JP2007204183A - ワーク搬送方法及びワーク搬送装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 カッタで切断して形成される矩形ワークをワークテーブル上から容易に持ち上げ、その持ち上げた矩形ワークから不要部分を確実に分離させるようにしたワーク搬送方法及びワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送移動可能な吸着ベース18に切断された矩形ワークW1と対応するように吸着パッド35を取り付け、矩形ワークW1辺の半分程度の小径である吸着パッド35を矩形ワークW1の中心から偏心した位置を吸着させて持ち上げた後に、前記吸着ベース18に設けた振動発生手段33により吸着パッド35を振動させるようにした。
【選択図】 図6

Description

本発明は、シート状ワークをカッタで切断して形成される矩形ワークを吸着して搬送するようにしたワーク搬送方法及びワーク搬送装置に関する。
特許文献1には、ワークテーブル上に載置されるセラミックグリーンシートなどのシート状ワークを、昇降するカッタによって切断して複数の小さなサイズの矩形ワークとするシート状ワークの切断機が記載されている。この特許文献1に記載の切断機においては、1枚のシート状ワークWは、例えば図9(a)に示すように、周囲を枠状に残して縦横に切れ目が入れられて複数の矩形ワークW1とその間の不要部分W2に切断される。このような切断機から矩形ワークW1を取り出すものとして、図9(b)に示すように、矩形ワークW1の夫々に対応して吸着パッドaを設けて矩形ワークW1を上側から吸着し、不要部分W2のみをワークテーブル側から吸着し、その状態で吸着パッドaをシート厚さ方向上方に移動させることで矩形ワークW1と不要部分W2とを分離し、矩形ワークW1のみを吸着パッドaで吸着して次工程に運ぶものが実用に供されている。
類似する技術として特許文献2では、可撓性の吸着パッドをワーク全体に吸着させ、ワークの両端部を中央部より先に持ち上げるワークの搬送装置が開示してある。特許文献3では、複数の吸着パッドを有する板材の搬送装置が開示してある。
特開2001−113520号公報 特開平5−246565号公報 特開2001−310834号公報
実用に供されている矩形ワークW1の分離搬送方法では、ワークテーブルから矩形ワークW1のみを持ち上げて不要部分W2から分離するものであるため、切断面の摩擦抵抗により不要部分W2との分離が確実でなく矩形ワークW1がワークテーブル側に残る不要部分W2に引っ張られて厚さ方向で変形してしまうおそれがあった。また、矩形ワークの中心を吸着した状態で持ち上げようとすると、矩形ワークとワークテーブルとの間が真空状態となっているので矩形ワークが容易に持ち上がらない問題があった。
特許文献2,3は、積層された多数枚のシートや板材に吸着パッドを吸着させて1枚づつ持ち上げるものであり、カッタで切断して形成される矩形ワークに吸着パッドを吸着させて持ち上げるようになっていない。
そこで本発明の課題は、上記問題点を解決するもので、カッタで切断して形成される矩形ワークをワークテーブル上から容易に持ち上げ、その持ち上げた矩形ワークから不要部分を確実に分離させるようにしたワーク搬送方法及びワーク搬送装置を提供することを目的とする。
本発明のワーク搬送方法は、シート状ワークをカッタで切断して形成される矩形ワークを吸着して搬送するようにしたワーク搬送方法において、搬送移動可能なベースに切断された矩形ワークと対応する引上具を取り付け、引上具を矩形ワークの中心から偏心した位置に対峙させて持ち上げるようにしたことを特徴とする。
具体的には、引上具を吸着パッドで構成し、吸着パッドを矩形ワークの中心から偏心した位置に吸着させて持ち上げるようにしたことを特徴とする。
また、複数の吸着パッドを切断された矩形ワークの中心から偏心した位置に吸着させて持ち上げるようにしたことを特徴とする。
