−2,423−426(2005)
本発明者らの検討でも、特許文献1に記載のような側鎖にポリエチレンオキサイドを導入したポリマーは、室温以下でも比較的良好なイオン伝導度を示す。また、特許文献2に記載のようなポリエチレンオキサイドを有するハイパーブランチ型ポリマーでは結晶化が抑制され、室温以下でも比較的良好なイオン伝導を示す。
しかしながら、−10℃のような低温で使用すると、イオン伝導度の低下は満足できるレベルではなく、放電−充電を繰り返した際の耐久性に劣ることがわかった。
一方、非特許文献1で報告されているポリマーは低温での使用で、イオン伝導度の低下は上記のポリマーより少ないものの、本来求められる常温でのイオン伝導度そのものが不十分であることがわかった。
従って、本発明は、本来求められる常温でのイオン伝導度に優れ、低温でも、この優れたイオン伝導度の低下をできるだけ抑制し、かつ電池の耐久性に優れたポリマー、固体電解質、固体電解質組成物、無機固体電解質組成物、固体電解質含有シート、二次電池、全固体二次電池、固体電解質含有シートの製造方法、無機固体電解質含有シートの製造方法、二次電池の製造方法および全固体二次電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが種々検討した結果、上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>
下記式(D)で表される構造を含む単位構造を有し、ガラス転移温度が90℃以下であるポリマー。
Figure 2018044111
式中、環αは環構造を示し、Lは*とLを結ぶ最短原子数が3以上の連結基を示し、LおよびLは各々独立に、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−NRa−C(=O)−、−C(=O)−NRa−、−O−C(=O)−NRa−、−NRa−C(=O)−O−または−NRb−C(=O)−NRc−を示す。ここで、Ra、RbおよびRcは各々独立に、水素原子または置換基を示す。Rは水素原子または置換基を示す。n1は1または2である。*はポリマー主鎖への結合部を示す。ただし、LとLを連結する最短原子数はいずれも3以下である。
<2>
ガラス転移温度が30℃以下である<1>に記載のポリマー。
<3>
下記式(P−1)で表される繰り返し単位を有する<1>または<2>に記載のポリマー。
Figure 2018044111
式中、環α、LおよびLは、式(D)におけるLおよびLであり、L31およびL32は、式(D)におけるLと同義であり、R11およびR12は式(D)におけるRと同義である。ただし、LとL31およびLとL32を連結する最短原子数はいずれも3以下である。
A1、RA2およびRA3は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を示す。
<4>
下記(P−2)で表される繰り返し単位を有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリマー。
Figure 2018044111
式中、環βは、L、L31およびL32が結合する原子が炭素原子である環構造を示す。ここで、環βにおいて、Lが結合する炭素原子とL31が結合する炭素原子の間の結合は、単結合でも二重結合でもよく、Lが結合する炭素原子とL32が結合する炭素原子の間の結合は、単結合でも二重結合でもよい。LおよびLは、式(D)におけるLおよびLであり、L31およびL32は、式(D)におけるLと同義であり、R11およびR12は式(D)におけるRと同義である。
A1、RA2およびRA3は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を示す。
<5>
共重合成分として下記式(C)で表される繰り返し単位を有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載のポリマー。
Figure 2018044111
式中、RB1およびRB2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を示し、RB3はRB1で表される基または−L−RC1で表される基である。Lは単結合または連結基を示す。RC1は水素原子または置換基を示す。
<6>
が、Lと結合する原子が炭素原子であって、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリシロキサンからなる基である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のポリマー。
<7>
<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリマーおよび周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩を有する固体電解質。
<8>
<7>に記載の固体電解質および分散媒を含有する固体電解質組成物。
<9>
<7>に記載の固体電解質を含有する層を有する固体電解質含有シート。
<10>
正極層、固体電解質層および負極層を具備する二次電池であって、
正極層、固体電解質層および負極層から選択される少なくとも1層が、<7>に記載の固体電解質を含有する二次電池。
<11>
<8>に記載の固体電解質組成物を基材上に塗布し、固体電解質からなる塗膜を形成する工程を含む固体電解質含有シートの製造方法。
<12>
<11>に記載の製造方法を介して製造する二次電池の製造方法。
<13>
<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリマー、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質および分散媒を含有する無機固体電解質組成物。
<14>
正極層、固体電解質層および負極層を具備する二次電池であって、
正極層、固体電解質層および負極層から選択される少なくとも1層が、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリマーおよび周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質を含有する全固体二次電池。
<15>
<13>に記載の無機固体電解質組成物を基材上に塗布し、無機固体電解質の塗膜を形成する工程を含む無機固体電解質含有シートの製造方法。
<16>
<15>に記載の製造方法を介して製造する全固体二次電池の製造方法。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、単に「アクリル」または「(メタ)アクリル」と記載するときは、メタアクリルおよび/またはアクリルを意味する。また、単に「アクリロイル」または「(メタ)アクリロイル」と記載するときは、メタアクリロイルおよび/またはアクリロイルを意味する。
本明細書において、「常圧」とは1013hPa(760mmHg)であり、「常温」とは25℃である。
本発明により、本来求められる常温でのイオン伝導度に優れ、低温でも、この優れたイオン伝導度の低下をできるだけ抑制し、かつ電池の耐久性に優れたポリマー、固体電解質、固体電解質組成物、無機固体電解質組成物、固体電解質含有シート、二次電池、全固体二次電池、好適な固体電解質含有シートの製造方法、無機固体電解質含有シートの製造方法、二次電池の製造方法および全固体二次電池の製造方法を提供することが可能となった。
本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池を模式化して示す縦断面図である。 実施例で作製した全固体二次電池(コイン電池)およびイオン伝導度測定用治具を模式的に示す縦断面図である。
<好ましい実施形態>
本発明のポリマーは、後述の式(D)で表される構造を含む単位構造を有し、ガラス転移温度が90℃以下である。
本発明のポリマーは、ポリマー電解質として使用するのが好ましい。
最初に、本発明のポリマーが好ましく適用される全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)について、図面を基に、簡単に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、この順に有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。
本発明のポリマー電解質を含む固体電解質組成物は、上記負極活物質層および/または正極活物質層の成形材料として好ましく用いることができる。また、本発明の固体電解質含有シートは、上記負極活物質層および/または正極活物質層として好適である。
本明細書において、正極活物質層(以下、正極層とも称す。)と負極活物質層(以下、負極層とも称す。)をあわせて電極層または活物質層と称することがある。
正極活物質層4、固体電解質層3、負極活物質層2の厚さは特に限定されない。なお、一般的な電池の寸法を考慮すると、10〜1,000μmが好ましく、20μm以上500μm未満がより好ましい。本発明の全固体二次電池においては、正極活物質層4、固体電解質層3および負極活物質層2の少なくとも1層の厚さが、50μm以上500μm未満であることがさらに好ましい。
<ポリマー>
本発明のポリマーは、下記式(D)で表される構造を含む単位構造を有し、ガラス転移温度が90℃以下である。
Figure 2018044111
式中、環αは環構造を示し、Lは*とLを結ぶ最短原子数が3以上の連結基を示し、LおよびLは各々独立に、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−NRa−C(=O)−、−C(=O)−NRa−、−O−C(=O)−NRa−、−NRa−C(=O)−O−または−NRb−C(=O)−NRc−を示す。ここで、Ra、RbおよびRcは各々独立に、水素原子または置換基を示す。Rは水素原子または置換基を示す。n1は1または2である。*はポリマー主鎖への結合部を示す。ただし、LとLを連結する最短原子数はいずれも3以下である。
環αは、環構造であれば特に限定されないが、例えば、5員環以上の環が好ましく、飽和炭素環、不飽和炭素環、芳香族炭素環、飽和ヘテロ環、不飽和ヘテロ環、芳香族ヘテロ環が挙げられる。
環αにおける環構造の環としては、5員環または6員環が好ましい。
5員環としては、シクロペンタン環などの炭素環や、ヘテロ環が挙げられるが、含窒素5員環が好ましく、含窒素ヘテロ芳香環がより好ましい。これらの環は、ベンゼン環が縮関していても構わないが、ベンゼン環が縮環していない環の方が好ましい。
含窒素5員環としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インダゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、インドリン環、カルバゾール環が挙げられる。
6員環としては、シクロヘキサン環、ベンゼン環などの炭素環の芳香環、6員環のヘテロ環が挙げられる。
炭素環の芳香環としては、ベンゼン環が好ましく、6員環のヘテロ環としては、含窒素6員環が好ましく、含窒素ヘテロ芳香環がより好ましい。これらの環は、ベンゼン環が縮関していても構わないが、ベンゼン環が縮環していない環の方が好ましい。
含窒素6員環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環が挙げられる。
本発明では、特に、シクロヘキサン環およびベンゼン環が好ましい。
は*とLを結ぶ最短原子数が3以上の連結基であるが、*とLを結ぶ最短原子数とは、*とLを結合を通じて連結する最短の原子数であり、例えば、Lが、−C(=O)−CHCH−の場合、3であり、p−フェニレン基の場合、4である。
Figure 2018044111
における連結基としては、炭化水素連結基〔アルキレン基(炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)、アルケニレン基(炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4)、アルキニレン基(炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4)、シクロアルキレン基(炭素数は、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜10、さらに好ましくは5〜8)、シクロアルケニレン基(炭素数は、好ましくは5〜10、より好ましくは5〜8、さらに好ましくは6〜8)、アリーレン基(炭素数は、好ましくは6〜22、より好ましくは6〜10)、または、これらの基の組み合わせ〕、ヘテロ連結基もしくはヘテロ原子が結合した連結基〔−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、、ポリスルフィド基(Sの数が1〜8個)、−NR−、アンモニウム連結基(−NR −)、イミン連結基(R−N=C<または−N=C(R)−)、−O−P(OH)(=O)−O−、−P(OH)(=O)−O−、または、これらの基の組み合わせ〕、または、これらを組み合わせた連結基が好ましい。
ここで、Rは水素原子または置換基を表し、置換基としては後述の置換基Pが挙げられ、アルキル基(炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2)が好ましい。
が組み合わせからなる連結基である場合、組み合わせる数は、特に限定されず、例えば、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜10がさらに好ましく、2〜4が特に好ましい。組み合わせに係る連結基としては、例えば、炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のアルキレン基、炭素数6〜24(好ましくは6〜10)のアリーレン基、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、(ポリ)アルキレンオキシ基、(ポリ)エステル基、(ポリ)アミド基、または、それらの基の組み合わせに係る基が挙げられる。なかでも、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、−O−、−NR−、−C(=O)−、(ポリ)アルキレンオキシ基、(ポリ)エステル基、または、それらの基の組み合わせに係る基がより好ましい。
