JP2018043927A - 疎水性シリカエアロゲル粒子の水分散液並びに固体複合材料、断熱材及び吸音材 - Google Patents

疎水性シリカエアロゲル粒子の水分散液並びに固体複合材料、断熱材及び吸音材 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリカエアロゲルを水性分散媒中に均一且つ安定的に分散することができ、室温又は加熱下で長時間放置しても分散媒のチキソトロピー性や高粘度が維持される安定なシリカエアロゲル粒子の水分散液及びそれを乾燥して得られる固体複合体の提供。【解決手段】 本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液は、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤と水を含む分散媒にシリカエアロゲル粒子を分散させて得られる。そして、固体複合体は、本発明の前記シリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥して形成される断熱性、吸音性に優れる強度の強い固体複合体である。【選択図】 図2

Description

本発明は、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤と水を含む分散媒にシリカエアロゲル粒子を分散させて得られるシリカエアロゲル粒子の水分散液並びに前記シリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した固体複合材料、断熱材及び吸音材に関する。
粉末状又は粒子状シリカエアロゲルはシート状と比べはるかに安いため、断熱材への利用は熱い注目を集めている。
特許文献1にはシリカエアロゲル粒子と平均繊維径が1μm未満の有機繊維とを含有する水分散液を用いた断熱材の製造方法も開示されている。特許文献1では、セルロース微細繊維を含有する水分散液に疎水化エアロゲル粒子を加えディスパーで3分間攪拌を行うことによりエアロゲル粒子と有機繊維とを含有する水分散液を得たことが記載されている。
また、特許文献2に、シリカエアロゲル、水熱反応により結晶を形成できるセラミックス原料液、界面活性剤及び補強繊維を含有する溶液とそれを用いた断熱材の製造方法が開示されている。
また、特許文献3は、疎水化シリカエアロゲル粉末、溶融状態での溶解度パラメータが11である熱硬化性樹脂粉末と界面活性剤を混合した後、接着剤を硬化させることによって、複数のエアロゲル粒子を接着剤で結合することを特徴とする断熱材の製造方法を開示した。
しかしながら、上記先行技術文献で開示された方法でシリカエアロゲル粒子を含む断熱材を作製したとしても、粒子自体が脆いものであるため、成形物の強度は低くなり、割れたり壊れたりしやすいものとなってしまう。さらに粒子の脱落により粉塵が発生する虞がある。これらの問題を抑えるために、接着剤を増加することが考えられるが、多量の接着剤が粒子間を埋めたり、粒子内の細孔を染み込んだりするため、得られる断熱材の断熱性能が低下する虞がある。また、エポキシ等の熱硬化性樹脂を用いた場合、得られた複合材料は固くて曲げられないため複雑の断熱面には対応できない。
特開2014−35044号公報 国際公開第2013/141189号 特表2012−525290号公報
シリカエアロゲルを水性分散媒中に均一且つ安定的に分散することができ、室温又は加熱下で長時間放置しても分散媒のチキソトロピー性や高粘度が維持される安定なシリカエアロゲル粒子の水分散液を提供するとともに、前記シリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥してもシリカエアロゲル粒子が収縮せず、形成される固体複合体が断熱性、吸音性に優れる強度の強い固体複合体を提供する。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーと水溶性非イオン界面活性剤を含む水溶液にシリカエアロゲル粒子を加え、大きなエネルギーを必要とせず、マイルドな撹拌によりシリカエアロゲル粒子を分散媒に分散できる方法を見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
〔1〕 陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤と水を含む分散媒にシリカエアロゲル粒子を分散させて得られるシリカエアロゲル粒子の水分散液。
〔2〕 前記水溶性非イオン界面活性剤が、下記式(1)若しくは(2)で表されるエーテル型非イオン界面活性剤、又は下記式(3)で表される炭素数4以上の両親媒性アルコールの少なくとも一種以上である前記〔1〕に記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
R1−O−(CH−CH−O)−R2 (1)
R1−O−(CH2−CH2−CH2−O)−R2 (2)
(式(1)及び式(2)中、R1は水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数10以下のアルケニル基、R2は炭素数3〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数10以下のアルケニル基、nは1〜20)
HO−R3 (3)
(式(3)中、R3は4〜7のアルキル基)
〔3〕 前記有機ナノファイバーの陰イオン性官能基が、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩、リン酸基及びリン酸基の塩並びに硫酸エステル基及び硫酸エステル基の塩の少なくとも一つ以上の基である前記〔1〕又は〔2〕に記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
