JP2018033643A - 消火栓収納箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】監視員通路に消火栓収納箱を埋込み設置した場合の前面開口及び上面開口からのホース引き出し時のキンクを防止する。【解決手段】消火栓収納箱30の筐体はトンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、内部にノズル62付きのホース60が水平回り内巻きして収納され、道路側となる前面開口35に前扉32が設けられ、監視員通路面側となる上面開口37に上扉36が設けられる。前面開口35及び上面開口37に形成されたホース取出口の左右の縁部の各々に、ホース60の引き出しに伴う曲がりを所定のホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ曲がりに規制させる湾曲ガイドプレート70,80が回転自在に設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、ノズル付きホースを引き出して消火用水又は消火泡を放出させるトンネル内の監視員通路に設置された消火栓収納箱に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備として消火栓装置が設けられており、消火栓装置は開放自在な消火栓扉を備え、先端にノズルを装着したホースと消火栓弁を含むバルブ類を収納している。
消火栓装置は、一般的に、トンネル側壁に沿って例えば50メートル間隔でトンネル壁面に埋込み設置されている。火災を伴う車両事故が発生した場合には、監視員通路のあるトンネルでは、事故車両の運転者等の道路利用者は監視員通路の側面に設置されたステップ等により監視員通路に登り、トンネル壁面に設置された消火栓装置の消火栓扉を前方に開放してノズル付きのホースを取出して消火作業を行うようにしている。
監視員通路は路面に対し高くした側壁通路として設けられ、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火栓装置を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
また、監視員通路のないトンネルにあっては、事故車両の運転者等の道路利用者は、トンネル壁面に設置された消火栓装置に近づき、同様に、消火栓扉を前方に開放してノズル付きのホースを取出して消火作業を行うようにしている。
特開2006−181057号公報 特開2008−055024号公報 特開2009−285126号公報
ところで、シールド工法等により作られた都市型トンネルにあっては、トンネル壁面に消火栓装置を埋込み設置できない構造であり、監視員通路側面(壁面)に消火栓装置を埋込み設置する必要がある。
しかしながら、従来の消火栓のように扉を前開きする消火栓装置を監視員通路に設置した場合には、消火栓扉が開くと建築限界を超えて道路側に飛び出す問題がある。
一方、この問題を解決できたとしても、消火栓装置をトンネル内の道路に面した監視員通路壁面に沿って埋込設置した場合、車両火災が発生して消火栓扉の前に車両が停止すると、停止車両が邪魔になって、消火栓扉を開いてホースを引き出すことができない場合がある。更に、仮に監視員通路上から操作できる場合でも、監視員通路から消火栓扉を開くには、体をかがめて手を伸ばす必要があり、消火栓装置の操作に手間取ってしまう場合もある。
この問題を解決するため、監視員通路内に消火栓収納箱を埋込み設置し、道路側に面してスライド開閉される前扉を設けると共に、監視員通路面に上向きに開閉される上扉を設けた消火栓収納箱が提案されている。
このように監視員通路に埋込み設置された消火栓収納箱によれば、車両事故による火災の発生時に、道路利用者は、道路に面した前扉を開くことで、ホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。また、消火栓装置の前に車両が停止して前扉からの操作ができない場合には、監視員通路の上扉を開くことで、停止車両に妨げられることなく、ノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
ところで、監視員通路に埋込み設置される消火栓装置は、監視員通路の横幅が0.7メートル程度であり、消火栓収納箱の横幅は、監視員通路の例えば半分の0.35メートル程度と狭くなり、消火栓収納箱の中には約30メートル程度のホースを水平に内巻きして収納することから、筐体をトンネル長手方向に長く形成し、ホースはトンネル長手方向に長い長円形となるように水平回りに内巻きされている。
