JP2018037534A - 自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ - Google Patents

自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP2018037534A
JP2018037534A JP2016169823A JP2016169823A JP2018037534A JP 2018037534 A JP2018037534 A JP 2018037534A JP 2016169823 A JP2016169823 A JP 2016169823A JP 2016169823 A JP2016169823 A JP 2016169823A JP 2018037534 A JP2018037534 A JP 2018037534A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
self
electron
organic
layer
assembled monolayer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016169823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6782586B2 (ja
Inventor
弘彦 深川
Hirohiko Fukagawa
弘彦 深川
清水 貴央
Takahisa Shimizu
貴央 清水
森井 克行
Katsuyuki Morii
克行 森井
宗弘 長谷川
Munehiro Hasegawa
宗弘 長谷川
隼 郷田
Hayato Goda
隼 郷田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Nippon Shokubai Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Hoso Kyokai NHK, Nippon Shokubai Co Ltd, Japan Broadcasting Corp filed Critical Nippon Hoso Kyokai NHK
Priority to JP2016169823A priority Critical patent/JP6782586B2/ja
Publication of JP2018037534A publication Critical patent/JP2018037534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6782586B2 publication Critical patent/JP6782586B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Abstract

【課題】電子注入性に優れた電子注入層を形成できる自己組織化単分子膜材料を提供する。【解決手段】複数の環状構造が単結合で直鎖状に結合した骨格を有し、前記複数の環状構造は、それぞれ芳香族炭化水素環、複素環式化合物、環式脂肪族炭化水素のいずれかであり、前記骨格の一方の端部に配置された環状構造が、吸着基を有し、前記複数の環状構造から選ばれる1つ以上の環状構造が、2つの電子吸引性置換基を有し、前記吸着基を有する環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基の結合している炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合しており、前記吸着基を有さない環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基を有する環状構造に最も近い炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合している自己組織化単分子膜材料とする。【選択図】なし

Description

本発明は、自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、エレクトロルミネッセンス(電界発光)を「EL」と記す場合がある。)、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタに関する。
有機EL素子を有する各種デバイスでは、デバイスを駆動させるために、陰極から発光層への電子注入と、陽極から発光層への正孔注入とを行う必要がある。
しかし、陰極に用いられる電極材料の仕事関数と、発光層を形成している有機材料の最低非占有軌道(LUMO)との間には、大きなエネルギー差(エネルギー障壁)がある。したがって、陰極から発光層に直接的に電子注入を行うことは困難である。そこで、従来、陰極と発光層との間に電子注入層を形成して、陰極から発光層への電子の注入を促進している。電子注入層の材料としては、アルカリ金属が挙げられる。アルカリ金属は、大気中で活性な材料である。このため、アルカリ金属からなる電子注入層を有する有機EL素子は、酸素および水分に対する耐性が低いという課題があった。
また、陽極に用いられる電極材料の仕事関数と、発光層を形成している有機材料の最高占有軌道(HOMO)との間にもエネルギー差(エネルギー障壁)がある。このため、従来、陽極と発光層との間に正孔注入層を形成して、陽極から発光層への正孔の注入を促進している。正孔注入層としては、フルオロ基等の電気陰性度の高い官能基を有する分子が電極表面に配置された自己組織化単分子膜(SAM)がある(例えば、非特許文献1参照)。このようなSAMでは、電極表面に電気陰性度の高い官能基を有する分子が並べられているので、SAMの各分子内で分極が起こり、SAMを形成している分子の双極子によって電極表面に双極子が発生する。このようにして発生した双極子は、電極表面とSAMの上に配置される発光層との間における正孔の注入障壁を低下させる。
また、電子注入層の材料として、自己組織化単分子膜(SAM)を用いることが検討されている。電子注入層の材料としてSAMを用いることで、アルカリ金属等の不安定な材料を使わずに陰極から発光層へ電子を注入できる。
非特許文献2〜4には、酸化亜鉛や酸化チタンの表面に自己組織化単分子膜(SAM)を形成する自己組織化単分子膜材料が記載されている。
Ji Sun Park他、Applied Physics Letters96,243306(2010) Jung-Pyo Hong他、Applied Physics Letters92,143311(2008) Sung-Nine Hsieh他、Organic Electronics10,1626(2009) Ilja Lange他、Advanced Functional Materials DOI:10.1002/adfm.201401493
しかしながら、非特許文献2〜4に記載の自己組織化単分子膜材料を電子注入層の材料として用いた場合、十分な電子注入性を有する電子注入層が得られなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、電子注入性に優れた電子注入層を形成できる自己組織化単分子膜材料、この自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜を備える有機EL素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタを提供することを課題とする。
(1)複数の環状構造が単結合で直鎖状に結合した骨格を有し、前記複数の環状構造は、それぞれ芳香族炭化水素環、複素環式化合物、環式脂肪族炭化水素のいずれかであり、
前記骨格の一方の端部に配置された環状構造が、吸着基を有し、
前記複数の環状構造から選ばれる1つ以上の環状構造が、2つの電子吸引性置換基を有し、
前記吸着基を有する環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基の結合している炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合しており、
前記吸着基を有さない環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基を有する環状構造に最も近い炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合していることを特徴とする自己組織化単分子膜材料。
(2)前記複数の環状構造が、全て芳香族炭化水素環である(1)に記載の自己組織化単分子膜材料。
(3)前記骨格が、複数のベンゼン環が単結合で直鎖状に結合したものである(1)または(2)に記載の自己組織化単分子膜材料。
(4)前記骨格が、3つの環状構造が単結合で結合したものである(1)〜(3)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜材料。
(5)前記吸着基が、−CH−PO(OH)である(1)〜(4)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜材料。
(6)前記2つの電子吸引性置換基が、−Fである(1)〜(5)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜材料。
(7)陰極と陽極との間に発光層を有し、前記陰極と前記発光層との間に電子注入層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記電子注入層が、(1)〜(6)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
(8)水蒸気透過率が1×10−4g/m/day以上の材料を用いて封止されていることを特徴とする(7)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(9)(7)または(8)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする表示装置。
(10)(7)または(8)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする照明装置。
(11)(1)〜(6)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜を備えることを特徴とする有機薄膜太陽電池。
(12)(1)〜(6)のいずれかに記載の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜を備えることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
