JP2018030965A - アミロース誘導体及びそれを含有する光学異性体用分離剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学異性体の分離能に優れる、光学異性体用分離剤に好適な新規なアミロース誘導体、及びそれを含む光学異性体用分離剤の提供。【解決手段】式(I)で表される構成単位を有するアミロース誘導体を含む光学異性体用分離剤。(式中、R1は置換、非置換のフェニル基を表す)【選択図】なし
Description
本発明は光学異性体の分離に有用なアミロース誘導体及びそれを含有する光学異性体用分離剤に関する。
セルロースやアミロース等の多糖が有する水酸基を種々の置換基で修飾してなる多糖誘導体は、クロマトグラフィーのキラル固定相として高い光学分割能を有することが知られており、これまでに多くの種類の多糖誘導体が合成されている。
このような光学異性体用分離剤に有用な多糖誘導体の合成例としては、例えば、トリチルクロライドなどによる多糖の6位の水酸基の保護、脱保護の過程を経ることで、2位、3位、6位を区別して置換基を導入する合成例が存在する(非特許文献1)。
しかし、多糖の水酸基の置換において、反応性の似た2位と3位を区別して置換させることは難しかった。これについて、最近では2位と3位に異なる置換基を導入したセルロース誘導体(3−アリルセルロース、3−メチルセルロース、3−メチル−2,6−アセチルセルロース)を合成した例が報告されている(非特許文献2)。
しかし、多糖の水酸基の置換において、反応性の似た2位と3位を区別して置換させることは難しかった。これについて、最近では2位と3位に異なる置換基を導入したセルロース誘導体(3−アリルセルロース、3−メチルセルロース、3−メチル−2,6−アセチルセルロース)を合成した例が報告されている(非特許文献2)。
しかしながら、多糖としてアミロースを用い、その2位と6位に同じ種類の置換基を導入する一方で、アミロースの3位にはそれらと異なる置換基を導入した誘導体については知られていない。
Bull.Chem.Soc.Jpn.,66, 2225−2232,1993
Macromol.Biosci 1, 49−54, 2001
J.Chromatogr.A 363, 173−186, 1986
Chirality 9, 63−68,1997
Chem.Lett. 9, 1857−1860,1987
本発明は、光学異性体の分離能に優れる、光学異性体用分離剤に好適な新規なアミロース誘導体、及びそれを含む光学異性体用分離剤を提供する。
本発明は、以下の式(I)で表される構成単位を有するアミロース誘導体を提供する。
以下の式(I)で表される構成単位を有するアミロース誘導体は、アミロースの2位及び6位の水酸基が同一の置換基で置き換えられ、アミロースの3位の水酸基が2位及び6位の置換基とは異なる置換基で置き換えられている。
(式(I)中、R1は以下の構造式1〜3のいずれかで表される置換基であり、R2は以下の構造式a〜gのいずれかで表される置換基であり、2つのR2は同一の置換基である。ただし、R1とR2は異なる置換基であり、R1が構造式3で表される置換基のとき、R2が構造式cで表される置換基の組合せを除く。)
以下の式(I)で表される構成単位を有するアミロース誘導体は、アミロースの2位及び6位の水酸基が同一の置換基で置き換えられ、アミロースの3位の水酸基が2位及び6位の置換基とは異なる置換基で置き換えられている。
また、本発明は式(I)で表されるアミロース誘導体を製造するための方法として、アミロースの構成単位が有する2位及び6位の水酸基を保護基で保護する2位及び6位の保護工程と、2位及び6位が保護された前記構成単位が有する3位の水酸基を下記式(II−1)で表される第二の置換基で修飾する3位修飾工程と、3位が修飾された前記構成単位における2位及び6位の保護基を外す2位及び6位の脱保護工程と、保護基が外された2位及び6位の水酸基又はアミノ基を、下記式(II−2)で表される第一の置換基(ただし、式II−1のR3と式II−2のR4は異なる置換基である)で修飾する2位及び6位の修飾工程とを含むアミロース誘導体の製造方法を提供する。
また本発明は、前記多糖誘導体を含有する光学異性体用分離剤を提供する。
また本発明は、前記式(I)で表される構成単位において、R1が前記構造式1で表される置換基であるとき、R2が構造式a、b、e、fのいずれかで表される置換基であるか、前記式(I)で表される構成単位において、R1が前記構造式2で表される置換基であるとき、R2が構造式a、c、d、e、gのいずれかで表される置換基であるか、前記式(I)で表される構成単位において、R1が前記構造式3で表される置換基であるとき、R2が構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基である場合、光学異性体の分離能に優れる、光学異性体用分離剤に好適なアミロース誘導体を提供する観点からより一層効果的である。
また本発明は、前記アミロース誘導体を含有する光学異性体用分離剤を提供することから、光学異性体の分離能に優れる、光学異性体用分離剤に好適なアミロース誘導体を含む光学異性体用分離剤を提供することができる。
本発明のアミロース誘導体は、式(I)で表されるように、アミロースの2位及び6位と、アミロースの3位の水酸基の水原子が互いに異なる置換基で置換されている構成単位を有する。
