JP2016108369A - 天然ゴムの処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 固形状の天然ゴムの臭気を簡便に低減し、かつ、耐熱老化性等の物性も低下させない天然ゴムの処理方法を提供する。【解決手段】 脱蛋白処理されていない固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる塩基処理工程を含み、前記塩基性溶液が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、及びアンモニアからなる群より選択される少なくとも1種の塩基性無機物並びに界面活性剤を含む溶液であることを特徴とする天然ゴムの処理方法。【選択図】なし
Description
本発明は、天然ゴムの処理方法に関する。
ゴム業界で使用されている天然ゴム(NR)は、熱帯地方で栽培されるヘベア・ブラジリエンシスと呼ばれるゴムノキから採取された樹液(ラテックス)を固形化したものである。固形化する方法としては、ギ酸等の酸で凝固、シート化、乾燥して製造する方法や、ゴム農園においてラテックス採取用のカップの中で自然に凝固させたり、カップに酸を添加して凝固させたりして得られたカップランプを粉砕、洗浄を繰り返し、乾燥後プレスして製造する方法などがある。
上述のような方法にて製造されることから、天然ゴムはポリイソプレン成分以外にタンパク質、脂質、糖等の非ゴム成分を多く含有している。そのため、乾燥の前段階での貯蔵期間中にこれらの成分が腐敗し、悪臭の原因となっている。特にカップランプに関しては非ゴム成分を非常に多く含有し、農園での貯蔵、加工所での貯蔵・輸送期間などから貯蔵期間が長く、臭気の問題が生じ易い。しかしながら、製造のし易さ、コストの面からタイヤ用途では近年カップランプを原材料とした天然ゴムが非常に多く使用されている。天然ゴムの腐敗臭は天然ゴムの加工工場はもちろん、タイヤ等のゴム製品の製造工場においても、工場の作業環境の悪化、工場周辺の環境への影響など問題になっている。
このような天然ゴムの臭気の問題を解決するために、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素、界面活性剤を添加し反応させて、腐敗の原因の1つであるタンパク質を除去することで臭気を低減させる方法や(例えば、特許文献1参照)、天然ゴムラテックスから天然ゴムを濃縮精製する際に生じるしょう液に無機塩と蛋白質分解酵素を添加して微粒子天然ゴムを調製することでゴム臭を低減する方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
また、特許文献3には、天然ゴム製造時の乾燥温度を低下させることで臭気を低減させる方法が開示されている。その他、天然ゴムラテックスの凝固物を水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液といったアルカリ溶液に浸漬することで、臭気成分を低減する方法も開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。
上述のように、天然ゴムの臭気を除去すべく種々検討が行われているが、例えば、特許文献1、2のように、蛋白質分解酵素処理により天然ゴムラテックスやしょう液からタンパク質を除去する方法は、ラテックスやしょう液といった液状の原料を用いる場合にしか適用できず、カップランプのような固形状の天然ゴムに関しては臭気低減することができない。また、特許文献3のように、天然ゴム製造時の乾燥温度を低下させる方法では、天然ゴム加工所での生産性が低下し、臭気改善と生産性向上を両立させることができない。他方、特許文献4、5のように、凝固ゴムを水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液といった強アルカリ溶液で処理する方法では、臭気は低減できるが、本発明者らの検討の結果、処理後の乾燥中にゴムの劣化等が起こることが判明し、臭気低減と天然ゴム特性維持を両立させることができないことが分かった。
このように、容易に入手できる固形状の天然ゴムを簡便に臭気低減し、かつ物性も保持できる技術はまだ存在していなかった。
このように、容易に入手できる固形状の天然ゴムを簡便に臭気低減し、かつ物性も保持できる技術はまだ存在していなかった。
本発明は、前記課題を解決し、固形状の天然ゴムの臭気を簡便に低減し、かつ、耐熱老化性等の物性も低下させない天然ゴムの処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、脱蛋白処理されていない固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる塩基処理工程を含み、前記塩基性溶液が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、及びアンモニアからなる群より選択される少なくとも1種の塩基性無機物並びに界面活性剤を含む溶液である天然ゴムの処理方法に関する。
上記塩基性無機物は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記処理方法は、上記塩基処理工程により得られる塩基処理天然ゴムのpHを2〜7に調整するpH調整工程を更に含むことが好ましい。
本発明によれば、脱蛋白処理されていない固形状の天然ゴムを、特定の塩基性無機物及び界面活性剤を含む塩基性溶液に接触させる塩基処理工程を含む天然ゴムの処理方法であるので、固形状の天然ゴムの臭気を簡便に低減でき、かつ、耐熱老化性等の物性も低下させずに維持することができる。