が置換基をとりうる基であるときは置換基を有していてもよい。このような置換基としては後述の置換基Pが挙げられ、なかでも、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子)、アルキル基、アシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基が好ましい。
本発明では、Lは、フェニレン基、*−C(=O)−アルキレン−が最も好ましい。
ここで、*はポリマー主鎖への結合部を示す。
上記のフェニレン基は、m−フェニレンまたはp−フェニレンが好ましく、p−フェニレンがなかでも好ましい。
上記の*−C(=O)−アルキレン−におけるアルキレン(基)の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは、2〜6、さらに好ましくは2であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレンが挙げられ、なかでもエチレンが好ましい。
およびLは−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−NRa−C(=O)−、−C(=O)−NRa−、−O−C(=O)−NRa−、−NRa−C(=O)−O−または−NRb−C(=O)−NRc−を表し、Ra、RbおよびRcは、水素原子または置換基を表す。
Ra、RbおよびRcにおける置換基としては後述の置換基Pが挙げられ、アルキル基、アリール基が好ましい。
ここで、アルキル基の炭素数は1〜6、アリール基の炭素数は6〜10が好ましい。
本発明では、Ra、RbおよびRcは、水素原子が最も好ましい。
は、−C(=O)−、**−O−C(=O)−、**−NRa−C(=O)−、**−C(=O)−NRa−、**−NRa−C(=O)−O−が好ましく、**−C(=O)−O−、**−NRa−C(=O)−、**−C(=O)−NRa−がより好ましい。
ここで、**は、Lへの結合部を示す。
は、−O−、−O−C(=O)−O−、***−C(=O)−O−が好ましく、−O−がなかでも好ましい。
ここで、***は、環αへの結合部を示す。
は水素原子または置換基を表し、置換基としては後述の置換基Pが挙げられる。
本発明では、Rはアルキル基が好ましく、置換基を有するアルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は1〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、3〜30がより好ましい。
アルキル基が有する置換基は、後述の置換基Pが挙げられる。本発明では、アルコキシ基、シリル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基が好ましく、アルコキシ基、シリル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基がより好ましく、アルコキシ基、シリル基がさらに好ましく、アルコキシ基が特に好ましい。
本発明では、Rが、Lと結合する原子が炭素原子であって、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリシロキサンからなる基が好ましい。
これらの基は、好ましくは以下の式(s)で表される。
Figure 2018044111
式中、Laはアルキレン基を示す。Lbは−O−アルキレン−、−C(=O)−O−アルキレン−、−O−C(=O)−アルキレン−、−O−C(=O)−O−アルキレン−、−Si(Rx1)(Rx2)−O−または−O−Si(Rx1)(Rx2)−を示す。
ここで、Rx1およびRx2は各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、−O−[Si(Rx1)(Rx2)−O]q−Rx3を示す。qは1以上の数であり、Rx3はアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基またはアリールオキシ基を示す。
pは1以上の数であり、Rzは水素原子または置換基を示す。
Laにおけるアルキレン基の炭素数は1〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3が好ましい。
ただし、Lbが−Si(Rx1)(Rx2)−O−、−O−Si(Rx1)(Rx2)−の場合、Laにおけるアルキレン基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
Lbが、−O−アルキレン−、−C(=O)−O−アルキレン−、−O−C(=O)−アルキレン−、−O−C(=O)−O−アルキレン−である場合の「アルキレン」基の炭素数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましく、エチレン、プロピレンがなかでも好ましい。
pは1以上の数であり、1〜500が好ましく、2〜300がより好ましく、2〜200がさらに好ましい。
Rzにおける置換基は後述の置換基Pが挙げられ、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基が好ましい。
本発明では、Rzは水素原子、アルキル基が好ましく、アルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。
n1は1または2であるが、2が好ましい。
ここで、本発明では、LとLを連結する最短原子数はいずれも3以下である。
とLを連結する最短原子数が3以下とは、環αにおいて、LとLが結合した原子間を連結する環αの環を構成する最短の原子数であり、例えば、環αがベンゼン環で示すと以下に示すようにカウントされる。
Figure 2018044111
とLを連結する最短原子数は2が好ましく、n1が2の場合、少なくとも一方が2であることが好ましく、両方が2であることがより好ましい。
式(D)で表される基が結合するポリマー主鎖は特に限定されず、例えばポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸エアミド、ポリエステル、ポリアルキレン、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、ポリビニル、ポリエーテル、ポリパーフルオロアルキレンが挙げられる。なかでも主鎖を連結する原子が炭素原子のみであるものが好ましい。
このような主鎖は、モノマーの重合部位が、ビニル基であるモノマーを重合させることで得ることができる。モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミド、メタクリロニトリル、ビニルアシレート、ブタジエン、イソプレン、置換基を有してもよいスチレンが挙げられる。
また、共重合の場合、以後で、好ましい共重合成分については説明するが、共重合成分のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリルロトリル、塩化ビニル、ビニルアルコール、式(D)で表される基を有さない、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミド、ビニルアシレートもしくはスチレンが挙げられる。
本発明のポリマーは、LとLが、上記のような基であって、かつ環αにおいて、LとLを連結する最短原子数が3以下であることで、L部位での回転による伝導が起きると考えられ、これによってイオン伝導性が低温でも低下することがないと想定される。さらに、Rが、Lと結合する原子が炭素原子であって、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリシロキサンからなる基である場合、イオン伝導性が向上するものと想定される。
例えば、環αがベンゼン環であり、最短原子数が4の場合、上記の回転による伝導が起きないと考えられる。
式(D)で表される構造を含む単位構造を有するポリマーは、下記式(P)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
Figure 2018044111
式中、環α、L、L、L、Rおよびn1は式(D)における環α、L、L、L、Rおよびn1である。ただし、LとLおよびLを連結する最短原子数はいずれも3以下である。
A1、RA2およびRA3は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を示す。
A1、RA2およびRA3におけるアルキル基の炭素数は1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が特に好ましい。
A1、RA2およびRA3におけるアルケニル基の炭素数は2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が特に好ましい。
A1、RA2およびRA3におけるアルキニル基の炭素数は2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が特に好ましい。
A1、RA2およびRA3におけるアリール基の炭素数は6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい。
本発明において、RA1、RA2およびRA3は水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましい。
式(D)で表される構造を含む単位構造は、下記式(P−1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2018044111
式中、環α、LおよびLは、式(D)におけるLおよびLであり、L31およびL32は、式(D)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同じである。また、R11およびR12は式(D)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。ただし、LとL31およびLとL32を連結する最短原子数はいずれも3以下である。
A1、RA2およびRA3は式(P)におけるRA1、RA2およびRA3である。
式(D)で表される構造を含む単位構造は、下記式(P−2)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2018044111
式中、環βは、L、L31およびL32が結合する原子が炭素原子である環構造を示す。ここで、環βにおいて、Lが結合する炭素原子とL31が結合する炭素原子の間の結合は、単結合でも二重結合でもよく、Lが結合する炭素原子とL32が結合する炭素原子の間の結合は、単結合でも二重結合でもよい。LおよびLは、式(D)におけるLおよびLであり、L31およびL32は、式(D)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同じである。また、R11およびR12は式(D)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
A1、RA2およびRA3は式(P)におけるRA1、RA2およびRA3である。
本発明では、共重合成分として下記式(C)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2018044111
式中、RB1およびRB2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を示し、RB3はRB1で表される基または−L−RC1で表される基である。Lは単結合または連結基を示す。RC1は水素原子または置換基を示す。
B1およびRB2におけるアルキル基の炭素数は1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が特に好ましい。
B1およびRB2におけるアルコキシカルボニル基の炭素数は、2〜25が好ましく、2〜13がより好ましく、2〜7が特に好ましい。
B1およびRB2におけるアリールオキシカルボニル基の炭素数は、7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい。
本発明において、RB1およびRB2は水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましい。
B3がRB1で表される基の場合、RB1での好ましい範囲が好ましい。
一方、RB3が−L−RC1で表される基の場合、Lにおける連結基は、アルキレン基、−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−、−NRa−C(=O)−または−C(=O)−NRa−が好ましい。ここで、Raは、式(D)におけるRaと同じであり、好ましい範囲も同じである。
は、単結合、−O−C(=O)−、−NRa−C(=O)−または−C(=O)−NRa−がなかでも好ましい。
C1における置換基は、後述の置換基Pが挙げられ、アルキル基が好ましい。
アルキル基は、無置換のアルキル基、置換基を有するアルキル基のいずれでもよいが、置換基を有するアルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は1〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、3〜30がより好ましい。
アルキル基が有する置換基は、後述の置換基Pが挙げられる。本発明では、アルコキシ基、シリル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基が好ましく、アルコキシ基、シリル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基がより好ましく、アルコキシ基、シリル基がさらに好ましく、アルコキシ基が特に好ましい。
本発明では、RC1が、Lと結合する原子が炭素原子であって、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリシロキサンからなる基が好ましい。
これらの基は、好ましくは前述の式(s)で表される置換基が好ましい。
特に、本発明では、RB3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基およびLが−C(=O)−O−であって、RC1がLと結合する原子が炭素原子であって、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリシロキサンからなる基が好ましい。
