JP4475007B2 - 歩行者保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歩行者と車両とが衝突した際に、該歩行者を保護するための歩行者保護装置に関し、特に、衝突の際の衝撃を緩衝するための緩衝構造の技術分野に属する。
従来より、走行中の車両が歩行者と衝突して、該歩行者が車両のボンネットフード部分に衝突した場合には、該ボンネットフードが下方へ変形することでそのときの衝撃を十分に吸収して、歩行者への衝撃を軽減するようにしている。
ところが、車両のスタイル等を重視して、ボンネットフード部分を例えば流線形のデザインにすると、該ボンネットフードとその下方に配設されるエンジン等の比較的、剛性の高い構成部品との間隔が狭くなる。その状態で歩行者との衝突によりボンネットフードが下方に変形すると、該ボンネットフードは前記構成部品と干渉するため、衝突時の衝撃を十分に吸収できなくなる可能性がある。
そのため、例えば、特許文献1及び2に示すように、車両が歩行者と衝突した場合には、該車両のボンネットフードの後部を持ち上げるようにして、該ボンネットフードの下方に配設される構成部品との間隔を拡げることで、衝撃によるボンネットフードの下方への変形が阻害されないようにしたものが知られている。これにより、衝突時の衝撃がボンネットフードの変形で十分に吸収されて、歩行者への衝撃を効果的に軽減することができる。
実開昭49−110432号 実開昭59−69075号
しかしながら、上述のように、ボンネットフード後部を持ち上げる構造では、該ボンネットフード後端部のエッジ部が上方に飛び出すことになるため、車両と衝突した歩行者がボンネットフード上に載せ上げられた場合には、そのエッジ部に当たり、衝撃を受ける可能性があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両と衝突した際に、ボンネットフード後部を持ち上げることにより歩行者を保護する歩行者保護装置において、ボンネットフード後端部のエッジ部から歩行者の受ける衝撃に着目して、これを軽減可能な構造を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る歩行者保護装置では、歩行者との衝突時に該歩行者への衝撃を軽減するためにボンネットフードを持ち上げるものにおいて、歩行者が該ボンネットフード後端部のエッジ部で強い衝撃を受けないようにする衝撃軽減手段を設けた。
すなわち、請求項1の発明では、少なくとも車両の衝突時に、歩行者への衝撃を軽減するために、該車両のボンネットフードの前部よりも後部を大きく持ち上げるフード持ち上げ手段を備えた歩行者保護装置を前提とする。そして、前記ボンネットフード後端部には、前記フード持ち上げ手段によって持ち上げられた状態で、該ボンネットフード後端部のエッジ部と前記歩行者との衝突による衝撃を軽減するための衝撃軽減手段として、該エッジ部を覆うように緩衝部材が配設されており、この緩衝部材が横断面視で略コ字状に形成されて、その内側に前記エッジ部を把持しているものとする。
この構成により、車両が歩行者と衝突して、該歩行者がボンネットフード上に載せ上げられた場合でも、該ボンネットフードの前部よりも後部を大きく持ち上げることで、ボンネットフード下方に配置された構成部品とボンネットフードとの間隔を拡げることができるため、衝撃によって生じるボンネットフードの下方への変形が阻害されることなく、衝撃を十分に吸収することが可能となる。
そして、前記ボンネットフード後部が持ち上がることによって、そのエッジ部が上方に突出し、該エッジ部に歩行者が衝突したとしても、その際の衝撃が衝撃軽減手段によって軽減される。すなわち、ボンネットフード後端部のエッジ部を覆うように配設した緩衝部材によって衝撃が緩衝されるため、ボンネットフード後端部のエッジ部から受ける歩行者の衝撃を軽減することができる。
そして、上述のように、ボンネットフード後端部のエッジ部に緩衝部材を配設する場合には、その緩衝部材の一部をボンネットフード上面と略平坦にするのが好ましい(請求項の発明)。これにより、例えば耐久性を考慮して、緩衝部材として比較的、硬い樹脂材料等を用いた場合でも、その緩衝部材がフード上面より上方に突出せず、歩行者が緩衝部材の突出した部分(例えば角部)等に衝突しないので、歩行者の受ける衝撃をより小さくすることができる。
