JP2018030685A - ディスタック装置に用いる傾斜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブランク材C1が積み上げられたスタックCから最上位のブランク材C1のみを持ち上げるために、ブランク材相互を摺接移動させる傾斜形成装置Aであって、スタックCを押圧するスタック押圧部1、スタック押圧部1に接続されスタック押圧部1を水平方向に往復移動させる直動機構2、直動機構2の動作の有無を切り替える制御部を備え、スタックCを押圧するスタック押圧部1の上側がスタックC側に突出し、下側がスタックC側から後退する傾斜を有する傾斜形成装置A。
【選択図】図2
Description
分離装置には凹凸状の歯を備えた突き上げバーが設けられ、該歯にブランク材を引っ掛けて持ち上げるタイプのものや、突き上げバーを用いない磁着式、吸着式等のものがある。
スタックを押圧する分離装置の突き上げバーは、ブランク材の種類・形状に合わせて種々のものがあり、また、これをアタッチメントとして切り替えられる分離装置も知られている。
しかし、スタックの状態において、既に、ブランク材同士の端面に水平方向のズレが大きく生じている場合には凹凸が生じて十分にブランク材を整列させることができなかった(図11参照)。
これでは、その上に積まれたブランク材を全て持ち上げることとなってしまい、分離装置の本来の目的を達成できない。
また、スタックを挟んで分離装置と相対向する側に垂直の壁を設け、分離装置によってブランク材を該壁に押し付けることで撓ませて分離する方法が、同様に採用されている(図12参照)。
この落下の際の衝撃により、ブランク材の整列が悪くなったり、極端には変形や欠けが生じ、製品の歩留まり低下の原因となる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、傾斜形成装置Aと分離装置Bとの配置関係を説明する概略側面図である。
この場合、傾斜形成装置Aはそのスタック押圧部1がスタック側面に相対向するよう、また、分離装置Bは突き上げバーB1がスタック側面に相対向するように配置される。
傾斜形成装置AとスタックCの間及びスタックCと分離装置Bの距離は、スタックCを構成するブランク材C1の大きさ、厚み等の仕様に応じて適宜調整される。
傾斜形成装置Aと分離装置Bは、上方視でスタックCを挟んで水平方向にずれのない、相対向する位置に配される。
本発明の傾斜形成装置Aは、原則として、磁化しないアルミ板、合成樹脂板等の板材(ブランク材C1)が対象として使用されるが、磁化する板材にも当然、適用可能である。
また、板材の形としては、矩形状の他、円形等、任意の形状が採用できる。
スタックCは、上昇する機構を備えたリフターLの座面に多数のブランク材C1を積み上げたものである。
この場合、図1のように、ブランク材C1同士が正確に積み重ならず、通常、相互にズレた状態となっていることが多く、この状態では、積み重なったブランク材C1の端部(すなわち、スタックCの側面)は、凹凸で不揃いである。
これにより傾斜形成装置Aのスタック押圧部1、及び分離装置Bの突き上げバーB1が常に同じ高さでスタックCを押圧或いは分離する操作が可能となる。
図2は、傾斜形成装置Aを示す斜視図である。
図3は、傾斜形成装置Aにおけるスタック押圧部1が前進した状態の縦断面説明図である。
図4は、傾斜形成装置Aにおけるスタック押圧部1が後退した状態の縦断面説明図である。
一方、傾斜形成装置Aの前端には前壁部4が設けられており、この前壁部4には、矩形状の貫通孔5が形成されている。
ここでスタック押圧部1の形状は、上側がスタック側へ突出し、下側がスタック側から後退するような傾斜部11(すなわち傾斜面)を有するように形成されている。
この場合、スタックCの最上位にあるブランク材C1を、スタック押圧部1の傾斜部11の長さ範囲に入るようにして、スタック押圧部1で押圧すると、最上位のブランク材C1から一定距離下方に位置する範囲のブランク材C1が押されて摺接移動(スライド)することとなる(図5参照)。
すなわちスタック最上位に位置するブランク材C1が最も突出した状態となる。
これにより、スタック押圧部1がスタックCを押圧する際に、スタックCを崩さず、かつ十分に最上位のブランク材C1を押し出すことができる。
これにより、スタック押圧部1が確実に最上位のブランク材C1を押圧することができる。
その結果、スタック最上位のブランク材C1は、その直下に積まれたブランク材C1よりも最も前方に、すなわち最も分離装置B側に突出した状態となる。
分離装置Bによる最上位のブランク材C1のみを持ち上げる作用をより的確に傾斜形成装置Aは補助することができるのである。
これにより、ディスタック装置に続く搬送装置と同期して傾斜形成装置Aを制御することができる。
押圧力は摩擦抵抗に打ち勝つ大きさを要し、例えばブランク材C1がアルミニウムの場合は、鋼材の場合に比べ重量が軽いため、軽い力で押圧すれば良い。
これにより、スタックCを崩さず、摩擦抵抗に打ち勝って十分に最上位のブランク材C1を押し出すことができる。
これは分離装置Bの突き上げバーB1が最上位のブランク材C1を持ち上げた際に、当該ブランク材C1と、この下のブランク材C1との間に空気を吹き込むためにある。
傾斜形成装置側エアーノズル3が空気を吹き込む圧力は、ブランク材C1の種類、肉厚により異なるが、弱すぎると、分離装置Bを使って最上位のブランク材C1を剥離する効果が得られにくい。