本発明の天然ゴムの処理方法は、脱蛋白処理されていない固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる塩基処理工程を含む。本発明の処理方法は、上記工程を含む限り後述するpH調整工程や洗浄工程等その他の工程を含んでいてもよく、また、各工程は1回行われてもよいし、複数回繰り返し行われてもよい。
本発明において処理される固形状の天然ゴムは、脱蛋白処理されていないものである。すなわち、本発明において処理される固形状の天然ゴムとしては、脱蛋白処理されていない天然ゴムラテックスを凝固させた凝固物であれば特に制限されない。当該脱蛋白処理とは、例えば、水酸化ナトリウム等の強アルカリや蛋白質分解酵素を用いた蛋白質の分解処理を表し、よって、本発明において用いられる固形状の天然ゴムとは、このような蛋白質の分解処理を施されていない天然ゴムラテックスを凝固させた凝固物である。そのような固形状の天然ゴムとしては、例えば、天然ゴムラテックスをギ酸等の酸で凝固させたラテックス凝固ゴム、カップランプ、トリーレース、未燻製シート(アンスモークトシート:USS)、カップランプをフィールドラテックスで固めたもの(スラブ)、TSRとして加工後のもの、又はこれらの混合品等が挙げられる。これらの中でも、上記固形状の天然ゴムが、カップランプ、及び、未燻製シート(アンスモークトシート:USS)からなる群より選択される少なくとも1種であること、更には、非ゴム成分を多く含有し、貯蔵期間が長くなる傾向にあることから、上記固形状の天然ゴムがカップランプであること、もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記固形状の天然ゴムにおいて、窒素含有量は0.20質量%以上が好ましく、0.25質量%以上がより好ましく、0.30質量%以上が更に好ましい。本発明において処理される固形状の天然ゴムは、脱蛋白処理されていないものであるため、少なくとも窒素分を0.20質量%以上含むものである。窒素含有量は、例えば、ケルダール法など、従来の方法で測定できる。窒素は、蛋白質に由来するものである。
天然ゴムラテックスは、ヘベア樹などのゴムノキの樹液として採取され、ゴム分のほか水、タンパク質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。天然ゴムラテックスとして、ヘベア樹をタッピングして出てくる生ラテックス(フィールドラテックス)、遠心分離法やクリーミング法によって濃縮した濃縮ラテックス(精製ラテックス、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックス、亜鉛華とTMTDとアンモニアによって安定化させたLATZラテックスなど)などを使用できる。
上記カップランプとしては、天然ゴムを採取するカップに天然ゴムラテックスが溜まり、それが微生物による非ゴム成分の分解で生じる脂肪酸によって自然に凝固した天然ゴム、又は、予め天然ゴムラテックスを凝固させる機能を有する薬品をカップに入れておき、強制的に素早く凝固させた天然ゴムなどが挙げられる。上記天然ゴムラテックスを凝固させる機能を有する薬品としては、そのような機能を有するものであれば特に限定されず、例えば、硫酸、ギ酸、塩酸、酢酸などの酸、カルシウムイオンなどの陽イオンやそれらの塩類、メタノール、エタノールなどの有機溶剤などが挙げられる。
また、本発明において処理される固形状の天然ゴムの形状としては、特に限定されず、シート状、ブロック状、顆粒状といったように、ゴムの製法や用途に応じて選択することができる。脱臭効果、及び最終的な乾燥効率の観点からは、厚みが3cm以下のシート状が好ましく、その厚みは2cm以下であることがより好ましく、1cm以下であることが更に好ましく、5mm以下が最も好ましい。シート状以外の形態では、最も長い一辺が30cm以下のブロック状であることが好ましく、20cm以下がより好ましく、10cm以下が更に好ましく、1cm以下が特に好ましい。上記適度な大きさの固形状天然ゴムは、大きな形状の固形状天然ゴムを粉砕及び/又は切断することによって得られる。
上記塩基処理工程は、天然ゴムラテックスが凝固してから2週間以内に行うことが好ましく、1週間以内がより好ましく、3日以内が特に好ましい。これにより、保管時の腐敗による臭気発生を効果的に防止することができる。他方、天然ゴムラテックス凝固後、長期保管して、腐敗が進み臭気が多く発生してしまった固形状の天然ゴムに対しても、本発明の処理方法は臭気低減効果を発揮することができる。
なお、天然ゴムの臭気は、天然ゴムの非ゴム成分であるタンパク質、脂質、糖などが貯蔵中に腐敗することで、臭気の原因物質である低級脂肪酸が発生することが原因と考えられる。
なお、天然ゴムの臭気は、天然ゴムの非ゴム成分であるタンパク質、脂質、糖などが貯蔵中に腐敗することで、臭気の原因物質である低級脂肪酸が発生することが原因と考えられる。
上記塩基処理工程において、固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる方法としては、例えば、固形状の天然ゴムに塩基性溶液を塗布したり、スプレー、シャワーなどにより噴霧したり、固形状の天然ゴムを塩基性溶液に浸漬したりすることによって行うことができるが、脱臭効果、効率の観点から、固形状の天然ゴムを塩基性溶液に浸漬する方法が好ましい。
