JP2018032573A - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能およびエネルギー効率を高くすると共に放電容量を高くする。【解決手段】空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101は、炭化金属の多孔体から構成されている。炭化金属は、例えば、炭化アルミニウム(C3Al4)、炭化珪素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化モリブデン(Mo2C)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化タンタル(TaC)、炭化ホウ素(CB4)、炭化カルシウム(CaC2)、炭化マンガン(Mn3C)の少なくとも1つである。【選択図】 図1

Description

本発明は、正極活性物質として酸素を用いるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位重量当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまでに、非特許文献1に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量やサイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
非特許文献1では、カーボンを主体として構成した空気極について、触媒を担持していないカーボン単体、およびカーボン単体に9種類の触媒を担持させた系を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量を得ている。
しかしながら、上述したリチウム空気二次電池では、充放電を繰り返すと、著しい放電容量の低下が起こる。例えば、カーボン粉末単体を主体として空気極を構成した場合、充放電2サイクルで容量維持率が約10%となり、著しい容量の減少が見られる。また、例えば、Co34を触媒としてカーボン単体に担持させて空気極を構成した場合でも、10サイクルで容量維持率が約65%となり、放電容量が減少する。
上述したように、非特許文献1のリチウム空気二次電池では、著しい容量の減少が見られ、二次電池としての十分な特性は得られていない。また、非特許文献1の技術おけるリチウム空気二次電池では、多くの場合で平均放電電圧が2.5V程度であり、一方、充電電圧は4.0〜4.5Vであり、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献1のリチウム空気二次電池は、充放電のエネルギー効率は低い。
上述した技術に対し、カーボンを用いず、金属多孔体を用いて空気極を構成する技術が提案されている(非特許文献2参照)。この技術によるリチウム空気二次電池では、金(Au)による金属多孔体を用いて空気極を構成し、充放電100サイクルで容量維持率が95%以上である非常に優れたサイクル性能を得ている。また、このリチウム空気二次電池の平均放電電圧は2.6V程度であり、充電電圧は3.5V程度である。このように、非特許文献2の技術では、充放電に関しても電圧差が小さく高いエネルギー効率が得られている。
A. Debart et al., "An O2 cathode for rechargeable lithium batteries: The effect of a catalyst", Journal of Power Sources, vol.174, pp.1177-1182, 2007. Z. Peng et al., "A Reversible and Higher-Rate Li-O2 Battery", Science, vol.337, pp.563-566, 2012.
しかしながら、非特許文献2の技術では、空気極に金属を使用しているため、空気極の重量密度が高く、放電容量が300mAh/g程度しかない。また、高価なAuを空気極に用いているため、電池コストが高いことも課題となる。このように、従来では、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能およびエネルギー効率を高くすると共に放電容量を高くすることが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能およびエネルギー効率を高くすると共に放電容量を高くすることを目的とする。
本発明に係るリチウム空気二次電池は、炭化金属(金属炭化物)の多孔体から構成された空気極と、リチウムを含んで構成された負極と、空気極と負極とに挾まれて配置された電解質とを備える。
上記空気極において、空気極に担持された触媒を備え、触媒は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、カドミウム、パラジウム、鉛、ルテニウム、ロジウム、プラセオジム、セリウム、ニオブ、イットリウム、タンタル、および錫の少なくとも1つの金属またはこれらいずれかの酸化物から構成されているとよい。例えば、触媒を構成する酸化物は、水分子を含む水和物であればよい。
上記リチウム空気二次電池において、炭化金属は、炭化アルミニウム、炭化珪素、炭化チタン、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化タンタル、炭化ホウ素、炭化カルシウム、炭化マンガンの少なくとも1つであればよい。