本発明の自己組織化単分子膜材料は、SAMを形成している分子の双極子が大きいことにより優れた電子注入性が得られる電子注入層を形成できる。
本発明の有機EL素子は、本発明の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された電子注入性に優れた電子注入層を有している。このため、本発明の有機EL素子は、陰極から発光層への電子注入速度が速く、駆動電圧の低いものとなる。
また、本発明の表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタは、本発明の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜を備えているため、優れた特性を有する。
本発明の有機EL素子の一例を説明するための概略断面図である。 式(3810)で示される化合物のNMR測定の結果を示したグラフである。 実施例および比較例の有機EL素子の印加電圧と電流密度との関係を示したグラフである。 実施例および比較例の有機EL素子の印加電圧と輝度との関係を示したグラフである。
以下、本発明の自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタについて詳細に説明する。
「自己組織化単分子膜材料」
本発明者は、陰極から発光層に電子を効率的に注入できる電子注入層の材料を得るために、自己組織化単分子膜(SAM)を形成する分子の双極子の大きさに着目して、以下に示すように、鋭意検討した。
電子注入層の材料に適したSAM材料とは、陰極表面にSAMを形成することにより、陰極表面の仕事関数を小さくできる材料である。SAMを形成している分子の双極子が大きいと、陰極表面に形成される双極子が大きくなるため、陰極と発光層とのエネルギー差を小さくできる。しかし、従来、陰極表面に形成される双極子を大きくできるSAM材料の設計指針はなかった。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、以下に示すように、陰極表面に形成される双極子を大きくできるSAM材料の設計指針を得た。
例えば、下記式(1)で示されるベンゼン環を有する分子が、ベンゼン環の式(1)に示される1位の位置に、陰極表面に吸着する官能基(吸着基)を有している場合について説明する。この場合、下記式(2)で示されるように、吸着基(式(2)における−CH−X)の結合している炭素の両隣の炭素(ベンゼン環の式(1)に示される2位と6位)に電子吸引性の高い置換基Aを付与する。
式(2)で示されるSAM材料を用いて陰極表面に形成したSAMでは、SAMの各分子内で分極が起こり、SAMを形成している分子の双極子によって陰極表面に双極子が発生する。発生した双極子モーメントは、陰極表面からSAMに向かう方向であり、陰極表面とSAMの上に配置される発光層とのエネルギー差を小さくする機能を有する。
しかし、本発明者が検討した結果、式(2)に示される置換基Aがフルオロ基である化合物は、これを用いて陰極表面にSAMを形成することにより発生する双極子モーメントが小さいため、電子注入性が不十分であった。
そこで、本発明者は、SAMを形成することにより発生する双極子モーメントを大きくすべく、さらに検討を重ねた。その結果、以下の(a)〜(d)を満たす本実施形態のSAM材料とすればよいことを見出した。
(a)複数の環状構造が単結合で直鎖状に結合した骨格を有する。複数の環状構造は、それぞれ芳香族炭化水素環、複素環式化合物、環式脂肪族炭化水素のいずれかである。
(b)骨格の一方の端部に配置された環状構造が、吸着基を有する。
(c)複数の環状構造から選ばれる1つ以上の環状構造が、2つの電子吸引性置換基を有する。
(d)吸着基を有する環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基の結合している炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合している。吸着基を有さない環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基を有する環状構造に最も近い炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合している。
本実施形態のSAM材料において、複数の環状構造は、それぞれ芳香族炭化水素環、複素環式化合物、環式脂肪族炭化水素のいずれかであればよい。
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等が挙げられる。
複素環式化合物としては、ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、チアジン、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、アクリジン等が挙げられる。
環式脂肪族炭化水素としては、シクロヘキサン、アダマンタン等が挙げられる。
本実施形態のSAM材料における複数の環状構造は、全て同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよいし、複数の環状構造のうちの一部の環状構造が同じであってもよい。複数の環状構造は、SAM材料の合成のしやすさを考慮すると、全て同じであることが好ましい。
本実施形態のSAM材料において、複数の環状構造は、高い安定性を得るため、全て芳香族炭化水素環であることが好ましい。
本実施形態のSAM材料の骨格は、複数のベンゼン環が単結合で直鎖状に結合したものであることが好ましい。このような骨格を有するSAM材料は、合成時に、電子吸引性置換基のベンゼン環に結合する位置を制御しやすいため、好ましい。
SAM材料の骨格が、複数のベンゼン環が単結合で直鎖状に結合したものである場合、吸着基を有するベンゼン環において他のベンゼン環と結合している炭素は、どの炭素であってもよい。吸着基を有するベンゼン環において他のベンゼン環と結合している炭素は、吸着基と結合している炭素から最も遠い位置に配置された炭素であることが好ましい。吸着基を有さず2つの他のベンゼン環と結合しているベンゼン環では、2つの他のベンゼン環が、どの炭素と結合していてもよい。吸着基を有さず2つの他のベンゼン環と結合しているベンゼン環では、他のベンゼン環のうちの一方と結合している炭素から最も遠い位置に配置された炭素に、他のベンゼン環の他方が結合していることが好ましい。
本実施形態のSAM材料の骨格は、複数の上記環状構造が単結合で直鎖状に枝分かれなく結合したものである。骨格を形成している環状構造の数は、2つ以上であればよく、3つ以上であることが好ましく、3つであることが最も好ましい。
骨格を形成している環状構造の数が2以上であると、SAM材料を用いて陰極表面にSAMを形成することにより発生する双極子モーメントが十分に大きいものとなる。よって、SAM材料を用いて形成した電子注入層は、優れた電子注入性を有するものとなる。環状構造の数が3以上であると、より一層大きい双極子モーメントが得られやすくなり、好ましい。
本実施形態のSAM材料は、骨格の一方の端部に配置された環状構造が、吸着基を有する。吸着基は、SAMの形成される材料に応じて適宜決定でき、例えば、アミン系の置換基、シラン系の置換基、リン酸系の置換基、硫黄系の置換基などが挙げられる。具体的には、吸着基として、−N(CH、−Si(O−R)(式中のRは、それぞれ独立に水素、又はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アシル基からなる群から選択される置換基である。)、−CH−PO(OH)、−SH、−CO(OH)などが挙げられる。これらの中でも特に、吸着基として、緻密なSAMを形成できる−CH−PO(OH)を用いることが好ましい。
本実施形態のSAM材料では、複数の環状構造から選ばれる1つ以上の環状構造が、2つの電子吸引性置換基を有する。2つの電子吸引性置換基は、複数の環状構造から選ばれる1つ以上の環状構造が有していればよいが、より一層大きい双極子モーメントを得るためには、複数の環状構造のうち吸着基を有する環状構造が有していることが好ましく、全ての環状構造が有していることがより好ましい。
環状構造の有する2つの電子吸引性置換基は、同じであっても異なっていてもよいが、SAM材料の合成のしやすさを考慮すると、同じであることが好ましい。
SAM材料における電子吸引性置換基は、例えば、−CN、−O−R、−S−R、−SOR、−POR、−COR、−NO、−F、−Cl、−Br、下記式(3)〜(7)で示される置換基などが挙げられる。上記の電子吸引性置換基を示す式中のRは、水素、又はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アシル基からなる群から選択される置換基である。上記の電子吸引性置換基を示す式中に複数のRが含まれる場合、全てのRが同じであってもよいし、一部または全てのRが異なっていてもよい。
SAM材料における電子吸引性置換基は、上記の中でも、特に、電気陰性度が高い−Fを用いることが好ましい。
本実施形態では、吸着基を有する環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、吸着基の結合している炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合している。このことにより、SAM材料を用いて陰極表面にSAMを形成することにより発生する双極子モーメントが、陰極表面からSAMに向かう方向に十分に大きいものとなる。
また、吸着基を有さない環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、吸着基を有する環状構造に最も近い炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合している。このことにより、SAM材料を用いて陰極表面にSAMを形成することにより発生する双極子モーメントが、陰極表面からSAMに向かう方向に十分に大きいものとなる。
本実施形態の自己組織化単分子膜材料は、複数の特定の環状構造が単結合で直鎖状に結合した骨格を有し、骨格の一方の端部に配置された環状構造が、吸着基を有し、1つ以上の環状構造が、所定の位置に2つの電子吸引性置換基を有する。このため、本実施形態の自己組織化単分子膜材料は、SAMを形成している分子の双極子が大きいことにより優れた電子注入性が得られる電子注入層を形成できる。
「有機EL素子」
