JP7102816B2 - 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体装置 - Google Patents
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プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
1分子中に、アルデヒド基と、当該アルデヒド基とは異なる官能基としてイミノ基と、を備える多官能フェノール樹脂を含み、
無機充填材を含み、当該熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対する前記無機充填材の含有量が50重量%以上80重量%以下であり、前記無機充填材の平均粒子径が0.01μm以上5.0μm以下であり、前記無機充填材が、平均粒子径が0.1μm以上5.0μmのシリカ粒子を含み、
示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で30℃から350℃まで昇温した際に得られる当該熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線は、第1発熱ピークと、前記第1発熱ピークよりも高い温度に位置する高い第2発熱ピークと、を有しており、
前記第2発熱ピークは、250℃よりも高い温度領域に存在する、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜が提供される。
上記プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置が提供される。
詳細なメカニズムは定かでないが、硬化物の架橋点を単に増加させる設計では、硬化物の自由体積が大きくなるめ、吸水率も増加すると考えられる。
そこで、本発明者は架橋構造(硬化物の構造)について更に検討を深めた結果、次のような知見が得られた。すなわち、DSC曲線の発熱ピークを指標とし、250℃未満の温度領域に存在する第1発熱ピークと、250℃よりも高温領域に存在する第2発熱ピークと、を2つのピークを有する構成とすることにより、Tgを高くし、吸水率を下げることができることを見出した。第2発熱ピークを有する構成とすることにより、得られる硬化物のTgを高くすることができる。また、互いに異なる温度領域に存在する第1発熱ピークと第2発熱ピークを有する構成とすることにより、詳細なメカニズムは定かでないが、得られる硬化物の架橋構造が最適に緻密化すると考えられるため、硬化物の吸水率を低減させることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、複数の官能基を有する多官能フェノール樹脂を含むことができる。
なお、式中Xの二価の芳香族基とは、芳香環を有する置換基を意味するものであり、芳香環を1つ又は2つ以上を有し、該芳香環がC、H、O及びNなどで構成される基により結合されていても良い。具体的には、下記式で表されるような構造をとることが好ましい。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むことができ、好ましくは、上記多官能フェノール樹脂の官能基と反応する基を有する熱硬化性樹脂を含むことができる。
また、式(V)中のArは、下記式(VI)中の(Ar1)~(Ar4)で表される構造であってもよい。
また、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ-πスタッキング効果が高いため、特に、ナフタレン型エポキシ樹脂は低熱膨張性、低熱収縮性に優れる。さらに、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度が特に高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII-1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII-2)、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては下記式(VII-3)(VII-4)(VII-5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII-6)で示すことができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、ビスマレイミド化合物を含むことができる。
本実施形態のビスマレイミド化合物は、マレイミド基を、分子内に少なくとも2つ以上有するマレイミド化合物である。
さらに、上記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n2は0以上の整数である。
このようなビスマレイミド化合物としては、1,6’-ビスマレイミド(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド、N,N’-1,2-エチレンビスマレイミド、N,N’-1,3-プロピレンビスマレイミド、N,N’-1,4-テトラメチレンビスマレイミド等の脂肪族ビスマレイミド化合物;イミド拡張型ビスマレイミド等を挙げることができる。これらの中でも1,6’-ビスマレイミド(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、イミド拡張型ビスマレイミドが特に好ましい。ビスマレイミド化合物は、単独で使用しても良く、二種類以上を併用してもよい。
イミド拡張型ビスマレイミドとしては、例えば、以下の式(a1)により示されるビスマレイミド化合物、以下の式(a2)により示されるビスマレイミド化合物、以下の式(a3)により示されるビスマレイミド化合物等が挙げられる。式(a1)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI-1500(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)等が挙げられる。式(a2)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI-1700(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1700)、BMI-1400(デジグナーモレキュールズ社製、分子量 1400)等が挙げられる。式(a3)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI-3000(デジグナーモレキュールズ社製、分子量3000)等が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。
また、本実施形態の硬化剤として、特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP-30)などの3級アミン化合物;イミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などの触媒型の硬化剤が挙げられる。
また、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-キシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、4,4’-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などの重付加型の硬化剤;2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)トリオンなどのフェノール系化合物も用いることができる。