以上説明したように、本発明によれば、炭化金属の多孔体から空気極を構成したので、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能およびエネルギー効率を高くすると共に放電容量を高くすることができるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。 図2は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 図3は、実施例1におけるリチウム空気二次電池の初回の放電および充電の状態を示す特性図である。 図4は、実施例1〜3,比較例1における放電容量のサイクル依存性を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。
このリチウム空気二次電池は、一般的なよく知られたリチウム空気二次電池と同様に、正極でありガス拡散型の空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。また、負極102の電解質103の側の面は、電解質103と接する。なお、電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
上述した基本構成に加え、本発明の実施の形態では、空気極101が、炭化金属の多孔体から構成されている。炭化金属は、例えば、炭化アルミニウム(C3Al4)、炭化珪素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化モリブデン(Mo2C)、炭化クロム(Cr32)、炭化タンタル(TaC)、炭化ホウ素(CB4)、炭化カルシウム(CaC2)、炭化マンガン(Mn3C)の少なくとも1つである。
空気極101は、典型的には、一方の面が大気に触れ、他方の面が電解質103と接している。空気極101の、電解質/電極(炭化金属多孔体)/ガス(酸素)の三相界面サイトにおいて電極反応が進行する。例えば、電解質103を有機電解液(固体電解質に有機電解液を含浸したものを含む)から構成した場合、空気極101の中に有機電解液が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解液−電極−ガス(酸素)が共存する三相界面サイトが形成される。空気極101が高活性であれば、酸素還元(放電)および酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極101上での電極反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e- → Li2O・・・(1)
2Li++O2+2e- → Li22・・・(2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極102から電気化学的酸化により電解質103中に溶解し、この有機電解液中を空気極101表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101内部に取り込まれたものである。なお、負極102から溶解する材料(Li+)、空気極101で析出する材料(Li22)、および空気(O2)を図1に構成要素と共に示している。
次に、空気極101について、より詳細に説明する。前述したように、空気極101は、炭化金属多孔体(ポーラス金属炭化物)から構成されている。炭化金属多孔体は、好ましくは連続した細孔(貫通孔)を備えた共連続多孔構造を有する共連続多孔体であり、好ましくはメソポーラスまたはナノポーラスである三次元網目構造とされているものである。
リチウム空気二次電池の電池効率を上げるためには、電極反応を引き起こす三相界面サイトがより多く存在することが望ましい。このような観点から、空気極101には、三相界面サイトが多量に存在することが望ましく、空気極101を構成する炭化金属多孔体の比表面積はなるべく大きい方がよいと考えられる。
炭化金属多孔体は、例えば平均孔径が2μm以下であり、比表面積が1m2/g以上であることが好適である。このような炭化金属多孔体は、例えば、金属溶融体などで合金の一成分を溶出するデアロイング法を用いて製造することが望ましい。なお、平均孔径は、炭化金属多孔体を走査型電子顕微鏡(SEM)等で拡大観察し、10μm四方(10μm×10μm)あたりの気孔数、および気孔の直径を計測して、「平均孔径=全気孔の直径の合計/気孔数」により平均値を求めた値である。また、比表面積は、N2吸着によるBET法により求めた比表面積である。
空気極101を構成する炭化金属多孔体は、例えば、上述したデアロイング法や焼結法などの公知の方法を用いて製造できる。例えば、焼結法では、金属炭化物(炭化金属)の微粉末を1500℃以下で焼結させて炭化金属多孔体を製造する。また、デアロイング法は、例えば、炭化金属よりも電気化学的に卑な金属を含む合金を酸性水溶液に浸漬し、合金中の卑な金属を溶出することで、炭化金属多孔体を製造する。
デアロイング法において、脱成分媒体として酸性水溶液ではなく、金属溶融体を脱成分媒体に使用することも可能であり、この場合、脱成分はイオン化傾向によって限定されるものではない。具体的には、例えば、チタン(Ti)と炭素(C)とニッケル(Ni)の合金シートをマグネシウム(Mg)の溶融体に1〜30分浸漬し、引き上げて凝固し、凝固したシートを硝酸水溶液(HNO3)に浸漬し、残ったポーラス炭化チタンを洗浄後乾燥することで、炭化チタン多孔体シートを得ることができる。必要に応じて、得られた多孔体シートを、打ち抜き刃、レーザーカッタなどなどにより所望の直径(例えば23mm)の円形に切り抜いて空気極101とすればよい。
なお、炭化チタンに限らず、前述したように、炭化アルミニウム(C3Al4)、炭化珪素(SiC)、炭化モリブデン(Mo2C)、炭化クロム(Cr32)、炭化タンタル(TaC)、炭化ホウ素(CB4)、炭化カルシウム(CaC2)、炭化マンガン(Mn3C)の少なくとも1つを用いてもよい。また、上記炭化金属を含む合金の多孔体を用いてもよい。
