JP2018032219A - 医薬品在庫管理システム及び、医薬品在庫管理方法 - Google Patents

医薬品在庫管理システム及び、医薬品在庫管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定のグループを構成する医療機関等及び移動中における医薬品の周囲環境を把握・記録し、グループ全体における医薬品の購買業務または在庫管理をより適切に行う。【解決手段】医薬品を該医薬品の製品特性に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、環境維持保管手段における環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品が環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、保管環境検知手段及び保管状態検知手段による検知情報から、医薬品の使用または移動の可否を判断する判定手段と、を備え、グループに属する医療機関等において要求される在庫数及び、判定手段の判定内容に基づいて、グループに属する医療機関等における医薬品の在庫設定数や、グループに属する医療機関等への医薬品の提供数や移動数を導出する数量導出手段をさらに備える。【選択図】図8

Description

本発明は、医薬品の在庫管理システム及び、医薬品の在庫管理方法に関する。
近年、抗がん剤、血友病治療剤、バイオ製剤、血漿分画製剤、ワクチン製剤、コンパニオン診断薬、希少疾病用製剤、再生医療等製品といった、スペシャリティ領域の医薬品と呼ばれる医薬品の取扱量が増加している。これらのスペシャリティ領域の医薬品は、例えば2〜8℃、15〜25℃、0℃以下といった厳格な温度管理を含む周囲環境管理や、高度なトレーサビリティが求められる場合が多い。一方で、これらの医薬品は、需要予測が困難である、使用期限が短いといった特性を有する傾向があるため、医療機関や保険薬局(以下、これらをまとめて医療機関等ともいう。)においてこれらの医薬品が予定どおりに消費されないことも多い。また、これらの医薬品は製品単価が高額である傾向がある。このような事情により、医療機関等において上記のような医薬品の在庫管理やトレーサビリティ管理業務負荷の増大、不動・廃棄在庫の増加によるキャッシュフローの悪化が問題となっており、流通業者においては医療機関等からの至急の配達要請への対応や、在庫管理に関するコスト増加などが課題となっている。さらに、医療機関は医薬品医療機器法で定められた医薬品卸売販売業の免許を保有することができず、一度購入した後、不動もしくは余剰となった医薬品を他の医療機関等に再販売等を行い、処理できないことも課題となっている。また、保険薬局においても、他の保険薬局で不動もしくは余剰となった当該医薬品の受け入れにあたり、再販売を行う側の保険薬局において当該医薬品の適切な管理(温度管理等)がなされていたかを判別する明確な根拠がなく、特にスペシャリティ領域の医薬品に関しては、保険薬局間においても不動もしくは余剰医薬品の処理が円滑に進まないという課題がある。
しかしながら、医薬品の流通業者やメーカーにおいては、医療機関、保険薬局、患者の居宅や居住する施設及び移動中における上記のような医薬品の周囲環境をリアルタイムに把握・記録し、その結果を物流・受発注・返品・請求システムと連動させるシステムや方法が充分に確立されているとは言えないのが現状である。また、近年医療機関等のグループ化や地域単位での医薬品の購買体制の構築が進んでいるが、その購買単位において、上記のような製品の在庫情報を一元化し、グループや地域における購買業務の効率化や在庫リスクの軽減を図るシステムも存在しないのが実情である。
さらに、上記医薬品のなかには患者が居宅や居住する施設(以下、「患者の居宅等」ともいう)で自ら投与する、いわゆる自己注射製品が増加しており、上記のグループ、地域における医療機関等の中に患者の居宅等が含まれる場合がある。このように患者が在宅で治療する場合には、居宅等における医薬品の消費数および在庫数の管理、適切な品質(温度、消費期限)管理、副作用発現時の対応などの課題が存在する。加えて、医療機関等は患者の居宅等における消費状況を把握しておらず、不測の患者の来院、来局に対し、必ずしも十分な在庫を確保していないため、流通業者に緊急配送を依頼する必要が生じる場合もあった。
特許第3639408号公報 特表2016−503206号公報
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、所定のグループを構成する医療機関、保険薬局、患者の居宅や居住する施設及び移動中における医薬品の周囲環境を把握・記録し、その結果を物流・受発注・返品・請求システムと連動させることによって、前記グループ全体における医薬品の購買業務または在庫管理をより適切に行えるようにすることである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の点を特徴とする。すなわち、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
前記保管環境検知手段及び前記保管状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記医薬品がメーカーから出荷された後における、前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間および/または、前記環境条件から外れた程度に基づいて、前記医薬品の使用または移動の可否を判断する、医薬品在庫管理システムであって、
前記環境維持保管手段、前記保管環境検知手段及び、前記保管状態検知手段は、所定のグループに属する複数の医療機関等に設置され、
前記所定のグループに属する医療機関等において要求される在庫数及び、前記判定手段の判定内容に基づいて、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の在庫設定数、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の提供数および、前記グループに属する医療機関等の間における前記医薬品の移動数のうち少なくとも一つを導出する数量導出手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明においては、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段を備える。また、環境維持保管手段における環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品が環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段とを備える。そして、本発明における判定手段が、保管環境検知手段及び保管状態検知手段による検知情報によって、前記医薬品がメーカーから出荷された後における、該医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間および/または、前記環境条件から外れた程度に基づいて、医薬品の使用または移動の可否を判断する。
ここで前述のように、スペシャリティ領域の医薬品においては、厳格な周囲環境管理が求められている。そして、その医薬品について求められる環境条件から外れた環境に晒された医薬品については、品質保証が困難となるので、医療機関等における使用または、医療機関等の間における当該医薬品の移動が困難となる。
これに対し、本発明では、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段に保管することが前提となっている。そして、環境維持保管手段における環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品が環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段からの情報によって、医薬品が求められる環境条件から外れた環境に晒された時間と、求められる環境条件から外れた程度についての情報を取得し、これらの情報に基づいて、医薬品の使用または移動の可否を判断する。これによれば、医薬品の品質の劣化を、明確なデータに基づいて客観的に評価することが可能となり、品質保持の観点からの正確な根拠に基づいて医薬品の使用または移動の可否を判断することが可能となる。なお、本発明において、環境条件としては、例えば、
周囲の温度、湿度、照度、気圧、衝撃、振動などが挙げられる。
さらに、本発明においては、環境維持保管手段、保管環境検知手段及び、保管状態検知手段は、所定のグループに属する複数の医療機関等に設置され、前記所定のグループに属する医療機関等において要求される在庫数及び、前記判定手段の判定内容に基づいて、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の在庫設定数、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の提供数および、前記グループに属する医療機関等の間における前記医薬品の移動数のうち少なくとも一つを導出する数量導出手段をさらに備える。
すなわち、複数の医療機関等が属するグループが設定され、一の医療機関等のみに着目して医薬品の在庫管理を行うのではなく、設定されたグループ全体に着目して医薬品の在庫管理を一元化して行う。例えば、ある医療機関等において所定の医薬品の在庫が不足した際には、メーカー又は流通業者から当該医薬品を提供する他、他の医療機関等において余剰の当該医薬品があり、判定手段によって移動が可能と判断された場合には、優先的に医療機関等の間の移動を行い、在庫の不足を解消するようにする。