次に、本発明の有機EL素子について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の有機EL素子の一例を説明するための概略断面図である。図1に示す本実施形態の有機EL素子1は、陰極3と陽極9との間に発光層6を有し、陰極3と発光層6との間に、電子注入層20を有している。
本実施形態の有機EL素子1は、基板2上に、陰極3と、電子注入層20と、電子輸送層10と、発光層6と、正孔輸送層7と、正孔注入層8と、陽極9とがこの順に形成された積層構造を有する。
図1に示す有機EL素子1は、基板2と発光層6との間に陰極3が配置された逆構造の有機EL素子である。また、図1に示す有機EL素子1は、有機EL素子を構成する層の一部(少なくとも金属酸化物層4)を、無機化合物を用いて形成した有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子(HOILED素子)である。
図1に示す有機EL素子1は、基板2と反対側に光を取り出すトップエミッション型のものであってもよいし、基板2側に光を取り出すボトムエミッション型のものであってもよい。
「基板」
基板2の材料としては、樹脂材料、ガラス材料等が挙げられる。
基板2に用いられる樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等が挙げられる。基板2の材料として、樹脂材料を用いた場合、柔軟性に優れた有機EL素子1が得られるため好ましい。
基板2に用いられるガラス材料としては、石英ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。
有機EL素子1がボトムエミッション型のものである場合には、基板2の材料として、透明基板を用いる。
有機EL素子1がトップエミッション型のものである場合には、基板2の材料として、透明基板だけでなく、不透明基板を用いてもよい。不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料からなる基板、ステンレス鋼のような金属板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成した基板、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
基板2の平均厚さは、基板2の材料等に応じて決定でき、0.1〜30mmであることが好ましく、0.1〜10mmであることがより好ましい。基板2の平均厚さは、デジタルマルチメーター、ノギスにより測定できる。
「陰極」
陰極3は、基板2上に直接接触して形成されている。
陰極3の材料としては、ITO(インジウム酸化錫)、IZO(インジウム酸化亜鉛)、FTO(フッ素酸化錫)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物の導電材料が挙げられる。この中でも、陰極3の材料として、ITO、IZO、FTOを用いることが好ましい。
陰極3の平均厚さは、特に制限されないが、10〜500nmであることが好ましく、100〜200nmであることがより好ましい。
陰極3の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定できる。
「電子注入層」
電子注入層20は、陰極3から発光層6への電子の注入の速度・電子輸送性を改善する機能を有する。本実施形態の有機EL素子1の電子注入層20は、図1に示すように、金属酸化物層4と、金属酸化物層4の発光層6側の面に形成された自己組織化単分子膜層5とを有する。
(金属酸化物層)
金属酸化物層4は、電子注入層としての機能を有するものであり、電子注入層としての機能に加えて、陰極としての機能を備えていてもよい。
金属酸化物層4は、半導体もしくは絶縁体積層薄膜の層である。具体的には、金属酸化物層4は、単体の金属酸化物からなる層、二種類以上の金属酸化物を混合した層と単体の金属酸化物からなる層のいずれか一方または両方を積層した層、二種類以上の金属酸化物を混合した層のいずれであってもよい。
金属酸化物層4を形成する金属酸化物を構成する金属元素としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、インジウム、ガリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ケイ素が挙げられる。
金属酸化物層4が、二種類以上の金属酸化物を混合した層を含む場合、金属酸化物を構成する金属元素の少なくとも一つが、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ハフニウム、ケイ素、チタンからなる層であることが好ましい。
金属酸化物層4が、単体の金属酸化物からなる層である場合、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化チタンからなる群から選ばれる金属酸化物からなる層であることが好ましい。
金属酸化物層4が、二種類以上の金属酸化物を混合した層と単体の金属酸化物からなる層のいずれか一方または両方を積層した層、または二種類以上の金属酸化物を混合した層である場合、酸化チタン/酸化亜鉛、酸化チタン/酸化マグネシウム、酸化チタン/酸化ジルコニウム、酸化チタン/酸化アルミニウム、酸化チタン/酸化ハフニウム、酸化チタン/酸化ケイ素、酸化亜鉛/酸化マグネシウム、酸化亜鉛/酸化ジルコニウム、酸化亜鉛/酸化ハフニウム、酸化亜鉛/酸化ケイ素、酸化カルシウム/酸化アルミニウムから選ばれる二種の金属酸化物の組合せを積層及び/又は混合したもの、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化マグネシウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化ジルコニウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化ハフニウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化ケイ素、酸化インジウム/酸化ガリウム/酸化亜鉛から選ばれる三種の金属酸化物の組合せを積層及び/又は混合したものなどが挙げられる。
金属酸化物層4は、特殊な組成として良好な特性を示す酸化物半導体であるIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)および/またはエレクトライドである12CaO・7Alを含むものであってもよい。
金属酸化物層4の平均厚さは、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましく、2〜100nmであることがより好ましい。
金属酸化物層4の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定できる。
(自己組織化単分子膜層)
自己組織化単分子膜層5は、上述した自己組織化単分子膜材料を用いて形成されたものである。
本実施形態における自己組織化単分子膜層5は、金属酸化物層4の表面と自己組織化単分子膜材料中の吸着基との相互作用により、金属酸化物層4に結合されている。
「電子輸送層」
電子輸送層10としては、電子輸送層の材料として通常用いることができるいずれの材料を用いてもよい。
具体的には、電子輸送層10の材料として、ホウ素化合物、ジアザビシクロノネン誘導体、2,7−ビス(3−ジベンゾボロリル−4−ピリジルフェニル)−9,9’−スピロフルオレン誘導体、フェニル−ディピレニルホスフィンオキサイド(POPy)のようなホスフィンオキサイド誘導体、トリス−1,3,5−(3’−(ピリジン−3’’−イル)フェニル)ベンゼン(TmPyPhB)のようなピリジン誘導体、(2−(3−(9−カルバゾリル)フェニル)キノリン(mCQ))のようなキノリン誘導体、2−フェニル−4,6−ビス(3,5−ジピリジルフェニル)ピリミジン(BPyPPM)のようなピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)のようなフェナントロリン誘導体、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(4’−(2−ピリジニル)−4−ビフェニル)−[1,3,5]トリアジン(MPT)のようなトリアジン誘導体、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBI)のようなイミダゾール誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(Zn(BTZ))、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq)などに代表される各種金属錯体、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy),等のシロール誘導体に代表される有機シラン誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの電子輸送層10の材料の中でも、特に、ホウ素化合物とジアザビシクロノネン誘導体とを含むことが好ましい。
電子輸送層10の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることが、より好ましい。
電子輸送層10の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定できる。
「発光層」
発光層6を形成する材料としては、発光層6の材料として通常用いることのできるいずれの材料を用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。具体的には、例えば、発光層6として、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(Zn(BTZ))と、トリス[1−フェニルイソキノリン]イリジウム(III)(Ir(piq))とを含むものとすることができる。
また、発光層6を形成する材料は、低分子材料であってもよいし、高分子材料であってもよい。なお、本発明において低分子材料とは、高分子材料(重合体)ではない材料を意味し、分子量が低い有機化合物を必ずしも意味するものではない。