次に、空気極101の触媒について説明する。空気極101に酸素還元(放電)および酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な金属触媒または金属酸化物触媒を触媒として加える(担持させる)ことで、さらに高性能な二次電池として機能させることができる。
触媒は、例えば、チタン、バナジウム(V)、クロム(C、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、プラセオジム(Pr)、金(Au)、白金(Pt)、セリウム(Ce)、ニオブ(Nb)、イットリウム(Y)、タンタル(Ta)、および錫(Sn)の少なくとも1つの金属またはこれらいずれかの酸化物から構成されている。この酸化物は、水分子を含む水和物であってもよい。
特に、ルテニウム、酸化ルテニウム(RuO2)が好ましい。ルテニウムや酸化ルテニウムを触媒として用いることで、リチウム空気二次電池の性能が高まる。空気極101の触媒とするルテニウムは、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を表面上に吸着することができる。また、酸化ルテニウムは、ルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、内部に酸素を取り込むことができる空孔(酸素空孔)が存在する場合もある。このような酸化ルテニウムもまた、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着もしくは酸素空孔内に貯蔵することができる。
このように、触媒に吸着された、または酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)および式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)および式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記のルテニウムなどの金属(または金属酸化物)は活性を有している。従って、電池の充電に対応する空気極101上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、ルテニウムなどの金属や酸化ルテニウムなどの金属酸化物は、触媒として有効に機能する。
次に、空気極101の作製について説明する。以下では、触媒としてルテニウムまたは酸化ルテニウムを用いた場合を例に説明する。
例えば、炭化金属多孔体シートを、ルテニウム塩化物、ルテニウム硝酸塩などの水溶液に浸漬してこれら水溶液をシートに含浸させ、この後、水溶液を蒸発させて固化することで、ルテニウムからなる触媒が担持した炭化金属多孔体からなる空気極101が得られる。ルテニウムからなる複数の微粒子が、炭化金属多孔体(空気極101)の表面に担持された状態となる。微粒子は、粒径が1〜50nm程度とされている状態が好ましい。さらに好ましくは、微粒子の粒径が2〜10nmとされているとよい。
次に、触媒を酸化ルテニウムとすることについて説明する。例えば、上述したように空気極101に担持させたルテニウム粒子を、酸化させることで酸化ルテニウムとすればよい。金属ルテニウムの酸化は、公知の方法で行えばよい。例えば、ルテニウムが表面に担持されている炭化金属多孔体を、大気中で熱処理することで、ルテニウムを酸化することができる。また、ルテニウムが表面に担持されている炭化金属多孔体を、高温高圧下の水(H2O)中で処理(水熱合成)することで、ルテニウムを酸化することができる。また、酸化剤で酸化することで、ルテニウムを酸化することができる。酸化剤による酸化が望ましい。
酸化剤で酸化することで得られた炭化金属多孔体表面の酸化ルテニウムは、結晶化が進んでいないアモルファス状態である。このアモルファス状態の前駆体を、500℃程度の高温熱処理することで、結晶性の酸化ルテニウムとすることができる。このような結晶性の酸化ルテニウムは、空気極101の電極触媒として用いた場合においても高い性能を示す。
上述のとおり、結晶性の酸化ルテニウムは高い活性を示すが、高温熱処理で結晶化させた酸化ルテニウムは、表面積が著しく低下することがあり、粒子の凝集により粒子径も100nm程度となることがある。また、特に、高温熱処理で結晶化した酸化ルテニウムは、粒子が凝集するため、炭化金属多孔体上に高分散で触媒を担持させることが困難なことがある。このため、十分な触媒効果を得るために、空気極101中に酸化ルテニウムを大量に添加しなければならない場合があり、コスト的に不利となることがある。
一方、上記のアモルファス状の前駆体を100〜200℃程度の比較的低温で乾燥した場合には、前駆体の粒子は、アモルファス状態を維持しつつ、粒子中には付着水が存在する水和物[RuO2・nH2O]となる。なお、nは、1molのRuO2に対するH2Oのモル数である。このような低温乾燥により得られた、含む酸化ルテニウムの水和物を触媒として用いることができる。
上述したアモルファス状の酸化ルテニウムは、焼結がほとんど進んでいないため、大きな表面積を有し、粒子径も10nm程度と非常に小さい値を示す。これは触媒として好適であり、本願の電極触媒として用いた場合にも、優れた電池性能を得ることができる。
空気極101では、電極触媒表面に三相界面サイトが多量に生成されることが重要であり、使用する触媒は高比表面積であることが望ましい。このため、ルテニウムを担持させるために用いるルテニウム塩化物、ルテニウム硝酸塩などの水溶液には、界面活性剤を添加して用いることが好ましい。炭化金属多孔体の表面に吸着する疎水基と金属イオンが吸着する親水基を有する界面活性剤を用いることで、炭化金属多孔体の表面に金属イオンを高い分散度で吸着させることができるようになる。