式(C)における−L−RC1は、RB3における−L−RC1で表される基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
共重合成分の重量比率は、全ての成分の重量を100とした場合、0〜90が好ましく、5〜80がより好ましく、10〜60がさらに好ましい。
本明細書において、置換または無置換を明記していない化合物、部分構造ないし基については、特段に断りがない限り、その化合物、部分構造ないし基に適宜の置換基を有していてもよい意味である。これは置換または無置換を明記していない化合物についても同義である。
本明細書において、単に「置換基」と規定した場合、特段に断りがない限り、下記置換基Pが参照される。また、具体的な基、例えば、アルキル基と規定した場合、特段に断りがない限り、下記置換基Pの対応する具体的な基、例えば、この場合、アルキル基が参照される。
好ましい置換基としては、下記置換基Pが挙げられる。
置換基Pとしては、下記の基が挙げられる。
〔置換基P〕
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基、環員数は好ましくは3〜8員環で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等、ただし本明細書においてアルキル基というときには通常シクロアルキル基を含む意味である。)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20のシクロアルケニル基、環員数は好ましくは5〜8員環で、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、4−メチルシクロヘキセニル等、ただし本明細書においてアルケニル基というときには通常シクロアルケニル基を含む意味である。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは2〜20のヘテロ環基、好ましくは、環構成原子として酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択される少なくとも1つを有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、ヘテロ環基のヘテロ環は飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であっても構わない。例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、ピロリドン基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜26のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、3−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカルボニル等)、
アミノ基(好ましくは炭素数0〜20のアミノ基で、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20のアシル基で、ホルミル基、アルカノイル基、アルケノイル基。アルキノイル基、シクロアルカノイル基、シクロアルケノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環カルボニル基を含み、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、アクリロイル、メタクリロイル、シクロプロパノイル、シクロヘキサオイル、シクロヘキセノイル、ベンゾイル、ニコチノイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアシルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、シクロプロパノイルオキシ、シクロヘキサノイルオキシ、シクロヘキセノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ニコチノイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20のアシルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、アクリロイルアミノ、メタクリロイルアミノ、シクロプロパノイルアミノ、シクロヘキサノイルアミノ、シクロヘキセノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチノイルアミノ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜22のアリールスルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル等)、ホスホリル基(好ましくは炭素数0〜20のホスホリル基で、リン酸基(−OP(=O)(OH))を含み、例えば、−OP(=O)(R)、ホスホニル基(好ましくは炭素数0〜20のホスホニル基でホスホン酸基(−P(=O)(OH))を含み、例えば、−P(=O)(R)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数0〜20のホスフィニル基、例えば、−P(R)、ヒドロキシ基、スルファニル基(−SH)、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、上記アルコキシカルボニル基で挙げた具体的な基のアルコキシカルボニル基のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜20で、上記アリールオキシカルボニル基で挙げた具体的な基のアリールオキシカルボニル基のアリールオキシカルボニルオキシ基が挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20で、上記カルバモイル基で挙げた具体的な基のカルバモイル基のカルバモイルアミノ基が挙げられる)、ウレタン基(好ましくは炭素数1〜20で、上記カルバモイル基で挙げた具体的な基のカルバモイル基のカルバモイルアミノ基が挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20で、上記アルコキシカルボニル基で挙げた具体的な基のアルコキシカルボニル基のアルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20で、上記アリールオキシカルボニル基で挙げた具体的な基のアリールオキシカルボニル基のアリールオキシカルボニルアミノ基が挙げられる)、シリル基が挙げられる。
ここで、Rは水素原子または置換基(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、スルファニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基が好ましい)を表す。
また、これらの置換基Pで挙げた各基は、上記の置換基Pがさらに置換していてもよい。
例えば、アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基(好ましくは炭素数7〜23のアラルキル基、例えば、ベンジル、フェネチル等)が挙げられる。
なお、化合物、置換基および連結基等がアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基および/またはアルキニレン基等を含むとき、特段の断りがない限り、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。
本発明のポリマーの質量平均分子量は、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、30,000以上がさらに好ましい。上限としては、10,000,000以下が実質的であるが、この範囲の質量平均分子量を有するポリマーが架橋された態様も好ましい。
本発明および本明細書において、質量平均分子量および数平均分子量は、特段の断りがない限り、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。溶離液としては、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、m−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬(株)製)から選定することができ、溶解するものであればTHFを用いることとする。
本発明のポリマーのガラス転移温度(Tg)は、90℃以下であるが、60℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましく、20℃以下が特に好ましく、10℃以下が最も好ましい。
本発明および本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、特段の断りがない限り、ポリマーの乾燥試料を用いて、示差走査熱量計:X−DSC7000(商品名、SII・ナノテクノロジー社製)を用いて下記の条件で測定する。測定は同一の試料で二回実施し、二回目の測定結果を採用する。
測定室内の雰囲気:窒素ガス(50mL/min)
昇温速度:5℃/min
測定開始温度:−100℃
測定終了温度:150℃
試料パン:アルミニウム製パン
測定試料の質量:5mg
Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度の小数点以下を四捨五入することでTgを算定する。
ガラス転移温度を90℃以下とすることで、イオン伝導性を高めることができる。
以下に、本発明のポリマーの具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、m、m1およびm2は2以上の数を表す。
Figure 2018044111
Figure 2018044111
本発明のポリマーは、下記式(MP)で表されるモノマーの重合反応または下記式(C)で表される共重合モノマーとの共重合反応で合成することができる。
Figure 2018044111
式中の各基、環は、式(P)、式(C)における各基、環である。
式(MP)および(MC)で表されるモノマーは、常法により、合成できる。また、市販のモノマーを用いてもよい。
例えば、Journal of Power Sources,vol.146,Iss.1−2,423−426(2005)に記載された方法もしくはその方法に準じて合成できる。
具体的には、実施例で示す。
<固体電解質>
ここで、本発明および本願明細書では、固体電解質を、主にポリマー電解質もしくはこれを包含する意味で使用する。
本発明の固体電解質は、本発明のポリマーおよび周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩を含有する。
(周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩)
周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩は、二次電池、全固体二次電池の充電および放電によって正極と負極との間を往復するイオンを伝導することが可能な金属塩であり、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンを伝導可能な金属塩である。
ここで、「金属イオンを伝導可能」とは、金属イオン伝導性を有することと同義である。
周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩は、下記(a−1)および(a−2)から選ばれる金属塩(リチウム塩)が好ましい。
(a−1) LiA
(a−1)中、Aは、P、B、As、Sb、Cl、BrもしくはIであるか、または、P、B、As、Sb、Cl、BrおよびIから選ばれる2種以上の元素の組み合わせを示す。Dは、FまたはOを示す。xは1〜6であり、1〜3がより好ましい。yは1〜12であり、4〜6がより好ましい。
上記(a−1)の好ましい具体例として、例えば、LiPF、LiBF、LiAsFおよびLiSbFから選ばれる無機フッ化物塩、ならびに、LiClO、LiBrOおよびLiIOから選ばれる過ハロゲン酸塩を挙げることができる。
(a−2) LiN(RSO
(a−2)中、Rはフッ素原子またはパーフルオロアルキル基を示す。このパーフルオロアルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
上記(a−2)の好ましい具体例として、例えば、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSOおよびLiN(CFSO)(CSO)から選ばれるパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩を挙げることができる。
なかでも、溶媒溶解後のイオン伝導性の観点から、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩は、LiPF、LiBF、LiClO、LiBrO、LiN(CFSO、LiN(FSOおよびLiN(CFSO)(CSO)から選ばれる金属塩が好ましく、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(CFSOおよびLiN(FSOから選ばれる金属塩がより好ましく、LiClO、LiN(CFSOおよびLiN(FSOから選ばれる金属塩がさらに好ましい。
本発明においては、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩として、1種または2種以上の金属塩を用いることができる。
固体電解質中の本発明のポリマーの含有量は特に制限されないが、以下の活物質を含有しない場合、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。一方、上限は、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。後述の活物質を含有する場合、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。一方、上限は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
