JP2018043735A - 車両の歩行者保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両と歩行者とが衝突した際に、ボンネットの衝撃吸収能力を高め、且つ車両の前方の路面への歩行者の二次衝突を抑制する。【解決手段】ロック装置17は、ボンネット5のストライカ12をロックする。リフトアップ装置11のシリンダ27の下端部27aは、回転可能に車体側に支持され、ピストン28の上端部28aは、ボンネット5の後端部5aに回転自在に連結される。コントローラは、車体前端部への衝突体の衝突を検知すると、ロック装置17に解除信号を送信してロック解除状態にするとともに、リフトアップ装置11に作動信号を送信してボンネット5をリフトアップ状態にする。リフトアップ状態のボンネット5に歩行者の頭部が衝突して、歩行者の頭部から後方への荷重がボンネット5に入力すると、ボンネット5が後方へ移動する。【選択図】図5
Description
本発明は、車両の歩行者保護装置に関する。
特許文献1には、アクティブフード装置が記載されている。アクティブフード装置は、アクチュエータと、このアクチュエータからの駆動力を受けてフードパネルをリフトアップさせるリフトアップ機構とによって構成されており、フードパネルの後端部の両サイドにそれぞれ配設されている。アクチュエータの後端部にはブロック状のロック機構が配設されており、更にその軸芯部からはピストンロッドが突出されている。衝突検出センサによって車両の前端部が歩行者と接触したことが検出されると、又は歩行者と接触することが予測されると、コントローラによってアクチュエータが作動される。アクチュエータが作動すると、ロック機構が作動することによりピストンロッドが伸長された状態に保持される。フードパネルは、ヒンジアームを介して後端部が車両上方側へ持ち上げられた(リフトアップされた)状態となり、歩行者との接触荷重を吸収する。
特許文献1に記載のアクティブフード装置のように、車両と歩行者とが衝突した際に、フードパネル(ボンネット)の後端部を上方へ持ち上げると、エンジンルーム内のエンジン等の剛体とボンネットとの距離を拡大することができるため、歩行者の頭部がボンネットに衝突した際のボンネットの衝撃吸収能力が高まる。しかし、ボンネットの後端部を上方へ持ち上げると、水平面に対するボンネットの傾斜角度が大きくなるので、歩行者がボンネットに衝突してボンネットに跳ね返された際に、歩行者が車両の前方の路面へ落下してしまい、路面との衝突(以下、二次衝突という)による被害が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、車両と歩行者とが衝突した際に、ボンネットの衝撃吸収能力を高め、且つ車両の前方の路面への歩行者の二次衝突を抑制することが可能な車両の歩行者保護装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、車両の前部のエンジンルームの上方開口を上方から閉止する略板状のボンネットを有する車両の歩行者保護装置であって、衝突検知手段と保持手段とリフトアップ機構と制御手段とを備える。衝突検知手段は、車両の前部への衝突体の衝突を検知する。保持手段は、ボンネットがエンジンルームの上方開口を閉止した通常状態で、ボンネットの前端部を、車体に対して所定の閉止位置に保持して、ボンネットの前端部の車体に対する前後方向の移動を規制する。リフトアップ機構は、ボンネットの後端部に連結されるボンネット連結部を有し、車体側に支持されてボンネットの後端部を下方から支持し、ボンネット連結部を、通常状態の通常位置と、通常位置よりも上方のリフトアップ位置との間で昇降可能であり、衝突検知手段が衝突を検知しないときは、ボンネット連結部を通常位置に保持する。制御手段は、衝突検知手段が衝突を検知した際に、ボンネット連結部が通常位置からリフトアップ位置に上昇するようにリフトアップ機構を制御するとともに、ボンネットの前端部の閉止位置への保持を解除するように保持手段を制御する。ボンネット連結部がリフトアップ位置へ上昇してボンネットの後端部が通常状態から上方へ持ち上げられたリフトアップ状態では、ボンネットの後方への移動が許容される。
上記構成では、衝突検知手段が車両の前部への衝突体の衝突を検知した際に、制御手段は、ボンネット連結部が通常位置からリフトアップ位置に上昇するようにリフトアップ機構を制御する。ボンネット連結部がリフトアップ位置へ上昇すると、ボンネットの後端部が通常状態から上方へ持ち上げられたリフトアップ状態となる。このため、車両の前部に歩行者が衝突した際に、リフトアップ状態のボンネットに歩行者の頭部を衝突させることができ、エンジンルーム内のエンジンへの歩行者の頭部の衝突を防止し、歩行者の頭部が受ける衝撃をボンネットの変形等によって好適に吸収することができる。
