JP2014043487A - エチレンオキサイド鎖を有するハイパーブランチポリマー及びその利用 - Google Patents

エチレンオキサイド鎖を有するハイパーブランチポリマー及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム塩を用いる固体電解質のマトリックポリマーに適したハイパーブランチポリマーを提供する。
【解決手段】式(1)で示されるハイパーブランチポリマー。


(式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基、R及びR2’は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基等を示し、A1は、式(2)で示される2価の基を示し、lは2〜100000の整数を示し、n及びmは、それぞれ独立して、1〜40の整数を示し、式(2)中、A2は、炭素数1〜20のアルキレン基、Y1〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子等を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレンオキサイド鎖を有するハイパーブランチポリマー及びその利用に関する。
固体電解質は、二次電池に用いる次世代電解質として期待されている。特に、ポリエチレンオキサイド(PEO)とリチウム塩を複合化した、溶媒フリー高分子固体電解質が報告されて以来、高分子固体電解質に関する研究が盛んになされている。
二次電池の電解質には優れたイオン伝導性が不可欠である。一般的に、高分子のイオン伝導度は、そのガラス転移温度を下回ると減少する。これは、イオン伝導度の向上に寄与する、高分子鎖の局所運動(セグメント運動)が減少するためと推測される。特に、結晶性高分子である直鎖状PEOは、マトリックスポリマーとして用いることで優れたイオン伝導性が期待できるが、結晶化し易い。それゆえ、直鎖状PEOを用いた固体電解質では、常温付近においてイオン伝導度が顕著に低下する傾向がある。
この問題に関しては、例えば、PEO間を化学架橋したり鎖長の短いPEOを用いたりすることで、高分子の結晶化温度を低下させ、常温でのイオン伝導性を改善し得るといわれている(非特許文献1)。しかしながら、このような技術によっても、電解質の十分な物理的強度を確保できない場合や、電解質を固体化できない場合があり、依然として、物理的強度とイオン伝導性のバランスがとれた固体電解質が強く望まれている。
この点、非晶質物質である高分岐ポリマーは、優れたセグメント運動性をもつ自由な分子鎖を有することが知られており、これらを用いた新規固体電解質の開発が検討されている。高分岐ポリマーは、デンドリマーとハイパーブランチポリマーに大別されるが、今までのところ、エチレンオキサイド骨格を有するデンドリマーを用いることで優れたイオン伝導性を実現できることが報告されている(特許文献1〜4、非特許文献2)。
一方、デンドリマーとハイパーブランチポリマーを比較すると、ハイパーブランチポリマーの方が、比較的簡便な方法によって合成できることが知られており(特許文献5、非特許文献3及び4)、工業的な量産を視野に入れるとその点で有利である。しかし、このような有利な点はあるものの、成膜性が悪い等の理由によりハイパーブランチポリマー単独で固体電解質を作製することが困難であり、それゆえに、ハイパーブランチポリマーを用いた固体電解質に関しては、直鎖PEOとの混合高分子固体電解質として検討されるに留まり、その性能を十分に得られているとは言い難かった(特許文献6〜8)。
特開2003−327687号公報 特開2004−124051号公報 特開2005−8802号公報 特開2009−1803号公報 国際公開第2010/137724号パンフレット 特開2006−344504号公報 特開2008−130529号公報 特開2011−46784号公報
二次電池材料この10年と今後、2003年5月30日発行、pp.174〜175 吉野 彰監修、シーエムシー出版 Journal of the Electrochemical Society,156(7), pp.A577‐A583,2009 Macromolecules,Vol.35,No.9,pp. 3781−3784,2002 Macromolecules,Vol.36,No.10,pp. 3505‐3510,2003
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リチウム塩と混合することにより、優れた物理的強度と優れたイオン伝導性を有する固体電解質を作製でき、特に、電解質としてリチウム塩を用いる、二次電池の固体電解質に適用することで、小型化、高寿命化等といった電池の高性能化に寄与し得る、マトリックスポリマーとして好適なハイパーブランチポリマーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、分子内にスチレンユニットからなる高分岐ポリマー部位と、エチレンオキサイド単位(−OCHCH−)の繰り返し数が1〜40のポリエーテル部位とを有するハイパーブランチ型の球状高分子が、リチウム塩を電解質として用いる固体電解質のマトリックスポリマーに必要とされる、リチウム塩との優れた相溶性を示し、当該高分子及びリチウム塩を含む溶液から溶媒を除去することで得られる固体電解質が、自立膜が得られる程の優れた物理的強度と優れたイオン伝導性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
なお、本発明における「相溶性」とは、当該高分子及ぶリチウム塩を含む溶液から溶媒を除去した場合においても、これらが分離せずに均一な固体を保持できる程度の親和性のことであり、「マトリックスポリマー」とは、高分子固体電解質内の高分子支持体のことであって、高分子支持体として高分子固体電解質に対して機械特性を付与する、内包するリチウム塩を解離させる、イオン種の易動度も向上させる等の役割を担うことができる高分子化合物である。
すなわち、本発明は、
1. 式(1)

{式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R及びR2’は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基(これらアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基及び複素芳香族基は、Zで置換されていてもよい。)を示し、A1は、式(2)