しかしながら、前扉又は上扉を開いて前面開口又は上面開口から横方向にホースを引き出す場合に、ホース巻き方向に180°異なった逆方向にホースが引き出される場合があり、前面開口又は上面開口でホースがキンク(折れ曲がり)して滑らかに引き出せなくなる問題がある。
本発明は、監視員通路に消火栓収納箱を埋込み設置した場合の前面開口及び上面開口からのホース引き出し時のキンクを防止する消火栓収納箱を提供することを目的とする。
(消火栓収納箱)
本発明は、
トンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、内部にノズル付きのホースが水平回り内巻きして収納された箱形の筐体と、
道路側となる筐体の前面開口に開閉自在に配置された前扉と、
監視員通路面側となる筐体の上面開口に開閉自在に配置された上扉と、
を備えた消火栓収納箱に於いて、
前面開口及び上面開口の少なくとも何れかに形成されたホース取出口の左右縁部の各々に、ホースの引き出しに伴う曲がりを所定のホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ曲がりに規制させるホースガイドが設けられたことを特徴とする。
(湾曲ガイドプレートの回転構造)
ホースガイドは、
ホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ湾曲ガイドプレートと、
湾曲ガイドプレートを開口縁部に回転自在に支持する回転支持機構と、
が設けられる。
(複数本のガイドパイプ配置)
ホースガイドは、開口縁部に、ホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ円弧に沿って複数本のガイドパイプが、開口縁部と平行に設けられる。
(基本的な効果)
本発明は、トンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、内部にノズル付きのホースが水平回りに内巻きして収納された箱形の筐体と、道路側となる筐体の前面開口に開閉自在に配置された前扉と、監視員通路面側となる筐体の上面開口に開閉自在に配置された上扉とを備えた消火栓収納箱に於いて、前面開口及び上面開口の少なくとも何れかに形成されたホース取出口の左右縁部の各々に、ホースの引き出しに伴う曲がりを所定のホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ曲がりに規制させるホースガイドが設けられため、ホース収納部に水平回りに内巻きされたホースを、ホース巻き方向に対し180°異なる逆方向に引き出す場合にあっても、ホース取出口の左端または右端に設けられたホースガイドに沿って所定のホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ曲がりで引き出されることで、ホースのキンクを確実に防止可能とする。
また、ホースガイドは消火栓が使用されていないときには消火栓収納箱内に収納されるため、収納スペースを特別にとる必要がなく、消火栓収納箱を小さくできる。更に、ホースガイドはホースを押さえるため、ホースの収納を確実にできる。
(湾曲ガイドプレートの回転構造)
また、ホースガイドは、ホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ湾曲ガイドプレートと、湾曲ガイドプレートを開口縁部に回転自在に支持する回転支持機構とが設けられたため、湾曲ガイドプレートは、扉閉鎖時はホース取出口の内側に収納されており、ホースを引き出す場合に、ホースの引き出しに伴ってホース取出口に外側に回転し、湾曲ガイドプレートに摺接したホースの引き出しにより、所定のホース最小曲げ半径より小さく曲がることがなく、ホースのキンクを確実に防止可能とする。
(複数本のガイドパイプ配置による効果)
また、ホースガイドは、開口縁部に、ホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ円弧に沿って複数本のガイドパイプが、開口縁部と平行に設けられたため、例えばホース取出口に2本のガイドパイプを配置しておくことで、2本のガイドパイプに摺接したホースの引き出しにより、所定のホース最小曲げ半径より小さく曲がることがなく、ホースのキンクを確実に防止可能とする。また、ホース取出口に複数本のガイドパイプを配置するだけで良いことから、構造が簡単になる。
