JP2018040876A - 光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置 - Google Patents

光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れた光学異方性膜、それを用いた光学フィルム、偏光板および画像表示装置を提供する。【解決手段】式(I)で表される重合性化合物と、式(II)で表される重合性化合物とを含有する重合性組成物を重合して得られる光学異方性膜。ここで、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置に関する。
逆波長分散性を示す重合性化合物は、広い波長範囲での正確な光線波長の変換が可能になること、および、高い屈折率を有するために位相差フィルムを薄膜化できること、などの特徴を有しているため、盛んに研究されている。なお、本明細書において、「逆波長分散性」の重合性化合物とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
また、逆波長分散性を示す重合性化合物としては、一般にT型の分子設計指針が取られており、分子長軸の波長を短波長化し、分子中央に位置する短軸の波長を長波長化することが要求されている。
そのため、分子中央に位置する短軸の骨格(以下、「逆波長分散発現部」ともいう。)と、分子長軸との連結には、吸収波長のないシクロアルキレン骨格を利用することが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2008−273925号公報 特開2010−031223号公報 国際公開第2014/010325号 特開2016−081035号公報
本発明者らは、特許文献1〜4に記載された重合性化合物について検討したところ、シクロアルキレン骨格を利用した重合性化合物を用いた場合には、形成される光学異方性膜が高温高湿下に晒された場合において、複屈折率が変化してしまうなどといった耐久性の問題があることを明らかとした。
そこで、本発明は、耐久性に優れた光学異方性膜、それを用いた光学フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、逆波長分散性を示す重合性化合物とともに、棒状のメソゲン構造を1分子中に2個以上連結した重合性化合物を用いることにより、形成される光学異方性膜の耐久性が良好となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 後述する式(I)で表される重合性化合物と、後述する式(II)で表される重合性化合物とを含有する重合性組成物を重合して得られる光学異方性膜。
[2] 後述する式(II)中のL10が、後述する式(L−1)または(L−2)で表される連結基である、[1]に記載の光学異方性膜。
[3] 後述する式(L−1)中のL21および後述する式(L−2)中のL22が、それぞれ独立に、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−C(=O)OCH2−、−CH2OC(=O)−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択されるいずれかの連結基である、[2]に記載の光学異方性膜。
[4] 後述する式(II)中のL10が、後述する式(1)〜(10)のいずれかで表される連結基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学異方性膜。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学異方性膜を有する光学フィルム。
[6] [5]に記載の光学フィルムと、偏光子とを有する、偏光板。
[7] [5]に記載の光学フィルム、または、[6]に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
本発明によれば、耐久性に優れた光学異方性膜、それを用いた光学フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することができる。
図1Aは、本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。 図1Bは、本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。 図1Cは、本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[光学異方性膜]
本発明の光学異方性膜は、後述する式(I)で表される重合性化合物(以下、「重合性化合物(I)」とも略す。)と、後述する式(II)で表される重合性化合物(以下、「重合性化合物(II)」とも略す。)と、を含有する重合性組成物を重合して得られる光学異方性膜である。
本発明においては、上述した通り、重合性化合物(I)とともに重合性化合物(II)を用いることにより、形成される光学異方性膜の耐久性が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、特許文献1〜4などに記載された重合性化合物の構造に含まれるエステル結合、特に、逆波長分散発現部とシクロアルキレン骨格との間に存在するエステル結合は、重合後、すなわち光学異方性膜が形成された後においても存在することになるが、本発明者らは、このエステル結合が高温高湿環境下において加水分解することで、重合性基によって固定化された液晶性化合物の一部が遊離して可動性を持ち、複屈折率が変化してしまうと推測している。
そのため、本発明においては、重合性化合物(I)とともに重合性化合物(II)を用いることにより、架橋密度が向上し、光学異方性層の内部に水分が侵入し難くなり、その結果、加水分解が生じ難くなったため、耐久性が向上したと考えられる。特に、重合性化合物(II)は、棒状のメソゲン構造を複数有しているため、重合性化合物(I)が配向する際に取り込まれやすくなり、架橋密度が向上したと考えられる。
以下、本発明の光学異方性膜の形成に用いられる重合性組成物の各成分について詳細に説明する。
〔重合性化合物(I)〕
光学異方性膜を形成する重合性組成物は、下記式(I)で表される重合性化合物(I)を含有する。
上記式(I)中、2つのシクロヘキサン環は、いずれもトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表しているが、各シクロヘキサン環における結合手の向きが反対(トランス型)であることを示すものである。
そのため、上記式(I)中の左側のシクロヘキサン環とL2との結合向きと、右側のシクロヘキサン環とL3との結合向きとの関係は特に限定されず、上記式(I)で表される構造は、以下に示す構造のいずれであってもよい。
ここで、上記式(I)中、mおよびnは、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。なお、mまたはnの数によって複数となるZ1、Z2、L1およびL4は、いずれも、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明においては、溶解性に優れ、製造適性が向上する理由から、mおよびnがいずれも1であることが好ましい。
また、上記式(I)中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。
上記アリーレン基は、炭素数6〜20のアリーレン基であるのが好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基であるのがより好ましい。このようなアリーレン基としては、具体的には、例えば、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基などが挙げられ、中でも、1,4−フェニレン基が好ましい。
また、上記ヘテロアリーレン基は、炭素数2〜9のヘテロアリーレン基であるのが好ましい。このようなヘテロアリーレン基としては、具体的には、例えば、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、および、これらが縮環して形成される縮環からなる群から選択されるいずれかの環構造を構成する2個の炭素原子から水素原子をそれぞれ1個ずつ除いて得られる基などが挙げられる。
また、Z1およびZ2が示すトランス−1,4−シクロヘキシレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基が有していてもよい置換基(以下、「Z1およびZ2が有していてもよい置換基」ともいう。)としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基であるのが特に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、メトキシエトキシ基等)がより好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが更に好ましく、メトキシ基またはエトキシ基であるのが特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子であるのが好ましい。
