JP2018030906A - 改質天然ゴムの製造方法 - Google Patents

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タラチウィン ルクサナポーン
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Abstract

【課題】少ない製造工程でも、低燃費性及び耐熱老化性に優れた改質天然ゴムを製造できる改質天然ゴムの製造方法を提供する。【解決手段】天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1と、ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄する工程2と、塩基性化合物で処理する工程3とを含む改質天然ゴムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、改質天然ゴムの製造方法に関する。
天然ゴムはタイヤ、ベルト、ロール等の工業用品類からテニスボール等のスポーツ用品類にいたる多くの分野で使用されている。一般にゴム製品は使用中に圧縮−回復−伸長が繰り返され、損失エネルギーが蓄積して発熱が生じ、この熱がゴムの疲労を促進してゴム製品の寿命を短くする原因となる。上記発熱は、損失正接tanδで表されるエネルギー損失が大きいほど大きくなる。また、たとえばタイヤの場合、ころがり抵抗は50〜70℃におけるtanδの大小に左右されることが経験的に知られており、tanδが大きいと発熱が大きくなるばかりでなく、ころがり抵抗も大きくなって、自動車の燃費が悪化するという問題もある。従って、省燃費タイヤのトレッドの場合は、50〜70℃におけるtanδが小さいことが望ましい。
ゴム組成物のtanδを低くする方法として、天然ゴム中のタンパク質やリン脂質を除去し、これらに由来する窒素やリンの含有量を低減させる方法が考えられており、例えば、特許文献1には、ケン化天然ゴムラテックスから得られた凝集ゴムを塩基性化合物で処理し、更に酸性化合物で処理する方法が記載されている。
特開2012−149134号公報
ケン化処理を行って凝集したゴムにおいて、その後の洗浄工程は非常に重要であり、充分な洗浄がなされないとタンパク質やリン脂質を充分に除去できず、優れた低燃費性を発揮できない。そこで、繰り返しの洗浄が必要になり、製造工程が長くなるという問題があった。また、ケン化によって耐熱老化性が低下するが、耐熱老化性の改善も不十分であった。
本発明は、前記課題を解決し、少ない製造工程でも、低燃費性及び耐熱老化性に優れた改質天然ゴムを製造できる改質天然ゴムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1と、ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄する工程2と、塩基性化合物で処理する工程3とを含む改質天然ゴムの製造方法に関する。
前記工程3は、塩基性化合物で処理した後に、更に洗浄するものであることが好ましい。
前記工程3で得られた凝集ゴムを酸性化合物で処理する工程4を含むことが好ましい。
前記塩基性化合物は、塩基性無機化合物であることが好ましい。
本発明によれば、天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1と、ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄する工程2と、塩基性化合物で処理する工程3とを含む改質天然ゴムの製造方法であるので、少ない製造工程でも、低燃費性及び耐熱老化性に優れた改質天然ゴムを製造できる。
〔改質天然ゴムの製造方法〕
本発明は、天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1と、ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄する工程2と、塩基性化合物で処理する工程3とを含む改質天然ゴムの製造方法に関する。
本発明の方法では、ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄し、更に塩基性化合物で処理することにより、残存しているタンパク質やリン脂質を充分に除去できるので、低燃費性に優れた改質天然ゴムが得られる。また、ケン化によりタンパク質などの天然の老化防止剤成分が除去されることで、耐熱老化性の低下等の問題があるが、塩基性化合物での処理の前に洗浄することにより、その問題を解決でき、耐熱老化性に優れた改質天然ゴムが得られる。
特に、塩基性化合物での処理の前に、天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄処理することにより、少ない製造工程でも、タンパク質やリン脂質、ケン化処理に用いたアルカリ等の薬品、凝集剤等を効率的に除去することができ、低燃費性及び耐熱老化性に優れた改質天然ゴムが得られる。
(工程1)
工程1では、天然ゴムラテックスをケン化処理する。これにより、リン脂質やタンパク質が分解される。
天然ゴムラテックスはヘベア樹などの天然ゴムの樹木の樹液として採取され、ゴム分のほか水、タンパク質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。本発明では、天然ゴムラテックスとして、ヘベア樹をタッピングして出てくる生ラテックス(フィールドラテックス)、あるいは遠心分離法やクリーミング法によって濃縮した濃縮ラテックス(精製ラテックス、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックス、亜鉛華とTMTDとアンモニアによって安定化させたLATZラテックスなど)を使用できる。
ケン化処理の方法としては、例えば、特開2010−138359号公報、特開2010−174169号公報に記載の方法により好適に行うことができ、具体的には下記方法などで実施できる。
ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することで実施でき、必要に応じて撹拌などを行っても良い。
ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましい。界面活性剤としては特に限定されず、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などの公知のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられるが、ゴムを凝固させず良好にケン化できるという点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好適である。ケン化処理において、アルカリ及び界面活性剤の添加量、ケン化処理の温度及び時間は、適宜設定すればよい。
(工程2)
工程2では、前記工程1で得られたケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄する。
凝集方法としては、ギ酸、酢酸、硫酸などの酸を添加してpHを調整し、必要に応じて高分子凝集剤を添加する方法などが挙げられる。これにより、大きな凝集塊ではなく、直径数mm〜20mm程度の粒状ゴムが形成され、塩基性化合物処理によりタンパク質などが充分に除去される。上記pHは、好ましくは3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜4.5の範囲に調整される。
高分子凝集剤としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩の重合体などのカチオン性高分子凝集剤、アクリル酸塩の重合体などのアニオン系高分子凝集剤、アクリルアミド重合体などのノニオン性高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩−アクリル酸塩の共重合体などの両性高分子凝集剤などが挙げられる。高分子凝集剤の添加量は、適宜選択できる。
次いで、得られた凝集ゴムに対して、水等による洗浄処理が行われる。
洗浄方法としては、例えば、ゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離する方法、静置してゴムを浮かせ、水相のみを排出してゴム分を取り出す方法が挙げられる。洗浄回数は、ケン化処理に用いたアルカリ等の薬品、凝集剤等を所望量に低減することが可能な任意の回数を採用できるが、乾燥ゴム300gに対して水1000mLを加えて撹拌した後に脱水するという洗浄サイクルを繰り返す手法なら、1回(1サイクル)以上が好ましく、2回(2サイクル)以上がより好ましい。洗浄回数の上限は特に限定されず、回数が多いほど、良好な洗浄効果が得られるが、本発明は、少ない洗浄回数でも所望のゴムの製造が可能となる製法であるため、生産性の点、更には工程の増加に見合った低燃費性や耐熱老化性の改善効果も見られないという点から、5回(5サイクル)以下が好ましく、3回(3サイクル)以下がより好ましい。
(工程3)
工程3では、前記工程2で得られた凝集ゴムに対して、塩基性化合物による処理が施される。これにより、凝集ゴム中に強く付着したタンパク質などを充分に除去でき、良好な低燃費性が得られる。ここで、塩基性化合物としては特に限定されないが、タンパク質などの除去性能の点から、塩基性無機化合物が好適である。
塩基性無機化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの金属水酸化物;アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩などの金属炭酸塩;アルカリ金属炭酸水素塩などの金属炭酸水素塩;アルカリ金属リン酸塩などの金属リン酸塩;アルカリ金属酢酸塩などの金属酢酸塩;アルカリ金属水素化物などの金属水素化物;アンモニアなどが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ金属酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが挙げられる。
なかでも、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、アンモニアが好ましく、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アンモニアが好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアが更に好ましく、炭酸ナトリウムが特に好ましい。上記塩基性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
凝集ゴムを塩基性化合物で処理する方法は、凝集ゴムを上記塩基性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを塩基性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに塩基性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。塩基性化合物の水溶液は、各塩基性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の塩基性化合物の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。0.1質量%未満では、タンパク質を充分に除去できないおそれがある。該含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。10質量%を超えると、多量の塩基性化合物が必要なわりにタンパク質分解量が増えるわけではなく、効率が悪い傾向がある。
上記処理温度は適宜選択すればよいが、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。また、処理時間は、通常、1分以上であり、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。1分未満であると、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。上限に制限はないが、生産性の点から、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは16時間以下である。