〔式中、A2は、炭素数1〜20のアルキレン基(Zで置換されてもよく、エーテル基又はエステル基を含んでもよい。)を示し、Y1〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、りん酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基を示す。〕で示される2価の基を示し、Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、りん酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のチオアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基を示し、lは2〜100000の整数を示し、n及びmは、それぞれ独立して、1〜40の整数を示す。}で示されるハイパーブランチポリマー、
2. 前記n及びmが、それぞれ独立して、2〜7である1のハイパーブランチポリマー、
3. 前記Y1〜Y4が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はメトキシ基であり、前記A2がメチレン基、エチレン基、又はn-プロピレン基である1又は2のハイパーブランチポリマー、
4. 前記R及びR2’が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はフェニル基である1〜3のいずれかのハイパーブランチポリマー、
5. 1〜4のいずれかのハイパーブランチポリマーからなるマトリックスポリマー、
6. 5のマトリックスポリマーを含む固体電解質、
7. 更にリチウム塩を含む6の固体電解質、
8. 前記リチウム塩が、リチウムスルホン酸イミド塩、リチウム有機酸塩及びリチウム無機酸塩から選ばれる少なくとも1種である7の固体電解質、
9. 薄膜状である5〜8のいずれかの固体電解質、
10.5〜9のいずれかの固体電解質を有する二次電池、
11.1〜4のいずれかのハイパーブランチポリマーと、リチウム塩とを含む組成物、
12.前記リチウム塩が、リチウムスルホン酸イミド塩、リチウム有機酸塩及びリチウム無機酸塩から選ばれる少なくとも1種である11の組成物、
13.更に有機溶媒を含む11又は12の組成物、
14.固体電解質用である11〜13のいずれかの組成物、
15.13又は14の組成物から溶媒を除去する工程を有する固体電解質の製造方法、
16.式(3)で示されるとハイパーブランチポリマーと、式(4)で示されるエチレンオキサイドとを酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする1のハイパーブランチポリマーの製造方法

(式中、R及びAは、上記と同じ意味を示し、l’は、上記lと同じ意味を示し、R2”は、上記R及びR2’と同じ意味を示し、X及びX’は、ハロゲン原子を示し、kは、1〜40の整数を示す。)
を提供する。
本発明のハイパーブランチポリマーは、有機溶媒への高溶解性及びリチウム塩との高相溶性を示すことから、これをリチウム塩と共に溶解させた溶液から溶媒を除去することで、良好な物理的強度とイオン伝導性を両立した高分子固体電解質を得ることができ、特に、スピンコート法等のウェットプロセスにより成膜し薄膜化することで、抵抗値の低い固体電解質を得ることができる。
また、本発明のハイパーブランチポリマーは、デンドリマーと同様に多くの分岐構造を有しているにもかかわらず、デンドリマーよりも簡便な方法で製造できる量産品(例えば、日産化学工業(株)製ハイパーテック(登録商標)HPS−200)をその原料として採用できる等といった製造面での利点を有する。それゆえ、本発明のハイパーブラチポリマーを用いることで、高分岐ポリマーをマトリックスポリマーとして用いた固体電解質の製造プロセスの簡略化や、それに伴う低コスト化を期待できる。
合成例1で得たハイパーブランチポリマー(化合物1)のH−NMRスペクトルである。 合成例2で得たハイパーブランチポリマー(化合物2)のH−NMRスペクトルである。 合成例3で得たハイパーブランチポリマー(化合物3)のH−NMRスペクトルである。 比較合成例1で得たハイパーブランチポリマー(化合物4)のH−NMRスペクトルである。 図1〜4のH−NMRスペクトルの拡大図である(下から図1〜4の順序で記載)。 比較合成例1で得たハイパーブランチポリマー(化合物4)、原料であるハイパーブランチポリマー(化合物1)及び反応剤であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Me(PEG)OH1900)のH−NMRスペクトルである(下から、化合物1、Me(PEG)OH1900、化合物4の順序で記載)。 図6のH−NMRスペクトルの拡大図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のハイパーブランチポリマーは、下記式(1)で示される。
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。
式(1)中、R及びR2’は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基を示す。
炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、n−ヘキシル、n−デシル、n−ペンタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、上記炭素数1〜20のアルキル基の水素原子の少なくとも1つを、ハロゲン原子で置換したものが挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記ハロアルキル基の具体例としては、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−ブロモプロピル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル、3−ブロモ−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル基等が挙げられる。
炭素数4〜20のビシクロアルキル基の具体例としては、ビシクロブチル、ビシクロペンチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、ビシクロデシル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、エテニル、n−1−プロペニル、n−2−プロペニル、1−メチルエテニル、n−1−ブテニル、n−2−ブテニル、n−3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、n−1−ペンテニル、n−1−デセニル、n−1−ペンタデセニル、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基の具体例としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、エチニル、n−1−プロピニル、n−2−プロピニル、n−1−ブチニル、n−2−ブチニル、n−3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、n−1−ペンチニル、n−1−ヘキシニル、n−1−デシニル、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族基の具体例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル基等が挙げられる。