本発明においては、液晶性を発現する理由から、上記式(I)中のZ1およびZ2が、いずれも置換基を有していてもよいアリーレン基であることが好ましく、いずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であることがより好ましい。
また、上記式(I)中、L1、L2、L3およびL4は、それぞれ独立に、単結合、または、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−C(=O)N(T1)−、−N(T2)C(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−CH=CH−C(=O)O−、−OC(=O)−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、および、−N=N−からなる群から選択されるいずれかの連結基を表し、T1およびT2は、それぞれ独立に、−Sp3−R3を表す。
本発明においては、溶解性に優れ、製造適性が向上する理由から、上記式(I)中のL1、L2、L3およびL4が、いずれも−C(=O)O−または−OC(=O)−であることが好ましい。
また、上記式(I)中のSp1およびSp2、ならびに、上記式(I)中のL1、L2、L3およびL4の2つの構造、すなわち、−C(=O)N(T1)−および−N(T2)C(=O)−のT1およびT2に含まれるSp3は、それぞれ独立に、単結合、あるいは、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択されるいずれかの連結基を表す。
Sp1〜Sp3が示す炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基(置換前のアルキレン基も含む。)としては、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基等が挙げられる。
本発明においては、溶解性に優れる理由から、上記式(I)中のSp1およびSp2が、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基(連結基)であることが好ましく、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基(連結基)であることがより好ましく、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個または2個が−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換され、かつ、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個が−O−で置換された基(連結基)であることが更に好ましい。
また、上記式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、下記式(R−1)〜(R−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す。なお、下記式(R−1)〜(R−5)中、*はSp1またはSp2との結合位置を表す。
これらのうち、重合適性の観点から、上記式(I)中のR1およびR2は、いずれも、下記式(R−1)で表されるアクリロイル基、または、下記式(R−2)で表されるメタクリロイル基であることが好ましい。
また、上記式(I)中のL1、L2、L3およびL4の2つの構造、すなわち、−C(=O)N(T1)−および−N(T2)C(=O)−のT1およびT2に含まれるR3は、水素原子、あるいは、シクロアルキル基、シクロアルキル基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、および、上記式(R−1)〜(R−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基を表す。なお、この場合における上記式(R−1)〜(R−5)中の*は、Sp3との結合位置を表す。
また、上記式(I)中、Ar1は、下記式(Ar−1)〜(Ar−4)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す。なお、下記式(Ar−1)〜(Ar−4)中、*1はL2との結合位置を表し、*2はL3との結合位置を表す。
ここで、上記式(Ar−1)中、Q1は、NまたはCHを表し、Q2は、−S−、−O−、または、−N(R4)−を表し、R4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Y1は、置換基を有してもよい、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
4が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
1が示す炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
1が示す炭素数3〜12の芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、ピリジル基などのヘテロアリール基が挙げられる。
また、Y1が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar−1)〜(Ar−4)中、Z3、Z4およびZ5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR56、または、−SR7を表し、R5〜R7は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Z3およびZ4は、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、tert−ブチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチル−ブチル基が更に好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、アダマンチル基等の多環式飽和炭化水素基;等が挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられ、炭素数6〜12のアリール基(特にフェニル基)が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子であるのが好ましい。
一方、R5〜R7が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
また、上記式(Ar−2)中、A4およびA5は、それぞれ独立に、−O−、−N(R8)−、−S−、および、−CO−からなる群から選択される基を表し、R8は、水素原子または置換基を表す。
8が示す置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar−2)中、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表す。
また、Xが示す第14〜16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換基を有する窒素原子、置換基を有する炭素原子が挙げられ、置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar−3)〜(Ar−4)中、Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
また、上記式(Ar−3)〜(Ar−4)中、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
ここで、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
また、Q3は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
AxおよびAyとしては、特許文献3(国際公開第2014/010325号)の[0039]〜[0095]段落に記載されたものが挙げられる。
また、Q3が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられ、置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
上記式(I)で表される重合性化合物の好ましい例を以下に示すが、これらの重合性化合物に限定されるものではない。なお、下記式中の1,4−シクロヘキシレン基は、いずれもトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。
なお、上記式中、「*」は結合位置を表す。
本発明においては、上記式(I)で表される重合性化合物としては、液晶分子間に電子的相互作用が働くことで光学異方性膜の耐久性がより良好となる理由から、上記式(I)中のAr1が上述した式(Ar−2)で表される化合物が好ましい。
このような化合物としては、具体的には、例えば、下記式I−1で表される重合性化合物(以下、「液晶性化合物I−1」と略す。)、下記式I−2で表される重合性化合物(以下、「液晶性化合物I−2」と略す。)、下記式I−3で表される重合性化合物(以下、「液晶性化合物I−3」と略す。)、下記式I−4で表される重合性化合物(以下、「液晶性化合物I−4」と略す。)などが挙げられる。なお、下記式I−1およびI−2中のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、液晶性化合物I−1およびI−2は、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。また、下記式I−1〜I−4中、1,4−シクロヘキシレン基は、いずれもトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。