上記固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる方法として、固形状の天然ゴムを塩基性溶液に浸漬する方法を採用する場合には、塩基性溶液中に固形状の天然ゴムを放置しておくことによっても実施できるが、更に、浸漬時に、撹拌及び/又はマイクロ波照射を行うと、脱臭効果がより促進され好ましい。
このように、上記塩基処理工程が、マイクロ波を照射して行われることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
このように、上記塩基処理工程が、マイクロ波を照射して行われることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記塩基処理工程における、固形状の天然ゴムと塩基性溶液との接触時間としては、特に限定されないが、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、30分以上が更に好ましく、3時間以上が特に好ましい。5分未満であると、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。固形状の天然ゴムと塩基性溶液との接触時間の上限は、塩基性溶液のpH、濃度にも依存するため、特に規定されないが、生産性の観点から、48時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましく、16時間以下が更に好ましい。
上記塩基処理工程における、固形状の天然ゴムと塩基性溶液との接触温度(処理温度)としては、特に限定されないが、例えば、10〜50℃とすることが好ましく、15〜35℃がより好ましい。なかでも、室温(20〜30℃)が特に好ましい。
上記塩基性溶液は、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、及びアンモニアからなる群より選択される少なくとも1種の塩基性無機物並びに界面活性剤を含有する溶液である。固形状の天然ゴムと接触させる塩基性溶液としてこのような塩基性溶液を用いることで、臭気成分を中和、除去することができ、これにより固形状の天然ゴムの臭気を低減することが可能となり、かつ、耐熱老化性等の物性も低下させずに維持することも可能となる。特に、上記塩基性無機物と共に界面活性剤を含めることにより、固形状の天然ゴム内部の臭気原因成分を抽出しやすくしたり、固形状の天然ゴム内部に塩基性無機物を浸透させやすくしたりすることが可能となり、臭気成分の中和、除去が効率的に行われる。
上記塩基性溶液としては、上記塩基性無機物及び界面活性剤を含有する水溶液、上記塩基性無機物及び界面活性剤を含有するアルコール溶液等が挙げられるが、上記塩基性無機物及び界面活性剤を含有する水溶液が好ましい。
なお、上記塩基性溶液は、上記塩基性無機物及び界面活性剤を水、アルコール等の溶媒で希釈、溶解することで調製することができる。
上記塩基性溶液としては、上記塩基性無機物及び界面活性剤を含有する水溶液、上記塩基性無機物及び界面活性剤を含有するアルコール溶液等が挙げられるが、上記塩基性無機物及び界面活性剤を含有する水溶液が好ましい。
なお、上記塩基性溶液は、上記塩基性無機物及び界面活性剤を水、アルコール等の溶媒で希釈、溶解することで調製することができる。
上記塩基性無機物は、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、及びアンモニアからなる群より選択される少なくとも1種である。
上記金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられる。
上記金属炭酸水素塩としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられる。
上記金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属リン酸塩等が挙げられる。
これら塩基性無機物としては、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられる。
上記金属炭酸水素塩としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられる。
上記金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属リン酸塩等が挙げられる。
これら塩基性無機物としては、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記塩基性無機物としては、なかでも、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、アンモニアが好ましく、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アンモニアがより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが更に好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
このように、上記塩基性無機物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