また、上述のように、ボンネットフードのエッジ部に緩衝部材を設けるのではなく、衝突時にボンネットフードの後端部が下方に容易に折れ曲がるように構成してもよい。具体的には、フード持ち上げ手段は、ボンネットフードを下方から支持する支持部材を備えており、衝撃軽減手段は、前記フード持ち上げ手段によってボンネットフードが持ち上げられるときに、前記支持部材より車両後方側でボンネットフードの後端部を下方へ折り曲げる折曲部を備えているものとする。
こうすることで、車両と衝突した歩行者がボンネットフード上に載せ上げられても、エッジ部を含むボンネットフード後端部は、折曲部で下方へ折れ曲がるため、歩行者は該エッジ部から強い衝撃を受けることがない。
この場合、前記折曲部は、歩行者との衝突によってボンネットフード後端部が下方へ折れ曲がるように形成された脆弱部とすることも考えられるが、好ましいのは、歩行者がエッジ部に接触しないように事前に下方に回動させるような構成することである。具体的には、ボンネットフードは、折曲部より車両前方側のボンネットフード前部材と、その後端に回動可能に連結されたボンネットフード後部材とを備え、前記折曲部には、前記ボンネットフード後部材が前部材に対し下方に回動しないように保持する回動ロック機構と、フード持ち上げ手段によってボンネットフードが持ち上げられるときに、前記回動ロック機構のロックを解除するロック解除手段と、を備えているものとする(請求項の発明)。
こうすれば、ボンネットフード後部が持ち上げられるときに、歩行者がエッジ部に衝突する前にロック機構のロックを解除することが可能になる。これにより、ボンネットフード後部材が折曲部で下方へ回動し、該ボンネットフード後端部のエッジ部がボンネットフード上面よりも下方に位置するようになるので、歩行者の該エッジ部への衝突を確実に防止することができる。
また、ボンネットフード後端部が下方に回動するように構成された衝撃軽減手段では、該エッジ部が、緩衝部材によって覆われているのが好ましい(請求項の発明)。これにより、ボンネットフード後端部のエッジ部による歩行者への衝撃をさらに効果的に軽減することができるとともに、万一、ボンネットフード後端部が下方に回動しなかった場合でも、前記緩衝部材によって確実に歩行者を保護することができる。
請求項1の発明に係る歩行者保護装置によれば、少なくとも車両の衝突時に、ボンネットフード後部を持ち上げる構成において、該ボンネットフード後端部に衝撃軽減手段を設けたため、該ボンネットフード後端部のエッジ部から歩行者の受ける衝撃を軽減することができる。
また、ボンネットフード後端部のエッジ部を覆うように緩衝部材を設けたため、該緩衝部材によって歩行者への衝撃を軽減することができる。特に、前記緩衝部材をボンネットフード上面と略平坦になるように配設すれば(請求項2の発明)、比較的、硬い樹脂材料等によって緩衝部材を形成した場合でも、歩行者の受ける衝撃を極小化することができる。
請求項の発明によれば、ボンネットフードを下方から支持する支持部材よりも車両後方側に折曲部を設け、該ボンネットフードが持ち上げられるときに前記折曲部でボンネットフード後端部が下方に回動するようにしたので、前記ボンネットフードのエッジ部から歩行者の受ける衝撃を軽減することができる
しかも、車両前方側のボンネットフード前部材と車両後方側のボンネットフード後部材とを折曲部で回動可能に連結し、その折曲部に前記フード後部材を保持するためのロック機構を設けて、ボンネットフードが持ち上げられるときに前記ロック機構のロックを解除して前記ボンネットフード後部材が下方に回動するようにしたため、歩行者が直接、エッジ部に衝突するのを回避することができ、より効果的に歩行者への衝撃を軽減することができる。
請求項の発明によれば、折曲部を設けてボンネットフードの後端部を下方に回動させる衝撃軽減手段を備えたものにおいて、ボンネットフード後端部のエッジ部を覆うように緩衝部材を設けたため、該エッジ部による歩行者への衝撃を確実に軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る歩行者保護装置を備えた車両Vの前部の概略構造を示す。この車両前部の構造では、フロントガラスGの前方に延びてエンジンルームを覆うボンネットフード1(以下、フード)が設けられている。このフード1の前端直下の車幅方向両側にはヘッドランプ2,2が、また、フード1前端直下で両ヘッドランプ2,2に挟まれた位置にはグリル3が、さらに、両ヘッドランプ2,2及びグリル3の直下には車幅方向に延びるフロントバンパ4が、そして、フード1の車幅方向両側にはフェンダ5,5がそれぞれ設けられている。該フェンダ5で覆われたタイヤハウス内には、それぞれ、フロントタイヤT,Tが装着されており、また、フェンダ5の後方には、それぞれ、フロントドアD,Dが配設されている。