また、制御手段は、衝突検知手段が衝突を検知した際に、ボンネットの前端部の閉止位置への保持を解除するように保持手段を制御する。これにより、衝突検知手段が車両の前部への衝突体の衝突を検知した際に、ボンネットがリフトアップ状態になるとともに、ボンネットの後方への移動が許容される。このため、車両の前部に歩行者が衝突して、リフトアップ状態のボンネットに歩行者の頭部が衝突した際に、歩行者の頭部からの荷重によりボンネットが後方へ移動し、歩行者の頭部に対するボンネットからの反発力を抑制することができるので、ボンネットへの衝突後に前方へ跳ね返る歩行者の跳ね返り距離を抑制して、車両の前方の路面への歩行者の落下衝突による二次衝突被害を低減することができる。
本発明によれば、車両と歩行者とが衝突した際に、ボンネットの衝撃吸収能力を高め、且つ車両の前方の路面への歩行者の二次衝突を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態に係る歩行者保護装置10を適用する車両1の前部には、車体側のエンジンルーム3と、車体側に支持されてエンジンルーム3の上方開口4を開閉可能なボンネット5とが設けられる。
エンジンルーム3は、車両1の車室6よりも前方に配置され、エンジンルーム3内にはエンジン2が搭載される。エンジンルーム3の前方には、ラジエータ(図示省略)やラジエータコアサポート(図示省略)等によって構成されるフロントエンドモジュール7が配置される。エンジンルーム3の上方開口4の後方には、フロントガラス8の下縁部の下方で車幅方向に延びるカウルトップパネル9が配置される。エンジンルーム3の左右には、車両1の車幅方向両端部で起立する左右のフェンダーパネル13(図1(a)には、左側のフェンダーパネル13が図示されている)が設けられる。
フェンダーパネル13は、エンジンルーム3の上方開口4の車幅方向外側を区画する支持板部14と、支持板部14から連続して延びて車両1の車幅方向の外端部で外部に露出するフェンダー本体15とを有し、車体側に固定される。支持板部14は、ボンネット5によってエンジンルーム3の上方開口4を閉止した際に、ボンネット5の車幅方向の外端縁部16の下方に配置されて、バッファラバー(図示省略)等を介してボンネット5を下方から支持する。
ボンネット5は、複数の部材(アウタパネルやインナパネル等)を組み合わせることによって略板状に形成された構造体であって、エンジンルーム3の上方に配置され、エンジンルーム3の上方開口4を開閉可能である。ボンネット5の後端部5aは、エンジンルーム3の後方の車体側に対し、後述するリフトアップ装置(リフトアップ機構)11の車幅方向に延びる回転軸を中心として回転自在に支持される。ボンネット5は、その前端部5bがエンジンルーム3の前方の車体側(フロントエンドモジュール7側)に支持される閉止位置(図1(a)に示す位置)と、ボンネット5の前端部5bが閉止位置から後上方へ移動した開放位置(図1(b)に示す位置)との間で移動可能である。ボンネット5の前端部5bの車幅方向中央部には、下面から下方へ突出するようにストライカ12が固定される。ストライカ12は、金属製の棒状体を略U字状に曲折して形成され、その両端部が前後に並ぶように配置されてボンネット5の下面に固定され、車幅方向に貫通する開口24を区画する。ボンネット5の前端部5bが閉止位置に配置された通常状態では、ボンネット5の車幅方向両側の外端縁部16が、左右のフェンダーパネル13の支持板部14に上方から重なり、ストライカ12が、フロントエンドモジュール7に設けられた後述するロック装置(保持手段)17にロックされ、ボンネット5が、エンジンルーム3の上方開口4を上方から閉止する。エンジンルーム3の上方開口4を上方へ開放する際には、作業者は、ロック装置17によるボンネット5のストライカ12のロックを解除して、ボンネット5の前端部5bを後上方の開放位置へ移動する。
図2に示すように、歩行者保護装置10は、加速度センサ(衝突検知手段)18と、ロック装置17と、左右1対のリフトアップ装置11と、コントローラ(衝突検知手段、制御手段)19とを備える。