シールドトンネル内に設置した消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図 消火栓収納箱の外観を正面、平面及び側面から示した説明図 消火栓収納箱の内部構造を正面から示した説明図 消火栓収納箱の内部構造を平面から示した説明図 消火栓収納箱に設けられた湾曲ガイドプレートを取り出して示した説明図 前面開口からホースを横方向に引き出す場合の湾曲ガイドプレートによるガイド機能を示した説明図 上面開口からホースを横方向に引き出す場合の湾曲ガイドプレートによるガイド機能を示した説明図 前面開口及び上面開口に2本ガイドパイプによるホースガイドを設けた消火栓収納箱を示した説明図 図8における2本のガイドパイプの配置を取り出して平面で示した説明図
[トンネル非常用設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
床版18で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管等が敷設される。監視員通路14は例えば高さが90センチメートル、横幅が70センチメートルといった大きさをもつ。
道路15が形成された床版18の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路20として使用され、また、管理用通路20はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路20には給水本管24が敷設されている。
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホースが収納された消火栓収納箱30と放水制御機構収納部90に分離して設置されている。
消火栓収納箱30は、監視員通路14の路面及び道路15側の壁面にかけて箱形に刳り貫かれた消火栓埋込部に配置されている。放水制御機構収納部90は、消火栓収納箱30の下側となる管理用通路20に配置され、給水本管24から分岐した分岐管24aが引き込まれ、また、消火栓収納箱30に消火用水を供給する給水配管25が立ち上げられている。
[消火栓収納箱の外観構造]
図2は消火栓収納箱の外観を正面、平面及び側面から示した説明図である。図2に示すように、消火栓設備16の消火栓収納箱30は、監視員通路14の路面下の内部空間に埋込み設置されている。消火栓収納箱30は、図2(A)に示すように、筐体31の前面中央の下側に固定扉33が配置されると共に、固定扉33の上側の前面開口35に前扉32が上下方向にスライド自在に配置されている。
また、図2(B)に示すように、消火栓収納箱30の監視員通路14の路面側となる上面中央の上面開口37には、前扉32と同じ横幅の上扉36が配置されている。上扉36は、図2(C)に示すように、上扉36aで示す前開きと、上扉36bで示す後開きができる。
ここで、上扉36aで示す前開きとは、上扉36の奥行側の後縁部を軸として上向き回りに開閉されることを意味し、また、上扉36bで示す後開きとは、上扉36の手前の前縁部を軸として上向き回りに開閉されることを意味する。
前扉32と上扉36は閉鎖状態で係止されており、道路利用者が道路15側から操作する場合には、前開きハンドル34を開操作すると、上扉36に対する前扉32の係止が解除され、前扉32は自重により固定扉34の裏側に落下して消火栓収納箱30の前面上部を開口させ、また、上扉36を前開きすることで、消火栓収納箱30の上面を開口させる。
また、道路利用者が監視員通路14側から操作する場合には、後開きハンドル38を開操作すると、筐体31に対する上扉36の係止が解除され、上扉36を後開きすることで、消火栓収納箱30の上面を開口させる。
消火栓収納箱30の前面左上部には通報装置パネル42が設けられる。通報装置パネル42には、赤色表示灯44、発信機45、電話ジャック46及び応答ランプ48が設けられている。赤色表示灯44は常時点灯し、消火栓設備の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機45を押して押し釦スイッチをオンすると、発信信号が監視センターの防災受信盤に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が火災受信機から送られて、応答ランプ48が点灯され、更に、赤色表示灯44が点滅される。
[消火栓収納箱の内部構造]
図3は消火栓収納箱の内部構造を正面から示した説明図、図4は消火栓収納箱の内部構造を平面から示した説明図である。