このように、上記塩基性無機物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記塩基性溶液における上記塩基性無機物の濃度としては、上記塩基性溶液100質量%中、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、1.0質量%以上が特に好ましい。0.1質量%未満であると、臭気成分を充分に中和、除去できないおそれがある。また、該濃度としては、上記塩基性溶液100質量%中、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、3.0質量%以下が特に好ましい。20質量%を超えると、多量の塩基性無機物が必要なわりに臭気成分の減少量が増えず、コストに見合った効率が得られない傾向にある。また、処理後のゴム物性(耐熱老化性等)が低下するおそれがある。
上記界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種を使用することができる。上記陰イオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の陰イオン性界面活性剤が挙げられる。
上記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂質エステル系、アルキルポリグリコシド系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の両性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、陰イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
これら界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂質エステル系、アルキルポリグリコシド系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の両性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、陰イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
これら界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩を好適に使用できる。なお、これらの塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩など)、アンモニウム塩、アミン塩(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩)などが挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が特に好ましい。
これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が特に好ましい。
上記アルキル硫酸エステル塩としては、高級アルキル硫酸エステル塩(高級アルコール硫酸エステル塩)が好適であり、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。また、アルキル硫酸エステル塩におけるアルキル基の炭素数は10〜20が好ましく、10〜16がより好ましい。上記アルキル硫酸エステル塩の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸カリウムなどが挙げられる。なかでも、タンパク質量などの低減効果に優れるという理由から、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、アミン塩、ナトリウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。上記炭素数は10〜14が好ましい。また、オキシエチレン基の平均重合度は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。なかでも、タンパク質量などの低減効果に優れるという理由から、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
上記アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられ、アルカリ金属塩が好適である。上記アルキルベンゼンスルホン酸塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、カルシウム塩などが挙げられる。なかでも、タンパク質量などの低減効果に優れるという理由から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
上記アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、モノ、ジ又はトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、モノ、ジ又はトリイソプロピルナフタレンスルホン酸カリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩が挙げられる。なかでも、タンパク質量などの低減効果に優れるという理由から、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