上記界面活性剤は、分子内に炭化金属多孔体表面に吸着する疎水基と金属イオンが吸着する親水基を有していれば特に限定されないが、非イオン系の界面活性剤が好ましい。例えば、エステル型のものとして、ラウリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等、エーテル型のものとして、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等、エステルエーテル型のものとして、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルポリエチレングリコール等、アルカノールアミド型のものとして、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、コカミドDEA等、高級アルコールのものとして、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等、ポロキサマー型のものとして、ポロキサマージメタクリレート等を挙げることができる。
界面活性剤の水溶液の濃度は、0.1〜20g/Lであればよい。また、界面活性剤を加えたルテニウム塩化物、ルテニウム硝酸塩などの水溶液は、例えば、室温〜50℃とし、また、炭化金属多孔体の浸漬時間は、1〜48時間とすればよい。このようにして、ルテニウムからなる触媒を担持した炭化金属多孔体は、触媒活性をさらに高めることが可能である。
以上のように、炭化金属多孔体に、ルテニウムからなる触媒を担持させることにより、電極の活性が向上し、リチウム空気二次電池の空気極として用いた場合、高いサイクル性能を示す。特に、空気極101を構成する炭化金属多孔体は、微細な開気孔が存在する。この微細な開気孔が存在する炭化金属多孔体にルテニウムなどの触媒が担持されれば、正極活物質である酸素との相互作用を高めることができ、かつ、多くの酸素種を電極表面上に吸着することができる。これにより、上述した三相界面サイトが効率よく形成され、酸素還元(放電)および酸素発生(充電)がスムーズに進行して電池性能が大きく向上する。
次に、負極102について説明する。負極102は負極活性物質から構成する。この負極活性物質は、リチウム空気二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。あるいは、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる物質である、リチウムと、シリコンまたは錫との合金、あるいはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、シリコンまたは錫の合金を負極102として用いる場合、負極102を作成する時にリチウムを含まないシリコンまたは錫などを用いることもできる。しかし、この場合には、リチウム空気二次電池の作製に先立って、化学的手法または電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコンまたは錫との合金化を行う方法)によって、シリコンまたは錫が、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。
具体的には、作用極にシリコンまたは錫を含み、対極にリチウムを用い、有機電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの電気化学的な処理をしておくことが好ましい。
負極102は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極102とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極102を作製すればよい。
金属リチウムから構成した負極102における放電時の反応は、以下のように表すことができる。
Li→Li++e-…(3)
一方、充電時の負極102においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
次に、電解質103について説明する。電解質103は、空気極101(正極)および負極102間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した非水溶媒(有機溶媒)を電解質103とすればよい。具体的には、リチウムイオンを含む金属塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド[(CF3SO22NLi;LiTFSI]などのリチウムイオンを含む金属塩を挙げることができる。
また、溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、またはジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、あるいはこれらの中から2種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。
また、電解質103を構成する他の材料として、75Li2S・25P25などのガラス状物質、Li14ZnGe416などのLISICON(Li+ Super Ionic Conductor)などのリチウムイオンを通す固体電解質がある。また、上述した有機電解質とポリエチレンオキシド(PEO)をコンポジット化した物質などのリチウムイオンを通すポリマー電解質なども電解質103を構成する材料として挙げられる。電解質103を構成する材料は、これらに限定されず、リチウム空気二次電池で使用される公知のリチウムイオンを通す固体電解質またはリチウムイオンを通すポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