更に、ベースに引上具を振動させる振動発生手段を設け、引上具が切断された矩形ワークの中心から偏心した位置を持ち上げた後に、振動発生手段により引上具を振動させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明のワーク搬送装置は、搬送移動可能なベースに撓み板を板厚方向に撓み可能となるようにその周辺部を支持し、その撓み板に切断された矩形ワークと対応する引上具を取り付け、ベースに設けた振動発生手段により撓み板を介して引上具を振動させるようにしたことを特徴とする。具体的には、引上具を吸着パッドで構成し、吸着パッドを振動させるようにしたことを特徴とする。また、振動発生手段の上下振動部材を撓み板の面中央に接続して、撓み板の中央部分を上下動させるようにしたことを特徴とする。
本発明では、搬送移動可能なベースに切断された矩形ワークと対応する引上具を取り付け、引上具を矩形ワークの中心から偏心した位置に対峙させて持ち上げるようにしたことで、矩形ワークの角部から矩形ワークとワークテーブルの間に空気が入り込むので容易に矩形ワークが持ち上がるようになる。また、引上具を吸着パッドで構成し、吸着パッドを矩形ワークの中心から偏心した位置に吸着させて持ち上げるようにしたので、吸着パッドによって矩形ワークの持上げ及び持上げ解除を容易に確実に行える。また、切断された矩形ワークが大きなものである場合には、複数の吸着パッドを切断された矩形ワークの中心から偏心した位置に吸着させることで、容易に矩形ワークが持ち上がるようになる。
更に、ベースに引上具を振動させる振動発生手段を設け、引上具が切断された矩形ワークの中心から偏心した位置を持ち上げた後に、振動発生手段により引上具を振動させるようにしたので、持ち上げた矩形ワークと一緒に不要部分が持ち上がっても、引上具を振動させることで不要部分が確実に落下することになる。また、搬送移動可能なベースに撓み板を板厚方向に撓み可能となるようにその周辺部を支持し、その撓み板に切断された矩形ワークと対応する引上具を取り付け、ベースに設けた振動発生手段により撓み板を介して引上具を振動させるようにしたので、撓み板に設けた引上具を簡易な構成で効率的に振動させることができる。また、引上具を吸着パッドで構成し、吸着パッドを振動させるようにしたので、矩形ワークの持上げ及び持上げ解除を簡易な構成で確実に行える。また、振動発生手段の上下振動部材を撓み板の面中央に接続して、撓み板の中央部分を上下動させるようにしたので、吸着パッド等の引上具を上下振動と共に外向きに傾けることができ、矩形ワークを不要部分から引き離して確実に持上げることができる。
図1,2において、1はセラミックグリーンシート(シート状ワーク)Wの切断機であり、ワークテーブル2は、ベース2Aに上下方向の中心軸線周りに90°回転可能に支持されている。該ベース2Aはワークテーブル2の上面がカッタ3と対向する加工位置P1とその前方のワーク取り出し位置P2との間で図示しないねじ送り機構により進退移動する。セラミックグリーンシートWは、図5に示すように、中央に矩形孔7を有する保持枠8に粘着テープ9で周囲が貼り付けられ、この保持枠8を図示しないクランプ装置によりワークテーブル2上に固定される。こうしてワークテーブル2上に載置されたセラミックグリーンシートWに対して、カッタ3の昇降運動とワークテーブル2の加工位置P1での前後送り運動により送り方向と直交する方向に複数の切れ目を入れ、その後、ワークテーブル2を90°回転して前記切れ目と直交する複数の切れ目を入れ、図5に示すように周囲を枠状に残し、内側エリアを複数(ここでは縦4、横4の16個のマトリクス分布である)の矩形(正方形)ワークW1と矩形ワークW1の間の縦横の不要部分W2とに切断する。尚、切断機1は1枚のセラミックグリーンシートWを切断する場合も、複数枚を積層したものを切断することもある。
