JP2017115035A - 熱硬化性成形材料、その製造方法および半導体封止材 - Google Patents

熱硬化性成形材料、その製造方法および半導体封止材 Download PDF

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Abstract

【課題】高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性の硬化物が得られる熱硬化性成形材料の提供。【解決手段】アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを含み、アリル基含有樹脂が、式(1)で表される構成単位(1)および式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、式(3)で表される構成単位(3)と、式(4)で表される構成単位(4)と、を有する熱硬化性成形材料。(Arはベンゼン環又はナフタレン環;Rは式(r1)又は(r2)で表わされる基)【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性成形材料、その製造方法および半導体封止材に関する。
熱硬化性成形材料は、その熱硬化性を利用して、種々の用途に使用されている。たとえば電子製品の分野においては、熱硬化性の封止材料を用いて、半導体素子を種々の外部環境(温度、湿度、応力など)から保護するパッケージを成形することが行われている。封止材料としては、エポキシ樹脂とその硬化剤を含む組成物が広く使用されている。エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール系硬化剤が広く使用されている。
近年、電子製品の高性能化が図られる中、電子製品に用いられる樹脂材料の特性に一層の向上が求められている。例えば封止材料には、硬化物の低吸水性(低吸湿性)、耐熱性等のさらなる向上が求められている。
特許文献1には、ビス(メトキシメチル)ビフェニルとフェノール化合物とを反応させて得られるフェノールノボラック縮合体と、エポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物が提案されている。かかるエポキシ樹脂組成物の硬化物は、エポキシ樹脂用硬化剤として一般的なフェノールノボラック樹脂を用いる場合に比べて、吸水性、耐熱性、機械特性、接着特性等が優れるとされている。しかし、上記硬化物のガラス転移温度の高さ、線膨張係数の低さは充分ではない。
特許文献2には、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等のビフェニル化合物と、2価フェノール類および1価フェノール類とを反応させて得られるフェノールノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物が提案されている。かかるエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高いガラス転移温度と高い難燃性とを兼ね備えているとされている。しかし、上記硬化物の吸水性(吸湿性)の低さ、熱分解温度の高さは充分ではない。
特開平8−143648号公報 特開2013−43958号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性の硬化物が得られる熱硬化性成形材料およびその製造方法、ならびに前熱硬化性成形材料を用いた半導体封止材を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
<1>アリル基含有樹脂と、エポキシ樹脂とを含み、
前記アリル基含有樹脂が、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有し、
前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量が、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%である熱硬化性成形材料。
Figure 2017115035
[式中、Arはベンゼン環またはナフタレン環を示し、Rは下記式(r1)または(r2)で表される基を示し、pおよびqはそれぞれ独立に0または1を示し、−*および−**はそれぞれ結合手を示す。−*は、他の構成単位に結合し、−(R)−**の−**は、pが0である場合は他の構成単位または水素原子に結合し、pが1である場合は他の構成単位に結合し、−(R)−**の−**は、qが0である場合は他の構成単位または水素原子に結合し、qが1である場合は他の構成単位に結合する。]
Figure 2017115035
<2>前記エポキシ樹脂の含有量が、前記アリル基含有樹脂に対して5〜50質量%である、<1>の熱硬化性成形材料。
<3>前記<1>の熱硬化性成形材料の製造方法であって、
モノヒドロキシベンズアルデヒドおよびモノヒドロキシナフトアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(A)と、下記式(b1)で表される化合物および下記式(b2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)とを反応させて、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを有するアルデヒド基含有樹脂を得る工程と、
前記アルデヒド基含有樹脂と、前記アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対して10〜80モル%のアリルアミンとを反応させて前記アリル基含有樹脂を得る工程と、
前記アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを混合する工程と、
を有する熱硬化性成形材料の製造方法。
Figure 2017115035
[式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子である。]
<4>前記<1>または<2>の熱硬化性成形材料の硬化物からなる半導体封止材。
本発明によれば、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性の硬化物が得られる熱硬化性成形材料およびその製造方法、ならびに前熱硬化性成形材料を用いた半導体封止材を提供できる。
<熱硬化性成形材料>
本発明の熱硬化性成形材料は、アリル基含有樹脂と、エポキシ樹脂とを含む。
本発明の熱硬化性成形材料においては、アリル基含有樹脂のヒドロキシ基の一部とエポキシ樹脂のエポキシ基の一部とが反応した状態になっていてもよい。