本発明において、構造式1〜3と、構造式a〜gに記載されているアスタリスク(*)は、アミロースの水酸基の水素と置換する位置を示すものである。
アミロースの数平均重合度(1分子中に含まれるピラノース又はフラノース環の平均数
)は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、特に上限はないが、1000以下であることが取り扱いの容易さの点で好ましく、より好ましくは5〜1000、更に好ましくは10〜1000、特に好ましくは10〜500である。
)は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、特に上限はないが、1000以下であることが取り扱いの容易さの点で好ましく、より好ましくは5〜1000、更に好ましくは10〜1000、特に好ましくは10〜500である。
本発明のアミロース誘導体は、前記式(I)で表される構成単位の水酸基が−CO−NH−Rで置換されている。
アミロースの3位では、RはR1で表され、アミロースの2位及び6位では、RはR2で表される。
R1とR2は異なる置換基であり、二つのR2は同一の置換基であり、本発明では、R1が構造式3で表される置換基のとき、R2が構造式cで表される置換基の組合せを除く。
アミロースの3位では、RはR1で表され、アミロースの2位及び6位では、RはR2で表される。
R1とR2は異なる置換基であり、二つのR2は同一の置換基であり、本発明では、R1が構造式3で表される置換基のとき、R2が構造式cで表される置換基の組合せを除く。
前記式(I)で表される構成単位において、R1及びR2で表される置換基による光学分割能の効果が得られる範囲であれば、前記構成単位において該当する位置の水酸基の全てにおいて置き換えられていなくてもよい。前記式(I)で表される構成単位において、R1及びR2で表される置換基の、本発明のアミロース誘導体への導入率は、70〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましく、100%が特に好ましい。
なお、前記導入率(%)は以下のように定義される。すなわち、本発明のアミロース誘導体において、前記式で表される置換基を前記構成単位における水酸基に置き換えたものとしたときの前記構成単位の水酸基の総数に対する、本発明のアミロース誘導体における前記式で表される置換基の総数の割合である。導入率は、置換基の種類及び結合位置の一方又は両方を識別できるNMRや元素分析等の公知の分析方法を利用して求めることができ、また置換基の種類又は置換基の結合位置に応じて求めることができる。
前記導入率は、例えば、本発明のアミロース誘導体において、前記式で表される置換基を水酸基のみに置き換えた場合には、置換後のアミロースの総水酸基数に対する前記R1及びR2で表される置換基で表される置換基の数の比率に100を乗じた数値である。
式(I)で表される構成単位において、R1が構造式1で表される置換基のとき、R2は構造式a、b、e、fのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式a、e、fのいずれかで表される置換基がより好ましく、構造式aで表される置換基が特に好ましい。
式(I)で表される構成単位において、R1が構造式2で表される置換基のとき、R2は構造式a、c、d、e、gのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式c、eのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式cで表される置換基であることが特に好ましい。
式(I)で表される構成単位において、R1が構造式3で表される置換基のとき、R2は構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式a、dのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式aで表される置換基であることが特に好ましい。
なお、分離すべきラセミ体の種類と、アミロース誘導体のR1とR2の置換基の種類に応じて、各ラセミ体の分離挙動は異なるので、分離対象とするラセミ体の種類に応じてR1とR2の置換基の種類を選択することができる。
式(I)で表される構成単位において、R1が構造式2で表される置換基のとき、R2は構造式a、c、d、e、gのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式c、eのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式cで表される置換基であることが特に好ましい。
式(I)で表される構成単位において、R1が構造式3で表される置換基のとき、R2は構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式a、dのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式aで表される置換基であることが特に好ましい。
なお、分離すべきラセミ体の種類と、アミロース誘導体のR1とR2の置換基の種類に応じて、各ラセミ体の分離挙動は異なるので、分離対象とするラセミ体の種類に応じてR1とR2の置換基の種類を選択することができる。