なお、リチウム空気二次電池は、上記構成に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、リチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。はじめに、実際に用いた電池の構成について図2を用いて説明する。図2は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。このリチウム空気二次電池は、空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204,空気極支持体205、空気極固定用リング206,負極固定用リング207,負極固定用座金208,負極支持体209,固定ねじ210,Oリング211,空気極端子221,負極端子222を備える。
空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容されている。空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251があり、仕切り251により空気極201が配置される第1領域205aと、負極202およびセパレータ204が配置される第2領域205bとに区画されている。また、仕切り251は中央部が開口しており、開口部により第1領域205aと第2領域205bが連通している。
液状の電解質203は、仕切り251の開口に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれている。セパレータ204には電解質203が含浸している。なお、セパレータ204の周囲にも電解質203は配置されている。電解質203は、1mol/Lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド/トリエチレングリコールジメチルエーテル[(CF3SO22NLi/TEGDME]溶液である。
また、空気極201は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)より構成された空気極固定用リング206と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第1領域205aに固定されている。空気極固定用リング206の開口内において、空気極101と空気との接触する電極の有効面積は、2cm2とされている。一方、セパレータ204は、PTFEより構成された負極固定用リング207と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第2領域205bに固定されている。このようにして、液状の電解質203が、仕切り251の開口において空気極201とセパレータ204との間に封入されている。
また、負極202は、負極固定用リング207の内部で、負極固定用座金208が積層され、この上に金属から構成された負極支持体209が被せられている。負極202は、厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔が同心円上に重ねられて構成され、負極固定用座金208に圧着されている。負極202は、有効面積が2cm2とされている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。また、空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。
固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられている負極支持体209により、負極固定用座金208を介し、負極202がセパレータ204の方向に押圧され、セパレータ204に圧接されている。これら構成としたリチウム空気二次電池は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で作製した。
なお、空気極支持体205は、金属から構成されているが、図示していないが、PTFEに被覆され、電解質203,セパレータ204などと絶縁分離されている。なお、空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さない。また、金属から構成された固定ねじ210も、図示していないが、PTFEに被覆され、空気極支持体205と負極支持体209とが、電気的に分離された状態としている。
[実施例1]
はじめに、実施例1について説明する。実施例1は、炭化金属多孔体を空気極として使用する例であり、触媒を用いない例である。空気極を、以下のようにして合成した。以下の説明では、代表として、炭化金属として炭化チタンを用いる場合について説明するが、後述する合金材料および液体金属を他の材料に変えることで、他の炭化金属による多孔体を作製することができる。
まず、チタンおよび炭素およびニッケル粉末を原子比で15:15:70になるように混合し、アーク溶製することでチタン炭素ニッケル合金(Ti1515Ni70)板を得た。得られたチタン炭素ニッケル合金板を圧延機で、厚さ50μmのチタン炭素ニッケル合金シートに加工した。また、このシートに、ハンドリング用のチタンワイヤーを2本スポット溶接した。
次に、ヘリウム(He)雰囲気中で、700℃のマグネシウム液体中に、このチタン炭素ニッケル合金シートを5分浸漬し、ニッケル成分の選択的溶出を促して、炭化チタンの多孔体を形成した。引き上げて凝固した炭化チタンの多孔体を硝酸水溶液(HNO3)に浸漬し、マグネシウム−ニッケル(Mg−Ni)成分を溶解除去した。残った炭化チタンの多孔体は、硝酸水溶液が残留しないように、蒸留水による洗浄を5回繰り返し、この後、60℃で一晩乾燥した。得られたシートについて、X線回折(XRD)測定、SEM観察、BET比表面積測定を行い評価した。