図3及び図4に示すように、消火栓収納箱30における筐体31の内部下側はホース収納部50となっており、保形構造のホース60を水平回りに内巻きしている。
ここで、消火栓収納箱30の横幅は約1.4メートル程度、奥行きは約0.35メートル程度であることから、ホース収納部50に内巻きされたホース60の1ターンの長さは概ね3.5メートル程度となり、ホース長さは30メートル以上必要とすることから、ホース60は9ターン以上内巻きすればよい。
消火栓収納箱30の中央にはホースガイド52が配置されている。ホースガイド52は金属パイプを使用しており、上面から前面にL型の屈曲した2本のガイドパイプ56を、図2に示した前扉32と上扉36の開口の内側に配置し、前面の略中央で横向きにガイドパイプ54を配置して両端をガイドパイプ56に固定しており、前扉32及び上扉36の開放状態で、上部前面及びこれに続く上部開口をガイドパイプ54,56で仕切ることで、ホース取出口が形成されている。なお、図3には、前扉32の配置位置と、上扉36を前開きした状態を想像線で示している。
また、ガイドパイプ56は、その上部を閉鎖している上扉36の下面に位置させ、上扉36を閉鎖状態でガイドパイプ56の上に載置して支える上扉支持構造としている。ここで、上扉36は監視員通路14に沿って例えば1メートルを超える長さを持つが、扉開口の2か所にガイドパイプ56が前後方向に位置して上扉36を支えており、閉鎖している上扉36に人が乗ったとしても、ガイドパイプ56により支えていることで、十分な支持強度が得られている。
上扉36の裏面にはノズルホルダー64が配置され、ノズルホルダー64にホース60の先端に設けられた泡ノズル62が着脱自在に係止されている。このため上扉36を前開き又は後開きすると、扉裏面に保持されている泡ノズル62が消火栓収納箱30の上部に現れることになる。
上扉36の前開きで扉裏面に保持されている泡ノズル62が現れる位置は、路面15から概ね0.9〜1.3メートルの範囲のいずれかとなり、これは路面15に立った道路利用者の腰から肩までの範囲に相当し、目の前に泡ノズル62が出現することから、泡ノズル62の取出しが容易にできる。
また、上扉36の後開きで扉裏面に保持されている泡ノズル62が現れる位置は、監視員通路14の路面から概ね0.2〜0.4メートルの範囲のいずれかとなり、監視員通路14に体をかがめて後開きハンドル38を操作している道路利用者の目の前に泡ノズル62が出現し、道路利用者は監視員通路14側からノズル62を容易に取り出すことができる。
筐体31の上面開口37の右側内部には操作箱66が配置され、操作箱66には消火栓弁開閉レバー68が設けられ、操作箱66の内部に設けられている手動パイロット弁を開閉操作させるようにしている。消火栓弁開閉レバー68を開操作すると、手動パイロット弁が開放され、図1に示した放水制御機構収納部90に分離配置された消火栓弁を遠隔的に開放させることができる。
ホース収納部50に内巻きされたホース60は、ガイドパイプ56の部分で内側にわずかに湾曲した状態で巻かれている。
[ホース取出口のホースガイド]
(湾曲ガイドプレートによるホース取出口のガイド構造)
図3及び図4に示すように、消火栓収納箱30における前面開口35のガイドパイプ56で仕切られたホース取出口の左右縁部の各々には、湾曲ガイドプレート70がガイドパイプ56の垂直部分を固定軸とした回転支持機構72により水平回りに回転自在に配置されており、湾曲ガイドプレート70の先端側にはガイドパイプ74が配置されている。
図5は消火栓収納箱に設けられた湾曲ガイドプレートを取り出して示した説明図であり、図5(A)は斜視を示し、図5(B)は平面を示す。
図5(A)に示すように、湾曲ガイドプレート70は、例えば金属板を円筒面の一部となる筒状に屈曲させた部材であり、湾曲端の一方となる軸方向に円筒状の回転軸72aが固定され、この回転軸72aが図3及び図4に示すガイドパイプ56側の固定軸に回転自在に嵌め込まれている。
湾曲ガイドプレート70の湾曲端の他方にはガイドパイプ74が固定され、湾曲端のエッジに対するホースの摺接による損耗を防止可能としている。
湾曲ガイドプレート70は、図5(B)に示すように、所定のホース最小曲げ半径又はそれより大きい所定の半径rの円75の一部の円弧に沿った湾曲面を形成している。
このため湾曲ガイドプレート70にホースを巻き回して同じ方向に折り返した場合、ホースは所定のホース最小曲げ半径以下にまげられることがなく、これによりホースを折り返すような引き出しに対しても、ホースをキンクさせることがない。