炭素数2〜20の複素芳香族基の具体例としては、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル,3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル等が挙げられる。
これらの中でも、得られる固体電解質の物理的強度とイオン伝導性のバランスを考慮すると、R及びR2’は、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更により好ましい。
なお、これらアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基及び複素芳香族基は、それぞれその中の1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、りん酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のチオアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基の置換基Zで置換されていてもよい。
炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、その中のアルキル基が直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれのものでもよく、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、c−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、c−ブトキシ、n−ペントキシ、c−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−デシルオキシ、n−ペンタデシルオキシ、n−ノナデシルオキシ、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のチオアルコキシ基(アルキルチオ基)の具体例としては、上記アルコキシ基中の酸素原子を硫黄原子に置換した基などが挙げられる。
上記チオアルコキシ基の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、c−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、c−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、c−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、n−デシルチオ、n−ペンタデシルチオ、n−ナノデシルチオ、n−エイコシルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、i−ブチリル、バレリル、i−バレリル、ピバロイル、カプロイル、エナンチル、カプリリル、ペラルゴニル、カプリル基等が挙げられる。
その他ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基及び複素芳香族基としては、上記と同様のものが挙げられる。
式(1)中、A1は、下記式(2)で示される2価の基を示す。
式(2)中、A2は、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。
炭素数1〜20のアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン(トリメチレン)、n−ブチルレン(テトラメチレン)、n−ペンチレン(ペンタメチレン)、n−デシレン(デカメチレン)、n−ペンタデシレン(ペンタデカメチレン)、n−エイコシレン(エイコサメチレン)基等が挙げられる。
なお、この炭素数1〜20のアルキレン基は、その中の1つ以上の水素原子が、置換基Zで置換されていてもよく、また、アルキレン基中の炭素間にエーテル基又はエステル基が含まれていてもよい。置換基Zとしては、上述と同様の置換基が挙げられ、エーテル基又はエステル基の数は、2つ以上含まれていてもよい。
式(2)中、Y1〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、りん酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基を示す。
このようなハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基及び複素芳香族基としては、上記と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、得られる固体電解質の物理的強度とイオン伝導性のバランスを考慮すると、Y1〜Y4は、水素原子、メチル又はエチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更により好ましい。
式(1)中、lは、繰り返し単位構造の数であり、2〜100000の整数を示す。とりわけ、得られる固体電解質の物理的強度及びイオン伝導性を向上させることを考慮すると、lは、5〜10000であることが好ましく、20〜500であることがより好ましい。
なお、例えば、式(1)で示されるハイパーブランチポリマーの合成原料として式(3)で示されるハイパーブランチポリマーを用いた場合、式(1)で示されるハイパーブランチポリマーの合成や精製操作等の際に特殊な分子量分画操作を行わない限り、合成原料となる化合物の繰り返し単位構造の数である式(3)中のl’は、式(1)中のlと同じであると想定される。
式(1)中、m及びnは、繰り返し単位構造の数であり、1〜40の整数を示し、同一でも異なっていてもよい。
とりわけ、得られる固体電解質の物理的強度及びイオン伝導性を向上させることを考慮すると、m及びnは、2〜20であること好ましく、3〜10であることより好ましく、7〜8であること更により好ましい。