発光層6を形成する高分子材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキルフェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物;ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物;ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物;ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、ポリ(ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物;ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物;ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
発光層6を形成する低分子材料としては、例えば、配位子に2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸を持つ、3配位のイリジウム錯体、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III)(Almq)、8−ヒドロキシキノリン亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィンプラチナム(II)のような各種金属錯体;ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物;ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物;フェナントレンのようなフェナントレン系化合物;クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物;ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物;コロネンのようなコロネン系化合物;アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物;ピレンのようなピレン系化合物;4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物;アクリジンのようなアクリジン系化合物;スチルベンのようなスチルベン系化合物;2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物;ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物;ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物;2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物;ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物;ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物;クマリンのようなクマリン系化合物;ペリノンのようなペリノン系化合物;オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物;アルダジン系化合物;1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物;キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物;ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物;2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物;フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物等が挙げられる。
発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。
発光層6の平均厚さは、触針式段差計により測定してもよいし、水晶振動子膜厚計により発光層6の成膜時に測定してもよい。
「正孔輸送層」
正孔輸送層7に用いる正孔輸送性有機材料としては、各種p型の高分子材料(有機ポリマー)、各種p型の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
具体的には、正孔輸送層7の材料として、例えば、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、N4,N4’−ビス(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)−N4,N4’−ジフェニルビフェニルー4,4’−ジアミン(DBTPB)、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。これらの正孔輸送層7の材料は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、正孔輸送層7の材料として用いられるポリチオフェンを含有する混合物として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
正孔輸送層7の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。
正孔輸送層7の平均厚さは、例えば、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
「正孔注入層」
正孔注入層8は、無機材料からなるものであってもよいし、有機材料からなるものであってもよい。無機材料は、有機材料と比較して安定であるため、有機材料を用いた場合と比較して、酸素や水に対する高い耐性が得られやすい。
無機材料としては、特に制限されないが、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブテン(MoO)、酸化ルテニウム(RuO)等の金属酸化物を1種又は2種以上を用いることができる。
有機材料としては、ジピラジノ[2,3−f:2‘,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)や2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノ−キノジメタン(F4−TCNQ)等を用いることができる。
正孔注入層8の平均厚さは、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。
正孔注入層8の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
「陽極」
陽極9に用いられる材料としては、ITO、IZO、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられる。この中でも、陽極9の材料として、ITO、IZO、Au、Ag、Alを用いることが好ましい。
陽極9の平均厚さは、特に限定されないが、10〜1000nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。また、陽極9の材料として不透過な材料を用いる場合でも、例えば、平均厚さを10〜30nm程度にすることで、トップエミッション型の有機EL素子における透明な陽極として使用できる。
陽極9の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により陽極9の成膜時に測定できる。
「封止」
図1に示す有機EL素子1は、必要に応じて、封止されていてもよい。
例えば、図1に示す有機EL素子1は、有機EL素子1を収容する凹状の空間を有する封止容器(不図示)と、封止容器の縁部と基板2とを接着する接着剤とによって封止されていてもよい。また、封止容器に有機EL素子1を収容し、紫外線(UV)硬化樹脂などからなるシール材を充填することにより封止してもよい。また、例えば、図1に示す有機EL素子1は、陽極9上に配置された板部材(不図示)と、板部材の陽極9と対向する側の縁部に沿って配置された枠部材(不図示)とからなる封止部材と、板部材と枠部材との間および枠部材と基板2との間とを接着する接着剤とを用いて封止されていてもよい。
図1に示す有機EL素子1を封止する場合に用いる封止容器または封止部材の材料としては、樹脂材料、ガラス材料等を用いることができる。封止容器または封止部材に用いられる樹脂材料およびガラス材料としては、基板2に用いる材料と同様のものが挙げられる。
封止容器または封止部材を用いて有機EL素子1を封止する場合、封止容器内または封止部材の内側に、水分を吸収する乾燥材を配置してもよい。また、封止容器または封止部材として、水分を吸収する材料を用いてもよい。また、封止された封止容器内または封止部材の内側には、空間が形成されていてもよい。
本実施形態の有機EL素子1では、例えば、電子注入層として大気中で不安定な材料であるアルカリ金属を用いた場合と比較して、優れた耐久性が得られる。このため、封止容器または封止部材の水蒸気透過率が1×10−4〜1×10−3g/m/day程度であれば、有機EL素子1の劣化を十分に抑制できる。したがって、封止容器または封止部材の材料として、水蒸気透過率が1×10−4g/m/day以上の樹脂材料を用いることが可能であり、柔軟性に優れた有機EL素子1を実現できる。
「有機EL素子の製造方法」
次に、本発明の有機EL素子の製造方法の一例として、図1に示す有機EL素子1の製造方法を説明する。
図1に示す有機EL素子1を製造するには、まず、基板2上に陰極3を形成する。
陰極3は、スパッタ法、真空蒸着法、ゾルゲル法、スプレー熱分解(SPD)法、原子層堆積(ALD)法、気相成膜法、液相成膜法等により形成することができる。陰極3の形成には、金属箔を接合する方法を用いてもよい。
次に、陰極3上に電子注入層20として、金属酸化物層4と自己組織化単分子膜層5とをこの順に形成する。
金属酸化物層4は、例えば、スプレー熱分解法、ゾルゲル法、スパッタ法、真空蒸着法等の方法を用いて形成する。
自己組織化単分子膜層5は、例えば、以下に示す方法により形成できる。
まず、上述した自己組織化単分子膜材料を、溶媒中に分散および/または溶解させ、SAM材料含有溶液を調液する。SAM材料含有溶液に用いる溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール溶媒や、トルエンなどの有機溶媒を用いることができる。