前記フロントバンパ4には、歩行者と衝突した際にその衝突を検知するための衝突検知センサ11と、歩行者との衝突を予知するための衝突予知用センサ12とが設けられていて、前記フード1には、車両Vと衝突した歩行者が該フード1上に載せ上げられた場合に、そのときの衝撃を検知するフード衝撃センサ13が設けられている。そして、図3に示すように、前記各センサ11,12,13及びこれらの各センサ11,12,13からの検出信号に基づいて後述するような制御を行う制御装置30等によって制御部Sが構成されている。
前記衝突検知センサ11は、例えば、接触したかどうかを検出するコンタクトセンサや、衝突時に加わる圧力を検出する圧力センサ等によって構成されており、図3に示すように、該衝突検知センサ11の出力信号は制御装置30へ入力されて、その信号に基づいて該制御装置30で歩行者と衝突したかどうかを判定するようになっている。なお、この衝突検知センサ11及び前記制御装置30により衝突検出手段が構成されている。
前記衝突予知用センサ12は、例えば、歩行者との距離を検出する赤外線センサ等によって構成されていて、この衝突予知用センサ12の出力信号も、前記制御装置30へ入力されて、該制御装置30で車両Vの速度等を考慮して歩行者に衝突するかどうかの予知を行うようになっている。なお、この衝突予知用センサ12及び制御装置30によって衝突予知手段が構成されている。
前記フード衝撃センサ13は、前記衝突検知センサ11と同様に、例えば、コンタクトセンサや圧力センサ等によって構成されており、このフード衝撃センサ13からの出力信号も前記制御装置30に入力されて、その信号に基づいて歩行者がフード1上に乗り上げられたかどうかが判定されるようになっている。
また、前記フード1の下側には、図1及び図2に示すように、該フード1の車両幅方向の両側に歩行者と衝突した際または衝突が予知された際に該フード1を持ち上げるためのアクチュエータ14,14が設けられていて、前記衝突検知センサ11及び衝突予知用センサ12によってそれぞれ検出された結果に基づいて前記制御装置30で歩行者と衝突したと判定された場合若しくは衝突すると予知された場合には、前記アクチュエータ14,14が作動するようになっている。なお、このアクチュエータ14,14及び制御装置30によってフード持ち上げ手段が構成されている。
ここで、前記アクチュエータ14は、例えば、モータ等によって上下動するものやソレノイド等を用いた電磁式のものが好ましいが、この限りではなく、ガス圧によって上下動するガス圧式、火薬の爆発によって上下動する火薬式、スプリングの復元力等によってフード1を上方へ持ち上げる機械式のようなものであってもよい。
上述のように歩行者と衝突した場合若しくは衝突すると予知された場合に、前記アクチュエータ14,14が作動すると、図2に示すように、前記フード1の後部は上方へ持ち上げられて、エンジンルーム内に配設されたエンジン等の構成部品(図示省略)との上下方向の間隔が拡げられる。これにより、フード1と構成部品との間の間隔は、該フード1の下方への変形を阻害しないような間隔になり、歩行者がフード1上に載せ上げられた場合には、その衝撃を該フード1の下方への変形によって十分に吸収することができるようになる。このとき、フード前部1aは車両V側にロック等によって係止されているため、前記アクチュエータ14,14によりフード1の後側が持ち上げられると、該フード後端部1bのエッジ部1cが上方に突出した状態になる。なお、前記フード前部1aがロック等によって係止される構造に限らず、フード後部が前部1aよりも大きく持ち上げられる構造であればどのような構造であってもよい。