本発明の熱硬化性成形材料は、硬化促進剤をさらに含むことができる。
本発明の熱硬化性成形材料は、前記アリル基含有樹脂、エポキシ樹脂および硬化促進剤以外の他の成分をさらに含むことができる。
(アリル基含有樹脂)
本発明におけるアリル基含有樹脂は、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有する。
「構成単位」は、重合体を構成する単位を示す。
Figure 2017115035
[式中、Arはベンゼン環またはナフタレン環を示し、Rは下記式(r1)または(r2)で表される基を示し、pおよびqはそれぞれ独立に0または1を示し、−*および−**はそれぞれ結合手を示す。−*は、他の構成単位に結合し、−(R)−**の−**は、pが0である場合は他の構成単位または水素原子に結合し、pが1である場合は他の構成単位に結合し、−(R)−**の−**は、qが0である場合は他の構成単位または水素原子に結合し、qが1である場合は他の構成単位に結合する。]
Figure 2017115035
アリル基含有樹脂は、構成単位(1)〜(4)に由来して、複数のArを含む。アリル基含有樹脂において複数のArは、1つのRを介して互いに結合しており、直接結合しない。
したがって、構成単位(1)または(2)のRから伸びる結合手(−*)は、構成単位(3)または(4)のArから伸びる結合手に結合する。
構成単位(3)または(4)のArから伸びる結合手は、構成単位(1)もしくは(2)のRから伸びる結合手、pおよびqの少なくとも一方が1である別の構成単位(3)もしくは(4)のRから伸びる結合手、または水素原子に結合する。
pおよびqの少なくとも一方が1である構成単位(3)または(4)のRから伸びる結合手は、別の構成単位(3)もしくは(4)のArから伸びる結合手に結合する。
ここで、構成単位(3)または(4)において、Arから伸びる結合手とは、−*、pが0である(R)−**およびqが0である(R)−**のいずれかである。Rから伸びる結合手とは、pが1である(R)−**およびqが1である(R)−**のいずれかである。
前記式(1)〜(4)中、Arは、ベンゼン環でもよくナフタレン環でもよく、ベンゼン環が好ましい。
Rは、前記式(r1)で表される基でもよく、前記式(r2)で表される基でもよい。
前記式(r1)中、ビフェニレン環における2つのメチレン基の結合位置はそれぞれ特に限定されないが、アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合、式(r1)で表される基に対応する架橋剤(B)のモノマー(A)との反応性が良好である点から、4位および4’位であることが好ましい。
前記式(r2)中、ベンゼン環における2つのメチレン基の結合位置はそれぞれ特に限定されないが、アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合、式(r1)で表される基に対応する架橋剤(B)のモノマー(A)との反応性が良好である点から、パラ位であることが好ましい。
本発明のアリル基含有樹脂に含まれる複数のArはそれぞれ同じでもよく異なってもよい。本発明のアリル基含有樹脂がRを複数含む場合、この複数のRはそれぞれ同じでもよく異なってもよい。
構成単位(1)として具体的には、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも式(1−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2017115035
式(1−1)で表される構成単位のベンゼン環における−R−*、アルデヒド基それぞれの結合位置は特に限定されない。
式(1−2)または(1−3)で表される構成単位のナフタレン環における−R−*、アルデヒド基それぞれの結合位置は特に限定されない。例えば式(1−2)中、ヒドロキシ基が結合した位置を1位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは2〜8位のいずれでもよい。式(1−3)中、ヒドロキシ基が結合した位置を2位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは1、3〜8位のいずれでもよい。
構成単位(1)としては、式(1−1)で表され、アルデヒド基の結合位置が、ヒドロキシ基に対してオルソ位である構成単位が好ましい。かかる構成単位であれば、アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合に、式(1−1)で表される構成単位に対応するモノマー(A)の架橋剤(B)との反応性が良く、また、モノマー(A)を容易に回収リサイクルできる。
アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(1)は1種でも2種以上でもよい。
構成単位(2)として具体的には、前記式(1−1)、(1−2)または(1−3)におけるアルデヒド基(−CHO)が−CH=N−CH−CH=CHに変換された構造の構成単位が挙げられる。これらの中でも式(1−1)におけるアルデヒド基(−CHO)が−CH=N−CH−CH=CHに変換された構造の構成単位が好ましく、−CH=N−CH−CH=CHの結合位置が、ヒドロキシ基に対してオルソ位であるものが特に好ましい。
アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(2)は1種でも2種以上でもよい。
構成単位(3)として具体的には、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも式(3−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2017115035
式(3−1)で表される構成単位のベンゼン環における−*、−(R)−**、−(R)−**、アルデヒド基それぞれの結合位置は特に限定されない。
式(3−2)または(3−3)で表される構成単位のナフタレン環における−*、−(R)−**、−(R)−**、アルデヒド基それぞれの結合位置は特に限定されない。例えば式(3−2)中、ヒドロキシ基が結合した位置を1位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは2〜8位のいずれでもよい。式(3−3)中、ヒドロキシ基が結合した位置を2位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは1、3〜8位のいずれでもよい。
