JP2018042530A - トラクタ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係るトラクタは、耕耘装置を取り付けて作業可能なトラクタであって、
車体の後部に上下揺動可能に連結され、前記耕耘装置を取り付け可能な3点リンク機構と、前記3点リンク機構を昇降駆動する油圧式の昇降駆動ユニットと、牽引負荷の変化量及び耕深の変化量のいずれか一方を選択的に昇降操作量に変換して前記昇降駆動ユニットに伝える自動昇降用の機械式連係ユニットとを備え、
前記機械式連係ユニットは、第1変換状態と第2変換状態とに切り替え可能な変化量変換機構と、前記変化量変換機構と前記昇降駆動ユニットとを連動連結するリンク機構と、前記変化量変換機構を前記第1変換状態と前記第2変換状態とに切り替える操作具とを備え、
前記変化量変換機構は、前記3点リンク機構のトップリンクを介して伝わる牽引負荷に応じて前後揺動する負荷検出部材と、前記耕耘装置の耕深に応じて揺動する揺動部材とを備え、
前記変化量変換機構が前記第1変換状態に切り替えられると、前記変化量変換機構は、前記負荷検出部材の前後揺動で得られる前記牽引負荷の変化量を前記昇降操作量に変換可能であり、
前記変化量変換機構が前記第2変換状態に切り替えられると、前記変化量変換機構は、前記揺動部材の揺動で得られる前記耕深の変化量を前記昇降操作量に変換可能である。
又、ロータリ耕耘装置などによる耕耘作業を行う場合は、3点リンク機構にロータリ耕耘装置などが取り付けられることにより、機械式連係ユニットが自動耕深制御状態になる。そして、この自動耕深制御状態においては、作業者が、操作具を操作して、変化量変換機構を第2変換状態に切り替えておくと、耕耘作業時に、耕深に応じてロータリ耕耘装置などが自動的に昇降する自動耕深制御が行われる。その結果、耕深が一定に維持された精度の高い耕耘作業を行える。
つまり、このトラクタにおいては、前述した構成の機械式連係ユニットを備えることにより、プラウやサブソイラなどによる耕耘作業を行う場合は前述したドラフト制御を行うことができ、又、ロータリ耕耘装置などによる耕耘作業を行う場合は前述した自動耕深制御を行うことができる。
前記揺動部材は、前記負荷検出部材に揺動可能に支持され、
前記操作具は、前記負荷検出部材に接触して前記負荷検出部材の前後揺動を阻止する接触位置と、前記負荷検出部材に接触せずに前記負荷検出部材の前後揺動を許容する非接触位置とにわたって移動する接触部材を備え、
前記接触部材が前記非接触位置のとき、前記負荷検出部材が前後揺動することで前記牽引負荷の変化量が前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられ、
前記接触部材が前記接触位置のとき、前記負荷検出部材が前後揺動しない状態で前記揺動部材が独立揺動することで前記耕深の変化量が前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられる。
これにより、ロータリ耕耘装置などによる耕耘作業時の自動耕深制御において、負荷検出部材が、トップリンクを介して伝わる牽引負荷に応じて前後揺動することがなくなり、よって、負荷検出部材の前後揺動に起因して、変化量変換機構に牽引負荷の変化量が入力される虞がなくなる。
その結果、耕深の変化量に基づく自動耕深制御において、牽引負荷の変化量が変化量変換機構に入力されることに起因して作業精度が低下する虞を回避することができる。
前記第1変換状態として標準変換状態と増幅変換状態とを備え、
前記変化量変換機構は、前記操作具の操作によって前記標準変換状態と前記増幅変換状態とに切り替え可能であり、かつ、前記負荷検出部材に対して前記揺動部材を所定姿勢に付勢する保持機構を備え、
前記変化量変換機構が前記標準変換状態のとき、前記保持機構の保持作用によって前記負荷検出部材と前記揺動部材とが一体揺動し、前記負荷検出部材の前後揺動で得られる前記牽引負荷の変化量が増幅されずに前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられ、