〔4〕 前記シリカエアロゲル粒子の水分散液が、さらに無修飾セルロースナノファイバー、無修飾キチンナノファイバー及び無修飾アラミドナノファイバーの少なくとも一つ以上を含む前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
〔5〕 前記シリカエアロゲル粒子の水分散液が、さらに水溶性樹脂を含む前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した固体複合材料。
〔7〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した断熱材。
〔8〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した吸音材。
本発明は、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤及と水を含む分散媒を用いることにより、疎水性シリカエアロゲル粒子の表面を濡らして粒子を分散させるが、分散媒がシリカエアロゲルの細孔内に侵入しないため、乾燥後にエアロゲルの細孔収縮問題が避けられる。さらに、乾燥後シリカエアロゲルは陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーが形成されたネットワークに取り込まれ、強くて断熱性や吸音性を持つ複合体を作製することができる。さらに、本発明の分散媒を使用すれば、大きいエネルギーを必要とせず、シリカエアロゲル粒子を効率よく均一に分散することができる。
実施例1で作製したシリカエアロゲル粒子の分散液の写真 実施例1で作製したシリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体 の光学顕微鏡写真(200倍) 実施例1で作製したシリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体と耐水性試験の写真 実施例2で作製したシリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の光学顕微鏡写真(左200倍、右400倍) 実施例5で作製したシリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の光学顕微鏡写真(100倍) 比較例2で作製したシリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の写真 比較例3で作製したシリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の写真 比較例3で作製した複合体を水に入れた6時間後の様子
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液は、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤と水を含む分散媒にシリカエアロゲル粒子を分散させて得られるシリカエアロゲル粒子の水分散液である
本発明に用いる陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーは、特に限定しないが、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩、リン酸基及びリン酸基の塩並びに硫酸エステル基及び硫酸エステル基の塩等の陰イオン性官能基有する有機ナノファイバーが挙げられる。さらに、カルボキシル基の塩、リン酸基の塩及び硫酸エステル基の塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩等であればよい。
本発明に用いる陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーとしては、変性又は修飾により表面に陰イオン性官能基を持たせるセルロースナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー等の天然多糖類ナノファイバー、及び寒天、ゼラチン、ヒアルロン酸、CMCとポリアクリル酸等のカルボキシル基を持つポリマーから天然形成又は人工加工により得られる有機ナノファイバーを例示できるが、その中でも、変性又は修飾により表面に陰イオン性官能基を持たせるセルロースナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー等の天然多糖類ナノファイバーは結晶化度が高くてチキソトロピー性や粘度が高いためより好ましい。
有機ナノファイバーの結晶化度は、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。結晶化度の高い有機ナノファイバーはチキソロトピー性と粘度が高いため、エアロゲル粒子が取り込まれるミセルを安定化させることができ、乾燥した複合体は丈夫で耐水性が優れたため好ましい。
本発明に用いる陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの最も好ましい有機ナノファイバーは、変性又は修飾により表面に陰イオン性官能基を持たせるセルロースナノファイバー及びキチンナノファイバーである。
前記陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーのイオン官能基としては、特に、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩、リン酸基及びリン酸基の塩並びに硫酸エステル基及び硫酸エステル基の塩の少なくとも一つ以上の基であることが好ましい。