次いで、SAM材料含有溶液を、例えば、スピンコート法、浸漬法などにより、金属酸化物層4までの各層の形成された基板2の金属酸化物層4上に塗布する。続いて、SAM材料含有溶液を塗布した基板2を、例えば、50〜150℃の温度で10〜120分間加熱する熱処理を行って、金属酸化物層4上にSAMを形成する。このことにより、自己組織化単分子膜層5が形成される。
その後、必要に応じて、自己組織化単分子膜層5までの各相の形成された基板2を洗浄する。ここでの洗浄方法としては、例えば、自己組織化単分子膜層5までの各相の形成された基板2を、脱水エタノール中に浸漬させて3分間程度超音波洗浄した後、90℃程度の温度で3分間程度加熱して乾燥させる方法を用いることができる。
次に、電子注入層20の自己組織化単分子膜層5上に、電子輸送層10、発光層6と、正孔輸送層7とをこの順で形成する。
電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7の形成方法は、特に限定されず、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7それぞれに用いられる材料の特性に合わせて、従来公知の種々の形成方法を適宜用いることができる。
具体的には、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7の各層を形成する方法として、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7となる有機化合物を含む有機化合物溶液を塗布する塗布法、真空蒸着法、ESDUS(Evaporative Spray Deposition from Ultra−dilute Solution)法などが挙げられる。これらの電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7の形成方法の中でも特に、塗布法を用いることが好ましい。なお、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7となる有機化合物の溶媒溶解性が低い場合には、真空蒸着法、ESDUS法を用いることが好ましい。
塗布法を用いて電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7を形成する場合には、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7となる有機化合物をそれぞれ溶媒に溶解することにより、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7となる有機化合物をそれぞれ含む有機化合物溶液を形成する。
電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7となる有機化合物を溶解するために用いる溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が好ましく、これらを単独または混合して用いることができる。
電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7となる有機化合物を含む有機化合物溶液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、反転オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。これらの塗布法の中でも、膜厚をより制御しやすいという点で、スピンコート法やスリットコート法を用いることが好ましい。
次に、正孔輸送層7上に正孔注入層8と、陽極9とをこの順に形成する。
正孔注入層8が無機材料からなるものである場合、正孔注入層8は、例えば、金属酸化物層4と同様にして形成できる。
正孔輸送層9が有機材料からなるものである場合、正孔注入層8は、例えば、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7と同様にして形成できる。
陽極9は、例えば、陰極3と同様にして形成できる。
以上の工程により、図1に示す有機EL素子1が得られる。
「封止方法」
図1に示す有機EL素子1を封止する場合には、有機EL素子の封止に用いられる通常の方法を使用して封止できる。
本実施形態の有機EL素子1は、電子注入層20が、金属酸化物層4と、金属酸化物層4の発光層6側の面に形成された自己組織化単分子膜層5とを有する。そして、自己組織化単分子膜層5が、本実施形態の上述した自己組織化単分子膜材料を用いて形成されたものである。このため、本実施形態の有機EL素子1では、優れた電子注入性が得られ、陰極3から発光層6への電子注入速度が速く、駆動電圧の低いものとなる。
また、本実施形態の有機EL素子1は、基板2と発光層6との間に陰極3が配置された逆構造の有機EL素子である。このため、基板2上に発光層6などの有機材料からなる層を形成する前に、電子注入層20を形成できる。したがって、スパッタ法を用いて電子注入層20の金属酸化物層4を形成しても、発光層6などの有機材料からなる層が損傷を受けることがなく、好ましい。
「他の例」
本発明の有機EL素子は、上述した実施形態において説明した有機EL素子に限定されるものではない。
具体的には、上述した実施形態においては、逆構造の有機EL素子を例に挙げて説明したが、本発明の有機EL素子は、基板と発光層との間に陽極が配置された順構造のものであってもよい。
また、図1に示す有機EL素子1においては、金属酸化物層4、電子輸送層10、正孔輸送層7、正孔注入層8は、必要に応じて形成すればよく、設けられていなくてもよい。
また、陰極3、金属酸化物層4、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7、正孔注入層8、陽極9の各層は、1層で形成されているものであってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
また、図1に示す有機EL素子1においては、図1に示す陰極3、電子注入層20、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7、正孔注入層8、陽極9の各層の間に、他の層を有するものであってもよい。具体的には、有機EL素子の特性をさらに向上させる等の理由から、必要に応じて、電子阻止層などを有していてもよい。
本発明の有機EL素子は、発光層などの材料を適宜選択することによって発光色を変化させることができるし、カラーフィルター等を併用して所望の発光色を得ることもできる。したがって、本発明の有機EL素子は、表示装置の発光部位や照明装置として好適に用いることができる。
本発明の表示装置は、電子注入性の良好な電子注入層を有することにより駆動電圧が低い本発明の有機EL素子を備える。このため、表示装置として好ましい。
また、本発明の照明装置は、電子注入性の良好な電子注入層を有することにより駆動電圧が低い本発明の有機EL素子を備える。このため、照明装置として好ましい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の自己組織化単分子膜材料は、例えば、有機薄膜太陽電池、薄膜トランジスタなどのデバイスに用いることができる。
本発明の有機薄膜太陽電池は、本発明の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜(SAM)を備える。例えば、陰極表面にSAMが形成されている有機薄膜太陽電池では、電子取り出しに適した双極子が陰極表面に生じるため、電子輸送の速度が速く、高い発電効率が得られる。したがって、有機薄膜太陽電池として好ましい。
また、本発明の薄膜トランジスタは、本発明の自己組織化単分子膜材料を用いて形成されたSAMを備える。例えば、薄膜トランジスタの電極表面にSAMが形成されている場合、チャネル層にスムーズに電子を注入できる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
「実験1」
(計算によるシミュレーション)
以下に示す式(F)(FF)(FFF)(FPF)(FPP)(PFF)で示される6種類のSAM材料について、以下に示す条件でシミュレーションを行うことにより、分子内双極子モーメントの大きさ(Debye)を算出した。なお、以下に示す6種類のSAM材料では、SAMを形成する分子の双極子を比較するため、式中の−CH−X(吸着基)の−Xは付与していない。シミュレーションは、Gaussian09プログラムを用いて密度汎関数法(DFT計算)により行った。基底関数の条件はB3LYP/6−31Gとした。
上記シミュレーションにより分子内双極子モーメントの大きさ(Debye)を算出した結果、式(F)は0.81D、(FF)は2.04D、(FFF)は3.50D、(FPF)は2.13D、(FPP)は1.27D、(PFF)は1.74Dであった。また、双極子モーメントの向きは、いずれもベンゼン環の吸着基の結合されている炭素から遠ざかる方向であった。
このように、電子吸引性置換基である−Fを2つ有するベンゼン環を含むSAM材料では、複数のベンゼン環が単結合で直鎖状に結合した骨格を有する場合(式(FF)(FFF)(FPF)(FPP)(PFF))の分子内双極子モーメントが、ベンゼン環を1つのみ有する場合(式(F))と比較して大きくなった。
また、上記のように、骨格を形成しているベンゼン環の数が同じ(式(FFF)(FPF)(FPP)(PFF))である場合、電子吸引性置換基を有するベンゼン環の数が多いほど、分子内双極子モーメントが大きくなった。また、骨格を形成しているベンゼン環の数が同じであって、電子吸引性置換基を有するベンゼン環の数も同じである場合(式(FPF)(PFF))、複数のベンゼン環のうち吸着基を有するベンゼン環が電子吸引性置換基を有する場合(式(FPF))に、分子内双極子モーメントが大きくなった。
「実験2」
ガラスからなる基板上にスパッタ法により、厚み150nmのITOからなる電極と厚み7nmの酸化亜鉛(ZnO)からなる金属酸化物層とを、この順に形成した。次いで、金属酸化物層上に、非特許文献4に記載の下記式(F−1)で示されるSAM材料と、以下に示す方法により合成した下記式(F−3)で示されるSAM材料とを用いて、以下に示す方法によりSAM層を形成した。
(式(F−3)で示されるSAM材料の合成)
下記の「工程−1」〜「工程−10」の工程を行った。
「工程−1」メチルエステル化