上記脂肪酸塩としては、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩が好適であり、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。上記脂肪酸塩の具体例としては、オレイン酸、ステアリン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、リノール酸、2−エチルヘキサン酸、2−オクチルウンデカン酸などのナトリウム塩、カリウム塩;やし油、パーム油、ヒマシ油、パーム核油、牛脂などから誘導される混合脂肪酸などのナトリウム塩、カリウム塩(ヒマシ油カリウム石けんなど)などが挙げられる。なかでも、タンパク質量などの低減効果に優れるという理由から、オレイン酸カリウム石けんが好ましい。
上記塩基性溶液における上記界面活性剤の濃度としては、上記塩基性溶液100質量%中、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。0.01質量%未満であると、臭気成分を充分に中和、除去できないおそれがある。また、該濃度としては、上記塩基性溶液100質量%中、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましく、0.3質量%以下が最も好ましい。5質量%を超えると、多量の界面活性剤が必要なわりに臭気成分の減少量が増えず、コストに見合った効率が得られない傾向にある。
上記固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる塩基処理工程の後、得られる処理済み天然ゴムの表面上に残存する塩基性溶液を洗浄する工程を行うのが好ましい。
上記洗浄工程は、塩基処理工程を行った結果得られる処理済み天然ゴム(「塩基処理天然ゴム」ともいう。)の表面上に残存する塩基性溶液を洗浄、除去することができれば、その方法は特に制限されないが、例えば、処理済み天然ゴムを水浴に静置して浮かせ、水相のみを排出して天然ゴムを取り出す方法などが挙げられる。
本発明の天然ゴムの処理方法は、上記塩基処理工程により得られる塩基処理天然ゴムのpHを2〜7に調整するpH調整工程を更に含むことが好ましい。すなわち、本発明においては、上記塩基性溶液による処理の後、必要に応じて上記洗浄工程を行った後で、更に得られた処理済み天然ゴムのpHを2〜7に調整して脱臭処理天然ゴムを得ることもまた好適な実施形態の1つである。なかでも、調整されるpHの範囲としては、3〜6が好ましく、4〜6がより好ましい。このような範囲内に塩基処理天然ゴムのpHを調整することで、脱臭効果を長期持続させることができ、耐熱老化性の低下をより防止することができる。
なお、上記pHは、上記塩基処理天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出して、該浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である。
ここで、上記抽出については、超音波洗浄器などで1時間抽出してもゴム内部から完全に水溶性成分を抽出することはできないため、正確に内部のpHを知ることはできないが、上記マイクロ波を用いた抽出方法により抽出することで、処理後の天然ゴムの実体(pH)を知ることができる。
なお、上記pHは、上記塩基処理天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出して、該浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である。
ここで、上記抽出については、超音波洗浄器などで1時間抽出してもゴム内部から完全に水溶性成分を抽出することはできないため、正確に内部のpHを知ることはできないが、上記マイクロ波を用いた抽出方法により抽出することで、処理後の天然ゴムの実体(pH)を知ることができる。
上記pH調整工程において、塩基処理天然ゴムのpHを2〜7に調整する方法としては、特に制限されないが、例えば、塩基処理天然ゴムを酸性雰囲気下に曝したり、塩基処理天然ゴムに酸性化合物及び/又は酸性溶液を塗布したり、塩基処理天然ゴムに酸性化合物及び/又は酸性溶液をスプレー、シャワーなどにより噴霧したり、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に浸漬したりすることによって行うことができるが、塩基処理天然ゴムに酸性溶液を塗布したり、塩基処理天然ゴムに酸性溶液を噴霧したり、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に浸漬したりといった、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に接触させる方法が好ましい。すなわち、上記pH調整工程は、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に接触させることによって、pHを2〜7になるように調整する工程であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
これらのなかでも、作業効率の観点から、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に浸漬する方法が特に好ましい。この処理を行うことによって、脱臭効果を長期持続させ、耐熱老化性の低下をより防止することができる。
これらのなかでも、作業効率の観点から、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に浸漬する方法が特に好ましい。この処理を行うことによって、脱臭効果を長期持続させ、耐熱老化性の低下をより防止することができる。