式(I)で表される構成単位において、R1とR2は異なる置換基で置換されている。
したがって、R1が構造式1で表される置換基であるとき、R2が構造式dで表される置換基である組合せ、R1が構造式2で表される置換基であるとき、R2が構造式fで表される置換基である組合せ、R1が構造式3で表される置換基であるとき、R2が構造式gで表される置換基である組合せは本発明からは除かれる。
したがって、R1が構造式1で表される置換基であるとき、R2が構造式dで表される置換基である組合せ、R1が構造式2で表される置換基であるとき、R2が構造式fで表される置換基である組合せ、R1が構造式3で表される置換基であるとき、R2が構造式gで表される置換基である組合せは本発明からは除かれる。
本発明のアミロース誘導体は、以下の方法で製造することができる。
すなわち、アミロースの構成単位が有する2位及び6位の水酸基を保護基で保護する2位及び6位の保護工程と、2位及び6位が保護された前記構成単位が有する3位の水酸基を下記式(II−1)で表される第一の置換基で修飾する3位修飾工程と、3位が修飾された前記構成単位における2位及び6位の保護基を外す2位及び6位の脱保護工程と、保護基が外された2位及び6位の水酸基を、下記式(II−2)で表される第二の置換基で修飾する2位及び6位の修飾工程とを含む方法によって本発明のアミロース誘導体を製造することができる。
すなわち、アミロースの構成単位が有する2位及び6位の水酸基を保護基で保護する2位及び6位の保護工程と、2位及び6位が保護された前記構成単位が有する3位の水酸基を下記式(II−1)で表される第一の置換基で修飾する3位修飾工程と、3位が修飾された前記構成単位における2位及び6位の保護基を外す2位及び6位の脱保護工程と、保護基が外された2位及び6位の水酸基を、下記式(II−2)で表される第二の置換基で修飾する2位及び6位の修飾工程とを含む方法によって本発明のアミロース誘導体を製造することができる。
上記式(II−1)と(II−2)において、R3が構造式1で表される置換基であるとき、R4が構造式dで表される置換基である組合せ、R3が構造式2で表される置換基であるとき、R4が構造式fで表される置換基である組合せ、R3が構造式3で表される置換基であるとき、R4が構造式gで表される置換基である組合せを除く。
前記2位及び6位の保護工程は、例えば非特許文献2に記載の方法を用いて行うことができる。具体的には、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)とLiCl塩化リチウムの混合物(100℃程度)に溶解させ、イミダゾール(2位及び6位の水酸基の2.4当量程度)とTMDS−Cl(テキシルジメチルシリルクロリド:2位及び6位の水酸基の2当量程度)をその溶液(100℃程度)に段階的に滴下させ、24時間程度反応を行
わせる方法を挙げることができる。
これにより、アミロースの2位及び6位の水酸基が、テキシルジメチルシリル基で置換される。
わせる方法を挙げることができる。
これにより、アミロースの2位及び6位の水酸基が、テキシルジメチルシリル基で置換される。
2位及び6位の保護工程の後に、2位及び6位が保護された前記構成単位が有する3位の水酸基を、前記式(II−1)で表される第一の置換基で修飾する3位修飾工程を含む。
前記第一の置換基による3位の水酸基の修飾は、前記式(II−1)で表される置換基による修飾を行わせるために、適当な溶剤等を用いて前記式(II−1)で表される構造を有するイソシアネートとアミロースの3位の水酸基とを適当な条件(例えば、80℃程度のピリジン中)で反応させることによって行うことができる。
これにより、アミロースの3位の水酸基を前記式(II−1)で表される第一の置換基で置換することができる。
前記第一の置換基による3位の水酸基の修飾は、前記式(II−1)で表される置換基による修飾を行わせるために、適当な溶剤等を用いて前記式(II−1)で表される構造を有するイソシアネートとアミロースの3位の水酸基とを適当な条件(例えば、80℃程度のピリジン中)で反応させることによって行うことができる。
これにより、アミロースの3位の水酸基を前記式(II−1)で表される第一の置換基で置換することができる。
3位が修飾された前記構成単位における2位及び6位の保護基を外す2位及び6位の脱保護工程としては、2位及び6位が保護基で修飾され、3位が前記式(II−1)で表される置換基で修飾されているアミロースを、適当な溶媒(例えばTHF)に分散させ、その溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF:50℃程度)を加えて24時間程度反応させる工程を挙げることができる。
次に、保護基が外された2位及び6位の水酸基を、前記式(II−2)で表される第二の置換基で修飾する2位及び6位の修飾工程としては、3位修飾工程と同様に、前記式(II−2)で表される置換基による修飾を2位及び6位に対して行わせるために、適当な溶剤等を用いて、前記式(II−2)で表される構造を有するイソシアネートとアミロースの2位及び6位の水酸基とを適当な条件(例えば、80℃程度のピリジン中、14時間程度)で反応させることによって行うことができる。