再び図3及び図4を参照するに、消火栓収納箱30における上面開口37のガイドパイプ56で仕切られたホース取出口の左右縁部の各々にも、湾曲ガイドプレート80がガイドパイプ56の水平部分を固定軸とした回転支持機構82により垂直回りに回転自在に配置されており、湾曲ガイドプレート80の先端側にはガイドパイプ84が配置されている。この湾曲ガイドプレート80も図5に示した湾曲ガイドプレート70の場合と同じになる。
(前面開口からのホース引き出し)
図6は前面開口からホースを横方向に引き出す場合の湾曲ガイドプレートによるガイド機能を消火栓収納箱の平面から示した説明図であり、図3に示したホースガイド56は省略している。
図6(A)に示すように、図3に示した前扉36をスライド落下させて開くと共に、上扉36を開いた状態で、ノズル付きのホース60を、筐体31内におけるホース巻出し方向と同じ方向となる右方向に前面開口35から引き出した場合には、ホース60の引き出しに伴い、前面開口35の右側に設けられた湾曲ガイドプレート70がホース60の接触を受けて外側に回転し、外側に回転した湾曲ガイドプレート70に沿ってホース60が引き出される。この場合、ホース60の曲がりはほとんどないことから、キンクの問題はない。
図6(B)に示すように、ノズル付きのホース60を、筐体31内におけるホース巻出し方向に対し逆方向となる180°異なる左方向に前面開口35から引き出した場合には、ホース60の引き出しに伴い、前面開口35の左側に設けられた湾曲ガイドプレート70がホース60の接触を受けて外側に回転し、外側に回転した湾曲ガイドプレート70に沿ってホース60が引き出される。
この場合、ホース60は略180°近く曲がることになるが、湾曲ガイドプレート70の湾曲面に沿ってまがるため、所定のホース最小曲げ半径以下の曲がりとなることはなく、キンクの問題は発生しない。なお、湾曲ガイドプレート70は、ホース60を巻き戻す際には、回転軸に設けられたばね等により、初期位置に戻される。
(上面開口からのホース引き出し)
図7は上面開口からホースを横方向に引き出す場合の湾曲ガイドプレートによるガイド機能を消火栓収納箱の正面から示した説明図であり、図3に示した前扉36及びホースガイド56は省略して内部を示している。
図7(A)に示すように、想像線で示す上扉36を後開きした状態で、ノズル付きのホース60を、筐体31内におけるホース巻出し方向と同じ方向となる右方向に上面開口37から引き出した場合には、ホース60の引き出しに伴い、上面開口37の右側に設けられた湾曲ガイドプレート80がホース60の接触を受けて外側に回転し、外側に回転した湾曲ガイドプレート80に沿ってホース60が引き出される。
この場合、ホース60の曲がりはほとんどないことから、キンクの問題はない。なお、湾曲ガイドプレート80も、ホース60を巻き戻す際には、回転軸に設けられたばね等により、初期位置に戻される。
図7(B)に示すように、ノズル付きのホース60を、筐体31内におけるホース巻出し方向と逆方向となる180°異なる左方向に上面開口37から引き出した場合には、ホース60の引き出しに伴い、上面開口37の左側に設けられた湾曲ガイドプレート80がホース60の接触を受けて外側に回転し、外側に回転した湾曲ガイドプレート80に沿ってホース60が引き出される。この場合、ホース60は略180°近く曲がることになるが、湾曲ガイドプレート80の湾曲面に沿って曲がるため、所定のホース最小曲げ半径以下の曲がりとなることはなく、キンクの問題は発生しない。
[ホース取出口のホースガイドの他の実施形態]
図8は前面開口及び上面開口に2本のガイドパイプによるホースガイドを設けた消火栓収納箱を示した説明図であり、図8(A)に正面を示し、図8(B)に平面を示す。
図8(B)に示すように、消火栓収納箱30における前面開口35のガイドパイプ56で仕切られた前面のホース取出口の左右縁部の各々には、第1ガイドパイプ76と第2ガイドパイプ78が起立され、本実施形態では、第2ガイドパイプ78はガイドパイプ56の垂直部分としている。
図9は図8における2本のガイドパイプの配置を取り出して平面で示した説明図である。図9に示すように、第1ガイドパイプ76と第2ガイドパイプ78は、所定のホース最小曲げ半径又はそれより大きい所定の半径rの円75に内接する位置に所定間隔を離して配置されている。なお、図9の半径rの円75に内接して配置されるガイドパイプの数は、複数本でよく、少なくとも2本配置すればよい。