工程3は、塩基性化合物で処理した後に、更に洗浄するものであることが好ましい。このような工程は、例えば、先ず、塩基性化合物の処理に使用した該化合物の溶液を公知の方法で除去した後、更に洗浄することにより実施できる。これにより、凝集時にゴム内に閉じ込められたタンパク質などの非ゴム成分をより除去できると同時に、凝集ゴムの表面だけでなく、内部に存在する塩基性化合物も除去することが可能となる。特に、当該洗浄工程でゴム全体に残存する塩基性化合物をより除去することにより、必要に応じて行われる後述の酸性化合物による処理をゴム全体に充分に施すことが可能となる。洗浄方法としては、工程2における洗浄方法と同様の方法を適用できる。
工程3における洗浄処理の合計回数は、特に限定されないが、工程2と同様の洗浄サイクルを繰り返す手法なら、1回(1サイクル)以上が好ましく、2回(2サイクル)以上がより好ましい。工程2の洗浄工程と同様の理由で、洗浄回数の上限は特に限定されないが、同様の観点から、5回(5サイクル)以下が好ましく、3回(3サイクル)以下がより好ましい。
(工程4)
塩基性化合物で処理された後、凝集ゴムは酸性化合物で処理されることが好ましい。工程3の塩基性化合物の処理に起因して耐熱老化性が低下する傾向があるが、更に酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、より良好な耐熱老化性が得られる。
酸性化合物としては特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ほう酸、ボロン酸、スルファニル酸、スルファミン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸などの有機酸などが挙げられる。なかでも、酢酸、硫酸、ギ酸などが好ましい。上記酸性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
凝集ゴムを酸で処理する方法は、凝集ゴムを上記酸性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを酸性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに酸性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。酸性化合物の水溶液は、各酸性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の酸性化合物の含有量は特に限定されないが、下限は好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、上限は好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。該含有量が上記範囲内であると、良好な耐熱老化性が得られる。
上記処理温度は適宜選択すればよいが、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。また、処理時間は、通常、好ましくは3秒以上であり、より好ましくは10秒以上、更に好ましくは30秒以上である。3秒未満であると、充分に中和できず、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。上限に制限はないが、生産性の点から、好ましくは24時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下である。
酸性化合物の水溶液への浸漬などの処理では、pHを6以下に調整することが好ましい。このような中和により、優れた耐熱老化性が得られる。該pHの上限は、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。下限は特に限定されないが、酸が強すぎるとゴムが劣化したり、廃水処理が面倒になるため、好ましくは2以上、より好ましくは3以上である。
酸性化合物の処理に使用した該化合物を除去した後、必要に応じて洗浄処理が行われる。洗浄処理としては、工程2における洗浄方法を適用できる。洗浄処理終了後、乾燥することにより、本発明の改質天然ゴムが得られる。
また、本発明の製造方法中の洗浄処理の合計回数は、特に限定されないが、工程2と同様の洗浄サイクルを繰り返す手法なら、1回(1サイクル)以上が好ましく、2回(2サイクル)以上がより好ましい。工程2の洗浄工程と同様の理由で、洗浄回数の上限は特に限定されないが、同様の観点から、7回(7サイクル)以下が好ましく、5回(5サイクル)以下がより好ましい。
〔改質天然ゴム〕
上記製法で得られた改質天然ゴム(HPNR)のリン含有量は、好ましくは200ppm以下、より好ましくは150ppm以下、更に好ましくは130ppm以下である。200ppmを超えると、tanδが上昇する傾向があり、低燃費性を改善できないおそれがある。
改質天然ゴムは、アセトン中に室温(25℃)下で48時間浸漬した後の窒素含有量が0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.08質量%以下であることが更に好ましい。0.2質量%を超えると、低燃費性の改善効果を充分に得られないおそれがある。上記窒素含有量は、アセトン抽出によりゴム中の老化防止剤を除去した後の測定値を意味する。
なお、リン含有量、窒素含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
改質天然ゴムは、80℃で24時間老化させた後のムーニー粘度変化率(老化後のムーニー粘度/老化前のムーニー粘度×100)(%)が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
なお、ムーニー粘度変化率は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
フィールドラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックス
エマールE−27C(界面活性剤):花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
Wingstay L(老化防止剤):ELIOKEM社製のWingstay L(ρ−クレゾールとジシクロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