このことは、近年の、医療機関等における相互間の機能分化及び業務の連携を推進し、地域包括ケアシステム構想を達成するための国を挙げた取り組みの方向性にも合致しており、これにより、グループ内における購買業務の効率化や在庫リスクの軽減を図ることが可能となる。また、資源の有効活用を促進することができる。なお、本発明において、医療機関等とは、病院や診療所などの医療機関の他、保険薬局、患者が自宅治療を行うような場合の患者の居宅等をも含む。
また、本発明においては、前記グループに属する医療機関等に対して、前記医薬品の該グループ内における管理に関する情報を提供する管理情報提供手段をさらに備えるようにしてもよい。この管理情報提供手段からの情報により、前記グループに属する医療機関等の間の医薬品の移動をより円滑に進めることが可能となるとともに、各医療機関等における医薬品の管理をより効率的に行うことが可能となる。
また、患者が居宅等で自ら投与する、いわゆる自己注射製品等に関して、医薬品の適切な品質(温度、消費期限)管理、副作用発現時の対応情報を患者に直接提供することができる。さらには、患者が抱える疾病や薬物治療等に関する諸々の不安、相談事にも対応することができる。さらに、医療機関等は患者の居宅等における消費状況を把握しておらず、体調の急変等に起因する患者による不測の来院、来局があった場合に、必ずしも対応可能な十分な在庫を保有していない等の不都合があったところ、医療機関等における、患者の居宅等における在庫も含めた在庫管理を効率的に進めることが可能となる。
また、本発明において管理情報提供手段は、前記グループに属する医療機関等に対して、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、在庫医薬品の期限切れ時期に関する情報である期限切れ情報、より先に入庫された医薬品が先に出庫されているか否かに関する情報である先入先出情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供するようにしてもよい。
また、前記管理情報提供手段は、前記グループに属する医療機関等に医薬品を提供する流通業者に対して、自動発注または自動補充を開始する旨の情報である自動補充情報、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、前記グループに属する医療機関等の間の医薬品の移動に関する情報で
あるグループ内移動情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の期限切れに関する情報である期限切れ情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供するようにしてもよい。
また、本発明においては、前記グループに属する前記医療機関等を設定するグループ設定手段をさらに備えるようにしてもよい。これによれば、例えば、地域や他の条件に基づいてグループを自動的または半自動的に効率的に設定することが可能である。例えば、地域に基づいてグループを設定する場合には、医療機関等の住所や各地域における医療計画に基づいて設定しても構わない。あるいは、業務上の取引関係、系列関係、技術協力関係等に基づいて設定しても構わない。また、医療機関等が患者の居宅等の場合には、患者が治療を受けている病院や診療所、保険薬局と同じグループに設定しても構わない。
また、本発明においては、前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断するようにしてもよい。
ここで、上記のような医薬品の使用または移動を可能にするためには、流通業者や医療機関等において医薬品が、求められる環境条件において保管されるだけでなく、メーカーから流通業者、流通業者から医療機関等への移動中においても、医薬品が、求められる環境条件が維持された状態で運搬される必要がある。さらに、医薬品がメーカーから出荷された後における、該医薬品が求められる環境条件から外れた環境に晒された時間および/または、求められる環境条件から外れた程度を正確に検知するには、流通業者や医療機関等における医薬品の保管状態のみならず、メーカーから流通業者、流通業者から医療機関等への運搬途中における状態についても確認する必要がある。
よって、本発明においては、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と、環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、をさらに備え、前記判定手段は、前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断するようにしてもよい。
これによれば、医薬品がメーカーから出荷された後における、該医薬品が求められる環境条件から外れた環境に晒された時間および/または、求められる環境条件から外れた程度をより正確に検知することが可能となり、より正確に、前記医薬品の使用または移動の可否を判断することが可能となる。
また、本発明においては、前記判定手段は、前記医薬品がメーカーから出荷された後における、前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間が所定時間以下であり、且つ、前記環境条件から外れた程度が所定程度以下である場合に、前記医薬品の使用または移動を可能と判断してもよい。これによれば、より単純で明快な基準に基づいて、よ
り正確に、前記医薬品の使用または移動の可否を判断することが可能となる。
また、本発明においては、前記判定手段は、前記保管環境検知手段により、前記医薬品の保管中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持保管手段により保管されていないとされた時間及び、前記運搬環境検知手段により、前記医薬品の運搬中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持運搬手段により運搬されていないとされた時間は、前記環境条件から外れた環境に晒された時間としてもよい。
すなわち、保管環境検知手段により、前記医薬品の保管中にも拘わらず前記医薬品が環境維持保管手段により保管されていないとされた時間及び、運搬環境検知手段により、前記医薬品の運搬中にも拘わらず前記医薬品が環境維持運搬手段により運搬されていないとされた時間については、実際の前記医薬品の周囲の環境条件について情報を得ることができない。よって、このような場合には、前記医薬品の使用または移動の可否が判断できなくなる。しかしながら、本発明のように、上記の時間については、前記医薬品が求められる環境条件から外れた環境に晒された時間と仮定することで、上記のような場合でも、より安全サイドに立って、前記医薬品の使用または移動の可否の判断を行うことができる。これにより、前記医薬品の使用または移動の可否の判断が出来なくなる事態を回避することができる。
また、本発明においては、前記医薬品に応じた環境条件は、前記医薬品の周囲温度が所定温度範囲であることであり、
前記保管環境検知手段は、前記環境維持保管手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第1温度センサであり、
前記運搬環境検知手段は、前記環境維持運搬手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第2温度センサであることとしてもよい。
ここで、実際に上記の医薬品に求められる環境条件は、より具体的には前記医薬品の周囲温度であることが多い。よって、前記保管環境検知手段を、前記環境維持保管手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第1温度センサとし、前記運搬環境検知手段は、前記環境維持運搬手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第2温度センサとすることで、より少ないコストで、多くの医薬品に求められる環境条件の維持に対応することが可能となる。
また、本発明においては、前記判定手段は、さらに、前記使用または移動に係る医薬品の使用期限までの残存期間や包装変更や製造中止、リコール等の情報に基づいて、前記医薬品の使用または移動の可否を判断してもよい。すなわち、上記の医薬品の周囲環境が、当該医薬品に求められる環境条件から外れていない場合であっても、当該医薬品の使用期限が近い場合には、医療機関等からの移動要求を受け入れることは、移動はしたものの移動先の医療機関等において使用できないリスクが過大となる。よって、判定手段が、前記使用または移動に係る医薬品の使用期限までの残存期間や包装変更や製造中止、リコール等の情報も考慮した上で、医薬品の使用または移動の可否を判断することで、メーカーや流通業者にとってより妥当な可否判断を行うことが可能となる。
また、本発明においては、前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段の少なくとも一部は、無線通信手段を有し、
前記判定手段に対し、前記無線通信手段により、リアルタイムの情報を送信するようにしてもよい。
これによれば、より容易に、より迅速に前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間および/または、前記環境条件から外れた程度に関する情報を、物流・受発注
・返品・請求システムと共有することが可能となり、より迅速に、上記の医薬品の使用または移動の可否についての判断を行うことができる。また、物流・受発注・返品・請求システムとの連動を促進することが可能となる。
また、本発明は、医薬品の流通において、
前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
前記保管環境検知手段及び前記保管状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断する判定手段と、を備える医薬品在庫管理システムによる、医薬品在庫管理方法であって、
前記環境維持保管手段、前記保管環境検知手段及び、前記保管状態検知手段は、所定のグループに属する複数の医療機関等に設置され、