本発明のハイパーブランチポリマーは、下記式(3)で示されるハイパーブランチポリマーと、下記式(4)で示されるエチレンオキサイドを塩基の存在下で反応させることで製造できる。
式中、R及びAは、上記と同じ意味を示し、l’は、上記lと同じ意味を示し、R2”は、上記R及びR2’と同じ意味を示し、X及びX’は、ハロゲン原子を示し、kは、1〜40の整数を示す。
上記反応において、式(3)で示されるハイパーブランチポリマーと、式(4)で示されるエチレンオキサイドとの仕込み量としては、ハイパーブランチポリマー1molに対し、エチレンオキサイド0.1〜20mol程度とすることができるが、1〜5mol程度が好適である。
上記反応で用いられる塩基としては、この種の反応で用いられる塩基であれば特に限定されるものではないが、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化ルビウム、水素化カルシウム等の水素化アルカリ金属及び水素化アルカリ土類金属、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機塩基を用いることができ、取扱いの容易さと反応性のバランスを考慮すると、水素化アルカリ金属が好ましく、水素化ナトリウムがより好ましい。
塩基の使用量は、エチレンオキサイド1molに対して、0.1〜20mol%程度とすることができるが、1〜5mol%程度が好適である。
上記反応においては、塩基によって式(4)で示されるエチレンオキサイドの末端の水素原子が引き抜かれ、これにより生じたアニオン化合物が、式(3)で示されるハイパーブランチポリマーのハロゲン原子(X及びX’)と置き換わることで、本発明のハイパーブランチポリマーが製造される。
X及びX’としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられるが、式(3)で示されるハイパーブランチポリマーの反応性と安定性のバランスを考慮すると、X及びX’が塩素原子である式(3)で示されるハイパーブランチポリマーが好適である。
上記反応は溶媒中で行ってもよい。溶媒を使用する場合、その種類は、反応に悪影響を及ぼさないものであれば、各種溶媒を用いることができる。
具体例としては、脂肪族炭化水素類(ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、デカリン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素類(クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ラクタム及びラクトン類(N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等)、尿素類(N,N−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)などが挙げられ、これは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
反応温度は、用いる溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、効率的に反応を進行させることを考慮すると、0〜200℃程度が好ましく、20〜150℃がより好ましい。
反応終了後は、常法に従って後処理をし、目的とするハイパーブランチポリマーを得ることができる。
なお、原料化合物である上記式(3)で示されるハイパーブランチポリマーは、例えば、式(5)で示される化合物を塩化スルフリルなどのハロゲン化剤でハロゲン化することで製造できる。

(式中、R、X、X’及びAは、上記と同じ意味を示し、l”は、上記l’と同じ意味を示す。)
式(5)で示されるジチオカルバメート基を分子末端に有するハイパーブランチポリマーは、市販品を用いることができる。このような市販品としては、日産化学工業(株)製のハイパーテック(登録商標)HPS−200等が好適である。
式(3)で示されるハイパーブランチポリマーを得るための式(5)で示されるジチオカルバメート化合物を原料としたリビングラジカル重合は、Macromolecules Vol.35,No.9,3781−3784(2002)、Macromolecules Vol.36,No.10,3505−3510(2002)、国際公開第2008/029688号パンフレット等に記載の手順を参照して行なうことができる。
なお、上記説明では、合成原料として式(3)で示されるハイパーブランチポリマーを用いた本発明のハイパーブランチポリマーの合成法及び当該原料であるハイパーブランチポリマーの合成方法などに関して詳細に述べたが、これは、本発明の式(1)で示されるハイパーブランチポリマーの合成原料が、式(3)で示されるハイパーブランチポリマーに限定されることを意味するわけではない。
以上説明した本発明のハイパーブランチポリマーは、有機溶媒への高溶解性及びリチウム塩との高相溶性を示し、当該ハイパーブランチポリマー及びリチウム塩を含む溶液から溶媒を除去して得られる固体電解質は優れたイオン伝導性を有することから、リチウム塩を電解質として用いる二次電池の固体電解質のマトリックスポリマーとして好適に用いることができる。
次に、本発明のハイパーブランチポリマーをマトリックスポリマーとして含む固体電解質を与える、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、本発明のハイパーブランチポリマーとリチウム塩とを含む。
このようなリチウム塩としては、リチウム電池やリチウムイオン電池の電解液に一般的に用いられる塩であれば特に限定されないが、例えば、リチウムスルホン酸イミド塩、リチウム有機酸塩、リチウム無機酸塩等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
リチウムスルホン酸イミド塩の具体例としては、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)等が挙げられる。
リチウム有機酸塩の具体例としては、トリフルオロメメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム(LiCSO)等が挙げられる。
リチウム無機酸塩の具体例としては、過塩素酸リチウム(LiClO)ヘキサフルオロヒ酸リチウム (LiAsF)、ヘキサフルオロアンリモン酸リチウム(LiSbF6)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiCBO)等が挙げられる。
これらの中でも、リチウム塩の入手容易性、得られる固体電解質の物理的強度及びイオン伝導性のバランスを考慮すると、リチウムスルホン酸イミド塩が好ましく、LiN(SOCFがより好ましい。