そして、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの特に好ましいものを具体的例示すると、前記カルボキシル基又はカルボキシル基の塩を陰イオン性官能基として持つ有機ナノファイバーTEMPO酸化セルロースナノファイバー及びカルボキシメチル基を持つセルロースナノファイバーを挙げることができる。
さらに、前記硫酸基又は硫酸エステル基の塩を持つ陰イオン性官能基として有機ナノファイバーも特に好ましい陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーであり、硫酸エステル基の塩としては、硫酸エステル化セルロースナノファイバーのナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩基の少なくとも一つ以上の硫酸エステル基の塩を挙げることができる。
また、有機ナノファイバーの表面の陰イオン性官能基の置換度は、大きい程有機ナノファイバーの水和性が高いため、分散媒の粘度やチキソトロピー性を向上する効果が高くなる。従って、有機ナノファイバーの表面の陰イオン性官能基の平均置換度が0.10〜1.00であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.95であり、さらに好ましくは0.20〜0.90である。0.1以下になると増粘効果や非イオンエーテル型界面活性剤との相互作用が低くなる。一方、1.0以上になるとナノファイバーの結晶化度が低下し、チキソトロピー性が低下したり、繊維状が崩れたりすることにより増粘効果の低下や乾燥後の複合化材の強度が低下したりする恐れがある。
陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの平均繊維径は、2〜500nmであることが好ましく、より好ましくは5〜300nm、さらに好ましくは10〜200nmである。2nm以下になるとナノファイバーの製造コストが高くなるとともに耐熱性が低下する。また、結晶化度が低下する恐れがある。一方、500nm以上になると表面積が小さくなり、チキソトロピー性が失う恐れがある。さらに、繊維径が大きくなると表面積が小さくなるためナノファイバーネットワークの中にシリカエアロゲル粒子を取り込んで固定化することができなくなるため、乾燥後の複合材が脆くなったり、シリカエアロゲル粒子の脱落により粉塵が発生したりする恐れがある。
さらに、有機ナノファイバーの平均繊維長は、0.2〜50μmが好ましく、より好ましくは0.3〜35μm、さらに好ましくは0.5〜30μm、最も好ましくは1.0〜20μmである。繊維長が小さすぎるとネットワークが弱くなる。
本発明の分散媒は、水溶性非イオン界面活性剤を含んでいる。
本発明において前記水溶性非イオン界面活性剤には、水と完全混合しない溶解度の低いものであっても、分散媒にしたときに水に溶解する親水性非イオン界面活性剤を含む。
前記水溶性非イオン界面活性剤は、特に限定しないが、エチレングリコール又はポリエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレン又はポリプロピレングリコールアルキルエーテル、グリセリン又はポリグリセリンエーテル、アルキルグリコシド等のエテール型水溶性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の水溶性エステル型界面活性剤を用いることができる。その中でも水溶性に優れた非イオンエーテル型界面活性剤である下記式(1)又は(2)で表されるエーテル型非イオン界面活性剤が好ましい。
R1−O−(CH−CH−O)−R2 (1)
R1−O−(CH2−CH2−CH2−O)−R2 (2)
(式(1)及び式(2)中、R1は水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数10以下のアルケニル基、R2は炭素数3〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数10以下のアルケニル基、nは1〜20)
さらに、前記水溶性非イオン界面活性剤は、下記式(3)で表される炭素数4〜7の両親媒性アルコールの少なくとも一種以上であることが好ましい。
HO−R3 (3)
(式(3)中、R3は炭素数4〜7のアルキル基)
極性の高い炭素数3以下のメタノール、エタノール及び2−プロパノール又はイソブチルアルコールは、界面活性剤としての働きが弱くなり、疎水性のシリカエアロゲルになじみにくいため、少量(例えば15%以下)を添加しても疎水性のシリカエアロゲルを分散することができず、大量(例えば15%以上)を添加すると分散媒はシリカエアロゲルの細孔内に侵入し、乾燥後シリカエアロゲルが激しく収縮するため好ましくない。炭素数8以上のアルコールは、水に溶けにくいか溶けないため均一なシリカエアロゲル分散体を得られないため好ましくない。
式(1)若しくは式(2)に示す水溶性の非イオンエーテル型界面活性剤又は式(3)に示す両親媒性アルコールを用いることで疎水性のシリカエアロゲル粒子は集合体で分散媒に分散するため特に好ましい。このような分散液を乾燥した後シリカエアロゲル粒子は集合体のままで陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーのネットワークに取り込まれたため有機ナノファイバーの含有量が少なくてシリカエアロゲルは収縮又は脱落しないため強くて断熱性や吸音性に優れた複合体が得られる。
更に、水溶性の非イオンエーテル型界面活性剤及び/又は炭素数4以上の両親媒性アルコールは、エステル型の疎水性の非イオン界面活性剤と併用することもできる。
分散液を乾燥して複合材を作製することを考えると、沸点300℃以下の界面活性剤が好ましい。界面活性剤の沸点が高すぎると蒸発し難く、乾燥して複合材に成形する場合、複合体内に界面活性剤が残留するため複合体の耐熱性を低下する虞があるため好ましくない。