上記手法で作製した炭化チタンの多孔体シートは、膜厚40μmであり、XRD測定より炭化チタン(TiC,ICDDカードNo.01−071−029)単相であることを確認した。また、SEM観察により、平均孔径100nmであることを確認した。また、BET法により炭化チタンの多孔体の比表面積を測定したところ、10m2/gであった。
このような炭化チタンの多孔体シートを用いて空気極およびこの空気極を用いたリチウム空気二次電池セルを以下のようにして作製した。
この炭化チタンの多孔体を直径23mmの円形に切り抜き、ガス拡散型の空気極を得た。
得られた実施例1の空気極によりリチウム空気二次電池セルを作製した。この作製について、図2を用いて説明したリチウム空気二次電池を例に説明する。作製した空気極201を用い、リチウム空気二次電池セルを、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。作製した空気極201を、空気極支持体205の第1領域205aにおいて、仕切り251に接する状態に配置して空気極固定用リング206で固定した。空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施していない。
次に、空気極支持体205の第2領域205bにおいて、仕切り251に接する状態にセパレータ204を配置した。次に、負極固定用リング207に負極202として厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を圧着した。次に、負極固定用リング207を、空気極支持体205の第2領域205bに配置し、この中央部に、負極202が圧着された負極固定用リング207を勘合した。
次に、空気極201と負極202との間に電解質203を構成する電解液(1mol/Lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド/トリエチレングリコールジメチルエーテル)を充填し、この状態で、空気極支持体205の底面にOリング211を配置して負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205に固定した。この後、空気極端子221を空気極支持体205に接続して固定し、負極端子222を負極支持体209に接続して固定した。
作製した実施例1のリチウム空気二次電池セルの電池性能を測定した。なお、電池性能の測定試験においては、図2を用いて説明した空気極端子221よび負極端子222を用いた。
電池のサイクル試験は、市販の充放電測定システム(BioLogic社製、VMP−3)を用い、空気極の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで測定を行った。また、充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.0Vに増加するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下(常温大気圧下)で行った。充放電容量は、実施例1の空気極の重量当たりの値(mAh/g)で表した。
実施例1におけるリチウム空気二次電池の初回の放電および充電曲線を図3に示す。図3に示すように、されるように、炭化チタンの多孔体を空気極に用いた実施例1では、平均放電電圧は2.7V、放電容量は595mAh/gであることが分かる。また、初回の充電容量は、放電容量とほぼ同様の588mAh/gであり、実施例1のリチウム空気二次電池は可逆性に優れていることが分かる。
放電容量のサイクル依存性を図4および表1に示す。実施例1では、充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量(mAh/g)の急激な減少は見られなかった。また、この充電時の電圧は、図3より、およそ3.4Vに平坦部分が見られ、従来の報告より低い値を示すことが分かった。
充放電サイクルを繰り返して充放電電圧の推移を測定した。この測定結果を以下の表2に示す。また、表3には、炭化アルミニウム(C3Al4)、炭化珪素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化モリブデン(Mo2C)、炭化クロム(Cr32)、炭化タンタル(TaC)、炭化ホウ素(CB4)、炭化カルシウム(CaC2)、炭化マンガン(Mn3C)から炭化金属多孔体を作製して空気極としたリチウム空気二次電池の放電容量のサイクル依存性を示す。
いずれも、実施例1では、充放電において充放電のサイクルを繰り返すことにより若干の放電容量の低下が見られるが、ほぼ安定した放電容量を示すことが分かった。このように、炭化金属多孔体はリチウム空気二次電池の空気極として非常に優れた活性を有していることが分かった。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2では、金属またはこの酸化物を触媒として担持させた炭化金属多孔体を空気極として使用する例である。以下の説明では、代表として、炭化金属として炭化チタンを用い、触媒として酸化ルテニウムを用いる場合について説明する。なお、前述同様に、他の炭化金属による多孔体を作製することができる。また、ルテニウムを任意の金属に変更することで、任意の金属酸化物を触媒として炭化金属多孔体に担持させることができる。また、酸化の工程を行わないことで、任意の金属を触媒として炭化金属多孔体に担持させることができる。