これにより、アミロースの3位の水酸基を前記式(II−2)で表される第二の置換基で置換することができる。
これにより、アミロースの3位の水酸基を前記式(II−2)で表される第二の置換基で置換することができる。
前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式1で表される置換基である場合、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4が構造式a、b、e、fのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式a、e、fのいずれかで表される置換基がより好ましく、構造式aで表される置換基が特に好ましい。
前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式2で表される置換基である場合、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4が構造式a、c、d、e、gのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式c、eのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式cで表される置換基であることが特に好ましい。
前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式3で表される置換基である場合、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4は構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式a、dのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式aで表される置換基であることが特に好ましい。
前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式2で表される置換基である場合、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4が構造式a、c、d、e、gのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式c、eのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式cで表される置換基であることが特に好ましい。
前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式3で表される置換基である場合、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4は構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基であることが好ましく、構造式a、dのいずれかで表される置換基であることがより好ましく、構造式aで表される置換基であることが特に好ましい。
本発明の光学異性体用分離剤は、前述した本発明のアミロース誘導体を含有する。本発明の光学異性体用分離剤は、本発明のアミロース誘導体のみから構成されていてもよいし、シリカゲル等の担体と、この担体に担持される本発明のアミロース誘導体とから構成されていてもよいし、またカラム管に一体的に収容される一体型の形態であってもよいし、カラム管に充填される粒子の形態であってもよい。本発明の光学異性体用分離剤は、本発明のアミロース誘導体を用いる以外は、アミロース誘導体を含有する公知の光学異性体用
分離剤と同様に作製され得る。
分離剤と同様に作製され得る。
より具体的には、本発明のアミロース誘導体を担体に担持させるか、又は前記アミロース誘導体自体を破砕、又は公知の方法により球状粒子化(例えば、特開平7−285889号公報)することにより光学異性体用分離剤を作製することができる。なお、ここでいう担持とは、担体上に前記アミロース誘導体が固定化されていることである。担持する方法には公知の担持方法を適用することができ、前記アミロース誘導体と担体との間の物理的な吸着、前記アミロース誘導体と担体との間の化学結合、前記アミロース誘導体同士の化学結合、前記アミロース誘導体及び担体の一方又は両方と第三成分との化学結合、前記アミロース誘導体への光照射、ラジカル反応等の方法を適用することができる(例えば、特開平6−93002号公報参照)。
担体としては、多孔質有機担体及び多孔質無機担体が挙げられ、多孔質無機担体を用いることが好ましい。多孔質担体の平均孔径は1nm〜100μmが好ましく、5nm〜5μmがより好ましい。多孔質有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート等からなる高分子物質であり、多孔質無機担体として適当なものは、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイトなどである。また、上記多孔質無機担体の形態としては、粒子状の担体だけでなく、有機無機複合体のように網目状になった無機系担体や、特開2005−17268号公報又は特開2006−150214号公報等に記載の、カラム管に保持され得る円柱状の一体型無機系担体も含まれる。
