JP2018035301A - プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージ - Google Patents

プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】半導体パッケージの反りを低減することができるプリプレグを提供する。【解決手段】本発明のプリプレグは、第1樹脂層と、繊維基材に、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物が含浸してなる繊維基材層と、第2樹脂層と、がこの順で積層したプリプレグであって、繊維基材は、複数の経糸が集合した経糸束と、複数の緯糸が集合した緯糸束とが、互いに交差するように織成して構成されたものであり、当該プリプレグの積層方向に対して水平であり、前記経糸束の延在方向に対して垂直である断面において、記経糸束中における経糸の間にシリカが存在しているものである。【選択図】図1

Description

本発明は、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージに関する。
これまでプリプレグを製造する工程において、様々な手法が開発されてきた。プリプレグを製造するにあたっては、塗布乾燥機を用い、基材に樹脂ワニスを含浸した後乾燥させるプロセスが、通常採用されている。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。同文献によれば、長尺な基材をその長手方向に連続的に搬送しながら、基材に搬送方向と直交する方向の応力をかけることによりこの基材に一定の張力を付与する張力付与手段と、樹脂ワニスに基材を浸漬する樹脂含浸手段とを順次通過させる工程によりプリプレグを製造することが記載されている(特許文献1の請求項1)。これにより、プリプレグ中の樹脂ワニスの未含浸を低減してプリプレグ中の気泡の残存量を低減できる、と記載されている(特許文献1の段落0006)。
特開2006−232951号公報
従来のプリプレグ製造工程においては、上記文献に記載のように、プリプレグ中の気泡の残存を低減することを目的としていた。
しかしながら、本発明者が検討したところ、上記文献に記載のプリプレグ製造工程のように、基材の面内方向に張力が付与されると、基材を構成するストランド内部の空隙体積が小さくなり、ストランド内部にフィラーが進入しにくくなり、その結果、このようなプロセスで得られたプリプレグをプリント配線基板に用いた場合、半導体パッケージの反りの低減において、改善の余地を有することが判明した。
本発明者は、半導体パッケージの反り低減の観点から、プリプレグ中の繊維基材を構成するストランド(経糸または緯糸である繊維糸が集合した糸束)の内部にシリカを充填させることに着眼し、ストランド内部へのシリカ充填方法について検討を進めた。
前述のとおり、プリプレグ中の残存気泡の低減を目的とした従来のプリプレグ製造方法では、ストランド内部にシリカを充填することは困難であることが判明した。
そこで、シリカ充填方法について新たに検討した結果、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させるとき、シリカの粒径を適切に選択し、含浸方向に対して繊維基材に所定以上の外力を付与することにより、繊維基材のストランド内部までシリカを充填させることができることが分かった。
本発明者はさらに検討したところ、従来のプリプレグでは空隙が多かったストランド内部をシリカで充填することができるので、プリプレグの硬化物の強靱性を高めることができることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、ストランド内部にシリカを含むプリプレグをプリント配線基板に用いることにより、半導体パッケージの反りが低減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
第1樹脂層と、
繊維基材に、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物が含浸してなる繊維基材層と、
第2樹脂層と、
がこの順で積層したプリプレグであって、
前記繊維基材は、複数の経糸が集合した経糸束と、複数の緯糸が集合した緯糸束とが、互いに交差するように織成して構成されたものであり、
当該プリプレグの積層方向に対して水平であり、前記経糸束の延在方向に対して垂直である断面において、
前記経糸束中における前記経糸の間にシリカが存在している、プリプレグが提供される。
また、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された、金属張積層板が提供される。
また、上記金属張積層板の表面に回路層が形成された、プリント配線基板が提供される。
また、上記プリント配線基板と、上記プリント配線基板の前記回路層上に搭載された半導体素子と、を備える、半導体パッケージが提供される。
本発明によれば、半導体パッケージの反りを抑制することができるプリプレグ、およびそれを用いた金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージを提供できる。
本実施形態におけるプリプレグの構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 実施例1のプリプレグの断面図である。 比較例1のプリプレグの断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態のプリプレグの概要について説明する。図1は、本実施形態に係るプリプレグの構成の一例を示す断面図である。
本実施形態のプリプレグ100は、第1樹脂層102と、繊維基材に、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物が含浸してなる繊維基材層101と、第2樹脂層103と、がこの順で積層した構造を有するものである。当該繊維基材は、複数の経糸が集合した経糸束と、複数の緯糸が集合した緯糸束とが、互いに交差するように織成して構成されたものである。
本実施形態のプリプレグ100において、プリプレグ100の積層方向に対して水平であり、経糸束の延在方向に対して垂直である断面において、経糸束中における経糸の間にシリカが存在している。
本実施形態のプリプレグは、熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。例えば、本実施形態のプリプレグは、熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料として利用できる。このような構造のシート状材料は、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。このようなプリント配線基板に半導体素子を実装することで、半導体パッケージを製造できる。
近年、半導体パッケージの開発方向としては、大面積化や薄層化がますます進んで来ている。こうした開発事情を踏まえると、従来のプリプレグ製造工程で得られたプリプレグの硬化物において強靱性が十分ではなく、かかるプリプレグをプリント配線基板に用いた場合、半導体パッケージの反りの抑制が十分ではないことが判明した。
本発明者は、半導体パッケージの反り低減の観点から、プリプレグ中の繊維基材を構成するストランド(ガラス糸が集合した糸束)の内部にシリカを充填させることに着眼し、これにより、プリプレグの硬化物の強靱性を向上させようと考えた。
そこで、ストランド内部へのシリカ充填方法について新たに検討を進めた。
シリカ充填方法について鋭意検討した結果、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させるとき、シリカの粒径を適切に選択し、繊維基材を適度に緩ませた状態で、含浸方向に対して繊維基材に所定以上の外力を付与することにより、繊維基材のストランド内部までシリカを充填させることができることが分かった。たとえば、スキージング法を用いることで、繊維基材のストランド内部にシリカを進入させることができる。また、スキージ速度を速めることで、外力を強くすることが可能である。これにより、ナノシリカと比べてカラスクロス中に進入しにくいマイクロオーダーのシリカについても、ストランド内部に充填させることが可能である。
ここで、従来のプリプレグ製造工程においては、プリプレグ中の気泡の残存を低減することを目的するものであり、プリプレグ中の繊維基材を構成するストランド(ガラス糸が集合した糸束)の内部にシリカを充填させることについては、十分に検討されていなかった。また、通常、プリプレグ製造工程においては、繊維基材の面内方向に張力が付与されると、繊維基材を構成するストランド内部の空隙体積が小さくなり、ストランド内部にフィラーが進入しにくい状態であることが判明している。