前記所定のグループに属する医療機関等において要求される在庫数及び、前記判定手段の判定内容に基づいて、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の在庫設定数、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の提供数および、前記グループに属する医療機関等の間における前記医薬品の移動数のうち少なくとも一つを導出することを特徴とする、医薬品在庫管理方法であってもよい。
また、本発明に係る医薬品在庫管理方法においては、前記グループに属する医療機関等に対して、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、在庫医薬品の期限切れ時期に関する情報である期限切れ情報、より先に入庫された医薬品が先に出庫されているか否かに関する情報である先入先出情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供するようにしてもよい。
また、本発明の医薬品在庫管理方法においては、前記グループに属する医療機関等に医薬品を提供する流通業者に対して、自動発注または自動補充を開始する旨の情報である自動補充情報、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、前記グループに属する医療機関等の間の医薬品の移動に関する情報であるグループ内移動情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の期限切れに関する情報である期限切れ情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供するようにしてもよい。
また、本発明に係る医薬品在庫管理方法においては、前記医薬品在庫管理システムは、前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、をさらに備え、
前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断してもよい
また、本発明に係る医薬品在庫管理方法においては、前記医薬品がメーカーから出荷された後における、前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間が所定時間以下であり、且つ、前記環境条件から外れた程度が所定程度以下である場合に、前記医薬品の使用または移動を可能と判断してもよい。
また、本発明に係る医薬品在庫管理方法においては、前記保管環境検知手段により、前記医薬品の保管中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持保管手段により保管されていないとされた時間及び、前記運搬環境検知手段により、前記医薬品の運搬中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持運搬手段により運搬されていないとされた時間は、前記環境条件から外れた環境に晒された時間としてもよい。
また、本発明に係る医薬品在庫管理方法においては、前記医薬品に応じた環境条件は、前記医薬品の周囲温度が所定温度範囲であることであり、
前記保管環境検知手段は、前記環境維持保管手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第1温度センサであり、
前記運搬環境検知手段は、前記環境維持運搬手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第2温度センサであることとしてもよい。
また、本発明に係る医薬品在庫管理方法においては、前記判定手段は、さらに、前記移動に係る医薬品の使用期限までの残存期間や包装変更やリコール等の情報に基づいて、前記医薬品の移動の可否を判断してもよい。
本発明によれば、所定のグループを構成する医療機関、保険薬局、患者の居宅等及び、それらの間の移動中における医薬品の周囲環境を把握・記録し、その結果を物流・受発注・返品・請求システムと連動させることによって、前記グループ全体における医薬品の購買業務または在庫管理をより適切に行うことが可能となる。
従来の医薬品の流通の態様を示す図である。 本発明の実施例1の前提となる医薬品の流通の態様を示す図である。 本発明の実施例1の前提となる医薬品在庫管理システムのシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施例1における基幹サーバのハードウェア構成の概略を示す図である。 本発明の実施例1の前提となる返品可否判定の処理の前半部を示す流れ図である。 本発明の実施例1の前提となる返品可否判定の処理の後半部を示す流れ図である。 本発明の実施例1における医薬品の流通態様の概略を示す図である。 本発明の実施例1における医薬品の流通態様の詳細を示す図である。 本発明の実施例2における医薬品の流通態様の詳細を示す図である。
図1は従来の医薬品の流通の態様について示した図である。図1においてブロック1は医薬品メーカー、ブロック2は流通業者、ブロック3は病院、診療所または保険薬局といった医療機関等を示す。なお、ここにおける流通業者とは、卸業者や運搬業者等、医薬品メーカー1と医療機関等3の間に介入する業者の全てが含まれ得る。ここで、従来より、
医薬品メーカー1が生産したスペシャリティ領域の医薬品5については、厳しい温度管理が求められるため、移動中の温度管理が可能な環境維持運搬手段としての保冷コンテナ6に収納された状態で流通業者2に仕入れられる。また、医薬品メーカー1や保険薬局が自ら流通業者2としての役割を担うことがあってもよい。
また、流通業者2では、販売されるまでの期間は、医薬品5は環境維持保管手段としての冷蔵保管庫7にて温度管理がなされた状態で保管される。そして、販売先の医療機関等3が決まれば、冷蔵保管庫7から出庫され、再び保冷コンテナ16に収納された状態で医療機関等3まで運搬される。そして、医療機関等3においては、医薬品5は保冷コンテナ16から取り出されて冷蔵保管庫17に入庫・保管され、患者に使用される際には冷蔵保管庫17から出庫されて投薬される。
図1で示した従来の医薬品の流通の態様では、例えば、患者の転院、体調の急変、死亡等の理由で医療機関等3において医薬品5が余剰となり、返品の要求が生じたとしても、例えば医薬品メーカー1は、流通業者2や医療機関等3において、あるいは、医療品メーカー1から流通業者2への流通経路、または流通業者2から医療機関等3への流通経路において、医薬品5の温度管理が適切に行われていたか否かが不明であるため、返品を拒否せざるを得ない場合があった。同様に流通業者2も、医療機関等3において、あるいは流通業者2から医療機関等3への流通経路において、医薬品5の温度管理が適切に行われていたか否かが不明であるため、返品を拒否せざるを得ない場合があった。さらに、仮に医薬品5が返品された場合には、医薬品メーカー1及び流通業者2は、返品された医薬品5が使用可能なものか否か判断できないため、再販売することができなかった。
次に、本発明の前提となる医薬品の在庫管理システムにおける医薬品5の流通の態様について図2に示す。本システムでは、医薬品5(医薬品自体若しくは医薬品の梱包)にその医薬品のIDが記録された識別素子5aを取り付ける。また、識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ6a及び内部の温度履歴情報の取得が可能な温度センサ6bを保冷コンテナ6に取り付ける。そして、読取センサ6a及び温度センサ6bの出力信号は、無線通信により情報管理装置8に送信され、必要に応じ記録される。
これにより、所定のIDを有する医薬品5が、保冷コンテナ6内に収納されているか否かの情報と、保冷コンテナ6内の温度履歴情報がリアルタイムに記録可能となっている。その結果、医薬品メーカー1から流通業者2への医薬品の移動中に医薬品5が保冷コンテナ6内に確実に収納されていることが検知可能となり、また、保冷コンテナ6内の温度履歴が記録可能となっている。同様の構成により、流通業者2から医療機関等3への医薬品の移動中に医薬品5が保冷コンテナ16内に確実に収納されていることが検知可能となり、また、保冷コンテナ16内の温度履歴が記録可能となっている。
また、本実施例では、流通業者2及び医療機関等3に備えられている冷蔵保管庫7、17にも識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ7a、17a及び温度履歴情報の取得が可能な温度センサ7b、17bが取り付けられる。そして、読取センサ7a、17a及び温度センサ7b、17bの出力信号は、無線通信により情報管理装置8にリアルタイムに送信・記録される。これにより、所定のIDを有する医薬品5が、冷蔵保管庫7、17内に保管されているか否かの情報と、冷蔵保管庫7、17内の温度履歴情報がリアルタイムに記録可能となっている。なお、上記において識別素子5aと読取センサ7a、17aとは、保管状態検知手段を構成する。識別素子5aと読取センサ6a、16aとは、運搬状態検知手段を構成する。また、温度センサ6b、16bは、運搬環境検知手段及び第2温度センサに相当する。また、温度センサ7b、17bは、保管環境検知手段及び第1温度センサに相当する。本実施例における冷蔵保管庫7、17は、箱型タイプに限定されず、例えば保冷室などの部屋単位もしくはフロア単位とするようにして
もよい。