特に好ましい担体はシリカゲルであり、シリカゲルの粒径は1μm〜1mm、好ましくは1μm〜300μm、更に好ましくは1μm〜100μmである。また、担体は、前記多糖誘導体との親和性を良くしたり、担体自身の表面の特性を改質するための処理を施したものを用いても良い。表面処理の方法としては有機シラン化合物によるシラン化処理やプラズマ重合による表面処理方法がある。担体上への前記アミロース誘導体の担持量は、光学異性体用分離剤100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、更に5〜60質量部が好ましく、特に10〜40質量部が望ましい。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの例に限定されない。
[合成例] アミロース誘導体(1a−g、2a−g、3a−g)の合成
アミロースの2位及び6位と3位の位置特異的なフェニルカルバメート基による置換を行った。その方法は非特許文献2に記載の方法に従った。
具体的な反応の順序は以下に示すとおりである。
アミロースの2位及び6位と3位の位置特異的なフェニルカルバメート基による置換を行った。その方法は非特許文献2に記載の方法に従った。
具体的な反応の順序は以下に示すとおりである。
アミロースの2位及び6位を選択的に保護するために、アミロース3.0gをDMAc(ジメチルアセトアミド)とLiCl(塩化リチウム)の混合物(100℃)に溶解させ、イミダゾール(2位及び6位の水酸基の2.4当量)とTMDS−Cl(2位及び6位の水酸基の2当量)をその溶液(100℃)に段階的に滴下した。
そして、反応を24時間継続させ、アミロースの2位及び6位の水酸基を選択的にテキシルジメチルシリルエーテル(thexyldimethylsilyl ether)で保護した。
反応混合物を、大過剰のリン酸緩衝溶液(250mLの蒸留水中に1.79gのK2HPO4と0.89gのKH2PO4が溶解)に添加した。
得られた沈殿生成物をエタノールと水で十分に洗浄した後、不溶成分として生成物を得た(収率:80〜100%)。
得られた2,6−ジ−O−テキシルジメチルシリルアミロースを、フェニルイソシアネート、4−クロロフェニルイソシアネートまたは3,5−ジクロロフェニルイソシアネートと、80℃のピリジン中で反応させ、アミロースの3位の水酸基を、それぞれ対応するフェニルカルバメート基に置換した。メタノール不溶成分として得た生成物の収率は85〜100%であった。
続いて、得られた2,6−ジ−O−テキシルジメチルシリル−3−(フェニルカルバモイル、4−クロロフェニルカルバモイルまたは3,5−ジクロロフェニルカルバモイル)アミロースをTHFに分散させ、テトラブチルアンモニウム フルオリド トリハイドレート(tetrabutylammonium fluoride trihydrate: TBAF)(THFに対して20重量%、
触媒として)加え、混合物を24時間、50℃で撹拌し、テキシルジメチルシリルエーテル基を脱保護した。
そして、再生したアミロースの2位及び6位の水酸基を、過剰のフェニルイソシアネート、4−クロロフェニルイソシアネートまたは3,5−ジクロロフェニルイソシアネートと80℃で14時間反応させることで、それぞれのフェニルカルバメートに置換した。
上記の操作により、18種類のアミロース誘導体1a−g、2a−g、3a−gを、メタノール不溶成分として得た(収率は85〜100%であった)。
得られた18種類のアミロース誘導体は以下のR1とR2の組み合わせのうち、R1とR2が同じものを除いたものである。
そして、反応を24時間継続させ、アミロースの2位及び6位の水酸基を選択的にテキシルジメチルシリルエーテル(thexyldimethylsilyl ether)で保護した。
反応混合物を、大過剰のリン酸緩衝溶液(250mLの蒸留水中に1.79gのK2HPO4と0.89gのKH2PO4が溶解)に添加した。
得られた沈殿生成物をエタノールと水で十分に洗浄した後、不溶成分として生成物を得た(収率:80〜100%)。
得られた2,6−ジ−O−テキシルジメチルシリルアミロースを、フェニルイソシアネート、4−クロロフェニルイソシアネートまたは3,5−ジクロロフェニルイソシアネートと、80℃のピリジン中で反応させ、アミロースの3位の水酸基を、それぞれ対応するフェニルカルバメート基に置換した。メタノール不溶成分として得た生成物の収率は85〜100%であった。
続いて、得られた2,6−ジ−O−テキシルジメチルシリル−3−(フェニルカルバモイル、4−クロロフェニルカルバモイルまたは3,5−ジクロロフェニルカルバモイル)アミロースをTHFに分散させ、テトラブチルアンモニウム フルオリド トリハイドレート(tetrabutylammonium fluoride trihydrate: TBAF)(THFに対して20重量%、
触媒として)加え、混合物を24時間、50℃で撹拌し、テキシルジメチルシリルエーテル基を脱保護した。
そして、再生したアミロースの2位及び6位の水酸基を、過剰のフェニルイソシアネート、4−クロロフェニルイソシアネートまたは3,5−ジクロロフェニルイソシアネートと80℃で14時間反応させることで、それぞれのフェニルカルバメートに置換した。
上記の操作により、18種類のアミロース誘導体1a−g、2a−g、3a−gを、メタノール不溶成分として得た(収率は85〜100%であった)。