本発明の組成物に含まれるハイパーブランチポリマーとリチウム塩の質量比は、特に限定されるものでないが、通常、ハイパーブランチポリマー1に対し、リチウム塩0.01〜1程度とすることができるが、得られる固体電解質のイオン伝導性を向上させることを考慮すると、0.1〜0.6程度が好ましく、0.3〜0.5程度がより好ましい。
本発明の組成物は、本発明のハイパーブランチポリマーとリチウム塩を混合することで得ることができる。
混合方法としては、例えば、乳鉢やビーカーといった適当な容器にハイパーブランチポリマーとリチウム塩を入れ、乳棒やガラス棒などの器具を用いて十分に混合する方法が採用できる。この際、混合物の均一性をより向上させることを目的として、化合物が分解しない範囲内の温度で加熱してもよい。
このように混合して得られた組成物は、そのまま固体電解質として用いることができ、また、有機溶媒に溶解させて、後述の方法に従い、イオン伝導性がより向上した電解質の製造に供してもよい。
本発明の組成物は、得られる固体電解質のイオン伝導性の均一化や向上させること、物理的強度を向上させること等を考慮すると、有機溶媒を含むことが好ましい。
このような組成物は、例えば、ハイパーブランチポリマー及びリチウム塩の混合物である上記組成物を有機溶媒に溶解させたり、有機溶媒にハイパーブランチポリマーとリチウム塩を別々に溶解させたりすることで得ることができ、また、ハイパーブランチポリマーが溶解した溶液と、リチウム塩が溶解した溶液とを混合しても得ることができる。
用いる有機溶媒としては、ハイパーブランチポリマーとリチウム塩を良好に溶解し、これらと反応をしない溶媒であれば特に限定はされるものではないが、具体例としては、脂肪族炭化水素類(ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、デカリン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素類(クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(エチルアセテート、n−ブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ラクタム及びラクトン類(N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等)、尿素類(N,N−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類が好ましく、ケトン類がより好ましく、メチルイソブチルケトンが更により好ましい。
組成物に溶媒が含まれる場合、溶媒と固形分(ハイパーブランチポリマー及びリチウム塩)との質量比は、特に限定されるものではないが、通常、溶媒1に対し、固形分0.01〜1程度とすることができ、得られる固体電解質のイオン伝導性を考慮すると、0.05〜0.5が好ましく、0.07〜0.2がより好ましい。
有機溶媒を含んだ組成物を用いて固体電解質を作製する際、その成形法としては、例えば、組成物を適当な容器に流し込む方法や組成物を基材に塗布して薄膜とする方法を採用することができる。
このような容器としては、溶媒を除去した後に固体電解質を取り出すことにより所望の形状を与えるものを使用すればよく、その材質も組成物と反応しない限り、特に限定されるものではない。
また、組成物の基材への塗布方法は、電解質の厚さと抵抗値のバランスを考慮し、ドロップキャスト法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等といった各種ウェットプロセス法の中から適したものを採用すればよい。
有機溶媒を含んだ組成物から溶媒を除去して固体電解質を得る場合、必要であればホットプレートやオーブン等の加熱装置を用い、大気中(常圧)、窒素等の不活性ガス中または真空下等の適切な雰囲気下で溶媒を蒸発させる。
加熱温度して溶媒を除去する場合、加熱温度及び加熱時間は、用いる溶媒を沸点に応じて適宜決定されるが、ハイパーブランチポリマー及びリチウム塩の分解を防止すること、溶媒を十分に取り除くこと等を考慮すると、加熱温度は、80℃〜150℃であることが好ましく、90℃〜110℃であることがより好ましい。また、同様のことを考慮すると、加熱時間は、常圧下で溶媒を蒸発させる場合は、6時間以内であることが好ましく、より3時間以内であることがより好ましく、真空下で溶媒を蒸発させる場合は、24時間以内であることが好ましく、15時間以内であることがより好ましい。
その他、本発明の組成物は、固体電解質の物理的強度やイオン伝導性の向上、固形分の混合状態の均一性の向上、組成物の粘度の調整等を目的として、得られる固体電解質のイオン伝導性や自己支持性を大きく損なわない範囲内で、リチウム二次電池で使用可能な酸化物系固体電解質や硫化物系固体電解質等の無機系固体電解質の粒子、他の直鎖ポリマー等を含めてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
無機系固体電解質としては、Liabcde(XはB、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeよりなる群から選択される少なくとも1種であり、YはTi、Zr、Ge、In、Ga、Sn及びAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、a〜eは、0.5<a<5.0、0≦b<2.98、0.5≦c<3.0、0.02<d≦3.0、2.0<b+d<4.0、3.0<e≦12.0の関係を満たす)で示されるナシコン型構造を有する酸化物系固体電解質、Li3xLa2/3−x1/3−2xTiO (□は欠陥サイトを示す。)で示されるペロブスカイト型構造を有する酸化物系固体電解質、Li3+xyz2-vv12(AはCa、Sr、Ba、Mg、Znよりなる群から選択される少なくとも1種であり、Gは、La、Y、Pr、Nd、Sm、Lu及びEuによりなる群から選択される少なくとも1種であり、Mは、Zr、Nb、Ta、Bi、Te及びSbよりなる群から選択される少なくとも1種であり、BはInであり、v〜zは、0≦v≦2、0≦x≦5、0≦y≦3、0≦z≦3の関係を満たし、Oは部分的に又は全て二価アニオン及び/又は三価のアニオン(例えばN3−)と交換されていてもよい。)で示されるガーネット型構造を有する酸化物系固体電解質、Li2S−P25、Li2S−SiS2、Li3.250.25Ge0.764、Li4-xGe1-xx4、Li7311、Li2S−SiS2−Li3PO4ガラス等の硫化物系固体電解質粒子等が挙げられる。
他の直鎖ポリマーとしては、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレンオキサイドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、使用した試薬の略号の以下のとおりである。