構成単位(3)としては、式(3−1)で表され、アルデヒド基の結合位置が、ヒドロキシ基に対してオルソ位である構成単位が好ましい。かかる構成単位であれば、アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合に、式(3−1)で表される構成単位に対応するモノマー(A)の架橋剤(B)との反応性が良く、また、モノマー(A)を容易に回収リサイクルできる。
アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(3)は1種でも2種以上でもよい。
構成単位(4)として具体的には、前記式(3−1)、(3−2)または(3−3)におけるアルデヒド基(−CHO)が−CH=N−CH−CH=CHに変換された構造の構成単位が挙げられる。これらの中でも式(3−1)におけるアルデヒド基(−CHO)が−CH=N−CH−CH=CHに変換された構造の構成単位が好ましく、−CH=N−CH−CH=CHの結合位置が、ヒドロキシ基に対してオルソ位であるものが特に好ましい。
アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(4)は1種でも2種以上でもよい。
アリル基含有樹脂は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(1)、構成単位(2)、構成単位(3)および構成単位(4)以外の構成単位をさらに有していてもよい。
アリル基含有樹脂において、前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量は、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計(100モル%)に対して10〜80モル%であり、25〜70モル%が好ましく、25〜50モル%が特に好ましい。
この割合は、アリル基含有樹脂中のアルデヒド基とアリル基との合計に対するアリル基の割合(モル%)に等しい。
この割合が上記範囲の下限値以上であれば、本発明の熱硬化性成形材料を硬化させたときに、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性の硬化物が得られる。この割合が上記範囲の上限値以下であれば、本発明のアリル基含有樹脂の、結晶性を抑制しハンドリング性が向上する。また、コストも抑制できる。
アリル基含有樹脂を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対する、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計の割合は、10モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、100モル%であってもよい。
アリル基含有樹脂において、アリル基含有樹脂を構成する重合体1分子あたりの前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計数は、2〜31が好ましい。
上記の合計数が上記上限値以下であれば、アリル基含有樹脂の質量平均分子量(Mw)が低くなることで、アリル基含有樹脂の軟化点や溶融粘度が低くなる傾向がある。
アリル基含有樹脂の質量平均分子量(Mw)は、300〜4000が好ましく、400〜2000がより好ましい。Mwが上記上限値以下であると、アリル基含有樹脂の溶融粘度が充分に低くなる。Mwが上記下限値以上であると、アリル基含有樹脂の結晶性を抑えることができ、アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを溶融混合する際の相溶性が優れる。
アリル基含有樹脂の分散度(Mw/数平均分子量(Mn))は、1.20〜2.00が好ましい。
本発明において、MwおよびMnは、標準物質をポリスチレンとしたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
アリル基含有樹脂の軟化点は、50〜95℃であることが好ましく、65〜80℃であることがより好ましい。軟化点が上記下限値以上であれば、ブロッキング性が良好である。軟化点が上記上限値以下であれば、アリル基含有樹脂の溶融粘度が充分に低く、これを含む熱硬化性成形材料の流動性が高く成形しやすい。
アリル基含有樹脂の軟化点は、JIS K 6910:1999に従って測定される。
アリル基含有樹脂の150℃における溶融粘度は、10P以下が好ましく、8P以下がより好ましく、3P以下が特に好ましい。溶融粘度が上記上限値以下であれば、アリル基含有樹脂を含む熱硬化性成形材料の流動性が高く成形しやすい。
アリル基含有樹脂の溶融粘度は、溶融粘度計(たとえばブルックフィールド社製のCAP2000 VISCOMETER)により測定される。
アリル基含有樹脂の軟化点や溶融粘度は、質量平均分子量(Mw)、アリル基の含有量等により調整できる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、特に限定されず、公知のエポキシ樹脂であってよく、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、特に制限はないが、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂、オルソクレゾール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、耐熱性、低吸水性の点で、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性成形材料中のエポキシ樹脂の含有量は、前記アリル基含有樹脂に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であれば、熱硬化性成形材料の硬化物が、より高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性となる。エポキシ樹脂の含有量が上記下限値以上であれば、熱硬化性成形材料の硬化温度を低く、例えば200℃以下にすることができる。
(硬化促進剤)
硬化促進剤としては、特に限定されず、エポキシ基とヒドロキシ基との反応を促進するものとして公知の硬化促進剤であってよい。例えばリン系化合物、第3級アミン、イミダゾール化合物、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。リン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリス−2,6−ジメトキシフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。第3級アミンとしては、2−ジメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等が挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。これらの硬化促進剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂に対し、0.5〜5.0質量%が好ましい。