本発明者はさらに検討したところ、従来のプリプレグでは空隙が多かったストランド内部をシリカで充填することができるので、プリプレグの硬化物の強靱性を高めることができることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、ストランド内部にシリカを含むプリプレグをプリント配線基板に用いることにより、半導体パッケージの反りが低減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本実施形態のプリプレグによれば、プリント配線基板の絶縁層に用いることができるので、半導体パッケージの反りを抑制することができる。
本実施形態において、プリント配線基板における絶縁層は、コア層、ビルドアップ層(層間絶縁層)、ソルダーレジスト層等のプリント配線基板を構成する絶縁性部材に用いることができる。上記プリント配線基板としては、コア層、ビルドアップ層(層間絶縁層)、ソルダーレジスト層を有するプリント配線基板、コア層を有しないプリント配線基板、パネルパッケージプロセス(PLP)に用いられるコアレス基板、MIS(Molded Interconnect Substrate)基板等が挙げられる。
本実施形態のプリプレグからなる硬化物は、上述のプリント配線基板における絶縁層に用いることができる。このように、本実施形態のプリプレグの硬化物は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成する層間絶縁層やソルダーレジスト層にも好適に用いることができる。
また、本実施形態のプリプレグの利用形態としては、特に限定されないが、例えば、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された金属張積層板、上記プリプレグの硬化物で構成された絶縁層を備える樹脂基板、上記金属張積層板または上記樹脂基板の表面に回路層が形成されたプリント配線基板等が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、熱硬化性樹脂と、シリカと、を含むことができる。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むことができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本実施形態において、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含有してもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、実質的にハロゲン原子を含まないものであってもよい。ここで、「実質的にハロゲン原子を含まない」とは、エポキシ樹脂の合成過程において使用されたハロゲン系成分に由来するハロゲンが、ハロゲン除去工程を経ても尚、エポキシ樹脂に残存していることを許容することを意味する。たとえば、実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂において、ハロゲン原子の含有量は30ppm以下とすることができる。
エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
エポキシ樹脂の中でも、得られるプリント配線基板の耐熱性および絶縁信頼性をより一層向上できる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、アラルキル型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂およびナフタレン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「エピコート828EL」および「YL980」等を用いることができる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「jER806H」および「YL983U」、DIC社製の「EPICLON 830S」等を用いることができる。2官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」および「HP4032SS」等を用いることができる。4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4700」および「HP4710」等を用いることができる。ナフトール型エポキシ樹脂としては、新日鐵化学社製の「ESN−475V」、日本化薬社製の「NC7000L」等を用いることができる。アラルキル型エポキシ樹脂としては、日本化薬社製の「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3000S」、「NC3000S−H」、「NC3100」、新日鐵化学社製の「ESN−170」、および「ESN−480」等を用いることができる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」および「YL6121」等を用いることができる。アントラセン型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX8800」等を用いることができる。ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP6000」、「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」および「EXA7311−G3」等を用いることができる。
これらエポキシ樹脂の中でも特にアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、プリプレグの硬化物の吸湿半田耐熱性および難燃性をさらに向上させることができる。
アラルキル型エポキシ樹脂は、例えば、下記一般式(1)で表される。
(上記一般式(1)中、AおよびBは、ベンゼン環、ビフェニル構造等の芳香族環を表す。またAおよびBの芳香族環の水素が置換されていてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられる。nは繰返し単位を表し、例えば、1〜10の整数である。)
アラルキル型エポキシ樹脂の具体例としては、以下の式(1a)および式(1b)が挙げられる。
(式(1a)中、nは、1〜5の整数を示す。)
(式(1b)中、nは、1〜5の整数を示す。)
上記以外のエポキシ樹脂としては縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、耐熱性、低熱膨張性をさらに向上させることができる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ピレン、トリフェニレン、テトラフェン、またはその他の縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂である。縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、複数の芳香環が規則的に配列することができるため低熱膨張性に優れる。また、ガラス転移温度も高いため耐熱性に優れる。さらに、繰返し構造の分子量が大きいため従来のノボラック型エポキシ樹脂に比べ難燃性に優れる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、フェノール類化合物、アルデヒド類化合物、および縮合環芳香族炭化水素化合物から合成された、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したものである。
フェノール類化合物は、特に限定されないが、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;2,3,5−トリメチルフェノール等のトリメチルフェノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール等のフェニルフェノール類;1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のナフタレンジオール類;レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フルオログルシン等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類が挙げられる。これらのうち、コスト面および分解反応に与える効果から、フェノールが好ましい。