前記変化量変換機構が前記増幅変換状態のとき、前記保持機構の保持作用に抗した前記負荷検出部材と前記揺動部材との相対揺動が許容され、前記負荷検出部材の前後揺動で得られる前記牽引負荷の変化量が増幅されて前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられる。
又、例えば、土の硬さなどから牽引負荷が大きくなり易く牽引負荷の変動が激しくなり易い圃場においてプラウやサブソイラなどによる耕耘作業を行う場合、作業者が、操作具を操作して、変化量変換機構を増幅変換状態に切り替えておくと、プラウやサブソイラなどを、この圃場に適した速い速度で牽引負荷に応じて昇降させることができる。その結果、牽引負荷の急激な上昇に起因したエンジンストールの発生を回避することができる。
前記保持機構は、前記負荷検出部材に対して前記揺動部材が前記3点リンク機構を下降させる方向に揺動するのを制限するストッパと、前記ストッパに向けて前記揺動部材を揺動付勢するバネとを備えている。
その結果、構成の簡素化を図りながら、変化量変換機構の標準変換状態と増幅変換状態との切り替えを好適に行える。
前記変化量変換機構は、車体における運転座席の後方箇所に前記運転座席に隣接して配置されている。
又、運転座席の後方箇所は、その上方がカバーなどで覆われていないことから、変化量変換機構に対するメンテナンスが行い易くなる。
前記操作具は、車体における運転座席の後方箇所に前記運転座席に隣接して配置されている。
前記負荷検出部材は、長いトップリンクが連結される第1連結部と、短いトップリンクを支持するブラケットが連結される第2連結部とを備えている。
そして、3点リンク機構の仕様が標準リンク仕様から特殊リンク仕様に変更された場合、昇降駆動ユニットの昇降操作量に対するロータリ耕耘装置の昇降駆動量が大きくなり、ロータリ耕耘装置の最上昇位置が高くなる。
その結果、例えば、高い畦を備える作業地においてロータリ耕耘装置による耕耘作業を行う場合は、3点リンク機構の仕様を、標準リンク仕様から特殊リンク仕様に変更しておくことにより、畦越え走行や畦際旋回などを行うときに、ロータリ耕耘装置が高い畦に接触する虞を回避し易くなる。
尚、図1に記載した符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Uの矢印が指し示す方向がトラクタの上側である。
又、作業者が、高さ設定レバー23を操作して耕耘装置15の制御目標高さを低くすると、この操作に伴って、第1リンク機構25が、スプール22Aの中立位置から下降位置への移動を許容し、スプール22Aが付勢手段の作用で中立位置から下降位置に移動する。これにより、左右のリフトアーム20とともに耕耘装置15が下降する。そして、この下降で耕耘装置15が制御目標高さに到達すると、これに連動して、フィードバックリンク機構26が制御バルブ22のスプール22Aを下降位置から中立位置に移動させる。これにより、左右のリフトアーム20とともに耕耘装置15が下降を停止する。
機械式連係ユニット18の自動耕深制御状態において、変化量変換機構33が前述した第2変換状態に切り替えられると、変化量変換機構33は、揺動部材38の揺動で得られる耕深の変化量を昇降操作量に変換することが可能になる(図2、図16〜17参照)。
これにより、このトラクタにおいてプラウ15Aによる耕耘作業を行う場合は、3点リンク機構12にプラウ15Aが取り付けられることにより、機械式連係ユニット18がドラフト制御状態になる。そして、このドラフト制御状態においては、作業者が、操作具35を操作して、変化量変換機構33を第1変換状態に切り替えておくと、耕耘作業時に、牽引負荷に応じてプラウ15Aが自動的に昇降するドラフト制御が行われる。その結果、牽引負荷の上昇に起因したエンジンストールの発生を回避することができる。