そして、本願発明の特徴部分であるが、前記エッジ部1cには、車両幅方向に亘って該エッジ部1cを覆うようにゴムや樹脂材料等からなる緩衝部材15(衝撃軽減手段)が設けられている。この緩衝部材15は、図4にその断面を示すように、横断面視で略コの字状に形成されていて、その内側部分に前記エッジ部1cを把持するようになっている。このように、前記エッジ部1cを覆うように前記緩衝部材15を配設することで、フード後部が上方に持ち上げられることで上方に突出したエッジ部1cに歩行者が衝突した場合でも、該歩行者の受ける衝撃を軽減することができる。
ここで、前記緩衝部材15は、上述の構成に限らず、図5に示すように、前記エッジ部1cを下方に折り曲げて、その折り曲げられたエッジ部1cの先端を覆うとともに、フード1の上面と平坦面をなすように、すなわち該フード1の上面と略面一になるように配設してもよい。こうすれば、例えば耐久性等を考慮して前記緩衝部材15を比較的硬い樹脂材料等によって形成した場合でも、該緩衝部材15はフード1の上面よりも上方に突出しないため、歩行者の受ける衝撃を極小化することができる。
なお、上述のように、フード後部を持ち上げた後、前記フード衝撃センサ13によって歩行者がフード1上に衝突したと検出されなかった場合には、該フード1に歩行者が衝突しなかったものとして、前記アクチュエータ14,14を作動させて、持ち上げたフード後部を下降させるようになっている。
以上より、この実施形態では、歩行者と衝突した場合または衝突が予知された場合に、フード後部を上方に持ち上げることによって、歩行者との衝突の際の衝撃によるフード1の下方への変形が阻害されないようにして、該歩行者への衝撃を軽減するものにおいて、該フード後部を持ち上げることによって上方に突出するフード後端のエッジ部1cに緩衝部材15を設けるようにしたため、該エッジ部1cに歩行者が衝突した場合でも、該歩行者への衝撃を効果的に軽減することができる。
参考例
図6は、本発明の実施形態ではないが、後述する実施形態2の理解を助けるための参考例に係るフード1の後部の概略構成を示している。前記実施形態1とは、この後部の構成のみが異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。すなわち、この参考例では、フード後端のエッジ部1cを含むフード後端部1bが容易に下方に折れ曲がるように、該フード後部には脆弱部(折曲部)が形成されている。
具体的には、図6に示すように、フード1の後側を持ち上げるアクチュエータ14,14(支持部材)よりも車両後方側のフード1の下面には、車両幅方向に延びるように溝部16が設けられていて、この溝部16は、該溝部16よりも車両後方側のフード1上に衝撃が加わった場合には、容易に下方へ折り曲げられる脆弱部になっている。なお、このような脆弱部としては、上述のような溝部16だけでなく、例えばフード1の下面に車両幅方向に並んで数カ所、窪みを設けるようにしてもよいし、その部分だけ材料組成を変更して、下方に折れ曲がりやすい構造としてもよい。
前記溝部16で下方に折り曲げられる様子について詳しく説明すると、まず、歩行者が車両Vと衝突すると、該歩行者はフード1上に載せ上げられる。その際、例えば歩行者の頭部等が前記溝部16よりも車両後方側のフード1上に衝突すると、その衝撃によって、フード後端部1bは前記溝部16で下方に折り曲げられて、図6に二点鎖線で示すように、フード後端のエッジ部1cがフード上面よりも下方に位置するようになる。このように、歩行者との衝突によってエッジ部1cが容易に下方に変位するように脆弱部(溝部16)を設けることで、エッジ部1cに歩行者が衝突した場合でも、該歩行者の受ける衝撃を軽減することができる。
なお、この参考例でも、上述の実施形態1と同様に、前記エッジ部1cを覆うように緩衝部材を設けるようにしてもよい。このように、前記エッジ部1cに緩衝部材を設けることで、歩行者がエッジ部1cから受ける衝撃をより効果的に軽減することができるとともに、万一、前記フード後端部1bが溝部16で下方に折れ曲がらなかった場合でも、確実に歩行者をエッジ部1cから保護することができる。
また、図7に示すように、前記エッジ部1cを下方に折り曲げて、その先端に緩衝部材15を配設、すなわち該緩衝部材15をフード1の上面よりも下側に配設するようにしてもよい。こうすることで、例えば、フード後部が持ち上げられなかった場合でも、図中に二点鎖線で示すように、歩行者との衝突により該フード後端部1bが下方に折れ曲がった後、フード1の下方に位置する構成部品に前記緩衝部材15が当接してさらにエッジ部1cが折れ曲がり、前記緩衝部材15が構成部品とフード後端部1bとの間に位置するようになる。これにより、前記フード後端部1bが下方に折れ曲がった後も、該緩衝部材15が衝撃緩衝の役割を果たし、比較的、硬い構成部品によって歩行者に加わる衝撃を軽減することができる。