さらに、第2硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤(ただし、上記多官能フェノール樹脂を除く);メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などの縮合型の硬化剤も用いてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4×102~1.8×103としてもよく、好ましくは5×102~1.5×103としてもよい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることでプリプレグにタック性が生じるなどの問題がおこりにくくなり、上記上限値以下とすることで、プリプレグ作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品が得ることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含むことができる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本実施形態において、無機充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA-500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含むことができる。
シアネート樹脂は、分子内にシアネート基(-O-CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。このようなシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、樹脂膜の硬化物の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を高めることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、硬化促進剤を含んでもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-エチルイミダゾール、2-フェニル-4-エチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-1H-イミダゾール4、5-ジメタノール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は熱硬化性樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、樹脂膜の硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下後においても、銅箔との密着性を維持することができる。
これにより、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料な等の顔料、色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤、低応力剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分(熱硬化性樹脂、硬化剤、無機充填材、硬化促進剤、カップリング剤)以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN-メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次いで、本実施形態のキャリア付樹脂膜について説明する。
図1は、本実施形態におけるキャリア付樹脂膜100の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態のキャリア付樹脂膜100は、図1に示すように、キャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられている、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜10と、を備えることができる。これにより、樹脂膜10のハンドリング性を向上させることができる。
本実施形態の樹脂基板は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備えることができる。このような樹脂基板は、ガラス繊維を含まない構成とすることができ、プリント配線基板に利用することができる。
本実施形態のプリプレグは、上記熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。例えば、プリプレグは、熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料として利用できる。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。
本実施形態において、金属張積層板は、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置されたものである。
また、プリプレグを用いた金属張積層板製造方法は、例えば以下の通りである。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。次いで、プリプレグと金属箔とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
また、金属箔としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。
上記繊維基材としては、とくに限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材;ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維;ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維;ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維のいずれかを主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材;クラフト紙、コットンリンター紙、あるいはリンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材;等が挙げられる。これらのうち、いずれかを使用することができる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性の樹脂基板を得ることができる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の熱硬化性樹脂組成物の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