上記式(1)及び(2)で表されるエーテル型非イオン界面活性剤の中でも、R1、R2の炭素数が少なく、nも小さい沸点300℃以下のエーテル型非イオン界面活性剤が好ましい。
沸点300℃以下のエーテル型非イオン界面活性剤を例示すると、エチレングリコールモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテルの群から選ばれた少なくとも一種以上である。
上記式(3)で表される両親媒性アルコールは、式(3)中のR3の炭素数が4〜7の親水性アルキルアルコールが好ましく、例示すると、1ーブタノール(nーブチルアルコール、ノルマルブタノール)、2−メチル−1−プロパノール(イソブチルアルコール)、2−ブタノール(sec−ブチルアルコール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコール)、ペンタノールの全ての異性体、ヘキサノールの全ての異性体、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノールの群から選ばれる少なくとも一種以上である。
本発明で用いられるシリカエアロゲルは、好ましくは表面に疎水基を有する、疎水性エアロゲルである。具体的には、粒子表面に、下記式で表わされる3置換シリル基が結合することで疎水性となっている。式中、R,R,Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基、又は炭素数6〜18のアリール基から選ばれ、好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基である。
エアロゲルは、気孔率の増加に伴って、平均自由行程を阻害する数10nmの空気孔が多くなるので、熱伝導率が小さくなる。粒子表面に疎水基を有することから、水性媒体中に分散しても、細孔内への水の染み込みや侵入が防止される。このことは、組成物の状態、さらには成形後の断熱材の状態においても、エアロゲル本来の高い気孔率を保持できること、ひいては優れた断熱性を発揮できることを意味する。
このように表面に疎水基を有するシリカエアロゲルは、単独では水性媒体中に均一に分散することができないが、界面活性剤の共存により、水性媒体中に分散させることができる。しかし、界面活性剤の含有量が少ない場合、シリカエアロゲルが分散できない。一方界面活性剤の濃度をシリカエアロゲルが分散できるまで上げると分散媒は細孔内に染み込みやすくなる。本発明は陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーと界面活性剤を併用することにより分散媒がシリカエアロゲルの細孔内に侵入しないため成形後の断熱材の細孔率を高度に保持でき、高い断熱性や吸音性を持つ複合材が得られる。
本発明で使用するシリカエアロゲルとは、気孔率50体積%以上、好ましくは70体積%以上、より好ましくは80体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上の気孔を有する。
シリカエアロゲルの粒子径は特に制限しないが、粒径が小さすぎると粒子間隙総合比が増え、断熱や吸音等シリカエアロゲルのナノサイズ細孔の比率が少ないため好ましくない。一方、粒径が大きすぎると、粒子間隙のサイズが大きくなり大きい空隙の間に空気が対流し断熱と吸音効果が減る恐れがあるため好ましくない。200nm〜10mmの粒径範囲が好ましい。好ましくは、シリカエアロゲルの90%以上が粒径1μm〜6mmの範囲内、より好ましくは2μm〜3mmの範囲内、さらに好ましくは5μm〜2mmの範囲内にあるエアロゲル粒子である。粒径が10mm以上のシリカエアロゲルを使用すると粒子と粒子の間の空隙が空気の平均自由行程より大きくなる恐れがあるため好ましくない。さらに粒子の間の空隙を減らすためシリカエアロゲル粉末の嵩密度(バルク密度)は粒子密度との差が小さいものが好ましい。嵩密度は粒子密度に近い程粒子間隙が小さいため好ましい。さらに、単一粒径より各種粒径の粒子が混ぜるシリカエアロゲルが好ましい。
このような粒径のシリカエアロゲルは、当該粒径範囲を有する市販品を用いてもよいし、上記範囲よりも粒径が大きいシリカエアロゲルを適宜粉砕処理して用いてもよい。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液は、以上のような成分を、所定比率で配合することにより調製される。疎水性のシリカエアロゲル粒子を本発明の水分散媒に分散することによりシリカエアロゲル粒子が集合体で分散しているコロイドの様なクリーム状の分散液が得られる。シリカエアロゲル粒子の集合体(ミセル)の形状と大きさ(ミセル当たり取り込まれるシリカエアロゲルの数)は有機ナノファイバーと界面活性剤の含有量、分散プロセスや条件に依存する。特に、有機ナノファイバーの含有量が少ない場合、乾燥した複合体はシリカエアロエル粒子の集合体が六角形のような多面体である。一方、有機ナノファイバーの含有量が極端に大きい時、集合体が球状である。
シリカエアロゲル粒子の水分散液を作製するに当たり、各成分の配合順序などは特に限定しないが、シリカエアロゲルの表面が疎水性であること、水溶性非イオン界面活性剤の不在下では、シリカエアロゲルを水に分散できないことに鑑みて、(1)陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤と水を混ぜた後、シリカエアロゲル粒子を添加混合する方法と;(2)陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーを水に添加して、シリカエアロゲル粒子を添加した後に水溶性非イオン界面活性剤を添加して混合する方法などが挙げられる。添加及び混合は、所定量を一度に添加して混合する方法と少量ずつ添加混合する方法のいずれも可能である。また、シリカエアロゲルの分散液の粘度が高い場合、分散液を調製した後、分散媒を加えてさらに希釈することできる。