[溶媒]
IPA:イソプロピルアルコール(関東化学(株)製)
シクロヘキセン(東京化成工業(株)製)
THF:テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)
MIBK:メチルイソブチルケトン (純正化学(株)製)
[試薬]
HPS:ハイパーブランチポリスチレン[日産化学工業(株)製 ハイパーテック(登録商標)HPS−200]
NaH:水素化ナトリウム(和光純薬社製)
LiTFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学(株)製)
TEGMME:テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株)製)
Me(PEG)OH350:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mn:350)(Alfa Aesar社製)
Me(PEG)OH1900:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mn:1900)(Alfa Aesar社製)
PEG200:ポリエチレングリコール200(平均分子量:200)(純正化学(株)製)
PEG600:ポリエチレングリコール600(平均分子量:600)(純正化学(株)製)
PEG1500:ポリエチレングリコール1500(平均分子量:1500)(純正化学(株)製)
PEG35000:ポリ(エチレングリコール)(average Mn 35,000)(ALDRICH製)
PEO100000:ポリ(エチレンオキサイド)(average Mn 100,000)(ALDRICH製)
[合成例1]HPS−Cl(化合物1)の合成

20Lの反応容器に、塩化スルフリル(キシダ化学(株)製)1.28kg(9.50mol、後述のHPSのジチオカルバメート基(以下、DC基とする)に対して3.6当量)及びクロロホルム(関東化学)2.35kgを仕込み、撹拌して均一に溶解させた。この溶液を窒素気流下0℃まで冷却した。別の10Lの反応容器に、DC基を分子末端に有するハイパーブランチポリマーであるHPS 700g(DC基として2.64mol)及びクロロホルム7.00kgを仕込み、窒素気流下均一になるまで撹拌した。この溶液を、前記20Lの反応容器に備え付けた3Lの分液ロートに、窒素気流下ポンプで転送した。前述の0℃に冷却されている塩化スルフリル/クロロホルム溶液中に、窒素気流下、前記3Lの分液ロートに転送したHPS/クロロホルム溶液を、反応液の温度が−5±5℃となるように60分間かけて加えた。添加終了後、反応液の温度を−5±5℃に保持しながら6時間撹拌した。さらにこの反応液へ、シクロヘキセン(東京化成工業(株)製)0.78kg(9.50mol、塩化スルフリルに対し1.0当量)をクロロホルム2.35kgに溶かした溶液を、反応液の温度が−5±5℃となるように加えた。添加後、この反応液をIPA46.7kgに添加してポリマーを沈殿させた。この沈殿をろ取して得られた白色粉末を、IPA5.25kgで洗浄し、40℃で真空乾燥して、塩素原子を分子末端に有するハイパーブランチポリマー(化合物1)399gを白色粉末として得た。
得られたHPS−ClのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは14,000(分散度Mw/Mn 2.9)であった。なお、HPS−Clの重量平均繰り返し構造単位数lは92と算出できる。H−NMRの測定結果を図1に示す。
[合成例2]化合物2の合成
3つ口フラスコ(1L)に滴下ロートと水冷管を備え付け、攪拌子を入れた。NaH(9.6g、240mmol)とTHF(50g)をフラスコに順次加えた後、系中を窒素置換した。THF(80g)にTEGMME(49.3g、300mmol)を溶かした溶液を滴下ロートから10分かけて加え、THF(20g)で滴下ロートの壁付きを洗い入れた。30分間攪拌した後、THF(40g)に化合物1(30.4g、200mmol)を溶かした溶液を滴下ロートから5分かけて加え、THF(10g)で滴下ロートの壁付きを洗い入れた。反応溶液の温度を50℃まで加熱し、16時間攪拌した。
反応後、室温まで冷却し、カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC60、展開溶媒THF)で精製した。精製後得られた溶液の溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。化合物2は無色透明の液体として得た(得量38.2g、得率69%)。H−NMRの測定結果を図2に示す。
図1,2及び5に示されるように、ハイパーブランチポリマー中に存在するメチレン基の水素に帰属されるピークが、4.52ppmから4.42ppmへシフトしている。この結果から、メチレン基に結合していた塩素原子が、エチレンオキサイドからの酸素原子に置き換わっていることがわかる。
[合成例3]化合物3の合成
3つ口フラスコ(1L)に滴下ロートと水冷管を備え付け、攪拌子を入れた。NaH(0.96g、24mmol)とTHF(50g)をフラスコに順次加えた後、系中を窒素置換した。THF(80g)にMe(PEG)OH350(52.5g、30mmol)を溶かした溶液を滴下ロートから10分かけて加え、THF(20g)で滴下ロートの壁付きを洗い入れた。30分間攪拌した後、THF(40g)に製造例1の方法で合成した化合物1(3.04g、20mmol)を溶かした溶液を滴下ロートから5分かけて加え、THF(10g)で滴下ロートの壁付きを洗い入れた。反応溶液の温度を50℃まで加熱し、16時間攪拌した。
反応後、室温まで冷却し、カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC60、展開溶媒THFで精製した。精製後得られた溶液の溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。化合物3を無色透明のゼリー状として得た(得量6.7g、得率72%)。H−NMRの測定結果を図3に示す。
図1,3及び5に示されるように、ハイパーブランチポリマー中に存在するメチレン基のプロトンに帰属されるピークが、4.52ppmから4.40ppmへシフトしている。この結果から、メチレン基に結合していた塩素原子が、エチレンオキサイドからの酸素原子に置き換わっていることがわかる。
[比較合成例1]化合物4の合成