(他の成分)
前記他の成分としては、例えば、前記アリル基含有樹脂以外の硬化剤(以下、他の硬化剤ともいう。)、充填材(フィラー)、離型剤、表面処理剤、着色剤、可撓性付与剤等が挙げられる。
他の硬化剤としては、エポキシ樹脂に用いられる硬化剤として従来公知のものを用いることができ、例えばフェノールノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、酸無水物、アミン樹脂等が挙げられる。
熱硬化性成形材料中の他の硬化剤の含有量は、本発明の効果の点では、熱硬化性成型材料に対し、10質量%以下が好ましく、0質量%が特に好ましい。
充填材(フィラー)としては、カーボンブラック、結晶性シリカ粉、溶融性シリカ粉、石英ガラス粉、タルク、ケイ酸カルシウム粉、ケイ酸ジルコニウム粉、アルミナ粉、炭酸カルシウム粉等が挙げられ、結晶性シリカ粉、溶融性シリカ粉が好ましい。
離型剤としては、たとえばカルナバワックス等の各種ワックス類等が挙げられる。
表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。
可撓性付与剤としては、シリコーン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリルゴム等が挙げられる。
(熱硬化性成形材料の製造方法)
本発明の熱硬化性成形材料の製造方法としては、たとえば、以下の製造方法(I)が挙げられる。
製造方法(I):モノヒドロキシベンズアルデヒドおよびモノヒドロキシナフトアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(A)と、下記式(b1)で表される化合物および下記式(b2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)とを反応させて、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを含むアルデヒド基含有樹脂を得る工程と、
前記アルデヒド基含有樹脂と、前記アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対して10〜80モル%のアリルアミンとを反応させて前記アリル基含有樹脂を得る工程と、
前記アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを混合する工程と、
を有する熱硬化性成形材料の製造方法。
アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを混合する際に、またはアリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを混合した後、必要に応じて、硬化促進剤や他の成分をさらに混合してもよい。
Figure 2017115035
[式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子である。]
「モノマー(A)」
モノヒドロキシベンズアルデヒドとしては、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、メタヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられる。
モノヒドロキシナフトアルデヒドとしては、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
モノマー(A)としては、架橋剤(B)との反応性が良い点、反応で残留したモノマーを容易に回収リサイクル可能である点から、オルソヒドロキシベンズアルデヒドが好ましい。
「架橋剤(B)」
前記式(b1)または(b2)中、Xのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
前記式(b1)で表される化合物(以下、「化合物(b1)」ともいう。)としては、4,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル、2,2’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル、2,4’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル等(ただし、アルコキシ基の炭素数は1〜4である。)が挙げられる。
前記式(b2)で表される化合物(以下、「化合物(s2)」ともいう。)としては、パラキシリレングリコールジアルキルエーテル、メタキシリレングリコールジアルキルエーテル、1,4−ビス(ハロゲン化メチル)ベンゼン等(ただし、アルキル基の炭素数は1〜4である。)が挙げられる。
これらは1種単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
架橋剤(B)としては、上記のなかでも、比較的安価であり、モノマー(A)との反応性が良好である点から、4,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル、パラキシリレングリコールジアルキルエーテル、1,4−ビス(ハロゲン化メチル)ベンゼンが好ましい。
「モノマー(A)と架橋剤(B)との反応」
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応では、複数のモノマー(A)のArが架橋剤(B)によって架橋され、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを有するアルデヒド基含有樹脂が生成する。
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応において、モノマー(A)に対する架橋剤(B)のモル比(架橋剤(B)/モノマー(A))は、0.01〜0.99であることが好ましく、0.05〜0.60であることがより好ましい。
モノマー(A)に対する架橋剤(B)の比率が低すぎると、歩留まりが低下するおそれがある。モノマー(A)に対する架橋剤(B)の比率が高すぎると、モノマー(A)と架橋剤(B)との反応に時間がかかり、生産性が低下するおそれがある。