ここで、識別素子5aは、例えばICタグやRFIDタグ(アクティブ方式及びパッシブ方式の双方を含む)であってもよく、この場合には読取センサ6a、16a、7a、17aはRFIDリーダーであってもよい。また、識別素子5a及び、読取センサ6a、16a、7a、17aは、互いにブルートゥース(登録商標)等の近距離ワイヤレス通信が可能な機器で構成してもよい。また、識別素子5aは、医薬品5のIDが識別可能な磁界や光を発信するデバイスであってもよく、この場合には読取センサ6a、16a、7a、17aは磁気センサや光センサであってもよい。さらに、識別素子6aはアクティブに電磁界や光等の信号を発信するものでなくても良く、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)が印刷されたラベル等でもよい。この場合には読取センサ6a、16a、7a、17aはバーコードリーダーやQRコードリーダーであってもよい。
また、前述のように、読取センサ6a、16a、7a、17a及び温度センサ6b、16b、7b、17bには通信機能を付け、情報管理装置8に医薬品5のID及び所在に関する情報と温度履歴情報とをリアルタイムに送信し、情報管理装置8において各情報を受信、記録してもよいが、読取センサ6a、16a、7a、17a及び温度センサ6b、16b、7b、17b自体、保冷コンテナ6、16または冷蔵保管庫7、17に記憶機能を備えて各情報を独立に記録、蓄積するようにしてもよい。
本システムによれば、上記の構成により、医薬品5が医薬品メーカー1により製造、保管、出荷(流通業者2より仕入)された後の、医療品メーカー1から流通業者2までの流通過程、流通業者2における保管過程、流通業者2から医療機関等3までの流通過程、医療機関等3における保管過程において、医薬品5が確実に、保冷コンテナ6、16か冷蔵保管庫7、17に保管され、適切な温度管理がなされていたか否かが確認可能となる。その結果、医療機関等3による返品要求があった場合にも、医療品メーカー1または流通業者2において返品及び再販売の可否の判断を行うことが可能となる。
図3には、本システムにおける情報管理装置8の詳細な構成について示す。図3において医薬品5の実際の流通経路は実線で、情報の経路は破線で示されている。図3の情報管理装置8においては、流通業者2における医薬品5の流通に関する情報を管理するサーバとして基幹サーバ8aと中間サーバ8bが備えられている。基幹サーバ8aは後述するように、流通業者2による医療機関等3からの医薬品5の受注から医療機関等3への医薬品5の納品までの処理に関する情報、流通業者2の在庫に関する情報、包装変更やリコールに関する情報、請求処理に関する情報を管理するサーバである。また、医療機関3からの返品に際する自動補充、払出し請求等に関する情報も管理する。
一方、中間サーバ8bは、流通業者2の基幹サーバ8aから得られる情報である販売情報(販売価格、顧客情報、取引条件等)の他、後述する保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの情報を管理するサーバである。中間サーバ8bは、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの、医薬品5のID、所在または存否(運搬中の位置情報や冷蔵保管庫7における入庫、払出しによる在庫情報も含む)等に関する情報及び温度履歴情報と、本実施例における医薬品5の返品・再販売の処理に関わる情報の処理が行われ、基幹サーバ8aとの間で販売情報等の授受が行われる。
さらに、中間サーバ8bは、医薬品メーカー1に対して、必要に応じて情報提供を行う。例えば、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの、医薬品5のID、所在または存否(運搬中の位置情報や冷蔵保管庫7における入庫、払出しによる在庫情報も含む)等に関する情報及び温度履歴情報が中間サーバ8bと医薬品メーカー1との間で共有される。
また、保冷コンテナサーバ8cは、保冷コンテナ6、16からの情報を収集するサーバであって、読取センサ6a、16a及び、温度センサ6b、16bからの出力信号をリアルタイムで受信・記憶する。また、中間サーバ8bからの指令に対応して記憶した情報を中間サーバ8bに送信する。一方、冷蔵保管庫サーバ8dは、冷蔵保管庫7、17からの情報を収集するサーバであって、読取センサ7a、17a及び、温度センサ7b、17bからの出力信号をリアルタイムで受信・記憶する。また、中間サーバ8bからの指令に対応して記憶した情報を中間サーバ8bに送信する。
なお、情報管理装置8における各サーバが設置される場所については特に限定されない。例えば、全てのサーバ8a〜8dが流通業者2の施設内に設置されてもよいし、保冷コンテナサーバ8cは、保冷コンテナ6、16の管理会社の施設内に設置され、冷蔵保管庫サーバ8dは、冷蔵保管庫7、17の管理会社に設置されるようにしてもよい。また、情報管理装置8における各々のサーバは、医療機関等が使用しているシステム(電子カルテ、オーダリングシステム、レセプト処理システム、電子薬歴、電子お薬手帳等)と同じ回線、もしくは独自回線で接続されてもよいし、その手段はインターネット回線、電話回線で接続されてもよい。また、全てまたは一部のサーバをクラウド上に設置するようにしてもよい。図4は、基幹サーバ8aのハードウェア構成を示す概略構成図である。基幹サーバ8aは、図4に示すように、Central Processing Unit(CPU)80a、Random Access Memory(RAM)80b、Hard Disk Drive(HDD)80c、例えばNetwork Interface Card(NIC)80d等のネットワークインターフェース機器を備える。HDD80cにOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアのプログラムが格納されており、CPU80aがこれらのプログラムを実行することで、本明細書で説明する機能が提供される。なお、基幹サーバ8aは1台のコンピュータによって構成される必要はなく、複数台のコンピュータがネットワークを介して連携することで基幹サーバ8aが実現
されてもよい。中間サーバ8b、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dも基本的には同様のハードウェア構成を有する。
次に、流通業者2と医療機関等3との間の流通を中心に本実施例における医薬品5及び情報、処理の流れについて説明する。なお、以下の説明において流通業者2は、オペレーションセンター2aと流通センター2bに分けて説明される。
<受注〜納品業務>
まず、医療機関等3による医薬品5の受注から流通業者2による納品までの流れについて簡単に説明する。医療機関等3において、様々な医療品5に関する在庫数(設定数および発注点)が設定され、リストの形で流通業者2の流通センター2aに送付される。この情報は、基幹サーバ8a及び中間サーバ8bに送信される。これにより医療機関等3における在庫数の目標値が決定される。本リストの提供手段については電話、メール、FAXなど、特に限定されない。
そして、医療機関等3の冷蔵保管庫7から医薬品5が取り出された場合には、その情報が冷蔵保管庫サーバ8dに送信される。さらにその情報は冷蔵保管庫サーバ8dから基幹サーバ8a及び中間サーバ8bに送付される。そうすると、中間サーバ8bにおいて、在庫設定情報に基づき発注数が計算され、医療機関等3に受注連絡がなされるとともに、中間サーバ8bから基幹サーバ8aを経由し、流通センター2bにおいて出庫処理が行われる。出庫処理された医薬品5は、保冷コンテナ16に収納され医療機関等3に発送される。その際、識別素子5aに医薬品5のIDに関する情報等が入力された後、当該識別素子5aが医薬品5に取付けられる。
また、保冷コンテナ16に収納された際に、医薬品5のID等に関する情報が保冷コンテナ16の読取センサ16aに読み取られて保冷コンテナサーバ8cに送信される。さら
に、保冷コンテナ16内の温度履歴情報の、温度センサ16aから保冷コンテナサーバ8cへの送信が開始される。これらの情報は、保冷コンテナサーバ8cから中間サーバ8bにも送信される。これにより、医療機関等3に納品すべき数と種類の医薬品5が確実に保冷コンテナ16に収納されていることと、保冷コンテナ16内の温度が上記ID情報に含まれる適正な温度範囲に維持されていることが確認される。
そして、保冷コンテナ16が医療機関等3に到着すると、医薬品5が保冷コンテナ16から冷蔵保管庫17に移される。この情報は冷蔵保管庫17の読取センサ17aから冷蔵保管庫サーバ8dに送信され、保管庫サーバ8dから中間サーバ8b、基幹サーバ8aにも送信される。この際に、中間サーバ8bにおける医療機関等3の在庫数が更新される。その後も、冷蔵保管庫17内の温度履歴情報が温度センサ17aから冷蔵保管庫サーバ8dに送信され、さらに中間サーバ8bにも送信される。これにより、医療機関等3による在庫設定数に応じた数と種類の医薬品5が確実に冷蔵保管庫17に収納されていることと、冷蔵保管庫17内の温度が上記ID情報に含まれる適正な温度範囲に維持されていることが中間サーバ8bにリアルタイムに送信され記録される。
<使用〜請求>
医療機関等3において医薬品5が患者に投与される際には、冷蔵保管庫17に設けられた入力装置によって取り出し者および処理区分、患者ID情報が入力されるとともに医薬品5が取り出される。そうすると、その情報は冷蔵保管庫サーバ8d及び中間サーバ8bに送信される。その際に中間サーバ8bにおいては、医薬品5が使用された情報が記録されるとともに在庫数が更新される。さらに医薬品5が使用された情報は基幹サーバ8aに送信され、各医療機関等の請求締日単位での請求書の発行処理がなされる。
次に、本システム例における返品処理の流れについて図5及び図6を用いて詳細に説明する。図5及び図6は、本実施例における返品処理の流れを示す流れ図である。横軸は処理の順番を示す。縦軸は各処理の主体を示している。返品処理においては、まず、医療機関等3において、冷蔵保管庫17中で保管している医薬品5についての返品の要望が発生した時点(図中のステップS1)において、医療機関等3から流通業者2のオペレーションセンター2aに返品依頼の連絡がなされる。この返品依頼は、流通業者2から医療機関等3への能動的返品提案通知から開始されるものでもよく、その手段については電話、メール、FAXなど、特に限定されない。また、流通業者2のオペレーションセンター2aから、医療機関等3に電話、メール、FAXなどの手段を用いて、返品候補品リストをあらかじめ提供してもよい。