前記切断機1の前方には、複数の矩形ワークW1を個々に吸着して搬送するワーク搬送装置Aが設置されている。ワークテーブル2の移動方向と直交する左右両側にはフレーム10が立設され、上部が横板11で接続してある。横板11には左右方向に直線案内レール12と周知のロッドレスシリンダ13が並設してある。断面L字の搬送基体16の背面に直線案内レール12に案内される案内子14が固着されると共に、ロッドレスシリンダ13の外側移動体15が連結され、外側移動体15の移動により搬送基体16が直線案内レール12に沿って左右方向に移動するようになっている。搬送基体16には昇降ガイドロッド17によりベースを構成する吸着ベース18を昇降可能に案内し、昇降シリンダ19で吸着ベース18を昇降するようにしてある。吸着ベース18の四隅には下面に所定長さのロッド20が固着されている。そのロッド20の下端にはリング状の上板21と中心が段付き孔23となっているリング状の下部材22とがボルト24により一体に取り付けてある。上板21の中心孔25径は段付き孔23の大径部23aより小さくしてあり、段付き孔23の小径部23bより大きくしてある。上板21と段付き孔23とにより円溝26が形成され、この円溝26に円板状の撓み板30がその外周(周辺部)をゴムのごとき弾性体31で厚さ方向の両側を挟み込んで嵌装されている。撓み板30は、下部材22に圧入したスプリングピン32が切欠き溝30aに嵌まり込むことで回転方向への移動を防止されると共に、撓み板30の外周が弾性体31に挟まれた状態で面方向に移動できるようになっている。撓み板30の面中央には、振動発生手段としてのシリンダ33のピストンロッド34(上下振動部材)が連結してある。シリンダ33は吸着ベース18に固定してある。
撓み板30には前記切断後の複数の矩形ワークW1の分布位置と対応して、ワーク取り出し位置P2に位置された各矩形ワークW1と上下に対応する位置に、引上具として例示する吸着パッド35の上端部が撓み板30に一体に連結されている。また、各吸着パッド35の吸着面36を、図5,6に示すように、矩形ワークW1の中心から偏心した位置に吸着させるようになっている。各吸着パッド35は撓み板30から下方に所定長さ突出した下端に吸着面36を有し、図示しない吸引源と連通されて前記吸着面36に吸引力を生じ、矩形ワークW1を個々に吸着するようになっている。尚、本実施形態では、カッタ3で切断して形成される複数の矩形ワークW1を持ち上げるものであるが、図7のようなカッタ3で切断して形成される矩形ワークW3の場合には、複数(2個)の吸着パッド35の吸着面36を矩形ワークW3の中心から偏心した位置に吸着させるようになっている。ワーク取り出し位置P2の側方には矩形ワークW1の取り出し台37が設けてある。
前述のように、切断機1の加工位置P1にワークテーブル2を位置させてワークテーブル2上のセラミックグリーンシートWに縦横に切れ目を入れ、そのワークテーブル2をワーク取り出し位置P2に移動させると、待機していたワーク搬送装置Aの各吸着パッド35が切断された各矩形ワークW1と上下に対向する。シリンダ33のピストンロッド34を突出させずに撓み板30を水平にしたまま吸着ベース18がワークテーブル2上面に向けて下降し、図5,6(a)のように、下降端において各矩形ワークW1は対応する吸着パッド35により矩形ワークW1の中心から偏心した位置を吸着される。
次いで吸着ベース18が上昇すると、図6(b)のように、矩形ワークW1の角部が持ち上げられる。このように予め角部を持ち上げることで、矩形ワークW1とワークテーブル2との間の空気が入り込み、矩形ワークW1とワークテーブル2との間の真空状態が解除されるから、従来に比べ矩形ワークW1が容易に持ち上げられる。そして、図6(c)のように、不要部分W2は吸着パッド35で吸着されていないのでそのままワークテーブル2上に残るものもあるが、矩形ワークW1と一緒に持ち上がるものも発生する。吸着ベース18が上昇したところで、シリンダ33のピストンロッド34を繰り返し突出させ撓み板30の中央部分を上下動させる。すると撓み板30を介して各吸着パッド35が振動することで矩形ワークW1から不要部分W2が分離され、不要部分W2はワークテーブル2上に落下する。不要部分W2を切り離した矩形ワークW1は対応する吸着パッド35に吸着されたまま、ロッドレスシリンダ13の動作により搬送基体16が取り出し台37方向に搬送され、取り出し台37の上方で停止し、下降して複数の矩形ワークW1を取り出し台37上に載置して吸着が解除される。