〔重合性化合物(II)〕
光学異方性膜を形成する重合性組成物は、下記式(II)で表される重合性化合物(II)を含有する。
ここで、上記式(II)中、L10は2価以上の連結基を表す。
また、aは、2〜10の整数を表し、2〜6の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
また、MGは、下記式(MG−1)を表し、aが2〜10の整数である場合の複数のMGは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、上記式(MG−1)中、*は、上記式(II)中のL10との結合位置を表し、rおよびsは、それぞれ独立に、1〜3の整数を表す。なお、rまたはsの数によって複数となるZ11、Z12、L11およびL12は、いずれも、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明においては、溶解性に優れ、製造適性が向上する理由から、rおよびsがいずれも1または2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
また、上記式(MG−1)中、A11は、置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい3価の芳香族複素環基を表す。
3価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などの芳香族炭化水素環の環構造を構成する3個の炭素原子から水素原子をそれぞれ1個ずつ除いて得られる基が挙げられる。
3価の芳香族複素環基としては、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、フェナントロリン環などの芳香族複素環の環構造を構成する3個の炭素原子から水素原子をそれぞれ1個ずつ除いて得られる基が挙げられる。
また、3価の芳香族炭化水素基および3価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
本発明においては、液晶性を発現する理由から、上記式(MG−1)中のA11が、置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換基を有していてもよいベンゼン環の環構造を構成する3個の炭素原子から水素原子をそれぞれ1個ずつ除いて得られる基であることがより好ましい。
また、上記式(MG−1)中、L11およびL12は、それぞれ独立に、単結合、または、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−C(=O)N(T3)−、−N(T4)C(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−CH=CH−C(=O)O−、−OC(=O)−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、および、−N=N−からなる群から選択されるいずれかの連結基を表し、T3およびT4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
3およびT4が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
本発明においては、溶解性に優れ、製造適性が向上する理由から、上記式(MG−1)中のL11およびL12が、いずれも−C(=O)O−または−OC(=O)−であることが好ましい。
また、上記式(MG−1)中、Z11およびZ12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。
アリーレン基およびヘテロアリーレン基としては、それぞれ、上記式(I)中のZ1およびZ2が示すアリーレン基およびヘテロアリーレン基と同様のものが挙げられる。
また、アリーレン基およびヘテロアリーレン基が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
本発明においては、液晶性を発現する理由から、上記式(MG−1)中のZ11が、トランス−1,4−シクロヘキシレン基または置換基を有していてもよいアリーレン基であることが好ましく、特に、rが2である場合、一方のZ11がトランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、他方のZ11が置換基を有していてもよいアリーレン基(例えば、1,4−フェニレン基)であることがより好ましい。
同様の理由から、上記式(MG−1)中のZ12が、トランス−1,4−シクロヘキシレン基または置換基を有していてもよいアリーレン基であることが好ましく、特に、sが2である場合、一方のZ12がトランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、他方のZ12が置換基を有していてもよいアリーレン基(例えば、1,4−フェニレン基)であることがより好ましい。
また、上記式(MG−1)中、Sp11およびSp12は、それぞれ独立に、単結合、あるいは、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択されるいずれかの連結基を表す。
Sp11およびSp12が示す炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基(置換前のアルキレン基も含む。)としては、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基等が挙げられる。
本発明においては、溶解性に優れる理由から、上記式(MG−1)中のSp11およびSp12が、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基(連結基)であることが好ましく、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基(連結基)であることがより好ましく、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個または2個が−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換され、かつ、炭素数5〜15の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個が−O−で置換された基(連結基)であることが更に好ましい。
また、上記式(MG−1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、または、下記式(R−11)〜(R−15)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表し、R11およびR12の少なくとも一方は、下記式(R−11)〜(R−15)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す。なお、下記式(R−11)〜(R−15)中、*はSp11またはSp12との結合位置を表す。
これらのうち、重合適性の観点から、上記式(MG−1)中のR11およびR12は、いずれも、下記式(R−11)で表されるアクリロイル基、または、下記式(R−12)で表されるメタクリロイル基であることが好ましい。
本発明においては、上記式(II)中のL10が、下記式(L−1)または(L−2)で表される連結基であることが好ましく、下記式(L−1)で表される連結基であることがより好ましい。
ここで、上記式(L−1)および(L−2)中、*は、上記式(II)中のMGとの結合位置を表し、aは、2〜10の整数を表し、2〜6の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
なお、複数となるL21、L22およびSP22は、いずれも、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、上記式(L−1)中、Sp21は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、および、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択されるa価の連結基を表す。
これらのうち、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
Sp21が示すa価の連結基としての炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数1〜20のアルカンを構成する同一または異なる炭素原子からa個の水素原子を除いて得られる基、炭素数1〜20のアルケンを構成する同一または異なる炭素原子からa個の水素原子を除いて得られる基などが挙げられる。
具体的には、上記式(L−1)中のaが2である場合、炭素数1〜15のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が更に好ましい。