反応容器にAr雰囲気下で、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ安息香酸(1.0eq(当量))とメタノール(MeOH)(10w/v(溶質量[g]/溶媒体積[ml]))とを入れた。さらに、反応容器に塩化チオニル(1.0eq)を5分間で滴下し、8時間還流し、下記式(3801)で示される化合物を得た。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて4−ブロモ−2,6−ジフルオロ安息香酸のメチルエステル化反応が十分に進行していることを確認した。
「工程−2」スタニル化
反応容器にAr雰囲気下で、式(3801)で示される化合物(1.0eq)に対し、トルエン(10w/v)とビス(トリブチルスズ)(1.34eq)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(Ph)(0.017eq)とを入れてスタニル化反応させ、下記式(3802)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3802)で示される化合物を含む反応液に5%重曹水とトルエンとを添加して分液し、水層を抽出した。分液した有機層を、重曹水、市水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥剤を用いて乾燥し、乾燥剤をろ別した。その後、乾燥した有機層を濃縮し、黄色液体である粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルカラムで精製し、無色液体である目的物(式(3802)で示される化合物)を得た。
「工程−3」スタニル化
反応容器にマグネシウム(1.1eq)を入れて減圧下で加熱し、放冷した。その後、マグネシウムを入れた反応容器に、テトラヒドロフラン(THF)(5w/v)を入れ、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(1.0eq)を滴下した。さらに、反応容器にテトラヒドロフラン(THF)(2.5w/v)を入れ、トリメチルスズクロリド(MeSnCl)(1.1eq)を滴下してスタニル化反応させ、下記式(3803)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3803)で示される化合物を含む反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液と塩酸とを添加し、抽出した。抽出した有機層を、重曹水、市水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥剤を用いて乾燥した。その後、乾燥した有機層を濃縮し、褐色液体である粗体を得た。得られた粗体を精製し、無色液体である目的物(式(3803)で示される化合物)を得た。
「工程−4」スティルカップリング反応
反応容器にAr雰囲気下で、式(3803)で示される化合物(1.0eq)に対し、1−ブロモ−2,6−ジフルオロベンゼン(1.0eq)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(Ph)(0.025eq)とキシレン(9w/v)とを入れ、スティルカップリング反応させ、下記式(3804)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3804)で示される化合物を含む残渣に、ヘキサンとジクロロメタンとを加え、白色固体である粗体を得た。得られた粗体を精製し、白色固体である目的物(式(3804)で示される化合物)を得た。
「工程−5」ブロモ化
反応容器に式(3804)で示される化合物(1.0eq)とテトラヒドロフラン(THF)(10w/v)とを入れ、−72℃でn−ブチルリチウム(1.05eq)を45分間かけて滴下し、90分間撹拌した。さらに、反応容器に臭素(1.0eq)を滴下し、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えてブロモ化反応させ、下記式(3805)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3805)で示される化合物を含む反応液に、酢酸エチルを入れて分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。分液した有機層を、市水、飽和食塩水で洗浄し、濃縮することで、白色固体である目的物(式(3805)で示される化合物)を得た。
「工程−6」スティルカップリング反応
反応容器にAr雰囲気下で、式(3802)で示される化合物(1.0eq)に対し、式(3805)で示される化合物(1.0eq)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05eq)とキシレン(14.7w/v)とを入れ、スティルカップリング反応させ、下記式(3806)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3806)で示される化合物を含む反応液に、クロロホルム(1L)を添加し、重曹水、市水、飽和食塩水で洗浄した。分液した有機層を濃縮し、懸濁洗浄して白色固体である目的物(式(3806)で示される化合物)を得た。
「工程−7」水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)還元
反応容器に式(3806)で示される化合物(1.0eq)とテトラヒドロフラン(THF)(63w/v)とを入れ、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)(4.7eq)を滴下して還元反応させ、下記式(3807)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3807)で示される化合物を含む反応液に、市水、塩酸、クロロホルムを加え分液した。分液した有機層を洗浄し、乾燥剤を用いて乾燥し、乾燥剤をろ別した。その後、乾燥した有機層を濃縮し、白色固体である目的物(式(3807)で示される化合物)を得た。
「工程−8」ブロモ化
反応容器に式(3807)で示される化合物(1.0eq)とクロロホルム(10w/v)とを入れ、三臭化リン(1.0eq)を滴下してブロモ化反応させ、下記式(3808)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3808)で示される化合物を含む反応液に、市水を加え分液した。分液した有機層を洗浄し、精製することで、白色固体である目的物(式(3808)で示される化合物)を得た。
「工程−9」アルブゾフ(Arbuzov)反応
反応容器に、式(3808)で示される化合物(1.0eq)と亜りん酸トリエチル(P(OEt))(10w/v)とを入れて撹拌してアルブゾフ反応させ、下記式(3809)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3809)で示される化合物を含む反応液を濃縮し、残渣にトルエンを加え、白色固体の粗体を得た。得られた粗体を精製することで白色固体である目的物(式(3809)で示される化合物)を得た。
「工程−10」脱エチル化
反応容器に式(3809)で示される化合物(1.0eq)とジクロロメタン(10w/v)とを入れた。さらに、反応容器に、ブロモトリメチルシラン(TMSBr)(3.0eq)を滴下し、撹拌して脱エチル化反応させ、式(3810)で示される化合物を生成させた。次いで、式(3810)で示される化合物を含む反応液に、メタノール(MeOH)を加え、濃縮した。晶析した結晶をろ取することで白色固体である目的物(式(3810)で示される化合物)を得た。
このようにして得られた式(3810)で示される化合物について、下記の測定条件でH−NMR測定を行った。その結果を図2に示す。図2は、式(3810)で示される化合物のNMR測定の結果を示したグラフである。図2に示す結果より、式(3810)で示される化合物が、式(F−3)で示されるSAM材料であることを同定した。
「NMR測定条件」
NMR測定装置(JEOL製、AL400(400MHz))
観測周波数399.65MHz(400MHz)、観測領域124KHz
(SAM層の形成方法)
SAM材料を、エタノール中に分散および/または溶解させて、2mmol/LのSAM材料含有溶液とした。次いで、SAM材料含有溶液に金属酸化物層の形成された基板を浸漬させて、金属酸化物層上にSAM材料含有溶液を塗布した。続いて、SAM材料含有溶液を塗布した基板を、ホットプレートを用いて70℃の温度で1時間加熱する熱処理を行い、金属酸化物層上にSAMを形成した。次に、熱処理後の基板を、エタノール中で3分間超音波洗浄を行った。洗浄後の基板を、エタノール中から取り出し、ホットプレートを用いて90℃の温度で3分間加熱し、乾燥させた。
(表面の仕事関数の測定方法)
上記の方法により、式(F−1)(F−3)で示されるSAM材料を用いて、それぞれSAM層を形成した基板表面(すなわち、SAM層表面)の仕事関数を、紫外光電子分光法(UPS)を用いて調べた。表面の仕事関数は、金属酸化物層を形成する前の基板のフェルミ準位を基準として算出した。
また、金属酸化物層を形成する前の基板表面(すなわち、電極表面)の仕事関数と、SAM層を形成する前の金属酸化物層を有する基板表面(すなわち、金属酸化物層表面)の仕事関数についても、SAM層を形成した基板表面の仕事関数と同様にして調べた。その結果を、表1に示す。
表1に示すように、ITOからなる電極を形成した基板上に、ZnOからなる金属酸化物層とSAM層とを形成した場合、金属酸化物層およびSAM層を形成しなかった(基板表面の材料がITOである)場合、および金属酸化物層のみを形成した(基板表面の材料がZnOである)場合と比較して、基板表面の仕事関数が減少した。
なお、表1に示すように、式(F−1)で示されるSAM材料を用いてSAM層を形成した場合には、基板表面の仕事関数の減少効果は得られるものの十分ではなかった。これに対し、式(F−3)で示されるSAM材料を用いてSAM層を形成した場合、基板表面の仕事関数の減少効果が顕著であった。これは、式(F−3)で示されるSAM材料の有する大きな双極子モーメントによって、基板表面のポテンシャル変化が引き起こされることに起因すると考えられる。
「実施例」
(有機EL素子の作製)
以下に示す方法により、図1に示す有機EL素子1を製造し、評価した。
[工程1]
基板2として、ITOからなる幅3mmにパターニングされた電極(陰極3)を有する平均厚さ0.7mmの市販の透明ガラス基板を用意した。
そして、陰極3を有する基板2を、アセトン中、イソプロパノール中でそれぞれ10分間ずつ超音波洗浄し、イソプロパノール中で5分間煮沸した。その後、陰極3を有する基板2を、イソプロパノール中から取り出し、窒素ブローにより乾燥させ、UVオゾン洗浄を20分間行った。