すなわち相対向する位置にある分離装置Bの突き上げバーB1と協働しない場合に、磁力を使った単独の代替分離手段として分離機能を発揮する。
分離装置Bは、スタック最上位のブランク材C1を持ち上げる突き上げバーB1、突き上げバーB1を天秤バーB2を介して駆動させる動力機構B3、ブランク材C1同士の間に空気を吹き込む分離装置側エアーノズル(図示略)、マグネットB4等を備える(図5参照)。
突き上げバーB1は鋸歯状の歯を備えており、その基部には、第1スライダーB5とそれより前方にある第2スライダーB6が備わっており、第1スライダーB5は天秤バーB2に遊挿されている。
側壁部B7には案内板B8が交換可能に取り付けられており、この案内板B8には案内孔B9及び案内面B10が形成されている。
第1スライダーB5は、さらに案内孔B9に遊挿されている。
そのため、突き上げバーB1は、第1スライダーB5を起点として前進しながら上方に回動することができる。
この突き上げバーB1の動きにより、鋸歯状の歯をスタック最上位のブランク材C1に引っ掛け、スタック最上位のブランク材C1を1枚だけ持ち上げることができる。
分離装置側エアーノズルは、突き上げバーB1が持ち上げたブランク材C1とスタックCとの間にエアーを吹き込む。
このマグネットB4は、突き上げバーB1を使用しない場合に機能を発揮するものである。
すなわち相対向する位置にある傾斜形成装置Aのスタック押圧部1と協働しない場合に、磁力を使った単独の代替分離手段として分離機能を発揮する。
図5は、傾斜形成装置Aがブランク材C1を押圧し階段状の傾斜を形成し、突き上げバーB1が待機している状態を示す説明図である。
傾斜形成装置Aのスタック押圧部1が前進してブランク材C1を押圧し階段状の傾斜を形成している状態である。
そのため分離装置B側は、最上位のブランク材C1が一番突出した状態となっている。
尚、この傾斜形成装置Aによる階段状傾斜形成の前の段階では、通常、ブランク材C1が完全に重なり合っておらず、その端部は不整合な状態にある(図1参照)。
傾斜形成装置Aのスタック押圧部1は同じ位置にあり、相対向する側から突き上げバーB1が前進して最上位のブランク材C1の端部に当接する。
この時は、まだ最上位のブランク材C1は、上方に持ち上げられていない。
この時も傾斜形成装置Aのスタック押圧部1は同じ位置にあり、突き上げバーB1が上方に回動する。 この動きによって、最上位のブランク材C1が持ち上げられるが、この際、傾斜形成装置側エアーノズル3及び分離装置側エアーノズルから、持ち上げられたブランク材C1の下側に空気が各々吹き込まれる。
これにより、最上位のブランク材C1と、下に積み上げられたブランク材C1との剥離性がより高まり、より確実に最上位のブランク材C1のみを分離装置Bが持ち上げることができる。
これにより、分離装置Bがブランク材C1を持ち上げる側(図の左右)を切り替えることが可能である。
この配置では、前後左右のいずれの方向からもブランク材C1を持ち上げることが可能となる。
これにより、ロット替えや搬送方向の変更にも対応することができる。
また、共に使用する分離装置Bの種類は問わず、適用可能である。
例えば、積み重なったブランク材C1を上下一定範囲に渡って端部を階段状の傾斜に形成することが必要な場合に用いられる。
例えば、上方は傾度角度θを大きく、下方はそれより小さくすると、ブランク材C1の傾斜度合を2段に形成することができる。
この場合、例えば、2つ以上のスタック押圧部1を設けることにより、フェールセーフが働き、そのうち一つが故障しても、別のスタック押圧部1が使える利点がある。
加工対象となるワークが板材で、積み上げられた状態にある場合に適用可能であり、プレス加工をはじめとする板材加工におけるディスタック工程に広く利用される。
1・・・スタック押圧部
11・・・傾斜部
θ・・・角度
2・・・直動機構
3・・・傾斜形成装置側エアーノズル
4・・・前壁部
5・・・貫通孔
B・・・分離装置
B1・・・突き上げバー
B2・・・天秤バー
B3・・・動力機構
B4・・・マグネット
B5・・・第1スライダー
B6・・・第2スライダー
B7・・・側壁部
B8・・・案内板
B9・・・案内孔
B10・・・案内面
C・・・スタック
C1・・・ブランク材
L・・・リフター
Claims (5)
- ブランク材が積み上げられたスタックから最上位のブランク材のみを持ち上げるために、ブランク材相互を摺接移動させる傾斜形成装置であって、
スタックを押圧するスタック押圧部、スタック押圧部に接続されスタック押圧部を水平方向に往復移動させる直動機構、直動機構の動作の有無を切り替える制御部、を備え、
スタックを押圧するスタック押圧部の上側がスタック側に突出し、下側がスタック側から後退する傾斜を有する傾斜形成装置。 - 前記スタックを挟んで相対する位置に配置された分離装置と協働する請求項1記載の傾斜形成装置。
- スタックを挟んで相対する位置に配置された分離装置と、交互に複数台配置される請求項2の傾斜形成装置。
- 上記傾斜が0°〜20°の間である請求項1記載の傾斜形成装置。
- ブランク材を摩擦抵抗に打ち勝つ力で押圧する請求項1記載の傾斜形成装置。
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