炭化チタンの多孔体は、前述した実施例1と同様にすることで作製した。次に、界面活性剤であるポロキサマーのブロック共重合体のポロキサマージメタクリレート(Pluronic−F127、Aldrich製)を5mg/mlの濃度で蒸留水に溶解させ、この溶液に炭化チタンの多孔体を浸漬させ、振とう器で24時間攪拌し、多孔体の細孔内に界面活性剤を含浸させた。次いで、上記の溶液に、0.1mol/Lの塩化ルテニウム(RuCl3;フルヤ金属社製)水溶液を加えて振とう器で24時間攪拌し、多孔体内部に塩化ルテニウム塩を含浸させた。この後、炭化チタンの多孔体を50℃で蒸発乾固し、アルゴン雰囲気中300℃で熱処理し、界面活性剤を除去して、金属ルテニウムを担持した炭化チタンの多孔体を得た。
XRD測定により、得られたルテニウムはルテニウム単相(Ru,PDFカードNo.01−070−0274)であることを確認した。また、TEM観察を行ったところ、炭化チタンの多孔体の孔内まで、平均粒径4nmの金属ルテニウム粒子が均一に析出していることを確認した。なお、上記平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等で拡大し、1μm四方(1μm×1μm)あたりの粒子の直径を計測して、平均値を求めた値である。
この金属ルテニウム微粒子を担持する炭化チタンの多孔体に、徐々に過酸化水素水(30%)を滴下し、金属ルテニウム微粒子を担持する炭化チタンの多孔体全体を過酸化水素水で浸らせる。ガス発生が終了した後、蒸留水による洗浄を5回繰り返した。これらの処理により、炭化チタンの多孔体に担持している金属ルテニウム微粒子が酸化し、酸化ルテニウムとなる。
洗浄後、アルゴン雰囲気500℃で6時間熱処理した。このようにして得られた実施例2の酸化ルテニウム担持炭化チタン多孔体を、XRD測定、TEM観察を行い、評価した。XRD測定より、酸化ルテニウム(RuO2,PDFファイルNo.40−1290)のピークを観察することができた。炭化チタンの多孔体に担持された触媒は、酸化ルテニウム単相であることを確認した。また、TEMにより酸化ルテニウムは、共連続体の表面に平均粒径100nmの粒子状で析出している状態が観察された。
この酸化ルテニウムを担持した炭化チタンの多孔体を空気極に用いたリチウム空気二次電池の放電容量および充放電電圧のサイクル依存性を、図4、表1、表2に示す。なお、他の触媒についても、表4に示す。表4に示す数値は、放電容量(mAh/g)である。
表1に示すように、実施例2では、放電容量は、初回で630mAh/gを示し、実施例1の、触媒として酸化ルテニウムを担持していない炭化チタンの多孔体を用いた場合よりも大きい値であった。また、実施例2のリチウム空気二次電池は、充放電のサイクルを繰り返しても、安定した挙動を示すことが分かった。また、表2に示すように、充放電電圧についても、実施例1よりも過電圧の減少が見られ、充放電のエネルギー効率の改善が達成された。また、充放電のサイクルを繰り返しても顕著な過電圧の増加は見られず、本実施例のリチウム空気二次電池の空気極は安定に作動することを確認した。
上述した実施例2における特性の向上は、非常に大きな活性を有した酸化ルテニウムを電極触媒として用いることにより、酸素還元(放電)および酸素発生(充電)の両反応が空気極においてスムーズに行われたことによると考えられる。
表4に、酸化チタン(TiO2/TiC)、酸化バナジウム(V25/TiC)、酸化クロム(Cr23/TiC)、酸化マンガン(MnO2/TiC)、酸化鉄(Fe23/TiC)、酸化コバルト(Co23/TiC)、酸化ニッケル(NiO/TiC)、酸化銅(CuO/TiC)、酸化亜鉛(ZnO/TiC)、酸化モリブデン(MoO3/TiC)、酸化銀物(AgO/TiC)、酸化カドミウム(CdO/TiC)、酸化パラジウム(PdO/TiC)、酸化鉛(ZnO/TiC)、酸化セリウム(CeO2/TiC)、酸化ニオブ(NbO/TiC)、酸化イットリウム(Y23/TiC)、酸化タンタル(Ta25/TiC)、および酸化錫(SnO/TiC)を触媒として用いた場合について、実施例2におけるリチウム空気二次電池の放電容量のサイクル依存性を示す。
また、表5に、チタン(Ti/TiC)、バナジウム(V/TiC)、クロム(Cr/TiC)、マンガン(Mn/TiC)、鉄(Fe/TiC)、コバルト(Co/TiC)、ニッケル(Ni/TiC)、銅(Cu/TiC)、亜鉛(Zn/TiC)、モリブデン(Mo/TiC)、銀(Ag/TiC)、カドミウム(Cd/TiC)、パラジウム(Pd/TiC)、鉛(Pb/TiC)、ルテニウム(Ru/TiC)、ロジウム(Rh/TiC)、プラセオジム(Pr/TiC)、銀(Ag/TiC)、金(Au/TiC)、白金(Pt/TiC)、セリウム(Ce/TiC)、ニオブ(Nb/TiC)、イットリウム(Y/TiC)、タンタル(Ta/TiC)、錫(Sn/TiC)を触媒として用いた場合について、実施例2におけるリチウム空気二次電池の放電容量のサイクル依存性を示す。
いずれも、放電容量は、初回で600mAh/g以上を示し、実施例1のような触媒を担持していない炭化金属多孔体よりも全体的に大きい値であった。これら金属または金属酸化物においても、酸化ルテニウムを触媒とした場合と同様に、触媒として効率的に機能したことにより電池特性が改善されたものと考えられる。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。実施例3では、酸化ルテニウムの水和物を触媒として担持させた炭化金属多孔体を空気極として使用する例である。炭化チタンの多孔体は、前述した実施例1,2と同様にすることで作製した。また、多孔体への触媒担持においては、実施例2では、アルゴン雰囲気500℃で6時間熱処理する工程を、実施例3ではアルゴン雰囲気100℃で6時間熱処理する工程に変え、酸化ルテニウムを水和物とした。