エマルビンW(界面活性剤):LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
タモールNN9104(界面活性剤):BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
Van gel B(界面活性剤):Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
ギ酸:和光純薬工業(株)製のギ酸
アロンフロックC312:MTアクアポリマー(株)製の強カチオン性高分子凝集剤(ポリメタアクリル酸エステル系)
<実施例及び比較例>
(老化防止剤分散体の調製)
水 462.5gにエマルビンW 12.5g、タモールNN9104 12.5g、Van gel B 12.5g、Wingstay L 500g(合計1000g)をボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製した。
(実施例1)
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整した。そして、pH調整後に攪拌しながら高分子凝集剤(アロンフロックC312)1gを0.1%溶液として添加し、凝集させた。得られた凝集物を取り出し、水1000mlを加え2分間撹拌し、ゴム分と水が分離するまで精置し、水を容器下部から除去した(洗浄処理1)。これに2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlを加えて撹拌し、常温で4時間浸漬した後、水を容器下部から除去した(塩基性化合物処理)。その後、水1000mlを加え2分間撹拌し、ゴム分と水が分離するまで精置し、水を容器下部から除去した。この作業を2回繰り返した(洗浄処理2)。その後水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間撹拌し、ゴム分と水が分離するまで精置し、水を容器下部から除去した(酸性化合物処理)。これを70℃で8時間乾燥して固形ゴムを得た。
(実施例2)
洗浄処理2において作業を3回繰り返した点以外は、実施例1と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(実施例3)
洗浄処理1において作業を2回繰り返し、洗浄処理2において作業を1回実施した点以外は、実施例1と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(実施例4)
洗浄処理1において作業を2回繰り返した点以外は、実施例1と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(実施例5)
酸性化合物処理を実施しなかった点以外は、実施例4と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(実施例6)
塩基性化合物をアンモニアに変更した点以外は、実施例4と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(比較例1)
洗浄処理1を実施せず、洗浄処理2において作業を6回繰り返した点以外は、実施例1と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(比較例2)
洗浄処理1を実施しなかった点以外は、実施例2と同様の条件で、固形ゴムを得た。
(比較例3)
洗浄処理1を実施せず、洗浄処理2において作業を4回繰り返した点以外は、実施例1と同様の条件で、固形ゴムを得た。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた固形ゴムについて、下記により評価し、結果を表1に示した。
<窒素含有量の測定>
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
(測定)
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。
窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
<リン含有量の測定>
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
<耐熱老化性>
老化前後における各固形ゴムのムーニー粘度を、JIS K 6300に準じて100℃で測定し、耐熱老化性を求めた。老化処理は、各ゴムを10cm角にカットし、80℃で24時間オーブン中に保管することにより行った。
なお、耐熱老化性は、ムーニー粘度変化率(老化後のムーニー粘度/老化前のムーニー粘度×100)(%)で表した。値が大きいほど、耐熱老化性が優れていることを示す。
Figure 2018030906
表1より、実施例1〜6は、塩基性化合物処理の前に洗浄処理1を実施することにより、洗浄処理1を実施していない比較例1よりも少ない処理回数で、比較例1とほぼ同等の窒素含有量、リン含有量を得ることができ、さらに比較例1よりも優れた耐熱老化性を得ることができた。
また、比較例2、3の結果から、塩基性化合物処理の前に洗浄処理1を実施せず、処理回数が少ない場合は、窒素含有量、リン含有量が増加し、耐熱老化性も大幅に悪化した。

Claims (4)

  1. 天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1と、
    ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを洗浄する工程2と、
    塩基性化合物で処理する工程3とを含む改質天然ゴムの製造方法。
  2. 前記工程3は、塩基性化合物で処理した後に、更に洗浄するものである請求項1記載の改質天然ゴムの製造方法。
  3. 前記工程3で得られた凝集ゴムを酸性化合物で処理する工程4を含む請求項1又は2記載の改質天然ゴムの製造方法。
  4. 前記塩基性化合物は、塩基性無機化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の改質天然ゴムの製造方法。
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