本発明のポリマーの含有量の含有量が上記範囲内にあることにより、本発明の固体電解質を用いて二次電池、全固体二次電池の層を形成した際に、柔軟性と低抵抗を両立することができる。
(活物質)
本発明の固体電解質は、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩に加えて、活物質(電極活物質)を含有することが好ましい。
活物質としては、正極活物質および負極活物質が挙げられ、正極活物質である遷移金属酸化物または負極活物質である金属酸化物が好ましい。
本発明において、活物質(正極活物質、負極活物質)を含有する固体電解質を、電極用固体電解質(正極用固体電解質、負極用固体電解質)ということがある。
−正極活物質−
本発明の固体電解質が含有してもよい正極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できるものが好ましい。その材料は、上記特性を有するものであれば、特に制限はなく、遷移金属酸化物や、有機物、硫黄などのLiと複合化できる元素や硫黄と金属の複合物などでもよい。
中でも、正極活物質としては、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、遷移金属元素M(Co、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素)を有する遷移金属酸化物がより好ましい。また、この遷移金属酸化物に元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、PまたはBなどの元素)を混合してもよい。混合量としては、遷移金属元素Mの量(100mol%)に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Maのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
遷移金属酸化物の具体例としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物および(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物等が挙げられる。
(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNiO(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])およびLiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiMn(LMO)、LiCoMnO4、LiFeMn、LiCuMn、LiCrMnおよびLiNiMnが挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiFePO(リン酸鉄リチウム[LFP])およびLiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類ならびにLi(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、LiFePOF等のフッ化リン酸鉄塩、LiMnPOF等のフッ化リン酸マンガン塩およびLiCoPOF等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、LiFeSiO、LiMnSiOおよびLiCoSiO等が挙げられる。
本発明では、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物を有する遷移金属酸化物が好ましく、オリビン型リン酸鉄塩がより好ましく、LFPがさらに好ましい。
正極活物質の形状は特に制限されないが粒子状が好ましい。正極活物質の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は特に限定されない。例えば、0.1〜50μmとすることができる。正極活物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質粒子の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定することができる。
上記正極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質層を形成する場合、正極活物質層の単位面積(cm)当たりの正極活物質の質量(mg)(目付量)は特に限定されるものではない。設計された電池容量に応じて、適宜に決めることができる。
−負極活物質−
本発明の固体電解質が含有してもよい負極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できるものが好ましい。その材料は、上記特性を有するものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫等の金属酸化物、酸化ケイ素、金属複合酸化物、リチウム単体およびリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、ならびに、Sn、Si、AlおよびIn等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。なかでも、炭素質材料またはリチウム複合酸化物が信頼性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵および放出可能であるものが好ましい。その材料は、特には制限されないが、構成成分としてチタンおよび/またはリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラック、黒鉛(天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛等)、およびPAN(ポリアクリロニトリル)系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA(ポリビニルアルコール)系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維および活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカーならびに平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
負極活物質として適用される金属酸化物および金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。
上記非晶質酸化物およびカルコゲナイドからなる化合物群の中でも、半金属元素の非晶質酸化物およびカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、SbおよびBiの1種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、ならびにカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物およびカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、SbBi、SbSi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、SbおよびSnSiSが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
負極活物質はチタン原子を含有することも好ましい。より具体的にはLiTi12(チタン酸リチウム[LTO])がリチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、電極の劣化が抑制されリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる点で好ましい。
本発明においては、Si系の負極を適用することもまた好ましい。一般的にSi負極は、炭素負極(黒鉛およびアセチレンブラックなど)に比べて、より多くのLiイオンを吸蔵できる。すなわち、単位質量当たりのLiイオンの吸蔵量が増加する。そのため、電池容量を大きくすることができる。その結果、バッテリー駆動時間を長くすることができるという利点がある。
負極活物質の形状は特に制限されないが粒子状が好ましい。負極活物質の平均粒子径は、0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミルおよび旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒子径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式および湿式ともに用いることができる。負極活物質粒子の平均粒子径は、前述の正極活物質の体積平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定することができる。
上記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
上記負極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質層を形成する場合、負極活物質層の単位面積(cm)当たりの負極活物質の質量(mg)(目付量)は特に限定されるものではない。設計された電池容量に応じて、適宜に決めることができる。
正極活物質および負極活物質の表面は別の金属酸化物で表面被覆されていてもよい。
表面被覆剤としてはTi、Nb、Ta、W、Zr、Al、SiまたはLiを含有する金属酸化物等が挙げられる。具体的には、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物、ニオブ酸リチウム系化合物等が挙げられ、さらに具体的には、LiTi12、LiTi、LiTaO、LiNbO、LiAlO、LiZrO、LiWO、LiTiO、Li、LiPO、LiMoO、LiBO、LiBO、LiCO、LiSiO、SiO、TiO、ZrO、Al、B等が挙げられる。
また、正極活物質または負極活物質を含む電極表面は硫黄またはリンで表面処理されていてもよい。
さらに、正極活物質または負極活物質の粒子表面は、上記表面被覆の前後において活性光線または活性気体(プラズマ等)により表面処理を施されていてもよい。
(導電助剤)
本発明の固体電解質は、導電助剤を含有することも好ましい。導電助剤としては、特に制限はなく、一般的な導電助剤として知られているものを用いることができる。例えば、電子伝導性材料である、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック類、ニードルコークスなどの無定形炭素、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブなどの炭素繊維類、グラフェン、フラーレンなどの炭素質材料であってもよいし、銅、ニッケルなどの金属粉、金属繊維でも良く、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン誘導体など導電性高分子を用いてもよい。なかでも、アセチレンブラックおよび気相成長炭素繊維が好ましく用いられる。またこれらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
固体電解質中における導電助剤の含有量は、特に限定されず、0〜20質量%であることが好ましく、0〜10質量%がより好ましい。
(その他の成分)
本発明の固体電解質は、本発明のポリマー、活物質および導電助剤の他に、二次電池、全固体二次電池で常用される成分を、本発明の効果を奏する限り、含有することができる。
その他の成分としては、例えば、有機溶媒、イオン液体、増粘剤、分散剤が挙げられる。
<無機固体電解質>
本発明では、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質に本発明のポリマーを使用してもよい。
ここで、無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことである。主たるイオン伝導性材料として有機物を含むものではないことから、有機固体電解質(ポリエチレンオキシド(PEO)などに代表される高分子電解質、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、通常カチオンおよびアニオンに解離または遊離していない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質は(i)硫化物系無機固体電解質および(ii)酸化物系無機固体電解質が代表例として挙げられる。
(硫化物系無機固体電解質)
硫化物系無機固体電解質は、硫黄原子(S)を含有し、かつ、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。硫化物系無機固体電解質は、元素として少なくともLi、SおよびPを含有し、リチウムイオン伝導性を有しているものが好ましいが、目的または場合に応じて、Li、SおよびP以外の他の元素を含んでもよい。
例えば、下記式(I)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性硫化物系無機固体電解質が挙げられる。
a1b1c1d1e1 式(I)
式中、LはLi、NaおよびKから選択される元素を示し、Liが好ましい。Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、AlおよびGeから選択される元素を示す。Aは、I、Br、ClおよびFから選択される元素を示す。a1〜e1は各元素の組成比を示し、a1:b1:c1:d1:e1は1〜12:0〜5:1:2〜12:0〜10を満たす。a1はさらに、1〜9が好ましく、1.5〜7.5がより好ましい。b1は0〜3が好ましい。d1はさらに、2.5〜10が好ましく、3.0〜8.5がより好ましい。e1はさらに、0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
各元素の組成比は、下記のように、硫化物系無機固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系無機固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。例えば、Li、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラス、またはLi、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラスセラミックスを用いることができる。