流通業者2のオペレーションセンター2aにおいて返品依頼を受ける(ステップS2)と、ステップS3に示すように流通業者2のオペレーションセンター2aから流通センター2bに連絡され、流通センター2bにおいて当該医薬品5について自動補充に関わる発注点/設定数の修正が行われる。すなわち、このステップでは医療機関等3により返品の要求があった場合に、医薬品5が冷蔵保管庫17から出されたことを検知して、補充のため発注が自動的に行われないようにしている。これにより、ステップS4に示すようにBOXID(医薬品5のパッケージ毎のID)、設定数、発注点、商品コード等の情報が中間サーバ8bに送信され記録される。
次に、ステップS5に示すように、流通業者2の流通センター2bに所属する担当者が、保冷コンテナ16を携えて医療機関等3に向かう。そして、ステップS6に示すように、医療機関等3に設置されている冷蔵保管庫17の入力装置によって返品についての入力が行われる。なお、この入力はステップS7に示すように医療機関等3によって行われてもよい。そして、流通業者2の流通センター2bに所属する担当者によって、ステップS8に示すように冷蔵保管庫17から医薬品が取り出され保冷コンテナ16に移される。
そうすると、ステップS9に示すように冷蔵保管庫サーバ8dには、冷蔵保管庫17から取り出された医薬品5のBOXID、処理区分、商品コードの他、時刻情報及び識別素子データが冷蔵保管庫17の読取センサ17aより送信される。その際、冷蔵保管庫サーバ8dにおいてはステップS10に示すように返品登録がなされる。
また、ステップS11に示すように冷蔵保管庫サーバ8dから中間サーバ8bにも、BOXID、処理区分、商品コード、時刻情報、識別素子データが送信され、中間サーバ8bにおいては、ステップS12に示すように返品データが実績情報メモリに書き込まれるとともに、ステップS13に示すように在庫数メモリにおける在庫数が更新される。
次に、医薬品5は冷蔵保管庫17から保冷コンテナ16に移され収納された状態で流通業者2の流通センター2bまで移動する。ここで、その移動中にも、保冷コンテナ16の読取センサ16a、温度センサ16bからの情報は保冷コンテナサーバ8c及び、中間サーバ8bに送信及び記録され続ける。そして、流通業者2の流通センター2bにおいて、ステップS14に示すように、保冷コンテナ16のIDが入力される。そうすると、ステップS15に示すように、保冷コンテナサーバ8cには、医療機関等3から流通業者2の流通センター2bまでの配送時における温度履歴情報の他、BOXID、時刻情報、識別素子データ等が送信される。
次に、流通業者2のオペレーションセンター2aにおいて、ステップS16に示すように温度履歴情報のチェックが行われる。その際、ステップS17に示すように保冷コンテナサーバ8cにおいて受信されている情報と紐づけられるとともに、温度履歴情報が実績情報メモリに記憶される。
次に、図6におけるステップS18に示すように、流通センター2bにおいて返品(入帳)可否判断が行われる。ここでは、温度履歴情報の他、使用期限情報や流通情報等を基に返品の可否が判断される。例えば、温度履歴情報において医薬品5の周囲温度がそのID情報で定められた温度範囲(例えば2〜8℃)から外れた時間が4時間以下で、外れた際の温度が25℃以下(この場合、外れた程度は17℃以下ということになる)であった場合であって、且つ、使用期限までの残存期間が6カ月以上であって、且つ、包装変更やリコール対象の医薬品でない場合に、返品を可としてもよい。
具体的な数値はこの数値に限定されないが、定められた温度範囲から外れた時間、外れた程度及び、使用期限までの残存期間の少なくとも一の条件に基づいて、返品の可否を判断してもよい。例えば、温度履歴情報において医薬品5の周囲温度がそのID情報で定められた温度範囲(例えば2〜8℃、1〜30℃、15〜25℃等)から外れた時間がある場合には、他の条件に関わらず返品不可としても構わない。なお、上記における返品の可否判断の条件は、医薬品5の添付文書(仕様)やGDP(Good Distribution Practice)に
基づいて定めることが望ましい。
また、ステップS18における返品の可否判断は、中間サーバ8bにおいて自動的に行われるようにし、可否の結果が自動的に表示されるようにしてもよい。この判断に必要な情報は全て、保冷コンテナサーバ8c及び、冷蔵保管庫サーバ8dから送信されているので、送信された情報と、別途記憶された閾値とを比較することで返品の可否判断を行ってもよい。その場合には、中間サーバ8bが本発明における判定手段に相当する。
ここで、ステップS18において返品不可と判断された場合には、再度、医薬品5はステップS19において保冷コンテナ16に収納され医療機関等3の冷蔵保管庫17に戻される。そして、ステップS20に示すように冷蔵保管庫サーバ8dには、医薬品5のBO
XID、処理区分、商品コードの他、時刻情報及び識別素子データが入庫情報として送信され、ステップS21に示すように返品処理が取り消される。
さらに、ステップS22に示すように冷蔵保管庫サーバ8dから中間サーバ8bにも、医薬品5のBOXID、処理区分、商品コードの他、時刻情報及び識別素子データが入庫情報として送信される。そうするとステップS23に示すように、中間サーバ8bにおいて実績情報メモリに入庫データが書き込まれるとともに、ステップS24に示すように、在庫数メモリにおける在庫数が更新される。
一方、ステップS18において返品可と判断された場合には、ステップS25に示すように流通業者2のオペレーションセンター2aによって返品対応がなされ、ステップS26に示すように流通業者2の流通センター2bにおいて返品完了の入力がなされる。これにより、ステップS27に示すように医療機関等3から流通業者2の流通センター2bまでの配送時における温度情報の他、BOXID、時刻情報、識別素子データ等が中間サーバ8bに送信される。そして、ステップS28に示すように操作実績ログが記録される。
以上、説明したように、本発明の前提となる医薬品在庫管理システムによれば、スペシャリティ領域の医薬品について医療機関等3から返品要請があった場合にも、品質維持の観点による明確な根拠をもって、返品の可否を判断することが可能である。これにより、医療機関等3の返品要請に答えることができ、流通業者2及び、医療機関等3における医薬品5の廃棄による無駄を低減することができ、経済的に大きな効果を生じるとともに、全国民が負担する社会保障資源の節約を実現することが可能となる。
また、上記の医薬品在庫管理システムにおいて中間サーバ8bは、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの、医薬品5のID、所在等に関する情報及び温度履歴情報を医薬品メーカー1との間で共有する。従って、医薬品5の返品の可否判断において医薬品メーカー1による判断、助言、追加情報等の提供を受けることが可能となる。その結果、返品可否の判断の精度を向上し、判断に要する期間を短縮化することができる。本実施例においては、返品可否の判断の処理(ステップS18)を、医薬品メーカー1に委託してもよいし、医薬品メーカー1のサーバシステムと連動させ、当該システムからの自動回答の提供を受けることとしてもよい。
なお、上記の医薬品在庫管理システムにおいては、医薬品メーカー1と流通業者2、流通業者2と医療機関等3の間の医薬品5の移動時には、保冷コンテナ6、16を用いて医薬品5の温度管理を行うこととしたが、本発明における環境維持運搬手段はこれに限られない。例えば、冷蔵車の冷蔵庫、冷凍車の冷凍庫、保冷専用車両または航空機または船舶の荷台等に直接、医薬品5を収納して運搬しても構わない。しかしながら、この場合には、冷蔵車、冷凍車と、冷蔵保管庫7、17の間の医薬品5の移換え時間、温度を管理し、記録可能としておくことが望ましい。また、医療機関等3が購入し、且つ所有権を持つ医薬品5の流通業者2または医薬品メーカー1への返品、または保険薬局から保険薬局間への医薬品5の移動等における運搬等は、上記の設備やシステムを備える道路運送法や貨物自動車運送事業法に基づく貨物自動車運送事業者が実施することが望ましい。
次に、上記において説明した返品処理が可能な医薬品在庫管理システムを前提として、本発明の実施例について説明する。図7には、本実施例における医薬品5の流通の態様について示されている。本実施例においては、医療機関等3は、単独の医療機関を意味しておらず、複数の医療機関等3(医療機関、保険薬局、患者の居宅等)から形成されるグループを意味している。
すなわち、本実施例においては、医療機関等3として、単独の医療機関における薬品5
の管理を行うのではなく、複数の医療機関、保険薬局、居宅等からなるグループ全体としての医薬品5の管理を行う。このグループは、地域に関連付けられたものであってもよいし、系列病院など経営・取引形態に応じて形成されたものであってもよい。さらに、地域や経営形態と関係なく、医薬品管理のために特別に設定されたグループであってもよい。
例えば、医療機関等3における一つの医療機関において医薬品5が不足していた場合に、同じグループ(医療機関等3)内における他の医療機関において余剰の同種の医薬品5が存在する場合には、医薬品5が不足している医療機関に対してメーカー1または流通業者2から、新しい医薬品5を自動的に納品するのではなく、医薬品5が余剰している医療機関から、医薬品5が不足している医療機関に医薬品5を移動する。このことで、グループ全体としての医薬品5の在庫量や消費を最適化することができ、医薬品5が無駄に廃棄されることを抑制できる。
また、本実施例においては、流通業者2は、グループとしての医療機関等3全体としての在庫が最適となるように管理を行う。よって、グループを構成する各医療機関は、医薬品5を流通業者2から共同購入するような形態としてもよいし、流通業者2が自らグループとしての医療機関等3の共同購入代行をするような形態としてもよい。