図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、加速度センサ18は、車両1の車体前端部20に設けられ、車体前端部20の加速度を所定時間毎に逐次検出し、検出した加速度をコントローラ19へ出力する。なお、加速度センサ18を設ける場所は、車体前端部20に限定されない。
図1(b)、図2及び図3に示すように、ロック装置17は、エンジンルーム3の前方のフロントエンドモジュール7に設けられ、通常状態でボンネット5のストライカ12をロックする。ロック装置17は、フロントエンドモジュール7に固定されるベース部21と、前後方向に延びる回転軸25を中心としてベース部21に回転自在に支持されるラッチ22とを有する。ベース部21は、上方から下方へ向かって切り欠かれて前後方向に開放されたスリット23を有する。スリット23は、ボンネット5のストライカ12が挿入可能な幅で形成される。ラッチ22は、ベース部21のスリット23を車幅方向に横断する先端部22aを有する。ベース部21のスリット23にボンネット5のストライカ12が挿入された状態で、ラッチ22の先端部22aが、ストライカ12の開口24を車幅方向に挿通し、ロック装置17が、ボンネット5の前端部5bを車体に対して閉止位置に保持する。閉止位置に保持されたボンネット5の前端部5bは、車体に対する移動(前後、上下、及び左右方向の移動)がロック装置17によって規制される。ボンネット5のストライカ12のロックを解除方向(本実施形態では、図3に示す矢印26方向)へラッチ22を回転させると、ストライカ12のロックが解除されてロック解除状態となり、ボンネット5の前端部5bの上方への移動が許容され、ボンネット5の前端部5bが開放位置へ移動可能となる。また、ロック解除状態では、後述するように、ボンネット5の前端部5bの後方への移動規制も解除される。ロック装置17は、コントローラ19に制御され、コントローラ19からの解除信号の受信に応じてラッチ22が解除方向へ移動してロック解除状態となる。
図1(a)及び図1(b)に示すように、左右のリフトアップ装置11は、ボンネット5の後端部5aの車幅方向両側に設けられ、ボンネット5の後端部5aと車体とを連結し、ボンネット5の後端部5aを下方から支持する。なお、左右のリフトアップ装置11は、ボンネット5の後端部5aに左右に対称的に設けられ、略同様の構成を有するため、以下では、一方のリフトアップ装置11について説明し、他方の説明を省略する。
図2及び図4に示すように、リフトアップ装置11は、シリンダ27と、ピストン28と、インフレータ(図示省略)とを有する。シリンダ27は、車幅方向に延びる回転軸を中心として回転可能に車体側に支持される下端部27aを有し、通常状態(図4に図示された状態)では、下端部27aから前上方へ延びるように配置される。ピストン28は、車幅方向に延びる回転軸を中心としてボンネット5の後端部5aに回転自在に連結される上端部(ボンネット連結部)28aを有し、シリンダ27の内部に挿入されてシリンダ27に昇降可能に支持される。ピストン28の上端部28aは、シリンダ27の上端の開口(図示省略)から上方へ突出している。シリンダ27にピストン28が挿入された状態で、シリンダ27の内部には、インフレータが配置される。インフレータは、コントローラ19からの作動信号の受信に応じて点火されて、シリンダ27内にガスを発生する。通常状態では、ピストン28の上端部28aは、ボンネット5を開閉する際のボンネットの回転軸として機能する通常位置(図4に図示された位置)に配置される。インフレータが作動してシリンダ27内にガスを発生すると、シリンダ27内の圧力の急激な上昇によってピストン28がシリンダ27に対して上昇し、ピストン28の上端部28aが通常位置よりも上方のリフトアップ位置(図5(a)に図示された位置)に上昇する。ピストン28の上端部28aがリフトアップ位置へ上昇すると、ボンネット5の後端部5aが通常状態から上方へ持ち上げられたリフトアップ状態(図5(a)に図示された状態)となる。
ボンネット5を開閉する際には、リフトアップ装置11のピストン28の上端部28aは、通常位置に配置され、ピストン28の上端部28aの車幅方向に延びる回転軸を中心として、ボンネット5を閉止位置(図1(a)参照)と開放位置(図1(b)参照)との間で移動させる。車体によるシリンダ27の下端部27aの支持力は、ボンネット5の開閉時には、車体に対してシリンダ27の下端部27aが容易に回転せず、一方、後述するようにボンネット5に所定の大きさ以上の後方への荷重が入力した際には、車体に対してシリンダ27の下端部27aが回転するように設定されている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、リフトアップ状態のリフトアップ装置11は、前側の前方位置(図5(a)に図示された位置)と、後側の後方位置(図5(b)に図示された位置)との間で、シリンダ27の下端部27aの回転軸を中心として傾動可能である。前方位置のシリンダ27は、通常状態のときのシリンダ27と略同じ位置に配置される。後方位置は、前方位置よりも後方へ傾動した位置であり、後述するように、ボンネット5の後端部5aがフロントガラス8の前方近傍でフロントガラス8に当接しない位置である。