硫化物系無機固体電解質は、例えば硫化リチウム(LiS)、硫化リン(例えば五硫化二燐(P))、単体燐、単体硫黄、硫化ナトリウム、硫化水素、ハロゲン化リチウム(例えばLiI、LiBr、LiCl)および上記Mであらわされる元素の硫化物(例えばSiS、SnS、GeS)の中の少なくとも2つ以上の原料の反応により製造することができる。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは60:40〜90:10、より好ましくは68:32〜78:22である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。上限は特にないが、1×10−1S/cm以下であることが実際的である。
具体的な硫化物系無機固体電解質の例として、原料の組み合わせ例を下記に示す。例えば、LiS−P、LiS−P−LiCl、LiS−P−HS、LiS−P−HS−LiCl、LiS−LiI−P、LiS−LiI−LiO−P、LiS−LiBr−P、LiS−LiO−P、LiS−LiPO−P、LiS−P−P、LiS−P−SiS、LiS−P−SiS−LiCl、LiS−P−SnS、LiS−P−Al、LiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Al、LiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P、LiS−SiS−P−LiI、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12などが挙げられる。ただし、各原料の混合比は問わない。このような原料組成物を用いて硫化物系無機固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法、溶液法および溶融急冷法を挙げられる。常温(25℃)での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。なお、硫化物系無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定は、以下の手順で行う。硫化物系無機固体電解質粒子を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中で1質量%の分散液を希釈調整する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、体積平均粒子径を得る。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用する。
硫化物系無機固体電解質の固体電解質における含有量は、全固体二次電池に用いたときの界面抵抗の低減と低減された界面抵抗の維持を考慮したとき、0質量%以上が好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下が好ましく、99.5質量%以下がより好ましく、99質量%以下が特に好ましい。
上記硫化物系無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(酸化物系無機固体電解質)
酸化物系無機固体電解質は、酸素原子(O)を含有し、かつ、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
具体的な化合物例としては、例えば、LixaLayaTiO〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕(LLT)、LixbLaybZrzbbb mbnb(MbbはAl,Mg,Ca,Sr,V,Nb,Ta,Ti,Ge,In,Snの少なくとも1種以上の元素でありxbは5≦xb≦10を満たし、ybは1≦yb≦4を満たし、zbは1≦zb≦4を満たし、mbは0≦mb≦2を満たし、nbは5≦nb≦20を満たす。)、Lixcyccc zcnc(MccはC,S,Al,Si,Ga,Ge,In,Snの少なくとも1種以上の元素でありxcは0≦xc≦5を満たし、ycは0≦yc≦1を満たし、zcは0≦zc≦1を満たし、ncは0≦nc≦6を満たす。)、Lixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(ただし、1≦xd≦3、0≦yd≦1、0≦zd≦2、0≦ad≦1、1≦md≦7、3≦nd≦13)、Li(3−2xe)ee xeeeO(xeは0以上0.1以下の数を表し、Meeは2価の金属原子を表す。Deeはハロゲン原子または2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。)、LixfSiyfzf(1≦xf≦5、0<yf≦3、1≦zf≦10)、Lixgygzg(1≦xg≦3、0<yg≦2、1≦zg≦10)、LiBO−LiSO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12(ただし、0≦xh≦1、0≦yh≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12(LLZ)等が挙げられる。またLi、PおよびOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
上記酸化物固体電解質の体積平均粒子径および測定方法は、硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径および測定方法の記載を好ましく適用することができる。
本発明では、上記硫化物系無機固体電解質と併用して、酸化物系無機固体電解質を含有してもよい。
無機固体電解質中の本発明のポリマーの含有量は特に制限されないが、以下の活物質を含有しない場合、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。一方、上限は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。後述の活物質を含有する場合、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。一方、上限は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
本発明のポリマーの含有量の含有量が上記範囲内にあることにより、本発明の無機固体電解質を用いて二次電池、全固体二次電池の層を形成した際に、柔軟性と低抵抗を両立することができる。
なお、活物質は固体電解質で説明したものや、無機固体電解質で使用される活物質が挙げられ、また、無機固体電解質で加えられることが知られている成分を含有することができる。
<固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物>
固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物とは、固体電解質もしくは無機固体電解質を得るための組成物である。
固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物には、固体電解質もしくは無機固体電解質が含有する成分以外に、分散媒(溶媒)を含有することが好ましい。
特に、無機固体電解質組成物では、分散媒を含有することが好ましい。
(分散媒)
本発明の固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物は、各種成分を分散させるため分散媒を含有することが好ましい。分散媒の具体例としては下記のものが挙げられる。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶媒としては、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等)、ジアルキルエーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等)、アルキルアリールエーテル(アニソール)、テトラヒドロフラン、ジオキサン(1,2−、1,3−および1,4−の各異性体を含む)、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、が挙げられる。
アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
アミノ化合物溶媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタンなどが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどが挙げられる。
分散媒は常圧(1気圧)での沸点が50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。上限は250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがさらに好ましい。上記分散媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、芳香族化合物溶媒またはニトリル化合物溶媒が好ましく、トルエンまたはアセトニトリルがより好ましい。
なお、本発明の固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物中の分散媒の含有量は特に制限されないが、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。
なお、本明細書において、固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物においては、各固形成分の含有量を、全固形分100質量%に対する各成分の固形分の含有量を記載することがあるが、「固形分」とは、全固体二次電池を形成した際に蒸発せずに残存する成分を言い、具体的には上記の分散媒以外の成分を意味する。
(固体電解質組成物もしくは無機固体電解質組成物の調製)
以下、「固体電解質」、「無機固体電解質」をまとめて、「電解質」と称す。
本発明の電解質組成物は、各成分、例えば、本発明のポリマー、活物質などを分散媒の存在下で分散して、スラリー化することで調製することができる。
スラリー化は、各種の混合機を用いて各成分を混合することにより行うことができる。混合装置としては、特に限定されないが、例えば、ボールミル、ビーズミル、プラネタリミキサ―、ブレードミキサ―、ロールミル、ニーダーおよびディスクミルが挙げられる。混合条件は特に制限されないが、例えば、ボールミルを用いた場合、150〜700rpm(rotation per minute)で1時間〜24時間混合することが好ましい。
活物質、導電助剤等の成分を含有する電解質組成物を調製する場合には、本発明のポリマー他の分散工程と同時に添加および混合してもよく、別途添加および混合してもよい。
なお、固体電解質組成物の場合、本発明のポリマーを合成する段階で、本発明のポリマーを得るモノマーを周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩の共存下で重合させ、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩を含むポリマーを使用しても構わない。
[二次電池用シートもしくは全固体二次電池用シート]
以下、「二次電池」、「全固体二次電池」をまとめて、単に、「二次電池」と称す。
本発明の二次電池用シートは、本発明の電解質を含有する層を有する二次電池用シートであり、固体電解質含有シートもしくは無機固体電解質含有シートとも称す。
本発明の上記シートは、二次電池に好適に用いることができ、その用途に応じて種々の態様を含む。二次電池に用いられる上記シートとしては、例えば、本発明の電解質層に好ましく用いられるシート(二次電池用もしくは全固体二次電池用固体電解質シートとも称する)および電極または電極と電解質層との積層体に好ましく用いられるシート(固体二次電池用電極シートもしくは全固体二次電池用電極シート)が挙げられる。本発明において、これら各種のシートをまとめて固体二次電池用シートもしくは全固体二次電池用シートということがある。
上記シートは、電解質層、または、活物質層(電極層)を有するシートで、例えば、基材上に本発明の電解質層、または、活物質層(電極層)を有するシートの態様が挙げられる。以降、この態様のシートについて詳細に説明する。
固体二次電池用もしくは全固体二次電池用シートは、基材と本発明の電解質層、または、活物質層を有していれば、他の層を有してもよいが、活物質を含有するものは後述する固体二次電池用もしくは全固体二次電池用電極シートに分類される。他の層としては、例えば、保護層、集電体、コート層(集電体、本発明の電解質層、活物質層)等が挙げられる。
固体二次電池用もしくは全固体二次電池用固体電解質シートとして、例えば、本発明の電解質層と保護層を基材上に、この順で有するシートが挙げられる。
基材としては、本発明の電解質層を支持できるものであれば特に限定されず、後記集電体で説明した材料、有機材料および無機材料等のシート体(板状体)等が挙げられる。有機材料としては、各種ポリマー等が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびセルロース等が挙げられる。無機材料としては、例えば、ガラスおよびセラミック等が挙げられる。
固体二次電池用もしくは全固体二次電池用シートの本発明の電解質層の層厚は、上述の、本発明の固体二次電池もしくは全固体二次電池において説明した本発明の電解質層の層厚と同じである。
このシートは、本発明の電解質層を形成するための本発明の電解質組成物を基材上(他の層を介していてもよい)に製膜(塗布乾燥)して、基材上に本発明の電解質層を形成することにより、得られる。
ここで、本発明の電解質組成物は、上記の方法によって、調製できる。
本発明の固体二次電池用もしくは全固体二次電池用電極シート(単に「電極シート」ともいう。)は、本発明の二次電池の活物質層を形成するためのシートであって、集電体としての金属箔上に活物質層を有する電極シートである。この電極シートは、通常、集電体および活物質層を有するシートであるが、集電体、活物質層および本発明の電解質層をこの順に有する態様、ならびに、集電体、活物質層、本発明の電解質層および活物質層をこの順に有する態様も含まれる。