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応は、酸性触媒の存在下で行ってもよい。前記反応を酸性触媒下で行うと、モノマー(A)と架橋剤(B)との反応速度が向上する。特に架橋剤(B)が有するXがアルコキシ基の場合は、酸性触媒の存在下で行うことが好ましい。
架橋剤(B)が有するXがハロゲン原子の場合は、酸性触媒を別途加えなくてもよい。Xがハロゲン原子の場合、反応させる際の熱によりハロゲン原子が脱離しHXとなる。このHXが酸性触媒として機能するため、酸性触媒を別途加えなくても反応速度が充分に速くなる。
酸性触媒としては、反応が進行すれば特に制限はなく、例えば無機酸、有機酸、アルカリ性金属化合物等が挙げられる。具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、3フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛等が挙げられる。酸性触媒は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
酸性触媒の使用量は、モノマー(A)に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.10〜1.00質量%がより好ましい。
酸性触媒媒の使用量が少なすぎると、反応速度の向上効果が不充分になるおそれがあり、使用量が多すぎると、反応が急激に進み反応をコントロールすることが難しくなる。
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応温度は、10〜250℃が好ましく、60〜200℃がより好ましい。反応温度があまりに低いと反応は進まず、あまりに高すぎると反応をコントロールすることが難しくなり、目的のアルデヒド基含有樹脂を安定的に得ることが難しくなる。
反応の終了時、得られた反応生成物にアルカリを添加して酸性触媒を中和してもよい。
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応により得られた反応生成物は、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを有するアルデヒド基含有樹脂を含む。
この反応生成物はそのまま、または必要に応じて、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー、等)等の処理を行って、次の工程(アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンと反応させる工程)に供される。
「アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンとの反応」
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応により生成したアルデヒド基含有樹脂と、アリルアミンとを反応させると、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基(構成単位(1)、(3)のアルデヒド基)が−CH=N−CH−CH=CHに変換される。
このとき、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基(100モル%)に対して10〜80モル%のアリルアミンを反応させることで、本発明のアリル基含有樹脂が生成する。
アルデヒド基含有樹脂と反応させるアリルアミンの量は、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対して25〜70モル%が好ましく、25〜50モル%が特に好ましい。
したがって、アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンとの反応において、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対するアリルアミンのアミノ基のモル比(アミノ基/アルデヒド基)は、0.10〜0.80が好ましく、0.25〜0.70がより好ましく、0.25〜0.50が特に好ましい。
アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンとの反応温度は、10〜150℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。反応温度があまりに低いと反応が進みにくい。反応温度がアリルアミンの沸点(97℃)以下であれば、製造安定性に優れる。
アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンとの反応により得られた反応生成物は、前記アリル基含有樹脂を含む。
反応後、必要に応じて、反応生成物に対し、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー、等)等の処理を行ってもよい。
この反応生成物はそのまま、または必要に応じて、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー、等)等の処理を行って、次の工程(アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを混合する工程)に供される。
「アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂との混合」
上記のようにして得られたアリル基含有樹脂と、エポキシ樹脂と、必要に応じて硬化促進剤、他の成分等を混合することにより熱硬化性成形材料が得られる。
エポキシ樹脂、硬化促進剤、他の成分はそれぞれ、前記と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
各成分の混合は、常法により行うことができる。例えば各成分を、アリル基含有樹脂およびエポキシ樹脂が溶融し、熱硬化性成形材料が完全には硬化しない温度(例えば60〜130℃)にて熱溶融混合することにより熱硬化性成形材料が得られる。
(作用効果)
本発明の熱硬化性成形材料にあっては、構成単位(1)および構成単位(2)のいずれか一方または両方と、構成単位(3)と、構成単位(4)とを有し、構成単位(2)と構成単位(4)との合計の含有量が、構成単位(1)と構成単位(2)と構成単位(3)と構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%であるアリル基含有樹脂と、エポキシ樹脂とを含むため、加熱することによって硬化させ、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性(低吸湿性)の硬化物を得ることができる。これは以下の理由によると考えられる。