シリカエアロゲル粒子を分散媒に分散するための混ぜる方法は特に制限しないか、シェーキング、磁性スターラー撹拌、機械撹拌、振動撹拌、超音波撹拌等の公知の方法が適用できる。しかし、撹拌のせん断力が強すぎるとシリカエアロゲルの細孔構造が崩壊する恐れがあるため好ましくない。
撹拌時間が特に限られていないが、均一な分散液を得るまで撹拌する。撹拌時の分散液の温度は特に制限しないが、施工環境や用途に応じて温度を適切調整すればよい。温度が高すぎると有機成分の分解や揮発の恐れがあるため好ましくない。15〜150℃が好ましい。より好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは23〜90℃である。
水に対する陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの濃度は0.01〜3重量%が好ましい。この範囲内であれば、シリカエアロゲル粒子を分散媒に容易に分散し、分散したシリカエアロゲル粒子のミセルが高い安定性を保つことができるため好ましい。
0.01重量%以下になる分散媒のチキソトロピー性又は粘度が低すぎるため、シリカエアロゲル粒子のミセルが合一しやすく安定を保つことが困難であるため好ましくない。一方、3重量%以上になると分散媒の粘度が高いためシリカエアロゲル粒子がよく分散できず、均一な分散液を得難いため好ましくない。より好ましくは0.05〜2.5重量%、さらに0.1〜2.0重量%、もっと好ましくは0.2〜1.5重量%である。
分散媒に対する水溶性非イオン界面活性剤の濃度は界面活性剤の種類に依存し、特に制限しないが、0.2〜20重量%が好ましい。より好ましくは2〜15重量%である。水溶性非イオン界面活性剤の濃度は低すぎると、シリカエアロゲルを分散媒に均一に分散させることが困難となる。しかしながら、水溶性非イオン界面活性剤の濃度は高すぎると表面張力の低下により分散媒はシリカエアロゲル粒子の表面を濡らすだけでなく、シリカエアロゲルの細孔内に染み込む又は浸透するため、乾燥の際に溶媒の蒸発により細孔が収縮し、断熱や吸音性が低下する。
陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーとシリカエアロゲルの重量比は特に限られないが、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの重量比が少なくなると、シリカエアロゲルの分散液は熱力学的に不安定な状態になり、乾燥又は成型の際にシリカエアロゲル粒子のミセルが凝集することで相分離が発生する恐れがある。さらに、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの重量比が低すぎると乾燥後の複合体が脆くなるため好ましくない。一方、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの重量比が大きすぎるとシリカエアロゲル由来性能が低下するため好ましくない。そのため、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーとシリカエアロゲルの重量比は2:98〜80:20が好ましい。より好ましくは5:95〜70:30、さらに好ましくは10:90〜60:40である。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液には、さらに無修飾セルロースナノファイバー、無修飾キチンナノファイバー及び無修飾アラミドナノファイバーの少なくとも一つ以上を含ませることがでる。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液は、無修飾有機ナノファイバーを含有することで、シリカエアロゲル分散液を乾燥した後の複合材の強度と耐熱性を高めることができる。無修飾有機ナノファイバーと陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーの重量比は50:50以下が好ましい。より好ましくは40:60以下、さらに好ましくは30:70以下である。
本発明において用いる無修飾未有機ナノファイバーは繊維径10〜500nm、繊維長500nm〜数μmの無修飾セルロースナノファイバー、無修飾キチンナノファイバー又は無修飾アラミド微細繊維であればよい。このようなナノファイバー又は微細繊維は耐熱性と強度は陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバーより高いため複合材の強度や耐熱性を向上することができる。
無修飾ナノファイバーを添加するタイミングは制限しないが、シリカエアロゲルを添加する前に添加する方が好ましい。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液には、さらに水溶性樹脂を共存させることも可能である。水溶性樹脂を添加する目的は乾燥後の複合化体の強度や表面平滑性を改良することである。加える水溶性樹脂を具体的に例示すると、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコール等の水溶性樹脂がある。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液から複合化体を作製した場合に、水溶性樹脂を添加することにより複合化体の強度を改良し、複合化体と貼り面との接着力を付与することができる。水溶性樹脂の種類は特に限定しないが、接着性の強いポリマーがより好ましい。例えば、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールなどの樹脂が挙げられる。