電極シートを構成する各層の層厚は、上述の、本発明の二次電池において説明した各層の層厚と同じである。また、電極シートを構成する各層の構成は、後記、本発明の二次電池において説明した各層の構成と同じである。
電極シートは、本発明の電解質組成物を金属箔上に製膜(塗布乾燥)して、金属箔上に活物質層を形成することにより、得られる。
[固体二次電池もしくは全固体二次電池]
本発明の二次電池は、正極と、この正極に対向する負極と、正極および負極の間の本発明の電解質層とを有する。正極は、正極集電体上に正極活物質層を有する。負極は、負極集電体上に負極活物質層を有する。なお、集電体および活物質層、両方の機能を兼ね備える場合には、区別される必要はない。
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1つの層は、本発明の電解質組成物を用いて形成されることが好ましい。
本発明の電解質組成物を用いて形成された正極活物質層および負極活物質層は、好ましくは、含有する成分種およびその含有量比について、本発明の電解質組成物の固形分におけるものと基本的に同じである。
以下に、図1を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
〔正極活物質層、固体電解質層もしくは無機固体電解質層、負極活物質層〕
固体二次電池もしくは全固体二次電池10においては、正極活物質層、本発明の電解質層および負極活物質層の少なくとも1つの層が本発明の電解質組成物を用いて作製されている。
正極活物質層4および/または負極活物質層2が、活物質を含有する本発明の電解質組成物を用いて作製されている場合、正極活物質層4および負極活物質層2は、本発明のポリマーを含み、、それぞれ、正極活物質または負極活物質をさらに含む。
正極活物質層4および負極活物質層2が含有する本発明のポリマーは、それぞれ、互いに同種であっても異種であってもよい。
〔集電体(金属箔)〕
正極集電体5および負極集電体1は、電子伝導体が好ましい。
本発明において、正極集電体および負極集電体のいずれか、または、両方を合わせて、単に、集電体と称することがある。
正極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンなどの他に、アルミニウムまたはステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの(薄膜を形成したもの)が好ましく、その中でも、アルミニウムおよびアルミニウム合金がより好ましい。
負極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンなどの他に、アルミニウム、銅、銅合金またはステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金およびステンレス鋼がより好ましい。
集電体の形状は、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
集電体の厚みは、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
本発明において、負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層および正極集電体の各層の間またはその外側には、機能性の層や部材等を適宜介在ないし配設してもよい。また、各層は単層で構成されていても、複層で構成されていてもよい。
〔筐体〕
上記の各層を配置して全固体二次電池の基本構造を作製することができる。用途によってはこのまま本発明の二次電池として使用してもよいが、乾電池の形態とするためにはさらに適当な筐体に封入して用いる。筐体は、金属性のものであっても、樹脂(プラスチック)製のものであってもよい。金属性のものを用いる場合には、例えば、アルミニウム合金およびステンレス鋼製のものを挙げることができる。金属性の筐体は、正極側の筐体と負極側の筐体に分けて、それぞれ正極集電体および負極集電体と電気的に接続させることが好ましい。正極側の筐体と負極側の筐体とは、短絡防止用のガスケットを介して接合され、一体化されることが好ましい。
[固体二次電池用もしくは全固体二次電池用シートの製造]
本発明の二次電池用シートは、本発明の電解質組成物を基材上(他の層を介していてもよい)に製膜(塗布乾燥)して、基材上に本発明の電解質層を形成することにより、得られる。
上記態様により、本発明のポリマーを含有する層を基材上に有する本発明の二次電池用シートを作製することができる。
その他、塗布等の工程については、下記の固体二次電池もしくは全固体二次電池の製造に記載の方法を使用することができる。
なお、本発明の二次電池用シートは、電池性能に影響を与えない範囲内で、上記層中に分散媒(G)を含有してもよく、具体的には、1ppm以上10000ppm以下含有してもよい。
なお、本発明の二次電池用シートの上記層中の分散媒の含有割合は、以下の方法で測定することができる。
本発明の二次電池用シートを20mm角で打ち抜き、ガラス瓶中で重テトラヒドロフランに浸漬させる。得られた溶出物をシリンジフィルターでろ過してH−NMRにより定量操作を行う。H−NMRピーク面積と溶媒の量の相関性は検量線を作成して求める。
[固体二次電池もしくは全固体二次電池、および、固体二次電池用もしくは全固体二次電池用電極シートの製造]
本発明の二次電池および本発明の二次電池用電極シートの製造は、常法によって行うことができる。具体的には、本発明の二次電池および本発明の二次電池用電極シートは、本発明の電解質組成物等を用いて、上記の各層を形成することにより、製造できる。以下詳述する。
本発明の二次電池は、本発明の電解質組成物を、基材(例えば、集電体となる金属箔)上に塗布し、塗膜を形成(製膜)する工程を含む(介する)方法により、製造できる。
例えば、正極集電体である金属箔上に、正極用材料(正極用組成物)として、正極活物質を含有する電解質組成物を塗布して正極活物質層を形成し、本発明の二次電池用正極シートを作製する。次いで、この正極活物質層の上に、電解質層を形成するための電解質組成物を塗布して、電解質層を形成する。さらに、本発明の電解質層の上に、負極用材料(負極用組成物)として、負極活物質を含有する電解質組成物を塗布して、負極活物質層を形成する。負極活物質層の上に、負極集電体(金属箔)を重ねることにより、正極活物質層と負極活物質層の間に電解質層が挟まれた構造の本発明の二次電池を得ることができる。必要によりこれを筐体に封入して所望の本発明の二次電池とすることができる。
また、各層の形成方法を逆にして、負極集電体上に、負極活物質層、本発明の電解質層および正極活物質層を形成し、正極集電体を重ねて、本発明の二次電池を製造することもできる。
別の方法として、次の方法が挙げられる。すなわち、上記のようにして、二次電池用正極シートを作製する。また、負極集電体である金属箔上に、負極用材料(負極用組成物)として、負極活物質を含有する電解質組成物を塗布して負極活物質層を形成し、二次電池用負極シートを作製する。次いで、これらシートのいずれか一方の活物質層の上に、上記のようにして、本発明の電解質層を形成する。さらに、本発明の電解質層の上に、二次電池用正極シートおよび二次電池用負極シートの他方を、本発明の電解質層と活物質層とが接するように積層する。このようにして、本発明の二次電池を製造することができる。
また別の方法として、次の方法が挙げられる。すなわち、上記のようにして、全固体二次電池用正極シートおよび全固体二次電池用負極シートを作製する。
また、これとは別に、本発明の電解質組成物を基材上に塗布して、本発明の電解質層からなる本発明の二次電池用固体電解質シートを作製する。さらに、全固体二次電池用正極シートおよび全固体二次電池用負極シートで、基材から剥がした本発明の電解質層を挟むように積層する。このようにして、本発明の二次電池を製造することができる。
上記の形成法の組み合わせによっても本発明の二次電池を製造することができる。例えば、上記のようにして、二次電池用正極シート、二次電池用負極シートおよび二次電池用電解質シートをそれぞれ作製する。次いで、二次電池用負極シート上に、基材から剥がした本発明の電解質層を積層した後に、上記二次電池用正極シートと張り合わせることで全本発明の二次電池を製造することができる。この方法において、本発明の電解質層を二次電池用正極シートに積層し、二次電池用負極シートと張り合わせることもできる。
(各層の形成(成膜))
本発明の電解質組成物の塗布方法は、特に限定されず、適宜に選択できる。例えば、塗布(好ましくは湿式塗布)、スプレー塗布、スピンコート塗布、ディップコート、スリット塗布、ストライプ塗布およびバーコート塗布が挙げられる。
このとき、本発明の電解質組成物は、それぞれ塗布した後に乾燥処理を施してもよいし、重層塗布した後に乾燥処理をしてもよい。乾燥温度は特に限定されない。下限は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましい。
このような温度範囲で加熱することで、分散媒を除去し、本発明のポリマーおよび活物質が溶解した高分子固体電解質を形成することができる。また、温度を高くしすぎず、本発明の二次電池の各部材を損傷せずに済むため好ましい。これにより、本発明の二次電池において、優れた総合性能を示し、かつ良好な結着性を得ることができる。
塗布した本発明の電解質組成物、または、本発明の二次電池を作製した後に、各層または本発明の二次電池を加圧することが好ましい。また、各層を積層した状態で加圧することも好ましい。加圧方法としては油圧シリンダープレス機等が挙げられる。加圧力としては、特に限定されず、一般的には50〜1500MPaの範囲が好ましい。
また、塗布した本発明の電解質組成物は、加圧と同時に加熱してもよい。加熱温度としては、特に限定されず、一般的には30〜300℃の範囲である。
加圧は塗布溶媒または分散媒をあらかじめ乾燥させた状態で行ってもよいし、分散媒が残存している状態で行ってもよい。
なお、各組成物は同時に塗布してもよいし、塗布乾燥プレスを同時および/または逐次行ってもよい。別々の基材に塗布した後に、転写により積層してもよい。
加圧中の雰囲気としては、特に限定されず、大気下、乾燥空気下(露点−20℃以下)および不活性ガス中(例えばアルゴンガス中、ヘリウムガス中、窒素ガス中)などいずれでもよい。
プレス時間は短時間(例えば数時間以内)で高い圧力をかけてもよいし、長時間(1日以上)かけて中程度の圧力をかけてもよい。本発明の二次電池用シート以外、例えば本発明の二次電池の場合には、中程度の圧力をかけ続けるために、本発明の二次電池の拘束具(ネジ締め圧等)を用いることもできる。
プレス圧はシート面等の被圧部に対して均一であっても異なる圧であってもよい。
プレス圧は被圧部の面積や膜厚に応じて変化させることができる。また同一部位を段階的に異なる圧力で変えることもできる。
プレス面は平滑であっても粗面化されていてもよい。
(初期化)
上記のようにして製造した本発明の二次電池は、製造後または使用前に初期化を行うことが好ましい。初期化は、特に限定されず、例えば、プレス圧を高めた状態で初充放電を行い、その後、固体二次電池もしくは全固体二次電池の一般使用圧力になるまで圧力を開放することにより、行うことができる。
[固体二次電池もしくは全固体二次電池の用途]
本発明の二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車(電気自動車等)、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。さらに、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は高分子全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質として、ポリエチレンオキサイド(PEO)等の高分子化合物にLiTFSI等の電解質塩が溶解した高分子固体電解質を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、特開2015−088486号公報に記載のLi−P−S系ガラス、LLT(LixaLayaTiO〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕)およびLLZ(LiLaZr12)等の無機固体電解質を用いる無機全固体二次電池とに区分される。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
本発明において「固体電解質組成物」というときには、高分子固体電解質を形成し得る高分子化合物(高分子化合物を形成し得る成分を含む)および電解質塩を含有する組成物だけでなく、高分子固体電解質を含有する組成物を含み、両方の態様が混在していてもよい。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。以下の実施例において組成を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、「室温」は25℃を意味する。
実施例1
〔本発明のポリマーの合成〕
下記に示す本発明のポリマーP−1〜P−9を合成した。
Figure 2018044111
(ポリマーP−1の合成)
以下の合成ルートでポリマーP−1を合成した。
Figure 2018044111
1)化合物I−1の合成
500mLナスフラスコ中に2,6−ジヒドロキシ安息香酸20.0g、炭酸カリウム71.8g、テトラブチルアンモニウムアイオダイド4.8g、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)240mLを加え100℃で1時間撹拌した。反応物を50℃に冷やした後、1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLを加えた。その後85℃で20時間撹拌した。固形分をろ別し、酢酸エチルで洗浄した。得られた固体を60℃真空乾燥5時間行うことで化合物I−1を得た。
2)化合物I−2の合成
得られた化合物I−1を210mLメタノールに溶解し、水70mL、KOH21.9gを加え、室温で4時間撹拌した。メタノールを留去した後、0℃において2NHClをpHが3になるまで加えた。固体をろ別した後、冷水で洗浄し、60℃真空乾燥5時間行うことで化合物I−2を得た。
3)化合物I−3の合成