ここで、図7に示す本実施例においては、図2及び図3に示した医薬品在庫管理システムと同様、医薬品メーカー1から流通業者2への販売(仕入)の段階において、医薬品5に医薬品のIDが記録された識別素子5aが取り付けられる。また、識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ6a及び温度履歴情報の取得が可能な温度センサ6bが保冷コンテナ6に取り付けられている。また、流通業者2に備えられている冷蔵保管庫7にも識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ7a及び温度履歴情報の取得が可能な温度センサ7bが取り付けられている。そして、読取センサ6a、7a及び温度センサ6b、7bの出力信号は、無線通信により情報管理装置8に送信・記録される。なお、識別素子5aの医薬品5への取付け場所については、医薬品メーカー1の製造工場や保管施設であってもよく、その国については特に限定されない。
さらに、流通業者2から医療機関等3への医薬品5の販売の段階においても、医薬品5に当該医薬品のIDが記録された識別素子5aが取り付けられる。また、識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ16a及び温度履歴情報の取得が可能な温度センサ16bが保冷コンテナ16に取り付けられている。さらに、医療機関等3に備えられている冷蔵保管庫17にも識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ17a及び温度履歴情報の取得が可能な温度センサ17bが取り付けられている。そして、読取センサ16a、17a及び温度センサ16b、17bの出力信号は、無線通信により情報管理装置8に送信・記録される。
なお、本実施例の、流通業者2から医療機関等3までの間の医薬品5の流通経路において、より具体的には、保冷コンテナ16から保冷コンテナサーバ8cに対して、コンテナID、商品識別子ID、時刻情報、位置情報、温度履歴情報が送信される。さらに、衝撃、ネットワーク情報等が送信されるようにしてもよい。これらの情報は、保冷コンテナサーバ8cから流通業者が保有する中間サーバ8bに送信される。
また、本実施例においては、医療機関等3の冷蔵保管庫17の読取センサ17aから、冷蔵保管庫サーバ8dに対して、保管庫ID、商品識別子ID、時刻情報、位置情報、温度、ネットワーク情報、入庫、消費情報が送信される。そして、冷蔵保管庫サーバ8dから流通業者が保有する中間サーバ8bには、同様の情報が送信される。
また、本実施例においては、基幹サーバ8aの有する、顧客情報、販売実績データ、商
品マスター情報(包装変更やリコール情報を含む)、流通業者2の在庫情報等に基づいて、通知部9が、流通業者2に、自動発注または自動補充を開始する旨の指示であり自動補充情報を構成する自動発注・自動補充指示、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更を行う指示であり在庫設定変更情報を構成する在庫設定変更指示、前記グループに属する医療機関等の間の医薬品の移動させる指示でありグループ内移動情報を構成するグループ間在庫移動指示、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の期限切れに対する注意喚起であり期限切れ情報を構成する期限切れ商品注意喚起、返品提案リスト、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品が適正温度を逸脱した旨の通知であり環境条件情報の一部である温度逸脱通知、ネットワークにトラブルが生じた旨の通知でありネットワークトラブル情報を構成するネットワークトラブル通知、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報等を送信する。
さらに、通知部9は、医療機関等3に対して、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更を行う指示であり在庫設定変更情報を構成する在庫設定変更指示、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の期限切れに対する注意喚起であり期限切れ情報を構成する期限切れ商品注意喚起、より先に入庫された医薬品が先に出庫されているか否かに関する注意喚起であり先入先出情報を構成する先入れ先出し注意喚起、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品が適正温度を逸脱した旨の通知であり環境条件情報の一部である温度逸脱通知、ネットワークにトラブルが生じた旨の通知でありネットワークトラブル情報を構成するネットワークトラブル通知等を送信する。ここで、上記の情報(指示、通知、注意喚起、リスト等)は、通知部9から、定期的または自動的に送信されるようにしてもよい。また、上記の情報(通知)の送信形態は、電子メールを用いて各管理者が理解可能とした形態であってもよいし、データのみを送信する形態であってもよい。なお、通知部9は、本発明における管理情報提供手段に相当する。
次に、図8を用いて、本実施例におけるグループとしての医療機関等3について詳細に説明する。図8には、グループ30a〜グループ30dまでの4つのグループが記載されている。グループ30aは、一つのA医療機関3aから構成されている。A医療機関3aにはA冷蔵保管庫27aが備えられている。グループ30bは、B医療機関3b、C医療機関3c、D医療機関3dから構成されている。B医療機関3bにはB冷蔵保管庫27bが、C医療機関3cにはC冷蔵保管庫27cが、D医療機関3dにはD冷蔵保管庫27dが、各々備えられている。また、グループ30cは、E保険薬局3e、F保険薬局3f、G保険薬局3g、H保険薬局3hから構成されている。E保険薬局3eにはE冷蔵保管庫27eが、F保険薬局3fにはF冷蔵保管庫27fが、G保険薬局3gにはG冷蔵保管庫27gが、H保険薬局3hにはH冷蔵保管庫27hが、各々備えられている。さらに、グループ30dは、I居宅3i、J居宅3j、K居宅3k、L居宅3lから構成されている。I居宅3iにはI冷蔵保管庫27iが、J居宅3jにはJ冷蔵保管庫27fが、K居宅3kにはK冷蔵保管庫27kが、L居宅3lにはL冷蔵保管庫27lが、各々備えられている。
ここで、例えば、グループ30bにおけるB医療機関3bの冷蔵保管庫27bにおいて所定の医薬品5が不足しており、C医療機関3cの冷蔵保管庫27cにおいては、所定の医薬品5が予定どおり消費されず余剰の在庫があったとする。このような状態において、当該医薬品5の温度履歴から、B医療機関3bに移動して使用可能と判断された場合には、当該医薬品5はC医療機関3cから、B医療機関3bに移動される。その際、図5及び図6で説明した、医薬品の返品処理の流れに沿って、一旦流通業者2に、C医療機関3cから返品処理を行い、その後、流通業者2からB医療機関3bに通常の流れで納品しても構わない。このように、本実施例では、グループとしての医療機関等3全体として、医薬品5の無駄がなくなるように管理することができ、且つ、グループ内における各医療機関
3の在庫の要求を満たすことが可能となる。
上記のように、本実施例においては、情報管理装置8によって、所定のグループ毎に各医療機関等3における医薬品5の在庫の遠隔監視を行う。そして、所定のグループ毎や各医療機関等3単位、もしくは特定の地域単位における、医薬品5の一定期間の過去消費実績やマーケティングデータ(疾患別患者数、医薬品納入実績、疾病流行情報等)に基づき、在庫分析ロジックやAI(人口知能)システム等による発注点・設定数の見直しを行い、最新の発注点・設定数に基づいて自動発注/自動補充を行う。また、本実施例において
は、医薬品5の温度管理の状態を常にネットワークを経由して監視しており、医薬品5の返品/再販システムとも連動している。なお、この対応は24時間365日継続されるよ
うにしてもよい。また、本実施例において、費用請求は各医療機関等の請求締日単位で、医薬品5の払い出し時に行うようにしても構わない。また、上記において、情報管理装置8によって、医療機関等3から他の医療機関等3への医薬品5の移動数や、流通業者2から医療機関等3への医薬品の提供数は導出される。よって、情報管理装置8は本発明における数量導出手段に相当する。
また、本実施例においては、医療機関等3は、グループ30a〜30dの4つのグループを含んでいたが、グループの態様はこれに限られない。例えば、30a〜30dの4つのグループ全体を一のグループとして在庫管理しても構わないし、2つまたは3つのグループとして在庫管理しても構わない。また、医療機関等3のグループの形成は、情報管理装置8によって自動的または半自動的に行ってもよい。この場合、各医療機関等3の属する地域、自治体、医療圏等に基づいてグループを決定してもよいし、各医療機関等3どうしの経営形態、取引関係、技術協力関係等に基づいてグループを決定してもよい。さらに、医療機関と当該医療機関で治療を行っている患者の居宅等を同じグループとしても構わない。グループを自動的または半自動的に決定する場合の情報管理装置8は、本発明におけるグループ設定手段に相当する。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2では、医薬品メーカー、流通業者及び医療機関等の間における医薬品の流通において、グループとしての医療機関等に、病院や診療所等の医療機関及び保険薬局、また当該医療機関および保険薬局において治療を受けている患者の居宅等が含まれる場合について説明する。