上記酸性溶液としては、pHが6以下に調整されたものを用いることが好ましい。このような酸性溶液に塩基処理天然ゴムを接触させることによって、脱臭効果の長期持続性、優れた耐熱老化性が得られる。該酸性溶液のpHの上限としては、5以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましい。また、下限は特に限定されず、接触時間にもよるが、酸性が強すぎるとゴムが劣化したり、廃水処理により手間がかかったりするため、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。
上記塩基処理天然ゴムのpHを2〜7に調整する方法として、塩基処理天然ゴムを酸性溶液に浸漬する方法を採用する場合には、酸性溶液中に塩基処理天然ゴムを放置しておくことによっても実施できるが、更に、浸漬時に、撹拌及び/又はマイクロ波照射を行うと、処理効率がより向上し好ましい。
このように、上記pH調整工程が、マイクロ波を照射して行われることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
このように、上記pH調整工程が、マイクロ波を照射して行われることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記pH調整工程における、塩基処理天然ゴムと酸性溶液との接触時間としては、特に限定されないが、3秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、30秒以上が更に好ましく、5分以上がより更に好ましく、10分以上が特に好ましく、30分以上が最も好ましい。3秒未満であると、充分に中和できず、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。塩基処理天然ゴムと酸性溶液との接触時間の上限は、酸性溶液のpH、濃度にも依存するため、特に規定されないが、生産性、作業効率上、48時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましく、10時間以下が更に好ましく、5時間以下が特に好ましい。
上記pH調整工程における、塩基処理天然ゴムと酸性溶液との接触温度(処理温度)としては、特に限定されないが、例えば、10〜50℃とすることができる。好ましくは15〜35℃である。なかでも、室温(20〜30℃)が特に好ましい。
上記酸性溶液は、酸性化合物溶液であることが好ましい。該酸性化合物溶液としては、酸性化合物の水溶液、酸性化合物のアルコール溶液等が挙げられるが、酸性化合物の水溶液が好ましい。
なお、上記酸性溶液は、後述する酸性化合物を水、アルコール等の溶媒で希釈、溶解することで調製することができる。
なお、上記酸性溶液は、後述する酸性化合物を水、アルコール等の溶媒で希釈、溶解することで調製することができる。
上記酸性化合物としては、特に制限されず、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ほう酸、ボロン酸、スルファニル酸、スルファミン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸などの有機酸等が挙げられる。上記酸性化合物としては、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、上記酸性化合物としては、硫酸、ギ酸、酢酸が好ましい。
上記酸性溶液における上記酸性化合物の濃度としては、上記酸性溶液100質量%中、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、1.0質量%以上が特に好ましい。また、該濃度としては、上記酸性溶液100質量%中、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、3.0質量%以下が特に好ましい。上記酸性溶液における上記酸性化合物の濃度が上記範囲内であると、より良好な耐熱老化性が得られる。一方、0.1質量%未満であると、脱臭効果の持続性、耐熱老化性向上効果が不充分となるおそれがあり、20質量%を超えると、処理後のゴム物性が低下するおそれがある。
上記塩基処理天然ゴムのpHを2〜7に調整するpH調整工程の後、得られた脱臭処理天然ゴムの表面上に残存する酸性溶液を洗浄する工程を行ってもよい。当該洗浄工程を行う方法としては、上述したとおりである。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例、比較例において用いた各種薬品を下記に示す。
Na2CO3:炭酸ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
NaHCO3:炭酸水素ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
NaOH:水酸化ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
E−27C:花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
Na2CO3:炭酸ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
NaHCO3:炭酸水素ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