500mLナスフラスコ中に得られた化合物I−2 27.0g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100mLに溶解させ、トリエチルアミン8.7g、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル38.3gを加え、室温で1時間撹拌した。その後4−アミノスチレン11.9gをゆっくり加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、メタノールで10倍に希釈した後、10%NaHCO水溶液400mL加えた。固体をろ別し、エタノールで精製することで化合物I−3を得た。
4)ポリマーP−1の合成
還流冷却管、ガス導入コックを付し、流速200mL/minにて窒素ガスを10分間導入した後に80℃に昇温した200L三口フラスコに別容器にて調製した〔化合物I−3 22.4g、重合開始剤V−601(商品名、和光純薬工業(株)製)0.2g、メチルエチルケトン30.0g混合した液〕を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。得られた溶液を500gのエタノールに加え、得られた固体を60℃真空乾燥5時間行うことでポリマーP−1を得た。
ポリマーP−1の質量平均分子量は123,000、ガラス転移温度(Tg)は83℃であった。
ポリマーの合成において、特に断りのない限り、試薬は和光純薬工業(株)製を用いた。
(ポリマーP−2の合成)
1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLをポリエチレングリコールモノメチルエーテルクロライド(数平均分子量Mn:5,500)(合成品)200g、4−アミノスチレン11.9gを2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6gに置き換えたこと以外はポリマーP−1と同様に合成した。
ポリマーP−2の質量平均分子量は156,000、ガラス転移温度(Tg)は2℃であった。
(ポリマーP−3の合成)
2,6−ジヒドロキシ安息香酸20.0gを2−ヒドロキシ安息香酸17.9g、1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLをポリエチレングリコールモノメチルエーテルメシレート(数平均分子量Mn:5,000)(Aldrich社製)200g、4−アミノスチレン11.9gを2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6gに置き換えたこと以外はポリマーP−1と同様に合成した。
ポリマーP−3の質量平均分子量は170,000、ガラス転移温度(Tg)は5℃であった。
(ポリマーP−4の合成)
1)化合物I−34の合成
Figure 2018044111
500mLナスフラスコ中にβ−カルボキシエチルアクリレート14.4gをNMP100mLに溶解させ、トリエチルアミン8.7g、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル38.3gを加え、室温で1時間撹拌した。その後2,6−ジメトキシアニリン27.0gをゆっくり加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、メタノールで10倍に希釈した後、10%NaHCO水溶液400mL加えた。固体をろ別し、エタノールで精製することで化合物I−34を得た。
2)ポリマーP−4の合成
還流冷却管、ガス導入コックを付し、流速200mL/minにて窒素ガスを10分間導入した後に80℃に昇温した200L三口フラスコに別容器にて調製した〔化合物I−34 22.4g、重合開始剤V−601(商品名、和光純薬工業(株)製)0.2g、メチルエチルケトン30.0g混合した液〕を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。得られた溶液を500gのエタノールに加え、得られた固体を60℃真空乾燥5時間行うことでポリマーP−4を得た。
ポリマーP−4の質量平均分子量は114,000、ガラス転移温度(Tg)は7℃であった。
(ポリマーP−5の合成)
1)化合物I−35の合成
Figure 2018044111
500mLナスフラスコ中に2,6−ジメトキシ安息香酸 18.2gをNMP100mLに溶解させ、トリエチルアミン8.7g、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル38.3gを加え、室温で1時間撹拌した。その後2−ヒドロキシエチルアクリレート22.0gをゆっくり加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、メタノールで10倍に希釈した後、10%NaHCO水溶液400mL加えた。固体をろ別し、エタノールで精製することで化合物I−35を得た。
2)ポリマーP−5の合成
還流冷却管、ガス導入コックを付し、流速200mL/minにて窒素ガスを10分間導入した後に80℃に昇温した200L三口フラスコに別容器にて調製した〔化合物I−35 22.4g、重合開始剤V−601(商品名、和光純薬工業(株)製)0.2g、メチルエチルケトン30.0g混合した液〕を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。得られた溶液を500gのエタノールに加え、得られた固体を60℃真空乾燥5時間行うことでポリマーP−5を得た。
ポリマーP−5の質量平均分子量は128,000、ガラス転移温度(Tg)は20℃であった。
(ポリマーP−6の合成)
1)化合物I−26の合成
以下の合成ルートで化合物I−26を合成した。
Figure 2018044111
5Lナスフラスコ中に片末端カルビノール変性型ポリシロキサン(X−170DX:信越化学(株)製)300g、トリエチルアミン100g、クロロホルム2000mLを加えた。その中にp−トルエンスルホニルクロライド100gをゆっくり添加した。その後50℃で5時間撹拌した。得られた溶液を10Lのアセトニトリル中に加え、デカンテーションを行い、40℃で真空乾燥6時間行うことで片末端トシル化ポリシロキサンを得た。
5Lナスフラスコ中に得られた片末端トシル化ポリシロキサン200g、ピリジン2000mLを加えた。その中に2,6−ジヒドロキシ安息香酸20.0gをゆっくり添加した。その後50℃で5時間撹拌した。得られた溶液を10Lのアセトニトリル中に加え、デカンテーションを行い、40℃で真空乾燥6時間行うことで化合物I−26を得た。
2)ポリマーP−6の合成
1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLを上記で得られた化合物I−26 200g、4−アミノスチレン11.9gを2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6gに置き換えたこと以外はポリマーP−1と同様に合成した。
ポリマーP−6の質量平均分子量は105,000、ガラス転移温度(Tg)は−10℃であった。
(ポリマーP−7の合成)
1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLをポリエチレングリコールモノメチルエーテルクロライド(数平均分子量Mn:5,000)(合成品)200g、4−アミノスチレン11.9gを2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6g、化合物I−3 22.4gを化合物I−3 11.2g、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート(数平均分子量Mn:5,000)(Aldrich社製)11.2gに置き換えたこと以外はポリマーP−1と同様に合成した。
ポリマーP−7の質量平均分子量は189,000、ガラス転移温度(Tg)は−30℃であった。
(ポリマーP−8の合成)
1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLをポリエチレングリコールモノメチルエーテルクロライド(数平均分子量Mn:5,000)(合成品)200g、4−アミノスチレン11.9gを2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6g、化合物I−3 22.4gを化合物I−3 18.2g、アクリロニトリル4.2gに置き換えたこと以外はポリマーP−1と同様に合成した。
ポリマーP−8の質量平均分子量は131,000、ガラス転移温度(Tg)は18℃であった。
(ポリマーP−9の合成)
1−クロロ−2−メトキシエタン47.2mLをポリエチレングリコールモノメチルエーテルクロライド(数平均分子量Mn:5,000)(合成品)200g、4−アミノスチレン11.9gを2−ヒドロキシエチルアクリレート11.6g、化合物I−3 22.4gを化合物I−3 4.5g、アクリロニトリル17.9gに置き換えたこと以外はポリマーP−1と同様に合成した。
ポリマーP−9の質量平均分子量は119,000、ガラス転移温度(Tg)は60℃であった。
〔比較ポリマーの合成〕
実施例2で使用する、下記に示す比較ポリマーPT−1〜PT−3を合成した。
Figure 2018044111
(ポリマーPT−1の合成)
還流冷却管、ガス導入コックを付し、流速200mL/minにて窒素ガスを10分間導入した後に80℃に昇温した200L三口フラスコに別容器にて調製した〔ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルアクリレート(数平均分子量Mn:5,000)(Aldrich社製)22.4g、重合開始剤V−601(商品名、和光純薬工業(株)製)0.2g、メチルエチルケトン30.0g混合した液〕を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。得られた溶液を500gのエタノールに加え、得られた固体を60℃真空乾燥5時間行うことでポリマーPT−1を得た。
ポリマーPT−1の質量平均分子量は50,000、ガラス転移温度(Tg)は−60℃であった。
(ポリマーPT−2の合成)
以下の合成ルートでポリマーPT−2を合成した。
Figure 2018044111
1)化合物1の合成
2Lの反応容器に、塩化スルフリル128g、クロロホルム235gを加えた。この溶液を窒素気流下0℃まで冷却した。別の1Lの容器にHPS〔ハイパーテック(登録商標)HPS−200:日産化学工業(株)製〕70g、クロロホルム700gを加え、窒素気流下均一になるまで撹拌した。この溶液を、上記2Lの反応容器に60分間かけて加えた。添加終了後、6時間撹拌した。さらにこの反応液へ、シクロヘキセン0.78gをクロロホルム235gに溶かした溶液を加えた。添加後、この反応液をイソプロパノール5000gに添加してポリマーを沈殿させた。この沈殿を、イソプロパノール500gで洗浄し、40℃で真空乾燥して、化合物1 40gを得た。
2)ポリマーPT−2の合成
1Lの3つ口フラスコにNaH0.96gとテトラヒドロフラン(THF)50gを加え、窒素置換した。THF80gにポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子量Mn:350)(Alfa Aesar社製)49.3gを溶かした溶液を10分かけて加えた。30分間攪拌した後、THF40gに化合物1 30gを溶かした溶液を5分かけて加え、50℃で16時間攪拌した。反応後、カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC60、展開溶媒THF)で精製することでPT−2を38g得た。
ポリマーPT−2の質量平均分子量は149,000、ガラス転移温度(Tg)は−38℃であった。
(ポリマーPT−3の合成)
以下の合成ルートでポリマーPT−3を合成した。
Figure 2018044111
1)化合物2の合成
2,6−ジメトキシ安息香酸36.5gをNMP100mLに溶解させた。溶解後トリエチルアミン20.2g、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル88.9gを加え、室温で1時間撹拌した。その後4−アミノスチレン27.4gをゆっくり加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、メタノールで10倍に希釈した後、10%NaHCO水溶液400mL加えた。固体をろ別し、エタノールで精製することで化合物2を40.2g得た。
2)ポリマーPT−3の合成
化合物2 5.0gをアセトンに溶解し、オートクレーブ中、真空下80℃で2日間かけて重合反応を行った。反応後のアセトン溶液を取り出し、メタノールに加えた。得られた固体を60℃真空乾燥5時間行うことでポリマーPT−3を得た。
ポリマーPT−3の質量平均分子量は1.9×10、ガラス転移温度(Tg)は164℃であった。
なお、質量平均分子量、数平均分子量およびガラス転移温度(Tg)は、前述の方法で測定した。
実施例2
〔固体電解質含有シートおよび二次電池の作製〕
(固体電解質シートの作製)
50mLのサンプル瓶に上記で得られたポリマーP−1を3.5g、LiTFSI〔リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬工業(株)製)〕を1.5g、NMP4.5g加え、溶解させた。得られた溶液を厚み20μmのアルミ箔上に、アプリケーター〔商品名:SA−201ベーカー式アプリケーター、テスター産業(株)製〕により塗布し、80℃で2時間送風乾燥を行うことで100μm厚の固体電解質シートを得た。
<イオン伝導度の測定>
上記で得られた固体電解質シート17を直径14.5mmの円板状に切り出し、図2に示すコインケース16に入れた。具体的には、直径15mmの円板状に切り出したアルミ箔(図2に図示しない)を固体電解質層と接触させ、スペーサーとワッシャー(ともに図2において図示しない)を組み込んで、ステンレス製の2032型コインケース16に入れた。コインケース16をかしめることでイオン伝導度測定用治具18を作製した。
上記で得られたイオン伝導度測定用治具を用いて、イオン伝導度を測定した。具体的には、30℃の恒温槽中、SOLARTRON社製 1255B FREQUENCY RESPONSE ANALYZER(商品名)を用いて電圧振幅5mV、周波数1MHz〜1Hzまで交流インピーダンス測定した。これにより試料の膜厚方向の抵抗を求め、下記式(1)により計算して求めた。
イオン伝導度(mS/cm)=
試料膜厚(cm)/(抵抗(Ω)×試料面積(cm))・・・式(1)
−評価基準−
5:3×10−6S/cm以上