得られた18種類のアミロース誘導体は以下のR1とR2の組み合わせのうち、R1とR2が同じものを除いたものである。
[キラル固定相の作製]
上記の18種類のアミロース誘導体について、非特許文献3の記載に従い、各0.35gをTHF(8mL)に溶解し、アミノプロピルシランで処理したシリカゲル(1.40g)にコーティングした。シリカゲルはワイドポアシリカゲル(平均粒径7μm、平均孔径100nm: Daiso gel SP-1000)であった。
各シリカゲルを、ステンレススチール製のカラム(25×0.20cm i.d.)にスラリー法によって充填した。
各充填カラムの理論段数はベンゼン(ヘキサン/2−プロパノール(90/10,v/v))を溶離液として用い、流速を0.1mL/minとした)に対して1800〜2800であった。
デッドタイム(t0)は1,3,5−トリ−ブチルベンゼンを非保持化合物として用い
て算出した。
上記の18種類のアミロース誘導体について、非特許文献3の記載に従い、各0.35gをTHF(8mL)に溶解し、アミノプロピルシランで処理したシリカゲル(1.40g)にコーティングした。シリカゲルはワイドポアシリカゲル(平均粒径7μm、平均孔径100nm: Daiso gel SP-1000)であった。
各シリカゲルを、ステンレススチール製のカラム(25×0.20cm i.d.)にスラリー法によって充填した。
各充填カラムの理論段数はベンゼン(ヘキサン/2−プロパノール(90/10,v/v))を溶離液として用い、流速を0.1mL/minとした)に対して1800〜2800であった。
デッドタイム(t0)は1,3,5−トリ−ブチルベンゼンを非保持化合物として用い
て算出した。
クロマトグラフィーを用いて行う試験については、UV−Vis(JASCO UV−2070)と、円二色性(JASCO CD−2095)測定装置を備えたJASCO PU−2089クロマトグラフ装置を用いて室温で行った。
ラセミ体の溶液(3mg/mL)を、インテリジェントサンプラー(JASCO AS−2055)に注入した。
80℃、ピリジン−d5中における1H−NMRスペクトル(500MHz)は、Bruker−500スペクトロメーター(Bruker,USA)で測定した。
熱重量分析(TGA)については、TGA Q50装置(TA,USA)を用いて行った。
ラセミ体の溶液(3mg/mL)を、インテリジェントサンプラー(JASCO AS−2055)に注入した。
80℃、ピリジン−d5中における1H−NMRスペクトル(500MHz)は、Bruker−500スペクトロメーター(Bruker,USA)で測定した。
熱重量分析(TGA)については、TGA Q50装置(TA,USA)を用いて行った。
[1H−NMR分析と、熱重量分析の結果]
アミロース1f(3位が前記構造式1の置換基で置換され、2位及び6位が前記構造式fにより置換されたもの。以下同様に命名する)の1H−NMR分析の結果を図1に示す。アミロース誘導体1fに特有のピークが見られた。
その他のアミロース誘導体についても1H−NMR分析を行い、それぞれの構造の確認を同様に行った。
アミロース誘導体のいくつかの種類について、元素分析の結果を以下の表1に示す。その結果、理論値と実測値の間で良い整合が取れていた。
アミロース1f(3位が前記構造式1の置換基で置換され、2位及び6位が前記構造式fにより置換されたもの。以下同様に命名する)の1H−NMR分析の結果を図1に示す。アミロース誘導体1fに特有のピークが見られた。
その他のアミロース誘導体についても1H−NMR分析を行い、それぞれの構造の確認を同様に行った。
アミロース誘導体のいくつかの種類について、元素分析の結果を以下の表1に示す。その結果、理論値と実測値の間で良い整合が取れていた。
[HPLCによるラセミ体の分離結果と考察]
以下の4−13で示す10種類のラセミ体を、上記で作製したアミロース誘導体をコーティングした充填剤を用いたHPLCにより分析した。
以下の4−13で示す10種類のラセミ体を、上記で作製したアミロース誘導体をコーティングした充填剤を用いたHPLCにより分析した。
図2は、トランス−スチルベンオキサイド(上記の5)についてアミロース誘導体1fをコーティングした充填剤を用いて分離して得られたクロマトグラムである。エナンチオマーは保持時間t1とt2のそれぞれに分離された。デッドタイム(t0)は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンを用いた結果、8.28分であった。
保持係数(k1'((t1-t0)/t0)と、k2'((t2-t0)/t0))は、それぞれ0.33と1.15で
あり、分離係数α(k2'/k1')は3.48であった。図2から明らかなように、ラセミ体
5は十分に分離されていた。
保持係数(k1'((t1-t0)/t0)と、k2'((t2-t0)/t0))は、それぞれ0.33と1.15で
あり、分離係数α(k2'/k1')は3.48であった。図2から明らかなように、ラセミ体
5は十分に分離されていた。
ラセミ体4−13について、上記のアミロース誘導体1a−g、2a−g、3a−gをコーティングして得た充填剤を用いて分離した結果を表2〜4にまとめた。
HPLCの条件は各表に記載の通りである。