図2に示すように、コントローラ19は、CPU(Central Processing Unit)29や記憶部30を有し、ロック装置17及びリフトアップ装置11を制御する。記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記録媒体によって構成される。記憶部30には、車両1の車体前端部20の減速度(負の加速度)の所定の閾値が予め記憶される。また、記憶部30には、加速度センサ18からの情報や、各種データなどが読み書き自在に記憶されるデータ記憶領域が予め設定されている。記憶部30は、上記データ記憶領域以外にも、CPU29の演算結果の一時記憶領域等として機能する。なお、車両1の車体前端部20の減速度の上記閾値には、車体前端部20に歩行者等の衝突体が衝突したことを検出可能な値を実験やシミュレーション等によって求め、求めた値が設定される。
CPU29は、加速度センサ18が検出した車両1の車体前端部20の減速度と、予め記憶部30に記憶された車体前端部20の減速度の上記閾値とを比較する。CPU29は、車両1の車体前端部20の減速度が上記閾値よりも大きくなった時、車体前端部20に衝突体が衝突したと判定する。すなわち、加速度センサ18とコントローラ19とは、車両1の車体前端部20への衝突体の衝突を検知する衝突検知手段として機能する。CPU29は、車体前端部20への衝突体の衝突を検知すると、ロック装置17のラッチ22に解除信号を送信するとともに、リフトアップ装置11のインフレータに作動信号を送信する。
次に、車両1の車体前端部20に歩行者(衝突物)が衝突した際の歩行者保護装置10の動きについて、図4、図5(a)及び図5(b)に基づいて説明する。
コントローラ19のCPU29が、車体前端部20への歩行者の衝突を検知して、ロック装置17のラッチ22に解除信号を送信するとともに、リフトアップ装置11のインフレータに作動信号を送信すると(図2参照)、ロック装置17がロック解除状態となり、リフトアップ装置11のピストン28の上端部28aがリフトアップ位置へ上昇してボンネット5がリフトアップ状態となる(図5(a)参照)。ボンネット5のストライカ12は、ロック装置17のベース部21の前後方向に開放されるスリット23に挿入されているので(図3参照)、ロック解除状態になると、ボンネット5の前端部5bは、車体に対して後方へ移動可能となる。ボンネット5が通常状態からリフトアップ状態に移行する際には、例えば、ボンネット5の前端部5bが閉止位置から僅かに後方へ移動し、又はリフトアップ装置11がシリンダ27の下端部27aの回転軸を中心として僅かに前方へ傾動する。車体前端部20に衝突した歩行者は、歩行者の脚部側が車両1によって前方へ押されるとともに、頭部側がリフトアップ状態のボンネット5の上面に衝突する。後方への上記所定の大きさ以上の荷重が歩行者からリフトアップ状態のボンネット5に入力すると、リフトアップ装置11が、シリンダ27の下端部27aの回転軸を中心として後方位置へ向かって傾動し、ボンネット5が後方へ移動する(図5(b)参照)。ボンネット5が後方へ移動する際には、ボンネット5の前端部5bの外端縁部16が左右のフェンダーパネル13の支持板部14上を後方へスライド移動し、ボンネット5の前端部5bが閉止位置から後方へ移動し、ボンネット5の後端部5aが後方へ移動する。リフトアップ装置11が前方位置から後方位置へ移動する際に、ピストン28は、歩行者の頭部からの荷重によってシリンダ27に対して下方へ移動する。すなわち、ボンネット5が後方へ移動する際には、ボンネット5の後端部5aは、歩行者の頭部からの荷重によって下方へ沈みながら後方へ移動する。
上記のように構成された歩行者保護装置10では、車両1の車体前端部20に歩行者が衝突した際に、リフトアップ状態のボンネット5に歩行者の頭部を衝突させることができる。このため、エンジンルーム3内のエンジン2への歩行者の頭部の衝突を防止し、歩行者の頭部が受ける衝撃をボンネット5の変形等によって好適に吸収することができる。