[工程2]
[工程1]において洗浄した陰極3の形成されている基板2を、亜鉛金属ターゲットを持つミラトロンスパッタ装置の基板ホルダーに固定した。スパッタ装置のチャンバー内を、約1×10−4Paの圧力となるまで減圧した後、アルゴンと酸素を導入した状態でスパッタし、基板2の陰極3上に膜厚約7nmの酸化亜鉛層(金属酸化物層4)を作製した。なお、酸化亜鉛層を作製する際には、電極取り出しのために、ITO電極(陰極3)上の一部に酸化亜鉛が成膜されないようにした。金属酸化物層4を成膜した基板2に、大気下で400℃、1時間のアニールを行った。
[工程3]
次に、自己組織化単分子膜層5の材料として上述した式(F−3)で示されるSAM材料を用いて、金属酸化物層4上に、以下に示す方法により、自己組織化単分子膜層5を形成した。
SAM材料を、脱水したエタノール中に分散および/または溶解させて、2mmol/LのSAM材料含有溶液とした。次いで、SAM材料含有溶液に金属酸化物層4の形成された基板2を浸漬させて、金属酸化物層4上にSAM材料含有溶液を塗布した。続いて、SAM材料含有溶液を塗布した基板2を、ホットプレートを用いて70℃の温度で1時間加熱する熱処理を行い、その後1時間冷却することにより、金属酸化物層4上にSAMを形成した。次に、SAMを形成した基板2を、エタノール中で3分間超音波洗浄した。洗浄後、エタノール中から取り出したSAMを形成した基板2を、ホットプレートを用いて90℃の温度で3分間加熱して、乾燥させた。
以上の工程により、金属酸化物層4と自己組織化単分子膜層5とからなる電子注入層20を形成した。
[工程4]
次に、電子注入層20までの各層が形成された基板2上に、以下に示す方法により、電子輸送層10を形成した。
まず、式(11)で示されるホウ素化合物と、式(12)で示されるジアザビシクロノネンとを1:2の質量比でシクロペンタノンに溶解し、塗料組成物を得た。次に、[工程3]で作製した電子注入層20までの各層が形成された基板2を、スピンコーターに設置し、基板2の表面(自己組織化単分子膜層5)上に塗料組成物を滴下しながら、基板2を毎分3000回転で30秒間回転させて塗膜を形成した。その後、ホットプレートを用いて窒素雰囲気下で120℃、2時間のアニール処理を施し、電子輸送層10を形成した。
[工程5]
次に、電子輸送層10までの各層が形成された基板2を、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。また、下記一般式(13)で示されるビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(Zn(BTZ))と、下記一般式(14)で示されるトリス[1−フェニルイソキノリン]イリジウム(III)(Ir(piq))と、下記一般式(15)で示されるN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)と、下記一般式(16)で示されるN4,N4’−ビス(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)−N4,N4’−ジフェニルビフェニルー4,4’−ジアミン(DBTPB)と、下記一般式(17)で示される1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)と、Alとを、それぞれアルミナルツボに入れて蒸着源にセットした。
そして、真空蒸着装置のチャンバー内を1×10−5Paの圧力となるまで減圧して、抵抗加熱による真空蒸着法により、電子輸送層10、発光層6、正孔輸送層7、正孔注入層8、陽極9を連続して形成した。
まず、Zn(BTZ)をホスト、Ir(piq)をドーパントとして20nm共蒸着し、発光層6を成膜した。この時、ドープ濃度は、Ir(piq)が発光層6全体に対して6質量%となるようにした。次に、発光層6まで形成した基板2上に、DBTPBを10nm、α−NPDを30nmこの順で成膜し、正孔輸送層7を形成した。さらに、HAT−CNを10nm成膜し、正孔注入層8を形成した。次に、正孔注入層8まで形成した基板2上に、真空蒸着法によりアルミニウムからなる膜厚100nmの陽極9を成膜した。
なお、陽極9は、ステンレス製の蒸着マスクを用いて蒸着面が幅3mmの帯状になるように形成し、作製した有機EL素子の発光面積を9mmとした。
[工程6]
次に、陽極9までの各層を形成した基板2を、凹状の空間を有するガラスキャップ(封止容器)に収容し、紫外線(UV)硬化樹脂からなるシール材を充填することにより封止し、実施例の有機EL素子を得た。
「比較例」
自己組織化単分子膜層5の材料として上述した式(F−1)で示されるSAM材料を用いたこと以外は実施例と同様にして、比較例の有機EL素子を得た。
このようにして得られた実施例および比較例の有機EL素子について、以下に示すように特性を調べた。
各有機EL素子について、ケースレー社製の「2400型ソースメーター」を用いて印加電圧と電流密度との関係を調べた。その結果を図3に示す。
また、各有機EL素子に対してケースレー社製の「2400型ソースメーター」を用いて電圧を印加し、コニカミノルタ社製の「LS−100」を用いて輝度を測定し、印加電圧と輝度の関係を調べた。その結果を図4に示す。
図3は、実施例および比較例の有機EL素子の印加電圧と電流密度との関係を示したグラフである。図4は、実施例および比較例の有機EL素子の印加電圧と輝度との関係を示したグラフである。
図3に示すように、式(F−3)で示されるSAM材料を用いた実施例では、式(F−1)で示されるSAM材料を用いた比較例と比較して、立ち上がり電圧が低かった。また、図4に示すように、実施例では、比較例と比較して、印加電圧が同じである場合に高い輝度が得られており、駆動電圧が低かった。これらの理由は、式(F−3)で示されるSAM材料を用いて陰極表面にSAMを形成することにより、陰極表面の仕事関数が小さくなり、電子注入性が向上したためであると推定される。
1:有機EL素子、2:基板、3:陰極、4:金属酸化物層、5:自己組織化単分子膜層、6:発光層、7:正孔輸送層、8:正孔注入層、9:陽極、10:電子輸送層、20:電子注入層。

Claims (12)

  1. 複数の環状構造が単結合で直鎖状に結合した骨格を有し、前記複数の環状構造は、それぞれ芳香族炭化水素環、複素環式化合物、環式脂肪族炭化水素のいずれかであり、
    前記骨格の一方の端部に配置された環状構造が、吸着基を有し、
    前記複数の環状構造から選ばれる1つ以上の環状構造が、2つの電子吸引性置換基を有し、
    前記吸着基を有する環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基の結合している炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合しており、
    前記吸着基を有さない環状構造が2つの電子吸引性置換基を有する場合、前記吸着基を有する環状構造に最も近い炭素の両隣の炭素にそれぞれ電子吸引性置換基が結合していることを特徴とする自己組織化単分子膜材料。
  2. 前記複数の環状構造が、全て芳香族炭化水素環である請求項1に記載の自己組織化単分子膜材料。
  3. 前記骨格が、複数のベンゼン環が単結合で直鎖状に結合したものである請求項1または請求項2に記載の自己組織化単分子膜材料。
  4. 前記骨格が、3つの環状構造が単結合で結合したものである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の自己組織化単分子膜材料。
  5. 前記吸着基が、−CH−PO(OH)である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の自己組織化単分子膜材料。
  6. 前記2つの電子吸引性置換基が、−Fである請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の自己組織化単分子膜材料。
  7. 陰極と陽極との間に発光層を有し、前記陰極と前記発光層との間に電子注入層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記電子注入層が、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 水蒸気透過率が1×10−4g/m/day以上の材料を用いて封止されていることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項7または請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする表示装置。
  10. 請求項7または請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする照明装置。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜を備えることを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  12. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自己組織化単分子膜材料を用いて形成された自己組織化単分子膜を備えることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
JP2016169823A 2016-08-31 2016-08-31 自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ Active JP6782586B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169823A JP6782586B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169823A JP6782586B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018037534A true JP2018037534A (ja) 2018-03-08
JP6782586B2 JP6782586B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=61566023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016169823A Active JP6782586B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6782586B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020178230A1 (en) * 2019-03-04 2020-09-10 Merck Patent Gmbh Ligands for nano-sized materials