図9には、本実施例における医薬品5の流通の態様が示されている。本実施例では、医薬品メーカー1、流通業者2及びグループとしての医療機関等3の間における医薬品5の流通の他に、グループ内の、医療機関または保険薬局3aと患者の居宅等3bの間を医薬品5が流通する。すなわち本実施例では、医療機関または保険薬局3aと、治療の為にそれらを利用する患者の居宅等3bとを含めてグループが形成されている。また、本実施例では、例えばがんや自己免疫疾患、血友病、関節リウマチ、骨粗しょう症、成長ホルモン分泌不全性低身長症やその他希少疾病や特定疾患等における自己注射薬等のように、在宅で患者自身またはその家族が直接医薬品5を自ら投与、管理する場合を想定している。この場合には、医薬品5は、例えば、より小単位に小分けされたものであってもよく、一枚、一錠または一本(バイアル、アンプル、シリンジ等の場合)等、または小分けされた複数種類の医薬品が複数個セットでパッケージになった形態であってもよい。
また、識別素子5aは、例えば小分けされた医薬品毎あるいは、小分けされたケース毎に取り付けられても良い。また、本実施例における保冷コンテナ36は、保冷コンテナ6、16と比較して、より小型のものであってもよい。読取センサ36aは、保冷コンテナ36に取り付けられていてもよい。また、保冷コンテナ36内に、小型ケース(不図示)を収納し、当該ケース内に小分けされた医薬品毎あるいは、小分けされたケースに医薬品
5をさらに収納することとし、読取センサ36aは当該小型ケースに設けることとしてもよい。
また、患者の居宅等における冷蔵保管庫37も、冷蔵保管庫7、17と比較してより小型のものであってもよい。読取センサ37aは、冷蔵保管庫37に取り付けられていてもよい。また、冷蔵保管庫37内に、小型ケース(不図示)を収納し、当該ケース内に小分けされた薬剤毎あるいは、小分けされたケース毎に医薬品5をさらに収納することとし、読取センサ37aは当該小型ケースに設けることとしてもよい。さらに、読取センサ37aは、小分けされた医薬品5の袋に設けてもよい。
本実施例においては、冷蔵保管庫37の読取センサ37a及び、温度センサ37bからの信号は、冷蔵保管庫サーバ8dに送信される。この冷蔵保管庫サーバ8dは、基幹サーバ8a及び中間サーバ8bと情報の授受が可能なように設けられている。また、保冷コンテナ36の読取センサ36a及び、温度センサ36bからの信号は、保冷コンテナサーバ8cに送信される。この保冷コンテナサーバ8cも、基幹サーバ8a及び中間サーバ8bと情報の授受が可能なように設けられている。
本実施例のような場合に、例えば、患者の居宅3bから流通業者2に直接医薬品5の納品や返品の要請が来るようなことはない。しかしながら、例えば、在宅患者の体調の急変や、医薬品5の破損、紛失、または品質劣化等の状況により、当該患者が治療の為に利用している医療機関または保険薬局3aから、患者に投与すべき医薬品5の緊急納品の要請が生じる場合がある。このような場合には、グループ内の他の医療機関または保険薬局3aの中に医薬品5が余剰しているところが無いか否かが確認され、医薬品5が余剰している医療機関または保険薬局3aがあった場合には、医薬品5が余剰している医療機関または保険薬局3aから、当該患者が治療の為に利用している医療機関または保険薬局3aへの医薬品5の移動が行われる。より具体的には、図5及び図6で説明した、医薬品の返品処理の流れに沿って、一旦流通業者2に、医薬品5が余剰している医療機関または保険薬局3aから返品処理を行い、その後、当該患者が治療の為に利用している医療機関または保険薬局3aに流通業者2から通常の流れで納品しても構わない。また、保険薬局3aが流通業者2の役割を自ら担う場合においては、患者の居宅3bから保険薬局3aに直接医薬品5の納品や返品の要請が来ることも想定され、この場合においては、流通業者2は医療機関や保険薬局3bに加え、患者の居宅3bを含めたグループとしての医薬品5の移動が実施できる。
一方、例えば、在宅患者の医薬品5の飲み忘れ等の状況により、当該患者が治療の為に利用している医療機関または保険薬局3aから流通業者2に対して、患者に投与すべき医薬品5が余剰になり返品の要請が生じる場合がある。このような場合には、グループ内の他の医療機関または保険薬局3aに、医薬品5が不足しているところが無いか否かが確認され、医薬品5が不足している医療機関または保険薬局3aがあった場合には、当該患者が治療の為に利用している医療機関または保険薬局3aから、医薬品5が不足している医療機関または保険薬局3aへの医薬品5の移動が行われる。より具体的には、図5及び図6で説明した、医薬品の返品処理の流れに沿って、一旦流通業者2に、当該患者が治療の為に利用している医療機関または保険薬局3aから返品処理を行い、その後、流通業者2から医薬品5が不足している医療機関または保険薬局3aに通常の流れで納品しても構わない。
また、本実施例においても、医薬品在庫管理システムは通知部9を有している。この通知部9により、医療機関または保険薬局3aまたは患者の居宅等3bに対して、残薬確認、副作用情報の収集、アドヒアランスの確認、製品情報(包装変更やリコール情報を含む)の提供等が行われる。本実施例における通知部9は、自動的に情報を医療機関または保
険薬局3aや患者の居宅等3bに発信するものであってもよいが、患者の求めに応じ、コールセンター業者より人為的に情報収集および提供を行うものであってもよい。例えば、コールセンターが用いられる場合には、残薬確認、副作用情報の収集、アドヒアランスの確認、製品情報(包装変更やリコール情報を含む)の提供等が、コールセンターから例えば患者の居宅等3bに電話やメール等により直接行われる。その際、コールセンターには、24時間365日体制で患者4の物理的、精神的な不安要素を緩和する相談機能を備えていてもよい。
なお、上記の実施例においては、医薬品5の管理に求められている環境条件が、医薬品5の周囲温度である例について説明したが、本発明は、医薬品5の管理に求められている環境条件が他の条件である場合に適用されてもよい。例えば、湿度、照度、衝撃、振動、気圧または、これらに温度を含めた条件の組合せを、医薬品5の管理に求められている環境条件とした場合に対し本発明を適用しても構わない。
また、上記の実施例における処理は、可能な限り、予め定められたプログラムに基づいて、上記した各サーバによってシステム的に自動処理されるようにしてもよいが、本発明は、図9の説明でも触れたように、上記の実施例に係る処理を人的資源によってマニュアルで実行する、方法としての発明をも含む趣旨である。
また、本明細書の説明においては、医薬品5が、抗がん剤、血友病治療剤、バイオ製剤、血漿分画製剤、ワクチン製剤、コンパニオン診断薬、希少疾病用製剤、再生医療等製品といった、スペシャリティ領域の医薬品である前提で説明を行ったが、本発明が適用される対象は、スペシャリティ領域以外の医薬品、医療材料、医療機器、検査試薬、治験薬に適用されてもよい。
また、本発明によって、医療機関は、医薬品医療機器法で定められた医薬品卸売販売業の免許を保有することができず、一度購入した医薬品5を他の医療機関等に再販売等を行い、処理できないという課題を解決することが可能となっている。このような場合に加え、本発明は、保険薬局等、医薬品卸売販売業の免許を取得できる医療機関等についても適用することが可能である。これにより、法律的な障害がない場合であっても、企業間における医薬品5の移動の制約(処理業務の負荷、システムの未整備、医薬品5の移動を受け入れる医療機関または保険薬局等が抱える品質担保がなされているかの不安等)を解消することでき、グループ・地域全体における医薬品の購買業務または在庫管理をより適切に行うことが可能となる。これによって、グループ・地域全体における余剰となり廃棄リスクのある医薬品5の処理の促進を図ることが可能となり、国が目指す地域包括ケアシステムにおける、グループ・地域単位の購買体制の構築促進に貢献できる。
1・・・医薬品メーカー
2・・・流通業者
2a・・・オペレーションセンター
2b・・・流通センター
3・・・医療機関等
3a〜3d・・・医療機関
3e〜3h・・・保険薬局
3i〜3l・・・居宅
4・・・患者
5・・・医薬品
5a・・・識別素子
6、16、36・・・保冷コンテナ
6a、16a、36a・・・読取センサ
6b、16b、36b・・・温度センサ
7、17、37・・・冷蔵保管庫
7a、17a、37a・・・読取センサ
7b、17b、37b・・・温度センサ
8・・・情報管理装置
8a・・・基幹サーバ
8b・・・中間サーバ
8c・・・保冷コンテナサーバ
8d・・・冷蔵保管庫サーバ
9・・・通知部
27a〜27l・・・冷蔵保管庫
30a〜30d・・・グループ

Claims (19)

  1. 医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
    前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
    前記保管環境検知手段及び前記保管状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断する判定手段と、を備え、
    前記判定手段は、前記医薬品がメーカーから出荷された後における、前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間および/または、前記環境条件から外れた程度に基づいて、前記医薬品の使用または移動の可否を判断する、医薬品在庫管理システムであって、
    前記環境維持保管手段、前記保管環境検知手段及び、前記保管状態検知手段は、所定のグループに属する複数の医療機関等に設置され、
    前記所定のグループに属する医療機関等において要求される在庫数及び、前記判定手段の判定内容に基づいて、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の在庫設定数、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の提供数および、前記グループに属する医療機関等の間における前記医薬品の移動数のうち少なくとも一つを導出する数量導出手段をさらに備えることを特徴とする、医薬品在庫管理システム。