又、このトラクタにおいてロータリ耕耘装置15Bによる耕耘作業を行う場合は、3点リンク機構12にロータリ耕耘装置15Bが取り付けられ、揺動部材38と接地体37とが、第3リンク機構39を介して連動連結されることにより、機械式連係ユニット18が自動耕深制御状態になる。そして、この自動耕深制御状態においては、作業者が、操作具35を操作して、変化量変換機構33を第2変換状態に切り替えておくと、耕耘作業時に、耕深に応じた接地体(後部カバー)37の上下揺動に連動してロータリ耕耘装置15Bが自動的に昇降する自動耕深制御が行われる。その結果、耕深が一定に維持された精度の高い耕耘作業を行える。
つまり、このトラクタにおいては、前述した構成の機械式連係ユニット18を備えることにより、プラウ15Aによる耕耘作業を行う場合は前述したドラフト制御を行うことができる。又、ロータリ耕耘装置15Bによる耕耘作業を行う場合は前述した自動耕深制御を行うことができる。
つまり、接触部材40が非接触位置のときに、変化量変換機構33が前述した第1変換状態になり、接触部材40が接触位置のときに、変化量変換機構33が前述した第2変換状態になる。
これにより、ロータリ耕耘装置15Bによる耕耘作業時の自動耕深制御において、負荷検出部材36が、トップリンク13を介して伝わる牽引負荷に応じて前後揺動することがなくなり、よって、負荷検出部材36の前後揺動に起因して、変化量変換機構33に牽引負荷の変化量が入力される虞がなくなる。
その結果、耕深の変化量に基づく自動耕深制御において、牽引負荷の変化量が変化量変換機構33に入力されることに起因して作業精度が低下する虞を回避することができる。
尚、本実施形態においては、複数の連結孔38Aとして2つの連結孔38Aが揺動部材38に形成された形態を例示しているが、3つ以上の連結孔38Aが揺動部材38に形成されていてもよい。
この構成により、機械式連係ユニット18のドラフト制御状態において変化量変換機構33が第1変換状態に切り替えられた場合、牽引負荷が上昇すると、この上昇に連動して、保持機構52の保持作用によって負荷検出部材36と揺動部材38とが車体前側に一体揺動する。又、牽引負荷が低下すると、この低下に連動して、保持機構52の保持作用によって負荷検出部材36と揺動部材38とが車体後側に一体揺動する。
そして、負荷検出部材36と揺動部材38とが車体前側に一体揺動した場合、この一体揺動に連動して操作アーム53が車体後方向に揺動し、この揺動で操作アーム53が第1揺動アーム27の連係部27Aを車体後方向に押圧する。これにより、第1揺動アーム27が車体後方向に揺動し、第1揺動アーム27に連係された制御バルブ22のスプール22Aが、付勢手段の作用に抗して中立位置から上昇位置に移動する(図13参照)。その結果、左右のリフトアーム20とともにプラウ15Aが上昇する。
又、負荷検出部材36と揺動部材38とが車体後側に一体揺動した場合、その一体揺動に連動して操作アーム53が車体前方向に揺動し、この揺動で操作アーム53が第1揺動アーム27の連係部27Aから車体前方向に離れる。これにより、第1揺動アーム27の車体前方向への揺動が許容され、制御バルブ22のスプール22Aが、付勢手段の作用によって中立位置から下降位置に移動する。その結果、左右のリフトアーム20とともにプラウ15Aが下降する。
一方、機械式連係ユニット18の自動耕深制御状態において変化量変換機構33が第2変換状態に切り替えられた場合、耕深が深くなって接地体37が上昇すると、この上昇に連動して、揺動部材38が、保持機構52の付勢に抗して、負荷検出部材36に対して後傾方向に独立揺動する。又、耕深が浅くなって接地体37が下降すると、この下降に連動して、揺動部材38が、保持機構52の付勢によって、負荷検出部材36に対して前傾方向に独立揺動する。