このため図8(B)に示すように、筐体31内に収納されたホース方向に沿った右方向に前面開口35からホース60を取り出し、第1ガイドパイプ76と第2ガイドパイプ78にホースを巻き回して180°異なる左方向に折り返して引き出した場合、第1ガイドパイプ76と第2ガイドパイプ78に摺接することで、ホース60は所定のホース最小曲げ半径以下に曲げられることがなく、これによりホース60を折り返すような引き出しに対しても、ホース60をキンクさせることがない。
また、図8(A)に示すように、消火栓収納箱30における上面開口37のガイドパイプ56で仕切られた前面のホース取出口の左右縁部の各々には、第1ガイドパイプ86と第2ガイドパイプ88が水平に配置され、本実施形態では、第2ガイドパイプ88はガイドパイプ56の水平部分としている。
また、第1ガイドパイプ86と第2ガイドパイプ88の配置は、図9に示した第1ガイドパイプ76と第2ガイドパイプ78の配置と同じになり、垂直方向に配置されている点が異なる。
このため図8(A)に示すように、筐体31内に収納されたホース方向に沿った右方向にホース60を上面開口37から取り出し、第1ガイドパイプ86と第2ガイドパイプ88にホースを巻き回して180°異なる左方向に折り返して引き出した場合、第1ガイドパイプ86と第2ガイドパイプ88に摺接することで、ホース60は所定のホース最小曲げ半径以下に曲げられることがなく、これによりホース60を折り返すような引き出しに対しても、ホース60をキンクさせることがない。
[本発明の変形例]
(湾曲ガイドプレートの配置)
上記の実施形態は、前面開口及び上面開口の内側にガイドパイプ54,56を配置してホース取出口を形成し、このホース取出口に湾曲ホースガイド70,80を配置しているが、前面開口及び上面開口とそれぞれのホース取出口が一致するようにした構造であっても良い。
(扉開閉機構)
上記の実施形態は、上扉を前開き及び後開きする扉開閉構造としているが、前扉を前開きする扉構造であっても良い。
(消火栓設備)
上記の実施形態は、消火泡を放出させる泡消火栓設備を例にとっているが、これに限定されず、消火用水を放水させる消火栓設備としても良い。
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
24:給水本管
24a:分岐配管
25:給水配管
30:消火栓収納箱
31:筐体
32:前扉
33:固定扉
34:前開きハンドル
35:前面開口
36:上扉
37:上面開口
38:後開きハンドル
42:通報装置パネル
52:ホースガイド
54,56:ガイドパイプ
60:ホース
62:泡ノズル
64:ノズルホルダー
66:操作箱
68:消火栓弁開閉レバー
70,80:湾曲ガイドプレート
72,82:回転支持機構
72a:回転軸
74,84:ガイドパイプ
76,86:第1ガイドパイプ
78,88:第2ガイドパイプ

Claims (3)

  1. トンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、内部にノズル付きのホースが水平回り内巻きして収納された箱形の筐体と、
    道路側となる前記筐体の前面開口に開閉自在に配置された前扉と、
    前記監視員通路面側となる前記筐体の上面開口に開閉自在に配置された上扉と、
    を備えた消火栓収納箱に於いて、
    前記前面開口及び前記上面開口の少なくとも何れかに形成されたホース取出口の左右縁部の各々に、前記ホースの引き出しに伴う曲がりを所定のホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ曲がりに規制させるホースガイドが設けられたことを特徴とする消火栓収納箱。
  2. 請求項1記載の消火栓収納箱に於いて、
    前記ホースガイドは、
    前記ホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ湾曲ガイドプレートと、
    前記湾曲ガイドプレートを前記開口縁部に回転自在に支持する回転支持機構と、
    が設けられたことを特徴とする消火栓収納箱。
  3. 請求項1記載の消火栓収納箱に於いて、
    前記ホースガイドは、前記ホース最小曲げ半径より大きな曲げ半径をもつ円弧に沿って複数本のガイドパイプが、前記開口縁部と平行に設けられたことを特徴とする消火栓収納箱。
JP2016168672A 2016-08-31 2016-08-31 消火栓収納箱 Active JP6723878B2 (ja)

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