XRD測定より、得られた炭化チタンの多孔体に担持している酸化ルテニウムは水和物となっているアモルファスであることを確認した。酸化ルテニウム水和物(RuO2・nH2O)は、TG−DTA測定よりn=0.7であることが分かった。
TEM観察を行ったところ、金属ルテニウムを担持した炭化チタンの多孔体と同様、孔内まで複数の酸化ルテニウム水和物粒子が、平均粒径5nmで均一に析出していることを確認した。
上述したように作製した酸化ルテニウム水和物(RuO2・0.7H2O)を触媒として担持している炭化チタンの多孔体を空気極として用いたリチウム空気二次電池の放電容量および充放電電圧のサイクル依存性を図4並びに表1および表2に示す。
図4および表1に示すように実施例3の放電容量は、初回で701mAh/gを示した。これは、実施例2のような付着水を含有していない酸化ルテニウムを触媒に用いた場合よりも大きい値であった。また、サイクルに関しても、安定した作動をすることを確認した。
また、表2に示すように、充放電電圧についても、実施例2よりも過電圧の減少が見られ、充放電のエネルギー効率が改善されていることが分かる。また、充放電電圧についても、サイクルを繰り返しても顕著な過電圧増加は見られず、安定に作動することを確認した。
上記製造方法により、電極触媒である酸化ルテニウム水和物(RuO2・0.7H2O)が、炭化チタンの多孔体上に高分散で担持できる。また、このような高分散担持に伴い、放電時の過酸化リチウムの析出サイト増加、および酸素の吸着能の向上が実現される。上記のような特性の向上は、このような上記製造方法に基づく各種の改善が理由と考えられる。
[比較例1]
次に、比較例1について説明する。比較例1では、空気極用の電極に公知の材料であるカーボン(ケッチェンブラックEC600JD)を用い、また、触媒として金属ルテニウムを用いた例を示す。この空気極を用いたリチウム空気二次電池セルを以下のようにして作製した。
金属ルテニウム粉末、ケッチェンブラック粉末、およびPTFE粉末を50:30:20の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕混合してロール成形し、厚さ0.5mmのシート状電極を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型の空気極を得た。また、金属ルテニウムは市販試薬(高純度化学研究所製)を用いた。電池のサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
比較例1に係るリチウム空気二次電池の放電容量に関するサイクル性能を、実施例1〜3の結果とともに表1および図4に示す。表1および図4に示すように、比較例1では初回放電容量は約800mAh/gと、実施例1および実施例2よりも大きな値を示した。しかしながら、充放電サイクルを繰り返すと、実施例1および実施例2とは異なり放電容量の極端な減少が見られ、20サイクル後の容量維持率は初期の約13%であった。
また、充放電電圧のサイクル依存性を実施例1〜3の結果とともに、表2に示した。表2からも分かるように、比較例1による充電電圧は、実施例1〜3よりも明らかに高い値であるとともに、サイクルを繰り返すと明らかに過電圧は増加し、20回目でサイクルを繰り返すことは困難となった。
以上の結果より、空気極を炭化金属多孔体から構成することで、公知の材料を用いる場合よりも、容量および電圧に関してサイクル特性に優れており、リチウム空気二次電池用空気極として有効であることが確認された。
Figure 2018032573
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以上に説明したように、本発明によれば、炭化金属の多孔体から空気極を構成したので、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能およびエネルギー効率を高くすると共に放電容量を高くすることができる。本発明によれば、充放電サイクル性能に優れたリチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…空気極、102…負極、103…電解質。

Claims (4)

  1. 炭化金属の多孔体から構成された空気極と、
    リチウムを含んで構成された負極と、
    前記空気極と前記負極とに挾まれて配置された電解質と
    を備えることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 請求項1記載の空気極において、
    前記空気極に担持された触媒を備え、
    前記触媒は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、カドミウム、パラジウム、鉛、ルテニウム、ロジウム、プラセオジム、セリウム、ニオブ、イットリウム、タンタル、および錫の少なくとも1つの金属またはこれらいずれかの酸化物から構成されている
    ことを特徴とするリチウム空気二次電池。
  3. 請求項2記載のリチウム空気二次電池において、
    前記触媒を構成する前記酸化物は、水分子を含む水和物であることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム空気二次電池において、
    炭化金属は、炭化アルミニウム、炭化珪素、炭化チタン、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化タンタル、炭化ホウ素、炭化カルシウム、炭化マンガンの少なくとも1つであることを特徴とするリチウム空気二次電池。
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