そして、揺動部材38が後傾方向に独立揺動した場合、この独立揺動に連動して操作アーム53が車体後方向に揺動し、この揺動で操作アーム53が第1揺動アーム27の連係部27Aを車体後方向に押圧する。これにより、第1揺動アーム27が車体後方向に揺動し、第1揺動アーム27に連係された制御バルブ22のスプール22Aが、付勢手段の作用に抗して中立位置から上昇位置に移動する(図17参照)。その結果、左右のリフトアーム20とともにロータリ耕耘装置15Bが上昇する。
又、揺動部材38が前傾方向に独立揺動した場合、この独立揺動に連動して操作アーム53が車体前方向に揺動し、この揺動で操作アーム53が第1揺動アーム27の連係部27Aから車体前方向に離れる。これにより、第1揺動アーム27の車体前方向への揺動が許容され、制御バルブ22のスプール22Aが、付勢手段の作用によって中立位置から下降位置に移動する。その結果、左右のリフトアーム20とともにロータリ耕耘装置15Bが下降する。
フィードバックリンク機構26は、前述した機械式連係ユニット18の自動耕深制御状態において、ロータリ耕耘装置15Bの上昇又は下降によって耕深に応じた揺動部材38の独立揺動が停止すると、この揺動停止に連動して、制御バルブ22のスプール22Aを上昇位置又は下降位置から中立位置に移動させる。これにより、左右のリフトアーム20とともにロータリ耕耘装置15Bが上昇又は下降を停止する。
つまり、ストッパ57とバネ58とを備えるだけの簡単な構成で、変化量変換機構33が第1変換状態のときは、負荷検出部材36と揺動部材38とを一体揺動させることができ、変化量変換機構33が第2変換状態のときは、負荷検出部材36に対して揺動部材38を独立揺動させることができる。
その結果、構成の簡素化を図りながら、変化量変換機構33の第1変換状態と第2変換状態との切り替えを好適に行える。
そして、変化量変換機構33が標準変換状態のとき、保持機構52の保持作用によって負荷検出部材36と揺動部材38とが一体揺動し、この一体揺動により、負荷検出部材36の前後揺動で得られる牽引負荷の変化量が増幅されずに昇降操作量として昇降駆動ユニット17に伝えられる(図12〜13参照)。
又、変化量変換機構33が増幅変換状態のとき、保持機構52の保持作用に抗した負荷検出部材36と揺動部材38との相対揺動が許容され、この相対揺動により、負荷検出部材36の前後揺動で得られる牽引負荷の変化量が増幅されて昇降操作量として昇降駆動ユニット17に伝えられる(図14〜15参照)。
これにより、例えば、土の硬さなどから牽引負荷が大きくなり難く牽引負荷の変動が激しくなり難い標準的な圃場においてプラウ15Aによる耕耘作業を行う場合、作業者が、操作具35を操作して、変化量変換機構33を標準変換状態に切り替えておくと、プラウ15Aを、この圃場に適した標準的な速度で牽引負荷に応じて昇降させることができる。その結果、耕深の変化が穏やかなドラフト制御を行いながら、牽引負荷の上昇に起因したエンジンストールの発生を回避することができる。
又、例えば、土の硬さなどから牽引負荷が大きくなり易く牽引負荷の変動が激しくなり易い圃場においてプラウ15Aによる耕耘作業を行う場合、作業者は、操作具35を操作して、変化量変換機構33を増幅変換状態に切り替えておくことにより、プラウ15Aを、この圃場に適した速い速度で牽引負荷に応じて昇降させることができる。その結果、牽引負荷の急激な上昇に起因したエンジンストールの発生を回避することができる。
つまり、前述した保持機構52に加えて、操作具35に受止部材59を備えるだけの構成で、受止部材59が非受け止め位置のときは、負荷検出部材36と揺動部材38とが一体揺動する変化量変換機構33の標準変換状態を得ることができる。又、受止部材59が受け止め位置のときは、負荷検出部材36と揺動部材38との相対揺動が許容される変化量変換機構33の増幅変換状態を得ることができる。
その結果、構成の簡素化を図りながら、変化量変換機構33の標準変換状態と増幅変換状態との切り替えを良好に行える。