3つ口フラスコ(1L)に滴下ロートと水冷管を備え付け、攪拌子を入れた。NaH(0.48g、12mmol)とTHF(25g)をフラスコに順次加えた後、系中を窒素置換した。THF(40g)にMe(PEG)OH1900(28.5g、15mmol)を溶かした溶液を滴下ロートから10分かけて加え、THF(10g)で滴下ロートの壁付きを洗い入れた。30分間攪拌した後、THF(20g)に化合物1(1.52g、10mmol)を溶かした溶液を滴下ロートから5分かけて加え、THF(5g)で滴下ロートの壁付きを洗い入れた。反応溶液の温度を50℃まで加熱し、16時間攪拌した。
反応後、室温まで冷却し、カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC60、展開溶媒THF)で精製した。精製後得られた溶液の溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。化合物4を黄色の固体として得た(得量11.5g、得率57%)。H−NMRの測定結果を図2に示す。
図1,4及び5に示されるように、ハイパーブランチポリマー中に存在するメチレン基のプロトンに帰属されるピークが、4.52ppmから4.40ppm付近へシフトしており、また、図6及び7に示されるように、化合物4のH−NMR測定では、反応剤であるMe(PEG)OH1900のヒドロキシル基のプロトンに帰属されるピーク(2.17ppm)は観測されなかった。これらの結果から、メチレン基に結合していた塩素原子が、エチレンオキサイドからの酸素原子に置き換わっていることがわかる。
[実施例1]
〔固体電解質の作製〕
MIBK10.05gと化合物2 1.75gをナス型フラスコに投入し、80℃で30分間撹拌・溶解した。
この溶液にLiTFSI0.75gを加え、更に80℃で30分間撹拌?溶解した。
得られた溶液を、常圧下にて、PFAシャーレ(φ50×φ55×10×13)に注ぎ入れ、これをホットプレート上で100℃3時間加熱し、その後、乾燥器にサンプルを移送し、100℃真空下にて、15時間乾燥した。乾燥終了後、サンプルをアルゴン雰囲気下のグローブボックス内に移送した。
PFAシャーレ上の膜は、自立膜として剥がし取ることができた。
〔イオン伝導性の評価〕
剥がし取った膜から1cm×1cmの小片を切り出し、この小片を2枚のアルミニウム電極の間に挟み合わせた。これをグローブボックスから取り出し、室温(25℃)、アルゴン雰囲気下で交流インピーダンス法を用いた。なお、イオン伝導度は下記式のように定義される。
[イオン伝導度(S/cm)]=1/(R×s)×l
式(1)において、Rは高分子固体電解質の抵抗値、sは高分子固体電解質の断面積(cm)、lは高分子固体電解質膜の膜厚(cm)を示す。抵抗値は交流インピーダンス法(測定装置:PARSTAT〔登録商標〕2273 Advanced Electrochemical System、Princeton Applied Resurch社製)で測定し、膜厚の測定にはマイクロメーター(クイックマイクロMDQ−30、株式会社ミツトヨ製)を用いた。抵抗値は、4100Ω、膜厚は0.074cmであった。
[実施例2]
化合物2の代わりに化合物3を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製及びイオン伝導度の測定を行った。
なお、得られたPFAシャーレ上の膜は、実施例1の場合と同様、自立膜として剥がし取ることができた。イオン伝導度測定は実施例1と同様の方法を用い、抵抗値は2400Ω、膜厚は0.056cmであった。
[比較例1]
化合物2の代わりに化合物4を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製を試みた。しかし、真空乾燥が終了した後も混合物は液状のままであり、固体電解質を作製できなかった。
[比較例2]
化合物2の代わりに化合物1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製を試みた。しかし、得られた固体には全く柔軟性がなく、固体電解質膜を作製することができなかった。
[比較例3〜6]
化合物2の代わりに、それぞれ、各分子量のポリエーテル化合物(PEG200,PEG1500,PEG35000,PEO100000)1.14gを用い、LiTFSIの使用量を0.50gとした以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製を試みた。しかし、真空乾燥が終了した後も混合物は液状のままであり、固体電解質膜を作製できなかった。
[比較例7,8]
化合物2の代わりに、それぞれ、化合物1 1.58gとPEG200 0.20g、化合物1 0.88gとPEG200 0.88gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製を試みた。しかし、真空乾燥が終了した後、膜が液相と固相に分離し、固体電解質膜を作製できなかった。
[比較例9,10]
化合物2の代わりに、それぞれ、化合物1 1.58gとPEG600 0.18g、化合物1 0.88gとPEG600 0.88gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製を試みた。しかし、真空乾燥が終了した後、膜が液相と固相に分離し、固体電解質膜を作製できなかった。
[比較例11,12]
化合物2の代わりに、それぞれ、化合物1 1.58gとPEG1500 0.19g、化合物1 0.89gとPEG1500 0.88gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解質の作製を試みた。しかし、真空乾燥が終了した後、膜が液相と固相に分離し、固体電解質膜を作製できなかった。
表1に、固体電解質の作製の可否及びイオン伝導度の測定結果測定結果に示す。なお、表1中、固形分比とは、固形分の全体量(ポリマーとLiTFSIの総量)に対する各添加物の質量比(%) を意味する。
末端にユニット数が4又は7〜8のエチレンオキサイド鎖を有するハイパーブランチポリマー(化合物2又は3)とLiTFSIを含む固体電解質は、自立膜として採取できるほどの物理的強度があり、これらポリマーをマトリックスポリマーとして用いた固体電解質が作製できることが示唆された(実施例1及び2)。
一方、化合物1(化合物2〜4の原料物質)をマトリックスポリマーとして用いた場合、溶媒を除去して得られる混合物は脆く、自立膜として採取できるほどの物理的強度を有していなかった(比較例2)。また、末端により長いエチレンオキサイド鎖(ユニット数42〜43)を有するハイパーブランチポリマーである化合物4は、LiTFSIと混合することで液状化してしまい、化合物4を含む固体電解質を作製できず(比較例1)、同様に、直鎖PEGを用いた場合も、PEGと塩との混合物が液状化してしまい、これらのポリマーを含む固体電解質は作製できなかった(比較例3〜6)。