アルデヒド類化合物は、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシアルデヒドパラホルムアルデヒド等が挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素化合物は、特に限定されないが、例えば、メトキシナフタレン、ブトキシナフタレン等のナフタレン誘導体;メトキシアントラセン等のアントラセン誘導体;メトキシフェナントレン等のフェナントレン誘導体;その他テトラセン誘導体;クリセン誘導体;ピレン誘導体;トリフェニレン誘導体;テトラフェン誘導体等が挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、メトキシナフタレン変性オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ブトキシナフタレン変性メタ(パラ)クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびメトキシナフタレン変性ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(V)で表される縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
(上記一般式(V)中、Arは縮合環芳香族炭化水素基であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子;炭素数1以上10以下の炭化水素基;ハロゲン元素;フェニル基、ベンジル基等のアリール基;およびグリシジルエーテルを含む有機基から選ばれる基で、n、p、およびqは1以上の整数であり、またp、qの値は、繰り返し単位毎に同一でも、異なっていてもよい。)
また、式(V)中のArは、下記式(VI)中の(Ar1)〜(Ar4)で表される構造であってもよい。
(上記式(VI)中のRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子;炭素数1以上10以下の炭化水素基;ハロゲン元素;フェニル基、ベンジル基等のアリール基;およびグリシジルエーテルを含む有機基から選ばれる基である。)
さらに上記以外のエポキシ樹脂としてはナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、得られるプリント配線基板の耐熱性、低熱膨張性をさらに向上させることができる。ここで、ナフタレン型エポキシ樹脂とは、ナフタレン環骨格を有し、かつ、グリシジル基を2つ以上有するものを呼ぶ。
また、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ−πスタッキング効果が高いため、特に、ナフタレン型エポキシ樹脂は低熱膨張性、低熱収縮性に優れる。さらに、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度が特に高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII−1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII−2)、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては下記式(VII−3)(VII−4)(VII−5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−6)で示すことができる。
(nは平均1以上6以下の数を示し、Rはグリシジル基または炭素数1以上10以下の炭化水素基を示す。)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アラルキル基、ナフタレン基、またはグリシジルエーテル基含有ナフタレン基を表し、oおよびmはそれぞれ0〜2の整数であって、かつoまたはmの何れか一方は1以上である。)
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限値は、特に限定されないが、Mw300以上としてもよく、好ましくはMw800以上としてもよい。Mwが上記下限値以上であると、プリプレグの硬化物にタック性が生じるのを抑制することができる。Mwの上限値は、特に限定されないが、Mw20,000以下としてもよく、好ましくはMw15,000以下としてもよい。Mwが上記上限値以下であると、ハンドリング性が向上し、プリプレグを形成するのが容易となる。エポキシ樹脂のMwは、例えばGPCで測定することができる。
エポキシ樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物全体(溶媒を除く全固形分)100重量%に対して、3重量%以上が好ましく、4重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、プリプレグを形成するのが容易となる。一方、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物全体(溶媒を除く全固形分)に対して、特に限定されないが、例えば、60重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であると、得られるプリント配線基板の強度や難燃性が向上したり、プリント配線基板の線膨張係数が低下し、反りの低減効果が向上したりする場合がある。
なお、本実施形態において、樹脂組成物の固形分とは、組成物樹脂中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、樹脂組成物全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。以下、本明細書において同様である。
(硬化剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。
また、本実施形態の硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;BF錯体などのルイス酸などの触媒型の硬化剤が挙げられる。
また、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4'−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などの重付加型の硬化剤;2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンなどのフェノール系化合物も用いることができる。
さらに、第2硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などの縮合型の硬化剤も用いてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂系硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂などの多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、硬化性の点から水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下のものを使用してもよい。
フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4×10〜1.8×10としてもよく、好ましくは5×10〜1.5×10としてもよい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることでプリプレグにタック性が生じるなどの問題がおこりにくくなり、上記上限値以下とすることで、プリプレグ作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品が得ることができる。
硬化剤の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.2重量%以上がさらに好ましい。硬化剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、硬化を促進する効果を十分に発揮することができる。一方、硬化剤の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。硬化剤の含有量が上記上限値以下であるとプリプレグの保存性をより向上できる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シリカ(シリカ粒子ともいう。)を含むことができる。
(シリカ)
本実施形態において、シリカの平均粒子径d50の下限値は、例えば、0.1μm以上であり、好ましくは0.2μm以上であり、より好ましくは0.3μm以上である。これにより、上記熱硬化性樹脂組成物のワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、絶縁層作製時の作業性を向上させることができる。一方で、シリカの平均粒子径d50の上限値は、例えば、2.0μm以下であり、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは1.0μm以下である。これにより、ストランド内部への充填性を高めることができる。