以上より、この参考例では、歩行者との衝突時または衝突が予知された際に、フード後部を持ち上げる構成において、該フード後部に溝部16を設けて、歩行者のフード1上への衝突によりフード後端部1bが溝部16で下方に容易に折れ曲がるようにしたため、歩行者が該エッジ部1cから受ける衝撃を軽減することができる。
(実施形態
図9は、本発明の実施形態に係るフード1の後部の構成を示していて、この実施形態も、上述の実施形態とはフード後部の構成のみが異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。すなわち、この実施形態では、歩行者が前記フード後端のエッジ部1cから衝撃を受けないように、該エッジ部1cを含むフード後部材1eが下方に回動するように構成されている。
具体的には、図8及び図9に示すように、フード1は、その後端側を持ち上げるアクチュエータ14,14(支持部材)よりも後側の部分で前後に分割されていて、車両前方側のフード前部材1d(ボンネットフード前部材)と車両後方側のフード後部材1e(ボンネットフード後部材)とにより構成されている。そして、両者は、フード後部材1eをフード上面よりも下方へ所定角度まで回動させる回動機構18によって連結されていて、この連結部分が前記フード後部材1eを下方に折り曲げる折曲部17になっている。ここで、所定角度まで回動とは、歩行者がフード1上に載せ上げられた場合に、該歩行者がフード後端のエッジ部1cに接触しない程度に回動させることをいう。
前記折曲部17には、前記フード後部材1eを下方に回動させる前記回動機構18と、該フード後部材1eをフード前部材1dに対して係止するためのロック機構19(回動ロック機構)とが設けられている。そして、前記回動機構18は、車両幅方向に延びるヒンジ状の部材からなり、その回動部18aからそれぞれ車両前後方向に延びるようにフランジ部18b,18bが設けられていて、該フランジ部18b,18bは、それぞれ、前記フード前部材1dの後端側及びフード後部材1eの前端側に連結されている。そして、前記ロック機構19のロックが解除されると、前記フード後部材1eが回動部18aの回転軸を中心として、下方に所定角度、回動するようになっている。
前記ロック機構19は、通常時は前記フード後部材1eが回動しないようにロックする一方、詳しくは後述するように、歩行者がフード後端のエッジ部1cに衝突する前にロックが解除されるようになっていて、例えば、回動機構18の回動部18aの動作をモータ等によって制御するものや電磁石等を利用した電磁式のものが好ましいが、これに限らず、該回動部18aをピン等で機械的に係止するようなものであってもよい。
そして、前記ロック機構19は、図10に示すように構成された制御部Sにおいて、衝突検知センサ11及び衝突予知用センサ12からの出力信号に基づいて制御装置30によってロックが解除されるようになっていて、フード衝撃センサ13で歩行者のフード1上への衝突が検出されなかった場合等には、後述するように所定時間経過後にロック状態に戻るように制御される。ここで、前記ロック機構19及び該ロック機構19のロックを解除する制御装置30によってロック解除手段が構成される。
なお、この実施形態でも、上述の実施形態と同様に、フード後端のエッジ部1cを覆うように緩衝部材を設けてもよい。このように、エッジ部1eに緩衝部材を設けることで、万一、前記ロック機構19のロックが解除されずに、フード後部材1eが下方に回動しなかった場合でも、前記緩衝部材によってエッジ部1eとの衝突時の衝撃が緩衝され、歩行者への衝撃を確実に軽減することができる。
次に、上述のような歩行者保護装置の構成において、歩行者が衝突した場合若しくは衝突が予知された場合の動作について、図11に示すフローに基づいて説明する。図11のフローがスタートすると(スタート)、まず、ステップSA1で前記衝突予知用センサ12によって歩行者との距離を検出して、その検出信号に基づいて前記制御装置30で歩行者と衝突するかどうかを判定(予知)する。このステップSA1で歩行者に衝突すると判定された場合(YESの場合)には、続くステップSA2に進んで、前記制御装置30がアクチュエータ14,14を作動させて、フード後部を上方へ持ち上げる。一方、前記ステップSA1で歩行者には衝突しないと判定された場合(NOの場合)には、スタートへ戻り(リターン)、再びフローがスタートする。