従来のフェノール系硬化剤(フェノールノボラック樹脂等)を用いてエポキシ樹脂を硬化させる場合、ヒドロキシ基とエポキシ基との反応(エポキシ硬化系)により必ずヒドロキシ基が発生する。このヒドロキシ基が吸水率を増加させていた。
本発明の熱硬化性成形材料にあっては、アリル基含有樹脂がヒドロキシ基のほかアルデヒド基および−CH=N−CH−CH=CHを有するため、アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを反応させたときに、(1)ヒドロキシ基とエポキシ基との反応、(2)−CH=N−CH−CH=CHのイミン部分とアルデヒド基との反応、(3)−CH=N−CH−CH=CHのアリル基同士の反応、の3種の反応が生じて硬化する。
硬化系全体における(1)の反応(エポキシ硬化系)の割合が低くなり、また、上記(2)、(3)の反応ではヒドロキシ基は発生しないため、得られる硬化物中のヒドロキシ基の含有量が少なくなって吸水性が低くなる。
また、エポキシ硬化系の割合が低くなっても、他の硬化系((2)、(3)の反応)を併用しているため、硬化が充分に進み、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数を達成できる。
また、前記アリル基含有樹脂にあっては、複数のArを結合する基Rが前記式(r1)または(r2)で表される基であるため、複数のArを結合する基がメチレン基である場合(架橋剤としてホルムアルデヒドを用いたフェノールノボラック樹脂等)に比べて、硬化物の耐熱性が高くなる。
なお、前記アリル基含有樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせなくても、上記(2)、(3)の反応により、単独で硬化させることができる。しかし、エポキシ樹脂と組み合わせることで、単独で硬化させる場合に比べて、硬化温度を低くすることができる。そのため、エポキシ樹脂と組み合わせて硬化反応に供することが好適である。
本発明の熱硬化性成形材料を硬化させる際の加熱温度(硬化温度)は、150〜250℃が好ましい。
硬化操作の一例としては、前記の好適な温度で30秒間以上1時間以下の硬化を行い、その後さらに、前記の好適な温度で1〜20時間の後硬化を行う方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性成形材料の用途としては、特に制限はなく、公知の熱硬化性成形材料の用途と同様であってよい。たとえば封止材料、フィルム材料、積層材料等が挙げられる。より具体的な用途の例としては、半導体封止材料、電子部品の封止用樹脂材料、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂材料、ビルドアップ積層板材料、レジスト材料、液晶のカラーフィルター用樹脂材料、塗料、各種コーティング剤、接着剤、繊維強化プラスチック(FRP)材料等が挙げられる。半導体封止材料として用いる場合、本発明の熱硬化性成形材料は溶剤を含まないことが好ましい。
本発明の熱硬化性成形材料の硬化物は、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性である。そのため、本発明の熱硬化性成形材料は、半導体封止材料として有用である。
<半導体封止材>
本発明の半導体封止材は、前述の本発明の熱硬化性成形材料の硬化物からなる。
半導体封止材の形状は、特に限定されず、公知の半導体封止材と同様であってよい。
本発明の熱硬化性成形材料を用いて半導体封止材を形成(半導体を封止)する方法としては、公知の方法、例えばトランスファー成形法、圧縮成形法等を用いることができる。
(作用効果)
本発明の半導体封止材は、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性である。そのため、耐熱性および温度変化に対する寸法安定性が高く、はんだリフロ時等に吸湿水分の急激な気化によるクラックが発生しにくく、電子製品の信頼性の向上に寄与する。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の各例において「%」は、特に限定のない場合は「質量%」を示す。
以下の各例で用いた測定方法を以下に示す。
[樹脂の質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)]
下記のGPC装置及びカラムを使用し、標準物質をポリスチレンとして測定した。
GPC装置:東ソー社製のHLC8120GPC。
カラム:TSKgel G3000HXL+G2000H+G2000H。
[樹脂の軟化点]
JIS K 6910:1999に従って軟化点を測定した。
[樹脂の溶融粘度]
150℃に設定した溶融粘度計(ブルックフィールド社製CAP2000 VISCOMETER)により、150℃における溶融粘度を測定した。
[硬化物のガラス転移温度(Tg)]
熱硬化性成形材料を175℃、120秒の条件でトランスファー成形して樹脂成形物(幅2mm×長さ30mm×厚さ1mm)を作製し、200℃、5時間の条件で後硬化させた。後硬化させた樹脂成形物について、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製 DMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜300℃の範囲でtanδを測定し、Tg(℃)を求めた。
[硬化物の5%熱分解温度]
熱硬化性成形材料を175℃、120秒の条件でトランスファー成形して樹脂成形物(幅2mm×長さ30mm×厚さ1mm)を作製し、200℃、5時間の条件で後硬化させた。後硬化させた樹脂成形物を微粉砕し、測定試料とした。この測定試料について、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6300)により、エアー雰囲気下で10℃/分の昇温速度で30℃〜800℃の範囲で熱重量減量を測定し、5%熱分解温度(℃)を求めた。
[硬化物の線膨張係数]
熱硬化性成型材料を175℃、120秒の条件でトランスファー成形して樹脂成形物(幅5mm×長さ5mm×厚さ5mm)を作製し、200℃、5時間の条件で後硬化させた。後硬化させた樹脂成形物について、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 TMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜300℃の範囲で測定し、Tg前線膨張係数(ppm)およびTg後線膨張係数(ppm)を求めた。Tg前線膨張係数は、30℃での線膨張係数を示し、Tg後線膨張係数は、Tg+10℃〜Tg+30℃の範囲内の任意の温度での線膨張係数を示す。Tgは、前述の測定方法により測定される値である。