本実施形態において、シリカの平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
また、シリカは、特に限定されないが、平均粒子径が単分散のシリカを用いてもよいし、平均粒子径が多分散のシリカを用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散のシリカを1種類または2種類以上で併用してもよい。
本実施形態において、シリカとしては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等を用いることができる。この中でも、半導体装置の反りを抑制する観点から、溶融シリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、球状、不定形状、鱗片形状のシリカ粒子であってもよい。熱硬化性樹脂組成物の流動性やストランド内部への充填性の観点から、シリカとして、球状シリカ粒子を用いることができる。
また、上記シリカの表面は、たとえば、疎水性であってもよい。これにより、シリカの凝集を抑制することができ、熱硬化性樹脂組成物中にシリカを良好に分散させることができる。
シリカを疎水性にする方法としては、例えば、シリカを予め官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理する方法等が挙げられる。前記官能基含有シラン類としては公知のものを使用することができ、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、イソシアネートシラン、スルフィドシラン、ウレイドシラン等が挙げられる。前記アルキルシラザン類としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等が挙げられる。
シリカの含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、50重量%以上が好ましく、55重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。これにより、プリプレグの硬化物を特に低熱膨張、低吸水とすることができる。また、半導体パッケージの反りを抑制することができる。一方で、シリカの含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、90重量%以下としてもよく、85重量%以下としてもよく、80重量%以下としてもよい。これにより、プリプレグの硬化物の加工性を向上させることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シリカ以外の他の充填材を含んでもよい。充填材としては、無機充填材や有機充填材が挙げられる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いてもよい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、上記有機充填材としては、ゴム粒子が挙げられる。ゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のもの等が挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物等で構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)等で構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成(株)製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン(株)製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR(株)製)等が挙げられる。
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR(株)製)等が挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン(株)製)等が挙げられる。
前記シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であれば特に限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、及び二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子等が挙げられる。前記シリコーン粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学(株)製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング(株)製)等の市販品を用いることができる。
本実施形態において、上記シリカ以外の充填材の平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上5.0μm以下でもよく、好ましくは0.1μm以上3.0μm以下でもよい。
(シアネート樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含むことができる。
シアネート樹脂は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。このようなシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネート樹脂を用いることにより、プリプレグの硬化物の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、プリプレグの硬化物の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を高めることができる。
シアネート樹脂は、例えば、ノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂、ナフトールアラルキル型シアネート樹脂が好ましく、ノボラック型シアネート樹脂がより好ましい。ノボラック型シアネート樹脂を用いることにより、プリプレグの硬化物の架橋密度が増加し、耐熱性が向上する。
この理由としては、ノボラック型シアネート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形成することが挙げられる。さらに、ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。また、ノボラック型シアネート樹脂を含むプリプレグの硬化物は優れた剛性を有する。よって、プリプレグの硬化物の耐熱性をより一層向上できる。
ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものを使用することができる。
一般式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。平均繰り返し単位nが上記下限値以上であると、ノボラック型シアネート樹脂の耐熱性が向上し、加熱時に低量体が脱離、揮発することを抑制できる。また、平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、10以下が好ましく、7以下がより好ましい。nが上記上限値以下であると、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、プリプレグの成形性を向上させることができる。
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂は、例えば、α−ナフトールあるいはβ−ナフトール等のナフトール類とp−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−p−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン等との反応により得られるナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを縮合させて得られるものである。一般式(II)の繰り返し単位nは10以下の整数であることが好ましい。繰り返し単位nが10以下であると、より均一なプリプレグを得ることができる。また、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる傾向がある。