JP2021009950A (ja) * 2019-07-02 2021-01-28 ノヴァレッド ゲーエムベーハー 太陽電池
JP7465119B2 (ja) 2020-03-10 2024-04-10 日本放送協会 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150759A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 三菱化学株式会社 有機電子デバイス及びその製造方法
JP2011098963A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Merck Patent Gmbh 液晶化合物
JP2011528327A (ja) * 2008-07-18 2011-11-17 ジョージア・テック・リサーチ・コーポレーション 有機電子デバイス用の、修飾された仕事関数を有する安定した電極および方法
JP2012004492A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Nippon Shokubai Co Ltd 有機薄膜電界発光素子、照明装置およびそれに用いられる自己組織化単分子膜材料
JP2012059974A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Nippon Shokubai Co Ltd 自己組織化単分子膜を有する有機薄膜電界発光素子
JP2012064378A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Konica Minolta Holdings Inc 有機電子パネルの製造方法
JP2012522824A (ja) * 2009-04-06 2012-09-27 ジョージア・テック・リサーチ・コーポレーション 新規なホスホン酸表面改質剤を含む電子デバイス
JP2015088457A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 有機電界発光表示装置及びその製造方法
JP2015101686A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 Jnc株式会社 液晶媒体、光素子および液晶化合物
WO2016078389A1 (zh) * 2014-11-20 2016-05-26 北京八亿时空液晶科技股份有限公司 一种含有二氟甲氧基桥键的液晶化合物及其应用

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011528327A (ja) * 2008-07-18 2011-11-17 ジョージア・テック・リサーチ・コーポレーション 有機電子デバイス用の、修飾された仕事関数を有する安定した電極および方法
JP2012522824A (ja) * 2009-04-06 2012-09-27 ジョージア・テック・リサーチ・コーポレーション 新規なホスホン酸表面改質剤を含む電子デバイス
WO2010150759A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 三菱化学株式会社 有機電子デバイス及びその製造方法
JP2011098963A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Merck Patent Gmbh 液晶化合物
JP2012004492A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Nippon Shokubai Co Ltd 有機薄膜電界発光素子、照明装置およびそれに用いられる自己組織化単分子膜材料
JP2012059974A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Nippon Shokubai Co Ltd 自己組織化単分子膜を有する有機薄膜電界発光素子
JP2012064378A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Konica Minolta Holdings Inc 有機電子パネルの製造方法
JP2015088457A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 有機電界発光表示装置及びその製造方法
JP2015101686A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 Jnc株式会社 液晶媒体、光素子および液晶化合物
WO2016078389A1 (zh) * 2014-11-20 2016-05-26 北京八亿时空液晶科技股份有限公司 一种含有二氟甲氧基桥键的液晶化合物及其应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020178230A1 (en) * 2019-03-04 2020-09-10 Merck Patent Gmbh Ligands for nano-sized materials
CN113574136A (zh) * 2019-03-04 2021-10-29 默克专利股份有限公司 用于纳米尺寸材料的配体
JP2021009950A (ja) * 2019-07-02 2021-01-28 ノヴァレッド ゲーエムベーハー 太陽電池
JP7465119B2 (ja) 2020-03-10 2024-04-10 日本放送協会 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6782586B2 (ja) 2020-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5454422B2 (ja) 電荷輸送膜用組成物、電荷輸送膜及び有機電界発光素子
JP4692025B2 (ja) 電荷輸送膜用組成物及びイオン化合物、それを用いた電荷輸送膜及び有機電界発光素子、並びに、有機電界発光素子の製造方法及び電荷輸送膜の製造方法
JP5837611B2 (ja) 電気活性材料およびそのような材料を用いて製造されるデバイス
JP6663751B2 (ja) 有機電界発光素子材料および有機電界発光素子
WO2013157451A1 (ja) 有機電界発光素子及びその製造方法
JP6782586B2 (ja) 自己組織化単分子膜材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ
JP6286872B2 (ja) イリジウム錯体化合物、有機電界発光素子、表示装置および照明装置
JP2019520347A (ja) 電気活性材料
JP2024028707A (ja) 有機薄膜および有機薄膜の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、薄膜トランジスタ、光電変換素子、塗料組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料
WO2021045178A1 (ja) 有機薄膜および有機薄膜の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、光電変換素子、薄膜トランジスタ、塗料組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料
KR101782660B1 (ko) 전자적 응용을 위한 트라이아릴아민 화합물
JP7140924B2 (ja) 電荷発生層及びその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、並びに有機薄膜太陽電池
JP2018046219A (ja) 芳香族炭化水素または芳香族複素環の骨格を有するアミノ基またはアルキルアミノ基含有化合物およびこれを用いた有機薄膜デバイス
JP4985343B2 (ja) 電荷輸送膜用組成物、及び、それを用いた有機電界発光素子
JP7216482B2 (ja) 有機電界発光素子
JP2021166280A (ja) 有機薄膜及び有機薄膜の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、光電変換素子、薄膜トランジスタ、塗料組成物、並びに、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料
JP6863765B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置
JP2016174100A (ja) 有機電界発光素子
KR20150119870A (ko) 다이아자크리센 유도체를 포함하는 전자 소자
JP2020068235A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置
JP6312556B2 (ja) 有機ドーパント化合物およびそれらを用いた有機電界発光素子
JP6516892B2 (ja) 有機ドーパント化合物およびそれらを用いた有機電界発光素子
JP6511657B2 (ja) 有機金属錯体、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池
WO2024034301A1 (ja) フェナントロリン化合物およびそれを用いた有機薄膜、有機半導体素子
JP2013028600A (ja) 新規な複素環含有ヒドロキシフェニル金属誘導体およびそれを用いた電子注入材料、電子輸送材料および有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170202

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200923

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6782586

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250