NaOH:水酸化ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
E−27C:花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
<天然ゴムサンプルの調製>
通常のゴム農園で作製されたカップランプ(窒素含有量:0.37質量%)を入手し、5〜10mm角の大きさに切断した。
通常のゴム農園で作製されたカップランプ(窒素含有量:0.37質量%)を入手し、5〜10mm角の大きさに切断した。
(比較例1)
上述のようにして調製した天然ゴムサンプルをそのまま乾燥(70℃、14時間)して、サンプルを調製した。
上述のようにして調製した天然ゴムサンプルをそのまま乾燥(70℃、14時間)して、サンプルを調製した。
(実施例1〜5、比較例2)
表1に示す濃度の塩基性無機物及び界面活性剤の水溶液60gに、上述のようにして調製した天然ゴムサンプル6gを、表1に示す処理時間、室温(20〜30℃)で浸漬した。天然ゴムサンプルを取り出し、水で洗浄した後、70℃で14時間乾燥し、処理後天然ゴムを得た。
表1に示す濃度の塩基性無機物及び界面活性剤の水溶液60gに、上述のようにして調製した天然ゴムサンプル6gを、表1に示す処理時間、室温(20〜30℃)で浸漬した。天然ゴムサンプルを取り出し、水で洗浄した後、70℃で14時間乾燥し、処理後天然ゴムを得た。
得られた比較例1のサンプル、並びに、実施例1〜5及び比較例2の処理後天然ゴムについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(臭気成分の分析方法)
天然ゴムの臭気の主な原因物質としては、酢酸、吉草酸、イソ吉草酸、イソ吉草酸アルデヒド、酪酸のような低級脂肪酸及びそれらのアルデヒドが挙げられる。
そこでHead−Space GCMS(株式会社島津製作所製、製品名「GCMS−QP2010 Ultra」、ヘッドスペースサンプラ―として株式会社島津製作所製「HS−20」を使用)を用いて検出される上記成分のピーク面積比を各成分の嗅覚閾値で補正し、全てを足したものを臭気成分指数とした。そして、下記式により、臭気成分率を評価した。
臭気成分率(%)=(処理後天然ゴム〔比較例1の場合にはサンプル〕における臭気成分指数/処理前の天然ゴムサンプルにおける臭気成分指数)×100
天然ゴムの臭気の主な原因物質としては、酢酸、吉草酸、イソ吉草酸、イソ吉草酸アルデヒド、酪酸のような低級脂肪酸及びそれらのアルデヒドが挙げられる。
そこでHead−Space GCMS(株式会社島津製作所製、製品名「GCMS−QP2010 Ultra」、ヘッドスペースサンプラ―として株式会社島津製作所製「HS−20」を使用)を用いて検出される上記成分のピーク面積比を各成分の嗅覚閾値で補正し、全てを足したものを臭気成分指数とした。そして、下記式により、臭気成分率を評価した。
臭気成分率(%)=(処理後天然ゴム〔比較例1の場合にはサンプル〕における臭気成分指数/処理前の天然ゴムサンプルにおける臭気成分指数)×100
(天然ゴムの劣化特性評価)
処理後天然ゴム(比較例1の場合にはサンプル)の劣化特性は、下記式により、80℃で72時間老化させた後のムーニー粘度の保持率を評価した。ムーニー粘度保持率の値が大きいほど、処理後天然ゴムが劣化特性に優れていることを示す。具体的には、ムーニー粘度保持率が60%以上であれば充分劣化特性に優れているといえ、65%以上であればより劣化特性に優れているといえ、70%以上であれば更に劣化特性に優れているといえ、80%以上であればより更に劣化特性に優れているといえ、85%以上であれば特に劣化特性に優れているといえ、95%以上であれば中でも特に劣化特性に優れているといえる。
ムーニー粘度保持率(Mw保持率、%)=(老化後のムーニー粘度/老化前のムーニー粘度)×100
処理後天然ゴム(比較例1の場合にはサンプル)の劣化特性は、下記式により、80℃で72時間老化させた後のムーニー粘度の保持率を評価した。ムーニー粘度保持率の値が大きいほど、処理後天然ゴムが劣化特性に優れていることを示す。具体的には、ムーニー粘度保持率が60%以上であれば充分劣化特性に優れているといえ、65%以上であればより劣化特性に優れているといえ、70%以上であれば更に劣化特性に優れているといえ、80%以上であればより更に劣化特性に優れているといえ、85%以上であれば特に劣化特性に優れているといえ、95%以上であれば中でも特に劣化特性に優れているといえる。
ムーニー粘度保持率(Mw保持率、%)=(老化後のムーニー粘度/老化前のムーニー粘度)×100
表1の結果から、本発明の処理を行った凝固後の固形状天然ゴムは、臭気が低減し、かつ、耐熱老化性に優れることが分かる。
Claims (3)
- 脱蛋白処理されていない固形状の天然ゴムを塩基性溶液に接触させる塩基処理工程を含み、
前記塩基性溶液が、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、及びアンモニアからなる群より選択される少なくとも1種の塩基性無機物並びに界面活性剤を含む溶液である
ことを特徴とする天然ゴムの処理方法。 - 前記塩基性無機物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1記載の天然ゴムの処理方法。
- 前記処理方法は、前記塩基処理工程により得られる塩基処理天然ゴムのpHを2〜7に調整するpH調整工程を更に含む請求項1又は2記載の天然ゴムの処理方法。
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