4:1×10−6S/cm以上3×10−6S/cm未満
3:5×10−7S/cm以上1×10−6S/cm未満
2:1×10−7S/cm以上5×10−7S/cm未満
1:1×10−7S/cm未満
<低温イオン伝導度の評価>
−10℃で測定を行うこと以外は上記イオン伝導度の測定と同様に測定を行い、30℃のイオン伝導度に対する比を、下記式(2)で計算して求めた。
低温イオン伝導度比=
−10℃のイオン伝導度/30℃のイオン伝導度・・・・・・式(2)
−評価基準−
5:0.1以上
4:0.05以上0.1未満
3:0.02以上0.05未満
2:0.01以上0.02未満
1:0.01未満
(電極シートの作製)
50mLのサンプル瓶にアセチレンブラック〔デンカブラック:デンカ(株)製〕を0.82g、NMP(和光純薬工業(株)製)を5.51g添加し、自公転ミキサー(ARE−310:THINKY社製)を用いて2000rpmで5分混合した。続いてLTO〔LiTi12、LT−106:石原産業(株)製〕を10.94g、NMP2.01g加え、自公転ミキサーを用いて2000rpmで2分混合した。その後、PVDF〔KYNAR301F:アルケマ(株)製〕を0.23g、NMPを7.75g加え、自公転ミキサーを用いて2000rpmで2分混合した。得られたスラリーを厚み20μmのアルミ箔上に、アプリケーター〔商品名:SA−201ベーカー式アプリケーター、テスター産業(株)製〕により塗布し、100℃で2時間送風乾燥を行った。得られた電極をロールプレス機で5kN/cmでプレスを行うことで電極シートを得た。
(電池の作製)
スペーサーとワッシャー(ともに図2において図示しない)を組み込んだステンレス製の2032型コインケース16に直径15mmの円板状に切り出したLi箔(本城金属(株)製)を入れ、その上に直径16mmの円盤状に切り出した固体電解質シート重ね、さらにその上に13mmの円盤状に切り出した電極シートを電極面が固体電解質シートに接するように重ね、全固体二次電池18を作製した。2032型コインケース中の全固体二次電池シート17は、Li箔/固体電解質層/正極活物質層/アルミ箔の積層構造を有する。
<耐久性の評価>
上記で得られた電池を60℃でSolartron社製1470(商品名)により評価した。評価は放電より行い、放電は電流密度0.05mA/cmで電池電圧が1.0Vに達するまで行った。充電は電流密度0.05mA/cmで電池電圧が2.5Vに達するまで行った。これを繰り返し、電圧異常挙動を示すサイクル数で耐久性を評価した。
電圧異常挙動の例
・充電時に充電カーブに屈曲が生じ、電圧降下が起きる。
・放電時に放電カーブに屈曲が生じ、電圧上昇が起きる。
・充電時に電圧が上がらず、1サイクル前の充電容量に対して20%以上容量が増加する。
−評価基準−
5:100サイクル以上
4:50サイクル以上100サイクル未満
3:20サイクル以上50サイクル未満
2:10サイクル以上20サイクル未満
1:10サイクル未満
上記のようにして、ポリマーP−1を使用した固体電解質シートおよび電池を試験No.S−1とし、下記表1に示す組み合わせで、試験No,S−2〜S−11、T−1〜T−3の固体電解質シートおよび電池を作製して、試験No.S−1と同じ評価を行った。
得られた結果を、まとめて、下記表1に示す。
Figure 2018044111
<表の注>
・含有量は、固形成分100質量%に対する含有量である。
・LiTFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬工業(株)製)
上記表1より、以下のことが明らかである。
試験No.T−1、T−2から本発明の式(D)で表される構造を含む単位構造を有さないポリマーPT−1およびPT−2は、いずれも、30℃のイオン伝導度に対する低温イオン伝導度比が0.01未満と極めて低く、−10℃のような低温では、イオン伝導度が大幅に低下することがわかる。
また、試験No.T−3で使用しているポリマーPT−3は、本発明の式(D)で表される構造を含む単位構造を有するものの、ガラス転移温度(Tg)が、90℃を超え、30℃、すなわち、常温付近ではイオン伝導度が低いことがわかる。
これに加えて、ポリマーPT−1〜PT−3を使用した場合、いずれも耐久性が悪かった。
これに対して、試験No.S−1〜S−11から、本発明の式(D)で表される構造を含む単位構造を有し、かつガラス転移温度(Tg)が本発明で規定する範囲内であると、30℃、すなわち、常温付近ではイオン伝導度も高く、−10℃のような低温でも、イオン伝導度が低下しないことがわかる。
この結果、本発明のポリマーを使用することで、イオン伝導度が高く、温度の低い環境で使用しても、イオン伝導度の低下が少なく、電池としての性能に優れていることがわかる。
実施例3
〔無機固体電解質含有シートおよび全固体二次電池の作製〕
<硫化物系無機固体電解質の合成>
−Li−P−S系ガラスの合成−
硫化物系無機固体電解質として、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.HamGa,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235およびA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873を参考にして、Li−P−S系ガラスを合成した。
具体的には、アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42gおよび五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。なお、LiSおよびPの混合比は、モル比でLiS:P=75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66g投入し、上記混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を密閉した。フリッチュ社製の遊星ボールミルP−7(商品名)にこの容器をセットし、温度25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行い、黄色粉体の硫化物系無機固体電解質(Li−P−S系ガラス。以下、LPSとも称す。)6.20gを得た。体積平均粒子径は15μmであった。
<固体電解質組成物SS−1の調製>
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLPS4.85g、上記ポリマーP−1を0.15g(固形成分質量)、分散媒としてイソブチロニトリル17.0g投入した。その後に、この容器をフリッチュ社製遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間混合を続け、固体電解質組成物SS−1を得た。
(全固体二次電池用固体電解質シートの作製)
上記で得られた各固体電解質組成物を厚み20μmのアルミ箔上に、アプリケーター〔商品名:SA−201ベーカー式アプリケーター、テスター産業(株)製〕により塗布し、80℃で2時間加熱し、固体電解質組成物を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、所定の密度になるように120℃の温度および600MPaの圧力で10秒間、乾燥させた固体電解質組成物を加熱および加圧することで各全固体二次電池用固体電解質シートを得た。固体電解質層の膜厚は100μmであった。
作製した全固体二次電池用固体電解質シートについて、イオン伝導度測定等、実施例2で行った評価や結着性評価を行った結果、良好な性能であることを確認した。
上記ポリマーP−1に代わり、ポリマーP−2〜P−9を用いて全固体二次電池用固体電解質シートを作製して同様の評価を行った結果、いずれも良好な性能を示すことを確認した。
(全固体二次電池の作製)
上記で得られた電極シートの電極面と全固体二次電池用固体電解質の固体電解質層面が接するように重ね、5MPaで加圧することで電極シート層上に固体電解質層を転写した。スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケース16に直径15mmの円板状に切り出したLi箔(本城金属(株)製)を入れ、その上に13mmの円盤状に切り出した上記シート電極面がLi箔に接するように重ね、全固体二次電池18を作製した。2032型コインケース中の全固体二次電池シート17は、Li箔/固体電解質層/正極活物質層/アルミ箔の積層構造を有する。
ポリマーP−1〜P−9を用いた全固体二次電池を、実施例2と同様の評価を行った結果、いずれも良好な性能を示すことを確認した。
ポリマーP−1〜P−9の代わりに、ポリマーPT−1〜PT−3を使用した全固体二次電池用固体電解質シートおよび全固体二次電池も作製したが、実施例2と同様、耐久性に劣り、イオン伝導度は、実施例2で示した結果と同じ傾向を示し、30℃でのイオン伝導度に劣るか、低温でイオン伝導度が低下することを確認した。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
16 2032型コインケース
17 全固体二次電池シートまたは固体電解質シート
18 全固体二次電池またはイオン伝導度測定用治具

Claims (16)

  1. 下記式(D)で表される構造を含む単位構造を有し、ガラス転移温度が90℃以下であるポリマー。
    Figure 2018044111
    式中、環αは環構造を示し、Lは*とLを結ぶ最短原子数が3以上の連結基を示し、LおよびLは各々独立に、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−NRa−C(=O)−、−C(=O)−NRa−、−O−C(=O)−NRa−、−NRa−C(=O)−O−または−NRb−C(=O)−NRc−を示す。ここで、Ra、RbおよびRcは各々独立に、水素原子または置換基を示す。Rは水素原子または置換基を示す。n1は1または2である。*はポリマー主鎖への結合部を示す。ただし、LとLを連結する最短原子数はいずれも3以下である。
  2. 前記ガラス転移温度が30℃以下である請求項1に記載のポリマー。
  3. 下記式(P−1)で表される繰り返し単位を有する請求項1または2に記載のポリマー。
    Figure 2018044111
    式中、環α、LおよびLは、前記式(D)におけるLおよびLであり、L31およびL32は、前記式(D)におけるLと同義であり、R11およびR12は前記式(D)におけるRと同義である。ただし、LとL31およびLとL32を連結する最短原子数はいずれも3以下である。
    A1、RA2およびRA3は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を示す。
  4. 下記(P−2)で表される繰り返し単位を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー。
    Figure 2018044111
    式中、環βは、L、L31およびL32が結合する原子が炭素原子である環構造を示す。ここで、環βにおいて、Lが結合する炭素原子とL31が結合する炭素原子の間の結合は、単結合でも二重結合でもよく、Lが結合する炭素原子とL32が結合する炭素原子の間の結合は、単結合でも二重結合でもよい。LおよびLは、前記式(D)におけるLおよびLであり、L31およびL32は、前記式(D)におけるLと同義であり、R11およびR12は前記式(D)におけるRと同義である。
    A1、RA2およびRA3は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を示す。
  5. 共重合成分として下記式(C)で表される繰り返し単位を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー。
    Figure 2018044111
    式中、RB1およびRB2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を示し、RB3はRB1で表される基または−L−RC1で表される基である。Lは単結合または連結基を示す。RC1は水素原子または置換基を示す。
  6. 前記Rが、Lと結合する原子が炭素原子であって、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリシロキサンからなる基である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマーおよび周期律表第1族もしくは第2族に属する金属の塩を有する固体電解質。
  8. 請求項7に記載の固体電解質および分散媒を含有する固体電解質組成物。
  9. 請求項7に記載の固体電解質を含有する層を有する固体電解質含有シート。
  10. 正極層、固体電解質層および負極層を具備する二次電池であって、
    前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層から選択される少なくとも1層が、請求項7に記載の固体電解質を含有する二次電池。
  11. 請求項8に記載の固体電解質組成物を基材上に塗布し、固体電解質からなる塗膜を形成する工程を含む固体電解質含有シートの製造方法。
  12. 請求項11に記載の製造方法を介して製造する二次電池の製造方法。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質および分散媒を含有する無機固体電解質組成物。
  14. 正極層、固体電解質層および負極層を具備する全固体二次電池であって、
    前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層から選択される少なくとも1層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマーおよび周期律表第1族もしくは第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質を含有する全固体二次電池。
  15. 請求項13に記載の無機固体電解質組成物を基材上に塗布し、無機固体電解質の塗膜を形成する工程を含む無機固体電解質含有シートの製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法を介して製造する全固体二次電池の製造方法。
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