[硬化物の吸水率]
熱硬化性成型材料を175℃、120秒の条件でトランスファー成形して円盤状の試験片(直径50mm×厚さ5mm)を作製した。作製した試験片と純水(20mL)をプレッシャークッカーに入れ、121℃のオーブンに20時間入れた。その後、試験片の質量を測定し、以下の式により吸水率を算出した。
吸水率=(オーブンに入れて20時間後の試験片の質量−オーブンに入れる前の試験片の質量)/オーブンに入れる前の試験片の質量×100
<アルデヒド基含有樹脂の製造>
〔合成例1〕
(オルソヒドロキシベンズアルデヒドと4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルの反応:モル比=0.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアルデヒド850g(6.967モル)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル674.5g(2.787モル)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒドに対して1%)を仕込み、160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロキシベンズアルデヒドを除去し、アルデヒド含有ビフェニル樹脂を得た。得られた樹脂の軟化点は81℃、150℃における溶融粘度は1.2Pであった。ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下、GPCと略記することもある。)による質量平均分子量(Mw)は815、分散度(Mw/Mn)は1.48であった。
〔合成例2〕
(オルソヒドロキシベンズアルデヒドとパラキシレングリコールジメチルエーテルの反応:モル比=0.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアルデヒド850g(6.967モル)、パラキシレングリコールジメチルエーテル462.6g(2.787モル)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒドに対して1%)を仕込み、160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロキシベンズアルデヒドを除去し、アルデヒド含有キシリレン樹脂を得た。得られた樹脂の軟化点は80℃、150℃における溶融粘度は1.7Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は756、分散度(Mw/Mn)は1.44であった。
<アリル基含有樹脂の製造>
〔合成例3〕
(アルデヒド基含有ビフェニル樹脂とアリルアミンの反応:変性率約30モル%)
合成例1で得たアルデヒド含有ビフェニル樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで昇温した。そこにアリルアミン7.6gを、発熱に注意しながら2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを160℃で除去し、アリル基含有樹脂Aを得た。アリル基含有樹脂Aの軟化点は82.3℃、150℃における溶融粘度は3.6Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は913、分散度(Mw/Mn)は1.65であった。13C−核磁気共鳴分析(以下、NMRと略記することもある。)によるアルデヒド基変性率は31モル%であった。
アルデヒド基変性率は、樹脂中のアルデヒド基とアリル基との合計に対するアリル基の割合を示す。
〔合成例4〕
(アルデヒド基含有ビフェニル樹脂とアリルアミンの反応:変性率約50モル%)
合成例1で得たアルデヒド含有ビフェニル樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで昇温した。そこにアリルアミン12.7gを、発熱に注意しながら2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを160℃で除去し、アリル基含有樹脂Bを得た。アリル基含有樹脂Bの軟化点は78.9℃、150℃における溶融粘度は2.5Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は935、分散度(Mw/Mn)は1.70であった。NMRによるアルデヒド基変性率は50モル%であった。
〔合成例5〕
(アルデヒド基含有キシリレン樹脂とアリルアミンの反応:変性率約30モル%)
合成例2で得たアルデヒド含有キシリレン樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで昇温した。そこにアリルアミン9.9gを、発熱に注意しながら2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを160℃で除去し、アリル基含有樹脂Cを得た。アリル基含有樹脂Cの軟化点は80.6℃、150℃における溶融粘度は2.9Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は881、分散度(Mw/Mn)は1.59であった。NMRによるアルデヒド基変性率は32モル%であった。
<比較用のフェノールアラルキル樹脂の合成>
〔合成例6〕
(フェノールとパラキシレングリコールジメチルエーテルとの反応:一般的な封止用途のフェノールキシレンアラルキル樹脂)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製フラスコにフェノール235g(2.5モル)、パラキシレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)を入れ、この溶液にパラトルエンスルホン酸0.4gを添加し、150℃にて3時間反応させた。このとき発生するメタノールは系外へ除去した。反応終了後、95℃まで冷却し、48%KOH水溶液で中和した。未反応モノマーを除去した後、水洗し、多価ヒドロキシ樹脂Dを得た。多価ヒドロキシ樹脂Dの軟化点は69℃、150℃における溶融粘度は0.2Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は801、分散度(Mw/Mn)は1.53であった。
〔合成例7〕