これにより、牽引負荷が設定値を少し上回るだけでエンジンストールを招く虞がない作業状況においては、変化量変換機構33が増幅変換状態であっても、プラウ15Aは牽引負荷に応じて標準的な速度で昇降駆動される。
その結果、牽引負荷が設定値を少しだけ上回るような作業状況においてもプラウ15Aを牽引負荷に応じて速い速度で昇降させることに起因して、昇降駆動ユニット17の耐久性が低下する虞を回避することができる。
そして、負荷検出部材36が車体前側に揺動するとともに揺動部材38が後傾方向に相対揺動した場合、この相対揺動に連動して操作アーム53が車体後方向に揺動し、この揺動で操作アーム53が第1揺動アーム27の連係部27Aを車体後方向に押圧する。これにより、第1揺動アーム27が車体後方向に揺動し、第1揺動アーム27に連係された制御バルブ22のスプール22Aが、付勢手段の作用に抗して中立位置から上昇位置に移動する(図15参照)。その結果、左右のリフトアーム20とともにプラウ15Aが上昇する。
又、負荷検出部材36が車体後側に揺動するとともに揺動部材38が前傾方向に相対揺動した場合、この相対揺動に連動して操作アーム53が車体前方向に揺動し、この揺動で操作アーム53が第1揺動アーム27の連係部27Aから車体前方向に離れる。これにより、第1揺動アーム27の車体前方向への揺動が許容され、制御バルブ22のスプール22Aが、付勢手段の作用によって中立位置から下降位置に移動する。その結果、左右のリフトアーム20とともにプラウ15Aが下降する。
この構成により、変化量変換機構33の増幅変換状態において、負荷検出部材36と揺動部材38との相対揺動で揺動部材38が受止部材59に対して摺動するときは、その摺動に伴ってローラ60が摺動方向に回転する。
これにより、受止部材59に対して揺動部材38が円滑に摺動し、負荷検出部材36と揺動部材38とが円滑に相対揺動する。
その結果、変化量変換機構33の増幅変換状態でのドラフト制御を円滑に行わせることができる。
又、運転座席11の後方箇所は、その上方がカバーなどで覆われていないことから、変化量変換機構33に対するメンテナンスが行い易くなる。
操作具35は、右側の第1操作位置に位置保持されると、接触部材40が非接触位置に位置し、受止部材59が非受け止め位置に位置する。これにより、変化量変換機構33は、ドラフト制御用の標準変換状態になる。
操作具35は、左右中間の第2操作位置に位置保持されると、接触部材40が非接触位置に位置し、受止部材59が受け止め位置に位置する。これにより、変化量変換機構33は、ドラフト制御用の増幅変換状態になる。
操作具35は、左側の第3操作位置に位置保持されると、接触部材40が接触位置に位置し、受止部材59が非受け止め位置に位置する。これにより、変化量変換機構33は、自動耕深制御用の第2変換状態になる。
つまり、作業者は、操作具35の操作位置を切り換えることにより、変化量変換機構33を、ドラフト制御用の標準変換状態と、ドラフト制御用の増幅変換状態と、自動耕深制御用の第2変換状態とに簡単に切り替えることができる。
つまり、負荷検出部材36の前後揺動範囲は、支持部材47に形成された各長孔47aの前後長さによって制限設定されている。
これにより、制限機構50が負荷検出部材36の前後揺動を制限するときは、制限機構50の連係ピン64がゴムブロック65に衝突することから、連係ピン64が支持部材47の連係部47Bに衝突することによる騒音の発生を防止することができる。
感度調節機構66は、前述した隙間71が大きくなるほど、昇降駆動ユニット17が揺動部材38と連動するときの作動感度が鈍感になり、牽引負荷が設定値を超えてプラウ15Aが上昇するときの応答性が悪くなる。
その結果、例えば、圃場の起伏が激しいなどの圃場条件に起因して、牽引負荷の変化が激しくなるほど、前述した作動感度を鈍感にすることにより、プラウ15Aが頻繁に昇降してハンチングすることに起因した耕耘作業精度の低下を防止することができる。