シリカエアロゲル粒子の水分散液に水溶性エポキシとその硬化剤であるカルボン酸無水物又はジアミンやポリアミンが含まれることにより成形する際、複合化シートの強度を改善したり、複合体と貼り面との接着強度を向上することが可能である。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液は、上記の組成以外、赤外線吸収剤を含むこともできる。これらの赤外線作用材を含むことで、熱源からの熱エネルギーを吸収、あるいは断熱材内での反射を繰り返すことにより熱エネルギーを低減させることができるので、断熱性を増大させることができる。
前記シリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥して、水と界面活性剤を蒸発することで固体の複合体を成形することができ、固体複合材料として用いることができる。
その場合、シリカエアロゲル粒子の水分散液が高粘度で分散液の中に気泡が含まれている可能性が高いため、成形の前に脱泡したりすることが好ましい。脱泡したシリカエアロゲル粒子の水分散液から得られた固体複合体は、空気の平均自由行程より大きい空隙が少なくなるため高い断熱性や吸音性と強度を持つ複合体が得られるため好ましい。
水分散液を乾燥して複合材料を作製する際、常圧乾燥、減圧乾燥又は常圧と減圧の併用等の乾燥法の何れも適用することができる。シリカエアロゲルの熱伝導性が低いため減圧乾燥又は常圧乾燥で一部の水又は非イオン界面活性剤が揮発した後、減圧乾燥に変えることも良い。乾燥の温度、時間は界面活性剤の沸点、金型の寸法、常圧または減圧等の因子に依存する。生産性と施工の面から常圧乾燥と減圧乾燥を併用することが好ましい。
乾燥温度と時間は特に制限しないが、界面活性剤の沸点、金型の形状により調整すればよい。例えば、50〜250℃が好ましい。より好ましくは60〜200℃、さらに好ましくは75〜180℃である。温度が低すぎると水と界面活性剤を除くための乾燥時間が長くなり、生産性が低いため好ましくない。一方、乾燥温度が高すぎると水や界面活性剤の揮発が激しすぎるため気泡や欠陥の形成可能性があるため好ましくない。また、乾燥温度が高すぎると有機ナノファイバーが分解したり性能が低下したりする可能性があるため好ましくない。さらに、乾燥温度は、段階的に上げた方が好ましい。
前記のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥して得られた固体複合体は、低い比重と低い熱伝導率を有するため断熱材に好適である。
さらに、前記のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥して得られた固体複合体は、低い比重とシリカエアロゲルのナノ細孔が維持されているため吸音材にも好適である。
また、前記シリカエアロゲル粒子の水分散液は、塗料として、直接に発熱面に塗布して乾燥することもできる。
本発明について、実施例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。各実施例及び各比較例の作製方法や用いた物性評価法、陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、有機ナノファイバーのメーカーやそれらの調製方法を以下に示した。
(TEMPO酸化法セルロースナノファイバー)
TEMPO酸化法セルロースナノファイバーはセルロースナノファイバーの表面の一部又は全ての6位の炭素のヒドロキシメチル基がTEMPO酸化によりカルボキシル基に変換されるセルロースナノファイバーである。本発明では第一工業製薬社製レオクリスタ(TEMPO酸化法セルロースナノファイバーが2重量%の水分散液)を用いた。
(硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバー)
硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーは未公開特許(特願2017−102915)に記載された方法に従って調製した。得られた硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーは、ナトリウム塩である(CNF―O−SONa)。その繊維径はFE−SEMの観察により5〜10nmであることを確認でき、硫黄含有率は燃焼イオンクロマトグラフィー(IC)測定により4.5重量%であった。
(CMCセルロースナノファイバー)
CMCセルロースナノファイバーはセルロースナノファイバーの表面の水酸基は一部又は全てがクロロ酢酸と反応して得られるカルボキシメチル基修飾セルロースナノファイバーのことである。本発明ではスギノマシン社製 BiNFiーs(CMCセルロースナノファイバーが2重量%の水分散液)を用いた。
(リン酸エスエル化修飾セルロースナノファイバー)
リン酸エステル化修飾セルロースナノファイバー(リン酸ーCNF)は木材パルプを用い、特開2015ー98526に開示された手順に従って調製した。得られたリン酸エステル化修飾セルロースナノファイバーに蒸留水を加えて固形分2重量%の水分散液として実施例の実施に用いた。
(CMC)
CMCはカルボキシメチルセルロースである。本発明の比較例で用いたCMCはダイセルファインケム社製の品番2260のCMCを用いた。CMC粉末を蒸留水に溶解して2wt%の水溶液として用いた。
(表面無修飾セルロースナノファイバー)
表面無修飾セルロースナノファイバーは特許5676860号の実施例1が示す方法に従って作製したセルロースナノファイバーである。蒸留水に分散してCNF固形分が2重量%の水分散液を調製して実施例に用いた。
(アラミド微細繊維)