そして、化合物1と直鎖PEGを混合してマトリックスポリマーとして用いた場合は、真空乾燥終了後に混合物が液体と固体に分離してしまい、固体電解質を得ることができなかった(比較例7〜12)。
これらの結果から、化合物2及び3が、マトリックスポリマーとして好適であることがわかる。
[実施例3]
〔薄膜固体電解質の作製及び抵抗測定〕
MIBK17.47gと化合物2 0.38gをスクリュー管に投入し、室温で30分間撹拌・溶解した。
この溶液にLiTFSI 0.16gを加え、更に室温で30分間撹拌?溶解した。
得られた溶液を、常圧下にて、2mm幅(面積0.04cm)でITOを蒸着させたガラス基板にスピンコートで塗布(スピンコート条件500rpm5秒+2000rpm20秒)、これをホットプレート上で100℃10分間加熱し、その後、乾燥器にサンプルを移送し、100℃真空下にて、1時間乾燥した。得られた薄膜は、幅2mmでアルミニウムを2b×10−4Paで蒸着することで高分子固体電解質薄膜の抵抗測定用セル(セル1)とした。
スピンコートで薄膜を作製しない以外は上記と同様の方法でセルを作製し、これをセル単独の抵抗測定用セル(セル2)とした。
セル1、及びセル2の抵抗は実施例1と同様の方法で実施した。このようにして得られたセル1の抵抗値とセル2の抵抗値の差を高分子固体電解質の抵抗値とした。このようにして得られた高分子固体電解質の抵抗値は、50.6Ω(想定膜厚300nm)であった。
高分子固体電解質の中でも良好なリチウムイオン伝導性を有する化合物を用いた非特許文献2の薄膜固体電解質の抵抗値は、非特許文献2に記載の伝導度及び膜厚から、30℃において2×10Ω(断面積が上記セル1と同様に0.04cmの場合)と算出される。本発明の組成物から得られる薄膜の抵抗値はその1/30以下であり、極めて低いことがわかる。
これらの結果から、本発明の組成物を用いることで、良好なリチウムイオン伝導性を有する既知の高分子化合物を用いた場合と比較しても、より高いイオン伝導性を有する薄膜を製造することができることがわかる。
本発明の組成物から得られる薄膜固体電解質を用いることで、リチウム塩を電解質として用いる二次電池の小型化や軽量化と共に、内部抵抗の低減によるサイクル特性やレート特性の向上が期待できる。

Claims (16)

  1. 式(1)

    {式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R及びR2’は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基(これらアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基及び複素芳香族基は、Zで置換されていてもよい。)を示し、A1は、式(2)

    〔式中、A2は、炭素数1〜20のアルキレン基(Zで置換されてもよく、エーテル基又はエステル基を含んでもよい。)を示し、Y1〜Y4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、りん酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基を示す。〕で示される2価の基を示し、Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、りん酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のチオアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20のビシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数2〜20の複素芳香族基を示し、lは2〜100000の整数を示し、n及びmは、それぞれ独立して、1〜40の整数を示す。}で示されるハイパーブランチポリマー。
  2. 前記n及びmが、それぞれ独立して、2〜7である請求項1に記載のハイパーブランチポリマー。
  3. 前記Y1〜Y4が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はメトキシ基であり、前記A2がメチレン基、エチレン基、又はn-プロピレン基である請求項1又は2に記載のハイパーブランチポリマー。
  4. 前記R及びR2’が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はフェニル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイパーブランチポリマー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイパーブランチポリマーからなるマトリックスポリマー。
  6. 請求項5に記載のマトリックスポリマーを含む固体電解質。
  7. 更にリチウム塩を含む請求項6に記載の固体電解質。
  8. 前記リチウム塩が、リチウムスルホン酸イミド塩、リチウム有機酸塩及びリチウム無機酸塩から選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の固体電解質。
  9. 薄膜状である請求項5〜8のいずれか1項に記載の固体電解質。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の固体電解質を有する二次電池。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイパーブランチポリマーと、リチウム塩とを含む組成物。
  12. 前記リチウム塩が、リチウムスルホン酸イミド塩、リチウム有機酸塩及びリチウム無機酸塩から選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の組成物。
  13. 更に有機溶媒を含む請求項11又は12に記載の組成物。
  14. 固体電解質用である請求項11〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 請求項13又は14に記載の組成物から溶媒を除去する工程を有する固体電解質の製造方法。
  16. 式(3)で示されるとハイパーブランチポリマーと、式(4)で示されるエチレンオキサイドとを酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする請求項1に記載のハイパーブランチポリマーの製造方法。

    (式中、R及びAは、上記と同じ意味を示し、l’は、上記lと同じ意味を示し、R2”は、上記R及びR2’と同じ意味を示し、X及びX’は、ハロゲン原子を示し、kは、1〜40の整数を示す。)


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