また、リフトアップ状態のボンネット5の上面に歩行者の頭部が衝突した際に、後方への上記所定の大きさ以上の荷重が歩行者からリフトアップ状態のボンネット5に入力すると、リフトアップ装置11が、シリンダ27の下端部27aの回転軸を中心として後方位置へ向かって傾動し、ボンネット5が後方へ移動する。このため、歩行者の頭部に対するボンネット5からの反発力を抑制することができるので、ボンネット5への衝突後に前方へ跳ね返る歩行者の跳ね返り距離を抑制して、車両1の前方の路面への歩行者の落下衝突による二次衝突被害を低減することができる。
また、ボンネット5が後方へ移動する際には、ボンネット5の後端部5aは、歩行者の頭部からの荷重によって下方へ沈みながら後方へ移動する。このように、歩行者の頭部からの荷重によってリフトアップ装置11のピストン28がシリンダ27に対して下方へ移動するので、歩行者の頭部の衝撃を吸収することができる。
また、ボンネット5の後端部5aが、歩行者の頭部からの荷重によって下方へ沈みながら後方へ移動するので、水平面に対するボンネット5の前端部側の傾斜角度を小さくすることができる。このため、ボンネット5への衝突後に前方へ跳ね返る歩行者の跳ね返り距離を抑制することができる。
従って、本実施形態によれば、車両1と歩行者とが衝突した際に、ボンネット5の衝撃吸収能力を高め、且つ車両1の前方の路面への歩行者の二次衝突を抑制することができる。
なお、本実施形態では、リフトアップ装置11のピストン28を移動させるためにインフレータを用いたが、これに限定されるものではなく、他の方法(例えば、電動モータや油圧など)でピストン28を移動させてもよい。
また、本実施形態では、シリンダ27とピストン28とインフレータとを有するリフトアップ装置(リフトアップ機構)11を設けたが、リフトアップ装置11はこれに限定されるものではない。例えば、リフトアップ装置11は、車体側とボンネット5側との間にボンネット5側をリフトアップ可能なリンク機構であってもよい。
また、本実施形態では、リフトアップ装置11のシリンダ27の下端部27aを車体側に回転自在に連結することによって、リフトアップ装置11を前方位置と後方位置との間で傾動可能にして、リフトアップ状態のボンネット5の後方への移動を許容したが、リフトアップ装置11の構造は、これに限定されるものではない。例えば、リフトアップ装置11の車体側への連結部(本実施形態におけるシリンダ27の下端部27a)を車体側に対して前後方向にスライド移動自在に連結することによって、リフトアップ状態のボンネット5の後方への移動を許容してもよい。
また、本実施形態では、車体によるシリンダ27の下端部27aの支持力を適切に設定することによって、ボンネット5の開閉時のシリンダ27の下端部27aの回転を抑制するとともに、歩行者の頭部の衝突時のシリンダ27の下端部27aの回転を許容する移動規制手段として機能させたが、移動規制手段は、これに限定されるものではない。例えば、通常状態では車体に対するシリンダ27の下端部27aの移動(回転移動やスライド移動を含む)を機械的に規制し、且つリフトアップ状態では車体に対するシリンダ27の下端部27aの機械的な前記移動規制を解除する移動規制手段であってもよい。
また、本実施形態では、ロック装置17を、通常状態でボンネット5の前端部5bを閉止位置に保持する保持手段として機能させたが、これに限定されるものではない。例えば、ロック装置17を車体に対して前後方向にスライド移動可能に取り付け、車体に対するロック装置17の前後方向の位置を保持することによってボンネット5の前端部5bを閉止位置に保持する保持手段を設けてもよい。この場合、保持手段による車体に対するロック装置17の保持を解除すると、ロック装置17が、ボンネット5のストライカ12をロックした状態で車体に対して後方へ移動することによって、ボンネット5の前端部5bが後方へ移動する。
また、本実施形態では、1つのコントローラ19を、車両1の車体前端部20への衝突体の衝突を検知する衝突検知手段と、ロック装置17及びリフトアップ装置11を制御する制御手段として機能させたが、これに限定されるものではない。ロック装置17及びリフトアップ装置11を制御する制御手段として機能するコントローラと、車両1の車体前端部20への衝突体の衝突を検知する衝突検知手段として機能するコントローラとの2つのコントローラを設けてもよい。