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。)
また、シアネート樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。
シアネート樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、たとえば、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。プリプレグの硬化物の低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。一方、シアネート樹脂の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。耐熱性や耐湿性を向上させることができる。また、シアネート樹脂の含有量が上記範囲内であると、プリプレグの硬化物の貯蔵弾性率E'をより一層向上させることができる。
(硬化促進剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、硬化促進剤を含んでもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
硬化促進剤として用いられるオニウム塩化合物は、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
(上記一般式(2)中、Pはリン原子、R、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す。)
硬化促進剤の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、たとえば、0.01重量%以上としてもよく、好ましくは0.05重量%以上としてもよい。硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方、硬化促進剤の含有量の上限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、2.5重量%以下としてもよく、好ましくは1重量%以下としてもよい。硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
(カップリング剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は熱硬化性樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、シリカなどの無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、プリプレグの硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下後においても、銅箔との密着性を維持することができる。
カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。本実施形態において、カップリング剤はシランカップリング剤を含有してもよい。
これにより、シリカなどの無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、プリプレグの硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
シランカップリング剤としては、各種のものを用いることができるが、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらのうちエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランが好ましく、アミノシランとしては、1級アミノシラン又はアニリノシランがより好ましい。
カップリング剤の含有量は、無機充填材の比表面積に対して適切に調整することができる。このようなカップリング剤の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、0.01重量%以上としてもよく、好ましくは0.05重量%以上としてもよい。カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、プリプレグの硬化物の耐熱性を向上させることができる。一方、カップリング剤の含有量の上限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、3重量%以下としてもよく、好ましくは1.5重量%以下としてもよい。カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、プリプレグの硬化物の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
(添加剤)
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料な等の顔料、色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤、低応力剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分(熱硬化性樹脂、硬化剤、無機充填材、硬化促進剤、カップリング剤)以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青等の無機顔料、フタロシアニン等の多環顔料、アゾ顔料等が挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、インジゴイド、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン、フタロシアニン、アゾメチン等が挙げられる。
本実施形態において、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物がワニス状である場合において、熱硬化性樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30重量%以上80重量%以下としてもよく、より好ましくは40重量%以上70重量%以下としてもよい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。
ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、上述の各成分を、たとえば、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
(プリプレグ)
本実施形態のプリプレグ100は、例えば、図1に示すように、第1樹脂層102と、繊維基材に、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物が含浸してなる繊維基材層101と、第2樹脂層103と、がこの順で積層した構造を有するものである。
本実施形態において、ストランドとは、ガラス糸等の繊維糸が集合した糸束を指すものであり、経糸束および緯糸束を意味するものである。
本実施形態のプリプレグ100において、プリプレグ100の積層方向に対して水平であり、経糸束の延在方向に対して垂直である断面(以下、経糸束の断面と呼称してもよい。)において、経糸束中における経糸の間にシリカが存在している。これにより、プリプレグ100の硬化物について、弾性力を高めることができ、また線膨張係数を低くすることが可能になる。
また、経糸束の断面において、経糸で囲まれた領域がシリカで埋め込まれていてもよい。また、経糸で囲まれた領域のうち、複数の領域が完全にシリカで埋め込まれていてもよい。このようにストランド中におけるシリカの充填性を高めることにより、プリプレグの硬化物において高弾性化と低線膨張係数化の両立を実現することが可能である。
また、経糸束の断面において、経糸束の中心から繊維基材層101の中心の間に、シリカが存在することができる。さらには、経糸束の断面において、経糸束と緯糸束との間にシリカが存在することができる。このように、プリプレグ100の表面から繊維基材層101の中心に向かう膜厚方向、言い換えると、繊維基材層101の深さ方向に対して、深い位置のストランド内にシリカを充填することができる。これにより、ストランド内部におけるシリカの充填性を高めることができ、プリプレグの硬化物において高弾性化と低線膨張係数化の両立を実現することが可能である。
また、本実施形態のプリプレグ100において、経糸束の断面において、シリカが存在する領域の面積をXとし、シリカが存在しない領域の面積(但し、経糸が占める面積は除く)をYとしたとき、X/(X+Y)×100は、ストランド内部におけるシリカ充填率(%)を表すことができる。このシリカ充填率の下限値としては、例えば、50%以上であり、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。これにより、プリプレグの硬化物において高弾性化と低線膨張係数化の両立を実現することが可能である。一方で、上記シリカ充填率の上限値としては、特に限定されないが、例えば、100%以下でもよく、98%以下でもよい。