前記ステップSA2でフード後部が持ち上げられると、続くステップSA3において、前記衝突検知センサ11からの検出信号に基づいて前記制御装置30で歩行者と衝突したかどうかを判定し、歩行者と衝突したと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA4で前記制御装置30がロック機構19のロックを解除して、フード後部材1eを下方へ回動させる。このように、車両Vのフロントバンパ4に設けられた前記衝突検知センサ11によって歩行者との衝突を検出した後、歩行者がフード1上に衝突する前に前記ロック機構19のロックを解除して、フード後部材1eを下方に回動させることで、歩行者がフード後端のエッジ部1eに直接、衝突するのを防止することができ、歩行者への衝撃をより効果的に軽減することができる。
一方、前記ステップSA3で歩行者と衝突していないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA6に進んで前記制御装置30で所定時間が経過したかどうかを判定し、所定時間が経過していなければ(NOの場合)、歩行者がまだ車両Vと衝突していないものとして、歩行者との衝突が判定されるまで若しくは所定時間が経過するまでステップSA3の判定を繰り返す。
前記ステップSA4でロック機構19のロックを解除してフード後部材1eを下方に回動させた後、ステップSA5へ進み、前記フード衝撃センサ13の検出信号に基づいて前記制御装置30で歩行者がフード1上に衝突したかどうかを判定し、衝突したと判定された場合(YESの場合)には、このフローを終了する(エンド)。
一方、前記ステップSA5において、歩行者がフード1上に衝突していないと判定された場合(NOの場合)には、上述のステップSA3におけるNOの場合と同様に、ステップSA6に進んで、所定時間が経過したかどうかの判定を行う。所定時間が経過していなければ(NOの場合)、上述のとおり、ステップSA3へ戻る一方、所定時間が経過したと判定された場合(YESの場合)には、歩行者は車両と衝突しなかった若しくは衝突してもフード1上には衝突していないものとして、続くステップSA7でフード後部を下降させるとともに、前記ステップSA4で下方に回動したフード後部材1eを元の位置に戻して、ロック機構19をロック状態とする。その後、スタートへ戻って(リターン)、再度、このフローがスタートする。
上述のフローにおいて、ボンネットフード後部を持ち上げる前記ステップSA2がフード持ち上げ手段に、ロック機構19のロックを解除する前記ステップSA4がロック解除手段に、それぞれ、対応している。
なお、前記図11のフローでは、前記ステップSA1で衝突を予知した後、フード後部を持ち上げるようにしているが、これに限らず、歩行者に衝突したと判定(ステップSA3)された後、フード後部を持ち上げるようにしてもよい。また、歩行者に衝突したと判定された(ステップSA3)後に、ロック機構19のロックを解除するようにしているが、この限りではなく、フード後部の持ち上げ動作と連動させて、ロックを解除するようにしてもよい。
以上より、この実施形態では、歩行者と衝突した際若しくは衝突が予知された場合に、フード後部を持ち上げる構成において、歩行者がフード1上に衝突する前に、フード後端のエッジ部1cを含むフード後部材1eを下方に回動させるようにしたため、車両と衝突してフード1上に載せ上げられた歩行者が直接、該エッジ部1cに衝突するのを防止することができる。これにより、歩行者は該エッジ部1cから衝撃を受けることなく、該歩行者の保護を図ることができる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記各実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、歩行者がフード1上に衝突したかどうかを検出するフード衝撃センサ13を設けているが、これに限らず、フード衝撃センサ13を設けないようにしてもよい。この場合には、一旦、フード1が持ち上げられると、該フード1はそのままの状態で保持されることになる。