また、本実施形態では、車両1の車体前端部20に加速度センサ18を設け、加速度センサ18を衝突検知手段として機能させたが、衝突検知手段は、これに限定されるものではない。例えば、車両1の車体前端部20の圧力を検出することによって車両1の車体前端部20への衝突体の衝突を検知する衝突センサを設け、該衝突センサを衝突検知手段として機能させてもよい。
本実施形態では、リフトアップ装置11が前方位置から後方位置へ移動する際に、ピストン28を、歩行者の頭部からの荷重によってシリンダ27に対して下方へ移動させたが、ピストン28がシリンダ27に対して下方へ移動しなくてもよい。この場合であっても、ピストン28の上端部28aが、シリンダ27の下端部27aよりも後方へ移動することによって、ボンネット5の後端部5aが下方へ沈みながら後方へ移動するので、水平面に対するボンネット5の前端部側の傾斜角度を小さくすることができ、ボンネット5への衝突後に前方へ跳ね返る歩行者の跳ね返り距離を抑制することができる。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、歩行者の頭部がボンネット5に衝突した後、ボンネット5の後端部5aを、下方へ沈ませながら後方へ移動させたが、これに限定されるものではなく、ボンネット5の後端部5aが下方へ沈むことなく後方へ移動してもよい。
1:車両
3:エンジンルーム
4:上方開口
5:ボンネット
5a:ボンネットの後端部
5b:ボンネットの前端部
11:リフトアップ装置(リフトアップ機構)
17:ロック装置(保持手段)
18:加速度センサ(衝突検知手段)
19:コントローラ(衝突検知手段、制御手段)
28:リフトアップ装置のピストン
28a:ピストンの上端部(ボンネット連結部)
3:エンジンルーム
4:上方開口
5:ボンネット
5a:ボンネットの後端部
5b:ボンネットの前端部
11:リフトアップ装置(リフトアップ機構)
17:ロック装置(保持手段)
18:加速度センサ(衝突検知手段)
19:コントローラ(衝突検知手段、制御手段)
28:リフトアップ装置のピストン
28a:ピストンの上端部(ボンネット連結部)
Claims (1)
- 車両の前部のエンジンルームの上方開口を上方から閉止する略板状のボンネットを有する車両の歩行者保護装置であって、
前記車両の前部への衝突体の衝突を検知する衝突検知手段と、
前記ボンネットが前記エンジンルームの前記上方開口を閉止した通常状態で、前記ボンネットの前端部を、車体に対して所定の閉止位置に保持して、前記ボンネットの前記前端部の前記車体に対する前後方向の移動を規制する保持手段と、
前記ボンネットの後端部に連結されるボンネット連結部を有し、前記車体側に支持されて前記ボンネットの前記後端部を下方から支持し、前記ボンネット連結部を、前記通常状態の通常位置と、前記通常位置よりも上方のリフトアップ位置との間で昇降可能であり、前記衝突検知手段が前記衝突を検知しないときは、前記ボンネット連結部を前記通常位置に保持するリフトアップ機構と、
前記衝突検知手段が前記衝突を検知した際に、前記ボンネット連結部が前記通常位置から前記リフトアップ位置に上昇するように前記リフトアップ機構を制御するとともに、前記ボンネットの前記前端部の前記閉止位置への保持を解除するように前記保持手段を制御する制御手段と、を備え、
前記ボンネット連結部が前記リフトアップ位置へ上昇して前記ボンネットの前記後端部が前記通常状態から上方へ持ち上げられたリフトアップ状態では、前記ボンネットの後方への移動が許容される
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。
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Cited By (1)
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CN109591754A (zh) * | 2019-01-07 | 2019-04-09 | 长沙理工大学 | 一种保护车人碰撞事故中人地碰撞损伤的方法 |
-
2016
- 2016-09-16 JP JP2016182199A patent/JP2018043735A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109591754A (zh) * | 2019-01-07 | 2019-04-09 | 长沙理工大学 | 一种保护车人碰撞事故中人地碰撞损伤的方法 |
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