(フェノールと4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルとの反応:一般的な封止用途のフェノールビフェニルアラルキル樹脂)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製フラスコにフェノール376g(4.0モル)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル242g(1.0モル)を入れ、この溶液にパラトルエンスルホン酸0.6gを添加し、150℃にて3時間反応させた。このとき発生するメタノールは系外へ除去した。反応終了後、95℃まで冷却し、48%KOH水溶液で中和した。未反応モノマーを除去した後、水洗し、多価ヒドロキシ樹脂Eを得た。多価ヒドロキシ樹脂Eの軟化点は69℃、150℃における溶融粘度は0.9Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は616、分散度(Mw/Mn)は1.23であった。
<熱硬化性成形材料の調製および評価>
〔実施例1〜12、比較例1〜4〕
表1〜2に示す調合で各材料を、2軸ミキシングロール(ダイシン機械社製)を用いて、100℃で熱溶融混合し、冷却して固形の熱硬化性成形材料を得た。
表1〜2中、硬化剤A〜Eはそれぞれ、上記アリル基含有樹脂A〜C、多価ヒドロキシ樹脂D、Eである。エポキシ樹脂1は、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬製、製品名:NC3000H)である。エポキシ樹脂2は、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬製、製品名:EPPN−502H)である。
球状シリカの配合量は、カルナバワックスを除く仕込量全量に対する球状シリカの割合が83%になる量とした。2−メチルイミダゾールの配合量は、実施例1〜12では全樹脂量(エポキシ樹脂、硬化剤)に対して1%になる量とし、比較例1〜4ではエポキシ樹脂に対して2%になる量とした。カルナバワックスの配合量は、カルナバワックスを除く仕込量全量に対して1%になる量とした。
得られた熱硬化性成形材料について、前記の手順で、硬化物のガラス転移温度、5%熱分解温度、線膨張係数(Tg前、Tg後)、吸水率を測定した。結果を表1〜2に示す。
Figure 2017115035
Figure 2017115035
表1に示すとおり、実施例1〜6の熱硬化性成形材料の硬化物は、ガラス転移温度および5%熱分解温度が高く、線膨張係数および吸水率が低かった。一方、比較例1〜2の熱硬化性成形材料の硬化物は、実施例1〜6に比べて、ガラス転移温度が低く、線膨張係数が高かった。特に比較例1では、5%熱分解温度が低く、吸水率が高かった。
表2に示すとおり、エポキシ樹脂の種類を変更した実施例7〜12、比較例3〜4の評価結果においても、実施例1〜6、比較例1〜2の評価結果と同様の傾向が見られた。
また、表1〜2の結果から、アリル基含有樹脂に対するエポキシ樹脂の配合量が少ない方が、5%熱分解温度が高く、吸水率が低い傾向にあること、3官能以上の多官能のエポキシ樹脂よりも2官能のエポキシ樹脂を用いた方が、5%熱分解温度が高く、吸水率が低い傾向にあること、が確認できた。
本発明の熱硬化性成形材料によれば、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低線膨張係数、低吸水性の硬化物が得られる。そのため、本発明の熱硬化性成形材料は、高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的、電気的に優れた材料として、半導体封止材料、電子部品の封止用樹脂材料、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂材料、ビルドアップ積層板材料、レジスト材料、液晶のカラーフィルター用樹脂材料、塗料、各種コーティング剤、接着剤、FRP材料等の幅広い用途に使用することができる。

Claims (4)

  1. アリル基含有樹脂と、エポキシ樹脂とを含み、
    前記アリル基含有樹脂が、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有し、
    前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量が、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%である熱硬化性成形材料。
    Figure 2017115035
    [式中、Arはベンゼン環またはナフタレン環を示し、Rは下記式(r1)または(r2)で表される基を示し、pおよびqはそれぞれ独立に0または1を示し、−*および−**はそれぞれ結合手を示す。−*は、他の構成単位に結合し、−(R)−**の−**は、pが0である場合は他の構成単位または水素原子に結合し、pが1である場合は他の構成単位に結合し、−(R)−**の−**は、qが0である場合は他の構成単位または水素原子に結合し、qが1である場合は他の構成単位に結合する。]
    Figure 2017115035
  2. 前記エポキシ樹脂の含有量が、前記アリル基含有樹脂に対して5〜50質量%である、請求項1に記載の熱硬化性成形材料。
  3. 請求項1に記載の熱硬化性成形材料の製造方法であって、
    モノヒドロキシベンズアルデヒドおよびモノヒドロキシナフトアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(A)と、下記式(b1)で表される化合物および下記式(b2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)とを反応させて、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを有するアルデヒド基含有樹脂を得る工程と、
    前記アルデヒド基含有樹脂と、前記アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対して10〜80モル%のアリルアミンとを反応させて前記アリル基含有樹脂を得る工程と、
    前記アリル基含有樹脂とエポキシ樹脂とを混合する工程と、
    を有する熱硬化性成形材料の製造方法。
    Figure 2017115035
    [式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子である。]
  4. 請求項1または2に記載の熱硬化性成形材料の硬化物からなる半導体封止材。
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