上記実施形態では、縦4、横4の矩形ワークW1となる切断分布パターンに対応した配置で吸着パッド35を撓み板30に配置しているが、他の切断分布パターン、例えば不要部分W2の幅が小さくなって縦5、横5であるとか、縦6、横6であるとかの場合が想定されるときには、予めそれらに対応して吸着パッド35を備えた撓み板30を準備しておく。そして、ボルト24を外して上板21と下部材22とを取り外し、切断分布パターンに対応した撓み板30を選択して上板21と下部材22との間に弾性体31を挟むようにして段取り替えすれば、各種の切断分布パターンに迅速に対応できる。
尚、本実施形態では、吸着パッド35の吸着面36を切断された矩形ワークW1辺の半分程度の小径にし、その吸着面36を矩形ワークW1の中心から偏心した位置に吸着させることで、矩形ワークW1の角部に吸着パッド35が近づき、矩形ワークW1の角部が不要部分W2に引っ張られることなく矩形ワークの角部を容易に持ち上げることができる。また、図8のように、吸着パッド35の吸着面36Aを切断された矩形ワークW1の上面と略同じ大きさにし、その吸着面36Aの一部を矩形ワークW1の中心から偏心した位置に吸着させるようにしたことで、矩形ワークW1の角部により近づいた位置に吸着させることも可能となる。
また、本発明の引上具としては、図示のような空気吸引によって吸着する吸着パッドに特定されるものではなく、空気噴射によって負圧を発生させて吸着するようにした吸着パッドや、粘着力を利用して引き上げるようにした粘着パッドを利用したり、或いはシートの材質によっては静電気や磁力を利用した持上部材で構成しても良い。
本発明のワーク搬送装置と切断機を組み合わせた状態の正面図である。 図1のII視図である。 図1のIII−III線拡大断面図である。 図3のIV−IV線拡大断面図である。 本実施形態での吸着パッドの吸着位置を示す図である。 作用説明図である。 他の実施形態を示す図である。 別の実施形態を示す図である。 (a)は切れ目の入ったセラミックグリーンシートを示す斜視図、(b)は従来の分離搬送装置を示す図である。
符号の説明
3 カッタ
18 吸着ベース
30 撓み板
33 シリンダ
34 ピストンロッド
35 吸着パッド
36 吸着面
W セラミックグリーンシート
W1 矩形ワーク
A ワーク搬送装置

Claims (7)

  1. シート状ワークをカッタで切断して形成される矩形ワークを吸着して搬送するようにしたワーク搬送方法において、搬送移動可能なベースに切断された矩形ワークと対応する引上具を取り付け、引上具を矩形ワークの中心から偏心した位置に対峙させて持ち上げるようにしたことを特徴とするワーク搬送方法。
  2. 引上具を吸着パッドで構成し、吸着パッドを矩形ワークの中心から偏心した位置に吸着させて持ち上げるようにしたことを特徴とする請求項1記載のワーク搬送方法。
  3. 複数の吸着パッドを切断された矩形ワークの中心から偏心した位置に吸着させて持ち上げるようにしたことを特徴とする請求項2記載のワーク搬送方法。
  4. ベースに引上具を振動させる振動発生手段を設け、引上具が切断された矩形ワークの中心から偏心した位置を持ち上げた後に、振動発生手段により引上具を振動させるようにしたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のワーク搬送方法。
  5. 搬送移動可能なベースに撓み板を板厚方向に撓み可能となるようにその周辺部を支持し、その撓み板に切断された矩形ワークと対応する引上具を取り付け、ベースに設けた振動発生手段により撓み板を介して引上具を振動させるようにしたことを特徴とするワーク搬送装置。
  6. 引上具を吸着パッドで構成し、吸着パッドを振動させるようにしたことを特徴とする請求項5記載のワーク搬送装置。
  7. 振動発生手段の上下振動部材を撓み板の面中央に接続して、撓み板の中央部分を上下動させるようにしたことを特徴とする請求項5記載のワーク搬送装置。
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