また、上記式(L−1)中のaが4である場合、例えば、2,2−ジメチルプロパンの末端を構成する4つのメチル基から水素原子を1個ずつ除いて得られる基、3,3−ジエチルペンタンの末端を構成する4つのメチル基から水素原子を1個ずつ除いて得られる基、4,4−ジプロピルヘプタンの末端を構成する4つのメチル基から水素原子を1個ずつ除いて得られる基などが挙げられる。
Sp21が示すa価の連結基としての環状脂肪族炭化水素基は、例えば、単環式飽和炭化水素環、単環式不飽和炭化水素環、多環式飽和炭化水素環などの環を構成する同一または異なる炭素原子からa個の水素原子を除いて得られる基が挙げられる。
単環式飽和炭化水素環としては、具体的には、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
単環式不飽和炭化水素環としては、具体的には、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、シクロデカジエン等が挙げられる。
多環式飽和炭化水素環としては、具体的には、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン等が挙げられる。
また、上記式(L−2)中、Sp22は、単結合、あるいは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、および、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される2価の連結基を表す。
Sp22が示す2価の連結基としては、上記式(L−1)中のaが2である場合のSp21と同様のものが挙げられる。
また、Sp22としては、単結合または炭素数1〜15のアルキレン基が好ましく、単結合または炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましく、単結合またはメチレン基が更に好ましい。
また、上記式(L−1)および(L−2)中、L21およびL22は、それぞれ独立に、単結合、または、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−C(=O)N(T5)−、−N(T6)C(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−C(=O)OCH2−、−CH2OC(=O)−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択されるいずれかの連結基を表し、T5およびT6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
5およびT6が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
本発明においては、耐久性により優れる理由から、上記式(L−1)中のL21および上記式(L−2)中のL22は、それぞれ独立に、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−C(=O)OCH2−、−CH2OC(=O)−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択されるいずれかの連結基であることが好ましい。
また、上記式(L−2)中、Ar21は、置換基を有していてもよいa価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよいa価の芳香族複素環基を表す。
a価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリフェニレン環、フルオレン環などの芳香族炭化水素環の環構造を構成するa個の炭素原子から水素原子をそれぞれ1個ずつ除いて得られる基が挙げられる。
a価の芳香族複素環基としては、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサジアゾール環、チアゾロチアゾール環、フェナントロリン環などの芳香族複素環の環構造を構成するa個の炭素原子から水素原子をそれぞれ1個ずつ除いて得られる基が挙げられる。
また、a価の芳香族炭化水素基およびa価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
本発明においては、耐久性により優れ、製造適性が向上する理由から、上記式(II)中のL10が、下記式(1)〜(10)のいずれかで表される連結基であることが好ましい。なかでも、下記式(1)、(3)〜(5)および(8)〜(10)のいずれかで表される連結基であることがより好ましく、下記式(1)または(9)で表される連結基であることが更に好ましい。
ここで、上記式(1)〜(10)中、*は、上記式(II)中のMGとの結合位置を表す。
また、上記式(1)中のbは、2〜20の整数を表し、上記式(2)中のcは、1〜3の整数を表す。
〔他の重合性化合物〕
光学異方性膜を形成する重合性組成物は、上述した式(I)で表される重合性化合物(I)および上述した式(II)で表される重合性化合物(II)以外に、他の重合性化合物を含有していてもよい。
ここで、他の重合性化合物が有する重合性基は特に限定されず、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、および、アリル基などが挙げられる。なかでも、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
本発明においては、光学異方性膜の耐久性がより向上する理由から、重合性基を2〜4個有する他の重合性化合物であるのが好ましく、重合性基を2個有する他の重合性化合物であるのがより好ましい。
このような他の重合性化合物としては、特開2014−077068号公報の[0030]〜[0033]段落に記載された式(M1)、(M2)、(M3)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、同公報の[0046]〜[0055]段落に記載された具体例が挙げられる。
〔重合開始剤〕
光学異方性膜を形成する重合性組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。
使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
〔溶媒〕
光学異方性膜を形成する重合性組成物は、光学異方性膜を形成する作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔光学異方性膜の形成方法〕
本発明においては、光学異方性膜の形成方法としては、例えば、上述した重合性化合物(I)および重合性化合物(II)ならびに任意の他の重合性化合物、重合開始剤および溶媒などを含有する重合性組成物を用いて、所望の配向状態とした後に、重合により固定化する方法などが挙げられる。
ここで、重合条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、20mJ/cm2〜5J/cm2であることがより好ましく、30mJ/cm2〜3J/cm2であることが更に好ましく、50〜1000mJ/cm2であることが特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
なお、本発明においては、光学異方性膜は、後述する本発明の光学フィルムにおける任意の支持体上や、後述する本発明の偏光板における偏光子上に形成することができる。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜を有する光学フィルムである。
図1A、図1Bおよび図1C(以下、これらの図面を特に区別を要しない場合は「図1」と略す。)は、それぞれ本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。
なお、図1は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致せず、図1に示す支持体、配向膜およびハードコート層は、いずれも任意の構成部材である。
図1に示す光学フィルム10は、支持体16と、配向膜14と、光学異方性膜12とをこの順で有する。
また、光学フィルム10は、図1Bに示すように、支持体16の配向膜14が設けられた側とは反対側にハードコート層18を有していてもよく、図1Cに示すように、光学異方性膜12の配向膜14が設けられた側とは反対側にハードコート層18を有していてもよい。
以下、本発明の光学フィルムに用いられる種々の部材について詳細に説明する。
〔光学異方性膜〕
本発明の光学フィルムが有する光学異方性膜は、上述した本発明の光学異方性膜である。
本発明の光学フィルムにおいては、上記光学異方性膜の厚みについては特に限定されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
〔支持体〕
本発明の光学フィルムは、上述したように、光学異方性膜を形成するための基材として支持体を有していてもよい。
このような支持体は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。