本実施形態において、上記シリカ充填率の算出方法としては、たとえば、画像解析を用いることができる。画像解析による二値化により、シリカが存在する領域の面積Xと、シリカが存在しない領域の面積(但し、経糸が占める面積は除く)Yの、それぞれの数値を算出することができる。
また、本実施形態において、経糸束の断面における経糸束の形状としては、たとえば、扁平形状であってもよく、具体的には楕円形状であってもよい。
本実施形態のプリプレグ100において、経糸束および緯糸束中にシリカが存在することができる。
また、プリプレグ100のうち第1樹脂層102および第2樹脂層103についても、シリカが存在することができる。第1樹脂層102および第2樹脂層103のシリカは、繊維基材層101のストランド内のシリカと同じとすることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させる方法としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、スキージング法を用いて、樹脂ワニスを繊維基材に含浸させる方法を用いることができる。これにより、マイクロオーダーの粒径を有するシリカをストランド内部に充填させることもできる。
本実施形態では、たとえば熱硬化性樹脂組成物中に含まれるシリカの粒径、種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物の含浸方法等を適切に選択することにより、上記シリカ充填率を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、シリカの粒径や分散性、スキージング法のスキージ速度や回数、含浸時に繊維基材を引っ張りすぎないことなどを調整すること等が、上記シリカ充填率を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
次いで、本実施形態に用いられる繊維基材(繊維織布)について説明する。
上記繊維基材として、ガラスクロスを用いることができる。ガラスクロスとしては、とくに限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維を用いる事ができる。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性のプリント配線基板を得ることができる。
本実施形態において、ガラスクロスは、複数のガラス経糸が集合したガラス経糸束と、複数のガラス緯糸が集合したガラス緯糸束とが、互いに交差するように織成して構成されるものである。また、ガラスクロス層は、ガラスクロスに、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物が含浸してなるものである。
また、本実施形態のガラスクロスに代えて、他の繊維基材を用いてもよい。他の繊維基材としては、例えば、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維;ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維;ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維のいずれかを主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材;クラフト紙、コットンリンター紙、あるいはリンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材;等が挙げられる。
上記繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上150μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上90μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上できる。繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の熱硬化性樹脂組成物の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
上記ガラスクロスとしては、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維が好適に用いられる。
上記繊維基材のかさ密度の下限値は、例えば、1.00g/cm以上であり以上、好ましくは1.05g/cm以上である。これにより、絶縁層のレーザー加工性を向上させることができる。一方で、上記繊維基材のかさ密度の上限値は、例えば、1.30g/cm以下であり、好ましくは1.25g/cm以下である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の含浸性を向上させることができる。なお、繊維基材のかさ密度の調整は、例えば、経糸と緯糸の打込み本数と、開繊・扁平処理した繊維の厚みを調整することによって行うことができる。
上記繊維基材の通気度の下限値は、例えば、1cc/cm/sec以上であり、好ましくは3cc/cm/sec以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の含浸性を向上させることができる。一方で、前記繊維基材の通気度の上限値は、例えば、80cc/cm/sec以下であり、好ましくは50cc/cm/secである。これにより、絶縁層のレーザー加工性を向上させることができる。
上記繊維基材の坪量の下限値は、例えば、10g/m以上であり、好ましくは15g/m以上である。これにより、プリプレグの低熱膨張性を向上させることができる。一方で、前記繊維基材の坪量の上限値は、例えば、160g/m以下であり、好ましくは130g/m以下である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の含浸性や絶縁層のレーザー加工性を向上させることができる。
また、上記繊維基材に用いられる繊維は、扁平していてもよい。扁平した繊維の扁平率は、例えば、1:2以上1:50以下でもよく、好ましくは1:5以上1:30以下でもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の含浸性や絶縁層のレーザー加工性を向上させることができる。なお、本実施形態において、扁平率とは、糸の厚さ:糸の幅で表わされる値である。
本実施形態において、プリプレグは、例えば、プリント配線基板におけるビルドアップ層中の絶縁層やコア層中の絶縁層を形成するために用いることができる。プリプレグをプリント配線基板におけるコア層中の絶縁層を形成するために用いる場合は、例えば、2枚以上のプリプレグを重ね、得られた積層体を加熱硬化することによりコア層用の絶縁層とすることもできる。
(金属張積層板)
本実施形態において、金属張積層板は、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置されたものである。
また、プリプレグを用いた金属張積層板の製造方法は、例えば以下の通りである。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。次いで、プリプレグと金属箔とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
上記金属箔を構成する金属としては、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金、銀、銀系合金、金、金系合金、亜鉛、亜鉛系合金、ニッケル、ニッケル系合金、錫、錫系合金、鉄、鉄系合金、コバール(商標名)、42アロイ、インバー、スーパーインバー等のFe−Ni系の合金、W、Mo等が挙げられる。これらの中でも、金属箔105を構成する金属としては、導電性に優れ、エッチングによる回路形成が容易であり、また安価であることから銅または銅合金が好ましい。すなわち、金属箔105としては、銅箔が好ましい。
また、金属箔としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。金属箔の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。
(プリント配線基板)
本実施形態のプリント配線基板は、上記のプリプレグの硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。