  2. 前記グループに属する医療機関等に対して、前記医薬品の該グループ内における管理に関する情報を提供する管理情報提供手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品在庫管理システム。
  3. 前記管理情報提供手段は、前記グループに属する医療機関等に対して、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、在庫医薬品の期限切れ時期に関する情報である期限切れ情報、より先に入庫された医薬品が先に出庫されているか否かに関する情報である先入先出情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項1に記載の医薬品在庫管理システム。
  4. 前記管理情報提供手段は、前記グループに属する医療機関等に医薬品を提供する流通業者に対して、自動発注または自動補充を開始する旨の情報である自動補充情報、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、前記グループに属する医療機関等の間の医薬品の移動に関する情報であるグループ内移動情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の期限切れに関する情報である期限切れ情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項3に記載の医薬品在庫管理システム。
  5. 前記グループに属する前記医療機関等を設定するグループ設定手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  6. 前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
    前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、
    をさらに備え、
    前記判定手段は、前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  7. 前記判定手段は、前記医薬品がメーカーから出荷された後における、前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間が所定時間以下であり、且つ、前記環境条件から外れた程度が所定程度以下である場合に、前記医薬品の使用または移動を可能と判断することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  8. 前記判定手段は、前記保管環境検知手段により、前記医薬品の保管中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持保管手段により保管されていないとされた時間及び、前記運搬環境検知手段により、前記医薬品の運搬中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持運搬手段により運搬されていないとされた時間は、前記環境条件から外れた環境に晒された時間とすることを特徴とする、請求項6または7に記載の医薬品在庫管理システム。
  9. 前記医薬品に応じた環境条件は、前記医薬品の周囲温度が所定温度範囲であることであり、
    前記保管環境検知手段は、前記環境維持保管手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第1温度センサであり、
    前記運搬環境検知手段は、前記環境維持運搬手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第2温度センサであることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  10. 前記判定手段は、さらに、前記移動に係る医薬品の使用期限までの残存期間に基づいて、前記医薬品の移動の可否を判断することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  11. 前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段の少なくとも一部は、無線通信手段を有し、
    前記判定手段に対し、前記無線通信手段により、リアルタイムの情報を送信することを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  12. 医薬品の流通において、
    前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
    前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
    前記保管環境検知手段及び前記保管状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断する判定手段と、を備える医薬品在庫管理システムによる、医薬品在庫管理方法であって、
    前記環境維持保管手段、前記保管環境検知手段及び、前記保管状態検知手段は、所定のグループに属する複数の医療機関等に設置され、
    前記所定のグループに属する医療機関等において要求される在庫数及び、前記判定手段
    の判定内容に基づいて、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の在庫設定数、前記グループに属する医療機関等への前記医薬品の提供数および、前記グループに属する医療機関等の間における前記医薬品の移動数のうち少なくとも一つを導出することを特徴とする、医薬品在庫管理方法。
  13. 前記グループに属する医療機関等に対して、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、在庫医薬品の期限切れ時期に関する情報である期限切れ情報、より先に入庫された医薬品が先に出庫されているか否かに関する情報である先入先出情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項12に記載の医薬品在庫管理方法。
  14. 前記グループに属する医療機関等に医薬品を提供する流通業者に対して、自動発注または自動補充を開始する旨の情報である自動補充情報、既存および/または新規に設定された医薬品の在庫数の登録または変更に関する情報である在庫設定変更情報、前記グループに属する医療機関等の間の医薬品の移動に関する情報であるグループ内移動情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の期限切れに関する情報である期限切れ情報、医薬品のパッケージや包装単位の変更、製造中止、またはリコールに関する情報である流通情報、前記グループに属する医療機関等に保管中の医薬品の環境条件に関する情報である環境条件情報、ネットワークトラブルに関する情報であるネットワークトラブル情報、の少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項13に記載の医薬品在庫管理方法。
  15. 前記医薬品在庫管理システムは、前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
    前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、をさらに備え、
    前記保管環境検知手段、前記運搬環境検知手段、前記保管状態検知手段及び、前記運搬状態検知手段による検知情報から、前記医薬品の使用または移動の可否を判断することを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理方法。
  16. 前記医薬品がメーカーから出荷された後における、前記医薬品が前記環境条件から外れた環境に晒された時間が所定時間以下であり、且つ、前記環境条件から外れた程度が所定程度以下である場合に、前記医薬品の使用または移動を可能と判断することを特徴とする、請求項12から15のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理方法。
  17. 前記保管環境検知手段により、前記医薬品の保管中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持保管手段により保管されていないとされた時間及び、前記運搬環境検知手段により、前記医薬品の運搬中にも拘わらず前記医薬品が前記環境維持運搬手段により運搬されていないとされた時間は、前記環境条件から外れた環境に晒された時間とすることを特徴とする、請求項12から16のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理方法。
  18. 前記医薬品に応じた環境条件は、前記医薬品の周囲温度が所定温度範囲であることであり、
    前記保管環境検知手段は、前記環境維持保管手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第1温度センサであり、
    前記運搬環境検知手段は、前記環境維持運搬手段における前記医薬品の周囲温度を検知する第2温度センサであることを特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理方法。
  19. 前記判定手段は、さらに、前記移動に係る医薬品の使用期限までの残存期間と、医薬品のパッケージや包装単位の変更または製造中止またはリコールに関する情報である流通情報の、少なくともいずれか一方に基づいて、前記医薬品の移動の可否を判断することを特徴とする、請求項12から18のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理方法。
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