アラミド微細繊維ダイセルファインケム社製ティアラ(商品名 KY400S)を用いた。実施例にはティアラに蒸留水を加え、固形分2重量%の水分散液として用いた。
(界面活性剤)
エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGMPE)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(PGMBE)、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(TEGBME)及びtert−ブチルアルコールは市販品を用いた。
(シリカエアロゲル粒子)
シリカエアロゲル粒子はキャボト社製ENOVA AEROGEL MT1100とP200をそれぞれ用いた。MT1100について粒子サイズは2〜24μm、嵩密度は25〜50kg/mである。一方、P200について、粒子サイズは0.01〜1.2mm、嵩密度は75〜95kg/mである。
(エポキシ樹脂)
エポキシは長瀬産業社製デナコールEX―821(Polyethylene Glycol Diglycidyl Ether)を用いた。硬化剤は市販ジエチレントリアミンを用いた。
(放熱材の熱伝導率評価)
放熱材の熱伝導率λ(W/(m・ K))は下式より求めている。熱拡散率α(m/s)、比熱c(J/kg・K)、密度ρ(kg/m)を下に示すそれぞれの方法を用いてそれぞれ取得した。
c=λ/(ρ×α)
熱拡散率の測定は、レーザーフラッシュ法(測定装置:ネッチ・ジャパン製 LFA467 HyperFlash 熱伝導率測定装置)により測定した。
本発明の放熱材の比熱は構成する各単一材料の比熱cと単位体積当たりの質量比rの積を総和して下より算出される。
c=c+c+c
ここで添え字s,n,aはシリカエアロゲル粒子、有機ナノファイバーと空気の各相を表す。このうち,空気の項は他に比べて十分小さいので無視することができる。ここで、シリカエアロゲルの比熱は675J/kg・K、セルロースナノファイバーの比熱は1260J/kg・Kとして引用した。
(複合化シートの密度評価)
複合化シートから一定面積(S)の正六面体を切り取り、その質量(W)をマイクロ電子天秤、その厚み(d)をマイクロメータで測り、下式により求めた。
比重=W/(d×S)
(セルロースナノファイバーの密度)
セルロースナノファイバーの比重は表面修飾種に関わらず文献値を参考して1.6g/cmとして熱伝導率の算出に用いた。
(複合化シートの疎水性評価)
調製した複合化シートをビーカーに入れ、それに水を加えてから7日間放置した後、複合化シートは形状が崩れずに水面に浮いたままの場合、疎水性を良好(○)として評価した。一方、複合化シートが水面下に沈んだり、形状が崩れたりする場合疎水性が低い(×)と評価した。
[実施例1]
20mlのサンプル瓶にレオクリスタの水分散液(固形分2重量%)2.6g、蒸留水5.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル0.3g、シリカエアロゲル(MT1100)0.2gを加え、蓋を閉めて手で1分間シェーキングすることによりクリーム状の分散液(図1)を得た。得られた分散液をポリプロピレンケースに流涎し、90℃のホットプレート上に3時間放置して水とエチレングリコールモノブチルエーテルの殆どを蒸発させてから、120℃の乾燥機でさらに3時間乾燥することにより複合化シートを得た。複合化シートをポリプロピレンケースから剥離して、厚みを測定した結果約1.9mmであった。得られた複合化シートの密度、熱拡散率を評価し、熱伝導率を算出して、耐水性の評価結果と一緒に表1に示した。また、シリカエアロゲルの分散液をスライドガラス上に塗布し、ホットプレート上で水と界面活性剤を蒸発させて薄膜を形成した。この薄膜を光学顕微鏡で観察した結果(図2)、六角形のようなネットワークが観察された。さらに、偏光顕微鏡の画像から六角形多面体のようなネットワークが観察された。六角形多面体の骨格の中に複数のシリカエアロゲル粒子が取り込まれることが分った。複合化シートの表面図、断面図と耐水性試験の写真を図3に示した。複合化シートは丈夫で、折り曲げ性を有し、耐水性に優れたことが分った。
[実施例2]
レオクリスタの水分散液を1.35gとした以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。[実施例2]
[実施例3]
エチレングリコールモノブチルエーテルをトリエチレングリコールブチルメチルエーテルに代えたとともに乾燥機の温度を160℃にした以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例4]
エチレングリコールモノブチルエーテル0.3gをプロピレングリコールモノプロピルエーテル0.5gに代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例5]
レオクリスタを硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーの水分散液(硫酸―CNF、固形分濃度1wt%)に代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例6]
レオクリスタをCMCセルロースナノファイバー(BiNFi−s)に代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例7]
シリカエアロゲルMT1100 0.2gをシリカエアロゲルP200 0.2gに代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。複合化材の光学顕微鏡写真を図4に示す。
[実施例8]
シリカエアロゲルMT1100 0.2gをシリカエアロゲルMT1100 0.1gとP200 0.1gに代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例9]