本実施形態のプリント配線基板は、上記の樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)で構成された絶縁層を備えるものである。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物は、例えば、通常のプリント配線基板のコア層やビルドアップ層やソルダーレジスト層、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層やソルダーレジスト層、PLPに用いられるコアレス基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層、MIS基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層等に用いることができる。このような絶縁層は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成する層間絶縁層やソルダーレジスト層にも好適に用いることができる。
本実施形態のプリント配線基板300は、上述の樹脂膜10の硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。上記プリント配線基板300は、図2(a)に示すように、絶縁層301(コア層)と絶縁層401(ソルダーレジスト層)とを備える構造を有していてもよい。また、上記プリント配線基板300は、図2(b)に示すように、絶縁層301(コア層)、絶縁層305(ビルドアップ層)および絶縁層401(ソルダーレジスト層)を備える構造を有していてもよい。これらのコア層、ビルドアップ層、ソルダーレジスト層のそれぞれは、例えば、本実施形態の樹脂膜の硬化物で構成することができる。このコア層は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグを硬化させた硬化体で構成されていてもよい。
金属層303は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理された金属箔105または、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層(例えば、絶縁層301や絶縁層305)の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。例えば、金属箔105または絶縁層301,305上に無電解金属めっき膜308を施した後、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより電解金属めっき層309付けを行い、めっきレジストの除去とフラッシュエッチングによる電解金属めっき層309をパターニングすることにより、金属層303を形成する。
次に、本実施形態の半導体装置400について説明する。図3(a)(b)は、半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態の半導体装置400は、プリント配線基板300と、プリント配線基板300の回路層上に搭載された、またはプリント配線基板300に内蔵された半導体素子と、を備えることができる。
本実施形態のプリント配線基板500は、繊維基材を有するコア層を備えないものであり、例えば、ビルドアップ層やソルダーレジスト層で構成されているコアレス樹脂基板とすることができる。これらのビルドアップ層やソルダーレジスト層は、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層で構成されていることが好ましい。例えば、図4(c)に示すプリント配線基板500は、2層のビルドアップ層(絶縁層540,550)とソルダーレジスト層(絶縁層560)を備えるものである。なお、プリント配線基板500のビルドアップ層は、単層でもよく、2以上の複数層を有していてもよい。
その後、図4(b)に示すように支持基板510を剥離する。そして、金属箔530をエッチング等により除去する。
以上により、図4(c)に示すプリント配線基板500が得られる。
図5に示すプリント配線基板600は、PLP(パネルレベルパッケージ)プロセスに用いられるコアレス樹脂基板610で構成されていてもよい。PLPプロセスは、例えば、配線板プロセスを利用して、ウエハ以上の大面積を有するパネルサイズパッケージを得ることができる。PLPプロセスを使用することにより、ウエハレベルプロセスよりも半導体パッケージの生産性を効率的に向上させることができる。
以上により、プリント配線基板600を得ることができる。
図6に示すプリント配線基板700は、ポスト付き基板(MIS基板)で構成することができる。例えば、ポスト付き基板は、絶縁層712(層間絶縁層)内に、ビア配線716と金属層718(ポスト)が埋設された構造を有するコアレス樹脂基板710で構成することができる。ポスト付き基板は、個片化された後の基板であっても、個片化前の大面積を有する基板(例えば、ウエハの様な支持体)であってもよい。
本実施形態のプリント配線基板700を用いることにより、ウエハレベルプロセスと同程度以上に、半導体パッケージの生産性を効率的に向上させることができる。
以上により、プリント配線基板700を得ることができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
無機充填材を含み、当該熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対する前記無機充填材の含有量が50重量%以上90重量%以下であり、前記無機充填材の平均粒子径が0.01μm以上5.0μm以下であり、
示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で30℃から350℃まで昇温した際に得られる当該熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線は、第1発熱ピークと、前記第1発熱ピークよりも高い温度に位置する高い第2発熱ピークと、を有しており、
前記第2発熱ピークは、250℃よりも高い温度領域に存在する、熱硬化性樹脂組成物。
2. 1.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第1発熱ピークのピーク温度をT 1 とし、前記第2発熱ピークのピーク温度をT 2 としたとき、|T 2 -T 1 |が30℃以上である、熱硬化性樹脂組成物。
3. 1.または2.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第1発熱ピークのピーク温度は、150℃以上250℃未満である、熱硬化性樹脂組成物。
4. 1.から3.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第2発熱ピークのピーク高さは、0.02mW/mg以上2mW/mg以下である、熱硬化性樹脂組成物。
5. 1.から4.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第1発熱ピークのピーク高さをH 1 とし、前記第2発熱ピークのピーク高さをH 2 としたとき、H 2 /H 1 が0.1以上1未満である、熱硬化性樹脂組成物。
6. 1.から5.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
複数の官能基を有する多官能フェノール樹脂を含む、熱硬化性樹脂組成物。
7. 6.に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記多官能フェノール樹脂の官能基と反応する基を有する熱硬化性樹脂をさらに含む、熱硬化性樹脂組成物。
8. 1.から7.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、240℃以上400℃以下である、熱硬化性樹脂組成物。
9. キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、1.から8.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜。
10. 1.から8.のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなる、プリプレグ。
11. 10.に記載のプリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された、金属張積層板。
12. 11.に記載の金属張積層板の表面に回路層が形成された、プリント配線基板。
13. 12.に記載のプリント配線基板と、
前記プリント配線基板の前記回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
実施例および比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70重量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
実施例および比較例では、以下の原料を用いた。
熱硬化性樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、NC-3000、エポキシ当量275、重量平均分子量2000)
熱硬化性樹脂2:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬社製 EPPN-502H、多官能・分岐型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:168g/eq)
多官能フェノール樹脂1:下記の合成方法で得られたアルデヒド基およびイミノ基含有ビフェニレン骨格を有する多官能フェノール樹脂
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアルデヒド850g(6.967mol)、ビスメトキシメチルビフェニル421.9g(1.741mol)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒドに対して1重量%)を仕込み160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロキシベンズアルデヒドモノマーを除去し、アルデヒド含有ビフェニル樹脂を得た。
得られたアルデヒド含有ビフェニル樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し80℃まで昇温した。次に、発熱に注意しながらアリルアミン25.4gを2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを160℃で除去し、アルデヒド基およびイミノ基含有ビフェニレン骨格を有する多官能フェノール樹脂(多官能フェノール樹脂1)を含む樹脂を得た。
フェノール系硬化剤1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(日本化薬社製、KAYAHARD GPH-65、OH当量:200g/eq)
フェノール系硬化剤2:フェノール樹脂系硬化剤(多官能、日本化薬社製、KAYAHARD KTG-105、OH当量:105g/eq)
(無機充填材)
無機充填材1:シリカ粒子(アドマテック社製、SC2050、平均粒径0.5μm)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:2-フェニル-1H-イミダゾール4、5-ジメタノール(四国化成社製、キュアゾール2PHZ-PW)
硬化促進剤2:2-フェニルイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール2PZ-PW)
硬化促進剤3:2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール(四国化成社製、キュアゾールTBZ)
次いで、熱硬化性樹脂組成物を用いて、キャリア付樹脂膜を作製した。具体的には、熱硬化性樹脂組成物(樹脂ワニス)をポリエチレンテレフタレート上に塗布し、次いで、温度140℃で2分間乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ25μmのキャリア付樹脂膜を作製した。
実施例および比較例において、得られた樹脂ワニス中をガラスクロス(クロスタイプ#1078、Eガラス、坪量48g/m2)に塗布することにより、当該樹脂ワニスをガラスクロスに含浸させた。その後、180℃の加熱炉で2分間乾燥させて、厚み70μmのプリプレグを得た。各実施例および各比較例のプリプレグ中の熱硬化性樹脂組成物における樹脂の含有量(RC)は、プリプレグ全体(ガラスクロスおよび熱硬化性樹脂組成物)の固形分基準で、64重量%であった。
得られたキャリア付樹脂膜を厚さ約100umになるようにラミネートして重ねた。その後、両面に12μm厚の銅箔をラミネートし、220℃で2時間熱処理後、銅エッチング処理することで、熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物を得た。ラミネートは、2ステージ真空加圧式ラミネーター装置(名機製作所社製、MVLP-500)を用いて、30秒間減圧して10hPa以下で、1ステージ条件として温度80℃、圧力0.8MPa、30秒にて真空加熱加圧成形した。2ステージは使用しなかった。
得られたプリプレグを220℃で2時間熱処理し、熱硬化性樹脂組成物のプリプレグ硬化物を得た。
得られた樹脂硬化物から8mm×40mmのテストピースを切り出し、そのテストピースに対し、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800)を用いて、昇温速度5℃/min、周波数1Hzで動的粘弾性測定を行い、30℃での貯蔵弾性率E’30、260℃での貯蔵弾性率E’260を算出した。また、ガラス転移温度は、損失正接tanδが最大値を示す温度とした。
得られたプリプレグ硬化物からを6mm角に5枚切り出してサンプルとし、85℃の乾燥機内に2時間放置した後のサンプルの初期重量Aを測定し、その後、85℃、湿度85%の槽内に2時間放置した後のサンプルの重量Bを計測することにより、下記式により硬化物中の吸水率Wa1(%)を算出した。
ここで、サンプル(硬化物)の吸水率Wa1(%)は以下の式で示される。
吸水率Wa1[%]:((B-A)/A)×100
A:85℃の乾燥機内に2時間放置した後の重量(mg)
B:85℃、湿度85%の槽内に、2時間放置した後の重量(mg)
硬化物の中の樹脂の吸水率Wa2(%)は、得られた吸水率Wa1(%)を、上記樹脂の含有量(RC:0.64)で除したものとした。
得られた樹脂硬化物から4mm×20mmの試験片を作製した。この試験片について、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30~300℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、引張モードの条件で熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。この結果から、2サイクル目の3030℃から250℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)の平均値を算出した。なお、線膨脹係数は、2サイクル目の値を採用した。