また、前記実施形態では、ロック機構19として、電磁式や機械式のものを例示しているが、これに限らず、アクチュエータ14,14によってフード後部が持ち上げられたときにフード後部材1eがその自重で下方に回動するように構成してもよい。
以上説明したように、本発明における歩行者保護装置は、フード後端のエッジ部による歩行者への衝撃を軽減することができるから、例えば、歩行者と衝突した際にフード後部が持ち上げられるディプロイアブルフードに特に有用である。
本発明の実施形態1に係る車両前部の概略構造を示す斜視図である。 フード後部が持ち上げられた状態の車両前部を示す斜視図である。 制御部の概略構成を示すブロック図である。 フード後端のエッジ部の概略構造を示す断面図である。 フード上面と平坦面をなすように緩衝部材を配設した場合のエッジ部の概略構造を示す断面図である。 本発明の参考例に係るフード後端のエッジ部の概略構造を示す断面図である。 フード後端のエッジ部を下方に折り曲げて、その先端に緩衝部材を設けた場合の概略構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る車両前部の概略構造を示す斜視図である。 フードの車両後方側の概略構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る制御部の概略構成を示すブロック図である。 ロック機構が設けられている場合の歩行者保護装置の制御フローを示すフローチャートである。
V 車両
1 ボンネットフード
1a 前部
1b 後端部
1c エッジ部
1d ボンネットフード前部材
1e ボンネットフード後部材
11 衝突検知センサ
12 衝突予知用センサ
13 フード衝撃センサ
14 アクチュエータ(フード持ち上げ手段、支持部材)
15 緩衝部材
16 溝部(脆弱部)
17 折曲部
18 回動機構
18a 回動部
18b フランジ部
19 ロック機構(回動ロック機構、解除手段)
30 制御装置(フード持ち上げ手段、解除手段)

Claims (4)

  1. 少なくとも車両の衝突時に、歩行者への衝撃を軽減するために、該車両のボンネットフードの前部よりも後部を大きく持ち上げるフード持ち上げ手段を備えた歩行者保護装置であって、
    前記ボンネットフード後端部には、前記フード持ち上げ手段によって持ち上げられた状態で、該ボンネットフード後端部のエッジ部と前記歩行者との衝突による衝撃を軽減するための衝撃軽減手段として、該エッジ部を覆うように緩衝部材が配設されており、
    前記緩衝部材が横断面視で略コ字状に形成されて、その内側に前記エッジ部を把持していることを特徴とする歩行者保護装置。
  2. 請求項1において、
    緩衝部材の一部が、ボンネットフード上面と略平坦になるように配設されていることを特徴とする歩行者保護装置。
  3. 少なくとも車両の衝突時に、歩行者への衝撃を軽減するために、該車両のボンネットフードの前部よりも後部を大きく持ち上げるフード持ち上げ手段を備えた歩行者保護装置であって、
    前記ボンネットフード後端部には、前記フード持ち上げ手段によって持ち上げられた状態で、該ボンネットフード後端部のエッジ部と前記歩行者との衝突による衝撃を軽減するための衝撃軽減手段が設けられ、
    前記フード持ち上げ手段が、ボンネットフードを下方から支持する支持部材を備えている一方、前記衝撃軽減手段は、前記フード持ち上げ手段によってボンネットフードが持ち上げられるときに、前記支持部材よりも車両後方側でボンネットフードの後端部を下方へ折り曲げる折曲部を備えており、
    前記ボンネットフードが、前記折曲部より車両前方側のボンネットフード前部材と、その後端に回動可能に連結されたボンネットフード後部材とを備え、
    前記折曲部には、前記ボンネットフード後部材が前部材に対し下方に回動しないように保持する回動ロック機構と、前記フード持ち上げ手段によってボンネットフードが持ち上げられるときに、前記回動ロック機構のロックを解除するロック解除手段と、を備えていることを特徴とする歩行者保護装置。
  4. 請求項において、
    ボンネットフード後端部のエッジ部が緩衝部材によって覆われていることを特徴とする歩行者保護装置
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