これにより、例えば、ロータリ耕耘装置15Bによる耕耘作業を行う場合、3点リンク機構12の仕様を、長いトップリンク13Aと左右のロアリンク14とを備える標準リンク仕様と、短いトップリンク13Bと左右のロアリンク14とを備える特殊リンク仕様とに簡単に変更することができる。
そして、3点リンク機構12の仕様が標準リンク仕様から特殊リンク仕様に変更された場合、昇降駆動ユニット17の昇降操作量に対するロータリ耕耘装置15Bの昇降駆動量が大きくなり、ロータリ耕耘装置15Bの最上昇位置が高くなる。
その結果、例えば、高い畦を備える作業地においてロータリ耕耘装置15Bによる耕耘作業を行う場合は、3点リンク機構12の仕様を、標準リンク仕様から特殊リンク仕様に変更しておくことにより、畦越え走行や畦際旋回などを行うときに、ロータリ耕耘装置15Bが高い畦に接触する虞を回避し易くなる。
本発明は、上記の実施形態で例示した構成に限定されるものではなく、以下、本発明に関する代表的な別実施形態を例示する。
例えば、トラクタは、左右の後輪7に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、トラクタは、左右の前輪6及び左右の後輪7に代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、トラクタは、エンジン2の代わりに電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、トラクタは、エンジン2と電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
そして、モーア又は播種機などが3点リンク機構12に取り付けられた作業走行時においては、作業者が、操作具35を第3操作位置に位置させて変化量変換機構33を第2変換状態に切り替えておくと、牽引負荷に応じた負荷検出部材36の前後揺動を阻止することができ、作業中の牽引負荷によってモーア又は播種機などが昇降する虞を回避することができる。
例えば、昇降駆動ユニット17は、油圧シリンダ21の代わりに油圧モータなどを備える構成であってもよい。
例えば、昇降駆動ユニット17は、制御バルブ22のスプール22Aを下降位置に復帰付勢する付勢手段を、制御バルブ22の外部に備える構成であってもよい。
例えば、変化量変換機構33は、第1変換状態として標準変換状態のみを備える構成であってもよい。
例えば、変化量変換機構33は、負荷検出部材36を支持する支持部材47に揺動部材38が揺動可能に支持され、操作具35の操作で、負荷検出部材36がリンク機構34に連結される第1変換状態と、揺動部材38がリンク機構34に連結される第2変換状態とに切り替わる構成であってもよい。
例えば、変化量変換機構33は、揺動部材38として、負荷検出部材36に揺動可能に支持されたドラフト制御用の揺動部材38と、支持部材47に揺動可能に支持された自動耕深制御用の揺動部材38とを備え、操作具35の操作で、ドラフト制御用の揺動部材38がリンク機構34に連結される第1変換状態と、自動耕深制御用の揺動部材38がリンク機構34が連結される第2変換状態とに切り替わる構成であってもよい。この構成では、第1変換状態として標準変換状態と増幅変換状態とを備えることができる。
例えば、負荷検出部材36は、その上端部が第1支軸48を介して支持部材47に支持される構成であってもよい。
例えば、負荷検出部材36は、上下に長い第1支軸48を介して支持部材37に前後揺動可能に支持される構成であってもよい。
12 3点リンク機構
13 トップリンク
13A 長いトップリンク
13B 短いトップリンク
15 耕耘装置
17 昇降駆動ユニット
18 機械式連係ユニット
33 変化量変換機構
34 リンク機構
35 操作具
36 負荷検出部材
36B 第1連結部
36C 第2連結部
38 揺動部材
40 接触部材
52 保持機構
57 ストッパ
58 バネ
72 ブラケット
Claims (7)
- 耕耘装置を取り付けて作業可能なトラクタであって、