本実施形態において、プリプレグの硬化物は、例えば、通常のプリント配線基板のコア層やビルドアップ層やソルダーレジスト層、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層やソルダーレジスト層、PLPに用いられるコアレス基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層、MIS基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層等に用いることができる。このような絶縁層は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成する層間絶縁層やソルダーレジスト層にも好適に用いることができる。
次に、本実施形態のプリント配線基板300の一例を、図2(a)(b)を用いて説明する。
本実施形態のプリント配線基板300は、上述のプリプレグ100の硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。上記プリント配線基板300は、図2(a)に示すように、絶縁層301(コア層)と絶縁層401(ソルダーレジスト層)とを備える構造を有していてもよい。また、上記プリント配線基板300は、図2(b)に示すように、絶縁層301(コア層)、絶縁層305(ビルドアップ層)および絶縁層401(ソルダーレジスト層)を備える構造を有していてもよい。これらのコア層、ビルドアップ層、ソルダーレジスト層のそれぞれは、例えば、本実施形態のプリプレグの硬化物で構成することができる。
また、本実施形態に係るプリント配線基板300は、片面プリント配線基板であってもよいし、両面プリント配線基板または多層プリント配線基板であってもよい。両面プリント配線基板とは、絶縁層301の両面に金属層303を積層したプリント配線基板である。また、多層プリント配線基板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により、コア層である絶縁層301に、ビルドアップ層(例えば、絶縁層305)を2層以上積層したプリント配線基板である。
なお、本実施形態において、ビアホール307は、層間を電気的に接続するための孔であればよく、貫通孔および非貫通孔いずれでもよい。ビアホール307は金属を埋設して形成されてもよい。この埋設した金属は、無電解金属めっき膜308で覆われた構造を有していてもよい。
また、本実施形態において、上記金属層303は、例えば、回路パターンであってもよいし、電極パットであってもよい。この金属層303は、例えば、金属箔105および電解金属めっき層309の金属積層構造を有していてもよい。
金属層303は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理された金属箔105または、本実施形態のプリプレグの硬化物からなる絶縁層(例えば、絶縁層301や絶縁層305)の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。例えば、金属箔105または絶縁層301,305上に無電解金属めっき膜308を施した後、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより電解金属めっき層付けを行い、めっきレジストの除去とフラッシュエッチングによる電解金属めっき層309をパターニングすることにより、金属層303を形成する。
また、本実施形態のプリント配線基板300は、ガラス繊維を含まない樹脂基板とすることができる。例えば、コア層である絶縁層301は、ガラス繊維を含有しない構成であってもよい。このような樹脂基板を用いた半導体パッケージにおいても、プリプレグの硬化物の線膨張係数を低くすることができるので、パッケージ反りを十分に抑制することができる。
(半導体パッケージ)
次に、本実施形態の半導体装置400について説明する。図3(a)(b)は、半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態の半導体装置400は、プリント配線基板300と、プリント配線基板300の回路層上に搭載された、またはプリント配線基板300に内蔵された半導体素子と、を備えることができる。
例えば、図3(a)に示される半導体装置400は、図3(a)に示されるプリント配線基板300の回路層(金属層303)の上に、半導体素子407が搭載された構造を有する。一方、図3(b)に示される半導体装置400は、図3(b)に示されるプリント配線基板300の回路層(金属層303)の上に、半導体素子407が搭載された構造を有する。半導体素子407は、封止材層413に覆われている。このような半導体パッケージは、半田バンプ410および金属層303を介して、半導体素子407が、プリント配線基板300と電気的に接続するフリップチップ構造であってもよい。
本実施形態において、半導体パッケージの構造としては、上記フリップチップ接続構造に限定されずに、各種の構造を有してもよいが、例えば、ファンアウト構造を用いることができる。本実施形態のプリプレグの硬化物からなる絶縁層は、ファンアウト構造を有する半導体パッケージの製造プロセスにおいて、基板反りや基板クラックを抑制することができる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
実施例および比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、シクロヘキサノンおよびメチルイソブチルケトンの混合溶剤で不揮発分70重量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して熱硬化性樹脂組成物(樹脂ワニス)を調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
実施例および比較例では、以下の原料を用いた。
(熱硬化性樹脂組成物)
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、NC−3000、エポキシ当量275、重量平均分子量2000)
(シアネート樹脂)
シアネート樹脂1:シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、PT−30、重量平均分子量700)
(硬化剤)
硬化剤1:フェノール樹脂系硬化剤(日本化薬株式会社製、KAYAHARD GPH−103、水酸基当量231)
(無機充填材)
無機充填材1:シリカ(球状、株式会社アドマテックス製、SC4050、平均粒子径1.0μm)
(カップリング剤)
カップリング剤1:エポキシシランカップリング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A−187)
(繊維基材)
下記の繊維基材としては、JIS R3413に規定されるガラス繊維を、平織り製織された織布を使用した。
繊維基材1(#2013):(Tガラス、1/0のグラスファイバーヤーンを用い、経糸と緯糸の25mmあたりの打込み本数が、それぞれ46本、45本、開繊・扁平処理した厚み69μm、坪量82g/m
繊維基材2:(#1035):(Tガラス、1/0のグラスファイバーヤーンを用い、経糸と緯糸の25mmあたりの打込み本数が、それぞれ65本、67本、開繊・扁平処理した厚み30μm、坪量30g/m
得られた樹脂ワニスおよび繊維基材を用いて、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板及び半導体装置を作製した。
(プリプレグの作製)
実施例においては、得られた樹脂ワニスをガラスクロス上に塗布し、ウレタンゴム製のスキージで樹脂ワニスをガラスクロスに押し付けながら、スキージ速度:8m/minの条件で当該スキージを塗布ラインに沿って移動させた。これにより、スキージを用いて外力を付与しつつ、樹脂ワニスをガラスクロスに含浸させた。その後、180℃の加熱炉で2分間乾燥させてプリプレグを得た。実施例1から3のプリプレグ中の熱硬化性樹脂組成物の含有量は、プリプレグ全体の固形分基準で、それぞれ約55重量%、約55重量%、約71重量%であった。
比較例においては、スキージを用いずに、得られた樹脂ワニス中にガラスクロスを浸漬させることにより、当該樹脂ワニスをガラスクロスに含浸させた。その後、180℃の加熱炉で2分間乾燥させて、プリプレグを得た。比較例1から3のプリプレグ中の熱硬化性樹脂組成物の含有量は、プリプレグ全体の固形分基準で、それぞれ約55重量%、約55重量%、約71重量%であった。
(金属張積層板の作製)
得られたプリプレグの両面にキャリア付き2μmの銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンMT18Ex−2)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形した。これにより、プリプレグが硬化してなる厚さ150μmの絶縁層の両面に銅箔を有する金属張積層板を得た。