示差走査熱量計(SII社製、DSC7020)を用い、窒素気流下で、昇温速度を10℃/minで30℃から350℃の温度範囲条件にて、10mgの得られた熱硬化性樹脂組成物について測定した。得られた熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線から、発熱ピーク、250℃未満における第1発熱ピークのピーク温度T1(℃)、250℃よりも高い第2発熱ピークのピーク温度T2(℃)、|T2-T1|(℃)、第2発熱ピークのピーク高さH1(mW/mg)、第2発熱ピークのピーク高さH2(mW/mg)を算出した。
このとき、70℃における発熱量高さHMINと最大発熱ピーク温度における発熱量高さHMAXとの差をΔHとし、発熱量高さHMINを基準にしたときに発熱量高さが、ΔHの10%に達した時の温度を、発熱開始温度とした。発熱ピークは、ΔHの10%を超えるものとした。
に示す。図7中、実施例1から3の第1発熱ピークは、エポキシ樹脂と多官能フェノール樹脂中のフェノール性水酸基を示し、第2ピークは、多官能フェノール樹脂同士におけるアルデヒド基とイミノ基との反応を示す。
12μm厚の銅箔を積層してなる両面銅張積層板(住友ベークライト(株)製、LαZ-4785GH-J)を準備した。次いで、上記銅張積層板の銅箔をエッチング処理して導体回路パターンを形成することにより、一面および他面に上記導体回路パターンが形成された回路基板を得た。次いで実施例、比較例で得られたプリプレグを、2ステージ真空加圧式ラミネーター装置(名機製作所社製、MVLP-500)を用いて、30秒間減圧して10hPa以下で、1ステージ条件として温度120℃、圧力0.8MPa、30秒、2ステージ条件としてSUS鏡板で温度120℃、圧力1.0MPa、60秒にて真空加熱加圧成形した。その後、12μm厚の銅箔を同様の条件で積層した後、220℃、2時間の条件で硬化した。得られた多層配線板の外層パターンを形成し、層間厚み20μmの評価サンプルを作製した。
得られた評価サンプルを用いて、PCT層を使い、121℃、2気圧、2時間処理後、288℃の半田層に浸透させて30秒熱処理した後、膨れ発生有無を評価した。これを膨れが発生するまで繰り返し、膨れが発生するまでの回数を計測した。
○:11回以上でも膨れ無し(良好)
×:1回で膨れ(使用不可)
また、実施例1~3の熱硬化性樹脂組成物は、比較例1、2と比べて、線膨張係数を低減できるため、層間接続信頼性に優れており、パッケージの反りが低減されたプリント配線基板や半導体装置を実現できる。
また、実施例1~3の熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含まない比較例3と比べて、吸水率が低く、貯蔵弾性率が高く、線膨張係数を低く抑えられるものであり、基板信頼性に優れることが分かった。
12 キャリア基材
100 キャリア付樹脂膜
105 金属箔
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
400 半導体装置
401 絶縁層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材層
500 プリント配線基板
510 支持基板
520 キャリア箔
530 金属箔
540 絶縁層
542 金属層
550 絶縁層
552 金属層
560 絶縁層
562 金属層
600 プリント配線基板
610 コアレス樹脂基板
612 絶縁層
614 金属層
616 ビア配線
618 金属層
620 半導体素子
630 絶縁層
632 絶縁層
640 金属層
650 金属層
652 第1金属層
654 第2金属層
700 プリント配線基板
710 コアレス樹脂基板
712 絶縁層
714 金属層
716 ビア配線
718 金属層
720 半導体素子
730 絶縁層
732 絶縁層
740 金属層
Claims (13)
- プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
1分子中に、アルデヒド基と、当該アルデヒド基とは異なる官能基としてイミノ基と、を備える多官能フェノール樹脂を含み、
無機充填材を含み、当該熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対する前記無機充填材の含有量が50重量%以上80重量%以下であり、前記無機充填材の平均粒子径が0.01μm以上5.0μm以下であり、前記無機充填材が、平均粒子径が0.1μm以上5.0μmのシリカ粒子を含み、
示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で30℃から350℃まで昇温した際に得られる当該熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線は、第1発熱ピークと、前記第1発熱ピークよりも高い温度に位置する高い第2発熱ピークと、を有しており、
前記第2発熱ピークは、250℃よりも高い温度領域に存在する、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第1発熱ピークのピーク温度をT1とし、前記第2発熱ピークのピーク温度をT2としたとき、|T2-T1|が30℃以上である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第1発熱ピークのピーク温度は、150℃以上250℃未満である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第2発熱ピークのピーク高さは、0.02mW/mg以上2mW/mg以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記第1発熱ピークのピーク高さをH1とし、前記第2発熱ピークのピーク高さをH2としたとき、H2/H1が0.1以上1未満である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記多官能フェノール樹脂の官能基と反応する基を有する熱硬化性樹脂をさらに含む、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、240℃以上400℃以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記イミノ基が、-CH=N-Rの構造で表される(ただし、Rは、直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1から9のアルキル基、アルケニル基、またはアルコキシ基であり、直鎖もしくは分岐鎖内に芳香族構造を含んでもよい。)、熱硬化性樹脂組成物。 - キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、請求項1から8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなる、プリプレグ。
- 請求項10に記載のプリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された、金属張積層板。
- 請求項11に記載の金属張積層板の表面に回路層が形成された、プリント配線基板。
- 請求項12に記載のプリント配線基板と、
前記プリント配線基板の前記回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
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