未修飾セルロースナノファイバーの水分散液(2重量%)1gを加えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例10]
アラミド微細繊維ティアラの水分散液(2重量%)1gを加えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例11]
デナコールEX821 0.1gとジエチレントリアミン 0.02gを加えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例12]
レオクリスタをリン酸エステル化修飾セルロースナノファイバー(リン酸ーCNF)に代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例13]
レオクリスタ3.6g、蒸留水8.0gとした以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
〔実施例14〕
エチレングリコールモノブチルエーテル0.3gを2−メチル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコール)0.45gに代えた以外は、実施例1と同様にして、複合化シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[比較例1]
界面活性剤エチレングリコールモノブチルエーテルを添加しない以外は、実施例1と同様にして、シリカエアロゲルの分散を行ったが、シリカエアロゲルは分散媒の上に浮いたまま全く分散できなかった。
[比較例2]
レオクリスタを未修飾CNFの分散液に代えた以外は、実施例1と同様にして、複合体を調製した(図6)。得られた複合体が連続なシートにならず評価ができなかった。
[比較例3]
レオクリスタを2%のCMCの水溶液に代えた以外は、実施例1と同様にして、複合体を調製した(図7)。得られた複合体が連続なシートにならず評価ができなかった。複合体を水に入れて耐水性を観察した結果、6時間後複合体が崩壊して水に分散すること(図8)が分った。
実施例及び比較例で得られたシリカエアロゲル分散液及びそれを乾燥した複合体の評価結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例で得られたシリカエアロゲル粒子/有機ナノファイバー複合体は、低い密度と熱拡散率を持ち、耐水性に優れているのに対して、比較例では、シリカエアロゲル粒子が分散できなかったり(比較例1)、乾燥後にシートに成型できなかったり(比較例3)、得られたシリカエアロゲル粒子/有機ナノファイバー複合体が脆くて、耐水性が低かったりした(比較例2)。
本発明のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した複合体はシリカエアロゲルの細孔構造を高度に保つため低い密度と小さい熱伝導率を持ち、断熱材や吸音材として利用できる。また、シリカエアロゲルの水分散液は優れた安定性を持つため塗料として幅広い分野への利用も期待できる。

Claims (8)

  1. 陰イオン性官能基を持つ有機ナノファイバー、水溶性非イオン界面活性剤と水を含む分散媒にシリカエアロゲル粒子を分散させて得られるシリカエアロゲル粒子の水分散液。
  2. 前記水溶性非イオン界面活性剤が、下記式(1)若しくは(2)で表されるエーテル型非イオン界面活性剤、又は下記式(3)で表される炭素数4以上の両親媒性アルコールの少なくとも一種以上である請求項1に記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
    R1−O−(CH−CH−O)−R2 (1)
    R1−O−(CH2−CH2−CH2−O)−R2 (2)
    (式(1)及び式(2)中、R1は水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数10以下のアルケニル基、R2は炭素数3〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数10以下のアルケニル基、nは1〜20)
    HO−R3 (3)
    (式(3)中、R3は4〜7のアルキル基)
  3. 前記有機ナノファイバーの陰イオン性官能基が、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩、リン酸基及びリン酸基の塩並びに硫酸エステル基及び硫酸エステル基の塩の少なくとも一つ以上の基である請求項1又は請求項2に記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
  4. 前記シリカエアロゲル粒子の水分散液が、さらに無修飾セルロースナノファイバー、無修飾キチンナノファイバー及び無修飾アラミドナノファイバーの少なくとも一つ以上を含む請求項1〜3のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
  5. 前記シリカエアロゲル粒子の水分散液が、さらに水溶性樹脂を含む請求項1〜4のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した固体複合材料。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した断熱材。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカエアロゲル粒子の水分散液を乾燥した吸音材。

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