なお、いずれの表にも、Chiralpak AD(アミロース トリス(3,5−ジメチルフェニ
ルカルバメート))をキラルセレクターとして用いた充填剤を使用して各ラセミ体を分離
した結果を示している。
表の左から右に向かうにつれ、置換基の電子吸引効果が高くなっている。
HPLCの条件は各表に記載の通りである。
なお、いずれの表にも、Chiralpak AD(アミロース トリス(3,5−ジメチルフェニ
ルカルバメート))をキラルセレクターとして用いた充填剤を使用して各ラセミ体を分離
した結果を示している。
表の左から右に向かうにつれ、置換基の電子吸引効果が高くなっている。
<アミロース誘導体1a−gについて(1dは参考例)>
アミロース誘導体の1a−gを用いた充填剤により各ラセミ体を分離して得た結果を以下の表2にまとめた。
アミロース誘導体の1a−gを用いた充填剤により各ラセミ体を分離して得た結果を以下の表2にまとめた。
アミロース誘導体の1a−gにおいて、1a(2,6−ビス(3−メチルフェニルカルバメート)が、各ラセミ体に対して最も良い光学分割能を示していた。特にラセミ体4、5、6、10、12、13の分離が良かった。このことは、電子供与体である3−メチルフェニルカルバメートが2位及び6位に位置し、3位にフェニルカルバメートが位置する
ものが、ラセミ体13のようなキラル薬物の認識に効果的であることを示している。
ラセミ体10に対しては、アミロース誘導体1aと1eを用いた充填剤が良い分離結果をもたらした。このことは、メタ位の2位及び6位に芳香族環であるフェニルカルバメート基を導入したことが寄与したのかもしれない。
その他のアミロース誘導体1についても、各ラセミ体に対して良好な分離能を示していた。特に、Chiralpak ADを用いた場合にはラセミ体9の分離ができなかったが、アミロース誘導体1bは、ラセミ体9の分離能に優れていた。
ものが、ラセミ体13のようなキラル薬物の認識に効果的であることを示している。
ラセミ体10に対しては、アミロース誘導体1aと1eを用いた充填剤が良い分離結果をもたらした。このことは、メタ位の2位及び6位に芳香族環であるフェニルカルバメート基を導入したことが寄与したのかもしれない。
その他のアミロース誘導体1についても、各ラセミ体に対して良好な分離能を示していた。特に、Chiralpak ADを用いた場合にはラセミ体9の分離ができなかったが、アミロース誘導体1bは、ラセミ体9の分離能に優れていた。
<アミロース誘導体2a−gについて(2fは参考例)>
アミロース誘導体2a−gは、4−クロロフェニルカルバメートがアミロースの3位に導入されたものである。
これらを用いた充填剤による各ラセミ体の分離結果を以下の表3にまとめた。
アミロース誘導体2a−gは、4−クロロフェニルカルバメートがアミロースの3位に導入されたものである。
これらを用いた充填剤による各ラセミ体の分離結果を以下の表3にまとめた。
アミロース誘導体2a、2c、2d、2eは5つのラセミ体に対して良好な分離能を示した。しかし、アミロース誘導体の種類に応じて、各ラセミ体の分離に差異がみられた。例えば、ラセミ体8は2cで分離が見られた。ラセミ体9については2aと2dで分離が見られた。アミロース誘導体2c(2,6−ビス(3,5−ジメチルフェニルカルバメー
ト)は、特にラセミ体4−8、12に対して比較的高い分離能を示した。
ラセミ体5の分離結果を示すクロマトグラムを図3に示す。
これらの結果から、フェニル基における電子吸引基の存在の有無が、分離に影響を及ぼしていると考えられる。
ラセミ体13を最も良く分離したのは、アミロース誘導体2eであった。
ト)は、特にラセミ体4−8、12に対して比較的高い分離能を示した。
ラセミ体5の分離結果を示すクロマトグラムを図3に示す。
これらの結果から、フェニル基における電子吸引基の存在の有無が、分離に影響を及ぼしていると考えられる。
ラセミ体13を最も良く分離したのは、アミロース誘導体2eであった。
<アミロース誘導体3a−gについて(3gは参考例)>
アミロース誘導体3a−gは、アミロースの3位に3,5−ジクロロフェニルカルバメートが導入され、2位及び6位に電子供与基あるいは電子吸引基が導入されたものである。これらを用いた充填剤による各ラセミ体の分離結果を以下の表4にまとめた。
アミロース誘導体3a−gは、アミロースの3位に3,5−ジクロロフェニルカルバメートが導入され、2位及び6位に電子供与基あるいは電子吸引基が導入されたものである。これらを用いた充填剤による各ラセミ体の分離結果を以下の表4にまとめた。
アミロース誘導体3a、3b、3d、及び3eを用いた充填剤は、5つまたは6つのラセミ体に対して良好な分離能を示した。
ラセミ体6、10、13に対して高い分離能を有していたのはアミロース誘導体3aを用いたものであった。ラセミ体9に対して高い分離能を有していたのはアミロース誘導体
3bであった。ラセミ体12と13に対して高い分離能を有していたのはアミロース誘導体3eであった。Chiralpak ADで分離できなかったラセミ体9は、アミロース誘導体3b、3d、3eを用いた充填剤により分離できた。プロプラノルオール(13)の分離ができたのは、アミロース誘導体3aと3eであった。
アミロース誘導体3c(3,5−ジメチル基)を用いた充填剤では、ラセミ体4と5に対して良好な分離能を有していた。
アミロース誘導体3a−fについて、ラセミ体4、6、9、10に対して、Chiralpak ADよりも良好な分離能を有するものも見られた。