このような支持体としては、例えば、ガラス基板やポリマーフィルムが挙げられ、ポリマーフィルムの材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体等のアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;、塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
また、後述する偏光子がこのような支持体を兼ねる態様であってもよい。
本発明においては、上記支持体の厚みについては特に限定されないが、5〜60μmであるのが好ましく、5〜30μmであるのがより好ましい。
〔配向膜〕
本発明の光学フィルムは、上述した任意の支持体を有する場合、支持体と光学異方性膜との間に、配向膜を有しているのが好ましい。なお、上述した支持体が配向膜を兼ねる態様であってもよい。
配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。
本発明において利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。特に変性又は未変性のポリビニルアルコールが好ましい。
本発明に使用可能な配向膜については、例えば、国際公開第01/88574号の43頁24行〜49頁8行に記載された配向膜;特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコール;特開2012−155308号公報に記載された液晶配向剤により形成される液晶配向膜;等が挙げられる。
本発明においては、配向膜の形成時に配向膜表面に接触しないことで面状悪化を防ぐことが可能となる理由から、配向膜としては光配向膜を利用することも好ましい。
光配向膜としては特に限定はされないが、国際公開第2005/096041号の段落[0024]〜[0043]に記載されたポリアミド化合物やポリイミド化合物などのポリマー材料;特開2012−155308号公報に記載された光配向性基を有する液晶配向剤により形成される液晶配向膜;Rolic echnologies社製の商品名LPP−JP265CPなどを用いることができる。
また、本発明においては、上記配向膜の厚さは特に限定されないが、支持体に存在しうる表面凹凸を緩和して均一な膜厚の光学異方性膜を形成するという観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることがさらに好ましい。
〔ハードコート層〕
本発明の光学フィルムは、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を有しているのが好ましい。具体的には、支持体の配向膜が設けられた側とは反対側にハードコート層を有していてもよく(図1B参照)、光学異方性膜の配向膜が設けられた側とは反対側にハードコート層を有していてもよい(図1C参照)。
ハードコート層としては特開2009−98658号公報の段落[0190]〜[0196]に記載のものを使用することができる。
〔他の光学異方性膜〕
本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜とは別に、他の光学異方性膜を有していてもよい。
すなわち、本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜と他の光学異方性膜との積層構造を有していてもよい。
このような他の光学異方性膜は、上述した重合性化合物(I)および重合性化合物(II)のいずれか一方のみを用いて得られる光学異方性膜や、上述した他の重合性化合物(特に、液晶性化合物)を用いて得られる光学異方性膜であれば特に限定されない。
ここで、一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物(円盤状液晶性化合物)を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、または棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶性化合物の固定化のために、重合性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いて形成することがより好ましく、液晶性化合物が1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。液晶性化合物が二種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶性化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
〔紫外線吸収剤〕
本発明の光学フィルムは、外光(特に紫外線)の影響を考慮して、紫外線吸収剤を含むことが好ましく、支持体に紫外線吸収剤を含むことがより好ましい。
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収性を発現できるもので、公知のものがいずれも使用できる。そのような紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収性が高く、電子画像表示装置で用いられる紫外線吸収能(紫外線カット能)を得るためにベンゾトリアゾール系又はヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤が好ましい。また、紫外線の吸収幅を広くするために、最大吸収波長の異なる紫外線吸収剤を2種以上併用することができる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、上述した本発明の光学フィルムと、偏光子とを有するものである。
〔偏光子〕
本発明の偏光板が有する偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に限定されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用することができる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子があり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第5048120号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、特許第4751486号公報を挙げることができ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用することができる。
反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子などが用いられる。
なかでも、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(−CH−CHOH−を繰り返し単位として含むポリマー。特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子であることが好ましい。
本発明においては、偏光子の厚みは特に限定されないが、3μm〜60μmであるのが好ましく、5μm〜30μmであるのがより好ましく、5μm〜15μmであるのが更に好ましい。
〔粘着剤層〕
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムにおける光学異方性膜と、偏光子との間に、粘着剤層が配置されていてもよい。
光学異方性膜と偏光子との積層のために用いられる粘着剤層としては、例えば、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。本発明に用いることのできる粘着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤が挙げられるが、これに限定されない。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の光学フィルムまたは本発明の偏光板を有する、画像表示装置である。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
これらのうち、液晶セル、有機EL表示パネルであるのが好ましく、液晶セルであるのがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置であるのが好ましく、液晶表示装置であるのがより好ましい。
〔液晶表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置は、上述した本発明の偏光板と、液晶セルとを有する液晶表示装置である。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのがより好ましい。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
<液晶セル>
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Virtical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
〔有機EL表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、本発明の偏光板と、λ/4機能を有する板(以下、「λ/4板」ともいう。)と、有機EL表示パネルとをこの順で有する態様が好適に挙げられる。