(プリント配線基板の製造)
厚み100μmのELC−4785TH−G(住友ベークライト社製、銅箔12μm)を用いて、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、導通を図り、銅箔をエッチングして回路形成面を有する残銅60%のコア層を作製した。また、得られたプリプレグを、上記CVP300にセットして上記コア層に仮付けし、真空ラミネーター内で120℃、0.7MPa、30秒間真空ラミネーションをおこなった。
その後、ニチゴー・モートン社製CPV300が備えるホットプレス装置を用いて、100℃、0.6MPa、60秒間ホットプレスして平滑化した。
その後、PETフィルムを剥離した後、熱風乾燥装置に、得られた積層体を160℃、60分間入れ、ビルドアップ用プリプレグの熱硬化性樹脂の硬化反応をおこなった。
つぎに、得られた積層板に炭酸レーザーによりビア孔を形成した。ビア内および、樹脂層表面を、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に20分浸漬後、中和して粗化処理をおこなった。
これを脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅めっき皮膜を約0.5μm形成し、レジストを形成し、無電解銅めっき皮膜を給電層としてパターン電気めっき銅20μm形成させ、回路加工を施した。つぎに、熱風乾燥装置にて200℃で60分間アニール処理を行った後、フラッシュエッチングで給電層を除去した。次いで、ソルダーレジスト層を形成し、半導体素子搭載パッドなどが露出するように開口部を形成した。最後に、ソルダーレジスト層から露出した回路層上へ、無電解ニッケルめっき層3μmと、さらにその上へ、無電解金めっき層0.1μmとからなるめっき層を形成し、得られた基板を50mm×50mmサイズに切断し、プリント配線板を得た。
得られたプリント配線板にソルダーレジスト層を形成し、半導体素子搭載パッドなどが露出するように炭酸レーザーにより開口を形成した。
最後に、ソルダーレジスト層から露出した回路層上へ、無電解ニッケルめっき層3μmと、さらにその上へ、無電解金めっき層0.1μmとからなるめっき層を形成し、得られた基板を50mm×50mmサイズに切断し、半導体パッケージ用の回路基板(プリント配線基板)を得た。
(半導体パッケージの製造)
半導体パッケージは、得られたプリント配線基板上に半田バンプを有する半導体素子(TEGチップ、サイズ10mm×10mm、厚み0.1mm)を、フリップチップボンダー装置により、加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、その後、液状封止樹脂を硬化させることで半導体パッケージを得た。尚、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条件で硬化させた。上記半導体素子の半田バンプは、Sn/Pb組成の共晶で形成されたものを用いた。最後に14mm×14mmのサイズにルーターで個片化し、半導体パッケージを得た。
得られたプリプレグ、金属張積層板および半導体パッケージについて、以下のような評価を行った。
(成形性)
回路厚み18μm、残銅率70%の回路基板において、得られたプリプレグを3MPa、220℃、2時間の条件の下、真空加圧することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
成形可:ボイドなし
成形不可:ボイドあり
(シリカ充填率)
得られたプリプレグを220℃で2時間熱処理した硬化物における経糸束の断面画像(倍率1,000倍)を準備し、画像解析による二値化により、シリカが存在する領域の面積Xと、シリカが存在しない領域の面積Y(但し、経糸が占める面積は除く)を算出した。ストランド内部におけるシリカ充填率(%)は、X/(X+Y)×100で算出した。
なお、図4は、実施例1のプリプレグの経糸束の断面画像(倍率1,000倍)であり、図5は、比較例1のプリプレグの経糸束の断面画像(倍率1,000倍)である。
(PKG反り)
得られた半導体パッケージを、温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製、形式LS220−MT100MT50)のサンプルチャンバーに半導体素子面を下にして設置し、上記測定機を用いて、半導体パッケージの室温(25℃)を測定した。反りの測定は、高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。
評価基準は以下の通りである。
〇 :反り量が150μm未満
× :反り量が150μm以上
(線熱膨張係数(CTE)(ppm/℃))
線熱膨張係数(CTE)は、TMA(熱機械的分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、4mm×20mmのサンプルを作製し、温度範囲30〜300℃、10℃/分、荷重5gの条件で2サイクル目の50〜150℃におけるCTE1、および150〜250℃におけるCTE2を測定した。尚、サンプルは、得られた金属張積層板の銅箔をエッチング除去したものを用いた。
(貯蔵弾性率E')
貯蔵弾性率E'の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800)で行った。
得られた金属張積層板の銅箔をエッチング除去することにより、サンプルを得た。得られたサンプルから8mm×40mmのテストピースを切り出し、そのテストピースに対し、昇温速度5℃/min、周波数1Hzで、20℃から260℃までの貯蔵弾性率測定をおこない、30℃、250℃での貯蔵弾性率E'(30℃)、E'(250℃)を算出した。
実施例1〜3のプリプレグを用いることにより、半導体パッケージの反りを低減することができ、さらには低線膨張係数であり、高弾性率であることから、強靱性を向上させることが分かった。実施例1〜3のプリプレグにおいては、断面において、前記経糸束と前記緯糸束との間にシリカが存在していることが分かった(図4参照)。一方で、比較例1〜3のプリプレグを用いることにより、半導体パッケージの反りを低減することはできなかった。また、比較例1〜3のプリプレグにおいては、断面において、前記経糸束と前記緯糸束との間にシリカが存在していないことが分かった(図5参照)。
100 プリプレグ
101 繊維基材層
102 第1樹脂層
103 第2樹脂層
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
400 半導体装置
401 絶縁層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材層

Claims (7)

  1. 第1樹脂層と、
    繊維基材に、シリカを含む熱硬化性樹脂組成物が含浸してなる繊維基材層と、
    第2樹脂層と、
    がこの順で積層したプリプレグであって、
    前記繊維基材は、複数の経糸が集合した経糸束と、複数の緯糸が集合した緯糸束とが、互いに交差するように織成して構成されたものであり、
    当該プリプレグの積層方向に対して水平であり、前記経糸束の延在方向に対して垂直である断面において、
    前記経糸束中における前記経糸の間にシリカが存在している、プリプレグ。
  2. 請求項1に記載のプリプレグであって、
    前記断面において、前記経糸束と前記緯糸束との間に前記シリカが存在している、プリプレグ。
  3. 請求項1または2に記載のプリプレグであって、
    前記経糸束における前記断面において、
    前記シリカが存在する領域の面積をXとし、
    前記シリカが存在しない領域の面積(但し、前記経糸が占める面積は除く)をYとしたとき、
    X/(X+Y)×100が、50%以上100%以下である、プリプレグ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のプリプレグであって、
    前記シリカの平均粒子径d50が、0.1μm以上2.0μm以下である、プリプレグ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のプリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された、金属張積層板。
  6. 請求項5の金属張積層板の表面に回路層が形成された、プリント配線基板。
  7. 請求項6に記載のプリント配線基板と、前記プリント配線基板の前記回路層上に搭載された半導体素子と、を備える、半導体パッケージ。
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