車体の後部に上下揺動可能に連結され、前記耕耘装置を取り付け可能な3点リンク機構と、前記3点リンク機構を昇降駆動する油圧式の昇降駆動ユニットと、牽引負荷の変化量及び耕深の変化量のいずれか一方を選択的に昇降操作量に変換して前記昇降駆動ユニットに伝える自動昇降用の機械式連係ユニットとを備え、
前記機械式連係ユニットは、第1変換状態と第2変換状態とに切り替え可能な変化量変換機構と、前記変化量変換機構と前記昇降駆動ユニットとを連動連結するリンク機構と、前記変化量変換機構を前記第1変換状態と前記第2変換状態とに切り替える操作具とを備え、
前記変化量変換機構は、前記3点リンク機構のトップリンクを介して伝わる牽引負荷に応じて前後揺動する負荷検出部材と、前記耕耘装置の耕深に応じて揺動する揺動部材とを備え、
前記変化量変換機構が前記第1変換状態に切り替えられると、前記変化量変換機構は、前記負荷検出部材の前後揺動で得られる前記牽引負荷の変化量を前記昇降操作量に変換可能であり、
前記変化量変換機構が前記第2変換状態に切り替えられると、前記変化量変換機構は、前記揺動部材の揺動で得られる前記耕深の変化量を前記昇降操作量に変換可能であるトラクタ。 - 前記揺動部材は、前記負荷検出部材に揺動可能に支持され、
前記操作具は、前記負荷検出部材に接触して前記負荷検出部材の前後揺動を阻止する接触位置と、前記負荷検出部材に接触せずに前記負荷検出部材の前後揺動を許容する非接触位置とにわたって移動する接触部材を備え、
前記接触部材が前記非接触位置のとき、前記負荷検出部材が前後揺動することで前記牽引負荷の変化量が前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられ、
前記接触部材が前記接触位置のとき、前記負荷検出部材が前後揺動しない状態で前記揺動部材が独立揺動することで前記耕深の変化量が前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられる請求項1に記載のトラクタ。 - 前記第1変換状態として標準変換状態と増幅変換状態とを備え、
前記変化量変換機構は、前記操作具の操作によって前記標準変換状態と前記増幅変換状態とに切り替え可能であり、かつ、前記負荷検出部材に対して前記揺動部材を所定姿勢に付勢する保持機構を備え、
前記変化量変換機構が前記標準変換状態のとき、前記保持機構の保持作用によって前記負荷検出部材と前記揺動部材とが一体揺動し、前記負荷検出部材の前後揺動で得られる前記牽引負荷の変化量が増幅されずに前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられ、
前記変化量変換機構が前記増幅変換状態のとき、前記保持機構の保持作用に抗した前記負荷検出部材と前記揺動部材との相対揺動が許容され、前記負荷検出部材の前後揺動で得られる前記牽引負荷の変化量が増幅されて前記昇降操作量として前記昇降駆動ユニットに伝えられる請求項2に記載のトラクタ。 - 前記保持機構は、前記負荷検出部材に対して前記揺動部材が前記3点リンク機構を下降させる方向に揺動するのを制限するストッパと、前記ストッパに向けて前記揺動部材を揺動付勢するバネとを備えている請求項3に記載のトラクタ。
- 前記変化量変換機構は、車体における運転座席の後方箇所に前記運転座席に隣接して配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のトラクタ。
- 前記操作具は、車体における運転座席の後方箇所に前記運転座席に隣接して配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のトラクタ。
- 前記負荷検出部材は、長いトップリンクが連結される第1連結部と、短いトップリンクを支持するブラケットが連結される第2連結部とを備えている請求項1〜6のいずれか一項に記載のトラクタ。
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