ここで、「λ/4機能を有する板」とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板をいい、例えば、λ/4板が単層構造である態様としては、具体的には、延伸ポリマーフィルムや、支持体上にλ/4機能を有する光学異方性膜を設けた位相差フィルム等が挙げられ、また、λ/4板が複層構造である態様としては、具体的には、λ/4板とλ/2板とを積層してなる広帯域λ/4板が挙げられる。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔重合性化合物II−1の合成〕
<化合物II−1aの合成>
下記スキームに従い、化合物II−1aを合成した。
具体的には、ゲンチジン酸(9.99g)、ジブロモエタン(5.80g)および、N,N−ジメチルアセトアミド(50mL)の混合物に、室温(25℃)にて、トリエチルアミン(6.89g)を加えた。90℃にて4時間撹拌した後、室温(25℃)に冷却し、1N塩酸水、飽和重曹水で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、乾燥剤をろ過した後、溶媒を減圧留去した。
得られた濃縮物を、酢酸エチルに溶かし、ヘキサンを加えて、沈殿した固体をろ過により集めることで、化合物II−1aを得た。得られた化合物II−1aの重量は8.01gであり、収率は77.6%であった。
<重合性化合物II−1の合成>
下記スキームに従い、重合性化合物II−1を合成した。なお、原料化合物II−1bは、特開2016−081035号公報の[0122]〜[0125]段落に記載された化合物I−4Cと同様の方法で合成した。
具体的には、化合物II−1b(7.13g)、酢酸エチル(40mL)、N,N−ジメチルアセトアミド(10mL)、および、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(13mg)の混合物を、内温5℃以下まで冷却し、塩化チオニル(1.89g)を滴下した。10℃以下で1時間攪拌した後、混合物に化合物II−1a(1.00g)を添加した。その後、内温が10℃を超えないようにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.53g)を滴下した後、N,N−ジメチルアミノピリジン(10mg)を添加した。
その後、室温(25℃)で終夜静置した後、1N塩酸水、飽和重曹水mLで有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、乾燥剤をろ過した後、溶媒を減圧留去した。
得られた粗生成物を、酢酸エチル−ヘキサンを溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィによる精製を行うことで重合性化合物II−1を得た。得られた重合性化合物II−1の重量は4.12gであり、収率は57.9%であった。
得られた重合性化合物II−1の1H−NMR(nuclear magnetic resonance)を以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)σ(ppm):1.26−1.29(m,12H),1.60−1.69(m,16H),2.25−2.32(m,16H),2.54−2.66(m,24H),2.91−2.95(m,8H),4.12−4.30(m,20H),5.17−5.21(m,4H),5.82−5.86(m,4H),6.08−6.16(m,4H),6.38−6.44(m,4H),7.00(dd,8H),7.10(d,2H),7.22(d,8H),7.32(dd,2H),7.72(d,2H)
〔重合性化合物II−2の合成〕
<化合物II−2aの合成>
ジブロモエタンに代えて、ジブロモプロパンを用いた以外は、化合物II−1aと同様の方法で、化合物II−2aを合成した(下記スキーム参照)。
得られた化合物II−2aの重量は9.05gであり、収率は80.1%であった。
<重合性化合物II−2の合成>
化合物II−1aに代えて、化合物II−2aを用いた以外は、重合性化合物II−1と同様の方法で、重合性化合物II−2を合成した(下記スキーム参照)。
得られた重合性化合物II−2の重量は4.02gであり、収率は40.7%であった。
得られた重合性化合物II−2の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)σ(ppm):1.26−1.29(m,12H),1.64−1.72(m,16H),2.16−2.35(m,18H),2.56−2.67(m,24H),2.91−2.95(m,8H),4.11−4.31(m,16H),4.41(t,4H),5.17−5.21(m,4H),5.82−5.86(m,4H),6.07−6.16(m,4H),6.38−6.44(m,4H),7.00(d,8H),7.09(d,2H),7.22(d,8H),7.32(dd,2H),7.72(d,2H)
〔重合性化合物II−3の合成〕
<化合物II−3aの合成>
ジブロモエタンに代えて、1,4−ジブロモブタンを用いた以外は、化合物II−1aと同様の方法で、化合物II−3aを合成した(下記スキーム参照)。
得られた化合物II−3aの重量は8.95gであり、収率は83.2%であった。
<重合性化合物II−3の合成>
化合物II−1aに代えて、化合物II−3aを用いた以外は、重合性化合物II−1と同様の方法で、重合性化合物II−3を合成した(下記スキーム参照)。
得られた重合性化合物II−3の重量は3.01gであり、収率は78.0%であった。
得られた重合性化合物II−3の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)σ(ppm):1.26−1.29(m,12H),1.61−1.71(m,16H),1.85−1.89(m,4H),2.27−2.35(m,16H),2.55−2.67(m,24H),2.91−2.95(m,8H),4.12−4.33(m,20H),5.17−5.21(m,4H),5.82−5.86(m,4H),6.08−6.16(m,4H),6.38−6.44(m,4H),7.00(dd,8H),7.10(d,2H),7.22(d,8H),7.32(dd,2H),7.70(d,2H)
〔重合性化合物II−4の合成〕
<化合物II−4aの合成>
下記スキームに従い、化合物II−4aを合成した。
具体的には、原料化合物II−1b(40.72g)、酢酸エチル(80mL)、N,N−ジメチルアセトアミド(40mL)、および、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(113mg)の混合物を、内温5℃以下まで冷却し、塩化チオニル(7.43g)を滴下した。10℃以下で1時間攪拌した後、混合物に2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(9.96g)を添加した。その後、内温が15℃を超えないようにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(16.11g)を滴下した。
その後、10℃以下で1.5時間撹拌した後、1N塩酸水50mL、蒸留水100mL、飽和重曹水100mLで有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、乾燥剤をろ過した後、溶媒を減圧留去した。
得られた濃縮物に、ヘキサンを加えて、沈殿した固体をろ過により集めることで、化合物II−4aを得た。得られた化合物II−4aの重量は13.89gであり、収率は49.3%であった。
<化合物II−4bの合成>
下記スキームに従い、化合物II−4bを合成した。
具体的には、化合物II−4a(12.89g)、テトラヒドロフラン(98mL)、ジメチルスルホキシド(10mL)、および、蒸留水(196mL)の混合物に、室温(25℃)にて、アミド硫酸(3.19g)および、亜塩素酸ナトリウム(2.80g)を加えた。室温にて1時間撹拌し、混合物に、メタノールおよび蒸留水を加えて、沈殿した固体をろ過により集めることで、化合物II−4bを得た。得られた化合物II−4bの重量は11.02gであり、収率は84.3%であった。
<重合性化合物II−4の合成>
下記スキームに従い、重合性化合物II−4を合成した。
具体的には、化合物II−4b(1.14g)、化合物II−4c(50.0mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(213mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(4.5mL)、テトラヒドロフラン(4.5mL)、および、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(113mg)の混合物を、室温(25℃)で18時間攪拌した。その後、飽和食塩水で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、乾燥剤をろ過した後、溶媒を減圧留去した。
得られた濃縮物に、メタノールを加えて、沈殿した固体をろ過により集めることで、重合性化合物II−4を得た。得られた重合性化合物II−4の重量は165.2mgであり、収率は15.3%であった。