ラセミ体6、10、13に対して高い分離能を有していたのはアミロース誘導体3aを用いたものであった。ラセミ体9に対して高い分離能を有していたのはアミロース誘導体
3bであった。ラセミ体12と13に対して高い分離能を有していたのはアミロース誘導体3eであった。Chiralpak ADで分離できなかったラセミ体9は、アミロース誘導体3b、3d、3eを用いた充填剤により分離できた。プロプラノルオール(13)の分離ができたのは、アミロース誘導体3aと3eであった。
アミロース誘導体3c(3,5−ジメチル基)を用いた充填剤では、ラセミ体4と5に対して良好な分離能を有していた。
アミロース誘導体3a−fについて、ラセミ体4、6、9、10に対して、Chiralpak ADよりも良好な分離能を有するものも見られた。
アミロース誘導体1a−g、2a−g,3a−gを用いた充填剤において、ラセミ体6、12の保持係数k1'が他のラセミ体に対して高かったことは、アミロース誘導体のフェ
ニルカルバメート基と、これらのラセミ体と間の相互作用が強かったことを意味し、2位及び6位のフェニルカルバメート基上の置換基の影響をあまり受けないかもしれないことを意味している。
ニルカルバメート基と、これらのラセミ体と間の相互作用が強かったことを意味し、2位及び6位のフェニルカルバメート基上の置換基の影響をあまり受けないかもしれないことを意味している。
本発明のアミロース誘導体は、光学異性体用分離剤に用いたときに、既存の光学異性体用分離剤と同程度かそれ以上の実用性を有しており、さらには光学分割対象のラセミ体によっては既存の光学異性体用分離剤よりも高い光学分割能を示す。したがって、本発明のアミロース誘導体及び光学異性体用分離剤は、既存の光学異性体用分離剤では分離が不十分であった光学異性体の分離の可能性を有しており、例えばそのような光学異性体が用いられる新薬の開発に利用することができる。
Claims (9)
- 前記式(I)で表される構成単位において、R1が前記構造式1で表される置換基であり、R2が構造式a、b、e、fのいずれかで表される置換基である、請求項1に記載のアミロース誘導体。
- 前記式(I)で表される構成単位において、R1が前記構造式2で表される置換基であり、R2が構造式a、c、d、e、gのいずれかで表される置換基である、請求項1に記載のアミロース誘導体。
- 前記式(I)で表される構成単位において、R1が前記構造式3で表される置換基であ
り、R2が構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基である、請求項1に記載のアミロース誘導体。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミロース誘導体から構成される、光学異性体用分離剤。
- 前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式1で表される置換基であり、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4が構造式a、b、e、fのいずれかで表される置換基である、請求項6に記載のアミロース誘導体の製造方法。
- 前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式2で表される置換基であり、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4が構造式a、c、
d、e、gのいずれかで表される置換基である、請求項6に記載のアミロース誘導体の製造方法。 - 前記式(II−1)で表される第一の置換基において、R3が構造式3で表される置換基であり、前記式(II−2)で表される第二の置換基において、R4は構造式a、b、d、e、fのいずれかで表される置換基である、請求項6に記載のアミロース誘導体の製造方法。
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JP2016165637A JP2018030965A (ja) | 2016-08-26 | 2016-08-26 | アミロース誘導体及びそれを含有する光学異性体用分離剤 |
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---|---|---|---|---|
CN112480275A (zh) * | 2019-09-11 | 2021-03-12 | 中国科学院理化技术研究所 | 一种改性纳米纤维素及其制备方法和应用 |
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- 2017-03-29 US US15/472,831 patent/US9901902B1/en active Active
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CN112480275B (zh) * | 2019-09-11 | 2022-04-22 | 中国科学院理化技术研究所 | 一种改性纳米纤维素及其制备方法和应用 |
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