得られた重合性化合物II−4の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)σ(ppm):1.16−1.32(m,36H),1.54−1.72(m,48H),1.95−2.38(m,48H),2.52−2.60(m,72H),2.84−3.01(m,24H),4.10−4.29(m,48H), 5.17−5.21(m,12H),5.79−5.86(m,12H),6.07−6.16(m,12H),6.36−6.44(m,12H),6.91−7.02(m,24H),7.12−7.22(m,30H),7.30(dd,6H),7.92(m,6H),8.38−8.49(m,6H)
〔重合性化合物II−5の合成〕
<重合性化合物II−5の合成>
下記スキームに従い、重合性化合物II−5を合成した。
具体的には、化合物II−4b(1.00g)、酢酸エチル(6mL)、N,N−ジメチルアセトアミド(1.5mL)、および、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2.3mg) の混合物を、内温5℃以下まで冷却し、塩化チオニル(106mg)を滴下した。10℃以下で1時間攪拌した後、混合 物に化合物II−5a(67.0mg)を添加した。その後、内温が15℃を超えないようにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(230mg)を滴下した。
その後、10℃以下で1時間撹拌した後、蒸留水、飽和重曹水100mLで有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、乾燥剤をろ過した後、溶媒を減圧留去した。
得られた粗生成物を、酢酸エチル−ヘキサンを溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィによる精製を行うことで重合性化合物II−5を得た。得られた重合性化合物II−5の重量は460mgであり、収率は55.8%であった。
得られた重合性化合物II−5の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)σ(ppm):1.22−1.29(m,12H),1.59−1.70(m,16H),2.21−2.31(m,16H),2.56−2.63(m,24H),2.89−2.95(m,8H),4.12−4.31(m,16H),5.18−5.21(m,4H),5.82−5.87(m,4H),6.09−6.16(m,4H),6.38−6.44(m,4H),7.00−7.03(m,8H),7.14−7.26(m,11H),7.43(d,2H),7.55(d,2H),7.70(d,2H),7.96(s,2H),8.10(s,2H)
〔重合性化合物II−6の合成〕
化合物II−5aに代えて、化合物II−6aを用いた以外は、重合性化合物II−5と同様の方法で、重合性化合物II−6を合成した(下記スキーム参照)。
得られた重合性化合物II−6の重量は1.23gであり、収率は69.8%であった。
得られた重合性化合物II−6の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl)σ(ppm):1.26−1.29(m,12H),1.57−1.70(m,16H),2.20−2.30(m,16H),2.56−2.64(m,24H),2.91−2.95(m,8H),4.12−4.31(m,16H),5.19−5.20(m,4H),5.83−5.86(m,4H),6.09−6.16(m,4H),6.39−6.44(m,4H),7.00−7.05(m,14H),7.20(d,2H),7.22−7.40(m,18H),7.78(d,2H),7.87(d,2H)
[実施例1〜6]
<光配向膜P−1の形成>
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させることにより作製した膜厚20μmの偏光子1の片側の面に、特開2012−155308号公報の実施例3の記載を参考に作製した光配向用塗布液1を2番手のバーを用いて塗布した。
塗布後、乾燥により溶剤を除去し、光異性化組成物層1を形成した。
得られた光異性化組成物層1を偏光紫外線照射(180mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)することで、光配向膜P−1を形成した。
<光学異方性層の形成>
光配向膜P−1上に、下記組成の光学異方性膜用塗布液をスピンコート法によって塗布し、液晶組成物層を形成した。
形成した液晶組成物層をホットプレート上でいったん90℃まで加熱した後、60℃に冷却することで、スメクチックA相(SmA相)で配向を安定化させた。
その後、60℃に保ち、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm)で紫外線照射(500mJ/cm2、超高圧水銀ランプ使用)によって配向を固定化し、厚さ2.0μmの光学異方性層膜を形成し、光学フィルムを作製した。
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光学異方性膜用塗布液
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・下記液晶性化合物I−1 42.25質量部
・下記液晶性化合物I−2 42.25質量部
・下記表1に記載の重合性化合物(II) 15.50質量部
・下記重合開始剤S−1(オキシム型) 3.00質量部
・レベリング剤(下記化合物T−1) 0.20質量部
・メチルエチルケトン 219.30質量部
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[比較例1〜9]
重合性化合物II−1に代えて、以下に示す重合性化合物A−1〜A−9を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。
<耐久性>
上述した各実施例および比較例で作製した光学フィルムについて、ガラス板上に光学異方性膜側をガラス側にして粘着剤を介して貼り合せた。
Axo Scan(0PMF−1、Axometrics社製)を用いて、耐久性試験前後のレターデーション値を測定し、下記(式A)から算出される残存率(%)を下記の指標で評価した。結果を下記表1に示す。なお、耐久性試験条件は、85℃相対湿度85%の環境下に5日間放置する試験を行った。
式A:(耐久性試験後のレターデーション値)/(耐久性試験前のレターデーション値)×100[%]
A:レターデーション値の残存率が90%以上
B:レターデーション値の残存率が85%以上90%未満
C:レターデーション値の残存率が75%以上85%未満
D:レターデーション値の残存率が75%未満
表1に示す結果から、逆波長分散性を示す重合性化合物とともに配合する重合性化合物として、上記式(II)で表される重合性化合物以外の重合性化合物を配合した場合は、形成される光学異方性膜の耐久性が劣ることが分かった(比較例1〜9)。
これに対し、逆波長分散性を示す重合性化合物とともに配合する重合性化合物として、上記式(II)で表される重合性化合物を配合すると、形成される光学異方性膜の耐久性が良好となることが分かった(実施例1〜6)。
特に、実施例1〜6の対比から、上記式(II)中のL10が、上記式(L−1)で表される連結基であると、耐久性がより良好となることが分かった。
10 光学フィルム
12 光学異方性膜
14 配向膜
16 支持体
18 ハードコート層

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表される重合性化合物と、下記式(II)で表される重合性化合物とを含有する重合性組成物を重合して得られる光学異方性膜。
    ここで、前記式(I)中、mおよびnは、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。 また、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表し、mが2である場合の複数のZ1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2である場合の複数のZ2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、L1、L2、L3およびL4は、それぞれ独立に、単結合、または、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−C(=O)N(T1)−、−N(T2)C(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−CH=CH−C(=O)O−、−OC(=O)−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、および、−N=N−からなる群から選択されるいずれかの連結基を表し、T1およびT2は、それぞれ独立に、−Sp3−R3を表す。mが2である場合の複数のL1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2である場合の複数のL4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、Sp1、Sp2およびSp3は、それぞれ独立に、単結合、あるいは、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択されるいずれかの連結基を表す。
    また、R1およびR2は、それぞれ独立に、下記式(R−1)〜(R−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す。
    また、R3は、水素原子、あるいは、シクロアルキル基、シクロアルキル基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、および、下記式(R−1)〜(R−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基を表す。
    また、Ar1は、下記式(Ar−1)〜(Ar−4)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す。
    ここで、前記式(R−1)〜(R−5)中、*はSp1、Sp2またはSp3との結合位置を表す。
    ここで、前記式(Ar−1)〜(Ar−4)中、*1は、L2との結合位置を表し、*2は、L3との結合位置を表す。
    また、Q1は、NまたはCHを表す。
    また、Q2は、−S−、−O−、または、−N(R4)−を表し、R4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    また、Y1は、置換基を有してもよい、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
    また、Z3、Z4およびZ5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR56、または、−SR7を表し、R5〜R7は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Z3およびZ4は、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
    また、A4およびA5は、それぞれ独立に、−O−、−N(R8)−、−S−、および、−CO−からなる群から選択される基を表し、R8は、水素原子または置換基を表す。
    また、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表す。
    また、Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
    また、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
    また、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
    また、Q3は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    ここで、前記式(II)中、L10は2価以上の連結基を表す。
    また、aは、2〜10の整数を表す。
    また、MGは、下記式(MG−1)を表し、aが2〜10の整数である場合の複数のMGは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    ここで、前記式(MG−1)中、*は、前記式(II)中のL10との結合位置を表し、rおよびsは、それぞれ独立に、1〜3の整数を表す。
    また、A11は、置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい3価の芳香族複素環基を表す。
    また、L11およびL12は、それぞれ独立に、単結合、または、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−C(=O)N(T3)−、−N(T4)C(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−CH=CH−C(=O)O−、−OC(=O)−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、および、−N=N−からなる群から選択されるいずれかの連結基を表し、T3およびT4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。rが2または3である場合の複数のL11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、sが2または3である場合の複数のL12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、Z11およびZ12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表し、rが2または3である場合の複数のZ11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、sが2または3である場合の複数のZ12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、Sp11およびSp12は、それぞれ独立に、単結合、あるいは、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択されるいずれかの連結基を表す。
    また、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、または、下記式(R−11)〜(R−15)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表し、少なくとも一方が前記重合性基を表す。
    ここで、前記式(R−11)〜(R−15)中、*はSp11またはSp12との結合位置を表す。
  2. 前記式(II)中のL10が、下記式(L−1)または(L−2)で表される連結基である、請求項1に記載の光学異方性膜。
    ここで、前記式(L−1)および(L−2)中、*は、前記式(II)中のMGとの結合位置を表す。
    また、aは、2〜10の整数を表す。
    また、Sp21は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、および、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択されるa価の連結基を表す。
    また、Sp22は、単結合、あるいは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、および、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される2価の連結基を表す。複数のSp22はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、L21およびL22は、それぞれ独立に、単結合、または、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−C(=O)N(T5)−、−N(T6)C(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−C(=O)OCH2−、−CH2OC(=O)−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択されるいずれかの連結基を表し、T5およびT6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。複数のL21はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のL22はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、Ar21は、置換基を有していてもよいa価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよいa価の芳香族複素環基を表す。
  3. 前記式(L−1)中のL21および前記式(L−2)中のL22が、それぞれ独立に、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH2C(=O)O−、−OC(=O)CH2−、−C(=O)OCH2−、−CH2OC(=O)−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択されるいずれかの連結基である、請求項2に記載の光学異方性膜。
  4. 前記式(II)中のL10が、下記式(1)〜(10)のいずれかで表される連結基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学異方性膜。
    ここで、前記式(1)〜(10)中、*は、前記式(II)中のMGとの結合位置を表す。
    また、前記式(1)中のbは、2〜20の整数を表し、前記式(2)中のcは、1〜3の整数を表す。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学異方性膜を有する光学フィルム。
  6. 請求項5に記載の光学フィルムと、偏光子とを有する、偏光板。
  7. 請求項5に記載の光学フィルム、または、請求項6に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
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